JP3845088B2 - 通信システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末装置をコンピュータネットワークなどに接続する通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の移動体通信に関する需要は大きく増大しており、この目的も音声通信からデータ通信等に広がっている。
【0003】
従来、複数の通信方式に対応した複合型の移動体端末装置としては、PHS(Personal Handyphone System)とPDC(Personal Digital Cellular)の2つの通信方式に対応した複合端末であるドッチーモ(商標)や、ブルーツース(商標)や無線LANのインタフェースを備えた携帯電話等が知られている。
【0004】
また、従来の複合型端末装置では、各通信手段によって接続すべき制御サーバが異なっていたため、例えば従来の複合型端末装置に対する通信を実行するためには、ユーザが、いずれかの通信手段を選択して、その通信手段に対応するサーバの電話番号、インターネットアドレス等を指定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の複合型端末装置は、複数の通信手段を有しているものの、基本的に個々の通信手段が本来の機能に基づいて動作するだけであり、複数の通信手段を有していても、ユーザの利便性は、単に複数の通信手段が1つの装置に内蔵されたことによる利便性に過ぎないものである。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数の通信方式を利用して、通信方式の種別、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置を使用することを可能にする通信システムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信システムは、端末装置、複数の中継装置、およびサーバ装置を備える。その端末装置は、コンピュータネットワークまたは電話網との通信に係る制御情報をページャ信号として受信するページャ受信部と、所定の複数の通信方式で通信可能な複数の通信手段と、複数の通信手段のうちのいずれかの通信手段を選択する通信手段選択部と、制御情報に基づいて、通信手段および/または通信手段選択部を制御する制御部とを有する。その複数の中継装置は、複数の通信方式のうちのいずれかの通信方式で端末装置の通信をそれぞれ中継する。そのサーバ装置は、所定の伝送路を介して中継装置に接続され、中継装置を介してアクセスしてくる端末装置とコンピュータネットワークまたは電話網との間の通信を制御するとともに、端末装置へ制御情報を送信する。
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。この通信システムにおける複数の通信方式のうちの少なくとも1つは、セル方式の移動体電話通信システムである。そして、サーバ装置は、その移動体電話通信システムから端末装置の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置へ、その端末装置の位置の周辺エリアで利用可能な通信方式を示す情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により、利用可能な通信方式を示す情報を取得し、通信手段選択部によりその情報に基づいて通信手段を選択する。
【0008】
これにより、複数の通信方式を利用して、通信方式の種別、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置を使用することができる。さらに、端末装置と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。
【0009】
さらに、本発明の通信システムは、上記発明の通信システムに加え、複数の中継装置として、少なくとも、移動体電話システムの無線基地局、ホットスポットのアクセスポイント、並びに家庭内および/またはオフィス内のモデムのいずれかを使用する。
これにより、ユーザの日常生活における大部分の状況下で、自己の状況を意識することなく、ユーザが端末装置を使用することができる。
【0010】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、端末装置が、複数の通信方式に対して固有かつ単一の識別情報を有するものである。
これにより、どの通信方式を使用していても、端末装置を一意に特定することができる。また、コンピュータネットワークへの接続のための設定(ID、パスワード、各種サーバの指定など)を通信方式に応じて変更する必要がなくなる。
【0011】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、コンピュータネットワークまたは電話網を介して他の通信装置から端末装置宛の呼および/またはデータを受信すると、その呼および/またはデータの着信要求を、ページャシステムを介して端末装置へ送信する。端末装置は、ページャ受信部によりその呼および/またはデータの着信要求を受信すると、通信手段選択部によりいずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、端末装置と中継装置との通信路を確立させ、その端末装置宛の呼および/またはデータを、その端末装置へ到達させることができる。
【0012】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、着信要求とともに、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により閉塞情報を受信すると、その閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を特定し、通信手段選択部により、利用可能な通信方式のうちのいずれかの通信方式に対応する通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、障害のある通信方式を回避して端末装置と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0013】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、着信要求とともに、端末装置宛の呼および/またはデータの種別情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により種別情報を受信すると、通信手段選択部によりその種別情報に応じていずれかの通信方式に対応する通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、サーバ装置により受信された呼および/またはデータの種別に適した通信路を端末装置と中継装置との間で確立させることができる。
【0014】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、端末装置に次の機能を有する。端末装置は、ページャ受信部により着信要求を受信すると、通信手段選択部によりいずれかの通信手段を選択し、選択した通信手段を起動し、起動後にその通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、通信に使用していない通信手段の電子回路の電源をオフ状態または省電力状態としておくことができ、端末装置を省電力化することができる。
【0015】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置へ送信する。端末装置は、ページャ受信部により閉塞情報を受信し、通信手段選択部によりその閉塞情報に基づいて通信手段を選択する。
これにより、障害のある通信方式を回避して端末装置と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0016】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、その移動体電話通信システムから端末装置の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置へその端末装置の位置の周辺エリアに関する複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により閉塞情報を受信し、通信手段選択部によりその閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を選択する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。また、周辺エリアについての閉塞情報のみを送信するため、ページャシステムで端末装置へ送信するデータの量を少なくすることができる。
【0017】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、端末装置に次の機能を有する。端末装置は、その端末装置と中継装置との通信路が切断されると、切断前の通信を保留させた状態で別の通信方式の中継装置との通信路を確立し、保留させた通信を、確立した通信路を介して再開する。
これにより、通信方式の切り替えの前後で、通信の整合性を確保することができる。
【0018】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置に次の機能を有する。サーバ装置は、端末装置が接続する中継装置が切り替えられると、切り替え前に使用した通信方式の通信路に関する通信料、切り替え後の通信路の確立のための通信に対する通信料、および切り替え後に使用した通信方式の通信路に関する通信料を、別々に課金処理する。
これにより、各通信方式に応じて適切に通信料を課金することができる。
【0019】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置に登録されたユーザ以外の外部ユーザに関する識別情報を保存し、サーバ装置により認証されなかった外部ユーザについての認証処理を行う認証サーバを備える。そして、サーバ装置は、その認証サーバにより認証された外部ユーザを、自己に登録されたユーザと同様に認証する。
これにより、複数の事業者が複数の通信システムを運営している環境でも、認証サーバに登録されていれば、ユーザは、それらの複数の事業者と通信サービスの契約を結ぶことなく、より広い範囲で通信サービスを享受することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
実施の形態1.
第1図は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略を示すブロック図である。この通信システムは、複数の通信方式に係る設備として、ユーザの端末装置18が移動中であっても無線通信可能な移動体通信システムであるPHSシステム12、ユーザの端末装置18が街角などの屋外や公共施設内でほぼ停止している際に無線通信可能な無線LANのホットスポット13、およびユーザの端末装置18が家庭内やオフィス内などの特定の場所で無線通信可能な無線通信機能を有するADSL(Asymmetrical Digital Subscriber Line)モデムといったモデム14を有する。
【0022】
なお、PHSシステム12は、セル方式の移動体通信システムであり、一定のエリア内に存在する端末装置に音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供する。また、ホットスポット13は、街角などの屋外や公共施設内に設置された無線LANのアクセスポイント付近のエリアである。
【0023】
ユーザの端末装置18は、複数の通信方式に共通の単一の識別子(電話番号、IPアドレスまたはそれに準じたもの)を有する携帯可能な通信装置であって、PHSシステム12、無線LANによる通信を提供するホットスポット13、および無線LAN機能を有するモデム14とそれぞれ通信可能な複数の通信手段を有し、その状態、目的等に応じて適切な通信手段を選択する。すなわち、移動中か否か、電波状態、アプリケーションの種類などに応じて上述のPHSシステム12による移動体通信、ホットスポット13による無線通信、および無線通信機能を有するモデム14による無線通信といった複数の通信方式のいずれかが選択され、選択された通信方式に対応する通信手段が選択される。
【0024】
すなわち、端末装置18は、移動中であればPHSを介して通信し、街角にいる際にはホットスポット13を介して通信し、家庭内やオフィス内ではモデム14を介して通信する。
【0025】
一般的に、PHSシステム12は、32Kbpsないし64Kbpsの通信速度のデータ通信を提供し、ホットスポット13は、2Mbps程度の通信速度のデータ通信を提供し、モデム14は、8Mbps程度の通信速度のデータ通信を提供する。したがって、各通信方式について単独方式の機器を使用する場合と比較して、端末装置18では、通信の種別や現在位置に応じた最適な通信手段が選択される。
【0026】
また、発信者が端末装置18に対して呼やデータを送信すると、その呼やデータが、端末装置18とコンピュータネットワークまたは電話網との間の通信を制御するサーバ装置10に到達する。サーバ装置10は、その呼やデータの受信があった旨を端末装置18にページャ信号11により通知する。その後に、端末装置18は、利用可能な、かつ最適な通信方式を選択し、選択した通信方式でPHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14のいずれかに接続する。そして、発信者と端末装置18との通信が確立されたり、発信者からのデータが端末装置18により受信される。
【0027】
第2図は、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。第2図において、ISPサーバ22は、光ファイバ網23、メタル回線網25、PHS交換局27の網などの所定の伝送路を介してホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14、PHS基地局28などの中継装置に接続され、その中継装置を介して接続してくる端末装置18と、インターネットなどのコンピュータネットワーク21、またはPHSシステム12や公衆電話回線網210などの電話網との間の通信を制御するサーバ装置である。なお、第2図のISPサーバ22は、第1図におけるサーバ装置10に相当する。
【0028】
光ファイバ網23は、ISPサーバ22および複数のホットスポット13のアクセスポイント24に接続され、データ通信、音声通信等を行なう基幹線である。
【0029】
ホットスポット13を形成するためのアクセスポイント24は、街角、公共機関、カフェなどに設置され、光ファイバ網23に接続された無線LANの中継装置であり、無線LANに基づく無線通信により端末装置18のアクセスを受ける。なお、アクセスポイント24の通信範囲は、見通し距離で半径約80m程度しかないため、通常、ホットスポット13は、第2図に示すように複数設置される。
【0030】
なお、第2図においては、ホットスポット13のための基幹線として光ファイバ網23を使用しているが、その代わりにメタル回線網を使用してもよいし、メタル回線網25の網を利用してもよい。
【0031】
メタル回線網25は、ISPサーバ22とモデム14に接続され、データ通信、音声通信等を行なう基幹線である。このメタル回線網25は、例えば、電話局から家庭、オフィスなどまでに敷設された金属電話線を含む。
【0032】
モデム14は、各家庭内、オフィス内に設置され、メタル回線網25に接続された中継装置であり、端末装置18のアクセスを受ける。モデム14は、各家庭内、オフィス内に設置されるため、通常、第2図に示すように複数設置される。
【0033】
なお、第2図においては、モデム14のための基幹線としてメタル回線網25を使用しているが、その代わりに光ファイバ網を使用してもよいし、光ファイバ網23を利用してもよい。
【0034】
PHS交換局27は、PHSシステム12における回線交換を行なう交換局であり、各セルを形成するためのPHS基地局28に接続される。また、PHS交換局27は、ISPサーバ22、および一般電話網の交換局である公衆回線交換局29と接続される。PHS交換局27は、PHS基地局28にアクセスした端末装置18のための通信路を、その目的に応じてISPサーバ22、PHS基地局28または公衆回線交換局29に接続する。
【0035】
すなわち、端末装置18のための通信路は、音声通信、かつ他のPHS端末に対する通信の場合はPHS基地局28に接続され、音声通信でありPHS以外の他の電話装置(例えば固定電話、携帯電話等)に対する通信の場合は公衆回線交換局29に接続され、データ通信の場合はISPサーバ22に接続される。
【0036】
なお、本発明の実施の形態1においては、移動体通信方式としてPHSシステム12を使用しているが、その代わりにPDCシステムやW−CDMA(Wideband - Code Division Multiple Access)システム等の携帯電話システムを使用するようにしてもよい。また、複数のPHS基地局28が、サービスエリア内の複数のセルに対応して配置される。
【0037】
ページャ制御局211は、ページャシステムにおける発信制御を行なう制御局である。ページャ制御局211は、ISPサーバ22および公衆回線交換局29に接続されており、ページャ基地局212を介して端末装置18に対して制御信号や各種通知を発信する。
【0038】
なお、第2図では、ページャ基地局212を代表的に1つだけ示したが、複数のページャ基地局212が、サービスエリアに応じて適宜配置される。
【0039】
第3図は、本発明の実施の形態1に係る端末装置18の構成を示すブロック図である。第3図において、アンテナ共用部189は、ページャ信号を受信し、無線LANユニット1812とホットスポット24、モデム26との間で信号の送受信を行なったり、PHS送受信部1813とPHS基地局212との間で送受信を行なうアンテナ共用部である。アンテナ共用部189は、高周波変換および電波信号の発信、着信を行なうが、この構成については詳説しない。
【0040】
なお、本実施の形態1においては、それぞれの通信手段に共通のアンテナ共用部189を設けているが、それぞれの通信手段は一般的に異なる周波数帯域を使用するため、これに適合した複数のアンテナ部を設けてもよい。
【0041】
通信部181は、アンテナ共用部189と制御部182とに接続され、制御部182から供給されたデータ信号を高周波信号に変換しアンテナ共用部189に供給し、アンテナ共用部189から供給された高周波信号をデータ信号に変換して制御部182に供給するモデム機能を有する。
【0042】
通信部181は、ページャ受信部1811、無線LANユニット1812、PHS送受信部1813、通信処理部1814、通信手段選択部1815および記憶部1816を有し、これらの各機能ブロックを第1バス1817で接続している。
【0043】
ページャ受信部1811は、ページャ信号を受信する回路である。無線LANユニット1812は、ホットスポット13のアクセスポイント24およびモデム14と通信する通信手段として機能する回路である。PHS送受信部1813は、PHS基地局28と通信する通信手段として機能する回路である。通信処理部1814は、無線LANユニット1812およびPHS送受信部1813といった通信手段を制御する機能を有する回路である。通信手段選択部1815は、各種情報に基づいて、無線LANユニット1812およびPHS送受信部1813から、通信に使用する通信手段を選択する機能を有する回路である。記憶部1816は、通信に係る各種設定情報を記憶する、半導体メモリ、磁気記録媒体などといった回路または装置である。
【0044】
制御部182は、コンピュータにより端末装置18の内部回路を制御する回路群である。制御部182は、マイクロプロセシングユニット(MPU)等で構成される処理部1821、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトウェア等のプログラムやそのプログラムで使用されるデータを一時的に記憶するRAM1822、処理結果などを電気的に記憶する不揮発性のEEPROM1823、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ等で構成される記憶部1824、これらを互いに接続する第2バス1825を有する。通信部181の第1バス1817と制御部182の第2バス1825は、互いに接続され、制御部182と通信部181との間でデータが適宜授受される。
【0045】
表示部183は、制御部182の第2バス1825に接続され、演算結果やメッセージ等を表示する表示部である。
【0046】
入力部184は、制御部182の第2バス1825に接続され、ユーザの各種操作の入力を行なうキーボード、テンキー等の入力部である。
【0047】
外部I/F185は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)スロット、USB(Universal Serial Bus)その他の有線通信方式や、ブルーツース、IrDA(InfraRed Data Association)等の無線通信方式で外部機器とのデータ通信を実行するインタフェース回路である。
【0048】
マイクロフォン186は、利用者の音声を電気信号に変換する装置である。なお、マイクロフォン186と第2バス1825との間には、図示せぬA/D変換器が設けられ、アナログ音声信号がデジタル音声信号に変換される。
【0049】
スピーカ187は、制御部182などの音声処理による電気信号やその他の音声に係る電気信号を音声に変換する装置である。なお、スピーカ187と第2バス1825との間には、図示せぬD/A変換器が設けられ、デジタル音声信号がアナログ音声信号に変換される。
【0050】
電源供給部186は、通信部181の第1バス1817、制御部182の第2バス1825を介して通信部181および制御部182の各部に対して電力を供給する電池等の電源部である。
【0051】
なお、端末装置18の構成はこれに限定されるものではなく、例えば通信部181と制御部182を単一のユニットとして構成してもよく、また、この端末装置18が実行するアプリケーションに応じて別の機能を追加したり、例えばマイクロフォン186、スピーカ187等の機能ブロックの一部をなくしてもよい。
【0052】
また、アンテナ共用部189と通信部181を、制御部182、表示部183、入力部184、外部I/F部185、マイクロフォン186、スピーカ187等とは別個の装置として構成し、通信部181および制御部182に、互いに接続するためのインタフェース部をそれぞれ設けて、両者を接続するようにしてもよい。また、通信部181にインターフェース部を設けて、そのインターフェース部と外部I/F185と接続するように構成してもよい。
【0053】
また、通信手段選択部1815、記憶部1816等の通信部181の一部の構成を、通信部181の代わりに、制御部182において実現してもよい。
【0054】
第4図は、実施の形態1における端末装置18内の制御系を説明するブロック図である。端末装置18の制御系は、ページャ信号受信制御部501、着信種別判定部502、通信処理制御部503、通信制御部504、メッセージ制御部505、無線LAN通信制御部506、およびネットワーク通信制御部507を有する。この制御系は、第3図における制御部182により実現される。
【0055】
第4図において、ページャ受信制御部501は、ページャ受信部1811により受信された、この端末装置18内の処理を指示する制御信号や、呼やデータなどの受信に係る通知などを取得する部分である。
【0056】
また、接続先選択部502は、ページャ受信制御部501により取得された情報(音声通信の呼か、データ通信のデータかなど)に基づいて通信方式、すなわち接続先である中継装置の種別を選択し、音声通信かデータ通信かなどを示す通信種別および接続先の中継装置の種別を通信処理制御部503に通知する部分である。
【0057】
また、通信処理制御部503は、接続先選択部502により通知された接続先の種別に対応する通信方式の制御を行う通信制御部504、無線LAN通信制御部506およびネットワーク通信制御部507のいずれかに通信路確立を指示する部分である。
【0058】
また、通信制御部504は、通信処理部1814を制御して、PHS送受信部1813によりPHS基地局28との通信路を確立させる部分である。
【0059】
また、無線LAN通信制御部506は、通信処理部1814を制御して、無線LANユニット1812によりホットスポット13のアクセスポイント24との通信路を確立させる部分である。
【0060】
また、ネットワーク通信制御部507は、通信処理部1814を制御して、無線LANユニット1812によりモデム14との通信路を確立させる部分である。
【0061】
また、メッセージ制御部505は、通信路を確立する際に実行される認証手順などにおいて、通信制御部504,506,507による要求に応じて、ISPサーバ22による認証のために必要な識別情報などを出力する部分である。
【0062】
第5図は、本発明の実施の形態1に係るISPサーバ22の構成を示すブロック図である。第5図において、通信部2201は、光ファイバ網23を介して各ホットスポット13のアクセスポイント24に接続され、データ通信を行う通信機器である。通信部2202は、メタル回線網25を介して各モデム14に接続され、データ通信を行う通信機器である。PHS通信部2203は、PHSシステム12に接続され、PHS交換局27の網を介してPHS基地局28に接続され、音声通信またはデータ通信を行う通信機器である。ネットワーク通信部2204は、コンピュータネットワーク21に接続され、IP(Internet Protocol)などの各種プロトコルに従ってデータ通信を行う通信機器である。
【0063】
また、ユーザDB2205は、このISPサーバ22の事業者との間で通信サービスについての契約を有するユーザの識別情報およびユーザに関連するその他の情報を有するデータベースである。課金DB2206は、各ユーザに対する課金の情報、課金の累積の情報などを有するデータベースである。閉塞情報DB2207は、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置(ホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14、PHS基地局28など)および/または伝送路(光ファイバ網23、メタル回線網25、PHS交換局27網など)での障害の有無を示す閉塞情報を有するデータベースである。
【0064】
また、ページャ通信部2208は、ページャ制御局211と通信を行う通信機器である。
【0065】
また、内部通信路2209は、通信部2201、通信部2202、PHS通信部2203およびネットワーク通信部2204を互いに接続する通信路である。
【0066】
また、制御部2211は、ユーザまたはそのユーザの端末装置18の認証、通信部2201、通信部2202およびPHS通信部2203のいずれかと、ネットワーク通信部2204との間の通信路の制御、ページャシステムによる端末装置18への制御情報の送信、課金処理などを実行する処理装置である。
【0067】
次に、端末装置18がコンピュータネットワーク21に接続する際の処理について説明する。
【0068】
端末装置18がコンピュータネットワーク21に接続する際、通信手段選択部1815は、まず端末装置18の現在の所在地において利用可能な通信サービスの検索を行なう。その際、例えば、PHS送受信部1813が、アンテナ共用部182により受信した電波信号を復調して、PHS信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を取得したり、無線LANユニット1812が、ホットスポット13のアクセスポイント24および/またはモデム14との接続可能性を判定したりする。
【0069】
PHS送受信部1813、無線LANユニット1812などといった通信手段の接続可能性の情報は、制御部182に供給される。
【0070】
そして、制御部182は、例えば、その情報を表示部183に表示させ、入力部184に対する、通信手段の選択のための操作を受け付ける。
【0071】
通信手段選択部1815は、各通信手段の接続可能性の情報、および、制御部182から供給された通信の目的(アプリケーションの種類、通信方式の種別など)の情報に応じて、所定の選択ルールに従い、あるいは制御部182から供給されたユーザの操作の情報に従い、利用する通信方式、すなわち、接続すべき通信手段を選択する。通信処理部1814は、通信手段選択部1815により選択された通信方式に対応する無線LANユニット1812またはPHS送受信部1813により、ホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14およびPHS基地局28のいずれかとの間で通信を確立する。
【0072】
なお、通信手段選択部1815による通信手段の選択のためのルールとしては、固定選択ルール、優先選択ルールなどがある。例えばメニューなどでこれらのルールを示す項目を表示し、ユーザによる操作に応じて通信手段選択部1815によりいずれかのルールが予め選択される。
【0073】
固定選択ルールが適用される場合には、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14などの複数の通信方式(すなわち、接続先)のいずれかが予め選択される。なお、PHSシステム12については、音声通信用の公衆電話回線網、およびコンピュータネットワーク21に接続されたデータ通信用のサーバ(この実施の形態1ではISPサーバ22)が、接続先として存在する。
【0074】
上述の通信方式は、例えば、メニュー表示された複数の接続先の項目からユーザの操作に応じて選択される。
【0075】
また、優先選択ルールが適用される場合には、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14などの複数の通信方式(すなわち、接続先)のそれぞれに対して優先順位が予め設定される。各通信方式の優先順位は、例えば、メニュー表示された複数の通信方式の項目からユーザの操作に応じて設定される。
【0076】
さらに、優先選択ルールが適用される場合には、優先的に選択する通信方式を決定するための複数のモードがあり、それらのいずれかが予め設定される。優先選択ルールのモードには、優先順位モード、前回接続先優先モードなどがある。このモードは、例えば、メニュー表示された複数のモードの項目からユーザの操作に応じて選択される。
【0077】
優先順位モードの場合、まず、予め設定されている優先順位の高い通信方式が選択され、その接続先が利用できない場合には、次に優先順位の高い通信方式が選択される。以下同様に、優先順位が高いものから順番に、利用可能な接続先が見つかるまで、接続が試みられる。なお、優先順位モードの場合において、優先順位の低い通信方式から順番に、接続を試みるようにしてもよい。
【0078】
一方、前回接続先優先モードの場合には、まず、前回使用された通信方式が選択され、前回の通信方式が利用できない場合には、優先順位が高いものから順番に、利用可能な接続先が見つかるまで、接続が試みられる。
【0079】
なお、優先順位に従って通信方式を選択する際には、常に優先順位が高いものを選択するようにする代わりに、端末装置18は、前回使用した、あるいは前回接続を試みた通信方式の次に優先順位の高いものから順番に、接続を試みるようにしてもよい。その場合、最も優先順位が低いものの次に、最も優先順位が高いものに対して、接続が試みられる。これらの接続先の検索についても、例えば、メニュー表示された項目からユーザの操作に応じて選択される。
【0080】
なお、固定選択ルールおよび優先選択ルールのいずれが選択されているか、前回選択された通信方式、優先選択ルールにおける通信方式の優先順位のリストなどの設定情報は、記憶部1816に記憶される。そして、その設定情報は通信手段選択部1815により読み出され、その設定情報に基づいて通信方式が決定され、その通信方式の接続先である中継装置が選択される。
【0081】
上述のようにして、端末装置18といずれかの中継装置(PHSシステム12のPHS基地局28、ホットスポット13のアクセスポイント24およびモデム14のいずれか)との通信路が確立された後、端末装置18は、その中継装置を介して、固有の識別情報をISPサーバ22に送信する。
【0082】
そして、ISPサーバ22は、その識別情報を受信すると、ユーザDB2205を参照して、その端末装置18(すなわちユーザ)が登録されているか否かを判断し、その端末装置18(すなわちユーザ)が登録されている場合には、その端末装置18(すなわちユーザ)を認証する。
【0083】
ISPサーバ22は、その認証処理の結果を、その中継装置を介して端末装置18に送信する。さらに、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、IPアドレスなどのネットワークアドレスを割当て、そのネットワークアドレスをその端末装置18に通知する。
【0084】
これにより、端末装置18は、その中継装置、所定の伝送路およびISPサーバ22を介して、コンピュータネットワーク21に接続される。
【0085】
なお、上記実施の形態1において、ISPサーバ22は、閉塞情報DB2207に保存されている閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置18に提供し、端末装置18は、その閉塞情報に基づいて通信手段を選択するようにしてもよい。その場合、端末装置18の通信手段選択部1815は、各通信手段の接続可能性の情報、および、制御部182から供給された通信の目的(アプリケーションの種別など)の情報に加えて、その閉塞情報に基づいて、利用する通信方式、すなわち、接続すべき通信手段を選択する。さらに、その場合、ISPサーバ22は、PHSシステム12の図示せぬ管理サーバから、その端末装置18の位置登録情報を取得してその端末装置18の位置を特定し、その位置の周辺エリア(例えば、所定の距離の範囲内、あるいはその位置を含むセル内)のみの閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置18に提供し、端末装置18は、その閉塞情報に基づいて通信手段を選択するようにしてもよい。その場合には、ISPサーバ22は、閉塞情報DB2207から、そのエリアに関する閉塞情報を抽出する。
【0086】
また、上記実施の形態1において、ISPサーバ22は、PHSシステム12の図示せぬ管理サーバから、その端末装置18の位置登録情報を取得してその端末装置18の位置を特定し、その位置の周辺エリア(例えば、所定の距離の範囲内、あるいはその位置を含むセル内)で利用可能な通信方式を示す情報を、ページャシステムを介して端末装置18に提供し、端末装置18は、その情報に基づいて通信手段を選択するようにしてもよい。その場合には、ISPサーバ22に、各地点での利用可能な通信方式を示す情報を集約したデータベースを設け、ISPサーバ22は、そのデータベースから、そのエリアに関する情報を抽出する。
【0087】
さらに、上記実施の形態1において、ISPサーバ22は、端末装置18がISPサーバ22を介して通信を行うたびに、その通信に対する通信料の課金を行い、端末装置18ごとの課金データを課金DB2206に蓄積する。
【0088】
以上のように、上記実施の形態1によれば、端末装置18は、コンピュータネットワーク21または電話網(PHSシステム12、公衆電話回線網210など)との通信に係る制御情報をページャ信号として受信するページャ受信部1811と、所定の複数の通信方式で通信可能な複数の通信手段(無線LANユニット1812,PHS送受信部1813)と、複数の通信手段のうちのいずれかの通信手段を選択する通信手段選択部1815と、制御情報に基づいて、通信手段および/または通信手段選択部1815を制御する制御部182とを有する。複数の中継装置(ホットスポット13のアクセスポイント24,モデム14,PHS基地局28)は、複数の通信方式のうちのいずれかの通信方式で端末装置18の通信を中継する。ISPサーバ22は、所定の伝送路を介して中継装置に接続され、中継装置を介してアクセスしてくる端末装置18とコンピュータネットワーク21または電話網との間の通信を制御するとともに、端末装置18へ制御情報を送信する。これにより、複数の通信方式を利用して、通信方式の種別、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置18を使用することができる。
【0089】
さらに、上記実施の形態1によれば、複数の中継装置として、少なくとも、移動体電話システムの無線基地局(PHS基地局28)、ホットスポット13のアクセスポイント24、並びに家庭内および/またはオフィス内のモデム14が使用される。これにより、ユーザの日常生活における大部分の状況下で、自己の状況を意識することなく、ユーザが端末装置を使用することができる。
【0090】
さらに、上記実施の形態1によれば、端末装置18が、複数の通信方式に対して固有かつ単一の識別情報を有する。これにより、どの通信方式を使用していても、端末装置18を一意に特定することができる。また、コンピュータネットワーク21への接続のための設定(ID、パスワード、各種サーバの指定など)を通信方式に応じて変更する必要がなくなる。
【0091】
さらに、上記実施の形態1によれば、ISPサーバ22は、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置18へ送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により閉塞情報を受信し、通信手段選択部1815によりその閉塞情報に基づいて通信手段を選択する。これにより、障害のある通信方式を回避して端末装置18と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0092】
実施の形態2.
第6図は、本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。なお、第6図において、第2図と同一の構成部分については同一の符号を付す。
【0093】
第6図に示す通信システムおいて、ISPサーバ222は、ISPサーバ22Aとは異なる事業者により運営され、ホットスポット223のアクセスポイント224および第2光ファイバ網213を介してアクセスしてくる端末装置18と、コンピュータネットワーク21との通信路を確立するサーバ装置である。
【0094】
第2光ファイバ網213は、光ファイバ網23とは異なる事業者により運営され、ISPサーバ222を介してコンピュータネットワーク21に接続される基幹網である。
【0095】
認証サーバ216は、コンピュータネットワーク21に接続され、ISPサーバ22AとISPサーバ222(および/または第2光ファイバ網213)の運営者のいずれかとの間で通信サービスに係る契約を締結したユーザに関する識別情報(IDやパスワードなど)を保存し、ISPサーバ22AまたはISPサーバ222により認証されなかったユーザ(あるいは端末装置18)についての認証処理を行うサーバ装置である。
【0096】
ISPサーバ22Aは、実施の形態1におけるISPサーバ22と同様の構成を有し、さらに、ユーザ(すなわち、端末装置18)が認証されなかった場合に、認証サーバ216に認証要求を送信し、認証サーバ216による認証結果に応じてそのユーザを最終的に認証するか否かを判定する機能を有する。
【0097】
次に、端末装置18がコンピュータネットワーク21に接続する際の処理について説明する。
【0098】
ISPサーバ222(および/または第2光ファイバ網213)の運営者との間で契約したユーザの所有する端末装置18が、ホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14およびPHS基地局28のいずれかのサービス範囲内で通信の要求を行なった場合、その端末装置18の認証要求が、まずISPサーバ22Aに送信される。
【0099】
ISPサーバ22Aは、その認証要求に基づいてその端末装置18の認証処理を行う。その結果、その端末装置18が認証されなかった場合、ISPサーバ22Aは、コンピュータネットワーク21を介して認証要求を認証サーバ216に供給する。この認証要求には、認証を要求する旨を示す情報、認証処理の対象となる端末装置18の識別情報が含まれる。
【0100】
認証サーバ216は、認証要求を受け取ると、予め保存しているユーザの識別情報(IDなど)に基づいて端末装置18についての認証処理をし、この認証結果をISPサーバ22Aに送信する。この認証結果において端末装置18が認証されている場合には、ISPサーバ22Aは、その端末装置18のユーザとISPサーバ22の運営者との直接の契約がなくても、すなわちISPサーバ22Aに登録されているユーザでなくても、端末装置18のコンピュータネットワーク21への接続を確立する。
【0101】
なお、その際の接続料金の課金情報は、各事業者によるISPサーバ222やISPサーバ22から認証サーバ216に供給され、認証サーバ216が、複数の契約事業者との間で通信料金の精算処理を実行する。
【0102】
一方、その認証結果で端末装置18が認証されていない場合には、ISPサーバ22Aは、その端末装置18のコンピュータネットワーク21への接続を拒絶する等の処理を行なう。
【0103】
なお、実施の形態2に係る通信システムにおけるその他の処理については、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0104】
以上のように、上記実施の形態2によれば、認証サーバ216は、ISPサーバ22Aに登録されたユーザ以外の外部ユーザに関する識別情報を保存し、ISPサーバ22Aにより認証されなかった外部ユーザについての認証処理を行う。そして、ISPサーバ22は、その認証サーバ216により認証された外部ユーザを、自己に登録されたユーザと同様に認証する。これにより、複数の事業者が複数の通信システムを運営している環境でも、認証サーバ216に登録されていれば、ユーザは、複数の事業者と通信サービスの契約を結ぶことなく、より広い範囲で通信サービスを享受することができる。
【0105】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る通信システムは、実施の形態1に係る通信システムにおいて、端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されていないときに発生した他の通信装置から端末装置18への呼やデータの着信を可能としたものである。
【0106】
なお、この実施の形態3に係る通信システムの基本的な構成は、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。ただし、ISPサーバ22や端末装置18の機能については、下記の機能が追加される。
【0107】
次に、実施の形態3に係る通信システムにおける端末装置18への呼やデータの着信について説明する。
【0108】
ISPサーバ22は、コンピュータネットワーク21またはPHS交換局27から特定の端末装置18への通信の要求を受信したときは、端末装置18に対してISPサーバ22に接続すべき要求信号を生成し、ページャ制御局211に供給する。ページャ制御局211は、ページャ基地局212を介してページャ信号としてその要求信号を送信する。その際、ISPサーバ22は、要求信号に、着信したデータの種別(例えば、音声通信の呼、電子メールのデータなど)の情報を付加する。さらに、ISPサーバ22は、その要求信号に、上述の閉塞情報を付加してもよい。
【0109】
端末装置18は、アンテナ共用部189によりそのページャ信号を含む電波を感受し、ページャ受信部1811によりそのページャ信号を受信し、通信処理部1814に供給する。
【0110】
通信処理部1814は、そのページャ信号がISPサーバ22に接続すべきとする要求信号であると判定した場合、その要求信号を制御部182に供給する。その際、制御部182は、要求信号を受信した旨を示す画像などを表示部183に表示させる。
【0111】
そして、その画像などを見たユーザが入力部184に所定の操作をすると、制御部182は、いずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置までの通信路を確立する。なお、通信手段の選択および通信路の確立については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0112】
なお、使用していない通信手段の回路を、電源オフ状態または省電力状態としておき、制御部182は、選択した通信手段の回路のみを電源オン状態とするようにしてもよい。その場合、選択した通信手段による通信が終了した場合には、制御部182は、その通信手段の回路を再度電源オフ状態または省電力状態とする。
【0113】
これにより、例えば、交換局網を介した通常の音声通信や、コンピュータネットワーク210、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介したデータ通信上の音声通信(いわゆるネットワーク電話)の呼が、端末装置18により着信される。また、例えば、端末装置18宛ての電子メールがメールサーバ機能を有するISPサーバ22に到達した際に、直ちに、その電子メールが、端末装置18により着信される。
【0114】
次に、各通信手段を使用した場合の、呼またはデータの送信元である通信装置と端末装置18との通信路の確立のシーケンスについて詳細に説明する。
【0115】
まず、端末装置18が、音声通信の呼に対応して、PHSシステム12の音声通信サービスを使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、PHSシステム12、公衆電話回線網210などの交換局網を介して音声通信路が確立される。第7図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、PHSシステム12の音声通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0116】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、PHS交換局27または公衆回線交換局29が、その呼を受ける(ステップS601)。
【0117】
そのPHS交換局27または公衆回線交換局29は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップS602)。なお、この着信要求は、PHS交換局27または公衆回線交換局29からISPサーバ22を介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。
【0118】
ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS603)。
【0119】
なお、呼がページャ制御局211に到達する場合には、ページャ制御局211が、その呼に対応する着信要求を生成し、その着信要求を、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する。なお、この着信要求には、通信の種別が交換局を経由する音声通信であることを示す情報が含まれる。また、ISPサーバ22が、この着信要求を生成するようにしてもよい。
【0120】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS620)。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0121】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別が音声通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0122】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS604,S605)。
【0123】
そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS606,S607)。
【0124】
端末装置18がPHSシステム12への接続を完了すると、PHS交換局27は、PHS基地局28を介して、端末装置18に呼を送信する(ステップS608)。端末装置18は、その呼を受けると、発信元の通信装置へ向けて応答し(ステップS609,S610)、その通信装置との音声通信路を確立する(ステップS611)。
【0125】
このようにして、端末装置18は、音声通信の呼に対応して、PHSシステム12の音声通信サービスを使用して音声通信路を確立する。
【0126】
次に、端末装置18が、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、発信元がネットワーク電話機やパーソナルコンピュータなどといった通信装置と端末装置18との音声通信路がデータ通信上で確立される。第8図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0127】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、その呼を受ける(ステップS701)。
【0128】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ702)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、呼の種別(この場合、データ通信上の音声通信の呼である旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS703)。
【0129】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS720)。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0130】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0131】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS704,S705)。
【0132】
そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS706,S707)。その後、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、ISPサーバ22とのデータ通信用の通信路を確立する(ステップS708)。
【0133】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS709)。
【0134】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS710)。
【0135】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18を認証した場合には、その端末装置18にネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS711)。また、ISPサーバ22は、呼の発信元の通信装置のネットワークアドレスなどの情報を着信情報として端末装置18に通知する(ステップS712)。
【0136】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受け、その着信情報を受信すると、呼の発信元の通信装置へ応答し(ステップS713,S714)、その通信装置とのデータ通信を確立し、そのデータ通信上でVoIP(Voice Over IP)などの技術に基づいて音声通信路を確立する(ステップS715)。
【0137】
このようにして、端末装置18は、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して音声通信路を確立する。なお、交換局網を介して受けた呼についても、同様に、その呼に対応してPHSシステム12のデータ通信サービスを使用して音声通信路を確立することが可能である。
【0138】
なお、ここでは、音声通信を実現しているが、音声および映像を有するリアルタイム通信を実現することも勿論可能である。
【0139】
次に、端末装置18が、音声通信の呼に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、発信元がネットワーク電話機やパーソナルコンピュータなどといった通信装置と端末装置18との音声通信路がデータ通信上で確立される。第9図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、モデム14によるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0140】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、その呼を受ける(ステップS801)。
【0141】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ802)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、呼の種別(この場合、データ通信上の音声通信の呼である旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS803)。
【0142】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS830)。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0143】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がモデム14に対するデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0144】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。そして、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS804)。
【0145】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS805,S806)。
【0146】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS807,S808)。
【0147】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS831)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS809,S810)。
【0148】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS811,S812)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS813,S814)。また、ISPサーバ22は、呼の発信元の通信装置のネットワークアドレスなどの情報を着信情報として端末装置18に通知する(ステップS815,S816)。
【0149】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受け、その着信情報を受信すると、呼の発信元の通信装置へ応答し(ステップS817,S818,S819)、その通信装置とのデータ通信を確立し、そのデータ通信上でVoIPなどの技術に基づいて音声通信路を確立する(ステップS820)。
【0150】
このようにして、端末装置18は、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して音声通信路を確立する。なお、交換局網を介して受けた呼についても、同様に、その呼に対応してモデム14によるデータ通信を使用して音声通信路を確立することが可能である。
【0151】
なお、ここでは、音声通信を実現しているが、音声および映像を有するリアルタイム通信を実現することも勿論可能である。
【0152】
次に、端末装置18が、音声通信の呼に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、発信元がネットワーク電話機やパーソナルコンピュータなどといった通信装置と端末装置18との音声通信路がデータ通信上で確立される。第10図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、ホットスポット13によるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0153】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、その呼を受ける(ステップS901)。
【0154】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ902)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、呼の種別(この場合、データ通信上の音声通信の呼である旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS903)。
【0155】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS930)。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0156】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がホットスポット13に対するデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0157】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。そして、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、ホットスポット13のアクセスポイント24にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS904)。
【0158】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、第9図の場合と同様にして、ISPサーバ22と端末装置18との間で認証のための通信が行われる(ステップS905〜S910)。
【0159】
また、端末装置18は、認証の通知を受信すると、第9図の場合と同様にして、ネットワークアドレスを付与される(ステップS911〜S914)。
【0160】
ISPサーバ22は、呼の発信元の通信装置のネットワークアドレスなどの情報を着信情報として端末装置18に通知する(ステップS915,S916)。
【0161】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受け、その着信情報を受信すると、呼の発信元の通信装置へ応答し(ステップS917〜S919)、その通信装置とのデータ通信を確立し、そのデータ通信上でVoIPなどの技術に基づいて音声通信路を確立する(ステップS920)。
【0162】
このようにして、端末装置18は、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して音声通信路を確立する。なお、交換局網を介して受けた呼についても、同様に、その呼に対応してホットスポット13によるデータ通信を使用して音声通信路を確立することが可能である。
【0163】
なお、ここでは、音声通信を実現しているが、音声および映像を有するリアルタイム通信を実現することも勿論可能である。
【0164】
次に、端末装置18が、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、PHSシステム12によるデータ通信サービスを使用して通信路を確立する場合について説明する。このようなデータとしては、例えば電子メールのデータがある。第11図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、図示せぬ通信装置からの端末装置18宛のデータが発生した場合に、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して、端末装置18によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0165】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けてデータを送信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、そのデータを受信する(ステップS1001)。その代わりに、図示せぬ他のサーバがそのデータを受信し、そのサーバがデータの受信をISPサーバ22に通知するようにしてもよい。
【0166】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ1002)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、通信の種別(この場合、データ通信により受信した非リアルタイムのデータである旨、例えば電子メールデータである旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS1003)。
【0167】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS1020)。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0168】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0169】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS1004,S1005)。そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS1006,S1007)。
【0170】
その後、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、ISPサーバ22とのデータ通信用の通信路を確立する(ステップS1008)。
【0171】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1009)。
【0172】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1010)。
【0173】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18を認証した場合には、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1011)。
【0174】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受けると、データ受信要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1012)。
【0175】
ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からデータ受信要求を受信すると、データの受信(すなわち、ISPサーバ22などのサーバからのデータの取得)を許可する旨の承認通知をその端末装置18に送信する(ステップS1013)。
【0176】
端末装置18は、承認通知を受信すると、その端末装置18宛のデータをISPサーバ22などのサーバから取得する(ステップS1014)。
【0177】
このようにして、端末装置18は、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、PHSシステム12によるデータ通信サービスを使用して通信路を確立する。
【0178】
次に、端末装置18が、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。このようなデータとしては、例えば電子メールのデータがある。第12図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、図示せぬ通信装置からの端末装置18宛のデータが発生した場合に、モデム14によるデータ通信を使用して、端末装置18によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0179】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けてデータを送信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、そのデータを受信する(ステップS1101)。なお、図示せぬ他のサーバがそのデータを受信し、そのサーバがデータの受信をISPサーバ22に通知するようにしてもよい。
【0180】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ1102)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、通信の種別(この場合、データ通信により受信した非リアルタイムのデータである旨、例えば電子メールデータである旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS1103)。
【0181】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS1120)。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0182】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別が非リアルタイムのデータ通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0183】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。そして、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1104)。
【0184】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1105,S1106)。
【0185】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1107,S1108)。
【0186】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS1121)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS1109,S1110)。
【0187】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS1111,S1112)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1113,S1114)。
【0188】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受けると、データ受信要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1115,S1116)。
【0189】
ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からデータ受信要求を受信すると、データの受信(すなわち、ISPサーバ22などのサーバからのデータの取得)を許可する旨の承認通知をその端末装置18に送信する(ステップS1117,S1118)。
【0190】
端末装置18は、承認通知を受信すると、その端末装置18宛のデータをISPサーバ22などのサーバから取得する(ステップS1119)。
【0191】
このようにして、端末装置18は、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して通信路を確立する。
【0192】
次に、端末装置18が、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。このようなデータとしては、例えば電子メールのデータがある。第13図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、図示せぬ通信装置からの端末装置18宛のデータが発生した場合に、ホットスポット13によるデータ通信を使用して、端末装置18によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0193】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けてデータを送信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、そのデータを受信する(ステップS1201)。なお、図示せぬ他のサーバがそのデータを受信し、そのサーバがデータの受信をISPサーバ22に通知するようにしてもよい。
【0194】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ1202)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、通信の種別(この場合、データ通信により受信した非リアルタイムのデータである旨、例えば電子メールデータである旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS1203)。
【0195】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS1220)。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0196】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別が非リアルタイムのデータ通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0197】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、第12図の場合と同様にして、ISPサーバ22と端末装置18との間で認証のための通信が行われる(ステップS1205〜S1210)。
【0198】
また、端末装置18は、認証の通知を受信すると、第12図の場合と同様にして、ネットワークアドレスを付与される(ステップS1211〜S1214)。
【0199】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受けると、データ受信要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1215,S1216)。
【0200】
ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からデータ受信要求を受信すると、データの受信(すなわち、ISPサーバ22などのサーバからのデータの取得)を許可する旨の承認通知をその端末装置18に送信する(ステップS1217,S1218)。
【0201】
端末装置18は、承認通知を受信すると、その端末装置18宛のデータをISPサーバ22などのサーバから取得する(ステップS1219)。
【0202】
このようにして、端末装置18は、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して通信路を確立する。
【0203】
以上のようにして、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、コンピュータネットワーク21または電話網を介して他の通信装置から端末装置18宛の呼および/またはデータを受信すると、その呼および/またはデータの着信要求を、ページャシステムを介してその端末装置18へ送信する。その端末装置18は、ページャ受信部1811によりその呼および/またはデータの着信要求を受信すると、通信手段選択部1815によりいずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、端末装置18と中継装置との通信路を確立させ、その端末装置18宛の呼および/またはデータを、その端末装置18へ到達させることができる。
【0204】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、着信要求とともに、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により閉塞情報を受信すると、通信手段選択部1815によりその閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を特定し、利用可能な通信方式のうちのいずれかに対応する通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、障害のある通信方式を回避して端末装置18と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0205】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、着信要求とともに、端末装置18宛の呼および/またはデータの種別情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により種別情報を受信すると、通信手段選択部1815によりその種別情報に応じていずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、ISPサーバ22により受信された呼および/またはデータの種別に適した通信路を端末装置18と中継装置との間で確立させることができる。
【0206】
さらに、上記実施の形態3によれば、端末装置18は、ページャ受信部1811により着信要求を受信すると、通信手段選択部1815によりいずれかの通信手段を選択し、選択した通信手段を起動し、起動後にその通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、通信に使用していない通信手段の電子回路の電源をオフ状態または省電力状態としておくことができ、端末装置18を省電力化することができる。
【0207】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、PHSシステム12から端末装置18の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置18へ、その端末装置の位置の周辺エリアで利用可能な通信方式を示す情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により、利用可能な通信方式を示す情報を取得し、通信手段選択部1815によりその情報に基づいて通信手段を選択する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。
【0208】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、PHSシステム12から端末装置18の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置18へ、その端末装置の位置の周辺エリアに関する閉塞情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により閉塞情報を受信し、通信手段選択部1815によりその閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を選択する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。また、周辺エリアについての閉塞情報のみを送信するため、ページャシステムで端末装置18へ送信するデータの量を少なくすることができる。
【0209】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る通信システムは、実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3のいずれかに係る通信システムにおいて通信中の端末装置18により使用されている通信方式、すなわち中継装置の切り替えを可能としたものである。
【0210】
なお、この実施の形態4に係る通信システムの基本的な構成は、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。ただし、ISPサーバ22や端末装置18の機能については、下記の機能が追加される。
【0211】
次に、実施の形態4に係る通信システムにおいて通信中の端末装置18により使用されている通信方式、すなわち中継装置の切り替えについて説明する。
【0212】
本通信システムでは、端末装置18は、通信中、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14のうちのいずれかの中継装置を介して通信路を維持している。
【0213】
その状態で、一定時間、データの送信および/または受信が途切れたり、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には、端末装置18は、実行中の通信に使用している通信方式を別のものに切り替える。
【0214】
通信方式の切り替えの際には、端末装置18は、実行中の通信を一旦保留状態にした後、別の通信方式を上述の選択ルールに従って選択し、選択した通信方式に対応する中継装置を介して通信路を確立し、保留状態とした通信を再開する。
【0215】
また、端末装置18は、通信を確立するたびに、通信相手の識別情報(URL(Universal Resource Locator)、IPアドレス、ドメイン名など)の履歴を蓄積していき、その履歴に基づいて、通信中であった通信相手との通信を再開する。
【0216】
通信中に通信方式の切替えを行なう方式には、自動切替え、手動切替えなどがあり、ユーザにより選択された切替方式に従って、端末装置18は、通信方式の切り替えを行う。
【0217】
自動切替えの場合、端末装置18が置かれている状況の変化、通信障害、通信エラーなどに起因して、端末装置18が自発的に通信方式を切り替える。例えば、端末装置18は、実行中の通信の種別が音声通信、電子メールの送信などであるときには、上述の選択ルールに従って別の通信方式を選択する。また、自動切替えの場合、例えば、端末装置18は、通信種別がデータ通信であるときには、元の通信方式を選択する。また、自動切替えの場合、例えば、端末装置18は、エラー発生などに起因して通信が切断された場合には、上述の選択ルールに従って別の通信方式を選択する。
【0218】
一方、手動切替えの場合、端末装置18は、通信種別が音声通信、メール着信、データ通信などである通信を実行している際に、ユーザの操作により別の通信方式が指定されると、現在の通信方式から指定された通信方式へ切り替える。その際、例えば、入力部184の切替えキーなどのユーザによる押下により、通信方式の切り替えの指令が入力されると、制御部182は、通信方式のメニューを表示部183に表示させ、ユーザによる入力部184への選択操作に応じて、切り替え後の通信方式を決定する。あるいは、ユーザにより所定の操作が入力部184に対してあった場合に、端末装置18が、上述の選択ルールに従って切り替え後の通信方式を選択するようにしてもよい。
【0219】
なお、使用していない通信手段の回路を、電源オフ状態または省電力状態としておき、端末装置18は、切り替え後の通信方式に対応する通信手段の回路のみを電源オン状態とし、切り替え前の通信方式に対応する通信手段の回路を電源オフ状態または省電力状態とするようにしてもよい。
【0220】
次に、各通信方式について、端末装置18が通信方式を切り替える際のシーケンスについて詳細に説明する。
【0221】
まず、端末装置18の通信方式を、モデム14による通信からPHSシステム12による通信へ切り替える場合について説明する。第14図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるモデム14による通信からPHSシステム12による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0222】
端末装置18は、通信中、モデム14およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1301)。
【0223】
その状態で、例えば所定の回数の送信要求のタイムアウトが発生すると(ステップS1302,S1303)、端末装置18は、モデム14との通信路を切断する(ステップS1304)。一方、ISPサーバ22も、端末装置18からの応答がなくなるため、通信路を切断する(ステップS1305)。その後、端末装置18は、無線LANユニット1812を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0224】
端末装置18は、モデム14との通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とした後、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1320,S1321)。なお、保留状態では、端末装置18は、送信すべきデータをバッファリングしておき、また、受信すべきデータが到達しないことに起因して通信を切断しないようにする。また、端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0225】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0226】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS1306,S1307)。
【0227】
そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS1308,S1309)。
【0228】
その後、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、ISPサーバ22とのデータ通信用の通信路を確立する(ステップS1310)。
【0229】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、端末装置18は、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1311)。ISPサーバ22は、端末装置18からネットワークアドレスの要求を受信すると、その端末装置18にネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1312)。なお、切り替え前に使用していたネットワークアドレスが使用可能である場合には、端末装置18は、ISPサーバ22からのネットワークアドレスの付与を受ける必要は特にない。
【0230】
このように、切り替え後の通信方式であるPHSシステム12による通信路が確立されたことで、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信路が確立される(ステップS1313)。
【0231】
そして、端末装置18は、通信方式の切り替え後の通信路が確立されると、保留状態とした通信を再開する(ステップS1322)。
【0232】
保留状態とした通信を再開するために、端末装置18は、保留中にバッファリングした送信すべきデータの送信を開始するとともに、保留中に通信相手の通信装置から送信されたデータの再送を要求するデータ再送要求を通信相手の通信装置に送信する。上述の通信の保留および再開により、通信方式の切り替え前後における通信の整合性が確保される。
【0233】
このようにして、端末装置18の通信方式が、モデム14による通信からPHSシステム12による通信へ切り替えられる。
【0234】
なお、第14図では、データの送受における障害に起因して切り替えが行われるが、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0235】
また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1320)および/または切り替え後の通信方式の選択(ステップS1321)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。また、通信の保留(ステップS1320)と切り替え後の通信方式の選択(ステップS1321)の順番を逆にしてもよい。
【0236】
次に、端末装置18の通信方式を、ホットスポット13による通信からPHSシステム12による通信へ切り替える場合について説明する。第15図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポット13による通信からPHSシステム12による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0237】
端末装置18は、通信中、ホットスポット13およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1401)。
【0238】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1402)、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1403,S1404)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1405,S1406)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。その後、端末装置18は、無線LANユニット1812を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0239】
そして、端末装置18は、ホットスポット13との通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とした後、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1420,S1421)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0240】
これ以降のPHSシステム12による通信路を確立し通信を再開するための処理(ステップS1407〜S1414,S1422)については、第14図におけるステップS1306〜S1313,S1322の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0241】
このようにして、端末装置18の通信方式が、ホットスポット13による通信からPHSシステム12による通信へ切り替えられる。
【0242】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1420)および/または切り替え後の通信方式の選択(ステップS1421)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。また、通信の保留(ステップS1420)と切り替え後の通信方式の選択(ステップS1421)の順番を逆にしてもよい。
【0243】
また、第15図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0244】
次に、端末装置18の通信方式を、PHSシステム12による通信からモデム14による通信へ切り替える場合について説明する。第16図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステム12による通信からモデム14による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0245】
端末装置18は、通信中、PHSシステム12およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1501)。
【0246】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1502)、端末装置18は、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1520)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0247】
なお、無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。
【0248】
その後、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1503)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1504)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。その後、端末装置18は、PHS送受信部1813を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0249】
端末装置18は、PHSシステム12による通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とする(ステップS1521)。
【0250】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1505)。
【0251】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1506,S1507)。
【0252】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1508,S1509)。
【0253】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS1522)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS1510,S1511)。
【0254】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS1512,S1513)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1514,S1515)。なお、切り替え前に使用していたネットワークアドレスが使用可能である場合には、端末装置18は、ISPサーバ22からのネットワークアドレスの付与を受ける必要は特にない。
【0255】
このように、切り替え後の通信方式であるモデム14による通信路が確立されたことで、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信路が確立される(ステップS1516)。
【0256】
そして、端末装置18は、通信方式の切り替え後の通信路が確立されると、保留状態とした通信を再開する(ステップS1522)。
【0257】
このようにして、端末装置18の通信方式が、PHSシステム12による通信からモデム14による通信へ切り替えられる。
【0258】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、切り替え後の通信方式の選択(ステップS1520)は、切断の応答の後に行うようにしてもよい。また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1521)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。
【0259】
また、第16図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0260】
次に、端末装置18の通信方式を、ホットスポット13による通信からモデム14による通信へ切り替える場合について説明する。第17図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポット13による通信からモデム14による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0261】
端末装置18は、通信中、ホットスポット13およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1601)。
【0262】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1602)、端末装置18は、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1620)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0263】
その後、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1603,S1604)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1605,S1606)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。
【0264】
端末装置18は、ホットスポット13による通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とする(ステップS1621)。
【0265】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1607)。
【0266】
これ以降のモデム14による通信路を確立し通信を再開するための処理(ステップS1608〜S1618,S1623)については、第16図におけるステップS1506〜S1516,S1522の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0267】
このようにして、端末装置18の通信方式が、ホットスポット13による通信からモデム14による通信へ切り替えられる。
【0268】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、切り替え後の通信方式の選択(ステップS1620)は、切断の応答の後に行うようにしてもよい。また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1621)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。
【0269】
また、第17図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0270】
次に、端末装置18の通信方式を、PHSシステム12による通信からホットスポット13による通信へ切り替える場合について説明する。第18図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステム12による通信からホットスポット13による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0271】
端末装置18は、通信中、PHSシステム12およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1701)。
【0272】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1702)、端末装置18は、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1720)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0273】
なお、無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。
【0274】
その後、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1703)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1704)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。その後、端末装置18は、PHS送受信部1813を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0275】
端末装置18は、PHSシステム12による通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とする(ステップS1721)。
【0276】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、ホットスポット13のアクセスポイント24にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1705)。
【0277】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1706,S1707)。
【0278】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1708,S1709)。
【0279】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS1722)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS1710,S1711)。
【0280】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS1712,S1713)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1714,S1715)。なお、切り替え前に使用していたネットワークアドレスが使用可能である場合には、端末装置18は、ISPサーバ22からのネットワークアドレスの付与を受ける必要は特にない。
【0281】
このように、切り替え後の通信方式であるホットスポット13による通信路が確立されたことで、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信路が確立される(ステップS1716)。
【0282】
そして、端末装置18は、通信方式の切り替え後の通信路が確立されると、保留状態とした通信を再開する(ステップS1723)。
【0283】
このようにして、端末装置18の通信方式が、PHSシステム12による通信からホットスポット13による通信へ切り替えられる。
【0284】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、切り替え後の通信方式の選択(ステップS1720)は、切断の応答の後に行うようにしてもよい。また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1721)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。
【0285】
また、第18図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0286】
次に、端末装置18の通信方式を、モデム14による通信からホットスポット13による通信へ切り替える場合について説明する。第19図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるモデム14による通信からホットスポット13による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0287】
端末装置18は、通信中、モデム14およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1801)。
【0288】
その状態で、例えば所定の回数の送信要求のタイムアウトが発生すると(ステップS1802,S1803)、端末装置18は、モデム14との通信路を切断する(ステップS1804)。一方、ISPサーバ22も、端末装置18からの応答がなくなるため、通信路を切断する(ステップS1805)。
【0289】
端末装置18は、モデム14との通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とした後、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1820,S1821)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0290】
端末装置18では、通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信である旨、および選択した通信手段がホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0291】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。
【0292】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、ホットスポット13のアクセスポイント24にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1806)。
【0293】
これ以降のホットスポット13による通信路を確立し通信を再開するための処理(ステップS1807〜S1817,S1823)については、第18図におけるステップS1706〜S1716,S1723の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0294】
このようにして、端末装置18の通信方式が、モデム14による通信からホットスポット13による通信へ切り替えられる。
【0295】
なお、第19図では、データの送受における障害に起因して切り替えが行われるが、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0296】
また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1820)および/または切り替え後の通信方式の選択(ステップS1821)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。また、通信の保留(ステップS1820)と切り替え後の通信方式の選択(ステップS1821)の順番を逆にしてもよい。
【0297】
なお、上記実施の形態4において、ISPサーバ22は、端末装置18がISPサーバ22を介して通信を行うたびに、その通信に対する通信料の課金を行い、端末装置18ごとの課金データを課金DB2206に蓄積する。その際、ISPサーバ22は、通信の切断があると、その時点までの通信料の課金を行う。さらに、ISPサーバ22は、端末装置18が次の通信路を確立するためにいずれかの中継装置にアクセスした際の通信料を、認証の結果に拘わらず課金する。ある通信方式において認証に失敗した後に、別の通信方式において認証に成功した場合には、両方の認証に要した通信に対する通信料が課金される。さらに、ISPサーバ22は、端末装置18が次の通信路を確立した時点からその通信路における通信が終了するまでの通信料を課金する。このようにして、切り替え前の通信、切り替え後の通信路の確立時の通信、および切り替え後の通信の3つの区分に対して課金処理が行われる。
【0298】
なお、上記実施の形態4では、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信の場合について述べたが、端末装置18と、本通信システムの中継装置にアクセスしている別の端末装置18との通信の場合でも同様に通信方式の切り替えが可能である。
【0299】
以上のようにして、上記実施の形態4によれば、端末装置18は、その端末装置18と中継装置との通信路が切断されると、切断前の通信を保留させた状態で別の通信方式の中継装置との通信路を確立し、保留させた通信を、確立した通信路を介して再開する。これにより、通信方式の切り替えの前後で、通信の整合性を確保することができる。
【0300】
さらに、上記実施の形態4によれば、ISPサーバ22は、端末装置18が接続する中継装置が切り替えられると、切り替え前に使用した通信方式の通信路に関する通信料、切り替え後の通信路の確立のための通信に対する通信料、および切り替え後に使用した通信方式の通信路に関する通信料を、別々に課金処理する。これにより、各通信方式に応じて適切に通信料を課金することができる。
【0301】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0302】
例えば、上記各実施の形態では、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14が同一のISPサーバ22に接続されているが、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14のそれぞれに対してISPサーバ22と同一のサーバを設けるようにしてもよい。その場合には、それらのサーバが、互いに所定の伝送路で接続され、ユーザの識別情報、端末装置18の接続状態の情報などを共有したり、必要に応じて送受したりする。その場合においても、ユーザの識別情報、端末装置18の接続状態の情報などを共有したり、必要に応じて送受したりすることで、実施の形態4に示すような通信方式の切り替えが可能となる。また、上記実施の形態2のように複数の通信システムがコンピュータネットワーク21、PHS交換局27の網などを介して接続されている場合にも、同様にして、実施の形態4に示すような通信方式の切り替えが可能である。
【0303】
また、上記各実施の形態においては、モデム14として、無線通信機能を有するモデムを使用しているが、その代わりに、無線LANのアクセスポイントと、そのアクセスポイントに有線LANまたは無線LANを介して接続されるモデムを使用するようにしてもよい。
【0304】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の通信方式を利用して、通信の種別方式、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置を使用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1における端末装置内の制御系を説明するブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るISPサーバの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、PHSシステムの音声通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図8】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、PHSシステムのデータ通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図9】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、モデムによるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図10】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、ホットスポットによるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図11】実施の形態3に係る通信システムにおいて、通信装置からの端末装置宛のデータが発生した場合に、PHSシステムのデータ通信サービスを使用して、端末装置によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図12】実施の形態3に係る通信システムにおいて、通信装置からの端末装置宛のデータが発生した場合に、モデムによるデータ通信を使用して、端末装置によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図13】実施の形態3に係る通信システムにおいて、通信装置からの端末装置宛のデータが発生した場合に、ホットスポットによるデータ通信を使用して、端末装置によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図14】実施の形態4に係る通信システムにおけるモデムによる通信からPHSシステムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図15】実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポットによる通信からPHSシステムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図16】実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステムによる通信からモデムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図17】実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポットによる通信からモデムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図18】実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステムによる通信からホットスポットによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図19】実施の形態4に係る通信システムにおけるモデムによる通信からホットスポットによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末装置をコンピュータネットワークなどに接続する通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の移動体通信に関する需要は大きく増大しており、この目的も音声通信からデータ通信等に広がっている。
【0003】
従来、複数の通信方式に対応した複合型の移動体端末装置としては、PHS(Personal Handyphone System)とPDC(Personal Digital Cellular)の2つの通信方式に対応した複合端末であるドッチーモ(商標)や、ブルーツース(商標)や無線LANのインタフェースを備えた携帯電話等が知られている。
【0004】
また、従来の複合型端末装置では、各通信手段によって接続すべき制御サーバが異なっていたため、例えば従来の複合型端末装置に対する通信を実行するためには、ユーザが、いずれかの通信手段を選択して、その通信手段に対応するサーバの電話番号、インターネットアドレス等を指定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の複合型端末装置は、複数の通信手段を有しているものの、基本的に個々の通信手段が本来の機能に基づいて動作するだけであり、複数の通信手段を有していても、ユーザの利便性は、単に複数の通信手段が1つの装置に内蔵されたことによる利便性に過ぎないものである。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数の通信方式を利用して、通信方式の種別、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置を使用することを可能にする通信システムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信システムは、端末装置、複数の中継装置、およびサーバ装置を備える。その端末装置は、コンピュータネットワークまたは電話網との通信に係る制御情報をページャ信号として受信するページャ受信部と、所定の複数の通信方式で通信可能な複数の通信手段と、複数の通信手段のうちのいずれかの通信手段を選択する通信手段選択部と、制御情報に基づいて、通信手段および/または通信手段選択部を制御する制御部とを有する。その複数の中継装置は、複数の通信方式のうちのいずれかの通信方式で端末装置の通信をそれぞれ中継する。そのサーバ装置は、所定の伝送路を介して中継装置に接続され、中継装置を介してアクセスしてくる端末装置とコンピュータネットワークまたは電話網との間の通信を制御するとともに、端末装置へ制御情報を送信する。
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。この通信システムにおける複数の通信方式のうちの少なくとも1つは、セル方式の移動体電話通信システムである。そして、サーバ装置は、その移動体電話通信システムから端末装置の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置へ、その端末装置の位置の周辺エリアで利用可能な通信方式を示す情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により、利用可能な通信方式を示す情報を取得し、通信手段選択部によりその情報に基づいて通信手段を選択する。
【0008】
これにより、複数の通信方式を利用して、通信方式の種別、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置を使用することができる。さらに、端末装置と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。
【0009】
さらに、本発明の通信システムは、上記発明の通信システムに加え、複数の中継装置として、少なくとも、移動体電話システムの無線基地局、ホットスポットのアクセスポイント、並びに家庭内および/またはオフィス内のモデムのいずれかを使用する。
これにより、ユーザの日常生活における大部分の状況下で、自己の状況を意識することなく、ユーザが端末装置を使用することができる。
【0010】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、端末装置が、複数の通信方式に対して固有かつ単一の識別情報を有するものである。
これにより、どの通信方式を使用していても、端末装置を一意に特定することができる。また、コンピュータネットワークへの接続のための設定(ID、パスワード、各種サーバの指定など)を通信方式に応じて変更する必要がなくなる。
【0011】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、コンピュータネットワークまたは電話網を介して他の通信装置から端末装置宛の呼および/またはデータを受信すると、その呼および/またはデータの着信要求を、ページャシステムを介して端末装置へ送信する。端末装置は、ページャ受信部によりその呼および/またはデータの着信要求を受信すると、通信手段選択部によりいずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、端末装置と中継装置との通信路を確立させ、その端末装置宛の呼および/またはデータを、その端末装置へ到達させることができる。
【0012】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、着信要求とともに、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により閉塞情報を受信すると、その閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を特定し、通信手段選択部により、利用可能な通信方式のうちのいずれかの通信方式に対応する通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、障害のある通信方式を回避して端末装置と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0013】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、着信要求とともに、端末装置宛の呼および/またはデータの種別情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により種別情報を受信すると、通信手段選択部によりその種別情報に応じていずれかの通信方式に対応する通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、サーバ装置により受信された呼および/またはデータの種別に適した通信路を端末装置と中継装置との間で確立させることができる。
【0014】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、端末装置に次の機能を有する。端末装置は、ページャ受信部により着信要求を受信すると、通信手段選択部によりいずれかの通信手段を選択し、選択した通信手段を起動し、起動後にその通信手段により中継装置との通信路を確立する。
これにより、通信に使用していない通信手段の電子回路の電源をオフ状態または省電力状態としておくことができ、端末装置を省電力化することができる。
【0015】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置へ送信する。端末装置は、ページャ受信部により閉塞情報を受信し、通信手段選択部によりその閉塞情報に基づいて通信手段を選択する。
これにより、障害のある通信方式を回避して端末装置と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0016】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置および端末装置に次の機能を有する。サーバ装置は、その移動体電話通信システムから端末装置の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置へその端末装置の位置の周辺エリアに関する複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信する。端末装置は、ページャ受信部により閉塞情報を受信し、通信手段選択部によりその閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を選択する。
これにより、端末装置と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。また、周辺エリアについての閉塞情報のみを送信するため、ページャシステムで端末装置へ送信するデータの量を少なくすることができる。
【0017】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、端末装置に次の機能を有する。端末装置は、その端末装置と中継装置との通信路が切断されると、切断前の通信を保留させた状態で別の通信方式の中継装置との通信路を確立し、保留させた通信を、確立した通信路を介して再開する。
これにより、通信方式の切り替えの前後で、通信の整合性を確保することができる。
【0018】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置に次の機能を有する。サーバ装置は、端末装置が接続する中継装置が切り替えられると、切り替え前に使用した通信方式の通信路に関する通信料、切り替え後の通信路の確立のための通信に対する通信料、および切り替え後に使用した通信方式の通信路に関する通信料を、別々に課金処理する。
これにより、各通信方式に応じて適切に通信料を課金することができる。
【0019】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、サーバ装置に登録されたユーザ以外の外部ユーザに関する識別情報を保存し、サーバ装置により認証されなかった外部ユーザについての認証処理を行う認証サーバを備える。そして、サーバ装置は、その認証サーバにより認証された外部ユーザを、自己に登録されたユーザと同様に認証する。
これにより、複数の事業者が複数の通信システムを運営している環境でも、認証サーバに登録されていれば、ユーザは、それらの複数の事業者と通信サービスの契約を結ぶことなく、より広い範囲で通信サービスを享受することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
実施の形態1.
第1図は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略を示すブロック図である。この通信システムは、複数の通信方式に係る設備として、ユーザの端末装置18が移動中であっても無線通信可能な移動体通信システムであるPHSシステム12、ユーザの端末装置18が街角などの屋外や公共施設内でほぼ停止している際に無線通信可能な無線LANのホットスポット13、およびユーザの端末装置18が家庭内やオフィス内などの特定の場所で無線通信可能な無線通信機能を有するADSL(Asymmetrical Digital Subscriber Line)モデムといったモデム14を有する。
【0022】
なお、PHSシステム12は、セル方式の移動体通信システムであり、一定のエリア内に存在する端末装置に音声通話サービスおよびデータ通信サービスを提供する。また、ホットスポット13は、街角などの屋外や公共施設内に設置された無線LANのアクセスポイント付近のエリアである。
【0023】
ユーザの端末装置18は、複数の通信方式に共通の単一の識別子(電話番号、IPアドレスまたはそれに準じたもの)を有する携帯可能な通信装置であって、PHSシステム12、無線LANによる通信を提供するホットスポット13、および無線LAN機能を有するモデム14とそれぞれ通信可能な複数の通信手段を有し、その状態、目的等に応じて適切な通信手段を選択する。すなわち、移動中か否か、電波状態、アプリケーションの種類などに応じて上述のPHSシステム12による移動体通信、ホットスポット13による無線通信、および無線通信機能を有するモデム14による無線通信といった複数の通信方式のいずれかが選択され、選択された通信方式に対応する通信手段が選択される。
【0024】
すなわち、端末装置18は、移動中であればPHSを介して通信し、街角にいる際にはホットスポット13を介して通信し、家庭内やオフィス内ではモデム14を介して通信する。
【0025】
一般的に、PHSシステム12は、32Kbpsないし64Kbpsの通信速度のデータ通信を提供し、ホットスポット13は、2Mbps程度の通信速度のデータ通信を提供し、モデム14は、8Mbps程度の通信速度のデータ通信を提供する。したがって、各通信方式について単独方式の機器を使用する場合と比較して、端末装置18では、通信の種別や現在位置に応じた最適な通信手段が選択される。
【0026】
また、発信者が端末装置18に対して呼やデータを送信すると、その呼やデータが、端末装置18とコンピュータネットワークまたは電話網との間の通信を制御するサーバ装置10に到達する。サーバ装置10は、その呼やデータの受信があった旨を端末装置18にページャ信号11により通知する。その後に、端末装置18は、利用可能な、かつ最適な通信方式を選択し、選択した通信方式でPHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14のいずれかに接続する。そして、発信者と端末装置18との通信が確立されたり、発信者からのデータが端末装置18により受信される。
【0027】
第2図は、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。第2図において、ISPサーバ22は、光ファイバ網23、メタル回線網25、PHS交換局27の網などの所定の伝送路を介してホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14、PHS基地局28などの中継装置に接続され、その中継装置を介して接続してくる端末装置18と、インターネットなどのコンピュータネットワーク21、またはPHSシステム12や公衆電話回線網210などの電話網との間の通信を制御するサーバ装置である。なお、第2図のISPサーバ22は、第1図におけるサーバ装置10に相当する。
【0028】
光ファイバ網23は、ISPサーバ22および複数のホットスポット13のアクセスポイント24に接続され、データ通信、音声通信等を行なう基幹線である。
【0029】
ホットスポット13を形成するためのアクセスポイント24は、街角、公共機関、カフェなどに設置され、光ファイバ網23に接続された無線LANの中継装置であり、無線LANに基づく無線通信により端末装置18のアクセスを受ける。なお、アクセスポイント24の通信範囲は、見通し距離で半径約80m程度しかないため、通常、ホットスポット13は、第2図に示すように複数設置される。
【0030】
なお、第2図においては、ホットスポット13のための基幹線として光ファイバ網23を使用しているが、その代わりにメタル回線網を使用してもよいし、メタル回線網25の網を利用してもよい。
【0031】
メタル回線網25は、ISPサーバ22とモデム14に接続され、データ通信、音声通信等を行なう基幹線である。このメタル回線網25は、例えば、電話局から家庭、オフィスなどまでに敷設された金属電話線を含む。
【0032】
モデム14は、各家庭内、オフィス内に設置され、メタル回線網25に接続された中継装置であり、端末装置18のアクセスを受ける。モデム14は、各家庭内、オフィス内に設置されるため、通常、第2図に示すように複数設置される。
【0033】
なお、第2図においては、モデム14のための基幹線としてメタル回線網25を使用しているが、その代わりに光ファイバ網を使用してもよいし、光ファイバ網23を利用してもよい。
【0034】
PHS交換局27は、PHSシステム12における回線交換を行なう交換局であり、各セルを形成するためのPHS基地局28に接続される。また、PHS交換局27は、ISPサーバ22、および一般電話網の交換局である公衆回線交換局29と接続される。PHS交換局27は、PHS基地局28にアクセスした端末装置18のための通信路を、その目的に応じてISPサーバ22、PHS基地局28または公衆回線交換局29に接続する。
【0035】
すなわち、端末装置18のための通信路は、音声通信、かつ他のPHS端末に対する通信の場合はPHS基地局28に接続され、音声通信でありPHS以外の他の電話装置(例えば固定電話、携帯電話等)に対する通信の場合は公衆回線交換局29に接続され、データ通信の場合はISPサーバ22に接続される。
【0036】
なお、本発明の実施の形態1においては、移動体通信方式としてPHSシステム12を使用しているが、その代わりにPDCシステムやW−CDMA(Wideband - Code Division Multiple Access)システム等の携帯電話システムを使用するようにしてもよい。また、複数のPHS基地局28が、サービスエリア内の複数のセルに対応して配置される。
【0037】
ページャ制御局211は、ページャシステムにおける発信制御を行なう制御局である。ページャ制御局211は、ISPサーバ22および公衆回線交換局29に接続されており、ページャ基地局212を介して端末装置18に対して制御信号や各種通知を発信する。
【0038】
なお、第2図では、ページャ基地局212を代表的に1つだけ示したが、複数のページャ基地局212が、サービスエリアに応じて適宜配置される。
【0039】
第3図は、本発明の実施の形態1に係る端末装置18の構成を示すブロック図である。第3図において、アンテナ共用部189は、ページャ信号を受信し、無線LANユニット1812とホットスポット24、モデム26との間で信号の送受信を行なったり、PHS送受信部1813とPHS基地局212との間で送受信を行なうアンテナ共用部である。アンテナ共用部189は、高周波変換および電波信号の発信、着信を行なうが、この構成については詳説しない。
【0040】
なお、本実施の形態1においては、それぞれの通信手段に共通のアンテナ共用部189を設けているが、それぞれの通信手段は一般的に異なる周波数帯域を使用するため、これに適合した複数のアンテナ部を設けてもよい。
【0041】
通信部181は、アンテナ共用部189と制御部182とに接続され、制御部182から供給されたデータ信号を高周波信号に変換しアンテナ共用部189に供給し、アンテナ共用部189から供給された高周波信号をデータ信号に変換して制御部182に供給するモデム機能を有する。
【0042】
通信部181は、ページャ受信部1811、無線LANユニット1812、PHS送受信部1813、通信処理部1814、通信手段選択部1815および記憶部1816を有し、これらの各機能ブロックを第1バス1817で接続している。
【0043】
ページャ受信部1811は、ページャ信号を受信する回路である。無線LANユニット1812は、ホットスポット13のアクセスポイント24およびモデム14と通信する通信手段として機能する回路である。PHS送受信部1813は、PHS基地局28と通信する通信手段として機能する回路である。通信処理部1814は、無線LANユニット1812およびPHS送受信部1813といった通信手段を制御する機能を有する回路である。通信手段選択部1815は、各種情報に基づいて、無線LANユニット1812およびPHS送受信部1813から、通信に使用する通信手段を選択する機能を有する回路である。記憶部1816は、通信に係る各種設定情報を記憶する、半導体メモリ、磁気記録媒体などといった回路または装置である。
【0044】
制御部182は、コンピュータにより端末装置18の内部回路を制御する回路群である。制御部182は、マイクロプロセシングユニット(MPU)等で構成される処理部1821、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトウェア等のプログラムやそのプログラムで使用されるデータを一時的に記憶するRAM1822、処理結果などを電気的に記憶する不揮発性のEEPROM1823、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ等で構成される記憶部1824、これらを互いに接続する第2バス1825を有する。通信部181の第1バス1817と制御部182の第2バス1825は、互いに接続され、制御部182と通信部181との間でデータが適宜授受される。
【0045】
表示部183は、制御部182の第2バス1825に接続され、演算結果やメッセージ等を表示する表示部である。
【0046】
入力部184は、制御部182の第2バス1825に接続され、ユーザの各種操作の入力を行なうキーボード、テンキー等の入力部である。
【0047】
外部I/F185は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)スロット、USB(Universal Serial Bus)その他の有線通信方式や、ブルーツース、IrDA(InfraRed Data Association)等の無線通信方式で外部機器とのデータ通信を実行するインタフェース回路である。
【0048】
マイクロフォン186は、利用者の音声を電気信号に変換する装置である。なお、マイクロフォン186と第2バス1825との間には、図示せぬA/D変換器が設けられ、アナログ音声信号がデジタル音声信号に変換される。
【0049】
スピーカ187は、制御部182などの音声処理による電気信号やその他の音声に係る電気信号を音声に変換する装置である。なお、スピーカ187と第2バス1825との間には、図示せぬD/A変換器が設けられ、デジタル音声信号がアナログ音声信号に変換される。
【0050】
電源供給部186は、通信部181の第1バス1817、制御部182の第2バス1825を介して通信部181および制御部182の各部に対して電力を供給する電池等の電源部である。
【0051】
なお、端末装置18の構成はこれに限定されるものではなく、例えば通信部181と制御部182を単一のユニットとして構成してもよく、また、この端末装置18が実行するアプリケーションに応じて別の機能を追加したり、例えばマイクロフォン186、スピーカ187等の機能ブロックの一部をなくしてもよい。
【0052】
また、アンテナ共用部189と通信部181を、制御部182、表示部183、入力部184、外部I/F部185、マイクロフォン186、スピーカ187等とは別個の装置として構成し、通信部181および制御部182に、互いに接続するためのインタフェース部をそれぞれ設けて、両者を接続するようにしてもよい。また、通信部181にインターフェース部を設けて、そのインターフェース部と外部I/F185と接続するように構成してもよい。
【0053】
また、通信手段選択部1815、記憶部1816等の通信部181の一部の構成を、通信部181の代わりに、制御部182において実現してもよい。
【0054】
第4図は、実施の形態1における端末装置18内の制御系を説明するブロック図である。端末装置18の制御系は、ページャ信号受信制御部501、着信種別判定部502、通信処理制御部503、通信制御部504、メッセージ制御部505、無線LAN通信制御部506、およびネットワーク通信制御部507を有する。この制御系は、第3図における制御部182により実現される。
【0055】
第4図において、ページャ受信制御部501は、ページャ受信部1811により受信された、この端末装置18内の処理を指示する制御信号や、呼やデータなどの受信に係る通知などを取得する部分である。
【0056】
また、接続先選択部502は、ページャ受信制御部501により取得された情報(音声通信の呼か、データ通信のデータかなど)に基づいて通信方式、すなわち接続先である中継装置の種別を選択し、音声通信かデータ通信かなどを示す通信種別および接続先の中継装置の種別を通信処理制御部503に通知する部分である。
【0057】
また、通信処理制御部503は、接続先選択部502により通知された接続先の種別に対応する通信方式の制御を行う通信制御部504、無線LAN通信制御部506およびネットワーク通信制御部507のいずれかに通信路確立を指示する部分である。
【0058】
また、通信制御部504は、通信処理部1814を制御して、PHS送受信部1813によりPHS基地局28との通信路を確立させる部分である。
【0059】
また、無線LAN通信制御部506は、通信処理部1814を制御して、無線LANユニット1812によりホットスポット13のアクセスポイント24との通信路を確立させる部分である。
【0060】
また、ネットワーク通信制御部507は、通信処理部1814を制御して、無線LANユニット1812によりモデム14との通信路を確立させる部分である。
【0061】
また、メッセージ制御部505は、通信路を確立する際に実行される認証手順などにおいて、通信制御部504,506,507による要求に応じて、ISPサーバ22による認証のために必要な識別情報などを出力する部分である。
【0062】
第5図は、本発明の実施の形態1に係るISPサーバ22の構成を示すブロック図である。第5図において、通信部2201は、光ファイバ網23を介して各ホットスポット13のアクセスポイント24に接続され、データ通信を行う通信機器である。通信部2202は、メタル回線網25を介して各モデム14に接続され、データ通信を行う通信機器である。PHS通信部2203は、PHSシステム12に接続され、PHS交換局27の網を介してPHS基地局28に接続され、音声通信またはデータ通信を行う通信機器である。ネットワーク通信部2204は、コンピュータネットワーク21に接続され、IP(Internet Protocol)などの各種プロトコルに従ってデータ通信を行う通信機器である。
【0063】
また、ユーザDB2205は、このISPサーバ22の事業者との間で通信サービスについての契約を有するユーザの識別情報およびユーザに関連するその他の情報を有するデータベースである。課金DB2206は、各ユーザに対する課金の情報、課金の累積の情報などを有するデータベースである。閉塞情報DB2207は、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置(ホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14、PHS基地局28など)および/または伝送路(光ファイバ網23、メタル回線網25、PHS交換局27網など)での障害の有無を示す閉塞情報を有するデータベースである。
【0064】
また、ページャ通信部2208は、ページャ制御局211と通信を行う通信機器である。
【0065】
また、内部通信路2209は、通信部2201、通信部2202、PHS通信部2203およびネットワーク通信部2204を互いに接続する通信路である。
【0066】
また、制御部2211は、ユーザまたはそのユーザの端末装置18の認証、通信部2201、通信部2202およびPHS通信部2203のいずれかと、ネットワーク通信部2204との間の通信路の制御、ページャシステムによる端末装置18への制御情報の送信、課金処理などを実行する処理装置である。
【0067】
次に、端末装置18がコンピュータネットワーク21に接続する際の処理について説明する。
【0068】
端末装置18がコンピュータネットワーク21に接続する際、通信手段選択部1815は、まず端末装置18の現在の所在地において利用可能な通信サービスの検索を行なう。その際、例えば、PHS送受信部1813が、アンテナ共用部182により受信した電波信号を復調して、PHS信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を取得したり、無線LANユニット1812が、ホットスポット13のアクセスポイント24および/またはモデム14との接続可能性を判定したりする。
【0069】
PHS送受信部1813、無線LANユニット1812などといった通信手段の接続可能性の情報は、制御部182に供給される。
【0070】
そして、制御部182は、例えば、その情報を表示部183に表示させ、入力部184に対する、通信手段の選択のための操作を受け付ける。
【0071】
通信手段選択部1815は、各通信手段の接続可能性の情報、および、制御部182から供給された通信の目的(アプリケーションの種類、通信方式の種別など)の情報に応じて、所定の選択ルールに従い、あるいは制御部182から供給されたユーザの操作の情報に従い、利用する通信方式、すなわち、接続すべき通信手段を選択する。通信処理部1814は、通信手段選択部1815により選択された通信方式に対応する無線LANユニット1812またはPHS送受信部1813により、ホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14およびPHS基地局28のいずれかとの間で通信を確立する。
【0072】
なお、通信手段選択部1815による通信手段の選択のためのルールとしては、固定選択ルール、優先選択ルールなどがある。例えばメニューなどでこれらのルールを示す項目を表示し、ユーザによる操作に応じて通信手段選択部1815によりいずれかのルールが予め選択される。
【0073】
固定選択ルールが適用される場合には、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14などの複数の通信方式(すなわち、接続先)のいずれかが予め選択される。なお、PHSシステム12については、音声通信用の公衆電話回線網、およびコンピュータネットワーク21に接続されたデータ通信用のサーバ(この実施の形態1ではISPサーバ22)が、接続先として存在する。
【0074】
上述の通信方式は、例えば、メニュー表示された複数の接続先の項目からユーザの操作に応じて選択される。
【0075】
また、優先選択ルールが適用される場合には、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14などの複数の通信方式(すなわち、接続先)のそれぞれに対して優先順位が予め設定される。各通信方式の優先順位は、例えば、メニュー表示された複数の通信方式の項目からユーザの操作に応じて設定される。
【0076】
さらに、優先選択ルールが適用される場合には、優先的に選択する通信方式を決定するための複数のモードがあり、それらのいずれかが予め設定される。優先選択ルールのモードには、優先順位モード、前回接続先優先モードなどがある。このモードは、例えば、メニュー表示された複数のモードの項目からユーザの操作に応じて選択される。
【0077】
優先順位モードの場合、まず、予め設定されている優先順位の高い通信方式が選択され、その接続先が利用できない場合には、次に優先順位の高い通信方式が選択される。以下同様に、優先順位が高いものから順番に、利用可能な接続先が見つかるまで、接続が試みられる。なお、優先順位モードの場合において、優先順位の低い通信方式から順番に、接続を試みるようにしてもよい。
【0078】
一方、前回接続先優先モードの場合には、まず、前回使用された通信方式が選択され、前回の通信方式が利用できない場合には、優先順位が高いものから順番に、利用可能な接続先が見つかるまで、接続が試みられる。
【0079】
なお、優先順位に従って通信方式を選択する際には、常に優先順位が高いものを選択するようにする代わりに、端末装置18は、前回使用した、あるいは前回接続を試みた通信方式の次に優先順位の高いものから順番に、接続を試みるようにしてもよい。その場合、最も優先順位が低いものの次に、最も優先順位が高いものに対して、接続が試みられる。これらの接続先の検索についても、例えば、メニュー表示された項目からユーザの操作に応じて選択される。
【0080】
なお、固定選択ルールおよび優先選択ルールのいずれが選択されているか、前回選択された通信方式、優先選択ルールにおける通信方式の優先順位のリストなどの設定情報は、記憶部1816に記憶される。そして、その設定情報は通信手段選択部1815により読み出され、その設定情報に基づいて通信方式が決定され、その通信方式の接続先である中継装置が選択される。
【0081】
上述のようにして、端末装置18といずれかの中継装置(PHSシステム12のPHS基地局28、ホットスポット13のアクセスポイント24およびモデム14のいずれか)との通信路が確立された後、端末装置18は、その中継装置を介して、固有の識別情報をISPサーバ22に送信する。
【0082】
そして、ISPサーバ22は、その識別情報を受信すると、ユーザDB2205を参照して、その端末装置18(すなわちユーザ)が登録されているか否かを判断し、その端末装置18(すなわちユーザ)が登録されている場合には、その端末装置18(すなわちユーザ)を認証する。
【0083】
ISPサーバ22は、その認証処理の結果を、その中継装置を介して端末装置18に送信する。さらに、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、IPアドレスなどのネットワークアドレスを割当て、そのネットワークアドレスをその端末装置18に通知する。
【0084】
これにより、端末装置18は、その中継装置、所定の伝送路およびISPサーバ22を介して、コンピュータネットワーク21に接続される。
【0085】
なお、上記実施の形態1において、ISPサーバ22は、閉塞情報DB2207に保存されている閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置18に提供し、端末装置18は、その閉塞情報に基づいて通信手段を選択するようにしてもよい。その場合、端末装置18の通信手段選択部1815は、各通信手段の接続可能性の情報、および、制御部182から供給された通信の目的(アプリケーションの種別など)の情報に加えて、その閉塞情報に基づいて、利用する通信方式、すなわち、接続すべき通信手段を選択する。さらに、その場合、ISPサーバ22は、PHSシステム12の図示せぬ管理サーバから、その端末装置18の位置登録情報を取得してその端末装置18の位置を特定し、その位置の周辺エリア(例えば、所定の距離の範囲内、あるいはその位置を含むセル内)のみの閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置18に提供し、端末装置18は、その閉塞情報に基づいて通信手段を選択するようにしてもよい。その場合には、ISPサーバ22は、閉塞情報DB2207から、そのエリアに関する閉塞情報を抽出する。
【0086】
また、上記実施の形態1において、ISPサーバ22は、PHSシステム12の図示せぬ管理サーバから、その端末装置18の位置登録情報を取得してその端末装置18の位置を特定し、その位置の周辺エリア(例えば、所定の距離の範囲内、あるいはその位置を含むセル内)で利用可能な通信方式を示す情報を、ページャシステムを介して端末装置18に提供し、端末装置18は、その情報に基づいて通信手段を選択するようにしてもよい。その場合には、ISPサーバ22に、各地点での利用可能な通信方式を示す情報を集約したデータベースを設け、ISPサーバ22は、そのデータベースから、そのエリアに関する情報を抽出する。
【0087】
さらに、上記実施の形態1において、ISPサーバ22は、端末装置18がISPサーバ22を介して通信を行うたびに、その通信に対する通信料の課金を行い、端末装置18ごとの課金データを課金DB2206に蓄積する。
【0088】
以上のように、上記実施の形態1によれば、端末装置18は、コンピュータネットワーク21または電話網(PHSシステム12、公衆電話回線網210など)との通信に係る制御情報をページャ信号として受信するページャ受信部1811と、所定の複数の通信方式で通信可能な複数の通信手段(無線LANユニット1812,PHS送受信部1813)と、複数の通信手段のうちのいずれかの通信手段を選択する通信手段選択部1815と、制御情報に基づいて、通信手段および/または通信手段選択部1815を制御する制御部182とを有する。複数の中継装置(ホットスポット13のアクセスポイント24,モデム14,PHS基地局28)は、複数の通信方式のうちのいずれかの通信方式で端末装置18の通信を中継する。ISPサーバ22は、所定の伝送路を介して中継装置に接続され、中継装置を介してアクセスしてくる端末装置18とコンピュータネットワーク21または電話網との間の通信を制御するとともに、端末装置18へ制御情報を送信する。これにより、複数の通信方式を利用して、通信方式の種別、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置18を使用することができる。
【0089】
さらに、上記実施の形態1によれば、複数の中継装置として、少なくとも、移動体電話システムの無線基地局(PHS基地局28)、ホットスポット13のアクセスポイント24、並びに家庭内および/またはオフィス内のモデム14が使用される。これにより、ユーザの日常生活における大部分の状況下で、自己の状況を意識することなく、ユーザが端末装置を使用することができる。
【0090】
さらに、上記実施の形態1によれば、端末装置18が、複数の通信方式に対して固有かつ単一の識別情報を有する。これにより、どの通信方式を使用していても、端末装置18を一意に特定することができる。また、コンピュータネットワーク21への接続のための設定(ID、パスワード、各種サーバの指定など)を通信方式に応じて変更する必要がなくなる。
【0091】
さらに、上記実施の形態1によれば、ISPサーバ22は、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を、ページャシステムを介して端末装置18へ送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により閉塞情報を受信し、通信手段選択部1815によりその閉塞情報に基づいて通信手段を選択する。これにより、障害のある通信方式を回避して端末装置18と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0092】
実施の形態2.
第6図は、本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。なお、第6図において、第2図と同一の構成部分については同一の符号を付す。
【0093】
第6図に示す通信システムおいて、ISPサーバ222は、ISPサーバ22Aとは異なる事業者により運営され、ホットスポット223のアクセスポイント224および第2光ファイバ網213を介してアクセスしてくる端末装置18と、コンピュータネットワーク21との通信路を確立するサーバ装置である。
【0094】
第2光ファイバ網213は、光ファイバ網23とは異なる事業者により運営され、ISPサーバ222を介してコンピュータネットワーク21に接続される基幹網である。
【0095】
認証サーバ216は、コンピュータネットワーク21に接続され、ISPサーバ22AとISPサーバ222(および/または第2光ファイバ網213)の運営者のいずれかとの間で通信サービスに係る契約を締結したユーザに関する識別情報(IDやパスワードなど)を保存し、ISPサーバ22AまたはISPサーバ222により認証されなかったユーザ(あるいは端末装置18)についての認証処理を行うサーバ装置である。
【0096】
ISPサーバ22Aは、実施の形態1におけるISPサーバ22と同様の構成を有し、さらに、ユーザ(すなわち、端末装置18)が認証されなかった場合に、認証サーバ216に認証要求を送信し、認証サーバ216による認証結果に応じてそのユーザを最終的に認証するか否かを判定する機能を有する。
【0097】
次に、端末装置18がコンピュータネットワーク21に接続する際の処理について説明する。
【0098】
ISPサーバ222(および/または第2光ファイバ網213)の運営者との間で契約したユーザの所有する端末装置18が、ホットスポット13のアクセスポイント24、モデム14およびPHS基地局28のいずれかのサービス範囲内で通信の要求を行なった場合、その端末装置18の認証要求が、まずISPサーバ22Aに送信される。
【0099】
ISPサーバ22Aは、その認証要求に基づいてその端末装置18の認証処理を行う。その結果、その端末装置18が認証されなかった場合、ISPサーバ22Aは、コンピュータネットワーク21を介して認証要求を認証サーバ216に供給する。この認証要求には、認証を要求する旨を示す情報、認証処理の対象となる端末装置18の識別情報が含まれる。
【0100】
認証サーバ216は、認証要求を受け取ると、予め保存しているユーザの識別情報(IDなど)に基づいて端末装置18についての認証処理をし、この認証結果をISPサーバ22Aに送信する。この認証結果において端末装置18が認証されている場合には、ISPサーバ22Aは、その端末装置18のユーザとISPサーバ22の運営者との直接の契約がなくても、すなわちISPサーバ22Aに登録されているユーザでなくても、端末装置18のコンピュータネットワーク21への接続を確立する。
【0101】
なお、その際の接続料金の課金情報は、各事業者によるISPサーバ222やISPサーバ22から認証サーバ216に供給され、認証サーバ216が、複数の契約事業者との間で通信料金の精算処理を実行する。
【0102】
一方、その認証結果で端末装置18が認証されていない場合には、ISPサーバ22Aは、その端末装置18のコンピュータネットワーク21への接続を拒絶する等の処理を行なう。
【0103】
なお、実施の形態2に係る通信システムにおけるその他の処理については、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0104】
以上のように、上記実施の形態2によれば、認証サーバ216は、ISPサーバ22Aに登録されたユーザ以外の外部ユーザに関する識別情報を保存し、ISPサーバ22Aにより認証されなかった外部ユーザについての認証処理を行う。そして、ISPサーバ22は、その認証サーバ216により認証された外部ユーザを、自己に登録されたユーザと同様に認証する。これにより、複数の事業者が複数の通信システムを運営している環境でも、認証サーバ216に登録されていれば、ユーザは、複数の事業者と通信サービスの契約を結ぶことなく、より広い範囲で通信サービスを享受することができる。
【0105】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る通信システムは、実施の形態1に係る通信システムにおいて、端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されていないときに発生した他の通信装置から端末装置18への呼やデータの着信を可能としたものである。
【0106】
なお、この実施の形態3に係る通信システムの基本的な構成は、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。ただし、ISPサーバ22や端末装置18の機能については、下記の機能が追加される。
【0107】
次に、実施の形態3に係る通信システムにおける端末装置18への呼やデータの着信について説明する。
【0108】
ISPサーバ22は、コンピュータネットワーク21またはPHS交換局27から特定の端末装置18への通信の要求を受信したときは、端末装置18に対してISPサーバ22に接続すべき要求信号を生成し、ページャ制御局211に供給する。ページャ制御局211は、ページャ基地局212を介してページャ信号としてその要求信号を送信する。その際、ISPサーバ22は、要求信号に、着信したデータの種別(例えば、音声通信の呼、電子メールのデータなど)の情報を付加する。さらに、ISPサーバ22は、その要求信号に、上述の閉塞情報を付加してもよい。
【0109】
端末装置18は、アンテナ共用部189によりそのページャ信号を含む電波を感受し、ページャ受信部1811によりそのページャ信号を受信し、通信処理部1814に供給する。
【0110】
通信処理部1814は、そのページャ信号がISPサーバ22に接続すべきとする要求信号であると判定した場合、その要求信号を制御部182に供給する。その際、制御部182は、要求信号を受信した旨を示す画像などを表示部183に表示させる。
【0111】
そして、その画像などを見たユーザが入力部184に所定の操作をすると、制御部182は、いずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置までの通信路を確立する。なお、通信手段の選択および通信路の確立については、実施の形態1において説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0112】
なお、使用していない通信手段の回路を、電源オフ状態または省電力状態としておき、制御部182は、選択した通信手段の回路のみを電源オン状態とするようにしてもよい。その場合、選択した通信手段による通信が終了した場合には、制御部182は、その通信手段の回路を再度電源オフ状態または省電力状態とする。
【0113】
これにより、例えば、交換局網を介した通常の音声通信や、コンピュータネットワーク210、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介したデータ通信上の音声通信(いわゆるネットワーク電話)の呼が、端末装置18により着信される。また、例えば、端末装置18宛ての電子メールがメールサーバ機能を有するISPサーバ22に到達した際に、直ちに、その電子メールが、端末装置18により着信される。
【0114】
次に、各通信手段を使用した場合の、呼またはデータの送信元である通信装置と端末装置18との通信路の確立のシーケンスについて詳細に説明する。
【0115】
まず、端末装置18が、音声通信の呼に対応して、PHSシステム12の音声通信サービスを使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、PHSシステム12、公衆電話回線網210などの交換局網を介して音声通信路が確立される。第7図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、PHSシステム12の音声通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0116】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、PHS交換局27または公衆回線交換局29が、その呼を受ける(ステップS601)。
【0117】
そのPHS交換局27または公衆回線交換局29は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップS602)。なお、この着信要求は、PHS交換局27または公衆回線交換局29からISPサーバ22を介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。
【0118】
ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS603)。
【0119】
なお、呼がページャ制御局211に到達する場合には、ページャ制御局211が、その呼に対応する着信要求を生成し、その着信要求を、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する。なお、この着信要求には、通信の種別が交換局を経由する音声通信であることを示す情報が含まれる。また、ISPサーバ22が、この着信要求を生成するようにしてもよい。
【0120】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS620)。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0121】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別が音声通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0122】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS604,S605)。
【0123】
そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS606,S607)。
【0124】
端末装置18がPHSシステム12への接続を完了すると、PHS交換局27は、PHS基地局28を介して、端末装置18に呼を送信する(ステップS608)。端末装置18は、その呼を受けると、発信元の通信装置へ向けて応答し(ステップS609,S610)、その通信装置との音声通信路を確立する(ステップS611)。
【0125】
このようにして、端末装置18は、音声通信の呼に対応して、PHSシステム12の音声通信サービスを使用して音声通信路を確立する。
【0126】
次に、端末装置18が、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、発信元がネットワーク電話機やパーソナルコンピュータなどといった通信装置と端末装置18との音声通信路がデータ通信上で確立される。第8図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0127】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、その呼を受ける(ステップS701)。
【0128】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ702)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、呼の種別(この場合、データ通信上の音声通信の呼である旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS703)。
【0129】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS720)。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0130】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0131】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS704,S705)。
【0132】
そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS706,S707)。その後、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、ISPサーバ22とのデータ通信用の通信路を確立する(ステップS708)。
【0133】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS709)。
【0134】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS710)。
【0135】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18を認証した場合には、その端末装置18にネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS711)。また、ISPサーバ22は、呼の発信元の通信装置のネットワークアドレスなどの情報を着信情報として端末装置18に通知する(ステップS712)。
【0136】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受け、その着信情報を受信すると、呼の発信元の通信装置へ応答し(ステップS713,S714)、その通信装置とのデータ通信を確立し、そのデータ通信上でVoIP(Voice Over IP)などの技術に基づいて音声通信路を確立する(ステップS715)。
【0137】
このようにして、端末装置18は、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して音声通信路を確立する。なお、交換局網を介して受けた呼についても、同様に、その呼に対応してPHSシステム12のデータ通信サービスを使用して音声通信路を確立することが可能である。
【0138】
なお、ここでは、音声通信を実現しているが、音声および映像を有するリアルタイム通信を実現することも勿論可能である。
【0139】
次に、端末装置18が、音声通信の呼に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、発信元がネットワーク電話機やパーソナルコンピュータなどといった通信装置と端末装置18との音声通信路がデータ通信上で確立される。第9図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、モデム14によるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0140】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、その呼を受ける(ステップS801)。
【0141】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ802)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、呼の種別(この場合、データ通信上の音声通信の呼である旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS803)。
【0142】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS830)。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0143】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がモデム14に対するデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0144】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。そして、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS804)。
【0145】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS805,S806)。
【0146】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS807,S808)。
【0147】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS831)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS809,S810)。
【0148】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS811,S812)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS813,S814)。また、ISPサーバ22は、呼の発信元の通信装置のネットワークアドレスなどの情報を着信情報として端末装置18に通知する(ステップS815,S816)。
【0149】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受け、その着信情報を受信すると、呼の発信元の通信装置へ応答し(ステップS817,S818,S819)、その通信装置とのデータ通信を確立し、そのデータ通信上でVoIPなどの技術に基づいて音声通信路を確立する(ステップS820)。
【0150】
このようにして、端末装置18は、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して音声通信路を確立する。なお、交換局網を介して受けた呼についても、同様に、その呼に対応してモデム14によるデータ通信を使用して音声通信路を確立することが可能である。
【0151】
なお、ここでは、音声通信を実現しているが、音声および映像を有するリアルタイム通信を実現することも勿論可能である。
【0152】
次に、端末装置18が、音声通信の呼に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。この場合、発信元がネットワーク電話機やパーソナルコンピュータなどといった通信装置と端末装置18との音声通信路がデータ通信上で確立される。第10図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信、すなわち電話の呼の送信元である図示せぬ通信装置と端末装置18との通信路を、ホットスポット13によるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0153】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けて呼を発信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、その呼を受ける(ステップS901)。
【0154】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ902)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、呼の種別(この場合、データ通信上の音声通信の呼である旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS903)。
【0155】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS930)。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0156】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がホットスポット13に対するデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0157】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。そして、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、ホットスポット13のアクセスポイント24にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS904)。
【0158】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、第9図の場合と同様にして、ISPサーバ22と端末装置18との間で認証のための通信が行われる(ステップS905〜S910)。
【0159】
また、端末装置18は、認証の通知を受信すると、第9図の場合と同様にして、ネットワークアドレスを付与される(ステップS911〜S914)。
【0160】
ISPサーバ22は、呼の発信元の通信装置のネットワークアドレスなどの情報を着信情報として端末装置18に通知する(ステップS915,S916)。
【0161】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受け、その着信情報を受信すると、呼の発信元の通信装置へ応答し(ステップS917〜S919)、その通信装置とのデータ通信を確立し、そのデータ通信上でVoIPなどの技術に基づいて音声通信路を確立する(ステップS920)。
【0162】
このようにして、端末装置18は、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかからのデータ通信を利用した呼に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して音声通信路を確立する。なお、交換局網を介して受けた呼についても、同様に、その呼に対応してホットスポット13によるデータ通信を使用して音声通信路を確立することが可能である。
【0163】
なお、ここでは、音声通信を実現しているが、音声および映像を有するリアルタイム通信を実現することも勿論可能である。
【0164】
次に、端末装置18が、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、PHSシステム12によるデータ通信サービスを使用して通信路を確立する場合について説明する。このようなデータとしては、例えば電子メールのデータがある。第11図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、図示せぬ通信装置からの端末装置18宛のデータが発生した場合に、PHSシステム12のデータ通信サービスを使用して、端末装置18によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0165】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けてデータを送信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、そのデータを受信する(ステップS1001)。その代わりに、図示せぬ他のサーバがそのデータを受信し、そのサーバがデータの受信をISPサーバ22に通知するようにしてもよい。
【0166】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ1002)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、通信の種別(この場合、データ通信により受信した非リアルタイムのデータである旨、例えば電子メールデータである旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS1003)。
【0167】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS1020)。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0168】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信上の音声通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0169】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS1004,S1005)。そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS1006,S1007)。
【0170】
その後、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、ISPサーバ22とのデータ通信用の通信路を確立する(ステップS1008)。
【0171】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1009)。
【0172】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1010)。
【0173】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18を認証した場合には、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1011)。
【0174】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受けると、データ受信要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1012)。
【0175】
ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からデータ受信要求を受信すると、データの受信(すなわち、ISPサーバ22などのサーバからのデータの取得)を許可する旨の承認通知をその端末装置18に送信する(ステップS1013)。
【0176】
端末装置18は、承認通知を受信すると、その端末装置18宛のデータをISPサーバ22などのサーバから取得する(ステップS1014)。
【0177】
このようにして、端末装置18は、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、PHSシステム12によるデータ通信サービスを使用して通信路を確立する。
【0178】
次に、端末装置18が、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。このようなデータとしては、例えば電子メールのデータがある。第12図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、図示せぬ通信装置からの端末装置18宛のデータが発生した場合に、モデム14によるデータ通信を使用して、端末装置18によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0179】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けてデータを送信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、そのデータを受信する(ステップS1101)。なお、図示せぬ他のサーバがそのデータを受信し、そのサーバがデータの受信をISPサーバ22に通知するようにしてもよい。
【0180】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ1102)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、通信の種別(この場合、データ通信により受信した非リアルタイムのデータである旨、例えば電子メールデータである旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS1103)。
【0181】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS1120)。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0182】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別が非リアルタイムのデータ通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0183】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。そして、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1104)。
【0184】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1105,S1106)。
【0185】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1107,S1108)。
【0186】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS1121)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS1109,S1110)。
【0187】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS1111,S1112)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1113,S1114)。
【0188】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受けると、データ受信要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1115,S1116)。
【0189】
ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からデータ受信要求を受信すると、データの受信(すなわち、ISPサーバ22などのサーバからのデータの取得)を許可する旨の承認通知をその端末装置18に送信する(ステップS1117,S1118)。
【0190】
端末装置18は、承認通知を受信すると、その端末装置18宛のデータをISPサーバ22などのサーバから取得する(ステップS1119)。
【0191】
このようにして、端末装置18は、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、モデム14によるデータ通信を使用して通信路を確立する。
【0192】
次に、端末装置18が、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して通信路を確立する場合について説明する。このようなデータとしては、例えば電子メールのデータがある。第13図は、実施の形態3に係る通信システムにおいて、図示せぬ通信装置からの端末装置18宛のデータが発生した場合に、ホットスポット13によるデータ通信を使用して、端末装置18によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【0193】
図示せぬ通信装置が端末装置18へ向けてデータを送信すると、コンピュータネットワーク21、光ファイバ網23およびメタル回線網25のいずれかを介して、ISPサーバ22が、そのデータを受信する(ステップS1201)。なお、図示せぬ他のサーバがそのデータを受信し、そのサーバがデータの受信をISPサーバ22に通知するようにしてもよい。
【0194】
ISPサーバ22は、ページャ制御局211に向けて、その呼の宛先である端末装置18についての着信要求を送信する(ステップ1202)。なお、この着信要求は、公衆電話回線網210などを介してページャ制御局211へ伝送されるようにしてもよい。また、この着信要求には、通信の種別(この場合、データ通信により受信した非リアルタイムのデータである旨、例えば電子メールデータである旨)の情報が付加される。ページャ制御局211は、その着信要求を受信すると、ページャ基地局212を介してその端末装置18に向けて送信する(ステップS1203)。
【0195】
端末装置18は、ページャ受信部1811によりその着信要求を受信する。その着信要求は、ページャ受信部1811から通信手段選択部1815へ供給される。通信手段選択部1815は、その着信要求を供給されると、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する(ステップS1220)。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0196】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別が非リアルタイムのデータ通信である旨、および選択した通信手段が無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0197】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、第12図の場合と同様にして、ISPサーバ22と端末装置18との間で認証のための通信が行われる(ステップS1205〜S1210)。
【0198】
また、端末装置18は、認証の通知を受信すると、第12図の場合と同様にして、ネットワークアドレスを付与される(ステップS1211〜S1214)。
【0199】
端末装置18は、ネットワークアドレスの付与を受けると、データ受信要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1215,S1216)。
【0200】
ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からデータ受信要求を受信すると、データの受信(すなわち、ISPサーバ22などのサーバからのデータの取得)を許可する旨の承認通知をその端末装置18に送信する(ステップS1217,S1218)。
【0201】
端末装置18は、承認通知を受信すると、その端末装置18宛のデータをISPサーバ22などのサーバから取得する(ステップS1219)。
【0202】
このようにして、端末装置18は、ISPサーバ22によるデータ受信に対応して、ホットスポット13によるデータ通信を使用して通信路を確立する。
【0203】
以上のようにして、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、コンピュータネットワーク21または電話網を介して他の通信装置から端末装置18宛の呼および/またはデータを受信すると、その呼および/またはデータの着信要求を、ページャシステムを介してその端末装置18へ送信する。その端末装置18は、ページャ受信部1811によりその呼および/またはデータの着信要求を受信すると、通信手段選択部1815によりいずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、端末装置18と中継装置との通信路を確立させ、その端末装置18宛の呼および/またはデータを、その端末装置18へ到達させることができる。
【0204】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、着信要求とともに、複数の通信方式の少なくとも1つについての中継装置および/または伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により閉塞情報を受信すると、通信手段選択部1815によりその閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を特定し、利用可能な通信方式のうちのいずれかに対応する通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、障害のある通信方式を回避して端末装置18と中継装置との通信路を確実に確立させることができる。
【0205】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、着信要求とともに、端末装置18宛の呼および/またはデータの種別情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により種別情報を受信すると、通信手段選択部1815によりその種別情報に応じていずれかの通信手段を選択し、その通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路が確立されていない場合であっても、ISPサーバ22により受信された呼および/またはデータの種別に適した通信路を端末装置18と中継装置との間で確立させることができる。
【0206】
さらに、上記実施の形態3によれば、端末装置18は、ページャ受信部1811により着信要求を受信すると、通信手段選択部1815によりいずれかの通信手段を選択し、選択した通信手段を起動し、起動後にその通信手段により中継装置との通信路を確立する。これにより、通信に使用していない通信手段の電子回路の電源をオフ状態または省電力状態としておくことができ、端末装置18を省電力化することができる。
【0207】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、PHSシステム12から端末装置18の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置18へ、その端末装置の位置の周辺エリアで利用可能な通信方式を示す情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により、利用可能な通信方式を示す情報を取得し、通信手段選択部1815によりその情報に基づいて通信手段を選択する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。
【0208】
さらに、上記実施の形態3によれば、ISPサーバ22は、PHSシステム12から端末装置18の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して端末装置18へ、その端末装置の位置の周辺エリアに関する閉塞情報を送信する。端末装置18は、ページャ受信部1811により閉塞情報を受信し、通信手段選択部1815によりその閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を選択する。これにより、端末装置18と中継装置との通信路をより確実に確立させることができる。また、周辺エリアについての閉塞情報のみを送信するため、ページャシステムで端末装置18へ送信するデータの量を少なくすることができる。
【0209】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る通信システムは、実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3のいずれかに係る通信システムにおいて通信中の端末装置18により使用されている通信方式、すなわち中継装置の切り替えを可能としたものである。
【0210】
なお、この実施の形態4に係る通信システムの基本的な構成は、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。ただし、ISPサーバ22や端末装置18の機能については、下記の機能が追加される。
【0211】
次に、実施の形態4に係る通信システムにおいて通信中の端末装置18により使用されている通信方式、すなわち中継装置の切り替えについて説明する。
【0212】
本通信システムでは、端末装置18は、通信中、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14のうちのいずれかの中継装置を介して通信路を維持している。
【0213】
その状態で、一定時間、データの送信および/または受信が途切れたり、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には、端末装置18は、実行中の通信に使用している通信方式を別のものに切り替える。
【0214】
通信方式の切り替えの際には、端末装置18は、実行中の通信を一旦保留状態にした後、別の通信方式を上述の選択ルールに従って選択し、選択した通信方式に対応する中継装置を介して通信路を確立し、保留状態とした通信を再開する。
【0215】
また、端末装置18は、通信を確立するたびに、通信相手の識別情報(URL(Universal Resource Locator)、IPアドレス、ドメイン名など)の履歴を蓄積していき、その履歴に基づいて、通信中であった通信相手との通信を再開する。
【0216】
通信中に通信方式の切替えを行なう方式には、自動切替え、手動切替えなどがあり、ユーザにより選択された切替方式に従って、端末装置18は、通信方式の切り替えを行う。
【0217】
自動切替えの場合、端末装置18が置かれている状況の変化、通信障害、通信エラーなどに起因して、端末装置18が自発的に通信方式を切り替える。例えば、端末装置18は、実行中の通信の種別が音声通信、電子メールの送信などであるときには、上述の選択ルールに従って別の通信方式を選択する。また、自動切替えの場合、例えば、端末装置18は、通信種別がデータ通信であるときには、元の通信方式を選択する。また、自動切替えの場合、例えば、端末装置18は、エラー発生などに起因して通信が切断された場合には、上述の選択ルールに従って別の通信方式を選択する。
【0218】
一方、手動切替えの場合、端末装置18は、通信種別が音声通信、メール着信、データ通信などである通信を実行している際に、ユーザの操作により別の通信方式が指定されると、現在の通信方式から指定された通信方式へ切り替える。その際、例えば、入力部184の切替えキーなどのユーザによる押下により、通信方式の切り替えの指令が入力されると、制御部182は、通信方式のメニューを表示部183に表示させ、ユーザによる入力部184への選択操作に応じて、切り替え後の通信方式を決定する。あるいは、ユーザにより所定の操作が入力部184に対してあった場合に、端末装置18が、上述の選択ルールに従って切り替え後の通信方式を選択するようにしてもよい。
【0219】
なお、使用していない通信手段の回路を、電源オフ状態または省電力状態としておき、端末装置18は、切り替え後の通信方式に対応する通信手段の回路のみを電源オン状態とし、切り替え前の通信方式に対応する通信手段の回路を電源オフ状態または省電力状態とするようにしてもよい。
【0220】
次に、各通信方式について、端末装置18が通信方式を切り替える際のシーケンスについて詳細に説明する。
【0221】
まず、端末装置18の通信方式を、モデム14による通信からPHSシステム12による通信へ切り替える場合について説明する。第14図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるモデム14による通信からPHSシステム12による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0222】
端末装置18は、通信中、モデム14およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1301)。
【0223】
その状態で、例えば所定の回数の送信要求のタイムアウトが発生すると(ステップS1302,S1303)、端末装置18は、モデム14との通信路を切断する(ステップS1304)。一方、ISPサーバ22も、端末装置18からの応答がなくなるため、通信路を切断する(ステップS1305)。その後、端末装置18は、無線LANユニット1812を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0224】
端末装置18は、モデム14との通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とした後、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1320,S1321)。なお、保留状態では、端末装置18は、送信すべきデータをバッファリングしておき、また、受信すべきデータが到達しないことに起因して通信を切断しないようにする。また、端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0225】
通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信である旨、および選択した通信手段がPHS送受信部1813である旨を通知する。
【0226】
PHS送受信部1813が電源オフ状態であったり、省電力状態であったりして、位置登録を行っていない状態にある場合には、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させ、PHSシステム12に対して位置登録を実行させる(ステップS1306,S1307)。
【0227】
そして、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、PHSシステム12に対して通信チャネルの要求を行い、通信チャネルを確保する(ステップS1308,S1309)。
【0228】
その後、通信処理部1814は、PHS送受信部1813を制御して、ISPサーバ22とのデータ通信用の通信路を確立する(ステップS1310)。
【0229】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、端末装置18は、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22に送信する(ステップS1311)。ISPサーバ22は、端末装置18からネットワークアドレスの要求を受信すると、その端末装置18にネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1312)。なお、切り替え前に使用していたネットワークアドレスが使用可能である場合には、端末装置18は、ISPサーバ22からのネットワークアドレスの付与を受ける必要は特にない。
【0230】
このように、切り替え後の通信方式であるPHSシステム12による通信路が確立されたことで、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信路が確立される(ステップS1313)。
【0231】
そして、端末装置18は、通信方式の切り替え後の通信路が確立されると、保留状態とした通信を再開する(ステップS1322)。
【0232】
保留状態とした通信を再開するために、端末装置18は、保留中にバッファリングした送信すべきデータの送信を開始するとともに、保留中に通信相手の通信装置から送信されたデータの再送を要求するデータ再送要求を通信相手の通信装置に送信する。上述の通信の保留および再開により、通信方式の切り替え前後における通信の整合性が確保される。
【0233】
このようにして、端末装置18の通信方式が、モデム14による通信からPHSシステム12による通信へ切り替えられる。
【0234】
なお、第14図では、データの送受における障害に起因して切り替えが行われるが、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0235】
また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1320)および/または切り替え後の通信方式の選択(ステップS1321)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。また、通信の保留(ステップS1320)と切り替え後の通信方式の選択(ステップS1321)の順番を逆にしてもよい。
【0236】
次に、端末装置18の通信方式を、ホットスポット13による通信からPHSシステム12による通信へ切り替える場合について説明する。第15図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポット13による通信からPHSシステム12による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0237】
端末装置18は、通信中、ホットスポット13およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1401)。
【0238】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1402)、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1403,S1404)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1405,S1406)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。その後、端末装置18は、無線LANユニット1812を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0239】
そして、端末装置18は、ホットスポット13との通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とした後、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1420,S1421)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段としてPHS送受信部1813が選択されたものとする。
【0240】
これ以降のPHSシステム12による通信路を確立し通信を再開するための処理(ステップS1407〜S1414,S1422)については、第14図におけるステップS1306〜S1313,S1322の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0241】
このようにして、端末装置18の通信方式が、ホットスポット13による通信からPHSシステム12による通信へ切り替えられる。
【0242】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1420)および/または切り替え後の通信方式の選択(ステップS1421)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。また、通信の保留(ステップS1420)と切り替え後の通信方式の選択(ステップS1421)の順番を逆にしてもよい。
【0243】
また、第15図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0244】
次に、端末装置18の通信方式を、PHSシステム12による通信からモデム14による通信へ切り替える場合について説明する。第16図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステム12による通信からモデム14による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0245】
端末装置18は、通信中、PHSシステム12およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1501)。
【0246】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1502)、端末装置18は、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1520)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0247】
なお、無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。
【0248】
その後、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1503)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1504)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。その後、端末装置18は、PHS送受信部1813を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0249】
端末装置18は、PHSシステム12による通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とする(ステップS1521)。
【0250】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1505)。
【0251】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1506,S1507)。
【0252】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1508,S1509)。
【0253】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS1522)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS1510,S1511)。
【0254】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS1512,S1513)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1514,S1515)。なお、切り替え前に使用していたネットワークアドレスが使用可能である場合には、端末装置18は、ISPサーバ22からのネットワークアドレスの付与を受ける必要は特にない。
【0255】
このように、切り替え後の通信方式であるモデム14による通信路が確立されたことで、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信路が確立される(ステップS1516)。
【0256】
そして、端末装置18は、通信方式の切り替え後の通信路が確立されると、保留状態とした通信を再開する(ステップS1522)。
【0257】
このようにして、端末装置18の通信方式が、PHSシステム12による通信からモデム14による通信へ切り替えられる。
【0258】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、切り替え後の通信方式の選択(ステップS1520)は、切断の応答の後に行うようにしてもよい。また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1521)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。
【0259】
また、第16図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0260】
次に、端末装置18の通信方式を、ホットスポット13による通信からモデム14による通信へ切り替える場合について説明する。第17図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポット13による通信からモデム14による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0261】
端末装置18は、通信中、ホットスポット13およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1601)。
【0262】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1602)、端末装置18は、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1620)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、モデム14と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0263】
その後、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1603,S1604)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1605,S1606)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。
【0264】
端末装置18は、ホットスポット13による通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とする(ステップS1621)。
【0265】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、モデム14にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1607)。
【0266】
これ以降のモデム14による通信路を確立し通信を再開するための処理(ステップS1608〜S1618,S1623)については、第16図におけるステップS1506〜S1516,S1522の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0267】
このようにして、端末装置18の通信方式が、ホットスポット13による通信からモデム14による通信へ切り替えられる。
【0268】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、切り替え後の通信方式の選択(ステップS1620)は、切断の応答の後に行うようにしてもよい。また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1621)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。
【0269】
また、第17図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0270】
次に、端末装置18の通信方式を、PHSシステム12による通信からホットスポット13による通信へ切り替える場合について説明する。第18図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステム12による通信からホットスポット13による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0271】
端末装置18は、通信中、PHSシステム12およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1701)。
【0272】
その状態で、ユーザの操作による通信方式の切り替えの明示的な指令があった場合には(ステップS1702)、端末装置18は、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1720)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0273】
なお、無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。
【0274】
その後、端末装置18は、切り替え前の通信路の切断要求をその通信路を介してISPサーバ22に送信する(ステップS1703)。ISPサーバ22は、接続中の端末装置18から通信路の切断要求を受信するとそれに応答する(ステップS1704)。これにより、切り替え前の通信路が切断される。その後、端末装置18は、PHS送受信部1813を電源オフ状態または省電力状態としてもよい。
【0275】
端末装置18は、PHSシステム12による通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とする(ステップS1721)。
【0276】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、ホットスポット13のアクセスポイント24にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1705)。
【0277】
端末装置18とISPサーバ22との通信路が確立されると、ISPサーバ22は、その通信路を介して、端末装置18の認証のために、識別情報の送信要求を端末装置18へ送信する(ステップS1706,S1707)。
【0278】
端末装置18は、識別情報の送信要求を受信すると、固有の識別情報(例えば識別子とパスワード)をISPサーバ22に送信する(ステップS1708,S1709)。
【0279】
ISPサーバ22は、その識別情報に基づいてその端末装置18についての認証処理を行う(ステップS1722)。そして、ISPサーバ22は、その端末装置18を認証した場合には、認証した旨を示す通知をその端末装置18へ送信する(ステップS1710,S1711)。
【0280】
端末装置18は、認証の通知を受信すると、ネットワークアドレスの要求をISPサーバ22へ送信する(ステップS1712,S1713)。ISPサーバ22は、認証済みの端末装置18からのネットワークアドレスの要求を受信すると、ネットワークアドレスを割当て、割り当てたネットワークアドレスを通知する(ステップS1714,S1715)。なお、切り替え前に使用していたネットワークアドレスが使用可能である場合には、端末装置18は、ISPサーバ22からのネットワークアドレスの付与を受ける必要は特にない。
【0281】
このように、切り替え後の通信方式であるホットスポット13による通信路が確立されたことで、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信路が確立される(ステップS1716)。
【0282】
そして、端末装置18は、通信方式の切り替え後の通信路が確立されると、保留状態とした通信を再開する(ステップS1723)。
【0283】
このようにして、端末装置18の通信方式が、PHSシステム12による通信からホットスポット13による通信へ切り替えられる。
【0284】
なお、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、切り替え後の通信方式の選択(ステップS1720)は、切断の応答の後に行うようにしてもよい。また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1721)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。
【0285】
また、第18図では、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えが行われるが、データの送受における障害などに起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0286】
次に、端末装置18の通信方式を、モデム14による通信からホットスポット13による通信へ切り替える場合について説明する。第19図は、実施の形態4に係る通信システムにおけるモデム14による通信からホットスポット13による通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【0287】
端末装置18は、通信中、モデム14およびISPサーバ22を介してコンピュータネットワーク21との通信路を維持している(ステップS1801)。
【0288】
その状態で、例えば所定の回数の送信要求のタイムアウトが発生すると(ステップS1802,S1803)、端末装置18は、モデム14との通信路を切断する(ステップS1804)。一方、ISPサーバ22も、端末装置18からの応答がなくなるため、通信路を切断する(ステップS1805)。
【0289】
端末装置18は、モデム14との通信路の切断に対応して、実行中の通信を保留状態とした後、切り替え後の通信方式を選択する(ステップS1820,S1821)。端末装置18の通信手段選択部1815は、上述の選択ルールに従って、記憶部1816に記憶されている設定情報に基づき、通信方式、すなわち通信手段を選択する。ここでは、通信手段として、ホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812が選択されたものとする。
【0290】
端末装置18では、通信手段選択部1815は、通信処理部1814に、通信種別がデータ通信である旨、および選択した通信手段がホットスポット13のアクセスポイント24と通信する無線LANユニット1812である旨を通知する。
【0291】
無線LANユニット1812が電源オフ状態または省電力状態である場合には、通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、電源オン状態として通常状態に復帰させる。
【0292】
そして、端末装置18の通信処理部1814は、無線LANユニット1812を制御して、ホットスポット13のアクセスポイント24にアクセスさせ、ISPサーバ22との通信路を確立させる(ステップS1806)。
【0293】
これ以降のホットスポット13による通信路を確立し通信を再開するための処理(ステップS1807〜S1817,S1823)については、第18図におけるステップS1706〜S1716,S1723の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0294】
このようにして、端末装置18の通信方式が、モデム14による通信からホットスポット13による通信へ切り替えられる。
【0295】
なお、第19図では、データの送受における障害に起因して切り替えが行われるが、ユーザの操作による明示的な指令に起因して切り替えを行う場合でも同様に切り替えが行われる。
【0296】
また、ユーザにより明示的に通信方式の切り替えが指示された場合には、通信の保留(ステップS1820)および/または切り替え後の通信方式の選択(ステップS1821)は、切断要求の送出の前に行うようにしてもよい。また、通信の保留(ステップS1820)と切り替え後の通信方式の選択(ステップS1821)の順番を逆にしてもよい。
【0297】
なお、上記実施の形態4において、ISPサーバ22は、端末装置18がISPサーバ22を介して通信を行うたびに、その通信に対する通信料の課金を行い、端末装置18ごとの課金データを課金DB2206に蓄積する。その際、ISPサーバ22は、通信の切断があると、その時点までの通信料の課金を行う。さらに、ISPサーバ22は、端末装置18が次の通信路を確立するためにいずれかの中継装置にアクセスした際の通信料を、認証の結果に拘わらず課金する。ある通信方式において認証に失敗した後に、別の通信方式において認証に成功した場合には、両方の認証に要した通信に対する通信料が課金される。さらに、ISPサーバ22は、端末装置18が次の通信路を確立した時点からその通信路における通信が終了するまでの通信料を課金する。このようにして、切り替え前の通信、切り替え後の通信路の確立時の通信、および切り替え後の通信の3つの区分に対して課金処理が行われる。
【0298】
なお、上記実施の形態4では、端末装置18とコンピュータネットワーク21との通信の場合について述べたが、端末装置18と、本通信システムの中継装置にアクセスしている別の端末装置18との通信の場合でも同様に通信方式の切り替えが可能である。
【0299】
以上のようにして、上記実施の形態4によれば、端末装置18は、その端末装置18と中継装置との通信路が切断されると、切断前の通信を保留させた状態で別の通信方式の中継装置との通信路を確立し、保留させた通信を、確立した通信路を介して再開する。これにより、通信方式の切り替えの前後で、通信の整合性を確保することができる。
【0300】
さらに、上記実施の形態4によれば、ISPサーバ22は、端末装置18が接続する中継装置が切り替えられると、切り替え前に使用した通信方式の通信路に関する通信料、切り替え後の通信路の確立のための通信に対する通信料、および切り替え後に使用した通信方式の通信路に関する通信料を、別々に課金処理する。これにより、各通信方式に応じて適切に通信料を課金することができる。
【0301】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0302】
例えば、上記各実施の形態では、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14が同一のISPサーバ22に接続されているが、PHSシステム12、ホットスポット13およびモデム14のそれぞれに対してISPサーバ22と同一のサーバを設けるようにしてもよい。その場合には、それらのサーバが、互いに所定の伝送路で接続され、ユーザの識別情報、端末装置18の接続状態の情報などを共有したり、必要に応じて送受したりする。その場合においても、ユーザの識別情報、端末装置18の接続状態の情報などを共有したり、必要に応じて送受したりすることで、実施の形態4に示すような通信方式の切り替えが可能となる。また、上記実施の形態2のように複数の通信システムがコンピュータネットワーク21、PHS交換局27の網などを介して接続されている場合にも、同様にして、実施の形態4に示すような通信方式の切り替えが可能である。
【0303】
また、上記各実施の形態においては、モデム14として、無線通信機能を有するモデムを使用しているが、その代わりに、無線LANのアクセスポイントと、そのアクセスポイントに有線LANまたは無線LANを介して接続されるモデムを使用するようにしてもよい。
【0304】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の通信方式を利用して、通信の種別方式、通信の状況、端末装置の位置などを意識しなくても、ユーザが端末装置を使用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1における端末装置内の制御系を説明するブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るISPサーバの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、PHSシステムの音声通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図8】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、PHSシステムのデータ通信サービスを使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図9】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、モデムによるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図10】実施の形態3に係る通信システムにおいて、音声通信の呼の送信元である通信装置と端末装置との通信路を、ホットスポットによるデータ通信を使用して確立する際の処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図11】実施の形態3に係る通信システムにおいて、通信装置からの端末装置宛のデータが発生した場合に、PHSシステムのデータ通信サービスを使用して、端末装置によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図12】実施の形態3に係る通信システムにおいて、通信装置からの端末装置宛のデータが発生した場合に、モデムによるデータ通信を使用して、端末装置によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図13】実施の形態3に係る通信システムにおいて、通信装置からの端末装置宛のデータが発生した場合に、ホットスポットによるデータ通信を使用して、端末装置によりそのデータが取得される処理の一例を説明するシーケンス図である。
【図14】実施の形態4に係る通信システムにおけるモデムによる通信からPHSシステムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図15】実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポットによる通信からPHSシステムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図16】実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステムによる通信からモデムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図17】実施の形態4に係る通信システムにおけるホットスポットによる通信からモデムによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図18】実施の形態4に係る通信システムにおけるPHSシステムによる通信からホットスポットによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
【図19】実施の形態4に係る通信システムにおけるモデムによる通信からホットスポットによる通信への通信方式の切り替えの一例を示すシーケンス図である。
Claims (12)
- コンピュータネットワークまたは電話網との通信に係る制御情報をページャ信号として受信するページャ受信部と、所定の複数の通信方式で通信可能な複数の通信手段と、上記複数の通信手段のうちのいずれかの通信手段を選択する通信手段選択部と、上記制御情報に基づいて、上記通信手段および/または通信手段選択部を制御する制御部とを有する端末装置と、
上記複数の通信方式のうちのいずれかの通信方式で上記端末装置の通信をそれぞれ中継する複数の中継装置と、
所定の伝送路を介して上記中継装置に接続され、上記中継装置を介してアクセスしてくる端末装置とコンピュータネットワークまたは電話網との間の通信を制御するとともに、上記端末装置へ上記制御情報を送信するサーバ装置と、
を備え、
前記通信方式のうちの少なくとも1つは、セル方式の移動体電話通信システムであり、
前記サーバ装置は、上記移動体電話通信システムから前記端末装置の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して前記端末装置へ、その端末装置の位置の周辺エリアで利用可能な通信方式を示す情報を送信し、
前記端末装置は、前記ページャ受信部により上記利用可能な通信方式を示す情報を取得し、前記通信手段選択部により上記利用可能な通信方式を示す情報に基づいて前記通信手段を選択すること、
を特徴とする通信システム。 - 前記複数の中継装置は、移動体電話システムの無線基地局、ホットスポットのアクセスポイント、並びに、家庭内および/またはオフィス内のモデムを含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の通信システム。
- 前記端末装置は、前記複数の通信方式に対して固有かつ単一の識別情報を有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の通信システム。
- 前記サーバ装置は、前記コンピュータネットワークまたは電話網を介して他の通信装置から前記端末装置宛の呼および/またはデータを受信すると、その呼および/またはデータの着信要求を、前記ページャシステムを介して前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、前記ページャ受信部により上記呼および/またはデータの着信要求を受信すると、前記通信手段選択部によりいずれかの通信手段を選択し、その通信手段により前記中継装置との通信路を確立すること、
を特徴とする請求の範囲第1項記載の通信システム。 - 前記サーバ装置は、前記着信要求とともに、前記複数の通信方式の少なくとも1つについての前記中継装置および/または前記伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信し、
前記端末装置は、前記ページャ受信部により上記閉塞情報を受信すると、その閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を特定し、前記通信手段選択部により、利用可能な通信方式のうちのいずれかに対応する通信手段を選択し、その通信手段により前記中継装置との通信路を確立すること、
を特徴とする請求の範囲第4項記載の通信システム。 - 前記サーバ装置は、前記着信要求とともに、前記端末装置宛の呼および/またはデータの種別情報を送信し、
前記端末装置は、前記ページャ受信部により上記種別情報を受信すると、前記通信手段選択部によりその種別情報に応じていずれかの通信手段を選択し、その通信手段により前記中継装置との通信路を確立すること、
を特徴とする請求の範囲第4項記載の通信システム。 - 前記端末装置は、前記ページャ受信部により前記着信要求を受信すると、前記通信手段選択部によりいずれかの通信手段を選択し、選択した前記通信手段を起動し、起動後にその通信手段により前記中継装置との通信路を確立することを特徴とする請求の範囲第4項記載の通信システム。
- 前記サーバ装置は、前記複数の通信方式の少なくとも1つについての前記中継装置および/または前記伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を、前記ページャシステムを介して前記端末装置へ送信し、
前記端末装置は、前記ページャ受信部により上記閉塞情報を受信し、前記通信手段選択部によりその閉塞情報に基づいて前記通信手段を選択すること、
を特徴とする請求の範囲第1項記載の通信システム。 - 前記サーバ装置は、上記移動体電話通信システムから前記端末装置の位置登録情報を取得し、ページャシステムを使用して前記端末装置へ、その端末装置の位置の周辺エリアに関する前記複数の通信方式の少なくとも1つについての前記中継装置および/または前記伝送路での障害の有無を示す閉塞情報を送信し、
前記端末装置は、前記ページャ受信部により上記閉塞情報を受信し、前記通信手段選択部によりその閉塞情報に基づいて利用可能な通信方式を選択すること、
を特徴とする請求の範囲第1項記載の通信システム。 - 前記端末装置は、その端末装置と前記中継装置との通信路が切断されると、切断前の通信を保留させた状態で別の通信方式の前記中継装置との通信路を確立し、保留させた通信を、確立した通信路を介して再開することを特徴とする請求の範囲第1項記載の通信システム。
- 前記サーバ装置は、前記端末装置が接続する前記中継装置が切り替えられると、切り替え前に使用した通信方式の上記通信路に関する通信料、切り替え後の上記通信路の確立のための通信に対する通信料、および切り替え後に使用した通信方式の上記通信路に関する通信料を、別々に課金処理することを特徴とする請求の範囲第11項記載の通信システム。
- 前記サーバ装置に登録されたユーザ以外の外部ユーザに関する識別情報を保存し、前記サーバ装置により認証されなかった上記外部ユーザについての認証処理を行う認証サーバを備え、
前記サーバ装置は、上記認証サーバにより認証された外部ユーザを、自己に登録されたユーザと同様に認証すること、
を特徴とする請求の範囲第1項記載の通信システム。
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