JP3846031B2 - インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドおよびその製造方法に関するものであり、特に、シリコンウェハを用いたインクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェハを用いたインクジェットヘッドの製造においては、(110)面を主表面とするシリコンウェハを異方性エッチングする際のエッチングストップ層として、シリコンウェハにボロンをドーピングして拡散した層を設けていた。
【0003】
たとえば、特開平9−267472号公報には、高濃度のボロンをドープし、拡散した層をエッチングストップ層として用いたインクジェットヘッドの製造方法が開示されている。このように構成されるインクジェットヘッドにおいては、ボロンドーピング拡散層は、エッチングストップ層としての作用に加えて、振動板としても作用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ボロンドーピング拡散層を振動板として作用させるためには、機械的強度上、ボロンドーピング拡散層の厚さを5μm以上に厚くする必要がある。一方、ボロンドーピング拡散層の厚さを5μm以上まで厚くすると、ボロンドーピング拡散層のボロン濃度が極端に低下してしまうため、シリコンウェハをKOH溶液を用いて異方性エッチングする際に、エッチングストップ層として十分に機能しないおそれがあるという問題があった。
【0005】
また、ボロンドーピング拡散層をエッチングストップ層として異方性エッチングを行なった場合、エッチング底面の荒れが大きく、インクジェットヘッドとして使う場合、インク中の気泡の滞留が発生するおそれがあるという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の問題点を解決し、エッチング工程を良好に行なうことを可能にすることにより、特性に優れたインクジェットヘッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によるインクジェットヘッドは、シリコンウェハを用いたインクジェットヘッドであって、(110)面を主表面とするシリコンウェハ表面に、SiXm (Xは、O、NおよびCからなる群から選ばれるいずれかの元素;mは任意の数)で表わされる材料からなるエッチングストップ層が形成され、エッチングストップ層は、インクが吐出されるノズルを備えるノズルプレートとインクを吐出させるために駆動される圧電部材との間に配置されるシリコンウェハの前記圧電部材に面する側に形成され、シリコンウェハの一部は、ノズルプレートに面する側からエッチングストップ層が露出するまでエッチング除去されて、吐出させるためのインクが充填される空間が形成され、エッチングストップ層の圧電部材に面する側の層上に、ポリシリコンからなる補強層が形成され、圧電部材の駆動が補強層とエッチングストップ層とを介して空間に充填されているインクに加えられることにより、ノズルからインクを吐出させることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明によるインクジェットヘッドは、請求項1の発明の構成において、SiXm で表わされる材料からなるエッチングストップ層の厚さは、0.1μm〜10.0μmの範囲内である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳しく説明する。なお、各図において同一符号は同一または相当部分を示す。
【0015】
図1は、本発明による一例のインクジェットヘッド3を用いたインクジェット記録装置1の概略構成を示す斜視図である。
【0016】
図1を参照して、インクジェット記録装置1は、用紙やプラスチック薄板などの記録媒体である記録シート2と、インクジェット方式のプリンタヘッドであるインクジェットヘッド3と、インクジェットヘッド3を保持するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録シート2の記録面に平行に往復移動させるための揺動軸5、6と、キャリッジ4を揺動軸5、6に沿って往復駆動させる駆動モータ(図示せず)と、駆動モータの回転をキャリッジの往復運動に変えるためのタイミングベルト9、アイドルプーリ8とを含んでいる。また、このインクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド3のメンテナンスを行なうメンテナンス装置14と、記録シート2を手動で搬送するための紙送りノブ15とを含んでいる。
【0017】
インクジェットヘッド3には、インクを加圧するためのエネルギ発生体としての圧電部材であるPZTが用いられている。PZTには電圧が印加され、歪が生じる。この歪は、インクで満たされたインクチャネルの容積を変化させる。この容積の変化により、インクチャネルに設けられたノズルからインクが吐出され、記録シート2への記録が行なわれる。
【0018】
キャリッジ4は、駆動モータ、アイドルプーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2を横切る方向である記録シート2の桁方向に主走査し、キャリッジ用に取付けられたプリンタヘッド3は1ライン分の画像を記録する。1ラインの記録が終わるごとに、記録シート2は縦方向に送られ副走査され、次のラインが記録される。
【0019】
図2〜図4は、インクジェットヘッド3の構成を説明するための図である。図2は図1に示すインクジェットヘッド3の一部を示す平面図であり、図3は図2のIII−III線断面図であり、図4は図3のIV−IV線断面図である。
【0020】
インクジェットヘッド3は、ノズルプレート303、セラミック基板300とを、一体に重ねた構成となっている。
【0021】
ノズルプレート303は、金属、セラミック、ガラスまたは合成樹脂などからなる。ノズルプレート303には、電鋳、成形、フォトリソグラフィなどによりノズルプレートの形成と同時に、あるいはノズルプレート形成後の微細加工等により、インク307を収容する複数のインクチャネル308と、各インクチャネル308と共通インク室310とを連結するインクインレット311とが形成されている。
【0022】
ノズルプレート303とPZT315の間には、シリコンウェハ306を裏面から異方性エッチングする際に作用するエッチングストップ層350が形成されている。このエッチングストップ層350は、振動板としても作用する。エッチングストップ層350には、個別電極314が形成されている。また、エッチングストップ層350は、接着剤340によりセラミック基板300と接着されている。さらに、このインクジェットヘッド3は、フレキシブル配線320を介してドライバ回路330に接続されている。
【0023】
このインクジェットヘッドにおいては、エッチングストップ層350は、SiXm (Xは、O、NおよびCからなる群から選ばれるいずれかの元素;mは任意の数)で表わされる材料から形成されている。また、このエッチングストップ層350の厚さは、好ましくは0.1μm〜10.0μmの範囲内であり、より好ましくは0.4μm〜2.0μmの範囲内であるとよい。さらに、エッチングストップ層350上には、金属またはポリシリコンからなる補強層がさらに形成されていてもよい。補強層の厚さは、金属の場合は1μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、ポリシリコンの場合は1μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
【0024】
以上のような構成のインクジェットヘッド3では、図示しないインクタンクから共通インク室310にインク307が供給される。共通インク室310内のインク307は、インクインレット311を介して各インクチャネル308に分配される。
【0025】
ヘッドドライバから所定の電圧が印加されると、PZT315は変形する。これにより、インクチャネル308内のインク307が加圧され、ノズル309を介してインク滴が記録シート2に向かって飛翔する。
【0026】
図5〜図11は、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネル形成工程の一例を説明するための断面図である。なお、図5〜図11においては、シリコンウェハの裏面を上側に、表面を下側にそれぞれ示す。
【0027】
まず、図5を参照して、(110)面を主表面とするシリコンウェハ306の表面および裏面をラッピングし、200μmの厚さとする。
【0028】
次に、図6を参照して、熱酸化炉において、シリコンウェハ306の表裏両面に、厚さが1μmの酸化膜350を形成する。
【0029】
次に、図7を参照して、シリコンウェハ306の表面上に形成された酸化膜350上に、エピタキシャル成長により、厚さが6μmのポリシリコンからなる補強層360を形成する。
【0030】
次に、図8を参照して、シリコンウェハ306の裏面上に形成された酸化膜350上、およびシリコンウェハ306の表面側上に形成された補強層360上に、熱酸化炉において、それぞれ厚さが0.2μmの酸化膜370を形成する。続いて、シリコンウェハ306の表裏両面側上に形成された酸化膜370上に、窒化膜成膜装置を用いて、それぞれ厚さが0.175μmの窒化膜380を形成する。
【0031】
次に、図9を参照して、シリコンウェハ306の裏面側上に形成された窒化膜380上に、スピンコータによりレジスト(図示せず)を塗布する。続いて、所定形状のマスクを介して露光および現像を行なった後、エッチング液として熱リン酸を用いて、シリコンウェハ306の裏面側上に形成された窒化膜380の一部をエッチング除去する。続いて、エッチング液としてフッ酸溶液を用いて、シリコンウェハ306の裏面側上に形成された酸化膜370および酸化膜350の一部をエッチング除去する。
【0032】
次に、図10を参照して、レジスト(図示せず)を除去した後、エッチング液として17%KOH溶液を用いて、シリコンウェハ306の裏面側から異方性エッチングを行ない、シリコンウェハ306の一部を、シリコンウェハ306の表面上に形成された酸化膜(エッチングストップ層)350が露出するまで除去する。
【0033】
次に、図11を参照して、エッチング液として熱リン酸を用いて、図9に示す工程においてエッチング除去されずに残った窒化膜380をエッチング除去する。続いて、エッチング液としてフッ酸を用いて、同様に図9に示す工程においてエッチング除去されずに残った酸化膜370をエッチング除去する。
【0034】
その後、シリコンウェハ306の表面側上に形成された補強層360上に、スパッタ法によりCr+Auからなる裏面電極層(図示せず)を形成する。
【0035】
なお、上述した例においては、補強層360として、厚さが6μmのポリシリコン層をエピタキシャル成長により形成したが、ポリシリコン層の代わりに、たとえば厚さが3.5μmのAl層を、蒸着装置を用いて蒸着してもよい。
【0036】
図12および図13は、図11に示すように裏面から異方性エッチングが行なわれたシリコンウェハを用いて組立てられたインクジェットヘッドの例の構造を示す断面図である。
【0037】
図12は、焼結体PZTの貼付けまたはスクリーン印刷により組立てられたインクジェットヘッドの例を示す断面図であり、図13は、積層PZT貼付けにより組立てられたインクジェットヘッドの例を示す断面図である。
【0038】
この実施の形態においては、上述したように、シリコンウェハに対して異方性エッチングを行なっている。そのため、高精度の加工を行なうことができる。また、加工と組立を同時に進行できるため、部品点数、ハンドリングを減らし、製品の歩留りが向上する。さらに、一度に大量の部品をコピーすることができるため、量産性がある。
【0039】
また、この実施の形態においては、エッチングストップ層として、シリコンウェハの熱酸化膜が形成されている。エッチング溶液としてKOHを用いた場合、SiO2 に対するSiのエッチング選択比は約500倍である。したがって、KOHによりシリコンウェハをエッチングする場合、SiO2 (熱酸化膜)は、エッチングストップ層として作用する。また、KOHによりシリコンウェハをエッチングすると、SiO2 (熱酸化膜)上は非常に滑らかな面になるとともに、エッチング深さのばらつきもなくなる。
【0040】
以上のように、この実施の形態によれば、各インクチャネルの吐出量、スピードのばらつきがなくなる。また、インクチャネル内で発生した気泡が滞留することがないため、安定に長期間インクを吐出することができるようになる。
【0041】
次に、シリコンウェハ表面へのエッチングストップ層の形成の別の例について説明する。
【0042】
上述した例では、シリコンウェハ表面を熱酸化することにより、SiO2 からなるエッチングストップ層を形成する例について説明した。この他、たとえば、シリコンウェハに薄いガラスを貼付けることによっても、振動板としての作用を兼ね備えたエッチングストップ層を形成することができる。シリコンウェハとガラスとは、陽極接合により強固に接合させることができる。また、ガラスの材質としては、シリコンウェハと強固に陽極接合するため、シリコンと熱膨張係数の近いパイレックスガラス、硼珪酸ガラス(低熱膨張ガラス)等が好ましく用いられる。
【0043】
また、さらに他の例として、シリコンウェハ上にスパッタリング法、CVD法、ゾルゲル法等によりSiO2 膜を成膜し、これをエッチングストップ層とすることもできる。このような方法により成膜できるSiO2 膜の厚さは、せいぜい3μm程度が限度であるため、必要に応じて振動板として作用する際の補強層として、ポリシリコンまたはAl等の電極をこの上にさらに形成することが好ましい。
【0044】
また、さらに他の例として、エッチングストップ層が形成されたシリコンウェハとして、SOI(Silicon-on-Insulator)ウェハを用いることもできる。
【0045】
このSOIウェハの作製方法としては、たとえば、SIMOX(Separation by Implanted Oxigen)や結合SOI等がある。SIMOXウェハの作製工程は、シリコンウェハにイオン注入により酸素を打込んだ後、高温アニールを行なうものである。また、結合SOIウェハの作製工程は、SOI活性層となるボンドウェハを熱酸化し、酸化膜のないベースウェハと室温で貼合わせた後、結合強度を高めるため結合アニールを酸素雰囲気下で行なうというものである。
【0046】
また、本発明において、シリコンウェハをエッチングする際のエッチング液としては、エッチングストップ層とシリコンウェハとのエッチング選択比が大きくとれるものであれば、特に限定されるものではない。たとえば、エッチングストップ層として、SiO2 層を用いる場合には、エッチング液としては、KOH、ヒドラジン、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、EPW(エチレンジアミン−ピロカテコール水)等が好ましく用いられる。
【0047】
次に、比較のため、従来のボロンドーピング拡散層を用いた場合のインクジェットヘッドの製造方法について、以下に説明する。
【0048】
図14〜図20は、従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。なお、図14〜図20においては、シリコンウェハの裏面を上側に、表面を下側にそれぞれ示す。
【0049】
まず、図14を参照して、(110)面を主表面とするシリコンウェハ306の表面および裏面をラッピングおよびポリッシュし、0.2mmの厚さにする。
【0050】
次に、図15を参照して、熱酸化炉において1100℃にて、シリコンウェハ306の裏面上にのみ、シリコンエッチング用マスクとして酸化膜370を形成する。
【0051】
次に、図16を参照して、インプランテーション装置を用いて、シリコンウェハ306の表面に1019個/cm2 ボロンをドーピングし、拡散炉において拡散することにより、厚さが7μmまたは30μmのエッチングストップ層355を形成する。
【0052】
次に、図17を参照して、シリコンウェハ306の裏面上に形成された酸化膜370上、およびシリコンウェハ306の表面側上に形成されたエッチングストップ層355上に、窒化膜成膜装置を用いて、それぞれ厚さが0.175μmの窒化膜380を形成する。
【0053】
次に、シリコンウェハ306の裏面側上に形成された窒化膜380上に、スピンコータによりレジスト(図示せず)を塗布する。続いて、所定形状のマスクを介して露光および現像を行なった後、エッチング液として熱リン酸を用いて、シリコンウェハ306の裏面側上に形成された窒化膜380の一部をエッチング除去する。
【0054】
次に、図18を参照して、レジスト(図示せず)を除去した後、エッチング液としてフッ酸溶液を用いて、シリコンウェハ306の裏面側上に形成された酸化膜370の一部を、シリコンウェハ306の裏面が露出するまでエッチング除去する。
【0055】
次に、図19を参照して、エッチング液としてKOH溶液を用いてシリコンウェハ306の裏面側から異方性エッチングを行ない、シリコンウェハ306の一部を、シリコンウェハ306の表面上に形成されたエッチングストップ層355が露出するまで除去する。
【0056】
次に、図20を参照して、シリコンウェハ306の表裏両面側上の窒化膜380をそれぞれ除去する。その後、シリコンウェハ306の表面側上に形成されたエッチングストップ層355上に、スパッタ法により、Cr+Auからなる裏面電極390を成膜する。
【0057】
【実施例】
直径が4インチの(110)面を主表面とするシリコンウェハを用いて、種々の条件で異方性エッチングを行ない、インクチャネルを形成した。
【0058】
(実施例1)
表1に示すエッチング条件およびウェハ仕様により、シリコンウェハの裏面側から異方性エッチングを行なった。
【0059】
【表1】
【0060】
その結果、シリコンウェハとシリコン酸化膜とのエッチング選択比が500:1であり、シリコン酸化膜はエッチングストップ層として十分に機能していることがわかった。また、エッチング底面は、酸化膜が露出して滑らかな面になっており、底面の荒れが改善されていた。
【0061】
また、表2に、エッチングレート、表面との最大傾斜角、オーバーエッチング量および底面の荒れについて測定した結果を示す。なお、底面の荒れは、「◎」がRa<0.05、「○」が0.05≦Ra<0.3、「△」が0.3≦Ra<0.8、「×」がRa≧0.8(但し、Raは表面粗さを表す)として評価した。
【0062】
【表2】
【0063】
(比較例1)
表3に示すエッチング条件およびウェハ仕様により、シリコンウェハの裏面側から異方性エッチングを行なった。
【0064】
【表3】
【0065】
その結果、立壁構造は、エッチング条件において、濃度が17%、温度が80℃の場合に、オリフィスフラットから55°付近のパターンで出現した。
【0066】
また、表4に、エッチングレート、表面との最大傾斜角、オーバーエッチング量および底面の荒れについて測定した結果を示す。
【0067】
【表4】
【0068】
(比較例2)
表5に示すエッチング条件およびウェハ仕様により、シリコンウェハの裏面側から異方性エッチングを行なった。
【0069】
【表5】
【0070】
その結果、エッチング溶液の濃度が低いと立壁構造になりやすいが、エッチング底面が荒れる傾向にあった。また、エッチング溶液の温度が高いと、エッチングレートが速くなることがわかった。さらに、エッチング液の濃度が高いと、エッチング角が低くなり、高密度化できなくなることがわかった。
【0071】
また、表6に、エッチングレート、表面との最大傾斜角、オーバーエッチング量および底面の荒れについて測定した結果を示す。
【0072】
【表6】
【0073】
(比較例3)
表7に示すエッチング条件およびウェハ仕様により、シリコンウェハの裏面側から異方性エッチングを行なった。
【0074】
【表7】
【0075】
その結果、ボロンドーピング層とノンドープ層(シリコンウェハ)とのエッチング選択比が十分でなかった。また、ボロンドーピング層において、エッチング底面が荒れることがわかった。さらに、オリフィスフラット面が(110)面の場合、立壁構造はオリフィスフラットから35°付近のパターンで出現した。
【0076】
また、表8に、エッチングレート、表面との最大傾斜角、オーバーエッチング量および底面の荒れについて測定した結果を示す。
【0077】
【表8】
【0078】
(比較例4)
表9に示すエッチング条件およびウェハ仕様により、シリコンウェハの裏面側から異方性エッチングを行なった。
【0079】
【表9】
【0080】
その結果、ボロンドーピング層とノンドープ層(シリコンウェハ)とのエッチング選択比が十分でなかった。これは、深さ方向への拡散によりボロン濃度が薄くなったと推測される。また、ヒドラジンによるエッチングの場合、この表9に示す条件では、底面の荒れは十分でないもののかなり改善されるが、オーバーエッチング量が大きく、高密度化できないことがわかった。
【0081】
また、表10に、エッチングレート、表面との最大傾斜角、オーバーエッチング量および底面の荒れについて測定した結果を示す。
【0082】
【表10】
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、インクジェットヘッドの製造において、エッチング工程を良好に行なうことができる。その結果、特性に優れたインクジェットヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一例のインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドの一部を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図6】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図7】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図8】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図9】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図10】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図11】本発明によるインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるイオンチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図12】裏面から異方性エッチングが行なわれたシリコンウェハを用いて組立てられたインクジェットヘッドの一例の構造を示す断面図である。
【図13】裏面から異方性エッチングが行なわれたシリコンウェハを用いて組立てられたインクジェットヘッドの他の例の構造を示す断面図である。
【図14】従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるインクチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図15】従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるインクチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図16】従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるインクチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図17】従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるインクチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図18】従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるインクチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図19】従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるインクチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【図20】従来のインクジェットヘッドの製造方法において、シリコンウェハの異方性エッチングによるインクチャネルの形成工程の一例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
3 インクジェットヘッド
306 シリコンウェハ
315 PZT
350 エッチングストップ層
360 補強層
Claims (2)
- シリコンウェハを用いたインクジェットヘッドであって、(110)面を主表面とするシリコンウェハ表面に、SiXm (Xは、O、NおよびCからなる群から選ばれるいずれかの元素;mは任意の数)で表わされる材料からなるエッチングストップ層が形成され、
前記エッチングストップ層は、インクが吐出されるノズルを備えるノズルプレートとインクを吐出させるために駆動される圧電部材との間に配置されるシリコンウェハの前記圧電部材に面する側に形成され、
前記シリコンウェハの一部は、前記ノズルプレートに面する側から前記エッチングストップ層が露出するまでエッチング除去されて、吐出させるためのインクが充填される空間が形成され、
前記エッチングストップ層の前記圧電部材に面する側の層上に、ポリシリコンからなる補強層が形成され、
前記圧電部材の駆動が前記補強層と前記エッチングストップ層とを介して前記空間に充填されているインクに加えられることにより、前記ノズルからインクを吐出させることを特徴とする、インクジェットヘッド。 - 前記SiXm で表わされる材料からなるエッチングストップ層の厚さは、0.1μm〜10.0μmの範囲内である、請求項1に記載のインクジェットヘッド。
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