JP3843460B2 - 栓の製造に使用できる組成物の製造法、組成物およびこの組成物からなる栓 - Google Patents
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Description
本発明は、一般的にはコルク系の栓(ストッパー)の製造に関し、より詳しくは栓の製造に使用できる組成物の製造方法に関する。
本発明はまた、このような組成物およびこの組成物からなる栓にも関し、この栓は、例えば、ワイン、非発泡性もしくは発泡性の飲料、スピリッツ、サイダーならびに果汁を含んだ炭酸飲料といった、アルコールまたは非アルコール飲料のビンを密栓するためのものである。
栓の製造に使われているコルクは、コルク樫という樹木のコルク形成層(フェロゲン)が産生する植物組織である。これは(蜂の巣のような)胞状構造を持つ死んだ細胞からなる。これらの細胞はガスで満たされており、そのガスの組成は空気に非常に近い。
コルクは、約45%のスベリン(コルク質)(胞状細胞の主成分)、約27%の繊維質構造のリグニン(チャネル内の内包物として、または樹皮の表面に存在)、約12%のセルロース、および約17%の各種の他の産物(セロイド<ceroids>、タンニン、無機物質および水)から本質的に構成される。
コルクは、十分な弾性、不透過性および疎水性を持った圧縮可能な物質であるので、非発泡性または発泡性の飲料、特にワインまたは他のビン詰めアルコール飲料の密栓と保存用の良い材料である。コルクは約5%の水分を含んでいるが、水和はゆっくりである。これは、ワインやアルコール類を酸化させずに適正に熟成させるのにちょうど十分なガス不透過性を有する。
しかし、コルクは天然物質であるため、多少なりとも欠陥がある。
これらの欠点の大部分は、木質化した(lignified)壁を持つチャネル(導管)か、またはリグニン内包物にある。
これらは、栓の弾性および不透過性に悪影響を及ぼす。その上、これらはコルク栓をしたワインまたはアルコールに、熟成中に「コルク味」と呼ばれる望ましくない味を与えることがある物質またはそれらの前駆体を含んでいる。
コルク系の栓は約7等級のカテゴリーに区分することができ、これらは、実質的に欠陥のない最高級のコルクに対する0等級から、高い比率で欠陥を有する最低級のコルクに対する6等級までのスケールで販売されている。
中ないし低級の天然コルクの欠陥に伴う上述した欠点を解消すると同時に、欠陥のない高級天然コルクから栓を製造することからなる解決策と比べて相対的に低コストで栓を製造することを可能にする試みとして、栓の製造業者は、中ないし低級ルク粒子と栓に凝集力を付与する結合剤または接着剤とからなる集塊化した栓(集塊栓)を製造してきた。
複合体の栓(その一例は仏国特許第2,672,002号に記載)も公知である。
このような栓は、主に、木質の植物物質(特にコルク由来のもの)、発泡プラスチック微小球、および食物用接着剤からなる。
しかし、集塊栓は、経済的に製造できるものの、天然コルク製の栓に比べて著しく劣った物理化学的および機械的特性を示すので、ビン内熟成を受けることを意図したワインやアルコールの保存には使用することができない。
また、上述した複合体の栓も全く同様であるが、集塊栓の使用は、この栓を用いて密栓したビン詰めワインおよびアルコール類においてコルク味が生じるのを防ぐものではない。
上述した欠点を軽減するため、本発明は、特にビン詰めアルコールでコルク味が生じる危険性を解消することができる、栓の製造に使用可能な組成物の新規な製造方法を提供する。
より具体的には、本発明の係る方法は下記工程を含む:
a)コルクのシートを小さな粒状物に粉砕し、
b)このコルク粒状物をリグニン含有量の高い粒状物とスベリン含有量の高い粒状物とに分解し、
c)リグニンの多い粒状物をスベリンの多い粒状物から分離して、スベリンの多い粒状物だけを該組成物中に残す。
いくつかの研究により、栓の製造に使用されるコルク中に含まれている、ワインに悪影響を与え、コルク味を生じるいくつかの成分を同定することが可能となっている。
同定された主な物質は次の通りである:
・2,4,6−トリクロロアニソール(2,4-TCA)
・2,5−ジメチルピラジン
・2−メチルチオ−3−エチルピラジン
・4−エチルフェノール
・2,6−ジクロロフェノール
・ゲオスミン
・グアイアコール
・1−オクテン−3−オン
・1−オクテン−3−オール
・2−メチルイソボルネオール。
上記の物質は、低濃度であってもワインに不快な香りを与える。
これらの物質またはその前駆体は、コルクの木質部分に集中している。例えば、コルク中のトリクロロアニソール含有量は、コルク樫の樹皮(木質部分)に向かうにつれて増大する。グアイアコールはリグニン上で細菌の作用により産生する。残りの上記物質は、リグニンまたは木質化チャネル内で優先的に見られるタンニン類、細菌類または黴類の前駆物質である。
かくして、本発明のよれば、ほとんどリグニンを含まない栓の製造に使用できる組成物が製造される。従って、試験結果の助けを借りて後で説明するように、かかる組成物から製造された、ワインやアルコールのビンを密栓するために使用される栓は、ビン内で熟成させたワインやアルコールに、いわゆるコルク味という不快な味を移すことが決してない。
本発明にかかる方法の1つの特徴によれば、工程a)で粉砕により得られたコルク粒状物の寸法は3〜8mmである。
本発明にかかる方法を実施するための1つの好ましい手法によれば、コルク粒状物を、工程b)において粒状物内を伝播する衝撃波によって分解する。この衝撃波の伝播速度は、密度の異なる化合物では違ってくる。
この衝撃波による分解法は、スベリンとリグニンでは密度が異なることから、ここで構想することができる。
有利には、本発明に従って、衝撃波を水性媒質中で生起させたプラズマにより発生させることができる。
こうするための1つの方法は、分解すべきコルク粒状物を、衝撃波をこの粒状物中に伝播させるための媒質となる水性媒質中に浸漬することからなる。
この方法は次の通りである。
粉砕により得たコルク粒状物を試料室(その実験用パイロットの寸法は、高さが約40mmに相当し、直径が約200mmに相当する)に入れ、この試料室を水を満たしたタンク内で圧縮下に置く。タンク内に入っている水中で、キャパシターを充電し、次いで貯蔵された電気容量エネルギーをパルス放電の形で放出することにより、電気アークを発生させる。水中に浸漬した電極の2つのポール間で発生させた電気アークは、衝撃波を誘起するプラズマの形成を生じ、この衝撃波がコルク粒状物の密度の異なる化合物内を異なる速度で伝播する。
2種類の異なる化合物、この場合はスベリンとリグニン、の間の境界を衝撃波が通過することにより発生した機械的応力により、これらが分離させられる。
衝撃波を分解すべきコルク粒状物中に伝える媒質は、水の代わりに空気とすることもできる。
この場合、コルク粒状物を電極から隔離する柔軟な膜を介して衝撃波が粒状物に伝えられよう。電極は衝撃波を発明するプラズマを形成するために常に水性媒質中に置かれる。
本発明に係る方法を実施する別の手法によれば、衝撃波を爆発または減圧により発生させることもできる。
本発明に係る方法の他の特徴によれば、工程c)におけるリグニンの多い粒状物からのスベリンの多い粒状物の分離を、浮遊、遠心分離、またはさもなくば拡散により行うことができる。
本発明に係る方法は、単離されたスベリンの多い粒状物を結合剤と混合することからなる追加工程を含むことが有利である。結合剤は、例えば、ポリウレタン系またはアクリル系の食物用接着剤でよい。
本発明はまた、上述した本発明に係る方法を用いて製造された組成物にも関する。この組成物は栓の製造に使用することができ、スベリンの多い粒状物を含んでいる。
異なる粒状物の3つのバッチについて各種の試験を実施した。
第1のバッチAは、粉砕により得た初期のコルク粒状物(標準コルク)からなる。
第2のバッチSは、本発明に係る組成物のための上述した方法に従って得たスベリンの多い粒状物からなる。
第3のバッチLは、本発明に係る方法からの廃棄物、即ち、リグニンの多い粒状物からなる。
異なる粒状物の3つのバッチについて、密度測定および化学分析を実施した。化学分析は各バッチの粒状物をニトロベンゼンを用いて酸化し、酸化により生成した分解生成物の濃度、より詳しくは恐らくリグニンの分解でしか生じてこないシリングアルデヒドで表したリグニン濃度、を測定することからなる。
さらに、中性の白ワイン中での浸軟(マセレーション)により各バッチの粒状物の官能検査も実施した。
各測定および検査の結果を下の表1に示す。
表1から、バッチSの粒状物(スベリンを多く含む)は密度が90kg/m3より小さく、シリングアルデヒドで表したリグニン濃度が約0.46g/lであり、これはバッチAの初期コルク粒状物より約15%少ない。これら2つの結果は、本発明に係る組成物のものであるバッチSの粒状物がスベリン含有量が高い(スベリン濃度が100%に近い)ことを明らかに示している。
これに対し、バッチLの粒状物は密度が約131kg/m3であり、これは初期コルク粒状物の密度より大きい。この粒状物のシリングアルデヒドで表したリグニン濃度は約0.66g/lであり、これは初期コルク粒状物のそれより約22%も大きい。これはバッチLの粒状物のリグニン含有量が高いことを明らかに示している。
化学分析の結果、特にシリングアルデヒドで表したリグニン濃度の結果は、もちろん標準コルク粒状物の初期バッチのリグニン濃度に応じて変動することは認められよう。
即ち、表1のバッチSおよびLについて示したシリングアルデヒド濃度の値は絶対的な意味ではめざましいものではないが、初期バッチAについて示したシリングアルデヒド濃度と比較する必要がある。
同じ化学分析を、各種の標準コルクバッチから本発明に係る方法を用いて得たスベリンを多く含む粒状物の別のバッチについても行った。
得られた分析結果から、本発明に係る方法によりスベリン含有量を高めた粒状物のバッチでは、リグニン濃度(シリングアルデヒドで表した)が最初の標準コルク粒状物のリグニン濃度に対して15〜50%の量だけ減少した一方で、廃棄バッチのリグニン濃度(シリングアルデヒドで表した)は初期コルク粒状物のシリングアルデヒド濃度に対して20〜100%の量だけ増大したということができる。
官能検査に関しては、表1に示した評点は、試験した粒状物の試料の、評点が0の対照(中性の白ワインだけ)との近さを表示するために示した。
表1の結果が示すように、バッチSの粒状物は、対照(中性の味)に近い。バッチLの粒状物は対照から非常に異なっていて、土臭く、黴臭く、濁った評点である。バッチAの粒状物は中間位置にあり、粉末状コルクの評点である。
従って、本発明に係る方法により得られ、本発明に係る組成物の態様を構成する、スベリンに富む粒状物は、リグニンに富む廃棄粒状物であるバッチLの粒状物より著しく優れた官能特性を有することは明らかである。
さらに、本発明に係る組成物では、スベリンに富む粒状物を有利には結合剤と混合する。結合剤は好ましくはポリウレタンまたはアクリル系の食物用接着剤である。かくして、かかる組成物から製造された栓は、良好な機械的および密封特性を有する。
この栓の製造用組成物を得るための本発明に係る方法の実施コストは妥当なコストである。
本発明はまた、このような組成物およびこの組成物からなる栓にも関し、この栓は、例えば、ワイン、非発泡性もしくは発泡性の飲料、スピリッツ、サイダーならびに果汁を含んだ炭酸飲料といった、アルコールまたは非アルコール飲料のビンを密栓するためのものである。
栓の製造に使われているコルクは、コルク樫という樹木のコルク形成層(フェロゲン)が産生する植物組織である。これは(蜂の巣のような)胞状構造を持つ死んだ細胞からなる。これらの細胞はガスで満たされており、そのガスの組成は空気に非常に近い。
コルクは、約45%のスベリン(コルク質)(胞状細胞の主成分)、約27%の繊維質構造のリグニン(チャネル内の内包物として、または樹皮の表面に存在)、約12%のセルロース、および約17%の各種の他の産物(セロイド<ceroids>、タンニン、無機物質および水)から本質的に構成される。
コルクは、十分な弾性、不透過性および疎水性を持った圧縮可能な物質であるので、非発泡性または発泡性の飲料、特にワインまたは他のビン詰めアルコール飲料の密栓と保存用の良い材料である。コルクは約5%の水分を含んでいるが、水和はゆっくりである。これは、ワインやアルコール類を酸化させずに適正に熟成させるのにちょうど十分なガス不透過性を有する。
しかし、コルクは天然物質であるため、多少なりとも欠陥がある。
これらの欠点の大部分は、木質化した(lignified)壁を持つチャネル(導管)か、またはリグニン内包物にある。
これらは、栓の弾性および不透過性に悪影響を及ぼす。その上、これらはコルク栓をしたワインまたはアルコールに、熟成中に「コルク味」と呼ばれる望ましくない味を与えることがある物質またはそれらの前駆体を含んでいる。
コルク系の栓は約7等級のカテゴリーに区分することができ、これらは、実質的に欠陥のない最高級のコルクに対する0等級から、高い比率で欠陥を有する最低級のコルクに対する6等級までのスケールで販売されている。
中ないし低級の天然コルクの欠陥に伴う上述した欠点を解消すると同時に、欠陥のない高級天然コルクから栓を製造することからなる解決策と比べて相対的に低コストで栓を製造することを可能にする試みとして、栓の製造業者は、中ないし低級ルク粒子と栓に凝集力を付与する結合剤または接着剤とからなる集塊化した栓(集塊栓)を製造してきた。
複合体の栓(その一例は仏国特許第2,672,002号に記載)も公知である。
このような栓は、主に、木質の植物物質(特にコルク由来のもの)、発泡プラスチック微小球、および食物用接着剤からなる。
しかし、集塊栓は、経済的に製造できるものの、天然コルク製の栓に比べて著しく劣った物理化学的および機械的特性を示すので、ビン内熟成を受けることを意図したワインやアルコールの保存には使用することができない。
また、上述した複合体の栓も全く同様であるが、集塊栓の使用は、この栓を用いて密栓したビン詰めワインおよびアルコール類においてコルク味が生じるのを防ぐものではない。
上述した欠点を軽減するため、本発明は、特にビン詰めアルコールでコルク味が生じる危険性を解消することができる、栓の製造に使用可能な組成物の新規な製造方法を提供する。
より具体的には、本発明の係る方法は下記工程を含む:
a)コルクのシートを小さな粒状物に粉砕し、
b)このコルク粒状物をリグニン含有量の高い粒状物とスベリン含有量の高い粒状物とに分解し、
c)リグニンの多い粒状物をスベリンの多い粒状物から分離して、スベリンの多い粒状物だけを該組成物中に残す。
いくつかの研究により、栓の製造に使用されるコルク中に含まれている、ワインに悪影響を与え、コルク味を生じるいくつかの成分を同定することが可能となっている。
同定された主な物質は次の通りである:
・2,4,6−トリクロロアニソール(2,4-TCA)
・2,5−ジメチルピラジン
・2−メチルチオ−3−エチルピラジン
・4−エチルフェノール
・2,6−ジクロロフェノール
・ゲオスミン
・グアイアコール
・1−オクテン−3−オン
・1−オクテン−3−オール
・2−メチルイソボルネオール。
上記の物質は、低濃度であってもワインに不快な香りを与える。
これらの物質またはその前駆体は、コルクの木質部分に集中している。例えば、コルク中のトリクロロアニソール含有量は、コルク樫の樹皮(木質部分)に向かうにつれて増大する。グアイアコールはリグニン上で細菌の作用により産生する。残りの上記物質は、リグニンまたは木質化チャネル内で優先的に見られるタンニン類、細菌類または黴類の前駆物質である。
かくして、本発明のよれば、ほとんどリグニンを含まない栓の製造に使用できる組成物が製造される。従って、試験結果の助けを借りて後で説明するように、かかる組成物から製造された、ワインやアルコールのビンを密栓するために使用される栓は、ビン内で熟成させたワインやアルコールに、いわゆるコルク味という不快な味を移すことが決してない。
本発明にかかる方法の1つの特徴によれば、工程a)で粉砕により得られたコルク粒状物の寸法は3〜8mmである。
本発明にかかる方法を実施するための1つの好ましい手法によれば、コルク粒状物を、工程b)において粒状物内を伝播する衝撃波によって分解する。この衝撃波の伝播速度は、密度の異なる化合物では違ってくる。
この衝撃波による分解法は、スベリンとリグニンでは密度が異なることから、ここで構想することができる。
有利には、本発明に従って、衝撃波を水性媒質中で生起させたプラズマにより発生させることができる。
こうするための1つの方法は、分解すべきコルク粒状物を、衝撃波をこの粒状物中に伝播させるための媒質となる水性媒質中に浸漬することからなる。
この方法は次の通りである。
粉砕により得たコルク粒状物を試料室(その実験用パイロットの寸法は、高さが約40mmに相当し、直径が約200mmに相当する)に入れ、この試料室を水を満たしたタンク内で圧縮下に置く。タンク内に入っている水中で、キャパシターを充電し、次いで貯蔵された電気容量エネルギーをパルス放電の形で放出することにより、電気アークを発生させる。水中に浸漬した電極の2つのポール間で発生させた電気アークは、衝撃波を誘起するプラズマの形成を生じ、この衝撃波がコルク粒状物の密度の異なる化合物内を異なる速度で伝播する。
2種類の異なる化合物、この場合はスベリンとリグニン、の間の境界を衝撃波が通過することにより発生した機械的応力により、これらが分離させられる。
衝撃波を分解すべきコルク粒状物中に伝える媒質は、水の代わりに空気とすることもできる。
この場合、コルク粒状物を電極から隔離する柔軟な膜を介して衝撃波が粒状物に伝えられよう。電極は衝撃波を発明するプラズマを形成するために常に水性媒質中に置かれる。
本発明に係る方法を実施する別の手法によれば、衝撃波を爆発または減圧により発生させることもできる。
本発明に係る方法の他の特徴によれば、工程c)におけるリグニンの多い粒状物からのスベリンの多い粒状物の分離を、浮遊、遠心分離、またはさもなくば拡散により行うことができる。
本発明に係る方法は、単離されたスベリンの多い粒状物を結合剤と混合することからなる追加工程を含むことが有利である。結合剤は、例えば、ポリウレタン系またはアクリル系の食物用接着剤でよい。
本発明はまた、上述した本発明に係る方法を用いて製造された組成物にも関する。この組成物は栓の製造に使用することができ、スベリンの多い粒状物を含んでいる。
異なる粒状物の3つのバッチについて各種の試験を実施した。
第1のバッチAは、粉砕により得た初期のコルク粒状物(標準コルク)からなる。
第2のバッチSは、本発明に係る組成物のための上述した方法に従って得たスベリンの多い粒状物からなる。
第3のバッチLは、本発明に係る方法からの廃棄物、即ち、リグニンの多い粒状物からなる。
異なる粒状物の3つのバッチについて、密度測定および化学分析を実施した。化学分析は各バッチの粒状物をニトロベンゼンを用いて酸化し、酸化により生成した分解生成物の濃度、より詳しくは恐らくリグニンの分解でしか生じてこないシリングアルデヒドで表したリグニン濃度、を測定することからなる。
さらに、中性の白ワイン中での浸軟(マセレーション)により各バッチの粒状物の官能検査も実施した。
各測定および検査の結果を下の表1に示す。
表1から、バッチSの粒状物(スベリンを多く含む)は密度が90kg/m3より小さく、シリングアルデヒドで表したリグニン濃度が約0.46g/lであり、これはバッチAの初期コルク粒状物より約15%少ない。これら2つの結果は、本発明に係る組成物のものであるバッチSの粒状物がスベリン含有量が高い(スベリン濃度が100%に近い)ことを明らかに示している。
これに対し、バッチLの粒状物は密度が約131kg/m3であり、これは初期コルク粒状物の密度より大きい。この粒状物のシリングアルデヒドで表したリグニン濃度は約0.66g/lであり、これは初期コルク粒状物のそれより約22%も大きい。これはバッチLの粒状物のリグニン含有量が高いことを明らかに示している。
化学分析の結果、特にシリングアルデヒドで表したリグニン濃度の結果は、もちろん標準コルク粒状物の初期バッチのリグニン濃度に応じて変動することは認められよう。
即ち、表1のバッチSおよびLについて示したシリングアルデヒド濃度の値は絶対的な意味ではめざましいものではないが、初期バッチAについて示したシリングアルデヒド濃度と比較する必要がある。
同じ化学分析を、各種の標準コルクバッチから本発明に係る方法を用いて得たスベリンを多く含む粒状物の別のバッチについても行った。
得られた分析結果から、本発明に係る方法によりスベリン含有量を高めた粒状物のバッチでは、リグニン濃度(シリングアルデヒドで表した)が最初の標準コルク粒状物のリグニン濃度に対して15〜50%の量だけ減少した一方で、廃棄バッチのリグニン濃度(シリングアルデヒドで表した)は初期コルク粒状物のシリングアルデヒド濃度に対して20〜100%の量だけ増大したということができる。
官能検査に関しては、表1に示した評点は、試験した粒状物の試料の、評点が0の対照(中性の白ワインだけ)との近さを表示するために示した。
表1の結果が示すように、バッチSの粒状物は、対照(中性の味)に近い。バッチLの粒状物は対照から非常に異なっていて、土臭く、黴臭く、濁った評点である。バッチAの粒状物は中間位置にあり、粉末状コルクの評点である。
従って、本発明に係る方法により得られ、本発明に係る組成物の態様を構成する、スベリンに富む粒状物は、リグニンに富む廃棄粒状物であるバッチLの粒状物より著しく優れた官能特性を有することは明らかである。
さらに、本発明に係る組成物では、スベリンに富む粒状物を有利には結合剤と混合する。結合剤は好ましくはポリウレタンまたはアクリル系の食物用接着剤である。かくして、かかる組成物から製造された栓は、良好な機械的および密封特性を有する。
この栓の製造用組成物を得るための本発明に係る方法の実施コストは妥当なコストである。
Claims (17)
- 下記工程を含む、栓の製造に使用することができる組成物の製造方法:
a)コルクのシートを小さな粒状物に粉砕し、
b)このコルク粒状物を、リグニン含有量の高い粒状物とスベリン含有量の高い粒状物とに分解し、
c)リグニンの多い粒状物をスベリンの多い粒状物から分離して、スベリンの多い粒状物だけを該組成物中に残す。 - 工程a)で粉砕により得られたコルク粒状物の寸法が3〜8mmである請求の範囲第1項記載の方法。
- コルク粒状物を、工程b)において、粒状物内を伝播する衝撃波(その伝播速度は密度の異なる化合物で違ってくる)によって分解する、請求の範囲第1項および第2項のいずれかに記載の方法。
- 衝撃波を水性媒質中で生起させたプラズマにより発生させる、請求の範囲第3項記載の方法。
- 衝撃波をコルク粒状物中に伝えるための媒質が、その中にこの粒状物を浸漬した水性媒質それ自体である、請求の範囲第4項記載の方法。
- 衝撃波をコルク粒状物中に伝えるための媒質が空気であり、衝撃波を発生するプラズマを形成するために水性媒質中に設けた電極から粒状物を隔離する柔軟な膜を介して衝撃波が粒状物に伝えられる、請求の範囲第4項記載の方法。
- 衝撃波を爆発により発生させる請求の範囲第3項記載の方法。
- 衝撃波を減圧により発生させる請求の範囲第3項記載の方法。
- 分離工程c)を浮遊により行う、請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の方法。
- 分離工程c)を遠心分離により行う、請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の方法。
- 分離工程c)を拡散により行う、請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の方法。
- 単離されたスベリンの多い粒状物を結合剤と混合することからなる追加工程を含み、結合剤は、例えば、ポリウレタン系またはアクリル系の食物用接着剤でよい、請求の範囲第1項ないし第11項のいずれか1項に記載の方法。
- スベリンの多い粒状物からなる、栓の製造に使用できる請求の範囲第1項ないし第12項のいずれか1項に記載の方法を用いて製造された組成物。
- 該スベリンの多い粒状物の密度が90kg/m3未満である、請求の範囲第13項記載の組成物。
- 該スベリンの多い粒状物が結合剤と混合されている、請求の範囲第13項および第14項のいずれかに記載の組成物。
- 結合剤がポリウレタン系またはアクリル系の食物用接着剤である、請求の範囲第15項記載の組成物。
- 請求の範囲第13項ないし第16項のいずれか1項に記載の組成物からなる、非発泡性もしくは発泡性アルコール飲料または炭酸飲料のビンを密栓するための栓。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR97/08111 | 1997-06-27 | ||
FR9708111A FR2765138B1 (fr) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | Procede de fabrication d'une composition utilisable pour la realisation de bouchons, composition et bouchon comprenant une telle composition |
PCT/FR1998/001349 WO1999000230A1 (fr) | 1997-06-27 | 1998-06-25 | Procede de fabrication d'une composition utilisable pour la realisation de bouchons, composition et bouchon comprenant une telle composition |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002507159A JP2002507159A (ja) | 2002-03-05 |
JP3843460B2 true JP3843460B2 (ja) | 2006-11-08 |
Family
ID=9508552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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