JPH0553848B2 - - Google Patents

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JPH0553848B2
JPH0553848B2 JP20918288A JP20918288A JPH0553848B2 JP H0553848 B2 JPH0553848 B2 JP H0553848B2 JP 20918288 A JP20918288 A JP 20918288A JP 20918288 A JP20918288 A JP 20918288A JP H0553848 B2 JPH0553848 B2 JP H0553848B2
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Japan
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thin steel
heating
steel plate
reducing gas
temperature
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Takeo Yoshigae
Tomio Suzuki
Fumio Tomimatsu
Tatsue Fukuda
Hideo Tatemichi
Ryuichi Odawara
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Kobe Steel Ltd
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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薄鋼板の連続加熱方法に関し、特に
は、連続焼鈍炉(CAL)あるいは連続焼鈍溶融
亜鉛メツキ設備(CGL)等における薄鋼板の予
加熱を、無酸化にて施すに好適な連続加熱方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
周知のように、冷間圧延薄鋼板(以下、薄鋼板
という)を所定の焼鈍パタンに沿つて熱処理する
連続焼鈍炉等においては、薄鋼板を連続的に無酸
化加熱する方法として、従来よりラジアントチユ
ーブからの輻射熱を利用した間接加熱方法が多く
利用されていた。しかし、近年では、省エネルギ
の観点から、間接加熱方法に比べて格段に高い熱
効率が得られる直火還元加熱方法、すなわち燃焼
反応途中の中間イオンが存在する非平衡状態にあ
る火炎を直接薄鋼板に衝突させて加熱する方法が
採用される方向にある。
これら直火還元加熱の方法としては、大別し
て、燃料と燃焼空気とを予め混合した混合気体を
バーナタイル内で急速燃焼させるラジアントカツ
プバーナ(プレミツクス型バーナ)等を使用し
て、高温化されたタイル内面からの輻射伝熱を主
体として薄鋼板を加熱する方法、および、燃料と
燃焼空気とをバーナの燃焼室で混合燃焼させて高
温高速のガスを噴出させる高速ジエツトバーナ
(ノズルミツクス型バーナ)等を使用して、この
高温高速の火炎を直接に衝突させ対流伝熱を主体
として薄鋼板を加熱する方法がある。
しかし、上記ラジアントカツプバーナは、燃料
と燃焼空気とを予め混合することから、無酸化加
熱には好ましいものの逆火や爆発の恐れがあり、
その爆発防止のために、燃焼空気を予熱できず熱
効率が低いという欠点があり、一方、上記高速ジ
エツトバーナは、燃焼空気を予熱できるものの、
燃焼反応途中でO2,O,HO等の残存する火炎が
直接薄鋼板に衝突することから、薄鋼板の微酸化
が避け難いという欠点がある。
そこで、これら欠点を解消するめに、例えば、
特開昭62−52311,52312,52313および62−29820
号公報等に開示されているように、ノズルミツク
ス型バーナでありながら、燃料と燃焼空気との急
速混合燃焼が可能で、残存酸素量の少ない火炎を
形成し得る拡散燃焼型バーナが提案されており、
また、特開昭57−169075号公報では、上記各バー
ナそれぞれの欠点を補うために、薄鋼板の入側の
初期加熱帯には燃焼空気を予熱できるノズルミツ
クス型バーナを用いる一方、出側の最終加熱帯に
は酸素残存率の少ない高温ガスが得られるプレミ
ツクス型バーナを用い、これにより熱効率の向上
と無酸化加熱とを両立するようにした方法が提案
されている。
一方、これら直火還元加熱用バーナの調整およ
び制御方法としては、例えば、特開昭60−77929
号公報に開示されているように、未燃酸素を含ま
ず適切な非平衡状態にある火炎部分を、薄鋼板に
当てるように、該薄鋼板とバーナ間の距離を調整
して加熱する方法が提案されており、また、特開
昭55−97432号公報では、薄鋼板の通過路付近の
酸素量を検出し、この検出酸素量に基づき各バー
ナの燃焼空気比を調整して、各バーナの燃焼制御
を行うようにしたものが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これら直火還元加熱方法においては、
酸化膜の生成を完全に防止することが困難であ
り、かつ設備費の増加を招くという問題がある。
本発明者等は、これら問題点を詳細に検討した
結果、多数のバーナを薄鋼板の搬送方向に沿つて
配設し、しかも薄鋼板の近傍で燃焼させている限
り、各バーナの燃焼アンバランスと火炎中の微量
酸素による酸化膜の生成は不可避であり、かつ、
設備費の高騰も避けられないとの結論に至つた。
そこで、本発明者等は、これら問題点について
各方面から検討を加え、還元性ガスを生成するた
めの燃焼機能と、薄鋼板を加熱する伝熱機能とを
分離すれば、これら問題点を解決できるとの知見
を得て、先に、設備費を高騰させることなく、し
かも燃焼アンバランスに起因する酸化膜の生成を
防止できる全く新規な薄鋼板の連続加熱方法(特
願昭63−38394号)を提案した。
本発明者等は、さらに、鋭意研究を重ね、燃料
と燃焼空気とを理論空気比以下で燃焼させて高温
の還元性ガスを生成し、この還元性ガスを用いて
薄鋼板を連続加熱する方法においては、還元性ガ
スの空気比と、該還元性ガスによる薄鋼板の加熱
速度とを、ある条件を満足する範囲内とする一
方、その廃ガスを一定空気比以下で燃焼させ、こ
の燃焼ガスに薄鋼板の低温域加熱を負担させると
き、常温からある温度域までの間を無酸化で、か
つ効率良く連続加熱できるとの知見を得て、本発
明を完成させたものである。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明は以下の構成としている。すな
わち、第1請求項の発明に係る薄鋼板の連続加熱
方法は、連続的に搬送される帯状の薄鋼板を加熱
する方法において、還元ガス発生炉にて燃料を空
気比0.8以下で燃焼させて高温の還元性ガスを生
成し、この還元性ガスを、前記薄鋼板の搬送方向
に対する下流側にて、前記薄鋼板に高速で吹き付
けて、下記式および式を満足する加熱速度u
にて300℃〜450℃の温度に加熱すると共に、この
下流側にて薄鋼板に吹き付けた後の廃ガスを、空
気比1.0以下で燃焼させた後に、続く上流側にて、
前記薄鋼板に吹き付けて300℃未満の温度に加熱
するものである。
M≦0.5においてu>0 ……式 0.5>M≧0.8においてu≧55×M+12 ……式 但し、Mは空気比、uは加熱速度(℃/sec)。
そして、第2請求項の発明に係る薄鋼板の連続
加熱方法は、上記の下流側にて薄鋼板に吹き付け
た後の廃ガスに加え、上記の還元ガス発生炉にて
生成した還元性ガスの一部を直接送給して燃焼さ
せるものである。
〔作用〕 本発明者等は、コークス炉ガスを還元ガス発生
炉で、0.5〜1.0の範囲内にて、それぞれ空気比を
変えて燃焼させた1000℃の排ガスを、薄鋼板に
20m/sec以上の流速で吹きつけて、所定の温度
に加熱した後、これら薄鋼板の酸化状態を調べ
た。
第3図は、この調査結果に基づく排ガスの空気
比と薄鋼板の加熱温度との関係における薄鋼板の
酸化状態を示すグラフである。なお、該グラフ中
のプロツトは薄鋼板の酸化膜の厚さを表し、○印
は30Å未満、△印は30〜50Å、×印は50Å以上の
例をそれぞれ示す。
第3図のグラフに示すように、これら薄鋼板
は、ある温度までは無酸化で加熱され、それ以上
のある温度域、すなわちグラフ中の斜線を付した
2本の実線で区画された温度域では酸化される
が、さらに高温な温度域では還元されている。
この酸化・還元の過程を上記薄鋼板の酸化膜の
厚さを分析して定量的に整理した結果を、第4図
のグラフに示す。なお、該グラフ中の各曲線に付
した数値はそれぞれの空気比を示し、また点線に
て示す直線は原板の酸化膜厚さの上限値を示す。
これら調査結果により、中間イオンの存在しな
い領域においても、ある温度以上であれば、還元
作用は起こり、その酸化・還元の過程は、空気比
1.0以下においては、その空気比により異なるこ
とが知見された。
これらより、450℃以下の温度においては、第
3図のグラフから、空気比を0.8以下とすること
で、薄鋼板を無酸化で加熱し得ることがわかり、
また、空気比0.8以下では、第4図のグラフから、
薄鋼板の加熱用還元ガスまたは火炎の温度として
常用される約850℃以上の温度に加熱されると、
薄鋼板の酸化膜が還元されることがわかる。
本発明者等は、第4図のグラフ示す無酸化域に
おける薄鋼板の挙動を更に詳細に知見するため
に、その加熱時間を変化させて薄鋼板を各温度に
加熱し、これら薄鋼板の酸化状態を調べた。
第5図は、この調査結果に基づく排ガスの空気
比と薄鋼板の加熱温度との関係における無酸化加
熱時間を示すグラフである。なお、該グラフ中の
各曲線に付した数値はそれぞれの空気比を示す。
この調査により、第5図のグラフに示すよう
に、空気比0.5以下であれば、または、加熱温度
が300℃未満で、かつ空気比1.0以下であれば加熱
時間に依存せず無酸化で薄鋼板を加熱できること
が確認される一方、空気比0.6〜0.8では350℃〜
450℃の温度域にて薄鋼板の表面に微弱な酸化の
進行が認められ、この領域では加熱時間を短時間
に制御することが必要であることを知見した。
これらの調査結果より、第5図のグラフに示さ
れる無酸化加熱時間を、加熱速度u(℃/sec)に
置き換えて、空気比Mとの関係にて整理すると、
300℃〜450℃の温度域において薄鋼板を無酸化に
て加熱する条件式として、下記式および式が
導かれる。
M≦0.5においてu>0 ……式 0.5>M≧0.8においてu≧55×M+12 ……式 そこで、本発明においては、還元ガス発生炉に
て燃料を空気比0.8以下で燃焼させて高温の還元
性ガスを生成し、この還元性ガスを、薄鋼板の搬
送方向に対する下流側にて、該薄鋼板に高速で吹
き付けて、上記式および式を満足する加熱速
度uにて300℃〜450℃の温度に加熱するものと
し、一方、下流側にて薄鋼板に吹き付けた後の廃
ガスを、空気比1.0以下で燃焼させた後に、続く
上流側にて、この薄鋼板に吹き付けて300℃未満
の温度に加熱するものとした。
以上により、本発明の連続加熱方法において
は、連続的に搬送される帯状の薄鋼板を、常温か
ら450℃の温度まで無酸化にて、かつ300℃未満の
低温域を効率良く、連続的に加熱し得る。
また、還元性ガスおよび該還元性ガスを燃焼さ
せたガスを、薄鋼板に吹き付けて加熱するものと
してあるので、従来のように燃焼空気の供給管路
を要する多数のバーナを薄鋼板の近傍に配設し、
かつ、これらバーナを個別に調整、制御する場合
に比較して、大幅に設備費を低減し得る。
また、還元性ガスを生成する燃焼機能と薄鋼板
を加熱するための伝熱機能とを分離させたので、
該還元ガス発生炉内を高負荷燃焼させて高温に保
持することが可能となり、残留酸素量の少ない還
元性ガスをより効率良く生成でき、しかもこの還
元性ガスの成分、流量、流速の制御が容易とな
り、従来のような各バーナごとの燃焼アンバラン
スを回避し得る。
そしてまた、生成した未燃分を含む還元性ガス
の全てを更に高い空気比にて燃焼させて、これに
薄鋼板の低温域の加熱を負担させるので、燃料の
トータルとしての燃焼効率を高め得る。
一方、第2請求項の発明においては、下流側に
て薄鋼板に吹き付けた後の廃ガスに加え、還元ガ
ス発生炉にて生成した還元性ガスの一部を直接送
給して燃焼させる還元性ガスの量を調整すること
で、薄鋼板の搬送速度の変化に対応して、上流側
と下流側との熱バランスを容易に調整し得る。
なお、還元性ガス薄鋼板に吹き付ける噴流速度
のレベルとしては、対流伝熱促進の観点から高速
ほど良いわけであるが、該噴流用ブロワの消費電
力の増加や、還元性ガスを薄鋼板に供給する通路
中のシール性の問題が発生し易くなる点を考慮し
て、かつあるレベルの伝熱効率が得られる噴流速
度として流速20m/sec程度以上が望ましい。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
第1実施例 第1図は本発明の第1実施例による連続焼鈍炉
における薄鋼板の連続加熱方法を説明するための
図である。本実施例は、既設の連続連続焼鈍炉の
予熱帯に本発明の連続加熱方法を適用して、薄鋼
板の予加熱を無酸化で、かつ効率良く行うことが
できるようにした場合を例に説明する。
第1図において、1は冷間圧延薄鋼板用連続焼
鈍炉であつて、該連続焼鈍炉1は、入側ルーパ
2、予熱帯3、加熱帯4、および、ここでは図示
を省略した均熱帯、ガスジエツト冷却帯、時効処
理帯、急冷帯、出側ルーパをそれぞれ通路を介し
接続して構成されてある。また、これら各帯およ
び通路内の上下には、炉幅方向に多数の搬送ロー
ルRが配設されてあり、薄鋼板Wは、これら各搬
送ロールRにて送られ、各帯を順次に経過しなが
ら所定の焼鈍パターンに沿つて熱処理される。
本実施例の連続焼鈍炉1における予熱帯3は、
上下方向に設けられ、その上方を薄鋼板Wの入側
として入側ルーパ2に、下方を出側として加熱帯
4にそれぞれ接続されてあり、その内部は、上下
方向の中間部に設けられた一対の仕切壁7にて、
上部を第一加熱帯5、下部を第二加熱帯6として
区画されてある。
一方、該予熱帯3の近傍に、バーナ9を備えた
還元性ガス発生炉8が設置され、そのバーナ9に
は燃料供給管Fと、燃焼空気供給管Aとが接続さ
れてある。
また、予熱帯3の第二加熱帯6の両外側には、
複数の噴流ノズル10を備えた一対のガスヘツダ
11,12が配設されてあり、これらガスヘツダ
11,12は、供給管13を介して還元性ガス発
生炉8と接続されてある。
そして、第二加熱帯6上部の両外側には、一対
のエゼクター16,17が設けられてあり、これ
らエゼクター16,17は、連通管14,15を
介してそれぞれ第二加熱帯6の上部内側と連通さ
れてある。
また、第一加熱帯5の両外側には、複数の噴出
ノズル22を備えた一対の上部ガスヘツダ20,
21が配設されてあり、これら上部ガスヘツダ2
0,21は、流通管18,19を介してそれぞれ
下側方のエゼクター16,17と連通されてあ
る。
翻つて、還元性ガス発生炉8のバーナ9には、
残留酸素を40p.p.m.以下に設定できる拡散燃焼型
バーナが採用されており、これにより、還元性ガ
ス発生炉8内で燃料を空気不足状態、すなわち空
気比0.8以下で燃焼させて、残留酸素が極めて少
なく、かつ、H2,CO等からなる還元性ガスGを
生成することができるものとされてある。
また、還元性ガス発生炉8に接続された供給管
13は2本の分岐管13a,13bに分かれてお
り、これら分岐管13a,13bの延長端は、一
対のガスヘツダ11,12にそれぞれ接続されて
ある。
そして、これら一対のガスヘツダ11,12
は、第二加熱帯6を挟んで向かい合うように配設
され、かつ第二加熱帯6との対向面には、それぞ
れ複数の噴流ノズル10が高さ方向に等間隔に設
けられてある。また、これら噴流ノズル10の噴
流口は第二加熱帯6内を臨んでおり、これにより
薄鋼板Wの両面に、供給管13を経て送給される
還元性ガスGを、吹き付けるものとされてある。
更にまた、ガス噴流を薄鋼板Wに確実に衝突させ
るために、これらガスヘツダ11,12は、双方
の噴流ノズル10の高さ位置が重ならないよう
に、互いに高さ位相を違えて設けられてある。
ここで、これら噴流ノズル10は、還元性ガス
Gを20m/secで高速噴射させると共に、温度偏
差を抑制するために、炉幅方向に多数の噴流口を
一直線状または千鳥状に配設したもの、あるい
は、炉幅方向に伸びるスリツト状に改正されたも
のが採用される。また、これら噴流ノズル10
は、必要に応じて噴流ガスの流速を可変し得る多
重構造のものを採用してもよく、あるいは各噴流
ノズル10の基部とガスヘツダ11,12との間
に噴流ガスの流量を調整する流量調整弁を設けて
も良い。このように構成することにより、各噴流
ノズル10から薄鋼板Wに吹き付ける還元性ガス
Gの流量、流速を均一なものとし得る。
一方、予熱帯3の第一加熱帯5と、それに続く
下方の第二加熱帯6とを区画する一対の仕切壁7
は、薄鋼板Wの経過を許容する一方、第二加熱帯
6内に吹き込まれた未燃分を含む還元性ガスG
が、第一加熱帯5側に流れ込むことを抑制する構
成とされてある。
そして、第二加熱帯6内の薄鋼板Wに吹き付け
られた還元性ガスGは、廃ガスとして第二加熱帯
6上部より、連通管14,15を介して一旦エゼ
クター16,17に抽気され、これらエゼクター
16,17内で、燃焼空気供給管Aを経て供給さ
れる燃焼空気にて空気比1.0以下にて燃焼させら
れる。
次いで、これらエゼクター16,17内の燃焼
ガスは、流通管18,19を介して第一加熱帯5
の両外側に配設された上部ガスヘツダ20,21
に送られる。
ここで、これら上部ガスヘツダ20,21は、
第一加熱帯5を挟んで向かい合うように配設さ
れ、かつ第一加熱帯5との対向面には、それぞれ
複数の噴出ノズル22が高さ方向に等間隔に設け
られてあり、また、これら噴出ノズル22の噴出
口は第一加熱帯5内を臨んでおり、これにより薄
鋼板Wの両面に、流通管18,19を介して送給
される上記燃焼ガスGを、吹き付けるものとされ
てある。更にまた、これら上部ガスヘツダ20,
21は、双方の噴出ノズル22の高さ位置が重な
らないように、互いに高さ位相を違えて設けられ
てある。
ここで、これら上部ガスヘツダ20,21の噴
出ノズル22は、前記第二加熱帯6のガスヘツダ
11,12の噴流ノズル10と同様に、その噴出
口を第一加熱帯5内を臨ませ、かつ温度偏差を抑
制するために、炉幅方向に多数の燃焼口を一直線
状または千鳥状に設けたもの、あるいは、炉幅方
向に伸びるスリツト状に形成したものが採用され
る。
なお、還元性ガス発生炉8のバーナ9に接続さ
れた燃焼空気供給管A、およびエゼクター16,
17に接続された燃焼空気供給管Aは、熱交換器
Hに接続され、該熱交換器Hにて予熱された燃焼
空気を供給するものとされてある。
上記構成を具備する本実施例の連続焼鈍炉1の
予熱帯3にて、厚さ1.0mm、幅1250mmとする炭素
鋼からなる帯状の薄鋼板を、連続的に450℃の温
度まで予加熱した。
まず、還元性ガス発生炉8にコークス炉ガスを
供給し、これを拡散燃焼型バーナ9で空気比0.8
にて燃焼させて、フリーO2濃度が40p.p.m.以下の
還元性ガスGを生成させた。
この還元性ガスGを、第1図の矢印Gにて示すよ
うに、供給管13および分岐管13a,13bを
介してガスヘツダ11,12に送り、これらガス
ヘツダ11,12の噴流ノズル10を介して第二
加熱帯6内の薄鋼板Wに両面より吹き付けた。
このとき、還元性ガスGの温度は850℃とし、
かつ20m/sec以上の流速で噴射させて、薄鋼板
Wを8秒以内、すなわち56℃/sec以上の加熱速
度にて450℃の温度に加熱した。
そして、薄鋼板Wに吹き付けた後の第二加熱帯
6内の還元性ガスGを廃ガスとして、その上部よ
り連通管14,15を介して一旦エゼクター1
6,17側に抽気すると共に、これらエゼクター
16,17内で空気比1.0にて燃焼させ、次いで、
その燃焼ガスを、流通管18,19を介して上部
ガスヘツダ20,21に送り、これら上部ガスヘ
ツダ20,21の噴出ノズル22を介して第一加
熱帯5内の薄鋼板Wに両面より吹き付けて、該薄
鋼板Wを300℃直下の温度まで加熱した。
なお、第一加熱帯5内の燃焼排ガスEは、その
上方より既存の排ガス経路を経て、前述の熱交換
器Hに送られる。
このようにした本実施例の連続加熱において
は、燃料として供給したコークス炉ガスの全量を
燃焼させることができるため、その熱損失を最小
限に抑制することができ、また、予加熱した後の
薄鋼板を精査したところ、その酸化膜の厚さは原
板と同程度であり、薄鋼板を450℃の温度まで無
酸化で、かつ熱効率よく、連続加熱し得るという
本発明の優れた効果が確認された。
そして、その燃焼制御が、還元性ガス発生炉の
バーナの燃焼制御と、エゼクターでの燃焼空気量
の制御のみであるため、直火還元加熱方法を適用
するに比べ、その燃焼制御が格段に容易なものと
なり、かつまた、その配管設備も大幅に簡略なも
のとすることができた。
さらに、本実施例によれば、薄鋼板を無酸化に
て予加熱できるので、直火還元加熱方法による予
加熱を適用した場合のように、後工程に強還元処
理や酸洗処理を加えることを不要とし得る。
さらにまた、本実施例では、短時間加熱が必要
とされる350℃〜450℃の温度域の加熱速度、すな
わち第二加熱帯6の加熱速度を、850℃の還元性
ガスGを20m/sec以上の流速で噴射させること
により、容易に得ることができた。
そのため、薄鋼板の搬送を一時停止させても、
薄鋼板が過度に加熱されて破断する懸念がなく、
また還元域まで加熱されるため製品品質を損なう
ことなく、容易に搬送を再開することができた、
すなわち、例えば何らかの原因で薄鋼板の搬送が
停止するという事態が発生しても、直火還元加熱
方法による場合のように、高温なる火炎にて過度
に加熱されて酸化し、その品質を損なつたり、さ
らには破断して搬送の再開が困難となる等の事態
を回避できるという、本発明特有の効果が確認さ
れた。
第2実施例 第2図は本発明の第2実施例による予加熱帯を
示す概略構成図である。なお、本実施例はその基
本とする構成を前述の第1実施例と同一とし、そ
の第一加熱帯で燃焼させる還元性ガスの供給方法
の一部に変更を加えたものであり、ここでは重複
する点の説明を省略し、その差異点のみ概略説明
するものとする。
第2図において、3は予熱帯、5は第一加熱
帯、6は第二加熱帯、7は一対の仕切壁、8は還
元性ガス発生炉、10は噴流ノズル、11と12
は一対のガスヘツダ、13は供給管、18と19
は流通管、20と21は一対の上部ガスヘツダ、
22は噴出ノズルであつて、これらは前述の第1
実施例のものと同様のものである。
16と17とはエゼクターであつて、これらエ
ゼクター16,17は、前述の第1実施例と同様
に、第二加熱帯6上部の両外側に設けられてある
が、一方の外側に設けられたエゼクター16が、
第二加熱帯6の上部内側と連通されず、分岐管2
3を介して供給管13に連通され、還元性ガス発
生炉8で生成した還元性ガスGを直接的に供給さ
れるものとされてある。なお、他の一方の外側に
設けられたエゼクター17は、第1実施例と同様
に連通管15を介して第二加熱帯6の上部内側と
連通されてある。
そして、本実施例においては、供給管13およ
び分岐管23に水冷ダンパー24,25をそれぞ
れ設け、第二加熱帯6のガスヘツダ11,12に
供給する還元性ガスGと、エゼクター16に分流
供給する還元性ガスGの流量配分を任意に行い得
るものとした。
このように構成した本実施例の予熱帯3によれ
ば、薄鋼板Wの搬送速度の変化に対応して、第一
加熱帯5と第二加熱帯6との熱量バランスを調整
でき、薄鋼板Wを所定の加熱速度で加熱するよう
に容易に調整できる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明に係る薄鋼板の連続加熱方
法によれば、連続的に搬送される帯状の薄鋼板
を、常温から450℃の温度まで無酸化で、かつ効
率良く連続加熱し得て、高品質を確保できる効果
があり、しかも、その燃焼制御が容易で、かつ設
備費を抑制でき、さらには、突発的な薄鋼板の搬
送停止に際しても、その品質低下を抑止できると
いう効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例による薄鋼板の連
続加熱方法を説明するための連続焼鈍炉を示す概
略説明図、第2図は本発明の第2実施例による予
加熱帯を示す概略構成図、第3図は本発明に係る
空気比と薄鋼板の加熱温度との関係における薄鋼
板の酸化状態を示すグラフ、第4図は本発明に係
る空気比と薄鋼板の加熱温度との関係における薄
鋼板の無酸膜厚さを示すグラフ、第5図は本発明
に係る空気比と薄鋼板の加熱温度との関係におけ
る薄鋼板の無酸化加熱時間を示すグラフである。 5……第一加熱帯、6……第二加熱帯、8……
還元性ガス発生炉、10……噴流ノズル、11,
12……ガスヘツダ、16,17……エゼクタ
ー、20,21……上部ガスヘツダ、22……噴
出ノズル、W……薄鋼板。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 連続的に搬送される帯状の薄鋼板を加熱する
    方法において、還元ガス発生炉にて燃料を空気比
    0.8以下で燃焼させて高温の還元性ガスを生成し、
    この還元性ガスを、前記薄鋼板の搬送方向に対す
    る下流側にて、前記薄鋼板に高速で吹き付けて、
    下記式および式を満足する加熱速度uにて
    300℃〜400℃の温度に加熱すると共に、この下流
    側にて薄鋼板に吹き付けた後の廃ガスを、空気比
    1.0以下で燃焼させた後に、続く上流側にて、前
    記薄鋼板に吹き付けて300℃未満の温度に加熱す
    ることを特徴とする薄鋼板の連続加熱方法。 M≦0.5においてu>0 ……式 0.5>M≧0.8においてu≧55×M+12 ……式 但し、Mは空気比、uは加熱速度(℃/sec)。 2 下流側にて薄鋼板に吹き付けた後の廃ガスに
    加え、還元ガス発生炉にて生成した還元性ガスの
    一部を直接送給して燃焼させる第1請求項記載の
    薄鋼板の連続加熱方法。
JP20918288A 1988-08-22 1988-08-22 薄鋼板の連続加熱方法 Granted JPH0257639A (ja)

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