JP3843559B2 - 放射線画像記録読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒体に蓄積された放射線画像を読み取る放射線画像記録読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
次に、図面を用いて従来の放射線画像記録読取装置を説明する。
(1) 全体構成
従来の放射線画像記録読取装置の正面構成図である図20と、図20における右側面構成図である図21とを用いて、全体構成を説明する。
【0003】
これらの図において、1001は上下方向に3段の棚1012,1013,1014が形成され、各棚1012,1013,1014には、放射線画像が蓄積された媒体を内部に有したカセッテ1002,1003,1004がセットされるカセッテスタッカ部である。
【0004】
尚、このカセッテスタッカ部1001には、図に示すように、大きさの異なるカセッテ1002,1003,1004がセット可能となっている。
カセッテスタッカ部1001の下部には、カセッテ1002,1003,1004内の媒体の放射線画像を読み取る画像読取部1005が設けられている。更に、カセッテスタッカ部1001と画像読取部1005との間には、セットされたカセッテ1002,1003,1004のうち、いずれかのカセッテより媒体を取出し、画像読取部1005へ搬送し、読取りが終わった媒体をカセッテへ搬送する媒体搬送部1006が設けられている。
【0005】
又、カセッテスタッカ部1001の上方には、この装置に対するON/OFF、カセッテの選択、各種画像処理等を行なうための操作部1007と、画像読取部1005で読み取られた放射線画像や装置の状態を表示する表示部1008とが配設されている。
【0006】
(2) カセッテスタッカ部
図20におけるカセッテスタッカ部を上方より見た時の構成図である図22に示すように、カセッテスタッカ部1001の各棚1012,1013,1014にセットされるカセッテ1002,1003,1004は、棚1012,1013,1014の奥側の面A、及び、棚1012,1013,1014の右側の側面Bに当接するようにセットされる。
【0007】
又、カセッテスタッカ部1001の正面中央部には、立溝1010が形成され、小サイズのカセッテ、本従来例では、カセッテ1003,1004の取出しを容易としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成の放射線画像記録読取装置においては、以下のような問題点がある。
【0009】
(1) カセッテスタッカ部1001の上方に、操作部1007と表示部1008とが設けられているので、カセッテスタッカ部1001へカセッテ1002,1003,1004をセットした後、視線を上方に移して、操作部1007の操作を行なったり、表示部1008の画像を確認しなければならず、操作性が悪い。
【0010】
(2) カセッテ1002,1003,1004は、装置の奥側を基準、即ち、棚1012,1013,1014の奥側の面Aに当接するようにセットするようになっている。
【0011】
従って、図21に示すように、大きなカセッテ1002,1004がセットされた棚1012,1014の間の棚1013に小サイズのカセッテ1003をセットしたり、棚1013にセットされた小サイズのカセッテ1003を取り外したりする際の操作性が悪い。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、操作性の良い放射線画像記録読取装置を提供することにある。
【0013】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、放射線画像が蓄積された媒体を内部に有したカセッテがセットされるカセッテスタッカ部と、前記媒体の放射線画像を読み取る画像読取部と、前記カセッテスタッカ部にセットされたカセッテから、前記媒体を取出し、前記画像読取部へ搬送し、読取りが終わった媒体を前記カセッテスタッカ部へ返送する媒体搬送部と、前記画像読取部で読み取られた画像を表示する表示部とを備えた放射線画像記録読取装置であって、前記媒体搬送部は、装置の正面から見て、前記カセッテスタッカ部の下方に設けられ、前記カセッテスタッカ部にセットされた一つのカセッテから、下方に前記媒体を取り出し、前記画像読取部は、装置の正面から見て、前記カセッテスタッカ部の斜め下方に設けられ、前記表示部は、装置の正面から見て、前記画像読取部の上方で、前記カセッテスタッカ部と略水平方向に並設されたことを特徴とする放射線画像記録読取装置である。
【0014】
表示部と、カセッテスタッカ部とを略水平方向に並設したことにより、カセッテスタッカ部へカセッテをセットした後、表示部で画像を確認する場合、視線の移動量が少なくて済むので、操作性が良い。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の前記表示部の表示画面にタッチパネルを設けたことを特徴とする放射線画像記録読取装置である。
表示部の表示画面にタッチパネルを設けたことにより、装置の操作を表示画面上で行なうことができるので、カセッテスタッカ部へカセッテをセットした後、装置の操作を行なう場合、視線の移動量が少なくて済み、操作性が良好である。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の前記タッチパネルは、光の遮断で反応する光方式であることを特徴とする放射線画像記録読取装置である。
表示画面上に膜を設置する必要がある抵抗膜方式、アナログ容量結合方式等に比べ、表示画面上に膜が不要となるので、表示画面の透過性が優れる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の前記カセッテスタッカ部にセットされるカセッテは、装置の手前側を基準としてセットされることを特徴とする請求項1記載の放射線画像記録読取装置。
【0018】
カセッテを装置の手前側を基準としてセットすることにより、小サイズのカセッテのセット、及び、取出しが容易となり、操作性が良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の一形態の形態例としての放射線画像記録読取装置を説明する。
【0020】
1. 放射線画像記録読取装置の概略構成
本実施の形態例の放射線画像記録読取装置の概略構成を説明する。
図5は放射線画像記録読取装置の概略構成を示す図である。
【0021】
放射線画像記録読取装置1の装置本体2には、カセッテスタッカ部3、プレート搬送部4、画像読取部5、システム制御部6、表示・操作部7及び電源部8が備えられている。
【0022】
カセッテスタッカ部3には、複数種類の媒体としての放射線画像変換プレートを収納したカセッテ9がセット可能になっており、カセッテスタッカ部3に放射線画像変換プレートを収納したカセッテ9を投入する。表示・操作部7から所定の操作を行うと、プレート搬送部4によりカセッテ9から放射線画像変換プレート12が引き出される。
【0023】
引き出された放射線画像変換プレート12は、プレート搬送部4により画像読取部方向へ搬送される。この画像読取部5では、放射線画像変換プレート12を固着し、レーザ走査による読取が開始される。画像読取部5での読取を終了した放射線画像変換プレート12は同じ経路をたどり元のカセッテ9に収納される。放射線画像変換プレート12の画像の消去動作は、消去部13によりカセッテ9への収納時に行われる。即ち、放射線画像変換プレート12の画像の消去しながらカセッテスタッカ部3のカセッテ9に収納する。
【0024】
次に、この放射線画像記録読取装置1の制御の概略を説明する。
図6は放射線画像記録読取装置の制御ブロック図である。
放射線画像記録読取装置1の装置本体2に備えられるカセッテスタッカ部3には、カセッテスタッカ部機構・駆動部30及びカセッテスタッカ部制御部31が備えられ、複数種類の放射線画像変換プレートを収納したカセッテ9がセット可能になっている。カセッテスタッカ部制御部31の制御に基づきカセッテスタッカ部機構・駆動部30を駆動して、放射線画像変換プレートを収納したカセッテ9が投入されると、所定の状態にセットする。
【0025】
プレート搬送部4には、プレート搬送部機構・駆動部40及びプレート搬送部制御部41が備えられ、カセッテスタッカ部制御部31からの指令に基づきプレート搬送部制御部41は、プレート搬送部機構・駆動部40を制御する。プレート搬送部機構・駆動部40は、カセッテ9から放射線画像変換プレート12を引き出し、この引き出された放射線画像変換プレート12を画像読取部方向へ搬送する。
【0026】
画像読取部5には、副走査部機構・駆動部50及び主走査部51が備えられ、副走査部機構・駆動部50により主走査部51が副走査方向へ搬送され、主走査部51のレーザ走査による画像読取が行われる。
【0027】
システム制御部6には、メインCPU60及び読取部制御画像入力制御部61が備えられている。メインCPU60には、システムプログラムを記憶したシステム用ディスク62、画像情報を記憶する画像ディスク63,64が接続され、またボード65を介してホストコンピュータ66、診断装置67及び患者登録ターミナル68に接続される。メインCPU60では、全体制御、画像処理、出力制御及び画像管理を行う。読取部制御画像入力制御部61は、カセッテスタッカ部制御部31、副走査部機構・駆動部50及び主走査部51を制御して放射線画像変換プレート12の画像読取を行い、この画像情報をメインCPU60に送る。
【0028】
表示・操作部7には、画像読取部5で読み取られた画像を表示する表示部としてのCRT70と、CRT70の表示画面上に設けられた操作部としてのタッチパネル71とが備えられ、タッチパネル71からの指令情報がメインCPU60に送られ、メインCPU60では入力指令に基づく制御が行われる。
【0029】
次に、この放射線画像記録読取装置の外観形状を説明する。図1は放射線画像記録読取装置の斜視図でカセッテがセットされていない状態を示す図、図2はカセッテがセットされた状態の放射線画像記録読取装置の正面図、図3は図2における左側面図、図4は図2における放射線画像記録読取装置の右側面図である。
【0030】
カセッテスタッカ部3と、表示・操作部7とは放射線画像記録読取装置の上部で、略水平方向に並設されている。即ち、カセッテスタッカ部3は放射線画像記録読取装置1の上部右側に配置され、表示・操作部7は放射線画像記録読取装置の上部左側に配置されている。
【0031】
カセッテスタッカ部3は、5個のスロット毎に設けられた投入部300を有している。
表示・操作部7には、表示部としてのCRT70と、CRT70の表示面上に設けられた操作部としてのタッチパネル71とが備えられ、CRT70上に検査予約、患者登録等の操作及び装置各部の状態表示・設定、及び読み取られた画像の表示を行う。
【0032】
CRT70は、例えば15インチCRT(24ビットカラー、モノクロ256階調・解像度1024×768)が用いられ、操作入力は、CRT70上のタッチパネル71により行なうようになっている。
【0033】
本実施の形態例のタッチパネル71は、光、例えば、赤外線の遮断で反応する光方式とした。
投入部300は、投入ガイド部301及び収納部302から構成されている。投入ガイド部301は溝状で収納部302に向かって延び、カセッテ9を収納部302に垂直状態で導くように形成されている。収納部302には、カセッテ9が所定の隙間を持って収納保持される。
【0034】
カセッテ9は、カセッテ長辺方向を水平にした状態で、装置の手前側を基準とする縦投入であり、カセッテ9の投入と同時にスロット毎に収納部302の開口に設けられた遮光シャッタ303が閉じ、開口部から漏れ光を防ぐ。
【0035】
各スロット毎にカセッテ9の抜き取りが可能であり、誤ってカセッテ9が抜き取られることがないように読取中を示すLEDランプ304を装備する
2. カセッテ
以下、放射線画像記録読取装置1で使用されるカセッテ9について詳細に説明する。
【0036】
放射線画像変換プレートを収納したカセッテは、図7乃至図14に示すように構成され、図7はカセッテに放射線画像変換プレートを収納した状態を示す斜視図、図8はカセッテから放射線画像変換プレートを引き出した状態を示す斜視図、図9はカセッテの平面図、図10はカセッテに放射線画像変換プレートを収納した状態を示す平面図、図11はカセッテの側面図、図12は図9の切断線C-Cにおける断面図、図13は図9の切断線D-Dにおける断面図、図14は図9の切断線E-Eにおける断面図である。
【0037】
カセッテ9は、ケース半体900,901を合わせて周囲をビス902により締め付けて一体化している。カセッテ9の一辺部には開口903が形成され、この開口903から放射線画像変換プレート12を引き出し可能になっている。
【0038】
放射線画像変換プレート12は、輝尽性蛍光体層を有し、輝尽性蛍光体層は、放射線発生源からの照射放射線量に対する被写体の放射線透過率分布にしたがったエネルギーを蓄積して潜像を形成する。放射線画像変換プレート12は気相堆積或いは塗布によって輝尽性蛍光体層を設けてある。輝尽性蛍光体層は環境による悪影響及び損傷を遮断するために保護部材によって遮蔽若しくは被覆されている。放射線画像変換プレートの材料としては、
例えば、MIX・aMIIX′2・bMIIIX″3 : cA
で表されるアルカリハイド蛍光体
(ただし、MIはLi,Na,K,Rb及びCsの少なくとも1種類のアルカリ金属を表し、MIIはBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu,Niの少なくとも1種の2価の金属を表し、MIIIは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,Inの少なくとも1種類の3価の金属を表し、X,X′,X″は、F,Cl,Br,Iの少なくとも1種のハロゲンを表し、X,X′,X″は、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,Sm,Y,Tl,Na,Ag,Cu,Mgの少なくとも1種類の金属を表し、a,b,cは、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<c≦0.2を満たす数を表す。)
また、他に例えば、
(Ba1-x-y Mgx Cay)FX:eEu2+
(但し、XはBr及びClの中の少なくとも1つであり、x,y及びeはそれぞれ0<x+y<0.6,xy≠0,10-6≦e≦5×10-2なる条件を満たす数である。)で表されるアルカリ土類弗化ハロゲン化物蛍光体、
または例えば、
BaFX:xCe,yA
(但し、XはClBr、及びIの中の少なくとも1つであり、Aはln,Tl,Gd,Sm及びZnの内の少なくとも一つであり、x及びyはそれぞれ 0<x≦2×10-1 及び 0<y<5×10-2 である。)で示される蛍光体BaBr:Eu2+で示される蛍光等が使われる。
【0039】
放射線画像変換プレート12はカセッテ9内部のリジッドなトレイ904に固定され、画像が記録される領域以外の部分に対応して一対の係止ピン905がトレイ904に設けられ、この一対の係止ピン905は放射線画像変換プレート12のトレイ904に貫通している。一対の係止ピン905には、ガイドプレート906の案内孔906aが摺動可能に設けられ、ガイドプレート906に開口を覆うキャップ907が取り付けられている。
【0040】
キャップ907にはロック機構908が内蔵され、ロック孔909からロック機構908のロック解除が可能になっている。また、キャップ907には、一対のレバー910が設けられ、この一対のレバー910によりキャップ907を開閉してカセッテ9からトレイ904ごと放射線画像変換プレート12が引き出され、あるいは収納される。
【0041】
カセッテ9の種類とサイズの一例を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
カセッテ9には、識別シール911が貼り付けられており、識別シール911には白と黒とによる識別情報が記録され、この識別シール911の識別情報の検出によりカセッテ9の種類とサイズの検出と、カセッテスタッカ部3への誤投入の検出を行う。
【0044】
又、この識別シール911により、カセッテ9の投入方向、表裏の判別を行う。
また、カセッテ9の上下グリッド方向の指示は、上下方向の指示マーク912によるが、キャップ907を下側にしてカセッテ9をカセッテスタッカ部3へ投入することで上下方向を指定するようにしてもよい。
【0045】
また、カセッテ9には、ケース半体900に診療録クリップ913が設けられ、この診療録クリップ913の周囲にはケース半体900に凹部900aが形成され、この凹部900aと診療録クリップ913とで診療録等が保持される。
【0046】
3. プレート搬送部
図15はプレート搬送部の構成を示す正面図、図16は図15におけるカセッテクリンチの側面図、図17はカセッテクリンチの平面図である。
【0047】
プレート搬送部4は、放射線画像記録読取装置1の装置本体2であって、カセッテスタッカ部3の下方位置に配置され、副走査部50とカセッテスタッカ部3のカセッテ位置間の放射線画像変換プレート12の搬送を行う。
【0048】
プレート搬送部4に備えられるレート搬送部機構・駆動部40は、図2、図15乃至図17に示すように構成される。
即ち、プレート搬送部機構・駆動部40には、支持フレーム400が上下に配置されたガイドレール401,402に支持されている。このガイドレール401,402は、カセッテスタッカ部3に収納されたカセッテ9に対して直交する方向に配置されている。支持フレーム400の下端部は、下方に配置された搬送ベルト403に固定され、この搬送ベルト403は搬送モータ404により駆動され、これにより支持フレーム400がガイドレール401,402に沿って移動する。
【0049】
支持フレーム400の上部には、消去部13が取り付けられている。消去部13の消去光源は、例えば300Wハロゲンランプ2本(駆動電圧90V)が用いられ、消去時の放射線画像変換プレート12の移動速度は、10.5mm/secであるが、放射線画像変換プレート12の画像記録に応じて可変可能である。ハロゲンランプは消去光源であり、点灯して消去光を放射線画像変換プレート12に照射して残像の消去を行う。この残像の消去とは、放射線画像変換プレート12を消去光によって照射することで、レーザビームによる走査と読み取り後の放射線画像変換プレート12における残留放射線工ネルギーを放出させることである。
支持フレーム400には、上下方向にガイド軸410が設けられ、このガイド軸410にはカセッテクリンチ411が上下方向へ移動可能に取り付けられている。カセッテクリンチ411は、上下方向に配置された搬送ベルト405に取り付けられ、この搬送ベルト405は支持フレーム400の下方位置に配置した搬送モータ406により駆動され、これによりカセッテクリンチ411がガイド軸410に沿って上下動する。また、支持フレーム400には、放射線画像変換プレート12の倒れ防止を行う保持ローラ407が設けられ、放射線画像変換プレート12の画像記録領域外の端部を保持する。
【0050】
カセッテクリンチ411には、図16に示すように支持体412の内部に一対のアーム413が支持ピン414を支点に回動可能に設けられている。一対のアーム413の先端に設けられた爪部413aは、カセッテ9のキャップ907に設けられた一対のレバー910に係合可能になっており、一対のアーム413はそれぞれスプリング417により基部413bが常にカム415のピン415aに当接するように付勢されている。
【0051】
カム415は駆動モータ416により回転する。このカム415の回転によりピン415aが基部413bを押動し一対のアーム413が開閉する。
駆動モータ416の回転軸420には、回転円盤421が設けられ、回転円盤421に形成した切欠き421aがフォトカプラ422を横切るタイミングで駆動モータ416の回転角を検出して一対のアーム413の動作を制御する。
【0052】
また、カセッテクリンチ411の支持体412には、キャップ907のロック機構908のロックを解除する一対のロック解除ロッド430が設けられている。この一対のロック解除ロッド430は、支持体412にプレート431により摺動可能に支持され、一方のロック解除ロッド430にソレノイド432が連結され、このロック解除ロッド430は連結レバー433により他方のロック解除ロッド430と連結されて連動して作動する。
【0053】
一対のロック解除ロッド430は、スプリング434により常に初期位置に付勢されており、カセッテクリンチ411が上方に移動した位置で支持体412をカセッテ9のキャップ907に当てがい、ソレノイド432を作動させると一対のロック解除ロッド430が突出してキャップ907のロック孔909に入りロック機構908のロックを解除する。
【0054】
このロック機構908のロック解除により一対のアーム413が閉じて爪部413aがキャップ907の一対のレバー910に係合し、この状態でカセッテクリンチ411を下方へ移動させてカセッテ9から放射線画像変換プレート12を引き出し、カセッテクリンチ411に引き出された放射線画像変換プレート12を保持したまま支持フレーム400を移動して副走査部50へ搬送する。
【0055】
放射線画像変換プレート12の画像読取が終了すると、反対方向へ支持フレーム400を移動して所定位置に戻り、カセッテクリンチ411を上方へ移動させて放射線画像変換プレート12をカセッテ9に収納させる。このときは、一対のロック解除ロッド430は作動させないで、カセッテ9に放射線画像変換プレート12を収納してキャップ907を閉じると自動的にロック機構908がキャップ907をロックする。
【0056】
4. 画像読取部
図18は副走査部の側面図、図19は画像読取部の光学系を示す図である。
(1)副走査部機構・駆動部
画像読取部5は、放射線画像記録読取装置1の装置本体2に内蔵され、表示・操作部7の下方位置に配置されている。画像読取部5に備えられる副走査部機構・駆動部50が、主走査部51を副走査方向へ搬送する。
【0057】
副走査部機構・駆動部50は、図2、図3、図18及び図19に示すように、放射線画像変換プレート12に対面する方向のガイド軸500とボールねじ501が平行に配置されている。ガイド軸500が上方に位置し、ボールねじ501が下方に位置し、このガイド軸500とボールねじ501により主走査部51が縦に保持され、水平に移動可能になっている。
【0058】
ボールねじ501にはダイレクトドライブモータ502が設けられ、ダイレクトドライブモータ502の駆動によりボールねじ501が回転して主走査部51を副走査方向へ移動させる。
【0059】
(2) 主走査
主走査部51は、図18及び図19に示すように、レーザビーム発生部510、ポリゴンミラー511、集光体512を構成するfθレンズ、反射鏡513、受光部514等を一体的に構成してある。レーザビーム発生部510は、光源としてガスレーザ.固体レーザ、半導体レーザ等を有する。レーザビーム発生部510は励起光として射出強度が制御されたレーザビームを発生する。
【0060】
レーザビームは光学系を経由してポリゴンミラー511に到達して、そこで偏向を受けて、集光体512を構成するfθレンズで集光させて、反射鏡513で光路を偏向させて放射線画像交換プレート12に輝尽励起用の走査光として導かれる。上記レーザビームで走査された放射線画像変換プレート12が発する輝尽発光を受光部514で受光して画像の読取を行う。受光部514には、長尺フオトマルチプライヤ514aと平板集光体514bを用いて構成されている。
【0061】
長尺フオトマルチプライヤ514aに入射して、その入射光に対応した電気信号に光電変換される。即ち輝尽発光は、平板集光体514bを経て長尺フオトマルチプライヤ514aに入射して光電変換されるので、放射線画像に対応した出力電流が得られる。長尺フオトマルチプライヤ514aからの出力電流は、図示しない電流/電圧交換器で電圧信号に変換され、図示しない増幅器で増幅された後、A/D変換器でデジタル画像信号に変換される。そして、デジタル画像信号は、画像処理回路に順次出力され、ここで階調処理等の各種画像処理を施されたのちに、画像ディスクにそのまま記憶されたり、又は、CRT70によって可視化されたりする。
【0062】
読取部制御画像入力制御部61には、ポリゴンミラー511からの各種同期信号、及び副走査の開始位置を検出するフォトセンサ(図示せず)からの原点位置検出信号などが入力されるようになっており、ポリゴンミラー511による主走査に同期させつつ開始位置から主走査部51を副走査方向に所定速度で移動させる。
【0063】
この実施の形態では、放射線画像変換プレート12へ照射する入射角は、放射線画像変換プレート12のプレート面に対して5°の略垂直入射方式を採用している。
【0064】
5. 読取サイクルタイム(フィード/ロードタイム)及び処理能力
この放射線画像記録読取装置1のフィード/ロードタイムは、カセッテ9をカセッテスタッカ部3に投入し、読取開始から抜き取り可能となるまでの時間で定義する(175μm読取)。スリープモード時は、約10秒が加算される。また、放射線画像変換プレート12上の最大到達線量が20mRを越える場合には最大18秒加算される。
【0065】
この放射線画像記録読取装置1の処理能力は、投入部300の1番から順番にカセッテ9を連続して投入する場合の1時間当たりの処理枚数で定義し、下記のようになっている。
【0066】
【表2】
【0067】
6. 画像読取
この放射線画像記録読取装置1の画像読取部5での画像読取について詳細に説明する。
【0068】
(1) マトリクスサイズ、読取り領域
各カセッテにおける読取り領域とマトリクスサイズを表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】
(2) 撮影感度
画像読取部5での撮影感度は、以下の3段階の撮影感度を各部位毎に設定可能である。
【0071】
即ち、撮影感度は、低感度(s=50〜200相当)、標準(s=200〜1000相当)、高感度(s=1000〜5000相当)であり、s値の定義は、2.58×10-7CKg(1mR)のX線照射に対して1535のディジタル値が出力されるときのPMT感度をs=200とし、それを基準としたフォトマルチチューブ(PMT)感度を相対的に表した値である。
【0072】
(3) グリッドモアレ除去
カセッテ上下マークにより指定された方向にグリッドを配置した場合モアレを除去することが可能であり、使用グリッドとして、例えば34,40,60,80本/cmを用いる。
【0073】
(4) ムラ補正
画像読取部5での補正内容としては、装置主走査方向ムラ(S)、縦方向ムラ(F)、ポリゴンムラ(P)があり、これらの補正を行う。
【0074】
補正データとしては、各補正内容についてのパラメータを87.5/175μmの2通りにてデータを保持する。
7. システム制御部
システム制御部6には、メインCPU60及び読取部制御画像入力制御部61が備えられ、以下のように構成される。
【0075】
(1) システム制御ユニット
システム制御ユニットでは、モアレ除去・各種補正を行う。また、画像制御基板(ICU)との画像転送に用いる。XGA-24ビットカラー画像表示が可能である。
【0076】
ハードディスクとして、システムプログラムを記憶したシステム用ディスク62、画像情報を記憶する画像ディスク63,64が接続される。
画像データ出力は、ユーザ設定によりホストコンピュータ出力優先かハードコピー優先かを切り替え可能である。
【0077】
(2) 画像処理
システム制御ユニットのソフトウエアで以下の処理を行う。階調処理として、撮影メニューに基づき、部位毎のアルゴリズムを設定する。自動では、ROI設定及びヒストグラム解析によりLUT回転・シフトを行う。また、手動としては、固定LUTによる階調処理を行う。
【0078】
周波数処理は、周波数強調を行う。また、イコライゼーションは、画像信号のダイナミックレンジを圧縮する。分割撮影対応としては、2分割(縦・横)、4分割撮影に対応している。アルゴリズムとしては、所定の1分割に対して処理条件を決定し、画像全体に適用する。画像の扱いとしては、1画像として扱う。
【0079】
照射野確認は、任意の多角形の照射野を自動確認する。ただし、胸部正面、胸部側面、腹部単純、骨盤正面等は画像端に平行な矩形に限定する。
画像方向判定は、人体の頭尾方向が画像の縦/横のいずれに相当するか自動判定する。ただし、胸部正面、小児胸部正面、腹部単純、骨盤正面のみ適用可能であるが、これらに限定されない。
【0080】
(3) 画像データ保存
画像ディスク63,64のハードディスクを保存可能である。
(4) 患者登録
患者の入力方式としては、CRT70上に表示された五十音表により入力可能であり、使用可能な文字種は、例えばカタカナ及び英数字である。また、ID番号により自動入力することもできる。さらに、患者登録ターミナルから漢字入力も可能である。
【0081】
患者登録の単位は、検査単位で行う。例えば、1検査当たり24撮影まで可能である。また、予約検査数は、例えば最大100検査まで可能である。
上記構成の放射線画像記録読取装置によれば、操作・表示部7と、カセッテスタッカ部3とを略水平方向に並設したことにより、カセッテスタッカ部3へカセッテ9をセットした後、操作・表示部で画像を確認する場合、視線の移動量が少なくて済むので、操作性が良い。
【0082】
又、操作・表示部7のCRT70の表示画面上に、タッチパネル71を設けたことにより、装置の操作をCRT70の表示画面上で行なうことができ、カセッテスタッカ部3へカセッテ9をセットした後、装置の操作を行なう場合、視線の移動量が少なくて済むので、操作性が良好である。
【0083】
更に、タッチパネル71は、光の遮断で反応する光方式とした。表示画面上に膜を設置する必要がある抵抗膜方式、アナログ容量結合方式等に比べ、表示画面上に膜が不要となるので、表示画面の透過性が優れる。
【0084】
又、更に、カセッテスタッカ部3にセットされるカセッテ9は、装置の手前側を基準としてセットされることにより、小サイズのカセッテのセット、及び、取出しが容易となり、操作性が良い。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、表示部と、カセッテスタッカ部とを略水平方向に並設したことにより、カセッテスタッカ部へカセッテをセットした後、表示部で画像を確認する場合、視線の移動量が少なくて済むので、操作性が良好となる。
【0086】
請求項2記載の発明によれば、表示部の表示画面にタッチパネルを設けたことにより、装置の操作を表示画面上で行なうことができるので、カセッテスタッカ部へカセッテをセットした後、装置の操作を行なう場合、視線の移動量が少なくて済み、操作性が良好となる。
【0087】
請求項3記載の発明によれば、タッチパネルを光の遮断で反応する光方式としたことにより、表示画面上に膜を設置する必要がある抵抗膜方式、アナログ容量結合方式等に比べ、表示画面上に膜が不要となるので、表示画面の透過性が優れる。
【0088】
請求項4記載の発明によれば、カセッテを装置の手前側を基準としてセットすることにより、小サイズのカセッテのセット、及び、取出しが容易となり、操作性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線画像記録読取装置の斜視図でカセッテがセットされていない状態を示す図である。
【図2】カセッテがセットされた状態の放射線画像記録読取装置の正面図である。
【図3】図2における左側面図である。
【図4】図2における放射線画像記録読取装置の右側面図である。
【図5】放射線画像記録読取装置の概略構成を示す図である。
【図6】放射線画像記録読取装置の制御ブロック図である。
【図7】カセッテに放射線画像変換プレートを収納した状態を示す斜視図である。
【図8】カセッテから放射線画像変換プレートを引き出した状態を示す斜視図である。
【図9】カセッテの平面図である。
【図10】カセッテに放射線画像変換プレートを収納した状態を示す平面図である。
【図11】カセッテの側面図である。
【図12】図9の切断線C-Cにおける断面図である。
【図13】図9の切断線D-Dにおける断面図である。
【図14】図9の切断線E-Eにおける断面図である。
【図15】プレート搬送部の構成を示す正面図である。
【図16】図15におけるカセッテクリンチの側面図である。
【図17】カセッテクリンチの平面図である。
【図18】副走査部の側面図である。
【図19】画像読取部の光学系を示す図である。
【図20】従来の放射線画像記録読取装置の正面構成図である。
【図21】図20における右側面構成図である。
【図22】図20におけるカセッテスタッカ部を上方より見た時の構成図である。
【符号の説明】
3 カセッテスタッカ部
7 表示・操作部
9 カセッテ
70 CRT(表示部)
71 タッチパネル(操作部)
Claims (4)
- 放射線画像が蓄積された媒体を内部に有したカセッテがセットされるカセッテスタッカ部と、
前記媒体の放射線画像を読み取る画像読取部と、
前記カセッテスタッカ部にセットされたカセッテから、前記媒体を取出し、前記画像読取部へ搬送し、読取りが終わった媒体を前記カセッテスタッカ部へ返送する媒体搬送部と、
前記画像読取部で読み取られた画像を表示する表示部とを備えた放射線画像記録読取装置であって、
前記媒体搬送部は、装置の正面から見て、前記カセッテスタッカ部の下方に設けられ、前記カセッテスタッカ部にセットされた一つのカセッテから、下方に前記媒体を取り出し、
前記画像読取部は、装置の正面から見て、前記カセッテスタッカ部の斜め下方に設けられ、
前記表示部は、装置の正面から見て、前記画像読取部の上方で、前記カセッテスタッカ部と略水平方向に並設されたことを特徴とする放射線画像記録読取装置。 - 前記表示部の表示画面にタッチパネルを設けたことを特徴とする請求項1記載の放射線画像記録読取装置。
- 前記タッチパネルは、光の遮断で反応する光方式であることを特徴とする請求項2記載の放射線画像記録読取装置。
- 前記カセッテスタッカ部にセットされるカセッテは、装置の手前側を基準としてセットされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記載の放射線画像記録読取装置。
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