JPH11197947A - レーザ・放電複合加工方法および装置 - Google Patents

レーザ・放電複合加工方法および装置

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JPH11197947A
JPH11197947A JP10004291A JP429198A JPH11197947A JP H11197947 A JPH11197947 A JP H11197947A JP 10004291 A JP10004291 A JP 10004291A JP 429198 A JP429198 A JP 429198A JP H11197947 A JPH11197947 A JP H11197947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い精度と、なめらかな仕上げ面をもった加工
を、高い効率で容易に行えるをレーザ・放電複合加工方
法および装置を提供する。 【解決手段】先端にレーザビーム通過孔10をあけた陽
極(陽電極)11と、陽極に対向させて加工対象となる
ターゲット12を設置する陰極と、これら陽、陰極間に
設けられたコンデンサ13およびインダクタンスと、コ
ンデンサを充電するDC高電圧電源15と、陽極のレー
ザビーム通過孔を介してターゲットの表面にパルスレー
ザを入射するレーザ装置18と、ターゲットと陽極との
間にバッファガスを供給するガス供給系とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高いエネルギ収束性
を持つレーザと、高いエネルギ変換効率を持つ放電とを
組合せて加工を行うレーザ・放電複合加工方法および装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロメータオーダの精度を要
求するマイクロマシン部品の製造や半導体の製造に伴う
加工技術(穴あけ、切断、溶接)、さらに通常の機械加
工では困難なガラス、セラミックス、シリコン、超合金
などの難加工材を対象とした加工技術が開発されてい
る。
【0003】このようなマイクロ加工または難加工材を
対象とした加工技術として、加工対象の母材に向けて電
極から放電を起こし、そのエネルギを利用して加工する
放電加工、または、高出力のレーザを母材表面に収束さ
せて加工するレーザ加工が主に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】放電加工を用いたマイ
クロ加工の例を図11を用いて説明する。
【0005】この図11の例では、加工槽1内に陰極と
してのターゲット2が設置され、このターゲット2に対
向して陽極としての加工電極3が可動式に設けられてい
る。ターゲット2と加工電極3との間にはDC加工電源
4が抵抗5およびコンデンサを介して接続され、正電圧
の印加により放電加工を行うようになっている。
【0006】なお、加工電極3は昇降装置7および回転
装置8によって駆動されるとともに、それらの駆動およ
び前記DC加工電源4は制御装置9によって制御される
ようになっているところが、このような技術ではターゲ
ット2の加工サイズおよび精度が電極3のサイズによっ
て決まってしまうため、これにあわせた非常に小さな先
端サイズを持つ電極30を適用する必要が生じる。
【0007】また、このような細い電極は損耗しやす
く、ターゲット2と電極3との間の距離が加工の進展に
伴って変化(拡大)するのを補正するため、これらの離
間距離を極めて高精度で制御する機構が必要となってい
た。
【0008】さらに、電極3の損耗具合によっては放電
の状態が不安定となり、加工結果に大きな影響を与える
因子となっている。
【0009】このような放電加工を用いたマイクロ加
工、およびこの放電加工を用いたインクジェットプリン
タヘッドの穴あけ加工等については、例えば(1)「マ
イクロ放電加工」解説論文(BME Vol.9, No.8,
p28〜32,1995)、あるいは(2)「情報処理
機器部品におけるマイクロ加工」解説論文(ジョイティ
ック Vol.5, No.6,p42〜47,1989)等で
開示されている。
【0010】一方、レーザ加工については、前記公知文
献(2)の中で、比較例として紹介されている。
【0011】このレーザ加工は、放電加工の電極間距離
のような極めて高精度の制御を必要とする因子は無く、
また電極のような損耗しやすい部品も構成要素には含ま
れていない。
【0012】しかし、光を加工手段とするため、加工点
付近で発生する母材の粒子、またはその間に存在する空
気または溶液の疎密によって拡散、屈折などの影響を受
け、これによって加工状態が大きく左右されるという課
題がある。
【0013】また、レーザ装置は、その駆動用の電気エ
ネルギからレーザ(光)へのエネルギ変換効率が低く、
YAGレーザのような一般的な加工用固体レーザ装置で
は、その変換効率は1%以下であるため、加工効率は非
常に悪いこともその使用を制限する要因の一つとなって
いた。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みてなされも
たので、高い精度と、なめらかな仕上げ面をもった加工
を、高い効率で容易に行えるをレーザ・放電複合加工方
法および装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では、放電加工の
短所である制御の難易性と構成部品の短寿命、それに対
してレーザ加工の短所である加工雰囲気によるレーザ光
の乱れと、電気から光への変換効率の低さ、これら互い
の短所を補うために、放電とレーザとの2つの手段を組
み合わせた複合加工を取り入れたものである。
【0016】即ち、加工対象となるターゲットの表面に
レーザを収束して入射した局所ポイントにレーザプラズ
マを発生させたとき、この母材に対してある一定以上の
正の電圧を印加した電極をある一定距離だけ離して設置
した体系では、陰極表面で発生したレーザプラズマから
放出される電子がトリガとなって、陽極と陰極(ターゲ
ット)との間に放電が発生する。この放電は陰極(ター
ゲット)のレーザが収束されて入射した極めて小さなス
ポットから発生するため、放電のエネルギをこのスポッ
ト領域に集中することが可能となる。そして、その結
果、エネルギは小さいが収束性の高いレーザの入射をト
リガとして、高い放電エネルギを対象材料表面のねらっ
たポイントに誘導および収束させることができ、これに
より加工を行うことが可能となる。
【0017】即ち、請求項1の発明では、陰極側に加工
対象となるターゲットを置き、このターゲットから一定
距離離間させた陽極に一定値以上の正の電圧を印加し、
この状態で前記ターゲットの表面にパルスレーザを入射
することによって原子を放出させると同時にレーザプラ
ズマを生じさせ、このレーザプラズマ中に存在する電子
をトリガとして前記陽,陰極間で放電を起させ、その放
電エネルギを前記ターゲットの表面のレーザプラズマに
集束させて加工ポイントに誘導し、そのエネルギによっ
て前記ターゲットを加工することを特徴とするレーザ・
放電複合加工方法を提供する。
【0018】請求項2の発明では、請求項1記載のレー
ザ・放電複合加工方法において、陽極に印加する正電圧
をパルス状にすることを特徴とするレーザ・放電複合加
工方法を提供する。
【0019】請求項3の発明では、請求項1または2記
載のレーザ・放電複合加工方法において、ターゲットの
加工ポイントにレーザを入射しない状態では放電が開始
しない範囲で、高い電圧を両電極間に印加することを特
徴とするレーザ・放電複合加工方法を提供する。
【0020】請求項4の発明では、請求項1から3まで
のいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法におい
て、陽極の先端部の電位勾配を均一にすることを特徴と
するレーザ・放電複合加工方法を提供する。
【0021】請求項5の発明では、請求項1から4まで
のいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法におい
て、両電極間に発生させる放電の電流時間幅を短くする
ことを特徴とするレーザ・放電複合加工方法を提供す
る。
【0022】請求項6の発明では、請求項1から5まで
のいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法におい
て、放電が生ずる領域に大気圧またはそれ以上の圧力の
ガス圧をかけ、加工ターゲット表面に到達する放電プラ
ズマを収束しやすい条件とすることを特徴とするレーザ
・放電複合加工方法を提供する。
【0023】請求項7の発明では、請求項1から6まで
のいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法におい
て、正電圧を印加するめたに、低インピーダンスの同軸
ケーブルをパルス伝送ラインとして用い、これにより電
源側と加工ヘッド側とを隔離させることを特徴とするレ
ーザ・放電複合加工方法を提供する。
【0024】請求項8の発明では、請求項1から7まで
のいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法におい
て、レーザ発振部からレーザ光収束部までの伝送を光フ
ァイバによって行うことを特徴とするレーザ・放電複合
加工方法を提供する。
【0025】請求項9の発明では、請求項1から8まで
のいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法におい
て、ターゲットの背面側でレーザ光をモニタすることに
より加工状態を監視することを特徴としたレーザ・放電
複合加工方法を提供する。
【0026】請求項10の発明では、請求項1から8ま
でのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工方法におい
て、放電電流波形の変化を検知することにより、または
ターゲット裏面からの透過レーザ光を検知することによ
り、前記ターゲットの加工部における貫通の有無を判定
することを特徴とするレーザ・放電複合加工方法を提供
する。
【0027】請求項11の発明では、先端にレーザビー
ム通過孔をあけた陽極と、この陽極に対向させて加工対
象となるターゲットを設置する陰極と、これら陽、陰極
間に設けられたコンデンサおよびインダクタンスと、前
記コンデンサを充電するDC高電圧電源と、前記陽極の
レーザビーム通過孔を介して前記ターゲットの表面にパ
ルスレーザを入射するレーザ装置と、前記ターゲットと
陽極との間にバッファガスを供給するガス供給系とを備
えたことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置を提供
する。
【0028】請求項12の発明では、請求項11記載の
レーザ・放電複合加工装置において、コンデンサをパル
ス的に充電するパルス回路を備えたことを特徴とするレ
ーザ・放電複合加工装置を提供する。
【0029】請求項13の発明では、請求項11または
12記載のレーザ・放電複合加工装置において、陽極の
先端部を球面形状とし、かつレーザ通過孔のエッジ部に
R加工を施したことを特徴とするレーザ・放電複合加工
装置を提供する。
【0030】請求項14の発明では、請求項11から1
3までのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工装置に
おいて、コンデンサへのパルス充電を行う手段として、
低インピーダンスの同軸ケーブルを用いたパルス伝送ラ
インと、このパルス伝送ラインに直列に接続され、前記
同軸ケーブルインピーダンス整合した抵抗とを備えたこ
とを特徴とするレーザ・放電複合加工装置を提供する。
【0031】請求項15の発明では、請求項11から1
4までのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工装置に
おいて、レーザ装置は、レーザ光を収束させるレンズを
有し、このレンズまでの伝送手段としての光ファイバを
備えたことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置を提
供する。
【0032】請求項16の発明では、請求項11から1
5までのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工装置に
おいて、加工ターゲットの背面に貫通したレーザ光をモ
ニタする機構を設けたことを特徴とするレーザ・放電複
合加工装置を提供する。
【0033】請求項17の発明では、請求項11から1
6までのいずれかに記載のレーザ・放電複合加工装置に
おいて、放電電流波形の変化を検知し、またはターゲッ
ト裏面からの透過レーザ光を検知して前記ターゲットの
加工部における貫通の有無を判定する機構を備えたこと
を特徴とするレーザ・放電複合加工装置を提供する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るレーザ・放電
複合加工方法および装置の実施形態について、図面を参
照して説明する。
【0035】第1実施形態(図1〜図6) 図1は、本発明の基本的な実施形態としてのレーザ放電
複合加工の装置の構成を示したものである。
【0036】本実施形態では、先端にレーザビーム通過
孔10をあけた陽極(以下、陽電極)11と加工対象と
なるターゲット12に対向して配置してある。これら陽
電極11を、ターゲット12との間に、コンデンサ13
および抵抗14を介して、高圧DC電源15から正電圧
を印加するようになっている。
【0037】ターゲット12と陽電極11とは、絶縁フ
ランジ24で閉塞された密閉状の容器16の中に設置さ
れている。そして、陽電極11の内部にはガス供給系7
からNeまたはArなどの希ガスが放電バッファガスと
して導入され、このバッファガスは陽電極11の先端の
レーザビーム通過孔10を介してターゲット12の表面
に吹き付けられる構造となっている。
【0038】レーザビームの放出源となるレーザ装置1
8には、YAGレーザなどの固体レーザまたは気体レー
ザの中で特に高ピーク出力のパルス光を取り出せるパル
スレーザが適用されている。
【0039】そして、レーザ駆動用電源19からの電力
により発振したレーザビーム23は、反射ミラー20に
より、照射方向を設定し、収束用のレンズ21およびこ
のレンズ保護用ウィンドウ22を通して、ターゲット1
2の表面に収束するようになっている。
【0040】このような構成の下で、ある一定以上のパ
ルスエネルギを持つパルスレーザビーム23がターゲッ
ト表面に照射されたとき、ターゲット原子がアブレーシ
ヨンによって放出され、同時に、ブラズマ化する現象、
即ち、レーザプラズマの発生が起こる。
【0041】このレーザプラズマ中に存在する高密度の
電子が放電のトリガとなって、コンデンサ13に蓄電さ
れた電荷により陽電極11とターゲット12の間で放電
が起こる。このとき、放電エネルギはターゲット12の
表面のレーザプラズマに収束し、集中的に注入されるの
で、レーザプラズマ発生ポイント部分のターゲット表面
を、選択的に加工することが可能となる。
【0042】次に、図2により具体的な構成例について
説明する。
【0043】前述した図1のレーザ・放電複合加工装置
では、陽電極11とターゲット12の間に、レーザビー
ムが入射されるまで定常的に電圧が印加する構成とした
が、図2ではレーザ駆動用電源19とパルス回路25と
の駆動トリガ信号をタイミング調整器26により任意に
調整可能としている。これによって、電圧の印加時間幅
をパルス回路25によってつくられる電圧パルスの幅程
度に設定することを可能としている。
【0044】このような構成によれば、電圧の印加時間
幅を1μsec以下とすることにより自己放電が開始す
る限界の電圧値を、1.5倍から2倍程度に増加するこ
とができる。そして、それにより同一容量のコンデンサ
を用いても、1パルス当たりに放出できる放電エネルギ
を大きくし、加工速度を増加することが可能となる。
【0045】図3は、放電誘導効果に対する入射レーザ
強度の依存性を示すグラフであり、たて軸に放電電流を
表し、よこ軸に入射レーザ強度(パルスエネルギ)を表
している。
【0046】レーザの照射点に正確に放電を誘導および
収束させるためには、ある一定以上のパルスエネルギが
必要である。この必要値は、図3にカーブA,Bで示し
たように、印加電圧が自己放電の開始電圧に近いほど小
さくなる傾向を持つ。したがって、この印加電圧をでき
るだけ限界値に近い条件とすることで、必要となるレー
ザ装置を小規模のものに抑えることが可能となる。
【0047】図4(A)は陽電極11を抽出して示す図
であり、同図(B)はその陽電極11を拡大して示す断
面図である。
【0048】上述したように、印加電圧が自己放電の開
始電圧に近く、限界値に近い条件とすることが、放電パ
ルスエネルギを高く設定できる上で有利となるが、この
限界電圧値は電極の形状によって大きく依存する。
【0049】そこで、本実施形態では図4(B)に示し
たように、陽電極11の先端形状を、可能な限り大きな
半径を持つ球面状とし、さらにレーザビームの通過孔1
0の円周部のエッジ11aにR加工処理を施したものを
適用している。
【0050】このような構成とすることより、陽電極1
1の先端部での電界の集中を緩和して、自己放電開始電
圧を増加させることができる。
【0051】図5は放電パルス幅についての説明図であ
る。同図(A)はコンデンサ13部分を示し、同図
(B)は(A)に対応する等価回路を示し、同図(C)
はパルス形状を示している。
【0052】コンデンサ13の電荷が放電するときの電
流の時定数τ、即ち、放電電流のパルス幅は、下記の式
に示すように、コンデンサ13の容量Cと電流が流れる
立体的な経路によって決まる幾何インダクタンスLとに
よって定められる。
【0053】
【数1】
【0054】そこで、このコンデンサ容量Cを任意に設
定した場合は、コンデンサ13と陽電極11とを接続す
る立体回路をできるだけ短く設定して、この幾何インダ
クタンスを小さく抑えることにより、短いパルス幅τの
放電を起こすことが可能となる。
【0055】この放電電流のパルス幅τは、ターゲット
12に対する放電エネルギの注入時間に相当するため、
これが短いほど、ターゲッ卜12への入熱は小さくな
り、原子間結合が切断されて起こるアブレーション現象
に近い加工となり、溶融によるドロスの付着の無い、良
好な仕上げ面を形成することが可能となる。
【0056】図6は、放電の収束性に対するバッファガ
スのガス圧力の依存性を説明するための図である。同図
(A)は最大印加電圧に対する(圧力×電極間距離)の
依存性曲線(パッシェ曲線)を示すグラフで、たて軸に
印加電圧(Vs)を表し、よこ軸にガス圧(p)×電極
間距離(l)を表している。同図(B),(C)は、圧
力によって変化する放電プラズマの相異について示して
いる。
【0057】図6(A)において、各曲線(パッシェ曲
線)(1)〜(7)はそれぞれ異なるガスの特性を示し
ており、曲線(1)は空気、(2)は水素ガス
(H2 )、(3)はアルゴンガス(Ar)、(4)はネ
オンガス(Ne),(5)〜(7)はNeとArとの複
合ガスについて示している。
【0058】本実施形態では、例えば電極間距離(l)
を約1cm、使用ガスをArまたはNeとし、圧力(p)
を略大気圧(760Torr)とし、この圧力で放電を起こ
させるように設定する。
【0059】即ち、本実施形態では、放電を起こすガス
圧力について、図6(A)のパッシェ曲線(3)〜
(7)におけるボ卜ム(最小点)の右側の領域(圧力×
電極間距離)で使用する。したがって、高いガス圧で使
用する方が、前述したように高い印加電圧まで自己放電
を起こすことなくレーザのトリガでの放電が可能とな
る。
【0060】また、ガス圧が低い場合(例えば数十Tor
r)には、図6(B)に示すように放電プラズマが拡散
状態となるが、高い圧力条件(例えば数百Torr)とした
場合には、図6(C)に示すように、局所領域に放電を
収束・集中させやすく、本発明の特徴である誘導特性を
有効に引き出すことができる。
【0061】第2実施形態(図7) 本実施形態では、図7に示すように、コンデンサ13
と、このコンデンサ13をパルス的に充電するために必
要となるパルス回路25との接続を、低インピーダンス
の同軸ケーブル27とインピーダンス整合用の抵抗28
とを介して行っている。他の構成は第1実施形態と同様
である。
【0062】このような構成によれば、高圧DC電源1
5およびパルス回路25から、陽電極11等の加工ヘッ
ドを離間させて設置することができ、これによって加工
へッドを電源側から独立的に自由稼動させること等が可
能となる。
【0063】したがって、例えば加工対象物が稼動でき
ないようなサイズのものであり、加工ヘッドの方を稼動
して加工する必要がある場合、または加工ヘッドを設置
する環境(温度、湿度など)が悪く、電源側から隔絶す
る必要がある場合などに好適なものとすることができ
る。
【0064】第3実施形態(図8) 本実施形態では、レーザ装置18から出射されたレーザ
ビームを反射ミラー20を介して、空間を自由伝送し
て、加工ヘッド部へ導光する前記各実施形態と異なり、
図8に示すように、レーザ装置18から出射されたレー
ザビームを光ファイバ入射光学系29から光ファイバ3
0を通し、光ファイバ出射光学系31を終えて、加工ヘ
ッドまで導光する構成としてある。他の構成は第2実施
形態と同様である。
【0065】このような構成によれば、レーザ装置18
と加工ヘッド部との配置に対する自由度が空間伝送に比
べて非常に大きくなり、上記請求項7の説明にも記した
ように加工ヘッドをレーザ装置18から隔絶した位置に
配置する必要がある場合に好適なものとすることができ
る。
【0066】第4実施形態(図9) 本実施形態では、図9に示すように、第3実施形態に加
えて、レーザビーム23が加工ヘッド部に入射する直前
にモニタ装置を設けたものである。
【0067】このモニタ装置は、ターゲット表面像(イ
メージ)を採取するサンプリングミラー32とイメージ
転送光学系33および拡大光学系34と、これらを通し
て画像をとらえるカメラ35とを備えている。
【0068】この画像をモニタすることによって、ター
ゲット表面の加工ポイントの状態を遠隔配置の操作部等
において、加工施工中にオンラインで観察、監視するこ
とが可能となる。
【0069】第5実施形態(図10) 本実施形態では、図10に示すように、加工対象ターゲ
ットの裏側に光センサ36を設置することによってター
ゲット12の加工が進展し、例えば孔加工における孔が
貫通したときのタイミングを時間的に検知することが可
能となる。
【0070】なお、孔が貫通したときには、ターゲット
12の表面からのアブレーション原子の密度が激変する
これによって放電電流波形に大きな変化が見られる。そ
こで、本実施形態では、図10に示すように、電流プロ
ーブ37を配線部に設け、電流値を観察するようにして
もよい。
【0071】このような構成によっても、センサ利用の
場合と同様に、貫通施工の終了タイミングを検知するこ
とが可能となる。
【0072】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、レーザを収束させた加工対象材料の表面の微小領域
に放電エネルギを集めて加工を行う方法を適用し、さら
に自由度の高い光、電気エネルギの伝送方式を取り入
れ、各種のモニタ機構を組み込むことによって、高い精
度と、なめらかな仕上げ面を持った加工を、高い効率で
容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、レーザ・
放電複合加工装置の基本構成を示す図。
【図2】同実施形態の具体的構成を示す図。
【図3】同実施形態における作用説明図で、放電誘導効
果に対する入射レーザ強度の依存性についての説明図。
【図4】同実施形態における作用説明図で、(A)は陽
電極の抽出図、(B)は陽電極の形状を拡大して示す
図。
【図5】同実施形態における作用説明図で、(A),
(B)は回路図、(C)は放電パルス幅についての説明
図。
【図6】同実施形態における作用説明図で、(A)は放
電の収束性に対する圧力依存性を示すパッシェ曲線図、
(B),(C)は放電プラズマ状態についての説明図。
【図7】本発明の第2実施形態を示す構成図。
【図8】本発明の第3実施形態を示す構成図。
【図9】本発明の第4実施形態を示す構成図。
【図10】本発明の第5実施形態を示す構成図。
【図11】従来例を示す説明図。
【符号の説明】
10 レーザビーム通過孔 11 陽電極 11a エッジ 12 ターゲット 13 コンデンサ 14 抵抗 15 高圧DC電源 18 レーザ装置 19 レーザ駆動用電源 20 反射ミラー 21 収束用のレンズ 22 レンズ保護用ウィンドウ 23 パルスレーザビーム 24 絶縁フランジ 25 パルス回路 26 タイミング調整器 27 同軸ケーブル 28 抵抗 29 光ファイバ入射光学系 30 光ファイバ 31 光ファイバ出射光学系 32 サンプリングミラー 33 イメージ転送光学系 34 拡大光学系 35 カメラ 36 光センサ 37 電流プローブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 徳康 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐野 雄二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 馬場 洋介 東京都府中市晴見町二丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極側に加工対象となるターゲットを置
    き、このターゲットから一定距離離間させた陽極に一定
    値以上の正の電圧を印加し、この状態で前記ターゲット
    の表面にパルスレーザを入射することによって原子を放
    出させると同時にレーザプラズマを生じさせ、このレー
    ザプラズマ中に存在する電子をトリガとして前記陽,陰
    極間で放電を起させ、その放電エネルギを前記ターゲッ
    トの表面のレーザプラズマに集束させて加工ポイントに
    誘導し、そのエネルギによって前記ターゲットを加工す
    ることを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレーザ・放電複合加工方
    法において、陽極に印加する正電圧をパルス状にするこ
    とを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のレーザ・放電複
    合加工方法において、ターゲットの加工ポイントにレー
    ザを入射しない状態では放電が開始しない範囲で、高い
    電圧を両電極間に印加することを特徴とするレーザ・放
    電複合加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    レーザ・放電複合加工方法において、陽極の先端部の電
    位勾配を均一にすることを特徴とするレーザ・放電複合
    加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    レーザ・放電複合加工方法において、両電極間に発生さ
    せる放電の電流時間幅を短くすることを特徴とするレー
    ザ・放電複合加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    レーザ・放電複合加工方法において、放電が生ずる領域
    に大気圧またはそれ以上の圧力のガス圧をかけ、加工タ
    ーゲット表面に到達する放電プラズマを収束しやすい条
    件とすることを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれかに記載の
    レーザ・放電複合加工方法において、正電圧を印加する
    めたに、低インピーダンスの同軸ケーブルをパルス伝送
    ラインとして用い、これにより電源側と加工ヘッド側と
    を隔離させることを特徴とするレーザ・放電複合加工方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれかに記載の
    レーザ・放電複合加工方法において、レーザ発振部から
    レーザ光収束部までの伝送を光ファイバによって行うこ
    とを特徴とするレーザ・放電複合加工方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれかに記載の
    レーザ・放電複合加工方法において、ターゲットの背面
    側でレーザ光をモニタすることにより加工状態を監視す
    ることを特徴としたレーザ・放電複合加工方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から8までのいずれかに記載
    のレーザ・放電複合加工方法において、放電電流波形の
    変化を検知することにより、またはターゲット裏面から
    の透過レーザ光を検知することにより、前記ターゲット
    の加工部における貫通の有無を判定することを特徴とす
    るレーザ・放電複合加工方法。
  11. 【請求項11】 先端にレーザビーム通過孔をあけた陽
    極と、この陽極に対向させて加工対象となるターゲット
    を設置する陰極と、これら陽、陰極間に設けられたコン
    デンサおよびインダクタンスと、前記コンデンサを充電
    するDC高電圧電源と、前記陽極のレーザビーム通過孔
    を介して前記ターゲットの表面にパルスレーザを入射す
    るレーザ装置と、前記ターゲットと陽極との間にバッフ
    ァガスを供給するガス供給系とを備えたことを特徴とす
    るレーザ・放電複合加工装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のレーザ・放電複合加
    工装置において、コンデンサをパルス的に充電するパル
    ス回路を備えたことを特徴とするレーザ・放電複合加工
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項11または12記載のレーザ・
    放電複合加工装置において、陽極の先端部を球面形状と
    し、かつレーザ通過孔のエッジ部にR加工を施したこと
    を特徴とするレーザ・放電複合加工装置。
  14. 【請求項14】 請求項11から13までのいずれかに
    記載のレーザ・放電複合加工装置において、コンデンサ
    へのパルス充電を行う手段として、低インピーダンスの
    同軸ケーブルを用いたパルス伝送ラインと、このパルス
    伝送ラインに直列に接続され、前記同軸ケーブルインピ
    ーダンス整合した抵抗とを備えたことを特徴とするレー
    ザ・放電複合加工装置。
  15. 【請求項15】 請求項11から14までのいずれかに
    記載のレーザ・放電複合加工装置において、レーザ装置
    は、レーザ光を収束させるレンズを有し、このレンズま
    での伝送手段としての光ファイバを備えたことを特徴と
    するレーザ・放電複合加工装置。
  16. 【請求項16】 請求項11から15までのいずれかに
    記載のレーザ・放電複合加工装置において、加工ターゲ
    ットの背面に貫通したレーザ光をモニタする機構を設け
    たことを特徴とするレーザ・放電複合加工装置。
  17. 【請求項17】 請求項11から16までのいずれかに
    記載のレーザ・放電複合加工装置において、放電電流波
    形の変化を検知し、またはターゲット裏面からの透過レ
    ーザ光を検知して前記ターゲットの加工部における貫通
    の有無を判定する機構を備えたことを特徴とするレーザ
    ・放電複合加工装置。
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