JP3846331B2 - 微粒子分散体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック樹脂製品に対するめっき処理やプリント配線基板のスルーホールめっき法、セミアディティブ法等におけるめっき処理において、不導体樹脂上に導電性皮膜を形成する方法として、古くから、無電解銅めっきが行われている。しかしながら、無電解銅めっき液に配合されているホルマリンの発癌性の問題や、EDTAの規制、廃液の海洋投棄の制限等により、無電解銅めっき処理を取り巻く環境が年々厳しくなっている。
【0003】
また、一般に、無電解めっき処理は、多くの工程からなるため、長時間を要し、しかも、無電解めっき液の管理が煩雑である等の問題がある。このため、無電解めっき処理に代わり得る樹脂製品における新しい導電性皮膜形成方法が強く要望されている。
【0004】
ところで、近年、エレクトロニクス機器の小型化、薄型化、軽量化等の進展に伴い、プリント配線板に対する高密度化の要求が厳しくなりつつある。プリント配線板を高密度化する方法としては、ファインパターン化、ファインピッチ化、高積層化等の方法が考えられるが、近年、低コスト化の要求が強く、積層数を増加させることなく、導体回路の面密度を向上させることが望まれている。
【0005】
プリント配線板における導体回路の面密度を向上させるためには、回路幅と回路間隔をより狭くすること、即ち、回路のファインパターン化が必要となり、この様な回路のファインパターン化に対応するためには、絶縁層である樹脂基材表面の表面粗さを最小限に保つ必要がある。
【0006】
樹脂基材表面に対する導電性皮膜の密着性を向上させるためには、回路幅が広い場合には、樹脂層の表面に数μm程度の凹凸を形成していわゆるアンカー効果を利用する方法があるが、導体回路の面密度の高いプリント配線板では、樹脂表面を粗化することなく、密着性の高い導電性皮膜を形成する必要がある。
【0007】
特開平8−209354号公報には、樹脂製品に酸性基を導入した後、金属イオン含有液で処理し、その後、還元剤を含有する溶液中に浸漬して導電性皮膜を形成する方法が記載されている。
【0008】
しかしながら、この方法では、還元剤含有溶液を用いて金属イオンを還元する際に、樹脂の表面層中に吸着されて存在する金属イオンが樹脂表面に拡散し、樹脂表面において比較的大きな金属粒子が析出して、金属微粒子の核形成密度が低くなる傾向がある。その結果、樹脂基材表面の表面粗さが小さい場合には、形成される導電性皮膜は、十分な密着強度を得ることができない。
【0009】
このため、今後更に進展すると考えられるプリント配線板のファインパターン化に対応するために、平滑な樹脂表面上においても密着性の高い導電性皮膜を形成できる方法の開発が望まれている。
【0010】
一方、近年、大容量のデジタル情報等の多量の情報を高密度で記録するために、高記録密度媒体に対する要望が高くなっている。
【0011】
磁性記録材料の製造方法としては、従来、ガラス、アルミニウム、樹脂等の支持体上に、スパッタリング、真空蒸着、めっき等の方法で成膜する方法や磁性微粒子を含む材料を塗布する方法等によって、磁性体層を形成し、その後スパッタリング等の方法で炭素等の保護膜を被覆し、更に、必要に応じて、潤滑剤を塗布する方法等が一般的に行われている。
【0012】
これに対して、ナノサイズの金属、半導体超微粒子等を固体誘電膜中に分散した複合材料が、情報、エレクトロニクス等の分野において注目されており、特に、誘電体マトリクス中にNi、Co等の磁性金属のナノ粒子が分散した複合薄膜は、グラニュラー磁性薄膜と呼ばれ、高保持力、高比抵抗を持ち、分散した粒子がそのサイズにより単磁区構造をとることから、高記録密度媒体として注目されている。
【0013】
グラニュラー磁性薄膜の製造方法としては、従来、スパッタリング法、CVD法、ゾル−ゲル法、磁性材料微粒子分散樹脂を塗布する方法等が検討されている。しかしながら、これらの方法では、超微粒子のサイズの均一性、マトリックス中における均一分散性、膜自身の均一性、平滑性等の制御が難しいという問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、無電解めっき法に代わり得る新規な導電性皮膜の形成方法として利用可能な方法であって、平滑な樹脂表面上においても密着性の高い導電性皮膜を形成できる方法を提供することである。
【0015】
また、本発明のその他の目的は、グラニュラー磁性薄膜等としての利用が可能な磁性微粒子の分散体を、操作が簡単で設備コストの低廉な化学的手法によって製造できる方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、イオン交換基を含む樹脂基材を、金属イオンを含有する溶液に接触させて樹脂基材に金属イオンを吸着乃至結合させた後、気相中において、還元、酸化、硫化等の処理を行う場合には、金属イオンの表面拡散、粗粒化等が抑制され、樹脂基材の表面部分に金属、金属酸化物、金属硫化物等のナノサイズの微粒子が均一に分散した材料が得られることを見出した。そして、この様にして得られた微粒子分散体については、気相中で還元処理を行った場合には、樹脂基材表面に密着性の良い導電性皮膜が形成されたものとなり、また、金属成分として磁性金属を用いた場合には、金属、金属酸化物、金属硫化物等の磁性体微粒子が樹脂基材の表面部分に均一に分散した優れた特性を有する磁性体薄膜となることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0017】
即ち、本発明は、下記の微粒子分散体の製造方法を提供するものである。
1. イオン交換基を含む樹脂基材を、金属イオンを含有する溶液に接触させた後、気相中において還元、酸化及び硫化から選ばれた少なくとも一種の処理を行うことを特徴とする微粒子分散体の製造方法。
2. 金属イオンが磁性金属のイオンであり、得られる微粒子分散体が、金属、金属酸化物及び金属硫化物から選ばれた少なくとも一種の磁性体微粒子の分散体である上記項1に記載の微粒子分散体の製造方法。
3. 下記の工程を含む方法によって樹脂基材を処理することを特徴とする樹脂基材上への導電性皮膜の形成方法:
(1)樹脂基材に酸性基を導入する工程、
(2)上記(1)工程で処理した樹脂基材を金属イオン含有液と接触させる工程、
(3)上記(2)工程で処理した樹脂基材を気相還元処理して、該樹脂基材上に導電性皮膜を形成する工程。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の微粒子分散体の製造方法の各工程について説明する。
樹脂基材
本発明方法では、被処理物としては、イオン交換基を含む樹脂基材を用いる。
【0019】
樹脂基材に含まれるイオン交換基としては、金属イオンを化学的に吸着乃至結合できるものであれば特に限定はない。本発明方法で有効に使用し得るイオン交換基の例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性基、即ち、陽イオン交換基を挙げることができ、好ましくはスルホン酸基、カルボキシル基等を例示できる。
【0020】
本発明で使用できる樹脂基材の種類についても特に限定はなく、使用目的に応じた適度な物性を有する樹脂からなる基材から適宜選択すればよい。基材として使用できる樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0021】
樹脂基材は単独の樹脂からなるものであっても、複数の樹脂を混合して用いたものでも良い。例えば、エポキシ樹脂を、ポリイミド樹脂やポリアミド樹脂と混合して用いても良い。
【0022】
本発明では、樹脂基材は樹脂のみからなる成形品に限定されず、ガラス、セラミックス、金属等の各種素材から成る基材上を樹脂で被覆したものでも良い。また、樹脂をガラス繊維等で補強した成形品であっても良い。
【0023】
樹脂基材の具体例としては、例えば、導電性皮膜を形成する場合の樹脂基材としてはプリント配線板を挙げることができる。また、磁性微粒子を分散させる場合には、例えば、樹脂基材としてポリイミドテープを例示できる。
【0024】
本発明では、被処理物としては、イオン交換基が予め導入されている樹脂基材を使用しても良く、或いは、イオン交換基を含まない樹脂中に、イオン交換基を導入し、これを被処理物として用いても良い。
【0025】
樹脂基材にイオン交換基を導入する場合に使用できる樹脂としては、樹脂中にイオン交換基を導入できるものであれば、特に限定はない。例えば、スルホン化によってスルホン酸基を導入する場合には、ベンゼン環等の芳香族環や水酸基等のスルホン化が比較的容易な基を有する樹脂を用いることができ、特に、これらの基を有する樹脂のうちで、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂等が好適に用いられる。また、カルボキシル基を導入する場合には、例えば、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が好適に用いられる。
【0026】
樹脂基材に導入するイオン交換基としては、被処理物として用いる樹脂基材に導入可能であって、金属イオンを化学的に吸着乃至結合できるものであれば限定なく使用することができる。例えば、上記したスルホン酸基、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性基(陽イオン交換基)を用いることができる。
【0027】
イオン交換基を導入する方法は、特に限定的ではなく、各種の方法が可能であり、使用する樹脂とイオン交換基の種類に応じて、適宜、公知の導入方法を採用すればよい。
【0028】
例えば、スルホン酸基を樹脂基材に導入する場合には、公知のスルホン化反応を適用すればよい。この際に用いるスルホン化剤としては、公知の各種スルホン化剤を用いることができ、例えば、硫酸、発煙硫酸、三酸化イオウ、クロロ硫酸、塩化スルフリル等を用いることができる。
【0029】
これらのスルホン化剤のうちで、硫酸を用いる場合の製造方法について具体的に説明する。スルホン化反応は、通常、硫酸水溶液に樹脂基材を浸漬することによって行うことができる。スルホン化反応に用いる硫酸濃度は、一般に、70〜90重量%程度、好ましくは75〜85重量%程度とすればよい。硫酸濃度が70重量%未満では、スルホン化に時間がかかるので好ましくなく、一方、90重量%を上回ると、樹脂の溶解、劣化が生じ易いので好ましくない。スルホン化の処理温度は、スルホン化の対象となる樹脂の種類にもよるが、一般に50〜100℃程度、好ましくは60〜80℃程度とすればよい。処理時間は、スルホン化の程度によって変わりうるが、一般に1〜60分間程度とすればよい。
【0030】
スルホン酸基の導入量については、スルホン化剤の濃度、処理温度、処理時間等を変えることによって調整することができ、スルホン酸基の導入量の増加とともに、後述する金属イオン含有溶液による処理工程において吸着乃至結合される金属量が増加する。よって、得られる微粒子分散体の用途などに応じて、具体的なスルホン化の処理条件を決めれば良い。
【0031】
イオン交換基としてカルボキシル基を導入する場合にも、カルボキシル基を導入するための公知の反応を利用することができ、使用する樹脂に応じて、適当な条件を決めればよい。例えば、樹脂基材がポリイミドの場合には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリの1〜10モル/l程度、好ましくは、3〜7モル/l程度の水溶液に浸漬することによって、カルボキシル基を導入できる。処理温度は、特に限定的ではないが、室温〜80℃程度、好ましくは40〜60℃とすれば良く、時間は1〜60分、好ましくは3〜10分とすればよい。
【0032】
カルボキシル基の導入量は、濃度、温度、時間等を変えることで調整でき、それに応じて導入金属量も調整できる。
【0033】
また、その他のカルボキシル基導入方法として、70〜100重量%程度、好ましくは80〜90%の濃度の酢酸水溶液を利用してカルボキシル化反応を行えばよく、温度、時間は上述と同様の方法で、要求に応じて決定すれば良い。
【0034】
イオン交換基としてフェノール性水酸基等を導入する場合にも、フェノール性水酸基を導入するための公知の反応を利用して行うことができ、使用する樹脂の種類に応じて、適当な導入条件を決めればよい。
【0035】
尚、後の工程を効率よく行うために、上記処理の後に水洗処理を行うことが好ましい。
金属イオン含有液による処理
本発明方法では、まず、イオン交換基を含む樹脂基材を、金属イオンを含有する溶液に接触させる。この処理によって、樹脂基材中に存在するイオン交換基に金属イオンが吸着乃至結合する。
【0036】
金属イオンとしては、樹脂基材に含まれるイオン交換基に吸着乃至結合するものであれば特に限定はなく、最終的に得られる微粒子分散体の用途等に応じて、金属イオンの種類を適宜決めればよい。
【0037】
例えば、本発明方法によって得られる微粒子分散体を導電性皮膜として用いる場合には、後工程における気相還元処理によって形成される金属層が導電性を示すものとなる金属イオンを使用すればよい。このような金属のうちで、好ましいものとしては、銅、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、金、銀等、これらの混合物等が挙げられる。
【0038】
また、本発明方法によって得られる微粒子分散体を磁性体薄膜として利用する場合には、後工程における還元、酸化又は硫化処理によって形成される金属、金属酸化物、金属硫化物等が磁性微粒子となる金属イオンであれば特に限定なく使用することができる。このような金属のうちで好ましいものとしては、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、ランタニド(ネオジウム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム)等、これらの混合物等が挙げられる。さらに、これらの金属イオンに加えて、必要に応じて、異種金属をドープするためにその他の金属イオンを混合しても良い。ドープ金属としては公知のものを用いることができ、例えばCu、マンガン、レニウム、ビスマス等を例示できる。
【0039】
金属イオンは、一般に金属塩として金属イオン含有液に配合される。使用する金属塩の種類については特に限定はなく、金属の種類に応じて、適度な可溶性を有する金属塩を用いればよい。例えば、銅イオンの場合には、硫酸銅、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅、塩基性炭酸銅等の形で配合することができ、ニッケルイオンの場合には、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等の形で配合することができる。
【0040】
金属イオン含有液における金属イオンの濃度は、通常、0.001〜1.5モル/リットル程度が適当であり、0.01〜1モル/リットル程度が好ましく、0.1〜1モル/リットル程度がより好ましい。
【0041】
金属イオン含有液は、一般的には水溶液として使用される。但し、使用する金属イオンによっては、メタノール等の有機媒体を用いても良い。
【0042】
また、必要に応じて、金属イオン含有液には、pHを維持するための緩衝剤や、金属イオンの沈殿防止のための錯化剤等を配合することができる。
【0043】
尚、イオン交換基と金属イオンとの反応により、金属イオン含有液のpHは、徐々に低下するので、金属イオンを水酸化物の形態で補充する場合には、金属イオン含有液のpHは、弱酸性〜中性、具体的にはpH2〜6程度、好ましくは3〜4程度に調整することが望ましい。
【0044】
金属イオンを含有する溶液を樹脂基材に接触させる方法は、特に限定的ではないが、通常は、樹脂基材を金属イオン含有液に浸漬すればよい。この処理によって樹脂基材に含まれるイオン交換基に金属イオンが結合乃至吸着される。浸漬処理は、例えば、20〜80℃程度、好ましくは25〜80℃程度の温度において、例えば、1〜20分程度、好ましくは3〜10分程度行えばよい。
【0045】
尚、後の工程を効率よく行うために、上記処理の後に水洗処理を行うことが好ましい。
気相処理
上記した方法で金属イオン含有液による処理を行った後、気相中において還元、酸化及び硫化から選ばれた少なくとも一種の処理を行なう。
【0046】
気相中において還元、酸化及び硫化から選ばれた少なくとも一種の処理を行うための具体的な方法については特に限定的ではなく、樹脂基材に結合乃至吸着している金属イオンを金属化(還元)、酸化物化(酸化)又は硫化物化(硫化)することが可能な気体を用い、この気体を反応に必要な反応温度として樹脂基材に接触させればよい。
【0047】
本発明方法において使用できる反応用気体の具体例としては、例えば、還元反応を行う場合には、水素ガス、ジボランガス等の還元性ガスを例示でき、酸化反応を行う場合には、酸素ガス、大気等の酸化性ガスを例示でき、硫化反応を行う場合には、硫化水素ガス等を例示できる。
【0048】
気相中における反応の具体的な条件、例えば、反応温度、反応時間等については、反応に使用する気体の種類と被処理物である樹脂に吸着した金属イオンの種類等に応じて、目的とする反応が進行するように適宜決定すればよい。
【0049】
例えば、還元性ガスとして水素ガスを用いる場合には、水素ガス気流中に処理対象の樹脂基材を置き、30〜350℃程度の温度で、5〜60分間程度水素ガスに接触させればよい。具体的な処理温度は、樹脂基材の耐熱性や金属イオンの還元され易さ等を考慮して適宜決めればよい。例えば、金属イオンが銅イオンの場合には、150〜180℃程度の加熱温度とすることが好ましく、金属イオンが銀イオンの場合には、100〜120℃程度の加熱温度とすることが好ましい。また、金属イオンがニッケルイオンの場合には、280〜320℃程度で10〜120分間程度処理することが好ましい。樹脂基材に2種類以上の金属イオンが吸着されている場合は、この処理によって合金微粒子が形成される。
【0050】
気相中において還元、酸化及び硫化から選ばれた少なくとも一種の処理を行うことによって、樹脂基材表面の厚さ数μm程度の範囲内に結合乃至吸着している金属イオンは、樹脂基材の表面に拡散することが抑制され、逆に樹脂内部に拡散しながら反応が進行する。その結果、粒径が数nm程度の非常に微細な金属、金属酸化物又は金属硫化物の微粒子が、樹脂基材の表面から数十ナノメートル〜数μmの範囲において、樹脂マトリックス中に均一に分散した状態となる。
【0051】
この様にして形成される微粒子分散体では、気相還元によって金属微粒子分散体を形成する場合には、核密度の非常に高い金属微粒子が樹脂基材内部において形成され、良好な導電性を有すると共に、表面が平滑な樹脂基材に対しても高い密着性を示す導電性皮膜となる。
【0052】
また、金属イオンとして、磁性金属のイオンを用いる場合には、形成される金属、金属酸化物、金属硫化物等の形態の磁性体微粒子の分散体は、高密度にもかかわらず各微粒子が独立し、しかも微粒子の大きさや分散状態が均一であることから、優れた特性を有する磁性体薄膜となる。しかも、本発明の方法によれば、気相反応の際に、金属イオンが樹脂基材の表面に拡散することが抑制されると同時に、樹脂内部に拡散しながら反応が進行するために、樹脂基材の表面から数十ナノメートル程度の範囲には微粒子が存在せず、樹脂層のみが存在する状態となる。このため、従来の磁性体薄膜では、磁性膜上にカーボンスパッタリングなどによって保護膜を形成していたものが、本発明方法によって得られる微粒子分散体では、保護膜を形成することが不要となり、製造工程を短縮することが可能となる。
【0053】
上記した気相中での処理に代えて、水溶液中で還元等の処理を行う場合には、金属イオンが樹脂表面に拡散して反応が進行するために、樹脂表面に粒子径の大きな粒子が形成され、核密度が低くなり、密着性や磁化特性が低下する。さらには、本発明方法によって磁性体薄膜を形成する場合に非常に有利な点である保護膜の同時形成ができない。
【0054】
本発明方法によって微粒子分散体を形成した後、得られた微粒子分散体の使用目的等に応じて、更に、各種の処理を施すことができる。
【0055】
例えば、気相還元法によって導電性皮膜を形成した場合には、更に、通常の方法に従って各種の処理を施すことができる。例えば、形成された導電性皮膜を各種のめっき処理の下地皮膜として用いることが可能である。本発明方法を利用してパネルめっき法により導体回路形成を行う場合には、例えば、本発明方法によって導電性皮膜を形成した後、硫酸銅めっき等の電気銅めっき処理を行えばよい。セミアディティブ法においては、導電性皮膜形成後、必要に応じて無電解銅めっき処理、レジストパターン形成処理、電気銅めっき処理、はんだめっき処理、レジスト除去処理、はんだ剥離処理等の従来より公知の各処理を順次行えばよい。なお、必要に応じて、脱脂処理や、水洗処理、エッチング処理、防錆処理等の周知の処理を付加してもよい。
【0056】
本発明方法によって形成される微粒子分散体が磁性体薄膜となる場合には、更に、この上に、公知の潤滑剤を塗布してもよい。また、磁性金属の薄膜を形成した場合には、更に、磁性金属を酸化して酸化物とすることも可能である。その方法は特に限定的でなく、例えば、酸素気流中、空気中等で加熱処理すればよい。処理温度、時間等は、気相還元法と同様に、基材樹脂と金属の種類に応じて、適宜決定すればよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明方法によれば、樹脂基材の表面から数十ナノメートル〜数μmの範囲に粒径が数nm程度の非常に微細な金属、金属酸化物又は金属硫化物の微粒子が、樹脂マトリックス中に均一に分散した微粒子分散体を得ることができる。
【0058】
この様な微粒子分散体の製造方法の内で、気相還元によって金属微粒子を形成する方法は、無電解めっき処理に代わり得る導電性皮膜の形成方法として利用することができ、平滑な樹脂表面にも密着性、導電性等に優れた導電性皮膜を形成することが可能である。このため、本発明方法は、回路幅、回路間隔等の狭い高密度ファインパターン化に対応したプリント配線板における導電性皮膜の形成方法として有効に利用することができる。
【0059】
また、金属イオンとして、磁性金属のイオンを用いる場合には、誘電体マトリックス中にナノサイズの磁性体が高密度に分散した高品質の磁性体薄膜を簡単に作製できる。しかも、従来必要であった保護膜の作製工程を省略できる。更に、本発明方法によれば、ポリイミド等の樹脂を塗布して樹脂層を形成できる物品であれば、あらゆる物品に磁性体薄膜を形成することが可能であり、HDD、磁気テープ等の各種の磁性記録材料の製造方法として有効に利用できる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0061】
実施例1
補強材としてガラスクロスを8層介在させ圧縮したエポキシ樹脂(FR-4型)からなる50×100×1.6mmの回路基板の回路面に、エポキシ樹脂(FR-4型)溶液を、完全硬化後の厚さが100μmとなるように塗布し、乾燥した後、150℃で完全硬化させて、試験用試料を作製した。試験用試料の樹脂表面は、平均面粗さ(Ra)が100nm以下という平滑性の高いものであった。
【0062】
この試験用試料を濃度85重量%の硫酸溶液に70℃で5分間浸漬して樹脂表面にスルホン酸基を導入した。
【0063】
次いで、室温で1分間水洗した後、濃度0.05モル/lの硫酸銅水溶液(pH4.0)中に試験用試料を50℃で3分間浸漬した。
【0064】
次に、試験用試料を室温で1分間水洗し、175℃に加熱した水素気流中に置いて、水素気流に30分間接触させることによって、導電性皮膜を形成した。
【0065】
上記した方法で導電性皮膜を形成した試料について、10%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬して試料表面を活性化した後、酸性硫酸銅めっき浴を用いて、陰極電流密度2A/dm2で厚さ30μmの電気銅めっき皮膜を形成した。
【0066】
得られた銅めっき皮膜に幅1cmの素地に達するスリットを入れ、90°剥離(ピール)強度を測定した。
【0067】
その結果、ピール強度は0.6kgf/cm以上であり実用上十分な値を示した。
【0068】
以上の結果から、本発明方法によれば、平均面粗さ(Ra)は100nm以下という平滑性の高い樹脂表面に対しても高い密着強度を有する導電性皮膜を形成できることが確認できた。
【0069】
比較例1
実施例1と同様の試験用試料を用い、水素気流中における還元処理に代えて、濃度0.03モル/lのNaBH4水溶液に室温で1分間浸漬して還元処理を行い、これ以外は実施例1と同様の方法で導電性皮膜を形成した。
【0070】
その後、実施例1と同様にして濃度10%硫酸水溶液を用いて導電性皮膜を活性化した後、酸性硫酸銅めっき浴を用いて厚さ30μmの電気銅めっき皮膜を形成したが、樹脂基材と導電性皮膜間の密着力が不十分であるため、電気めっき皮膜形成時に導電性皮膜の剥離が発生し、ピール強度測定は不可能であった。
【0071】
実施例2
ポリイミド樹脂フィルム(デュポン社製カプトンフィルム200−H)を水酸化カリウム5モル/l水溶液に50℃で5分間浸漬することによって、該ポリイミド樹脂表面にガルボキシル基を導入した。
【0072】
次いで、上記処理後のポリイミド樹脂フィルムをイオン交換水で2分間水洗した後、塩化ニッケル0.5モル/l水溶液に室温で5分間浸漬して、ニッケルイオンをポリイミド樹脂に吸着乃至結合させた。
【0073】
次いで、該ポリイミド樹脂フィルムをイオン交換水で2分間水洗し、300℃の水素気流中に30分間放置して、ニッケルを還元して金属化させた。
【0074】
以上の方法で得られたポリイミド樹脂フィルム膜について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面観察を行った。得られた電子顕微鏡写真を図1に略図として示す。この電子顕微鏡写真によれば、ポリイミド樹脂表面から約80ナノメートルまでは金属が存在せず、80〜850ナノメートルの範囲に粒子径2〜3ナノメートル程度の微粒子が均一で独立した分散状態であることが観察された。更に、樹脂マトリックス中の微粒子の状態をX線回折及びESCAで分析したところ、金属ニッケルの状態であることが確認でき、磁性体が形成されていることが判った。
【0075】
この様にして得られたポリイミド樹脂フィルムは、屈曲性に富んでおり、折り曲げによる変化がなかった。また、その表面を指で擦った場合にも表面状態に変化が無く、保護膜の形成が不要であることが確認できた。
【0076】
比較例2
実施例2と同一の材料を用い、塩化ニッケル水溶液への浸漬処理までを実施例2と同様にして行った。その後、0.03モル/lの水素化ホウ素ナトリウム水溶液に50℃で3分浸漬して、ニッケルイオンの還元処理を行った。その結果、ポリイミド表面に粗いニッケル微粒子が析出したが、指でこすると粒子は脱落し、実用に絶えない状態であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られたポリイミド樹脂フィルムの断面の状態を示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真の略図。
Claims (3)
- イオン交換基を含む樹脂基材を、金属イオンを含有する溶液に接触させた後、気相中において還元、酸化及び硫化から選ばれた少なくとも一種の処理を行うことを特徴とする微粒子分散体の製造方法。
- 金属イオンが磁性金属のイオンであり、得られる微粒子分散体が、金属、金属酸化物及び金属硫化物から選ばれた少なくとも一種の磁性体微粒子の分散体である請求項1に記載の微粒子分散体の製造方法。
- 下記の工程を含む方法によって樹脂基材を処理することを特徴とする樹脂基材上への導電性皮膜の形成方法:
(1)樹脂基材に酸性基を導入する工程、
(2)上記(1)工程で処理した樹脂基材を金属イオン含有液と接触させる工程、
(3)上記(2)工程で処理した樹脂基材を気相還元処理して、該樹脂基材上に導電性皮膜を形成する工程。
Priority Applications (1)
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