JP3843796B2 - 剥離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真プロセスを用いたカラープリンタ、カラー複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に好適に用いられる定着装置において、記録媒体を定着部材から剥離するために使用される剥離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子写真プロセスを用いたカラープリンターやカラー複写機等の画像形成装置に用いられる定着装置の剥離装置としては、例えば、実開平5−4171号公報や特開平11−184300号公報等に開示されているように、定着用加熱ロールの周面に分離板を常に接触させることによって、用紙剥離を実現するように構成したものが提案されている。
【0003】
また、上記剥離装置としては、図13に示すように、厚さ0.2mm程度の金属製の剥離ガイドを用い、当該剥離ガイドを定着ロールに近接させた状態で配設し、この剥離ガイドによって用紙を剥離するように構成したものを用いた定着装置が、市場に供給されている。なお、上記剥離ガイドには、用紙と接触する下面に、フッ素コーティング等の処理が施されており、用紙上に定着されたトナー像の離型性を向上させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記実開平5−4171号公報や特開平11−184300号公報等に開示された剥離装置の場合には、定着用加熱ロールの周面に分離板を常に接触させることによって、用紙剥離を実現するように構成したものであるが、分離板を定着用加熱ロールの周面に接触させることによって、多少なりとも定着用加熱ロールの表面に傷が付くことは避けられず、この定着用加熱ロールの表面に付けられた傷が、後に定着画像に現れて画質を低下させるという問題点を有していた。
【0005】
また、後者の剥離装置の場合には、厚さ0.2mm程度の金属製の剥離ガイドを用いたものであるが、この金属製の剥離ガイドは、肉厚が0.2mm程度と極く薄いため、エッジを丸くするなどの処理をすることが困難であり、用紙が金属製剥離ガイドの先端のエッジに接触すると、OHPシートやコート紙などのように、表面の平滑性及び光沢度が高い記録媒体や、定着されたフルカラー画像に、引掻き傷のようなダメージを与えることがあるという問題点を有していた。
【0006】
さらに、後者の剥離装置の場合には、金属製の剥離ガイドを用いているため、熱伝導率が高く、低温高湿環境下において、用紙が金属製の剥離ガイドに近接すると、用紙の水分が剥離ガイドの表面に徐々に堆積して水滴となり、この剥離ガイドの表面に堆積した水滴が用紙に逆流して、用紙上に定着されたプリント画像を乱してしまうことがあるという問題点を有していた。また、剥離ガイドの表面に堆積した水滴が用紙に逆流すると、用紙の含水量が高くなって抵抗値が低下するため、両面プリントなどの場合に、裏面側にトナー像を二次転写する際、二次転写不良が発生し、画質が低下する虞れがあるという問題点をも有していた。
【0007】
また、後者の剥離装置の場合には、金属製の剥離ガイドの表面に、フッ素コーティング等の処理を施しているため、非常に高価な部品となり、コストアップを招くという問題点をも有していた。
【0008】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、定着部材の表面に傷を付けたり、表面の平滑性及び光沢度が高い記録媒体や定着画像に傷を付ける虞れがなく、しかも、結露が生じることによって、記録媒体上の画像を乱したり、二次転写不良などが発生することがない安価な剥離装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、定着部材の回転方向下流側に、当該定着部材によって定着処理が施された記録媒体の剥離を補助する剥離ガイド部材を、この剥離ガイド部材の先端が定着部材の表面に非接触状態となるように設けた剥離装置において、
前記剥離ガイド部材を、トナーの離型性及び耐熱性に優れた合成樹脂によって形成するとともに、当該剥離ガイド部材の定着部材表面に近接した先端側の部分を、定着部材に向けてテーパー状に形成して、当該剥離ガイド部材の定着部材表面に近接した先端部が円弧状であって所定の曲率半径を有するように構成し、かつ、当該剥離ガイド部材の先端側の部分に、複数のリブを設けると共に、前記剥離ガイド部材を取り付けるためのサポート部材を設け、更に、前記サポート部材を、前記定着部材の軸方向に沿って平行な表面を有する板状部材から構成し、前記剥離ガイド部材を、サポート部材に一箇所でのみ固定するとともに、当該剥離ガイド部材の他の部分を、サポート部材の表面に対して平行な方向に位置決めする複数の第1の位置決め部と、サポート部材の表面に対して垂直な方向に位置決めする複数の第2の位置決め部とにより、サポート部材に対して移動自在に支持したことを特徴とする剥離装置である。
【0010】
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の剥離装置において、前記剥離ガイド部材を取り付けるためのサポート部材を、前記定着部材を回転自在に軸支する軸受部材に当接させることによって、当該剥離ガイド部材の定着部材に対する位置決めがされていることを特徴とする剥離装置である。
【0012】
又、請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載の剥離装置において、前記剥離ガイド部材を形成する合成樹脂材料は、PFA( テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体) 、PTFE( ポリテトラフルオロエチレン) 、FEP( テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体) 等のフッ素樹脂であることをことを特徴とする剥離装置である。
【0013】
更に、請求項4に記載された発明は、請求項1又は2に記載の剥離装置において、前記剥離ガイド部材を形成する合成樹脂材料は、液晶ポリマーであることをことを特徴とする剥離装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る剥離装置を用いた定着装置を適用した画像形成装置としてのフルカラープリンタ装置を示すものである。
【0016】
図2において、1は像担持体としての感光体ドラムを示すものであり、この感光体ドラム1は、図示しない駆動手段で矢印2方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。上記感光体ドラム1の表面は、帯電器としての帯電ロール3によって所定の電位に一様に帯電された後、ROS(Raster Output Scanner)等からなる露光装置4によって、フルカラーの画像を形成する場合には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像が順次露光され、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム1の表面に形成された所定の色の静電潜像は、回転式現像装置5の対応する色の現像器5Y、5M、5C、5Kによって現像され、所定の色のトナー像となる。この回転式現像装置5は、フルカラーの現像を行うため、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の現像器5Y、5M、5C、5Kを備えており、各現像器5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ感光体ドラム1上の潜像をイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナーで現像する。各色のトナーを現像する際には、図示しないモータによって回転式現像装置5を矢印R方向(時計回り方向)に回転させ、該当する色の現像器5Y、5M、5C、5Kが、感光体ドラム1と対向する現像位置に位置合わせされる。なお、上記感光体ドラム1上には、プロセスコントロールモードにおいて、テストチャートが形成され、このテストチャートの濃度が濃度センサ6によって検出されるようになっている。また、上記感光体ドラム1上に現像された各色のトナー像は、一次転写ロール7によって中間転写体としての中間転写ベルト9上に順次転写され、4色のトナー像が互いに重ね合わされる。上記中間転写ベルト9は、駆動ロール10と、アイドルロール11と、バックアップロール12と、アイドルロール13とによって、回動可能に張架されている。駆動ロール10は、図示しない定速性に優れた駆動モータによって駆動され、中間転写ベルト9を所定の速度で回転駆動するものである。
【0017】
上記中間転写ベルト9上に多重に転写された4色のトナー像は、記録媒体としての記録用紙P上に、バックアップロール12と中間転写ベルト9を介して圧接する二次転写ロール14によって一括して転写される。この記録用紙Pは、プリンタ装置本体内の下部に設けられた2つの給紙カセット16、17のうちの何れかから、給紙ロール18又は19によって給紙され、複数の搬送ロール対20、21を介して、レジストロール対22へと搬送され、一旦停止される。その後、上記記録用紙Pは、中間転写ベルト9上に転写されたトナー像と同期して回転を開始するレジストロール対22によって、バックアップロール12と二次転写ロール14が中間転写ベルト9を介して互いに圧接する2次転写位置へと搬送される。そして、上記記録用紙P上には、2次転写位置において中間転写ベルト9上から4色のトナー像が一括して転写された後、記録用紙Pは、定着装置23で熱及び圧力によって定着処理を受け、装置本体側面の排出トレイ24、あるいは装置本体上部に設けられた排出トレイ25上に、図示しない切り替えゲートによって切り替えられ、排出される。
【0018】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム1は、クリーニングブレード等からなるクリーニング装置8によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程等に備える。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト9は、アイドルロール13と対向するベルトクリーナー15によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0019】
上記感光体ドラム1又は中間転写ベルト9からクリーニング装置8及びベルトクリーナー15で掻き落とされた廃トナーは、廃トナー回収容器26に回収される。特に、ベルトクリーナ15から回収された廃トナーは、輸送管27内をオーガや搬送スクリュー等からなる搬送手段によって廃トナー回収容器26まで搬送される。
【0020】
図1及び図3はこの発明の実施の形態1に係る剥離装置を用いた定着装置を示す構成図である。
【0021】
この定着装置23は、図1及び図3に示すように、定着ロール31と加圧ロール32を備えており、定着ロール31と加圧ロール32を互いに圧接させた状態で、定着ロール31をモーター33によって回転駆動し、これら定着ロール31と加圧ロール32間のニップ部34に、トナー像が転写された記録媒体としての記録用紙Pを通過させることにより、熱及び圧力で未定着トナー像Tを記録用紙P上に定着するようになっている。
【0022】
上記定着ロール31は、図4に示すように、円筒状に形成されたアルミニウム製の芯金35と、このアルミニウム製芯金35の表面に被覆された厚さ2.35mmのシリコンゴム等からなる耐熱弾性体層36と、この耐熱弾性体層36の表面に被覆されたPFA製のチューブ等からなる離型層37とから構成されている。上記アルミニウム製芯金35の内部には、加熱源としてのハロゲンランプ等からなるヒータ38が配設されている。
【0023】
また、上記定着ロール31の軸方向の両端部には、図5に示すように、アルミニウム製芯金35の端部を絞って縮径することにより、直径が小さく形成された回転支持部(ロールハブ部)39が設けられている。この定着ロール31のロールハブ部39は、スリーブベアリングを介することなく、その外周に配設された軸受部材としてのボールベアリング40によって回転自在に支持されている。
【0024】
さらに、上記加圧ロール32は、図4に示すように、定着ロール31と略同じ外径に形成されており、円筒状に形成されたアルミニウム製の芯金41と、このアルミニウム製芯金41の表面に被覆された厚さ2.20mmのシリコンゴム等からなる耐熱弾性体層42と、この耐熱弾性体層42の表面に被覆されたPFA製のチューブ等からなる離型層43とから構成されている。上記アルミニウム製芯金41の内部には、加熱源としてのハロゲンランプ等からなるヒータ44が配設されている。
【0025】
また、上記加圧ロール32の軸方向の両端部には、図1及び図3に示すように、定着ロール31と同様に、アルミニウム製芯金41の端部を絞って縮径することにより、直径が小さく形成された回転支持部(ロールハブ部)45が設けられている。この加圧ロール32のロールハブ部45は、スリーブベアリングを介することなく、その外周に配設された軸受部材としてのボールベアリング46によって回転自在に支持されている。
【0026】
上記加圧ロール32は、そのアルミニウム製芯金41の両端に設けられた図示しない支持部材を介して、図示しない加圧スプリングによって、定着ロール31の表面に所定の圧接力で圧接されるように配設されている。
【0027】
さらに、上記定着ロール31の表面には、図1に示すように、当該定着ロール31の表面温度を検出する温度検出手段としての温度センサー47が、接触するように配置されている。また、上記定着ロール31の表面には、当該定着ロール31の温度が異常に上昇した場合に、ヒータへの通電を遮断するサーモスタット48が、近接した位置に配置されている。
【0028】
ところで、この実施の形態では、定着部材の回転方向下流側に、当該定着部材によって定着処理が施された記録媒体の剥離を補助する剥離ガイド部材を、この剥離ガイド部材の先端が定着部材の表面に非接触状態となるように設けた剥離装置において、前記剥離ガイド部材を、トナーの離型性及び耐熱性に優れた合成樹脂によって一体的に形成するとともに、当該剥離ガイド部材の定着部材表面に近接した先端部が、所定の曲率半径を有するように構成されている。
【0029】
また、この実施の形態では、前記剥離ガイド部材を取り付けるためのサポート部材を、前記定着部材を回転自在に軸支する軸受部材に当接させることによって、当該剥離ガイド部材の定着部材に対する位置決めがされるように構成されている。
【0030】
すなわち、この実施の形態では、図1及び図3に示すように、定着ロール31と加圧ロール32のニップ部34の出口近傍には、記録用紙Pの剥離を補助するするための剥離ガイド部材49が配設されている。
【0031】
この剥離ガイド部材49は、PFA( テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体) 、PTFE( ポリテトラフルオロエチレン) 、FEP( テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体) 等のフッ素樹脂や、液晶ポリマー(全芳香族ポリエステル樹脂)などのように、トナーの離型性及び熱変形しにくく耐熱性に優れた合成樹脂によって一体的に形成されている。なお、これらの合成樹脂材料のうち、コストの面から、PFAや液晶ポリマー(全芳香族ポリエステル)などが、特に好ましい。
【0032】
上記剥離ガイド部材49は、図6及び図7に示すごとく、定着ロール31の略全長にわたるように、細長い板状に形成されている。この剥離ガイド部材49は、定着ロール31に近接した先端側の部分50が、当該定着ロール31側に向けて肉厚が薄くなるようにテーパー状に形成されているとともに、定着ロール31と反対側の基端部分51が、ある程度厚い肉厚で剛性を持たせるように形成されている。また、上記剥離ガイド部材49の先端部分50は、図5乃至図8に示すように、その表面側及び裏面側(裏面側は図示せず)に、複数の補強用のリブ52が設けられており、定着ロール31側に向けて肉厚が薄くなるようにテーパー状に形成された先端部分31に、強度を持たせるように構成されている。なお、上記補強用のリブ52は、定着ロール31の軸方向に沿って、不等間隔に設けられており、定着ロール31の軸方向の一端部を基準にして記録媒体Pを搬送する際に、当該補強用のリブ52が、記録媒体Pの搬送の妨げとならないように設定されている。
【0033】
また、上記剥離ガイド部材49は、図1及び図9に示すように、定着ロールの表面に近接した先端部53が、所定の曲率半径Rを有するように構成されており、当該先端部53の曲率半径Rは、例えば、0.3mmに設定されている。なお、上記剥離ガイド部材49の先端部53の曲率半径Rは、他の値であっても良いことは勿論である。
【0034】
さらに、上記剥離ガイド部材49は、図3及び図10に示すように、金属製のサポート部材54に取り付けられている。このサポート部材54は、例えば、鉄やステンレス等の板金によって一体的に形成されている。上記サポート部材54は、図10に示すように、剥離ガイド部材49の上部に略全長にわたって配設される長方形状の平板部55と、当該平板部55の長手方向の両端部に、直交するように折り曲げた状態で設けられた位置決め固定部56とを備えている。なお、上記平板部55の下端部57は、定着ロール31側に向けて直交するように短く折り曲げられている。これらの位置決め固定部56の定着ロール側の端縁58は、図1に示すように、定着ロール31を回転自在に支持したボールベアリング40の外周面に当接するよう、円弧状に形成されている。そして、上記サポート部材54は、図1に示すように、位置決め固定部56の円弧状の端縁58を、ボールベアリング40の外周面に当接させることにより、当該ボールベアリング40によって回転自在に支持された定着ロール31に対して、所定の位置に来るように位置決めされている。また、このサポート部材54に取り付けられた剥離ガイド部材49は、図1に示すように、その先端のエッジ部分53が、定着ロール31の表面に対して所定の位置関係となるように、精度良く位置決めされている。
【0035】
上記剥離ガイド部材49を位置決めするパラメータとしては、図1に示すように、ニップ部34の出口から当該剥離ガイド部材49の先端エッジまでの距離L、及びニップ部34の出口から当該剥離ガイド部材49の先端エッジまでの、定着ロールと加圧ロールの中心を結んだ直線に対する中心角θ1、ニップ部34の出口に設定した水平線に対する剥離ガイド部材49の下面が成す角度θ2、剥離ガイド部材49の上面と定着ロール31表面との間隙Gなどが挙げられる。
【0036】
また、この実施の形態では、前記剥離ガイド部材は、サポート部材に一箇所でのみ固定されているとともに、当該剥離ガイド部材の他の部分は、サポート部材の表面に対して平行な方向に位置決めする複数の第1の位置決め部と、サポート部材の表面に対して垂直な方向に位置決めする複数の第2の位置決め部とによって、移動自在に支持されるように構成されている。
【0037】
すなわち、上記剥離ガイド部材49の基端部分51の上面には、図6及び図7に示すように、長手方向に沿った両端部と中間部分に、サポート部材54の表面に対して平行な方向に位置決めする複数の第1の位置決め部60が、不等間隔で合計6個、定着ロール31側に向けて断面略L字形状に突出した状態で設けられている。なお、上記第1の位置決め部60は、定着ロール31の軸方向に沿って、不等間隔に設けられており、定着ロール31の軸方向の一端部を基準にして記録媒体Pを搬送する際に、当該第1の位置決め部60が、記録媒体Pの搬送の妨げとならないように設定されている。
【0038】
上記第1の位置決め部60は、図8に示すごとく、上述したように、定着ロール31側に向けて断面略L字形状に突出した状態で設けられており、当該第1の位置決め部60の下面と剥離ガイド部材49の基端部分51の表面で、図1及び図11に示すごとく、サポート部材54の下端部に水平に折り曲げられた保持部58を挟持することによって、剥離ガイド部材49をサポート部材54の表面に対して水平な方向Aに位置決めし、且つ移動自在に保持するように構成されている。なお、上記サポート部材54には、図10に示すように、第1の位置決め部60を挿通する挿通孔61が開口されている。
【0039】
また、上記第1の位置決め部60は、定着ロール31の軸方向に沿って複数、図示の実施の形態では6個設けられており、耐熱性に優れた合成樹脂からなるものの、定着ロール31からの熱によって、剛性が若干低下した場合でも、剥離ガイド部材49の先端エッジ53を、定着ロール31の表面に対して所定の位置関係で精度良く、しかも直線性に優れた状態で保持することが可能となっている。
【0040】
一方、上記剥離ガイド部材49の基端部分51の上面には、図6及び図7に示すように、長手方向に沿った両端部と中央部に、サポート部材54の表面に対して垂直な方向に位置決めする第2の位置決め部62が、それぞれ合計3個、上方に矩形状に突出した状態で設けられている。これらの第2の位置決め部62のうち、一端側の第2の位置決め部62には、当該剥離ガイド部材49をサポート部材54に一箇所のみでネジ63によってネジ止め固定するためのネジ孔64が穿設されている。なお、上記剥離ガイド部材49は、一箇所のみでネジ63によってネジ止め固定されているので、当該剥離ガイド部材49が熱膨張した場合でも移動が自在となっている。
【0041】
また、上記第2の位置決め部62は、図8に示すように、サポート部材54の表面に沿って断面L字形状に形成された位置決め用の腕部65を備えており、図12に示すように、当該第2の位置決め部62の表面と位置決め用の腕部65とで、サポート部材54を肉厚方向に挟持することによって、剥離ガイド部材49をサポート部材54の表面に対して垂直な方向に位置決めし、且つ移動自在に保持するように構成されている。なお、上記サポート部材54には、図10に示すように、第2の位置決め部62を挿通する挿通孔66が開口されている。
【0042】
以上の構成において、この実施の形態に係る定着装置では、次のようにして、定着部材の表面に傷を付けたり、表面の平滑性及び光沢度が高い記録媒体や定着画像に傷を付ける虞れがなく、しかも、結露が生じることによって、記録媒体上の画像を乱したり、二次転写不良などが発生することがない安価な剥離装置を提供可能となっている。
【0043】
すなわち、この実施の形態に係る剥離装置が適用された定着装置では、図1に示すように、定着処理時、定着ロール31及び加圧ロール32のヒータ38、44に通電され、これら定着ロール31及び加圧ロール32が所定の表面温度となるように加熱されるとともに、定着ロール31がモーター33によって回転駆動され、定着ロール31と加圧ロール32とのニップ部34に、未定着トナー像Tを担持した記録媒体Pを通過させることにより、当該記録媒体P上にトナー像Tを定着させるようになっている。
【0044】
その際、上記定着装置23では、図4に示すように、定着ロール31の弾性体層36が、加圧ロール32の弾性体層42よりも肉厚に形成されており、ニップ部34において、定着ロール31の弾性体層36が上向きに凸形状となるように弾性変形しており、記録媒体Pは、それ自身の腰(剛性)によって下向きに排出され、定着ロール31から剥離されるようになっている。
【0045】
しかし、特に、フルカラーのトナー像などでは、記録媒体P上に定着されるトナー像Tの量が多いため、場合によっては、定着処理を受けた記録媒体Pが、定着ロール31側に搬送される虞れがある。
【0046】
そこで、この定着ロール31側に搬送された記録媒体Pは、剥離ガイド部材49の先端エッジ部53によって、定着ロール31から確実に剥離されるようになっている。
【0047】
ところで、この実施の形態では、上記剥離ガイド部材49が定着ロール31の表面に対して非接触状態に設けられているため、剥離ガイド部材49によって定着ロール31の表面が傷付けられる虞れはない。また、上記剥離ガイド部材49は、その先端エッジ部53が、所定の曲率半径を有するように構成されているので、当該剥離ガイド部材49の先端エッジ部53によって、OHPシートやコート紙などのように、表面の平滑性及び光沢度が高い記録媒体や、定着されたフルカラー画像に、引掻き傷のようなダメージを与える虞れがない。
【0048】
さらに、上記剥離ガイド部材49は、金属ではなく、トナーの離型性及び耐熱性に優れた合成樹脂によって一体的に形成されているので、熱伝導率が金属に比べて大幅に低く、低温高湿環境下においても、記録用紙Pからの水分によって結露が生じることがなく、記録媒体P上の画像を乱したり、二次転写不良などが発生することがない。
【0049】
また更に、上記剥離ガイド部材49は、トナーの離型性及び耐熱性に優れた合成樹脂によって一体的に形成されているので、金属製のガイド部材にフッ素コーティングを施した場合のように、コストが高くなることはなく、合成樹脂の射出成型等によって安価に製造することができ、従来の金属製ガイド部材の半分程度のコストに抑えることができる。
【0050】
さらに、上記剥離ガイド部材49は、定着ローラ31のボールベアリング40に位置決めされたサポート部材54に取り付けられているので、定着ローラ31に対して精度良く取り付けることができ、プリント画像を乱したり、紙詰まりを起こすことなく、良好な剥離性能を長期間にわたって維持することができる。
【0051】
なお、前記実施の形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、及び黒の4つの現像器を備えた画像形成装置について説明したが、単色の画像形成装置でも、同様に適用できることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、定着部材の表面に傷を付けたり、表面の平滑性及び光沢度が高い記録媒体や定着画像に傷を付ける虞れがなく、しかも、結露が生じることによって、記録媒体上の画像を乱したり、二次転写不良などが発生することがない安価な剥離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る剥離装置を適用した定着装置を示す構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る剥離装置を備えた定着装置を適用した画像形成装置としてのデジタルカラープリンタを示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を示す外観斜視図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態1に係る剥離装置を適用した定着装置を示す断面構成図である。
【図5】 図5はこの発明の実施の形態1に係る剥離装置を適用した定着装置を示す断面構成図である。
【図6】 図6は剥離ガイド部材を示す斜視図である。
【図7】 図7は剥離ガイド部材を示す斜視図である。
【図8】 図8は剥離ガイド部材を示す斜視図である。
【図9】 図9は剥離ガイド部材の先端を示す構成図である。
【図10】 図10は剥離ガイド部材とサポート部材を示す斜視図である。
【図11】 図11は第1の位置決め部を示す構成図である。
【図12】 図12は第2の位置決め部を示す構成図である。
【図13】 図13は従来の剥離装置を示す構成図である。
【符号の説明】
23:定着装置、31:定着ロール(定着部材)、32:加圧ロール(定着部材)、34:ニップ部、49:剥離ガイド部材、53:先端部。
Claims (4)
- 定着部材の回転方向下流側に、当該定着部材によって定着処理が施された記録媒体の剥離を補助する剥離ガイド部材を、この剥離ガイド部材の先端が定着部材の表面に非接触状態となるように設けた剥離装置において、
前記剥離ガイド部材を、トナーの離型性及び耐熱性に優れた合成樹脂によって形成するとともに、当該剥離ガイド部材の定着部材表面に近接した先端側の部分を、定着部材に向けてテーパー状に形成して、当該剥離ガイド部材の定着部材表面に近接した先端部が円弧状であって所定の曲率半径を有するように構成し、かつ、当該剥離ガイド部材の先端側の部分に、複数のリブを設けると共に、前記剥離ガイド部材を取り付けるためのサポート部材を設け、更に、前記サポート部材を、前記定着部材の軸方向に沿って平行な表面を有する板状部材から構成し、前記剥離ガイド部材を、サポート部材に一箇所でのみ固定するとともに、当該剥離ガイド部材の他の部分を、サポート部材の表面に対して平行な方向に位置決めする複数の第1の位置決め部と、サポート部材の表面に対して垂直な方向に位置決めする複数の第2の位置決め部とにより、サポート部材に対して移動自在に支持したことを特徴とする剥離装置。 - 請求項1に記載の剥離装置において、前記剥離ガイド部材を取り付けるためのサポート部材を、前記定着部材を回転自在に軸支する軸受部材に当接させることによって、当該剥離ガイド部材の定着部材に対する位置決めがされていることを特徴とする剥離装置。
- 請求項1又は2に記載の剥離装置において、前記剥離ガイド部材を形成する合成樹脂材料は、PFA( テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体) 、PTFE( ポリテトラフルオロエチレン) 、FEP( テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体) 等のフッ素樹脂であることをことを特徴とする剥離装置。
- 請求項1又は2に記載の剥離装置において、前記剥離ガイド部材を形成する合成樹脂材料は、液晶ポリマーであることをことを特徴とする剥離装置。
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