JP3845194B2 - 連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法 - Google Patents

連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続熱間圧延用の鋼材の加熱方法に関するもので、より具体的には、連続式のウオーキングビーム式加熱炉において、主として、厚みが100〜300mmの鋼材を、連続熱間圧延して厚みが6mm以下の鋼板を製造する場合に適用される、低温加熱−連続熱間圧延プロセスを実現する連続熱間圧延用の鋼材の加熱操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、厚みが100〜300mmの連続熱間圧延用の鋼材(スラブ)を連続熱間圧延して厚み6mm以下の熱延鋼板を製造する場合、鋼材の加熱には、予熱帯、加熱帯、均熱帯等を有する連続式のウオーキングビーム式加熱炉が用いられている。この加熱炉での鋼材の加熱パターンは、例えば250mm厚の常温鋼材の場合には、図8に示すように、加熱帯で炉温を800℃〜1300℃にして鋼材を加熱した後、均熱帯で鋼材の平均温度が1200℃前後になるまで均熱して抽出し、連続熱間圧延機で1050〜1150℃の温度で粗圧延を開始している。この場合、加熱炉では、鋼材を均熱して1200℃前後の温度にして抽出するため、在炉時間が200時間位と長時間になっており、生産性向上を困難にしている。
【0003】
加熱炉からの鋼材抽出温度を900〜1100℃に下げられれば、在炉時間を短縮でき、加熱炉での熱原単位の低減、歩留まりを安定確保するとともに、圧延中の析出物制御性、材質の安定化等を確保することができ、生産性を向上する等の観点でもメリットが大きい。それにも拘らず、これまで鋼材の抽出温度を1100℃以下にしなかった理由としては、
(1)均熱帯からの抽出温度が1100℃以下である場合には、均熱帯でのスキッドマークによる温度偏差が拡大して、特に最低温部の温度を安定確保ができず、均質な連続圧延ができなくなる。
(2)加熱炉での鋼材スケール生成が少なく、スケールオフ量が低下し、鋼材鋳造時の表面欠陥が残り、熱間圧延時に表面欠陥発生の原因になる。
(参考技術:特開昭56−102517号公報に記載の技術、他)
などの懸念があるためである。
現状では、このような懸念を解消できる効果的な方法がないこともあり、連続熱間圧延用の鋼材の加熱炉において、鋼材の抽出温度を1100℃以下にしている例は見当たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、厚みが100〜300mmの鋼材を、連続熱間圧延により厚みが6mm以下の鋼板にする場合において、加熱炉からの鋼材の抽出温度を連続熱間圧延が可能領域の下限に近い、900℃以上1100℃以下にして、前記(1)〜(2)に記載した懸念を解消し、品質を安定確保することを前提にして、生産性を十分に確保でき熱原単位を節減できる、低温加熱−連続熱間圧延プロセスを実現するための連続熱間圧延用の鋼材の加熱操業方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の(1)〜(16)の発明からなる。
(1)連続熱間圧延鋼材を連続式のウオーキングビーム式加熱炉で加熱する際に、この鋼材を炉温1200℃〜1350℃の急速加熱帯で急速加熱した後、炉温1100℃以下の均熱帯で、鋼材の断面平均温度の最高値が1100℃以下になる状態を、鋼材抽出前30分以上保持して鋼材抽出温度を900℃以上〜1100℃以下にして抽出することを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、加熱炉での熱原単位の低減、歩留向上、圧延中に析出する介在物制御性の改善、材質の安定化等を実現すると同時に存炉時間を短縮して生産性を向上させる。この急速加熱帯では、より効率的に鋼材を加熱するために、蓄熱式切替燃焼バーナを用いることが好ましい。
(2)上記(1)において、バーナーにより鋼材を加熱中に、少なくとも一回は鋼材の断面平均温度が鋼材の抽出目標温度を超えるように、バーナーによる燃焼量を制御することを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯での鋼材の温度を短時間に均一化し、鋼材の抽出温度偏差を小さくすることにより連続熱間圧延操業を安定させ圧延製品の品質安定化を図る。
(3)上記(1)〜(2)において、急速加熱帯から燃焼排ガスを均熱帯に導入し、均熱帯の炉温900℃以上〜1100℃以下の状態を保持する熱源として機能させた後、この均熱帯の鋼材抽出側から排出することを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、急速加熱帯からの燃焼排ガスを均熱帯での熟熱用熱源として利用し熱原単位の低減を図る。
(4)上記(3)において、均熱帯の鋼材抽出側から排出した燃焼排ガスをバーナーの支燃剤を予熱するレキュペレーターに導入することを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、燃焼排ガスをバーナーの支燃剤の予熱に用いて熱回収する場合において、燃焼排ガスを均熱帯で低温化してレキュペレーターをより確実に保護する。ここで、均熱帯下部帯に蓄熱式切替燃焼バーナを配置して、抽出側から流出する排ガス量を低減することも有効である。
【0006】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、均熱帯の鋼材抽出側に非燃焼帯を設けることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯で鋼材の温度をより短時間に均一化し、鋼材の抽出温度偏差を小さくする。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかにおいて、均熱帯に配置して鋼材を支持する固定スキッドビームを水冷しないで、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯の固定スキッドビームで鋼材の特定部位が局所的に冷却されることによる鋼材の抽出温度偏差を小さくする。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかにおいて、均熱帯に配置して鋼材を支持する固定スキッドビームを炉長方向で複数分割し、分割した各固定スキッドビームを幅方向にずらして配置し、各固定スキッドビーム単位で鋼材の支持部位を変えることにより、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の局所的な温度低下を小さくすることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の支持部位を変えることにより鋼材の特定部位が局所的に冷却されることによる鋼材の抽出温度偏差を小さくする。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、均熱帯に配置して鋼材を支持する固定スキッドビームに沿って、加熱配管を配置し固定スキッドビームを加熱することにより、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯の固定スキッドビームで鋼材の特定部位が局所的に冷却されることによる鋼材の抽出温度偏差を小さくする。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかにおいて、均熱帯を固定スキッドビームで支持され移動する鋼材の下面を加熱して均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯の固定スキッドビームで鋼材の特定部位が局所的に冷却されることによる鋼材の抽出温度偏差を小さくする。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかにおいて、均熱帯での各固定スキッドビームの炉長方向の設置ラインと、均熱帯に設置した各軸流バーナーの吐出方向のラインとが炉幅方向で一致させて固定スキッドビームの鋼材支持部の加熱を強化して均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯の固定スキッドビームにより支持される鋼材の部位の温度低下を補償することにより、鋼材の抽出温度偏差を小さくする。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかにおいて、均熱帯での各固定スキッドビームの炉長方向の設置ラインと、均熱帯に設置したルーフバーナーの炉長方向の設置ラインを炉幅方向で一致させて固定スキッドビームの鋼材支持部の加熱を強化して均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、均熱帯の固定スキッドビームにより支持される鋼材の部位の温度低下を補償することにより、鋼材の抽出温度偏差を小さくする。
【0007】
(12)上記(1)〜(11)のいずれかにおいて、急速加熱帯域のバーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用い鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、鋼材表面に所望のスケールオフ量を効果的に確保できる昇温領域でスケール膜を効率的に生成させ、スケールオフ量を確保して熱間圧延製品の表面疵の発生を防止する。
(13)上記(12)において、鋼材の断面平均温度が1000〜1100℃に到達する領域のバーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用い、鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、鋼材表面に所望のスケールオフ量を効果的に確保できる昇温領域でスケール膜を効率的に生成させ、スケールオフ量を確保して熱間圧延製品の表面疵の発生を防止する。
(14)上記(12)において、鋼材の断面平均温度が鋼材の抽出目標を超える領域およびこの領域より鋼材装入側の領域のバーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いて、鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、鋼材表面に所望のスケールオフ量を効果的に確保できる昇温領域でスケール膜を効率的に生成させ、スケールオフ量を確保して熱間圧延製品の表面疵の発生を防止する。
(15)上記(12)〜(14)のいずれかにおいて、バーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いる領域に配置した固定スキッドビームに沿って燃料を炉内に直接供給することにより、鋼材の温度偏差を小さくするとともに鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、鋼材表面に所望のスケールオフ量を効果的に確保できる昇温領域でスケール膜を効率的に生成させ、スケールオフ量を確保して熱間圧延製品の表面疵の発生を防止する。
(16)上記(12)〜(15)のいずれかにおいて、バーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いる領域に配置した固定スキッドビームに沿って酸素を炉内に直接供給することにより、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくするとともに、鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法であり、急速加熱帯で固定スキッドビームにより支持される鋼材部位の温度低下を補償し、この部位での鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜の生成も確保する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、主として、厚みが100〜300mmの鋼材を、連続熱間圧延により厚みが6mm以下の鋼板にする場合において、予熱帯または/および急速加熱帯(広義には加熱帯であるが、本発明では従来よりかなり急速加熱する加熱帯であるため、以下「急速加熱帯」という。)、均熱帯(広義には均熱帯であるが、本発明では、従来よりかなり均熱性が高い均熱帯であるため、以下「均熱帯」という。)を有する連続式のウオーキングビーム式加熱炉からの鋼材の抽出温度を、連続熱間圧延が可能領域の下限に近い900℃以上1100℃以下にして、前記(1)〜(2)に記載した懸念を解消しながら、加熱温度を下げ在炉時間を短縮することにより、熱原単位を節減するとともに生産性を十分に確保できる、低温加熱−連続熱間圧延プロセスを実現できる連続熱間圧延用の鋼材の加熱操業方法を実現するものである。
【0009】
すなわち、本発明の連続熱間圧延用の鋼材の加熱操業方法においては、連続熱間圧延用の鋼材を、急速加熱帯、均熱帯を有する連続式のウオーキングビーム式加熱炉で加熱する際に、例えば図1に示すように、鋼材を炉温が1200℃〜1350℃の急速加熱帯で、例えば表面の平均加熱速度を20℃/分以上にして急速加熱した後、炉温度1100℃以下の均熱帯で、鋼材の断面平均温度の最高値が1100℃以下になる状態を、抽出前30分以上保持して鋼材抽出温度を900℃以上〜1100℃以下にして抽出する加熱操業方法である。
【0010】
これに対して、従来の加熱炉操業では、図8に示すように、鋼材を炉温600〜1300℃の予熱帯 加熱帯で100〜140分かけて加熱(表面の平均加熱速度は10℃/分前後)し、炉温1300℃〜1200℃の均熱帯で60〜80分均熱して、1200℃前後で均熱帯から抽出しており、加熱開始から抽出までの180〜220分間にわたって、炉温を1200℃以上に維持する必要があり、加熱熱原単位も大きくなっている。
【0011】
本発明の加熱操業方法では、鋼材を炉温1200℃〜1350℃の急速加熱帯で、60〜70分かけて鋼材の平均表面温度が1100℃になるまで急速加熱(表面の平均加熱速度20℃/分前後)した後、炉温を900〜1100℃に保持した均熱帯で、30〜80分均熱(熟熱)して、900〜1100℃で均熱帯から抽出する。
【0012】
加熱開始から60〜70分間は、炉温を1200〜1350℃に維持する必要があるため、加熱する必要があるが、均熱帯では900〜1100℃に炉温度を下げるため、加熱しなくてもこの温度領域を確保するできる場合が多い。加熱を必要とする場合でも小加熱で済むため、加熱原単位を大幅に改善することができる。
【0013】
なお、均熱帯では、鋼材の抽出温度偏差(ここでは、鋼材断面での最高温度と最低温度の差)を小さくするためには、均熱中に、鋼材の断面平均温度の最高値が1100℃以下の状態を30〜80分保持することが好ましい。この保持時間が30分未満の場合では、均熱帯で1200〜1350℃から900〜1100℃に炉温を下げた後の熟熱が不十分になり、鋼材の抽出温度偏差を小さくすることができなくなる。
【0014】
また、均熱をより短時間にし、鋼材の抽出温度偏差を小さくするための前記保持時間を短縮するためには、例えば図2に示すように、均熱帯において少なくとも一回は、鋼材の平均温度が鋼材の抽出目標温度を超えるように、燃焼制御帯での加熱を制御することがより好ましい。
【0015】
上記の加熱帯(予熱帯を含む)、急速加熱、均熱帯における炉温は、ここでは、下記のようにして得られた温度を用いている。
すなわち、
(1)(上部帯平均温度):天井100mmの位置で炉幅方向中央、各燃焼帯に配置した少なくとも一以上の各熱電対からの温度測定値と、
(2)(下部帯平均温度):両側壁から100mmの位置に配置した熱電対からの温度測定値から求められた平均温度を用いている。
【0016】
[急速加熱帯、均熱帯での加熱手段」
本発明で、急速加熱帯、均熱帯(ただし、均熱帯での加熱は不可欠ではない。)で用いる加熱装置としては、各種のガス燃料を支燃剤で燃焼させる、燃焼制御可能な公知の軸流バーナー、ルーフバーナー、リジェネバーナーを主体に用い、これらのバーナーを単独または組み合わせ配置することにより、炉温を確保することができ、特に急速加熱を行う加熱帯では、熱効率が高く高温加熱に適しているリジェネバーナーを用いることが有効である。
【0017】
なお、本発明では、均熱帯での加熱は不可欠ではないが、加熱を必要とする場合には、前記のような加熱装置を用いる場合の他、急速加熱帯のバーナーの燃焼排ガスを均熱帯内に導入し、均熱帯の炉温900℃以上〜1100℃以下の状態を保持する熱源として機能させた後、この均熱帯の鋼材抽出側から排出することは、熱回収して熱原単位の節減を図るため有効であり、また、均熱帯の鋼材抽出側から排出してレキュペレーターに導入して、バーナーの支燃剤の予熱に利用する場合、この燃焼排ガスは、容易にレキュペレーターを損傷させない適度な温度(800〜900℃)になるため好都合である。
【0018】
前記したように、均熱帯の抽出側では加熱を省略しても、均熱帯の炉温を900℃以上〜1100℃以下を確保できる場合があり、このような加熱操業のみを行う場合には、均熱帯の抽出側での加熱手段を全部または一部を省略することもできる。
また、本発明では、均熱帯の入側の炉温を急速加熱帯の出側の炉温(最高炉温)より200℃以上低い温度にするため、急速加熱帯と均熱帯間には、仕切壁を設け、この温度格差が得やすいようにすることが好ましい。
【0019】
[固定スキッドビームによる温度偏差対策]
本発明では、加熱炉からの鋼材抽出温度を900〜1100℃と、従来より100〜300℃低温にするため、従来のような1200℃前後にする場合と比較して、鋼材の抽出温度偏差が大きく出やすい。これは、加熱制御の不備によって生じる場合もあるが、均熱帯に配置され鋼材の移送に用いられる、ウオーキングビーム式の移送装置の固定スキッドビームに起因する場合が多い。
【0020】
図9(a)に示すように、例えば天井部にルーフバーナー2を備えた均熱帯1bに配置されるウオーキングビーム式の移送装置1は、装入された鋼材3を支持する固定スキッドビーム4aと、この固定スキッドビーム4a上の鋼材1を抽出側に移送するウオーキングビーム4bからなっており、特に高温の鋼材3を長時間支持するスキッドビーム4a、4bは、長時間の使用に絶えられるように図9(b)図に示すように、水冷構造5を備えている場合が多く、固定スキッドビーム4aで支持される鋼材部位3aは、温度低下が大きく、例えば均熱帯1aで鋼材3の平均温度を1000℃に均熱して抽出した場合では、熱容量が小さいため、復熱が不十分で最高温度と最低温度の差がより顕著で表れ、そのまま後段の熱間圧延機(図示省略)に導入される結果、熱間圧延の最適温度を確保できず、圧延製品の欠陥発生につながる。
【0021】
このような不都合の発生を防止して、均熱帯からの鋼材の抽出温度偏差を小さくして、熱間圧延での圧延最適温度を確保するためには、長時間の均熱を必要として熱原単位が大きくなるとともに生産性が低下することから、特に、固定スキッドビーム4aに対して、下記のような対策を講じることが有効である。
【0022】
a.均熱帯1aに配置して鋼材を支持する固定スキッドビーム4aを水冷しないようにする。本発明では均熱帯の温度は900〜1100℃であるため、固定スキッドビーム4aは空冷であっても問題になるほどの耐用性の低下はない。
b.均熱帯1aに配置して鋼材3を支持する固定スキッドビーム4aを加熱炉1の幅方向に変位させて、固定スキッドビーム4aにより支持される鋼材部位3aをずらして複数部位に分散して温度低下を緩和する。
c.均熱帯1aに配置して鋼材3を支持する固定スキッドビーム4a表面を加熱することにより、均熱帯1aの固定スキッドビーム4a表面からの放射伝熱による鋼材部位の温度低下を緩和する。
d.均熱帯1aを固定スキッドビーム4aで支持され、ウオーキングビーム4bで移送される鋼材3の下面の前段で生成している低温部を加熱して固定スキッドビーム4aによる温度低下を補償する。下部帯の場合は、固定スキッドビームのシフト後に急速加熱帯で生成した低温部を加熱する。
e.均熱帯1aに軸流バーナーを用いる場合には、各固定スキッドビーム4aの炉長方向の設置ラインと均熱帯上部の軸流バーナーの吐出方向のラインとが炉幅方向で一致させて、固定スキッドビーム4aによる鋼材3の支持部の加熱を強化して固定スキッドビーム4aによる温度低下を補償する。
f.均熱帯1aにルーフバーナーを用いる場合には、固定スキッドビーム4aの炉長方向の設置ラインと、均熱帯上部の各ルーフバーナーの炉長方向の設置ラインを炉幅方向で一致させて、固定スキッドビーム4aによる鋼材3支持部の加熱を強化して固定スキッドビーム4aによる温度低下を補償する。
なお、上記b.f.のような固定スキッドビーム4aによる鋼材の温度低下対策は、加熱帯においても有効である。
【0023】
[スケールオフ量確保のためのスケール生成対策]
本発明では、加熱炉の均熱帯1aでの鋼材3の温度が900〜1100℃と低温であるためスケールの生成が少なく、スケールオフ量が低下して鋼材鋳造時に生じた表面割れや表層介在物がスケールオフされないまま後段の連続熱間圧延機に導入されることになり、熱間圧延時に表面欠陥の発生の原因になる。このような現象は、特に鋼材3がAl、Mnを含有するアルミキルド鋼の場合において顕著に生じる。このような表面欠陥の発生を防止するためには、必要最小限のスケール膜を生成させる必要がある。
【0024】
a.鋼材を装入する予熱帯または/および急速加熱帯等の温度上昇域において、加熱バーナー(軸流バーナー、サイドバーナー、リジェネバーナー等)の支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いて、鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることが有効である。この場合、酸素富化空気または純酸素は、スケール生成の制御性が良好な、鋼材の断面平均温度が1000〜1100℃に到達する均熱帯領域でも用いることが有効である。
【0025】
b.また、鋼材の断面平均温度が鋼材の抽出目標温度を超える、燃焼制御帯がある場合には、この燃焼制御帯およびこの燃焼制御帯より鋼材の抽出側にあるすべての燃焼制御帯において酸素富化空気または純酸素を用いることが有効である。なお、均熱帯では鋼材表面温度が1100℃以下であり、酸素富化空気または純酸素を用いてもスケール生成効果が小さい。なお、支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いるのは、主として急速加熱帯であるが、急速加熱帯にも鋼材を支持する水冷構造を有する固定スキッドビームが配置されており、均熱帯程ではないにしても、この固定スキッドビームで支持される鋼材部位は温度が低下して、均熱帯から抽出される鋼材の温度偏差の原因になることもある。また、上記したように、燃焼制御帯で支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いても、この固定スキッドビームで支持される鋼材部位は温度が低下しているため、この鋼材部位の表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を均一生成できなくなる。
【0026】
このような懸念がある場合には、
c.支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いる燃焼制御帯に配置した固定スキッドビームに沿って燃料を直接供給し燃焼を強化して固定スキッドビームにより支持される鋼材部位の温度低下を小さくするとともに、この鋼材部位に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を均一生成させることが有効である。
【0027】
また、d.支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いる燃焼制御帯に配置した固定スキッドビームに沿って酸素を直接供給し燃焼を強化して固定スキッドビームにより支持される鋼材部位の温度低下を小さくするとともに、この鋼材部位に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を均一生成させることも同様に有効である。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の実施例を、図3〜図5に示した本発明を実施する加熱炉例とともに説明する。図3は、本発明を実施するウオーキングビーム式加熱炉であり、前段の急速加熱帯1aと後段の均熱帯1bからなっており、この急速加熱帯1aと均熱帯1bは、仕切壁6aと6bによって仕切られ、仕切壁6aと6b間には、上下に狭い鋼材3と燃焼排ガスの流通路7が形成されている。
【0029】
急速加熱帯1aの上部には、軸流バーナー8が配置され、下部の両側には蓄熱式切替燃焼型サイドバーナー9が配置されている。この急速加熱帯1aの各バーナーの支燃剤である空気供給管10には、酸素O2 を富化するための酸素供給管11が接続されている(燃料ガス供給系は図示省略)。また、後段の均熱帯1bの上部には小容量のルーフバーナー12が配置され、下部両側には、サイドバーナー13が配置されている。上記の各バーナーは、例えば燃料としてLNGを用い支燃剤として空気(または酸素富化空気)を用いる燃焼制御可能な構造を有するものである。
【0030】
そして、急速加熱帯1aと均熱帯1bの下部には、鋼材3を支持する固定スキッドビームと鋼材3を移送するウオーキングビームからなる移送装置4が配設されている。急速加熱帯1aの移送装置4の固定スキッドビーム4aは、図4(a)に示すように、水冷構造5を有するものであり、その側部には、この固定スキッドビームにより支持される鋼材3部位の温度低下を補償し、スケールを生成させるための燃料ガスの吹出孔14aを有する加熱管14が配設されている。
【0031】
均熱帯1bの移送装置4の固定スキッドビーム4aは、この固定スキッドビームにより支持される鋼材3部位の温度低下を小さくするため、図4(b)に示すように、水冷構造を有しないもの(空冷構造5aを有するもの)とし、図5に示すように炉長方向で複数分割し、分割した各固定スキッドビーム4a1 、4a2 、4a3 を炉幅方向にずらして配置し、分割した固定スキッドビーム単位で鋼材の支持部位を変えるようにしている。
均熱帯1bの鋼材抽出側の上部には、各バーナーから燃焼排ガス13を排出する煙道15が配設されており、この煙道には各バーナーに供給する支燃剤(空気)を予熱するレキュペレーター16が配設されている。
【0032】
鋼材3は、搬入テーブル17により急速加熱帯1aに装入され、移送装置4によって間欠移送されながら急速加熱されてから、仕切壁6a、6b間の流通路7を経て均熱帯1bに入り、ここで均熱された後に抽出されて搬出テーブル18により後段の連続熱間圧延機に導入され熱間圧延される。
なお、ここでは、急速加熱帯aで加熱に寄与した燃焼排ガス13を、仕切壁6a、6b間の流通路7を経て均熱帯1aに流通させ、この燃焼排ガスを均熱帯1bでの均熱に利用しており、均熱帯1bでの均熱に利用した後、この均熱帯の抽出側に設けた煙道15から排出して、レキュペレーター16に導入し、各バーナーに供給する支燃剤(空気)を予熱する熱源として利用するようにしている。均熱帯1bの鋼材抽出側から排出される燃焼排ガス13は、必要に応じて希釈し、レキュペレーター16が損傷する心配のない900℃以下ににして利用する。
【0033】
この実施例においては、急速加熱帯1aで各バーナーによる燃料ガスの燃焼を制御して炉温を1200〜1350℃にして、装入された鋼材3を加熱速度20℃/分程度にして表面温度が1100〜1150℃になるまで急速加熱する。この際、鋼材3の表面温度が1000〜1100℃になる温度域になる急速加熱帯1aの各バーナーの支燃剤(空気)に、完全燃焼に必要な理論酸素量より5〜10%多くなるように酸素を富化することによりスケールオフ量を確保できるスケールを均一生成させる。
【0034】
鋼材3の表面温度が1100〜1150℃になったところで、鋼材3を仕切壁6aと6bで仕切られ狭くなった流通路7を経て、急速加熱帯1aからの燃焼排ガス13と燃料ガスの燃焼制御により炉温1100〜900℃と、急速加熱帯1aの炉温より200℃以上低い炉温にした均熱帯1bに導入し、鋼材3表面温度および鋼材の断面平均温度を1100〜900℃にして30分以上保持した後、均熱帯1bから抽出し、後段の連続熱間圧延機に導入して熱間圧延する。
【0035】
この実施例では急速加熱帯1aの燃焼排ガス13を均熱帯1bに導入して均熱のための熱源として利用した後、レキュペレーター16に導入して各バーナーの支燃剤の予熱に利用しているので、加熱原単位をさらに節減することができる。また、均熱帯1bにおいて、固定スキッドビーム4aにより支持される鋼材3部位の温度低下を小さくすることにより、鋼材の抽出温度偏差を±15℃まで小さくすることができ、連続熱間圧延操業の最適条件を安定確保することができる。さらに、急速加熱帯1aの固定スキッドビームにより支持される鋼材3部位を含み、この急速加熱帯1aのバーナーの支燃剤への酸素富化によりスケールオフ量を確保できるスケールを安定生成させることができ、表面疵の極めて少ない高品質の鋼板を製造することができる。
【0036】
なお、この実施例では均熱帯1bの固定スキッドビーム4aにより支持される鋼材3部位の温度低下を小さくするため、固定スキッドビーム4aを水冷構造を有しないものとし、炉長方向で複数分割し、分割した各固定スキッドビームを炉幅方向にずらして配置し、分割した固定スキッドビーム単位で鋼材の支持部位を変えるようにしているが、例えば、均熱帯1bにルーフバーナー12を配置する場合には、図6(a)に示すように、ルーフバーナー12を固定スキッドビーム4aの設置ラインに一致するように配置することも有効である。
【0037】
また、軸流バーナー8oを配置する場合には、図6(b)図の示すように、固定スキッドビーム4aの設置ラインと上部帯の軸流バーナー8oの吐出方向ラインが一致するように配置することも有効である。また、固定スキッドビーム4aに支持される鋼材3部位を加熱する加熱管(図示省略)を配置することも有効であり、これらの手段を選択的に組み合わせ併用することも有効である。
【0038】
一方、急速加熱帯1aでは、水冷構造5を有する固定スキッドビーム4aを用いており、この固定スキッドビーム4aり支持される鋼材3部位の温度低下がありスケールの生成が不十分になるおそれがあるため、固定スキッドビーム4aに沿って燃料ガスを供給する加熱管を配置したが、この加熱管に燃料ガスと酸素富化した支燃剤を供給してバーナー相当手段とすることも有効である。
【0039】
なお、上記の実施例では、急速加熱帯1aの燃焼排ガスを均熱帯1bに導入するようにし、レキュペレーター16は、均熱帯1bの鋼材3抽出側に配設したが、急速加熱帯1aの燃焼排ガスを均熱帯1bに導入しない場合には、レキュペレーターを急速加熱帯1aの鋼材3の装入側に配設して、各バーナーの支燃剤の予熱に利用することも有効である。
【0040】
【実験例】
厚さ250mm、幅1500mm、長さ13mの鋼材である常温スラブ(C 0.1〜0.5%、Al 0.01〜0.1%、Mn 0.01〜0.5%を含有する低炭素鋼)を対象とし、図3に示すようなウオーキングビーム式加熱炉を用いて本発明の加熱操業を実施し、加熱後のスラブを連続熱間圧延機に導入して厚さ3mmの熱延鋼板を製造した。本発明の評価のため、加熱炉での炉時間、加熱原単位、スラブの抽出温度偏差、スケール生成量、鋼板の表面疵の発生状況を調査した。実験条件と調査結果を以下に説明する。
【0041】
[実験条件]
加熱炉
急速加熱帯:炉長20m、炉幅14m、炉高5m
炉温:1200〜1350℃
在炉時間:70分
スラブ温度
表面温度:20〜1150℃
鋼材の断面平均温度:20〜950℃
燃料ガス:LNG
支燃剤 :空気(600℃に予熱)
酸素富化:加熱後期に理論酸素比+5%富化
炉内雰囲気:酸化雰囲気
均熱帯:炉長20m、炉幅14m、炉高3m
炉温:1050〜970℃(急速加熱帯からの導入燃焼排ガスの温度1100〜1000℃)
在炉時間:70分(抽出前1000℃保持時間45分)
スラブ温度
表面温度:970〜1000℃
鋼材の断面平均温度:950〜1000℃
抽出目標温度:1000℃
連続熱間圧延
圧延温度:1000〜820℃
【0042】
本発明の実験例では、加熱炉での炉時間は140分で1200℃で抽出の従来より生産性を約30%向上することができた。また、熱原単位は243kcal/tで1200℃で抽出の従来より約20%節減できた。また、スラブの抽出温度偏差は図7に示すように、スラブの長さ方向の温度は1030〜1000℃で温度差が30℃であり、十分に満足できる結果が得られた。これに対して、均熱帯で水冷構造を有する固定スキッドビームを用いた従来方法で、スラブ抽出温度を1000℃に設定した場合のスラブの長さ方向の温度は1050〜980℃で温度差が70℃であり、満足できる結果が得られなかった。なお、本発明の実験例でのスケール生成量(片側平均)は、800μmで、連続熱間圧延して得られた鋼板には表面欠陥の発生は認められなかった。
【0043】
本発明は上記の実施例条件、実験例条件に限定されるものではなく、本発明を実施する加熱炉構造、加熱操業条件等は、加熱対象スラブ条件、鋼板の圧延操業条件等に応じて変更されるものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明においては、加熱炉からの鋼材の抽出温度を連続熱間圧延が可能領域の下限に近い900℃以上1100℃以下にし、加熱原単位を節減するとともに在炉時間を短縮し生産性を十分に確保できる。また、急速加熱帯の燃焼排ガスを均熱帯に導入して均熱のための熱源として利用した後、レキュペレーターに導入してバーナーの支燃剤の予熱に利用しているので、加熱原単位をさらに節減することができる。さらに、固定スキッドビームにより支持される鋼材部位の温度降下を小さくでき、鋼材の抽出温度偏差を±15℃まで小さくすることができる。 また、固定スキッドビームにより支持される鋼材部位を含みバーナーの支燃剤への酸素富化により、スケールオフ量を確保できるスケール膜を安定生成させることができ、表面疵の極めて少ない高品質の鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱操業方法例での加熱パターン例を示す説明図。
【図2】本発明の加熱操業方法の他の例での加熱パターン例を示す説明図。
【図3】本発明の加熱操業方法を実施するウオーキングビーム式加熱炉の構造例を示す側断面説明図。
【図4】(a)図は、図3のウオーキングビーム式加熱炉の急速加熱帯の固定スキッドビームの鋼材支持部の部分構造例を示す一部断面立体説明図、(b)図は、図3のウオーキングビーム式加熱炉における均熱帯の固定スキッドビームの鋼材支持部の部分構造例を示す一部断面立体説明図。
【図5】図3におけるウオーキングビーム式加熱炉の均熱帯の固定スキッドビームの配置例を示す平面説明図。
【図6】(a)図は、本発明で用いるウオーキングビーム式加熱炉の均熱帯の固定スキッドビームとルーフバーナーの配置例を示す平面説明図、(b)図は、本発明で用いる均熱帯の固定スキッドビームと軸流バーナーの配置例を示す平面説明図。
【図7】本発明の実験例と従来例での均熱帯からの抽出鋼材の長さ方向温度分布例を示す説明図。
【図8】従来の加熱炉の加熱操業方法例での加熱パターン例を示す説明図。
【図9】従来のウオーキングビーム式加熱炉の均熱帯における固定スキッドビームによる鋼材の支持状態例を示す正面断面説明図。
【図10】図9のウオーキングビーム式加熱炉のにおける均熱帯の固定スキッドビームとウオーキングビームの鋼材支持部の部分構造例を示す一部断面立体説明図。
【符号の説明】
1 ウオーキングビーム式加熱炉
2 ルーフバーナー
3 鋼材
3a 鋼材部位
4 移送装置
4a、4a1 、4a2 、4a3 固定スキッドビーム
4b ウオーキングビーム
5 水冷構造
5a 空冷構造
6a、6b 仕切壁
7 流通路
8、8o 軸流バーナー
9 サイドバーナー
10 支燃剤供給管
11 酸素供給管
12 ルーフバーナー
13 燃焼排ガス
14 加熱管
14a 燃料ガスの吹出孔
15 煙道
16 レキュペレーター
17 搬入テーブル
18 搬出テーブル

Claims (16)

  1. 連続熱間圧延鋼材を連続式のウオーキングビーム式加熱炉で加熱する際に、この鋼材を炉温1200℃〜1350℃の急速加熱帯で急速加熱した後、炉温1100℃以下の均熱帯で、鋼材の断面平均温度の最高値が1100℃以下になる状態を、鋼材抽出前30分以上保持して鋼材抽出温度を900℃以上〜1100℃以下にして抽出することを特徴とする連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  2. バーナーにより鋼材を加熱中に、少なくとも一回は鋼材の断面平均温度が鋼材の抽出目標温度を超えるように、バーナーによる燃焼量を制御することを特徴とする請求項1記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  3. 急速加熱帯から燃焼排ガスを均熱帯に導入し、均熱帯の炉温900℃以上〜1100℃以下の状態を保持する熱源として機能させた後、この均熱帯の鋼材抽出側から排出することを特徴とする請求項1または2記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  4. 均熱帯の燃焼排ガスを、鋼材抽出側から排出してレキュペレーターに導入し、バーナーの支燃剤をこのレキュペレーターにおいて予熱することを特徴とする請求項3記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  5. 均熱帯の鋼材抽出側に非燃焼帯を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  6. 均熱帯に配置して鋼材を支持する固定スキッドビームを水冷しないで、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  7. 均熱帯に配置して鋼材を支持する固定スキッドビームを炉長方向で複数分割し、分割した各固定スキッドビームを幅方向にずらして配置し、各固定スキッドビーム単位で鋼材の支持部位を変えることにより、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の局所的な温度低下を小さくすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  8. 均熱帯に配置して鋼材を支持する固定スキッドビームに沿って、加熱配管を配置し固定スキッドビームを加熱することにより、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  9. 均熱帯を固定スキッドビームで支持され移動する鋼材の下面を加熱して均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  10. 均熱帯での各固定スキッドビームの炉長方向の設置ラインと、均熱帯に設置した各軸流バーナーの吐出方向のラインとが炉幅方向で一致させて固定スキッドビームの鋼材支持部の加熱を強化して均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  11. 均熱帯での各固定スキッドビームの炉長方向の設置ラインと、均熱帯に設置した各ルーフバーナーの炉長方向の設置ラインを炉幅方向で一致させて固定スキッドビームの鋼材支持部の加熱を強化して均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  12. 急速加熱帯のバーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用い鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  13. 鋼材の断面平均温度が1000〜1100℃に到達する領域のバーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用い、鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする請求項12記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  14. 鋼材の断面平均温度が鋼材の抽出目標温度を超える領域およびこの領域より鋼材装入側の領域のバーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いて、鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする請求項12記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  15. バーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いる領域に配置した固定スキッドビームに沿って燃料を炉内に直接供給することにより、鋼材の温度偏差を小さくするとともに鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
  16. バーナーの支燃剤として酸素富化空気または純酸素を用いる領域に配置した固定スキッドビームに沿って酸素を炉内に直接供給することにより、均熱帯の固定スキッドビームによる鋼材の温度低下を小さくするとともに、鋼材に対する酸化能を高めて、鋼材表面に所望のスケールオフ量を確保できるスケール膜を生成させることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項記載の連続熱間圧延用鋼材の加熱操業方法。
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