JP3845164B2 - 自動焦点調整方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医学、生物学などの分野において生物組織等の状態を観察するときに利用される光学機器、例えば顕微鏡における自動焦点調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡等の光学機器の焦点検出に関する技術は、多方面に渡って開発されており、この中の技術の1つとして、被写体に対して高精度に合焦するためのエリア分割による測距方式(以下、エリア分割方式と称する)がある。
【0003】
このエリア分割方式は、測距範囲内を複数のエリアに分割してそれぞれ焦点を検出し、これら焦点検出の演算結果から被写体と対物レンズとの相対距離を制御して合焦させる技術である。
【0004】
このエリア分割方式を採用した技術としては、例えば特開平2−109008号公報及び特開平2−297514号公報がある。
【0005】
このうち特開平2−109008号公報の技術は、例えばビデオカメラや電子スチルカメラに適用するもので、撮像光学系を通して撮像される被写体像内を複数のエリアに分割してそれぞれ焦点を検出し、これら焦点検出の演算結果のうち多数決によって焦点位置を選定し、この焦点位置に従って合焦制御するものである。
【0006】
又、特開平2−297514号公報の技術は、例えばカメラの自動焦点に適用するもので、被写体を焦点検出光学系を通して観察したときの測距範囲の被写体像を2像に分割して一対の光電変換素子列に投影し、これら光電変換素子列のブロック毎の出力信号が焦点調整情報に適しているレベルにあるかを判定し、適切レベルと判定された光電変換素子列の出力信号に基づいて焦点調整情報を演算するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、やはり前者の技術はビデオカメラや電子スチルカメラに適用するものであり、後者の技術はカメラの自動焦点に適用するものであり、これら技術を顕微鏡に適用すると、実用上不十分な点がある。
【0008】
すなわち、顕微鏡用の自動焦点検出において、その合焦精度を低下させる要因の1つとしては、標本を載せるスライドガラスやカバーガラス、標本に照明を投光するコンデンサレンズに付着するゴミによる影響が挙げられる。
【0009】
このように標本やスライドガラスにゴミ等の付着物があると、例えば標本像に対して数千〜数百[μm]離れてゴミの画像が混入していると、標本よりもゴミの方がコントラストが高くなり、自動焦点を実行すると、標本よりもゴミの方に焦点が合ってしまい、標本に対する合焦精度が著しく低下する。なお、不特定の標本の画像処理を行う装置を用いると高価になる。
【0010】
このような合焦精度の低下に対する改善策としては、上記の如くエリア分割による合焦制御を常に行うことが挙げられるが、このような合焦制御では、その制御処理が複雑化し、自動焦点検出性能として重要な1つである合焦時間に影響を与えてしまう。
【0011】
そこで本発明は、顕微鏡の光学系に付着物が存在しても、この付着物の影響を受けずにコントラストの低い標本でも高精度に合焦調整できる安価な自動焦点調整方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対物レンズと標本との相対位置を変化させて合焦調整を行う自動焦点調整方法であり、前記標本に対して視野絞り像を投影し、基準となる屈折率、厚さを有する基準標本を用いたときの前記基準標本の合焦位置かつ前記視野絞り像の像面位置に対する、前記標本に投影された前記視野絞り像のデフォーカス量を検出し、前記デフォーカス量に基づいて前記標本の厚さを算出し、この標本の厚さと前記基準標本との厚さの差に基づいて前記対物レンズと前記標本との相対位置を調整して合焦調整を行うことを特徴とする。
本発明は、対物レンズと標本との相対位置を変化させて合焦調整を行う自動焦点調整装置であり、前記標本に対して視野絞り像を投影する光学系と、基準となる屈折率、厚さを有する基準標本を用いたときの前記基準標本の合焦位置かつ前記視野絞り像の像面位置に対する、前記標本に投影された前記視野絞り像のデフォーカス量を検出する検出手段と、この検出手段により検出された前記デフォーカス量に基づいて前記標本の厚さを算出し、この標本の厚さと前記基準標本との厚さの差に基づいて前記対物レンズと前記標本との相対位置を調整して合焦位置に合わせる焦準手段とを具備したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
本発明の自動焦点調整方法は、対物レンズと標本との相対位置を変化させて合焦調整を行う場合、標本に対して視野絞り像又は指標像を投影し、これら視野絞り像又は指標像と基準合焦位置とのデフォーカス量を検出して合焦距離を求め、この合焦距離に基づいて合焦調整を行うものである。
【0015】
図1はかかる自動焦点調整方法を顕微鏡に適用した自動焦点調整装置の構成図である。
【0016】
顕微鏡のステージ1には、標本2が載置されている。このステージ1は、矢印(イ)方向に沿って上下方向に移動自在となっている。
【0017】
この顕微鏡には、標本2を照明するための光学系が備えられている。すなわち、光源3から放射される照明光の光路s1 上には、コレクタレンズ4、リレーレンズ5、視野絞り6及び反射鏡7が配置されている。このうち視野絞り6は、視野絞りドライバ8により絞りの大きさが変化するものとなっている。
【0018】
反射鏡7の反射方向、すなわち反射鏡7により上方に向けられた照明光の光路s2 上には、リレーレンズ9、明るさ絞り10及びコンデンサレンズ11が配置され、このコンデンサレンズ11により標本2を均一に照明するようになっている。
【0019】
一方、標本2の上方には、標本2に対して対物レンズ12を対向配置し、さらに標本2からの光束s3 上に結像レンズ13、光路分岐部材14が配置されている。
【0020】
この光路分岐部材14は、標本2からの光束s3 の一部を接眼レンズ15に導き、他の光束をミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導く作用を有している。
【0021】
この分割プリズム18は、入射する光束を2分割し、これら2つの光束を平行な状態でCCDセンサ19に送る作用を有している。
【0022】
この分割プリズム18により2分割された2つの光束は、結像レンズ17の出射面からCCDセンサ19の受光面に至るまでの各光路長が異なっている。そして、CCDセンサ19の受光面は、結像レンズ17を含む結像光学系の予定結像面に対する前後の光学的な共役な位置(前側共役面と後側共役面)に一致している。
【0023】
従って、CCDセンサ19の受光面には、予定結像面から共役な2位置に被写体像(前ピン像、後ピン像)が投影される。これら2つの被写体像は、被写体が合焦位置にあったときに同一形状となる。
【0024】
なお、第1の実施の形態では、標本2上に投影された視野絞り6の像を被写体としている。
【0025】
CCDセンサ19は、投影された光像(前ピン像、後ピン像)の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力する機能を有している。
【0026】
このCCDセンサ19の出力端子には、アナログ処理部20、A/D変換器21を介してメモリ22が接続されている。
【0027】
アナログ処理部20は、CCDセンサ19から出力されたアナログ信号に対して前ピン像と後ピン像とに対して別々に増幅及びフィルタ処理等のアナログ処理を施す機能を有している。
【0028】
A/D変換器21はアナログ処理部20の出力信号をディジタル化する機能を有し、メモリ22はディジタル化されたCCDセンサ19からの信号を前ピン像と後ピン像とで別々に格納するものとなっている。
【0029】
演算回路23は、メモリ22に格納された2つの被写体像、つまり前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を読み出し、これら前ピン像及び後ピン像のディジタル信号を用いて前ピン像と後ピン像とのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から視野絞り6の合焦度を示すデフォーカス量を算出し、そのデフォーカス信号をCPU24に送出する機能を有している。
【0030】
このCPU24は、演算回路23により算出されたデフォーカス信号を取り込み、このデフォーカス信号に基づいて視野絞り6の像を合焦位置に合わせる際のステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出する機能を有している。
【0031】
又、CPU24は、ステージ1を上下方向に移動したときのステージ1の移動量をエンコーダ26から取り込んで、このステージ1の移動量を視野絞り6の像のデフォーカス量Δaとして算出し、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2pの厚さtを求め、この標本2pの厚さtと基準標本との厚さto の差ΔZに基づいてステージ1の移動量を求める機能を有している。
【0032】
なお、エンコーダ26は、ステージ1の移動量に応じたパルス信号を発生し、これをステージ1の移動量信号として出力する機能を有している。
【0033】
上記駆動回路25は、CPU24から送出された移動量及び移動方向の信号を入力し、これら移動量及び移動方向の信号に基づいてステージ1を矢印(イ)方向に上下移動して合焦調整する機能を有している。
【0034】
又、CPU24は、CCDセンサ19から出力される被写体像のアナログ信号がアナログ処理部20のレンジに適合しているか否かをA/D変換器21を通して監視し、被写体像のアナログ信号がアナログ処理部20のレンジに適合していない場合には、タイミングジェネレータ27に対してCCDセンサ19での電荷蓄積時間をレンジに適合する蓄積時間に変更する命令を送出する機能を有している。
【0035】
このタイミングジェネレータ27は、CCDセンサ19に対して読み出しタイミング信号を送出するもので、CPU24からの命令を受け、この命令に応じた電荷蓄積時間に変更してCCDセンサ19に対して読み出しタイミング信号を送出する機能を有している。
【0036】
なお、CPU24には外部コントローラ28が接続されており、この外部コントローラ28は、自動合焦動作のスタート/ストップ等の制御及び検鏡者が対物レンズ12の倍率等を指定するための機能を有している。
【0037】
次に上記の如く構成された装置の作用について図2に示す動作手順を参照して説明する。
【0038】
ステージ1上には、ステップ#1において、基準標本2sが載せられる。この基準標本2sのスライドガラスは、一般に屈折率ns で、厚さto に形成されたものとする。
【0039】
光源3から放射された照明光は、コレクタレンズ4からリレーレンズ5、視野絞り6を通って反射鏡7に至り、この反射鏡7で上方に向けて反射してリレーレンズ9、明るさ絞り10を通ってコンデンサレンズ11に至り、このコンデンサレンズ11により標本2sを均一に照明する。
【0040】
この標本2sからの光束s3 は、対物レンズ12、結像レンズ13を通って光路分岐部材14に至り、この光路分岐部材14で標本2sからの光束s3 の一部を接眼レンズ15に導き、他の光束をミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導く。
【0041】
この分割プリズム18は、入射する光束を2分割し、これら2つの光束を平行な状態でCCDセンサ19に送る。
【0042】
このCCDセンサ19は、投影された光像(前ピン像、後ピン像)の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力する。
【0043】
アナログ処理部20は、CCDセンサ19から出力されたアナログ信号に対して前ピン像と後ピン像とに対して別々に増幅及びフィルタ処理等のアナログ処理を施す。
【0044】
そして、アナログ処理部20の出力信号は、A/D変換器21によりディジタル化されてメモリ22に送られ、このメモリ22に前ピン像と後ピン像とで別々に格納される。
【0045】
演算回路23は、メモリ22に格納された前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を読み出し、これら前ピン像及び後ピン像のディジタル信号を用いて前ピン像と後ピン像とのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から標本の合焦状態や視野絞り6の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0046】
CPU24は、演算回路23により算出されたデフォーカス信号を取り込み、このデフォーカス信号に基づいて視野絞り6の像を合焦位置に合わせるためのステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出する。
【0047】
これにより、ステージ1は、ステップ#2において上下方向に移動し、CCDセンサ19の受光面に投影される前ピン像、後ピン像が同一形状になると、基準標本2sが合焦位置となる。
【0048】
又、ステップ#3においてコンデンサレンズ11を上下移動して基準標本2sに対して視野絞り6の像のピントを合わせる。
【0049】
図3(a) はかかる基準標本2sをステージ1上に載せて、作動距離WDo の対物レンズ12の焦点位置と、照明光が視野絞り6からリレーレンズ9を通り、コンデンサレンズ11により基準標本2s上に投影されたときの視野絞り6の像とが同一位置になった状態を示す。なお、同図においてhはテーブル1の上面位置を示している。
【0050】
そして、これら対物レンズ12の焦点位置と視野絞り6の像とが同一となった位置を、基準合焦位置とする。
【0051】
次にステップ#4において、基準標本2sに代えて、観察する標本2pをステージ1上に載置する。
【0052】
この標本2pのスライドガラスは、例えば屈折率ns で、厚さtに形成されているものとする。
【0053】
このような標本2pをステージ1上に載せた場合、この標本2pの厚さtの変化により、対物レンズ12の焦点位置と視野絞り6の像との距離が変化する。
この状態に、観察する標本2pからの光束s3 は、上記同様に、対物レンズ12から結像レンズ13を通って光路分岐部材14に至り、この光路分岐部材14で標本2pからの光束s3 の一部を接眼レンズ15に導き、他の光束をミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導く。
【0054】
そして、標本2pからの光束は、分割プリズム18により2分割されて2つの平行な光束としてCCDセンサ19に投影され、このCCDセンサ19からこれら前ピン像、後ピン像の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号として出力される。
【0055】
このアナログ信号は、アナログ処理部20により前ピン像と後ピン像とで別々にアナログ処理され、A/D変換器21によりディジタル化されてメモリ22に格納される。
【0056】
演算回路23は、メモリ22に格納された前ピン像と後ピン像とのディジタル信号からそのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から視野絞り6の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0057】
なお、このデフォーカス量の検出時、CPU24は、視野絞り6の像を認識できるように視野絞りドライバ8に対して所定の絞りの大きさを示す信号を送出する。
【0058】
このときの視野絞り6の大きさは、予め決められた固定の絞り値に絞る、又は対物レンズ12の倍率と視野絞り6の絞り値との対応したテーブルを予め用意し、使用する対物レンズ12に対応する絞り値を読み出して絞るようにしている。決まった固定値に絞る場合は、使用する最高倍率の対物レンズ12で検出できる大きさに設定しておけばよい。
【0059】
そして、デフォーカス量の検出が終了すると、視野絞り6の絞り値は、元の絞り値に戻る。
【0060】
CPU24は、ステップ#5において、演算回路23からのデフォーカス信号に基づいてステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出する。
【0061】
これにより、ステージ1が上下方向に移動し、CCDセンサ19の受光面に投影される前ピン像、後ピン像が同一形状になると、図3(b) に示すように視野絞り6の像が合焦位置となる。
【0062】
このとき、エンコーダ26は、ステージ1の移動量Δaを検出し、その移動量信号をCPU24に送る。
【0063】
このCPU24は、ステップ#6において、エンコーダ26からの移動量信号を取り込み、このステージ1の移動量Δaを視野絞り6の像のデフォーカス量Δaとし、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2pの厚さtを求める。
【0064】
すなわち、基準標本2sの厚さto 、対物レンズ12の作動距離WDo 、観察する標本2pの場合の対物レンズ12の作動距離をWDとすると、
to +WDo +Δa=t+WD …(1)
WDo =WD+(t−to )/ns …(2)
となる。
【0065】
これら式(1) 及び(2) により標本2pの厚さtは、
t=to +Δa/(1−1/ns ) …(3)
となる。このように標本2pの厚さtは、視野絞り6の像のデフォーカス量Δaを検出することにより求められる。
【0066】
次にCPU24は、ステップ#7において、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZを求め、これをステージ1の移動量ΔZとして求める。
【0067】
すなわち、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZ
ΔZ=t−to …(4)
から上記式(3) を代入して、
ΔZ=Δa/(1−1/ns ) …(5)
を求める。
【0068】
CPU24は、ステップ#8において、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZをステージ1の移動量ΔZとしてその移動方向とともに、再び駆動回路25に送出する。
【0069】
これにより、ステージ1は、上下方向に移動し、図3(c) に示すように標本2pに対して合焦調整される。
【0070】
このように上記第1の実施の形態においては、観察する標本2pに対して視野絞り6の像を投影し、この視野絞り6の像と基準合焦位置とのデフォーカス量Δaを検出して、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2pの厚さtを求め、この標本2pの厚さtと基準標本との厚さto の差ΔZに基づいてステージ1の移動量を求めるようにしたので、標本2を載せるスライドガラスやカバーガラス、コンデンサレンズ11にゴミ等の付着物が付着していても、視野絞り6の像の方がゴミ等の付着物よりもコントラストが格段に高く、かつ視野絞り6の像の形状が予め判っており、実質的に視野絞り6の像のみで高精度に標本2に対する自動焦点調整ができる。
【0071】
又、特定形状の像である視野絞り6の像の画像処理を行えばよいので、複雑な画像処理は行わなくてよく、安価な顕微鏡用の自動焦点調整装置とすることができる。
【0072】
(3) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0073】
図4は顕微鏡に適用した自動焦点調整装置の構成図である。
【0074】
対物レンズ12は、駆動回路40の駆動により矢印(ロ)方向である上下方向に移動自在に配置されている。
【0075】
エンコーダ41は、対物レンズ12の移動量に応じたパルス信号を発生し、これを対物レンズ12の移動量信号として出力する機能を有している。
【0076】
CPU42は、対物レンズ12を上下方向に移動したときの対物レンズ12の移動量をエンコーダ41から取り込んで、この対物レンズ12の移動量を視野絞り6の像のデフォーカス量Δaとして算出し、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2の厚さtを求め、この標本2の厚さtと基準標本との厚さto の差ΔZに基づいて対物レンズ12の移動量を求める機能を有している。
【0077】
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0078】
ステージ1上には、基準標本2sが載せられる。この基準標本2sは、スライドガラスの屈折率ns で、厚さto に形成されたものである。
【0079】
光源3から放射された照明光は、コレクタレンズ4、リレーレンズ5、視野絞り6を通って反射鏡7に至り、この反射鏡7で上方に向けて反射してリレーレンズ9、明るさ絞り10、コンデンサレンズ11を通って基準標本2sを均一に照明する。
【0080】
この基準標本2sからの光束s3 は、対物レンズ12を通って結像レンズ13、光路分岐部材14に至り、さらにミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導かれ、ここで平行な光束に2分割されてCCDセンサ19に入射する。
【0081】
以下、上記第1の実施の形態と同様に、CCDセンサ19は、投影された光像(前ピン像、後ピン像)の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力し、このアナログ信号は、アナログ処理部20により増幅等のアナログ処理が施され、前ピン像と後ピン像とで別々にメモリ22に格納される。
【0082】
演算回路23は、メモリ22に格納された前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を用いてそのコントラスト値から視野絞り6の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0083】
CPU42は、演算回路23からのデフォーカス信号に基づいて視野絞り6の像を合焦位置に合わせるための対物レンズ12の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路40に送出する。
【0084】
これにより、対物レンズ12は、上下方向に移動し、CCDセンサ19の受光面に投影される前ピン像、後ピン像が同一形状になると、基準標本2sが合焦位置となる。又、コンデンサレンズ11を上下移動して基準標本2sに対して視野絞り6の像のピントを合わせる。
【0085】
図5(a) はかかる基準標本2sをステージ1上に載せて、作動距離WDo の対物レンズ12の焦点位置と、照明光が視野絞り6からリレーレンズ9を通り、コンデンサレンズ11により基準標本2s上に投影されたときの視野絞り6の像とが同一位置になった状態、すなわち基準合焦位置を示す。なお、同図においてfは対物レンズ12の下面位置を示している。
【0086】
次に基準標本2sに代えて、観察する標本2pをステージ1上に載置する。
【0087】
この標本2pは、例えば屈折率ns で、厚さtに形成されている。
【0088】
このような標本2pをステージ1上に載せた場合、この標本2pの厚さtの変化により、図5(b) に示すように対物レンズ12の焦点位置と視野絞り6の像との距離が変化する。
【0089】
この状態に、観察する標本2pからの光束s3 は、上記同様に、対物レンズ12から結像レンズ13、光路分岐部材14、ミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導かれてCCDセンサ19に投影される。
【0090】
このCCDセンサ19は、前ピン像、後ピン像の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力し、これらがディジタル化されてメモリ22に格納される。
【0091】
演算回路23は、メモリ22に格納された前ピン像と後ピン像とのディジタル信号からそのコントラスト値により視野絞り6の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0092】
CPU42は、算出されたデフォーカス信号に基づいて対物レンズ12の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路40に送出する。
【0093】
これにより、対物レンズ12が上下方向に移動し、CCDセンサ19の受光面に投影される前ピン像、後ピン像が同一形状になると、視野絞り6の像が合焦位置となる。
【0094】
このとき、エンコーダ41は、対物レンズ12の移動量Δaを検出し、その移動量信号をCPU42に送る。
【0095】
このCPU42は、エンコーダ41から出力された移動量信号を取り込み、この対物レンズ12の移動量Δaを視野絞り6の像のデフォーカス量Δaとし、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2pの厚さtを求める。
【0096】
すなわち、基準標本2sの厚さto 、対物レンズ12の作動距離WDo 、観察する標本2pの場合の対物レンズ12の作動距離をWDとすると、標本2pの厚さtは、上記式(1) 〜(3) から、
t=to +Δa/(1−1/ns ) …(6)
となる。
【0097】
次にCPU42は、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZを求め、これを対物レンズの移動量ΔZとして求める。
【0098】
すなわち、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZは、上記式(4) 及び(5) から、
ΔZ=Δa/(1−1/ns ) …(7)
となる。
【0099】
CPU42は、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZを対物レンズ12の移動量ΔZとしてその移動方向とともに、再び駆動回路40に送出する。
【0100】
これにより、対物レンズ12は、上下方向に移動し、図5(c) に示すように標本2pに対して合焦調整される。
【0101】
このように上記第2の実施の形態においては、観察する標本2pに対して視野絞り6の像を投影し、この視野絞り6の像と基準合焦位置とのデフォーカス量Δaを検出して、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2pの厚さtを求め、この標本2pの厚さtと基準標本との厚さto の差ΔZに基づいて対物レンズ12の移動量を求めるようにしたので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0102】
(5) 次に本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0103】
図6は顕微鏡に適用した自動焦点調整装置の構成図である。
【0104】
光源3から放射される照明光の光路s1 上には、コレクタレンズ4、リレーレンズ5、視野絞り6及びハーフミラー50が配置されている。
【0105】
このハーフミラー50の反射方向、すなわちハーフミラー50により上方に向けられた照明光の光路s2 上には、リレーレンズ9、明るさ絞り10及びコンデンサレンズ11が配置され、このコンデンサレンズ11により標本2を均一に照明するようになっている。
【0106】
又、指標光源51が配置され、指標光源ドライバ52から送出される点灯制御信号により点灯される。
【0107】
この指標光源51から放射される指標光の光路上(照明光の光路s2 と一致)には、指標板53が配置されている。
【0108】
この指標板53は、視野絞り6と共役な位置に配置されている。
【0109】
演算回路54は、メモリ22に格納される基準標本2sに対するCCDセンサ19の出力信号と観察する標本2pに対するCCDセンサ19の出力信号との偏差から指標板53の像のみの信号を求める機能を有している。
【0110】
又、演算回路54は、メモリ22に格納された指標板53の像に対する前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を読み出し、これら前ピン像及び後ピン像のディジタル信号を用いて前ピン像と後ピン像とのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から指標板53の合焦度を示すデフォーカス量を算出する機能を有している。
【0111】
CPU55は、演算回路54からのデフォーカス信号を取り込み、このデフォーカス信号に基づいて指標板53の像を合焦位置に合わせる際のステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出する機能を有している。
【0112】
又、CPU55は、ステージ1を上下方向に移動したときのステージ1の移動量をエンコーダ26から取り込んで、このステージ1の移動量を指標板53の像のデフォーカス量Δaとして算出し、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2pの厚さtを求め、この標本2pの厚さtと基準標本との厚さto の差ΔZに基づいてステージ1の移動量を求める機能を有している。
【0113】
タイミングジェネレータ56は、CPU55からのタイミング信号に基づいてCCDセンサ19に読み出しタイミング信号を送出する機能を有している。
【0114】
指標光源ドライバ52は、CPU55からのタイミング信号に基づいて点灯制御信号を指標光源51に送出して点灯制御する機能を有している。
【0115】
次に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0116】
ステージ1上には、基準標本2sが載せられる。
【0117】
光源3から放射された照明光は、コレクタレンズ4からリレーレンズ5、視野絞り6を通ってハーフミラー50に至り、ここで上方に向けて反射してリレーレンズ9、明るさ絞り10を通ってコンデンサレンズ11に至り、このコンデンサレンズ11により基準標本2sを均一に照明する。
【0118】
この基準標本2sからの光束s3 は、対物レンズ12、結像レンズ13を通って光路分岐部材14に至り、さらにミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導かれ、ここで平行な2つの光束に2分割されてCCDセンサ19に入射する。
【0119】
このCCDセンサ19は、投影された光像の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力するので、このアナログ信号は、アナログ処理部20により増幅及びフィルタ処理等され、A/D変換器21によりディジタル化されてメモリ22に格納される。
【0120】
このときにメモリ22に格納されるCCDセンサ19のディジタル出力信号は、基準標本2sに対して照明光のみを照射したものであり、例えば図7にその波形を示す。
【0121】
次に指標光源51が点灯されると、この指標光源51から放射される指標光は、指標板53を通って指標像となり、この指標像がハーフミラー50、リレーレンズ9、明るさ絞り10を通ってコンデンサレンズ11に至り、このコンデンサレンズ11により基準標本2sに投影される。
【0122】
そして、指標像の投影された基準標本2sからの光束s3 は、対物レンズ12、結像レンズ13を通って光路分岐部材14に至り、さらにミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導かれ、ここで平行な2つの光束に2分割されてCCDセンサ19に入射する。
【0123】
このCCDセンサ19は、指標像を含んだ光像の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力するので、このアナログ信号は、アナログ処理部20により増幅及びフィルタ処理等され、A/D変換器21によりディジタル化されてメモリ22に格納される。
【0124】
このときにメモリ22に格納されるCCDセンサ19のディジタル出力信号は、基準標本2sに対して指標像を投影したものであり、例えば図8にその波形を示す。
【0125】
演算回路54は、メモリ22に格納される基準標本2sに指標像を投影したときと投影しないときの各CCDセンサ19の出力信号との偏差から図9に示す指標像のみの信号を求める。
【0126】
ところで、CCDセンサ19に入射する指標像は、分割プリズム18により平行な2つの光束に2分割されるので、指標像に対する前ピン像と後ピン像となっている。
【0127】
従って、演算回路54は、指標像の前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を読み出し、これら前ピン像及び後ピン像のディジタル信号を用いて前ピン像と後ピン像とのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から指標板53の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0128】
CPU24は、演算回路54からのデフォーカス信号を取り込み、このデフォーカス信号に基づいて指標板53の像を合焦位置に合わせるためのステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出する。
【0129】
これにより、ステージ1は、上下方向に移動し、CCDセンサ19の受光面に投影される前ピン像、後ピン像が同一形状になり、指標像が合焦位置となる。
【0130】
次に基準標本2sに代えて、観察する標本2pをステージ1上に載置する。
【0131】
標本2pをステージ1上に載せた場合、この標本2pの厚さtの変化により、対物レンズ12の焦点位置と指標像との距離が変化する。
【0132】
しかるに、上記同様に、観察する標本2pに指標像を投影しないときと指標像を投影したときのCCDセンサ19の各ディジタル出力信号がメモリ22に格納される。
【0133】
演算回路54は、メモリ22に格納される標本2pに指標像を投影したときと投影しないときの各CCDセンサ19の出力信号との偏差から指標像のみの信号を求める。
【0134】
次に演算回路54は、指標像の前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を読み出し、これら前ピン像及び後ピン像のディジタル信号を用いて前ピン像と後ピン像とのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から指標板53の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0135】
CPU24は、演算回路54からのデフォーカス信号を取り込み、このデフォーカス信号に基づいて指標板53の像を合焦位置に合わせるためのステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出する。
【0136】
これにより、ステージ1は、上下方向に移動し、標本2pに投影される指標像が合焦位置となる。
【0137】
このとき、エンコーダ26は、ステージ1の移動量Δaを検出し、その移動量信号をCPU55に送る。
【0138】
このCPU55は、エンコーダ26から出力された移動量信号を取り込み、このステージ1の移動量Δaを指標像のデフォーカス量Δaとし、このデフォーカス量Δaに基づいて上記式(1) 〜(3) に従って標本2pの厚さtを求める。
【0139】
次にCPU55は、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZを上記式(4) 及び(5) を演算して求め、これをステージ1の移動量ΔZとする。
【0140】
次にCPU55は、標本2pの厚さtと基準標本2sの厚さto との差ΔZをステージ1の移動量ΔZとしてその移動方向とともに、再び駆動回路25に送出する。
【0141】
これにより、ステージ1は、上下方向に移動し、標本2pに対して合焦調整される。
【0142】
このように上記第3の実施の形態によれば、観察する標本2pに対して指標像を投影し、この指標像と基準合焦位置とのデフォーカス量Δaを検出して、このデフォーカス量Δaに基づいて標本2pの厚さtを求め、この標本2pの厚さtと基準標本2sとの厚さto の差ΔZに基づいてステージ1の移動量を求めるようにしたので、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することは言うまでもなく、そのうえ視野絞り6の絞りを調整する必要がない。
【0143】
(6) 次に本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0144】
対物レンズの観察倍率を切り換える顕微鏡としては、図10に示す構成のものがある。
【0145】
光源3から放射される照明光の光路s1 上には、コレクタレンズ4、視野絞り(FS)6及び反射鏡7が配置されている。
【0146】
この反射鏡7の反射方向の照明光の光路s2 には、リレーレンズ9、明るさ絞り10、及びコンデンサレンズ11aとその先玉11b(コンデンサレンズ11)が配置されている。
【0147】
一方、標本2からの光束s3 上には、レボルバ60に設けられた複数の対物レンズ61a、61bのうち例えば対物レンズ61aが挿入されている。
【0148】
このレボルバ60は、レボルバ駆動装置62により駆動されて複数の対物レンズ61a、61bのうち一方の対物レンズ61a又は61bを光束s3 上に挿脱するものとなっている。
【0149】
しかるに、CPU24は、光束s3 上に挿入された対物レンズ61a又は61bの倍率、NA(開口率)に応じてコンデンサレンズ駆動装置63を駆動し、コンデンサレンズ11の先玉11bを照明光の光路s2 上に挿脱して、コンデンサレンズ11の焦点距離を変更し、適切な照明を標本2に投光するものとなっている。
【0150】
ここで、照明光の光路s1 、s2 による照明光学系について図11を参照して詳しく説明すると、光源3から出射された照明光は、コレクタレンズ4及びリレーレンズ9により集光され、コンデンサレンズ11の入射瞳位置である明るさ絞り10面上に光源3の像が投影される。
【0151】
一方、光源3、コレクタレンズ4により照明され、視野絞り6から出射された照明光は、反射鏡7で反射され、リレーレンズ9により平行光となり、コンデンサレンズ11により標本2面に集光され、視野絞り6の像が投影される、いわゆるケーラー照明が行われる。
【0152】
すなわち、コンデンサレンズ11は、視野絞り6を標本2面に投影するための結像レンズとなっており、例えば対物レンズ61a、61bを切り換えて低倍の対物レンズで広い視野を照明するためには、コンデンサレンズ11の焦点距離を長くし、視野絞り6の投影倍率を大きくしなければならない。
【0153】
ところが、1つのコンデンサレンズで入射瞳となる明るさ絞り10の位置を変えずに、かつ視野絞り6の投影面となる後側焦点位置を標本2面上に保った状態において、コンデンサレンズの焦点距離のみを可変することは困難であり、たとえ仮に実現したとしてもレンズ枚数が多くなり、高価なものとなってしまう。
【0154】
このような事から、図12に示すようにコンデンサレンズ11の先玉11bを光路s2 から外すことにより、コンデンサレンズ11の焦点距離を長くしているが、これでは完全なケーラー照明を保てず、視野絞り6が標本2面に投影されないことが多い。
【0155】
このことは、1つのコンデンサレンズで低倍対物レンズから高倍対物レンズまで最適な照明を行う場合に限らず、1×対物レンズ等の極低倍対物レンズに対して最適な照明を行う場合でも、コンデンサレンズの焦点距離が長くなり、これによりコンデンサレンズがリレーレンズ9及び反射鏡7に近付き、スペース的な制約により視野絞り6が標本2面に投影されない場合が多い。
【0156】
このため、視野絞り6の像(FS像)のコントラストを検出して自動焦点調整を行っても、視野絞り6の像を標本2面上に合焦できない。
【0157】
このような実情に基づいて視野絞り6の像を標本2面上に投影できない場合でも、コントラストを検出して自動焦点調整ができる第4の実施の形態について以下説明する。
【0158】
本発明の自動焦点調整方法は、図13及び図14に示すように対物レンズ61a又は61bの観察倍率に応じてコンデンサレンズ11の焦点距離を変更した場合、このコンデンサレンズ11に対して標本2と共役な位置に、合焦調整用の指標70を配置したものである。
【0159】
すなわち、図13はかかる自動焦点調整方法を適用した顕微鏡の全体構成図であり、図14は顕微鏡における低倍対物レンズ照明時のコンデンサレンズの先玉11bを光路s2 から外した状態のコンデンサレンズ11aを含む透過照明光学系の構成図である。
【0160】
コンデンサレンズの先玉11bが光路s2 に挿入された状態では、視野絞り6の像が標本2面に投影されるが、この先玉11bが光路s2 から外されると、コンデンサレンズ11の焦点距離が長くなり、視野絞り6の像は、標本2の上方、すなわち対物レンズ61a又は61b側に投影され、標本2面上には投影されない。
【0161】
この先玉11bが光路s2 から外された状態では、コンデンサレンズ11の焦点距離が長くなるので、標本2と共役な面は、視野絞り6よりもコレクタレンズ4側の位置となる。
【0162】
従って、この標本2と共役な位置に指標70を配置すれば、この指標70の像が標本2面上に投影され、この指標70の像のコントラストを検出することにより自動焦点調整を行い、標本2に対して合焦にできる。
【0163】
ここで、指標70が、例えば円形のような標本2の視野の周辺部に投影される形状で、かつ先球11bが光路s2 に挿入されてコンデンサレンズ11が高倍対物レンズ用の照明になった場合でも、照明のための有効光線が指標70によりけられて遮光されることはない。
【0164】
又、先球11bが光路s2 から外れた状態でも、指標70の像が自動焦点調整のためのCCDセンサ19に十分かかる大きさの観察倍率で投影される場合、指標70は、固定位置で、常時光路s2 に挿入された状態でもよい。
【0165】
ところが、指標70により先玉11bの光路s2 への挿入時における照明のための有効光線がけられたり、又指標70の投影像の大きさが適当でなくCCDセンサ19にかからない場合には、対物レンズ16a又は16bによる観察倍率の変更に応じて指標70を光路s2 から挿脱するものとなる。
【0166】
以下、図13に示す顕微鏡の全体構成図を参照して対物レンズ16a又は16bによる観察倍率の変更に応じた指標70の挿脱の機構について説明する。
【0167】
CPU71は、外部コントローラ28から送られてくる対物レンズ61a又は61bの種類、倍率の選択信号を受け、この選択信号に基づいてレゾルバ駆動装置62に対物レンズ変換の信号を送出するコンデンサレンズ変更手段としての機能を有している。
【0168】
又、CPU71は、対物レンズ変換信号をレボルバ駆動装置62に送出すると共に、この対物レンズ61a又は61bによる観察倍率に応じたコンデンサレンズ11の先玉11bの挿脱の判定信号、すなわち高倍対物レンズの場合に先球11bを光路s2 に挿入する判定信号をコンデンサレンズ駆動装置63に送出し、又低倍対物レンズの場合に先球11bを光路s2 から外す判定信号をコンデンサレンズ駆動装置63に送出する機能を有している。
【0169】
又、CPU71は、対物レンズの交換、先玉11bの挿脱と共に、コンデンサレンズ11の先玉11bが光路s2 に挿入されている場合に指標70を光路s1から外す信号を指標駆動装置72に送出し、又先玉11bが光路s2 から外れている場合に指標70を光路s1 に挿入する信号を指標駆動装置72に送出する指標挿脱手段としての機能を有している。
【0170】
次に上記の如く構成された顕微鏡の作用について説明する。
【0171】
対物レンズによる観察倍率を変更する場合、外部コントローラ28において所望の観察倍率に適した対物レンズ61a又は61bが選択される。
【0172】
この外部コントローラ28からCPU71に対し、選択された対物レンズ61a又は61bの種類、倍率の選択信号が送られると、CPU71は、この選択信号に基づいてレボルバ駆動装置62に対物レンズ変換の信号、例えば高倍率であれば対物レンズ61aの対物レンズ変換信号、低倍率であれば対物レンズ61bの対物レンズ変換信号を送出する。
【0173】
これにより、所望観察倍率の対物レンズ61a又は61bが、レボルバ駆動装置62の駆動によるレボルバ60の動作により光束s3 上に配置される。
【0174】
これと共にCPU71は、高倍対物レンズ61aを選択した場合にコンデンサレンズ11の先球11bを光路s2 に挿入する判定信号、又低倍対物レンズ61bを選択した場合に先球11bを光路s2 から外す判定信号をコンデンサレンズ駆動装置63に送出する。
【0175】
これにより、コンデンサレンズ11の先球11bが、コンデンサレンズ駆動装置63の駆動により高倍対物レンズ61aの場合に光路s2 に挿入され、又低倍対物レンズ61bの場合に光路s2 から外される。
【0176】
さらに、CPU71は、対物レンズの交換、先玉11bの挿脱と共に、コンデンサレンズ11の先玉11bが光路s2 に挿入されている場合に指標70を光路s1 から外す信号、又先玉11bが光路s2 から外れている場合に指標70を光路s1 に挿入する信号を指標駆動装置72に送出する。
【0177】
これにより指標70が、指標駆動装置72の駆動により高倍対物レンズ61aの場合に光路s1 から外され、又低倍対物レンズ61bの場合に光路s1 に挿入される。
【0178】
従って、高倍率の対物レンズ61aが選択された場合、コンデンサレンズ11の先玉11bが光路s2 に挿入されるとともに指標70が光路s1 から外されるので、図11に示すように視野絞り6の像が標本2面に投影される。
【0179】
この標本2からの光束s3 は、対物レンズ61a、結像レンズ13を通って光路分岐部材14に至り、この光路分岐部材14で標本2からの光束s3 の一部を接眼レンズ15に導き、他の光束をミラー16、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導く。
【0180】
この分割プリズム18は、入射する光束を2分割し、これら2つの光束を平行な状態でCCDセンサ19に送る。
【0181】
このCCDセンサ19は、投影された光像(前ピン像、後ピン像)の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力する。
【0182】
アナログ処理部20は、CCDセンサ19から出力されたアナログ信号に対して前ピン像と後ピン像とに対して別々に増幅及びフィルタ処理等のアナログ処理を施す。
【0183】
そして、アナログ処理部20の出力信号は、A/D変換器21によりディジタル化されてメモリ22に送られ、このメモリ22に前ピン像と後ピン像とで別々に格納される。
【0184】
演算回路23は、メモリ22に格納された前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を読み出し、これら前ピン像及び後ピン像のディジタル信号を用いて前ピン像と後ピン像とのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から視野絞り6の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0185】
CPU24は、演算回路23により算出されたデフォーカス信号を取り込み、このデフォーカス信号に基づいて視野絞り6の像を合焦位置に合わせるためのステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出する。
【0186】
これにより、ステージ1は、上下方向に移動し、CCDセンサ19の受光面に投影される前ピン像、後ピン像が同一形状になると、視野絞り6の像が合焦位置となる。
【0187】
一方、低倍率の対物レンズ61bが選択された場合、コンデンサレンズ11の先玉11bが光路s2 から外されるとともに指標70が光路s1 に挿入されるので、図14に示すように指標70の像が標本2面に投影される。
【0188】
この標本2からの光束s3 は、上記高倍率の対物レンズ61aの場合と同様に、対物レンズ61aから結像レンズ13を通り、結像レンズ17を通して分割プリズム18に導かれ、ここで2分割されてCCDセンサ19に入射する。
【0189】
このCCDセンサ19は、投影された光像(前ピン像、後ピン像)の入射光量と蓄積時間に応じた電圧レベルのアナログ信号を出力するので、アナログ処理部20の処理により前ピン像と後ピン像とのディジタル信号を別々にメモリに格納される。
【0190】
演算回路23は、これら前ピン像及び後ピン像のディジタル信号を用いて前ピン像と後ピン像とのコントラスト値を算出し、これらコントラスト値から視野絞り6の合焦度を示すデフォーカス量を算出する。
【0191】
CPU24は、演算回路23により算出されたデフォーカス信号を取り込み、このデフォーカス信号に基づいて視野絞り6の像を合焦位置に合わせるためのステージ1の移動量及びその移動方向を求め、これら移動量及び移動方向の信号を駆動回路25に送出するので、ステージ1は、上下方向に移動し、CCDセンサ19の受光面に投影される前ピン像、後ピン像が同一形状になると、指標70の像が合焦位置となる。
【0192】
なお、視野絞り6は、先玉11bが光路s2 に挿入されている場合、対物レンズ61aの観察倍率に応じて、CPU71からの指令を基に、視野絞りドライバ8の駆動により適正な大きさに設定されるが、先玉11bが光路s2 から外れた状態で、視野絞り6により照明光の有効光線がけられて遮光されるようであれば、対物レンズの切り換えと連動して、照明光の有効光線がけられない大きさまで視野絞り6を広げればよい。
【0193】
又、先玉11bが光路s2 に入った状態に指標70の像が観察の邪魔になる場合には、外部コントローラ28から入力される自動焦点調整動作のスタート/ストップの信号に連動して、CPU71及び指標駆動装置72を介して自動焦点調整動作時のみ指標70が光路s1 に挿入されるようにすればよい。
【0194】
ここで、各種動作と連動してCPU71及び指標駆動装置72を介して指標70が光路s1 に挿脱されるが、指標70を例えば概略円形の径が可変の開閉式の指標とし、指標70が不要な場合は、その径を大きくすることで有効光線束から外れるように構成してもよい。
【0195】
このように上記第4の実施の形態においては、焦点距離の異なるコンデンサレンズ11に対して標本2の面と共役な位置に指標70を配置したので、視野絞り6を標本2の面に投影できない場合のコンデンサレンズ11であっても、指標70の像を標本2の面に投影し、そのコントランスを検出することにより、低倍観察から高倍観察まで自動焦点調整ができる。
【0196】
又、対物レンズ61a、61bの切り換えに連動してコンデンサレンズ11の先玉11bの挿脱、視野絞り6の径の開閉、指標70の挿脱が行われるので、指標70又は視野絞り6に照明の有効光線をけられることなく、低倍観察から高倍観察まで最適な照明が得られ、又操作も単純化されて煩雑な操作がなくなり、顕微鏡像の検鏡に専念できる。
【0197】
さらに、指標70の投影光学系は、専用の光路を必要とせず、透過照明光学系と共軸に構成しているので、自動焦点調整作動時に、ミラーやレンズ等の光学素子を挿脱する必要がなく、構成が単純で、1つの光源3で安価に構成できる。
【0198】
又、専用の指標投影光学系を、ハーフミラー等で透過照明光学系と同軸的に導く必要が無いので、指標70の像、観察像共に明るさの損失がなく、照明効率がよく、明るい指標像、観察像が得られる。
【0199】
(7) 次に本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、図13に示す顕微鏡の全体構成と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、本発明の特徴とするコンデンサレンズ11を含む指標投影及び透過照明光学系の各部品を中心として説明する。
【0200】
図15及び図16は自動焦点調整装置を適用した顕微鏡における指標投影及び透過照明光学系の第5の実施の形態を示す構成図であって、図15は低倍対物レンズ61bを照明する場合、図16は高倍対物レンズ61aに適した照明の場合を示す。
【0201】
図15に示すように光源3から明るさ絞り10までは、上記図13に示す顕微鏡と同一構成のケーラー照明となっている。
【0202】
コンデンサレンズ11は、凸レンズのコンデンサレンズ11aと凹レンズの先玉11cとから構成され、このうち先玉11cは対物レンズ61a、61bの観察倍率に応じて光路s2 に対して挿脱可能となっている。
【0203】
図15に示すように低倍対物レンズ61bで先玉11cが光路s2 に挿入されている場合、光源3、コレクタレンズ4により照明された視野絞り6の像は、標本2面上に投影され、上記第4の実施の形態と同様に、視野絞り6の像のコントラストを検出することにより自動焦点調整ができる。
【0204】
一方、図16に示すように低倍対物レンズ61bの照明の際の先玉11cが光路s2 に挿入された状態から光路s2 から外れた状態を示す。
【0205】
この先玉11cは凹レンズの為、光路s2 から外れることにより、コンデンサレンズ11としての焦点距離が短くなり、高倍対物レンズに適したクリティカル照明となる。
【0206】
この場合、標本2と光学的に共役な面が明るさ絞り10上と一致し、この明るさ絞り10の像が標本2に投影される。
【0207】
従って、この明るさ絞り10の像が標本2面上に投影されるので、上記同様に、明るさ絞り10の像のコントラストを検出することにより自動焦点調整ができ、標本2に対して合焦となる。
【0208】
このように上記第5の実施の形態においては、2つの異なる焦点距離のコンデンサレンズ11に対して標本2と共役な位置に2つの指標、すなわち、視野絞り6及び明るさ絞り10を配置したので、コンデンサレンズ11が凸レンズのコンデンサレンズ11aと凹レンズの先玉11cとから構成され、低倍対物レンズ又は高倍対物レンズに切り換えられても、視野絞り6又は明るさ絞り10の像を標本2の面上に投影でき、標本2に対して合焦にできる。
【0209】
そのうえ、指標として視野絞り6又は明るさ絞り10を用いるので、指標投影の為の専用の指標を設ける必要がなく、安価に構成できる。
【0210】
なお、本発明の第5の実施の形態は、上記第4の実施の形態と同様に、必要に応じて対物レンズ61a、61bの切り換えに連動して、先玉11cの挿脱及び視野絞り6及び明るさ絞り10の開閉を行うようにしてもよい。
【0211】
これにより、低倍観察から高倍観察まで最適な照明が得られ、又操作も単純化されて煩雑な操作がなくなり、顕微鏡像の検鏡に専念できる。
【0212】
(8) 次に本発明の第8の実施の形態について説明する。なお、図13に示す顕微鏡の全体構成と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、本発明の特徴とするコンデンサレンズ11を含む指標投影及び透過照明光学系の各部品を中心として説明する。
【0213】
図17及び図18は自動焦点調整装置を適用した顕微鏡における指標投影及び透過照明光学系の第8の実施の形態を示す構成図であって、図17は先玉を外した場合、図18は先玉を挿入した場合を示す。
【0214】
この顕微鏡は、1×対物レンズ等の極低倍対物レンズ用の照明系を用いたものである。
【0215】
光源3から明るさ絞り10までは、上記第5の実施の形態の構成及び作用と同一である。
【0216】
コンデンサレンズ11は、極低倍照明専用の為、1群構成で、焦点距離が非常に長く形成され、視野絞り6の投影像は図17に示すように標本2の上方(対物レンズ側)に投影されている。
【0217】
視野絞り投影レンズ(以下、FS投影レンズと称する)73は、コンデンサレンズ11の上方の光路s2 に対して挿脱可能に配置されている。
【0218】
又、このFS投影レンズ73が図18に示すように光路s2 に対して挿入された状態においては、視野絞り6は標本2面上に投影される。
【0219】
なお、このFS投影レンズ73が光路s2 に対して挿入された状態においては、必ずしも照明性能が維持される必要はなく、視野絞り6の像を標本2面上に鮮明に投影されればよい。
【0220】
このような構成であれば、通常の検鏡時には、図17に示すようにFS投影レンズ73が光路s2 から外れており、極低倍対物レンズの照野NAを満たす十分な照明性能を維持している。
【0221】
自動焦点調整作動時のみ図18に示すように、この自動焦点調整作動に連動し、FS投影レンズ73が光路s2 に挿入され、このFS投影レンズ73により視野絞り6の像が標本2面上に投影され、この視野絞り6の像のコントラストを検出することにより、自動焦点調整が行われる。
【0222】
この自動焦点調整が終了すると、FS投影レンズ73は再度光路s2 から外れた状態となり、通常の観察が行われる。
【0223】
このように上記第8の実施の形態においては、自動焦点調整動作に連動して照明系のFS投影レンズ73を光路s2 に挿脱し、自動焦点調整動作時にのみに視野絞り6の像を標本2の面に投影して、この視野絞り6の像のコントラストを検出して自動焦点調整動作を行うので、通常観察時には十分な照明性能を維持することが可能であり、かつ標本2と共役な位置に指標を配置したとしても、スペース的な問題や標本2と共役な位置が光源3の近くになり熱による破損の問題で所望む位置に指標を配置できない場合でも、FS投影レンズ73の挿脱により視野絞り6の像を標本2面に投影したり、挿脱するFS投影レンズ73の位置、パワーとの組み合わせにより指標の位置を所望位置に配置して、指標を標本2面に投影することができる。
【0224】
又、FS投影レンズ73の挿脱を自動焦点調整動作に連動するので、誤って自動焦点調整動作の状態のコンデンサレンズ11で標本2の観察を行うことがなくなる。
【0225】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、顕微鏡の光学系に付着物が存在しても、この付着物の影響を受けずにコントラストの低い標本でも高精度に合焦調整できる安価な自動焦点調整方法及びその装置を提供できる。
【0226】
又、本発明によれば、焦点距離の異なるコンデンサレンズを用いたときに視野絞りを標本面に投影できない場合でも、指標の像を標本の面に投影し、そのコントランスを検出することにより、低倍観察から高倍観察まで自動焦点調整ができる自動焦点調整方法及びその装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる自動焦点調整装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】 自動焦点調整の動作手順を示す図。
【図3】 自動焦点調整の作用を示す図。
【図4】 本発明に係わる自動焦点調整装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図5】 自動焦点調整の作用を示す図。
【図6】 本発明に係わる自動焦点調整装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図7】 標本上に指標像を投影しないときのCCDセンサ出力を示す図。
【図8】 標本上に指標像を投影したときのCCDセンサ出力を示す図。
【図9】 指標像のみのCCDセンサ出力を示す図。
【図10】 対物レンズの観察倍率を切り換える顕微鏡の構成図。
【図11】 同顕微鏡の照明光学系の拡大構成図。
【図12】 先球を外した照明光学系の拡大構成図。
【図13】 本発明に係わる自動焦点調整装置を適用した顕微鏡の第4の実施の形態を示す構成図。
【図14】 低倍対物レンズ照明時のコンデンサレンズの先玉を外した透過照明光学系の構成図。
【図15】 本発明に係わる自動焦点調整装置を適用した顕微鏡の低倍対物レンズの場合の第5の実施の形態を示す構成図。
【図16】 同顕微鏡の高倍対物レンズの場合の構成図。
【図17】 本発明に係わる自動焦点調整装置を適用した顕微鏡の1×対物レンズの第8の実施の形態を示す構成図。
【図18】 同顕微鏡での先玉を挿入したときを示す図。
【符号の説明】
1…ステージ、
2…標本(基準標本2s,観察する標本2p)、
3…光源、
6…視野絞り、
10…明るさ絞り、
11…コンデンサレンズ、
11b,11c…先玉、
12,61a,61b…対物レンズ、
19…CCDセンサ、
23,54…演算回路、
24,42,55,71…CPU、
26,41…エンコーダ、
51…指標光源、
53…指標板、
60…レボルバ、
70…指標、
73…FS投影レンズ。
Claims (3)
- 対物レンズと標本との相対位置を変化させて合焦調整を行う自動焦点調整方法において、
前記標本に対して視野絞り像を投影し、
基準となる屈折率、厚さを有する基準標本を用いたときの前記基準標本の合焦位置かつ前記視野絞り像の像面位置に対する、前記標本に投影された前記視野絞り像のデフォーカス量を検出し、
前記デフォーカス量に基づいて前記標本の厚さを算出し、この標本の厚さと前記基準標本との厚さの差に基づいて前記対物レンズと前記標本との相対位置を調整して合焦調整を行うことを特徴とする自動焦点調整方法。 - 対物レンズと標本との相対位置を変化させて合焦調整を行う自動焦点調整装置において、
前記標本に対して視野絞り像を投影する光学系と、
基準となる屈折率、厚さを有する基準標本を用いたときの前記基準標本の合焦位置かつ前記視野絞り像の像面位置に対する、前記標本に投影された前記視野絞り像のデフォーカス量を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された前記デフォーカス量に基づいて前記標本の厚さを算出し、この標本の厚さと前記基準標本との厚さの差に基づいて前記対物レンズと前記標本との相対位置を調整して合焦位置に合わせる焦準手段と、を具備したことを特徴とする自動焦点調整装置。 - 照明光をコンデンサレンズを通して標本に照射する透過照明光学系と、
前記対物レンズの観察倍率に応じて前記コンデンサレンズの焦点距離を変更するコンデンサレンズ変更手段とをさらに有し、
前記デフォーカス量の検出時に、前記コンデンサレンズ変更手段により前記コンデンサレンズの焦点距離を変更した場合は、前記視野絞り像を標本に投影させることを特徴とする請求項2記載の自動焦点調整装置。
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