JP3845143B2 - 連続加熱方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼材などの金属材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつ加熱する際、該材料のスキッドマークを生じさせないか、あるいは軽減するための方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スラブやビレット等の鋼片など金属材料を熱間圧延する際、あるいは熱処理する際の加熱炉として、被加熱材料をつぎつぎに通過させて所定温度に加熱する連続加熱炉が使用される。この炉内では、被加熱材はスキッドビームで支持され移送されるので、該レールに接した部分、あるいは該レールにより加熱源から遮蔽された部分に、スキッドマークと呼ばれる低温部が生じる。従来、その改善対策が種々行われているが、近年、加熱炉内にてスキッドマーク部を局部的に加熱する方法や装置が提案されている。
【0003】
特開平5−179339号公報には、加熱炉抽出側にスキッドマークを加熱する燃焼装置を設け、被加熱材の温度を測定して、高温部とスキッドマーク部である低温部との温度差を最小にする燃料流量および空気流量で燃焼制御する装置および方法が提案されている。しかし、炉の抽出側のみで加熱しても、スキッドマーク低減には限界があり、また、このような燃焼装置は、炉内の高温部には設置できないという問題がある。
【0004】
特開平5−26583号公報には、サイドバーナ方式の加熱炉において、サイドバーナに供給する燃焼空気量を減らし、未燃焼ガスを含む火炎に向けて、炉床の耐火物を通した配管から空気を吹き込んで未燃焼ガスを燃焼させ、スキッドマーク部を局部加熱する方法および装置が提案されている。しかし、空気を吹き込むには、炉床に大きな配管を設ける必要があり、また予熱空気を使用し難く、燃料原単位が悪化するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鋼材などの金属材料を連続加熱炉で加熱する際、小規模の装置で燃料原単位を悪化させずに、スキッドマークを発生させないか、あるいは軽減するための方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の第1発明法は、被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱方法において、該材料下面の該燃焼炎を酸素欠乏炎にするとともに、助燃剤投入孔を該材料下面側の前記スキッドビームまたはその隣接位置に設け、前記スキッドビーム近傍の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入し、該スキッドビーム近傍に高温燃焼域を形成することを特徴とする連続加熱方法である。
【0007】
第2発明法は、被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱方法において、該材料上面の該燃焼炎を酸素欠乏炎にするとともに、助燃剤投入孔を該材料上面側でかつ前記スキッドビームの上方に設け、前記スキッドビーム直上の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入し、該スキッドビーム直上に高温燃焼域を形成することを特徴とする連続加熱方法である。
【0008】
第3発明法は、被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱方法において、該材料下面および上面の該燃焼炎を酸素欠乏炎にするとともに、助燃剤投入孔を該材料下面側の前記スキッドビームまたはその隣接位置及び該材料上面側でかつ前記スキッドビームの上方に設け、前記スキッドビーム近傍の該酸素欠乏炎および前記スキッドビーム直上の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入し、該スキッドビーム近傍および該スキッドビーム直上に高温燃焼域を形成することを特徴とする連続加熱方法である。
【0009】
そして、第1、第2および第3発明法において、加熱炉から抽出された被加熱材料のスキッドマーク生成情報を把握し、該情報に応じて、酸素欠乏炎に向けて導入する酸素または酸素富化空気の導入量を制御することが好ましい。
【0010】
また、上記目的を達成する本発明の第1発明装置は、被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱装置において、スキッドマークを発生させないか、あるいは軽減するために、前記材料下面側の該燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、前記材料下面の前記スキッドビームまたはその隣接位置に助燃剤投入孔を設けたことを特徴とする連続加熱装置である。
【0011】
第2発明装置は、被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱装置において、スキッドマークを発生させないか、あるいは軽減するために、前記材料上面側の該燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、前記材料上面の前記スキッドビーム上方に助燃剤投入孔を設けたことを特徴とする連続加熱装置である。
【0012】
第3発明装置は、被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱装置において、スキッドマークを発生させないか、あるいは軽減するために、前記材料下面側および上面側の該燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、前記材料下面の前記スキッドビーム若しくはその隣接位置と、前記材料上面の前記スキッドビーム上方との双方に、助燃剤投入孔を設けたことを特徴とする連続加熱装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明法を図面に示す例により説明する。図1は加熱炉の長さ方向縦断面図、図2は幅方向縦断面図である。この例では、被加熱材料1をウォーキングビーム方式のスキッドビームで支持し、図1の左から右に、No.1加熱帯、No.2加熱帯、・・・No.8加熱帯と順次移送しつつ、バーナ5からの燃焼炎で加熱している。
【0014】
スキッドビームは、固定ビーム2および可動ビーム3からなり、可動ビーム3により、被加熱材料1を上昇前進降下させて移送する。また、本発明法はこの例に限らず、被加熱材料を、スキッドビーム上を摺動させて移送するプッシャー方式に適用することもできる。
【0015】
第1発明法は、このような連続加熱炉において、被加熱材料1下面側のバーナ5からは、燃料と、該燃料を燃焼させるに必要な量よりも少ない空気等の酸素源を導入し、酸素欠乏炎すなわち燃料過剰炎を形成して、被加熱材料1を加熱する。被加熱材料1上面側のバーナ5からは、通常の燃焼炎で加熱する。
【0016】
そして、被加熱材料1下面側の炉内に設けた助燃剤投入孔6から、スキッドビーム近傍の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入する。すると、該導入した酸素と、酸素欠乏炎の燃料とが反応して高温燃焼域が形成され、スキッドビーム近傍の放射伝熱能力が高められる。この高温燃焼域により被加熱材料のスキッドマーク発生部位を下側から高温加熱することで、スキッドマークを発生させないか、あるいは著しく軽減することができる。
【0017】
図1および図2の例では、助燃剤配管8を固定ビーム2の支柱に沿って配設し、該配管8先端の開口を助燃剤投入孔6としているが、助燃剤配管8を下面側の仕切壁4に沿って、あるいは仕切壁4の内部に配設し、助燃剤投入孔6をスキッドビーム近傍に設けてもよい。
【0018】
また、図3に示すように、スキッドビーム14に助燃剤導入管17を内設し、該ビーム14表面の開口を助燃剤投入孔6としてもよい。図3において、16は被加熱材料に接するライダーであり、スキッドビーム14内の冷却水管18を通る水により冷却される。助燃剤導入管17はライダー16の両側に内設し、両側のスキッドビーム14面に助燃剤投入孔6を設けている。15はスキッドビーム14の支柱であり、助燃剤導入管17は、冷却水管18とともに支柱15内を通して外部配管と接続することができる。
【0019】
第2発明法は、被加熱材料1上面側のバーナ5からは、燃料と、該燃料を燃焼させるに必要な量よりも少ない空気等の酸素源を導入し、酸素欠乏炎すなわち燃料過剰炎を形成して、被加熱材料1を加熱する。被加熱材料1下面側のバーナ5からは、通常の燃焼炎で加熱する。
【0020】
そして、被加熱材料1上面側の炉内に設けた助燃剤投入孔6から、スキッドビーム直上の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入する。すると、該導入した酸素と酸素欠乏炎の燃料とが反応して高温燃焼域が形成され、スキッドビーム直上の放射伝熱能力が高められる。この高温燃焼域により被加熱材料のスキッドマーク発生部位を上側から高温加熱することで、スキッドマークを発生させないか、あるいは著しく軽減することができる。図1および図2の例では、助燃剤投入孔6を仕切壁4に設けている。
【0021】
第3発明法は、被加熱材料1下面側および上面側のバーナ5から、燃料と、該燃料を燃焼させるに必要な量よりも少ない空気等の酸素源を導入し、酸素欠乏炎を形成して被加熱材料1を加熱する。そして、被加熱材料1下面側の炉内に設けた助燃剤投入孔6から、スキッドビーム近傍の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入する。
【0022】
また、被加熱材料1上面側の炉内に設けた助燃剤投入孔6から、スキッドビーム直上の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入する。すると、該導入した酸素と酸素欠乏炎の燃料とが反応して高温燃焼域が形成され、スキッドビーム近傍および直上の放射伝熱能力が高められる。この高温燃焼域により被加熱材料のスキッドマーク発生部位を下側および上側から高温加熱することで、スキッドマークを発生させないか、あるいは著しく軽減することができる。
【0023】
図1および図2の例では、助燃剤投入孔6を上面側では仕切壁4に、下面側では固定ビーム2に、それぞれ設けているが、下面側でも仕切壁4に設けることができる。また、下面側では図3のように、スキッドビーム14に助燃剤導入管17を内設し、該ビーム14表面の開口を助燃剤投入孔6とすることもできる。
【0024】
本発明法では、連続加熱炉の入口から出口まで全長にわたり、各バーナ5からの燃焼炎に高温燃焼域7を形成することができる。図1の例は、下面側には全バーナ5からの燃焼炎に、上面側にはNo.1加熱帯の内側からNo.8加熱帯の内側までのバーナ5からの燃焼炎に、高温燃焼域7を形成している。したがって、スキッドマーク発生部位に対する加熱効果が優れ、炉から抽出した材料にはスキッドマークがないか、あるいは著しく軽減される。
【0025】
なお、高温燃焼域7を形成する燃焼炎は、図1の例のほか、スキッドマーク発生状況に応じ、炉長方向の任意のバーナ5からの燃焼炎とすることができる。スキッドマーク発生状況は、被加熱材料1の種類やサイズ、加熱温度、各加熱帯の温度分布などにより経験的に把握することができる。
【0026】
高温燃焼域7を形成するため、助燃剤投入孔6からは酸素または酸素富化空気を導入する。したがって、助燃剤投入孔6は、耐熱鋼管やセラミックス管等の細管先端の開口とすることができ、助燃剤配管8も細管でよい。このため、図1および図2のように、上面側の仕切壁4および下面側の固定ビーム2に、また、下面側でも仕切壁4に設置することができる。
【0027】
さらに、下面側では、図3のように、スキッドビーム14に助燃剤導入管17を内設し、該ビーム14表面の開口を助燃剤投入孔6とすることもできる。そして、設置はいずれの場合も容易であり、配管の寿命も問題なく、小規模な設備でよい。
【0028】
また、バーナ5から導入する空気等の酸素源と、該バーナ5に対応する助燃剤投入孔6から導入する酸素または酸素富化空気の割合は、スキッドマーク発生状況に応じて、適宜設定することができる。さらに、本発明法は、図1および図2のような、炉の側壁に幅方向に向けてバーナ5を設けた加熱炉に適用するほか、図4のように、炉の長さ方向に向けてバーナ5を設けた加熱炉に適用することもできる。さらにまた、本発明法において、バーナ5としては、対向させた1対を交互に燃焼と蓄熱に切替える方式のものを採用することもできる。
【0029】
本発明の好ましい態様では、加熱炉から抽出された材料のスキッドマーク生成情報を把握し、該情報に応じて、助燃剤投入孔6からの酸素または酸素富化空気導入量を制御する。具体的には、炉抽出後の工程、たとえば粗圧延工程で材料の温度分布を計測して得られるスキッドマーク生成情報、あるいは圧延機の負荷変動から得られるスキッドマーク生成情報等を採用することができる。
【0030】
そして、図2に示すような流量制御弁9により、炉幅方向の各助燃剤投入孔6からの酸素または酸素富化空気導入量をフィードバック制御することで、つぎの被加熱材料1のスキッドマーク発生を防止あるいは軽減することができる。
【0031】
次に、本発明の第1発明装置は、図1および図2に示すような、あるいは図3に示すような連続加熱装置において、被加熱材料1の下面側のバーナ5の燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、該材料1下面のスキッドビーム近傍または該スキッドビームに助燃剤投入孔6を設けたことを特徴とする装置である。
【0032】
燃焼系としては、バーナ5に供給する燃料および空気の供給量を、酸素欠乏炎となるように調整する流量調整機能をもったものであればよく、燃料供給配管および燃焼用空気供給管の一方または双方に流量調整弁を設け、助燃剤投入孔6からの酸素または酸素富化空気供給量に応じて、適宜流量調整すればよい。
【0033】
助燃剤投入孔6は、図1および図2に示すように、助燃剤配管8を固定ビーム2の支柱に沿って配設し、該配管8の先端を、被加熱材料1下面のスキッドビーム近傍に開口させたものとすることができる。また、助燃剤配管8を下面側の仕切壁4に沿って、あるいは仕切壁4の内部に配設し、該配管8の先端を被加熱材料1下面のスキッドビーム近傍に開口させたものとしてもよい。さらにまた、図3に示すように、スキッドビーム14に助燃剤導入管17を内設し、該ビーム14表面に開口させることで、該ビーム14に助燃剤投入孔6を設けることもできる。
【0034】
第2発明装置は、図1および図2に示すような、あるいは図3に示すような連続加熱装置において、被加熱材料1の上面側のバーナ5の燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、該材料1上面のスキッドビーム直上に助燃剤投入孔6を設けたことを特徴とする装置である。燃焼系は、上記第1発明装置と同様、バーナ5に供給する燃料および空気の供給量を酸素欠乏炎となるように調整する流量調整機能をもつものであればよい。また、助燃剤投入孔6は、図1および図2の例のように、仕切壁4に設けることができる。
【0035】
第3発明装置は、図1および図2に示すような、あるいは図3に示すような連続加熱装置において、被加熱材料1の下面側および上面側のバーナ5の燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、該材料1下面のスキッドビーム近傍または該スキッドビームと、前記材料上面のスキッドビーム直上との双方に、助燃剤投入孔を設けたことを特徴とする連続加熱装置である。燃焼系は、上記第1発明装置および第2発明装置と同様、バーナ5に供給する燃料および空気の供給量を、酸素欠乏炎となるように調整する流量調整機能をもつものであればよい。
【0036】
助燃剤投入孔6は、被加熱材料1下面側では、第1発明装置と同様、スキッド固定ビームの支柱に沿って配設した助燃剤配管8や、下面側の仕切壁4に沿って、あるいは仕切壁4の内部に配設した該配管8の先端を被加熱材料1下面のスキッドビーム近傍に開口させたものとしてもよく、また、図3のように、スキッドビーム14に助燃剤導入管17を内設し、該ビーム14表面に開口させることで、該ビーム14に設けることもできる。被加熱材料1上面側では、第2発明装置と同様、上面側の仕切壁4に設けることができる。
【0037】
なお、上記各本発明装置は、図1および図2に示すようなウォーキングビーム方式のほか、プッシャー方式に適用することもできる。また、バーナ5としては、対向させた1対を交互に燃焼と蓄熱に切替える方式のものを採用することもできる。そして、本発明装置の作用は、上記本発明法について説明したとおりである。
【0038】
【実施例】
(本発明例1)
図1および図2に示す本発明の連続加熱装置により、幅960mm、厚さ255mm、長さ9016mmの鋼片を被加熱材料1として加熱した。図1のように、鋼片の下面側では、全バーナ5からの燃焼炎に、上面側では、No.1加熱帯の内側からNo.8加熱帯の内側までのバーナ5からの燃焼炎に、それぞれ、助燃剤投入口6から助燃剤として純酸素(99%)を導入して、高温燃焼域7を形成した。バーナ5は、両側壁から対向させた1対のものを交互に燃焼と蓄熱に切替える方式のものとした。
【0039】
各加熱帯において、バーナ5から炉内に導入する燃料およびおよび助燃剤投入孔6から炉内に導入する上記純酸素を、図5に示すような配管系統により制御した。すなわち、当該加熱帯に供給する燃料を流量制御弁12により制御し、加熱帯内の2本のバーナ5への配分を流量制御弁11により制御した。そして、助燃剤投入孔6から炉内に導入する上記純酸素の流量を流量制御弁10により制御し、6対の助燃剤投入孔6への配分を流量制御弁9により制御した。制御指令は、流量制御器13にあらかじめ入力した、スキッドマーク生成情報に基づいて行った。表1に、バーナ5から導入した空気の酸素量と助燃剤投入孔6から導入した酸素量の割合を示す。
【0040】
鋼片の長さ方向温度分布を、各加熱帯毎に測定した結果を図6に示す。図において、横軸の測定点の番号は、1が端部であり、20は中央部で図2の破線の位置に相当する。図6の上側に示す▲2▼は固定ビーム2の位置を示し、▲3▼は可動ビーム3の位置を示す。鋼片の長さ方向温度分布はほぼ均一であり、スキッドマークは発生していないといえる。
【0041】
【表1】
Figure 0003845143
【0042】
(本発明例2)
図1および図2に示すような連続加熱装置において、図3に示すようなスキッドビーム14を採用し、幅1000mm、厚さ240mm、長さ9000mmの鋼片を被加熱材料1として加熱した。図1のように、鋼片の下面側では、全バーナ5からの燃焼炎に、上面側では、No.1加熱帯の内側からNo.8加熱帯の内側までのバーナ5からの燃焼炎に、それぞれ、助燃剤投入口6から助燃剤として純酸素(99%)を導入して、高温燃焼域7を形成した。バーナ5は、両側壁から対向させた1対のものを交互に燃焼と蓄熱に切替える方式のものとした。
【0043】
各加熱帯における、バーナ5の燃焼および助燃剤投入孔6からの上記純酸素の導入を、図8に示すようにして制御した。図8は、被加熱材料1の下面側について示しているが、上面側についても同様に制御した。すなわち、当該加熱帯に供給する燃料の量を流量制御弁12により、空気量を流量制御弁19により制御し、助燃剤投入孔6から炉内に導入する上記純酸素の量を流量制御弁10により制御した。6個の助燃剤投入孔6への配分を流量制御弁9により制御した。バーナ5の燃焼と蓄熱の切替えは、切替弁20および21を切替えることで行った。
【0044】
図8は、右側のバーナ5−1で燃焼し、左側のバーナ5−2では、排ガスを切替弁21を経て吸引ブロワー22で吸引することで蓄熱を行っている状態を示している。各流量調整弁および切替弁の制御は、制御器23の指令により行った。加熱炉から抽出後、デスケーリングと圧延を行い、厚さが40mmとなった時点で放射温度計により鋼板長さ方向の表面温度分布を測定したところ、図7の実線に示すように、温度が平坦化し、スキッドマークが消えることがわかった。
【0045】
(従来例)
8個の加熱帯からなる従来の連続加熱装置により、本発明例2と同様の鋼片を加熱した。鋼片の上側、下側ともに、蓄熱燃焼切替え方式のバーナを採用し、助燃剤投入孔は設けず、本発明例と同様にウォーキングビーム方式で鋼片を移送した。加熱炉から抽出後、本発明例2と同様、デスケーリングを圧延を行い、厚さが40mmとなった時点で放射温度計により鋼板長さ方向の表面温度分布を測定したところ、図7の破線に示すように、固定ビームおよび可動ビームの位置にスキッドマークが発生したことがわかる。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、鋼材などの金属材料を加熱炉内のスキッドビームで支持し、ウォーキングビーム方式あるいはプッシャー方式により、炉内を移送しつつ加熱する際、バーナ燃焼炎を酸素欠乏炎とし、助燃剤投入孔から酸素または酸素富化空気を炉内に導入して、バーナ燃焼炎に高温燃焼域を形成するものであり、助燃剤投入孔までを小径の配管で構成できる。このため、炉入口から出口まで全長にわたり所要箇所に酸素または酸素富化空気を導入できるので、スキッドマーク発生の防止、あるいは著しい軽減が可能である。そして燃料原単位を悪化させるおそれもない。
したがって、鋼材等の金属材料の圧延や熱処理に際して、操業が安定化し、製品品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法および装置の例を示す炉長方向縦断面図である。
【図2】本発明法および装置の例を示す炉幅方向縦断面図で、図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明法および装置におけるスキッドビームの例を示す一部断面斜視図である。
【図4】本発明法および装置の別の例を示す断面図である。
【図5】本発明例1における燃料および助燃剤の流量制御系統図である。
【図6】本発明例1における鋼片の長さ方向温度分布を示すグラフである。
【図7】本発明例2および従来例における鋼板の長さ方向温度分布を示すグラフである。
【図8】本発明例2における燃焼の制御系統図である。
【符号の説明】
1…被加熱材料 2…固定ビーム
3…可動ビーム 4…仕切壁
5…バーナ 6…助燃剤投入孔
7…高温燃焼域 8…助燃剤配管
9,10,11,12…流量制御弁
13…流量制御器 14…スキッドビーム
15…支柱 16…ライダー
17…助燃剤導入管 18…冷却水管
19…流量調整弁 20,21…切替弁
22…吸引ブロワー 23…制御器

Claims (7)

  1. 被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱方法において、該材料下面の該燃焼炎を酸素欠乏炎にするとともに、助燃剤投入孔を該材料下面側の前記スキッドビームまたはその隣接位置に設け、前記スキッドビーム近傍の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入し、該スキッドビーム近傍に高温燃焼域を形成することを特徴とする連続加熱方法。
  2. 被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱方法において、該材料上面の該燃焼炎を酸素欠乏炎にするとともに、助燃剤投入孔を該材料上面側でかつ前記スキッドビームの上方に設け、前記スキッドビーム直上の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入し、該スキッドビーム直上に高温燃焼域を形成することを特徴とする連続加熱方法。
  3. 被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱方法において、該材料下面および上面の該燃焼炎を酸素欠乏炎にするとともに、助燃剤投入孔を該材料下面側の前記スキッドビームまたはその隣接位置及び該材料上面側でかつ前記スキッドビームの上方に設け、前記スキッドビーム近傍の該酸素欠乏炎および前記スキッドビーム直上の該酸素欠乏炎に向けて酸素または酸素富化空気を導入し、該スキッドビーム近傍および該スキッドビーム直上に高温燃焼域を形成することを特徴とする連続加熱方法。
  4. 加熱炉から抽出された被加熱材料のスキッドマーク生成情報を把握し、該情報に応じて、酸素欠乏炎に向けて導入する酸素または酸素富化空気の導入量を制御することを特徴とする、請求項1,2または3記載の連続加熱方法。
  5. 被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱装置において、スキッドマークを発生させないか、あるいは軽減するために、前記材料下面側の該燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、前記材料下面の前記スキッドビームまたはその隣接位置に助燃剤投入孔を設けたことを特徴とする連続加熱装置。
  6. 被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱装置において、スキッドマークを発生させないか、あるいは軽減するために、前記材料上面側の該燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、前記材料上面の前記スキッドビーム上方に助燃剤投入孔を設けたことを特徴とする連続加熱装置。
  7. 被加熱材料を加熱炉内のスキッドビームで支持して移送しつつバーナ燃焼炎で加熱する連続加熱装置において、スキッドマークを発生させないか、あるいは軽減するために、前記材料下面側および上面側の該燃焼炎を酸素欠乏炎とする燃焼系を設けるとともに、前記材料下面の前記スキッドビーム若しくはその隣接位置と、前記材料上面の前記スキッドビーム上方との双方に、助燃剤投入孔を設けたことを特徴とする連続加熱装置。
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