JP3844868B2 - レーザ・放電複合加工方法および装置 - Google Patents

レーザ・放電複合加工方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高いエネルギ収束性を持つレーザと、高いエネルギ変換効率を持つ放電とを組合せて加工を行うレーザ・放電複合加工方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイクロメータオーダの精度を要求するマイクロマシン部品の製造や半導体の製造に伴う加工技術(穴あけ、切断、溶接)、さらに通常の機械加工では困難なガラス、セラミックス、シリコン、超合金などの難加工材を対象とした加工技術が開発されている。
【0003】
このようなマイクロ加工または難加工材を対象とした加工技術として、加工対象の母材に向けて電極から放電を起こし、そのエネルギを利用して加工する放電加工、または、高出力のレーザを母材表面に収束させて加工するレーザ加工が主に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
放電加工を用いたマイクロ加工の例を図11を用いて説明する。
【0005】
この図11の例では、加工槽1内に陰極としてのターゲット2が設置され、このターゲット2に対向して陽極としての加工電極3が可動式に設けられている。ターゲット2と加工電極3との間にはDC加工電源4が抵抗5およびコンデンサを介して接続され、正電圧の印加により放電加工を行うようになっている。
【0006】
なお、加工電極3は昇降装置7および回転装置8によって駆動されるとともに、それらの駆動および前記DC加工電源4は制御装置9によって制御されるようになっている
ところが、このような技術ではターゲット2の加工サイズおよび精度が電極3のサイズによって決まってしまうため、これにあわせた非常に小さな先端サイズを持つ電極30を適用する必要が生じる。
【0007】
また、このような細い電極は損耗しやすく、ターゲット2と電極3との間の距離が加工の進展に伴って変化(拡大)するのを補正するため、これらの離間距離を極めて高精度で制御する機構が必要となっていた。
【0008】
さらに、電極3の損耗具合によっては放電の状態が不安定となり、加工結果に大きな影響を与える因子となっている。
【0009】
このような放電加工を用いたマイクロ加工、およびこの放電加工を用いたインクジェットプリンタヘッドの穴あけ加工等については、例えば(1)「マイクロ放電加工」解説論文(BME Vol.9, No.8,p28〜32,1995)、あるいは(2)「情報処理機器部品におけるマイクロ加工」解説論文(ジョイティック Vol.5, No.6,p42〜47,1989)等で開示されている。
【0010】
一方、レーザ加工については、前記公知文献(2)の中で、比較例として紹介されている。
【0011】
このレーザ加工は、放電加工の電極間距離のような極めて高精度の制御を必要とする因子は無く、また電極のような損耗しやすい部品も構成要素には含まれていない。
【0012】
しかし、光を加工手段とするため、加工点付近で発生する母材の粒子、またはその間に存在する空気または溶液の疎密によって拡散、屈折などの影響を受け、これによって加工状態が大きく左右されるという課題がある。
【0013】
また、レーザ装置は、その駆動用の電気エネルギからレーザ(光)へのエネルギ変換効率が低く、YAGレーザのような一般的な加工用固体レーザ装置では、その変換効率は1%以下であるため、加工効率は非常に悪いこともその使用を制限する要因の一つとなっていた。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされもたので、高い精度と、なめらかな仕上げ面をもった加工を、高い効率で容易に行えるをレーザ・放電複合加工方法および装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では、放電加工の短所である制御の難易性と構成部品の短寿命、それに対してレーザ加工の短所である加工雰囲気によるレーザ光の乱れと、電気から光への変換効率の低さ、これら互いの短所を補うために、放電とレーザとの2つの手段を組み合わせた複合加工を取り入れたものである。
【0016】
即ち、加工対象となるターゲットの表面にレーザを収束して入射した局所ポイントにレーザプラズマを発生させたとき、この母材に対してある一定以上の正の電圧を印加した電極をある一定距離だけ離して設置した体系では、陰極表面で発生したレーザプラズマから放出される電子がトリガとなって、陽極と陰極(ターゲット)との間に放電が発生する。この放電は陰極(ターゲット)のレーザが収束されて入射した極めて小さなスポットから発生するため、放電のエネルギをこのスポット領域に集中することが可能となる。そして、その結果、エネルギは小さいが収束性の高いレーザの入射をトリガとして、高い放電エネルギを対象材料表面のねらったポイントに誘導および収束させることができ、これにより加工を行うことが可能となる。
【0017】
即ち、本発明では、陰極側に加工対象となるターゲットを置き、このターゲットから一定距離離間させた陽極に、前記ターゲットの加工ポイントにレーザを入射しない状態では放電が開始しない範囲で高い正の電圧をパルス状にして印加し、この状態で前記ターゲットの表面にパルスレーザを入射することによって原子を放出させると同時にレーザプラズマを生じさせ、このレーザプラズマ中に存在する電子をトリガとして前記陽,陰極間で放電を起させ、その放電エネルギを前記ターゲットの表面のレーザプラズマに集束させて加工ポイントに誘導し、そのエネルギによって前記ターゲットを加工するレーザ・放電複合加工方法であって、放電が生ずる領域に大気圧またはそれ以上の圧力のガス圧をかけ、正電圧を印加するために、低インピーダンスの同軸ケーブルをパルス伝送ラインとして用い、これにより電源側と加工ヘッド側とを隔離させることを特徴とするレーザ・放電複合加工方法を提供する。
【0027】
また、本発明では、先端にレーザビーム通過孔をあけ、先端部を球面形状とし、かつレーザ通過孔のエッジ部にR加工を施した陽極と、この陽極に対向させて加工対象となるターゲットを設置する陰極と、これら陽、陰極間に設けられたコンデンサおよびインダクタンスと、前記コンデンサを充電するDC高電圧電源と、前記コンデンサをパルス的に充電するパルス回路と、前記陽極のレーザビーム通過孔を介して前記ターゲットの表面にパルスレーザを入射するレーザ装置と、前記ターゲットと陽極との間にバッファガスを供給するガス供給系とを備え、かつ前記コンデンサへのパルス充電を行う手段として、低インピーダンスの同軸ケーブルを用いたパルス伝送ラインと、このパルス伝送ラインに直列に接続され、前記同軸ケーブルインピーダンス整合した抵抗とを備えたことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置を提供する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るレーザ・放電複合加工方法および装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0035】
第1実施形態(図1〜図6)
図1は、本発明の基本的な実施形態としてのレーザ放電複合加工の装置の構成を示したものである。
【0036】
本実施形態では、先端にレーザビーム通過孔10をあけた陽極(以下、陽電極)11と加工対象となるターゲット12に対向して配置してある。これら陽電極11を、ターゲット12との間に、コンデンサ13および抵抗14を介して、高圧DC電源15から正電圧を印加するようになっている。
【0037】
ターゲット12と陽電極11とは、絶縁フランジ24で閉塞された密閉状の容器16の中に設置されている。そして、陽電極11の内部にはガス供給系7からNeまたはArなどの希ガスが放電バッファガスとして導入され、このバッファガスは陽電極11の先端のレーザビーム通過孔10を介してターゲット12の表面に吹き付けられる構造となっている。
【0038】
レーザビームの放出源となるレーザ装置18には、YAGレーザなどの固体レーザまたは気体レーザの中で特に高ピーク出力のパルス光を取り出せるパルスレーザが適用されている。
【0039】
そして、レーザ駆動用電源19からの電力により発振したレーザビーム23は、反射ミラー20により、照射方向を設定し、収束用のレンズ21およびこのレンズ保護用ウィンドウ22を通して、ターゲット12の表面に収束するようになっている。
【0040】
このような構成の下で、ある一定以上のパルスエネルギを持つパルスレーザビーム23がターゲット表面に照射されたとき、ターゲット原子がアブレーシヨンによって放出され、同時に、ブラズマ化する現象、即ち、レーザプラズマの発生が起こる。
【0041】
このレーザプラズマ中に存在する高密度の電子が放電のトリガとなって、コンデンサ13に蓄電された電荷により陽電極11とターゲット12の間で放電が起こる。このとき、放電エネルギはターゲット12の表面のレーザプラズマに収束し、集中的に注入されるので、レーザプラズマ発生ポイント部分のターゲット表面を、選択的に加工することが可能となる。
【0042】
次に、図2により具体的な構成例について説明する。
【0043】
前述した図1のレーザ・放電複合加工装置では、陽電極11とターゲット12の間に、レーザビームが入射されるまで定常的に電圧が印加する構成としたが、図2ではレーザ駆動用電源19とパルス回路25との駆動トリガ信号をタイミング調整器26により任意に調整可能としている。これによって、電圧の印加時間幅をパルス回路25によってつくられる電圧パルスの幅程度に設定することを可能としている。
【0044】
このような構成によれば、電圧の印加時間幅を1μsec以下とすることにより自己放電が開始する限界の電圧値を、1.5倍から2倍程度に増加することができる。そして、それにより同一容量のコンデンサを用いても、1パルス当たりに放出できる放電エネルギを大きくし、加工速度を増加することが可能となる。
【0045】
図3は、放電誘導効果に対する入射レーザ強度の依存性を示すグラフであり、たて軸に放電電流を表し、よこ軸に入射レーザ強度(パルスエネルギ)を表している。
【0046】
レーザの照射点に正確に放電を誘導および収束させるためには、ある一定以上のパルスエネルギが必要である。この必要値は、図3にカーブA,Bで示したように、印加電圧が自己放電の開始電圧に近いほど小さくなる傾向を持つ。したがって、この印加電圧をできるだけ限界値に近い条件とすることで、必要となるレーザ装置を小規模のものに抑えることが可能となる。
【0047】
図4(A)は陽電極11を抽出して示す図であり、同図(B)はその陽電極11を拡大して示す断面図である。
【0048】
上述したように、印加電圧が自己放電の開始電圧に近く、限界値に近い条件とすることが、放電パルスエネルギを高く設定できる上で有利となるが、この限界電圧値は電極の形状によって大きく依存する。
【0049】
そこで、本実施形態では図4(B)に示したように、陽電極11の先端形状を、可能な限り大きな半径を持つ球面状とし、さらにレーザビームの通過孔10の円周部のエッジ11aにR加工処理を施したものを適用している。
【0050】
このような構成とすることより、陽電極11の先端部での電界の集中を緩和して、自己放電開始電圧を増加させることができる。
【0051】
図5は放電パルス幅についての説明図である。同図(A)はコンデンサ13部分を示し、同図(B)は(A)に対応する等価回路を示し、同図(C)はパルス形状を示している。
【0052】
コンデンサ13の電荷が放電するときの電流の時定数τ、即ち、放電電流のパルス幅は、下記の式に示すように、コンデンサ13の容量Cと電流が流れる立体的な経路によって決まる幾何インダクタンスLとによって定められる。
【0053】
【数1】
Figure 0003844868
【0054】
そこで、このコンデンサ容量Cを任意に設定した場合は、コンデンサ13と陽電極11とを接続する立体回路をできるだけ短く設定して、この幾何インダクタンスを小さく抑えることにより、短いパルス幅τの放電を起こすことが可能となる。
【0055】
この放電電流のパルス幅τは、ターゲット12に対する放電エネルギの注入時間に相当するため、これが短いほど、ターゲッ卜12への入熱は小さくなり、原子間結合が切断されて起こるアブレーション現象に近い加工となり、溶融によるドロスの付着の無い、良好な仕上げ面を形成することが可能となる。
【0056】
図6は、放電の収束性に対するバッファガスのガス圧力の依存性を説明するための図である。同図(A)は最大印加電圧に対する(圧力×電極間距離)の依存性曲線(パッシェ曲線)を示すグラフで、たて軸に印加電圧(Vs)を表し、よこ軸にガス圧(p)×電極間距離(l)を表している。同図(B),(C)は、圧力によって変化する放電プラズマの相異について示している。
【0057】
図6(A)において、各曲線(パッシェ曲線)(1)〜(7)はそれぞれ異なるガスの特性を示しており、曲線(1)は空気、(2)は水素ガス(H2 )、(3)はアルゴンガス(Ar)、(4)はネオンガス(Ne),(5)〜(7)はNeとArとの複合ガスについて示している。
【0058】
本実施形態では、例えば電極間距離(l)を約1cm、使用ガスをArまたはNeとし、圧力(p)を略大気圧(760Torr)とし、この圧力で放電を起こさせるように設定する。
【0059】
即ち、本実施形態では、放電を起こすガス圧力について、図6(A)のパッシェン曲線(3)〜(7)におけるボ卜ム(最小点)の右側の領域(圧力×電極間距離)で使用する。したがって、高いガス圧で使用する方が、前述したように高い印加電圧まで自己放電を起こすことなくレーザのトリガでの放電が可能となる。
【0060】
また、ガス圧が低い場合(例えば数十Torr)には、図6(B)に示すように放電プラズマが拡散状態となるが、高い圧力条件(例えば数百Torr)とした場合には、図6(C)に示すように、局所領域に放電を収束・集中させやすく、本発明の特徴である誘導特性を有効に引き出すことができる。
【0061】
第2実施形態(図7)
本実施形態では、図7に示すように、コンデンサ13と、このコンデンサ13をパルス的に充電するために必要となるパルス回路25との接続を、低インピーダンスの同軸ケーブル27とインピーダンス整合用の抵抗28とを介して行っている。他の構成は第1実施形態と同様である。
【0062】
このような構成によれば、高圧DC電源15およびパルス回路25から、陽電極11等の加工ヘッドを離間させて設置することができ、これによって加工へッドを電源側から独立的に自由稼動させること等が可能となる。
【0063】
したがって、例えば加工対象物が稼動できないようなサイズのものであり、加工ヘッドの方を稼動して加工する必要がある場合、または加工ヘッドを設置する環境(温度、湿度など)が悪く、電源側から隔絶する必要がある場合などに好適なものとすることができる。
【0064】
第3実施形態(図8)
本実施形態では、レーザ装置18から出射されたレーザビームを反射ミラー20を介して、空間を自由伝送して、加工ヘッド部へ導光する前記各実施形態と異なり、図8に示すように、レーザ装置18から出射されたレーザビームを光ファイバ入射光学系29から光ファイバ30を通し、光ファイバ出射光学系31を終えて、加工ヘッドまで導光する構成としてある。他の構成は第2実施形態と同様である。
【0065】
このような構成によれば、レーザ装置18と加工ヘッド部との配置に対する自由度が空間伝送に比べて非常に大きくなり、上記請求項7の説明にも記したように加工ヘッドをレーザ装置18から隔絶した位置に配置する必要がある場合に好適なものとすることができる。
【0066】
第4実施形態(図9)
本実施形態では、図9に示すように、第3実施形態に加えて、レーザビーム23が加工ヘッド部に入射する直前にモニタ装置を設けたものである。
【0067】
このモニタ装置は、ターゲット表面像(イメージ)を採取するサンプリングミラー32とイメージ転送光学系33および拡大光学系34と、これらを通して画像をとらえるカメラ35とを備えている。
【0068】
この画像をモニタすることによって、ターゲット表面の加工ポイントの状態を遠隔配置の操作部等において、加工施工中にオンラインで観察、監視することが可能となる。
【0069】
第5実施形態(図10)
本実施形態では、図10に示すように、加工対象ターゲットの裏側に光センサ36を設置することによってターゲット12の加工が進展し、例えば孔加工における孔が貫通したときのタイミングを時間的に検知することが可能となる。
【0070】
なお、孔が貫通したときには、ターゲット12の表面からのアブレーション原子の密度が激変するこれによって放電電流波形に大きな変化が見られる。そこで、本実施形態では、図10に示すように、電流プローブ37を配線部に設け、電流値を観察するようにしてもよい。
【0071】
このような構成によっても、センサ利用の場合と同様に、貫通施工の終了タイミングを検知することが可能となる。
【0072】
【発明の効果】
以上で詳述したように、本発明によれば、ターゲットの加工ポイントにレーザを入射しない状態では放電が開始しない範囲で高い正の電圧をパルス状にして印加し、さらに放電が生ずる領域に大気圧またはそれ以上の圧力のガス圧をかけ、正電圧を印加するために、低インピーダンスの同軸ケーブルをパルス伝送ラインとして用い、これにより電源側と加工ヘッド側とを隔離させ、この状態でターゲットの表面にパルスレーザを入射することによって原子を放出させると同時にレーザプラズマを生じさせ、このレーザプラズマ中に存在する電子をトリガとして陽,陰極間で放電を起させ、その放電エネルギをターゲットの表面のレーザプラズマに集束させて加工ポイントに誘導し、さらに放電が生ずる領域に大気圧またはそれ以上の圧力のガス圧をかけ、正電圧を印加するために、低インピーダンスの同軸ケーブルをパルス伝送ラインとして用い、これにより電源側と加工ヘッド側とを隔離させることにより、レーザを収束させた加工対象材料の表面の微小領域に放電エネルギを集めて加工を行う方法を適用し、さらに自由度の高い光、電気エネルギの伝送方式を取り入れ、各種のモニタ機構を組み込むことによって、高い精度と、なめらかな仕上げ面を持った加工を、高い効率で容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、レーザ・放電複合加工装置の基本構成を示す図。
【図2】同実施形態の具体的構成を示す図。
【図3】同実施形態における作用説明図で、放電誘導効果に対する入射レーザ強度の依存性についての説明図。
【図4】同実施形態における作用説明図で、(A)は陽電極の抽出図、(B)は陽電極の形状を拡大して示す図。
【図5】同実施形態における作用説明図で、(A),(B)は回路図、(C)は放電パルス幅についての説明図。
【図6】同実施形態における作用説明図で、(A)は放電の収束性に対する圧力依存性を示すパッシェ曲線図、(B),(C)は放電プラズマ状態についての説明図。
【図7】本発明の第2実施形態を示す構成図。
【図8】本発明の第3実施形態を示す構成図。
【図9】本発明の第4実施形態を示す構成図。
【図10】本発明の第5実施形態を示す構成図。
【図11】従来例を示す説明図。
【符号の説明】
10 レーザビーム通過孔
11 陽電極
11a エッジ
12 ターゲット
13 コンデンサ
14 抵抗
15 高圧DC電源
18 レーザ装置
19 レーザ駆動用電源
20 反射ミラー
21 収束用のレンズ
22 レンズ保護用ウィンドウ
23 パルスレーザビーム
24 絶縁フランジ
25 パルス回路
26 タイミング調整器
27 同軸ケーブル
28 抵抗
29 光ファイバ入射光学系
30 光ファイバ
31 光ファイバ出射光学系
32 サンプリングミラー
33 イメージ転送光学系
34 拡大光学系
35 カメラ
36 光センサ
37 電流プローブ

Claims (11)

  1. 陰極側に加工対象となるターゲットを置き、このターゲットから一定距離離間させた陽極に、前記ターゲットの加工ポイントにレーザを入射しない状態では放電が開始しない範囲で高い正の電圧をパルス状にして印加し、この状態で前記ターゲットの表面にパルスレーザを入射することによって原子を放出させると同時にレーザプラズマを生じさせ、このレーザプラズマ中に存在する電子をトリガとして前記陽,陰極間で放電を起させ、その放電エネルギを前記ターゲットの表面のレーザプラズマに集束させて加工ポイントに誘導し、そのエネルギによって前記ターゲットを加工するレーザ・放電複合加工方法であって、放電が生ずる領域に大気圧またはそれ以上の圧力のガス圧をかけ、正電圧を印加するために、低インピーダンスの同軸ケーブルをパルス伝送ラインとして用い、これにより電源側と加工ヘッド側とを隔離させることを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  2. 請求項1記載のレーザ・放電複合加工方法において、陽極の先端部の電位勾配を均一にすることを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  3. 請求項1または2記載のレーザ・放電複合加工方法において、両電極間に発生させる放電の電流時間幅を短くすることを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法において、放電が生ずる領域にかける大気圧またはそれ以上の圧力のガス圧により、加工ターゲット表面に到達する放電プラズマを収束しやすい条件とすることを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  5. 請求項1からまでのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法において、レーザ発振部からレーザ光収束部までの伝送を光ファイバによって行うことを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  6. 請求項1からまでのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法において、ターゲットの背面側でレーザ光をモニタすることにより加工状態を監視することを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  7. 請求項1からまでのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法において、放電電流波形の変化を検知することにより、またはターゲット裏面からの透過レーザ光を検知することにより、前記ターゲットの加工部における貫通の有無を判定することを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  8. 先端にレーザビーム通過孔をあけ、先端部を球面形状とし、かつレーザ通過孔のエッジ部にR加工を施した陽極と、この陽極に対向させて加工対象となるターゲットを設置する陰極と、これら陽、陰極間に設けられたコンデンサおよびインダクタンスと、前記コンデンサを充電するDC高電圧電源と、前記コンデンサをパルス的に充電するパルス回路と、前記陽極のレーザビーム通過孔を介して前記ターゲットの表面にパルスレーザを入射するレーザ装置と、前記ターゲットと陽極との間にバッファガスを供給するガス供給系とを備え、かつ前記コンデンサへのパルス充電を行う手段として、低インピーダンスの同軸ケーブルを用いたパルス伝送ラインと、このパルス伝送ラインに直列に接続され、前記同軸ケーブルインピーダンス整合した抵抗とを備えたことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置。
  9. 請求項記載のレーザ・放電複合加工装置において、レーザ装置は、レーザ光を収束させるレンズを有し、このレンズまでの伝送手段としての光ファイバを備えたことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置。
  10. 請求項8または9記載のレーザ・放電複合加工装置において、加工ターゲットの背面に貫通したレーザ光をモニタする機構を設けたことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置。
  11. 請求項8から10までのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工装置において、放電電流波形の変化を検知し、またはターゲット裏面からの透過レーザ光を検知して前記ターゲットの加工部における貫通の有無を判定する機構を備えたことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置。
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