JP3843330B2 - ポリビニルアルコールコーティングを施したキャピラリー電気泳動カラム - Google Patents

ポリビニルアルコールコーティングを施したキャピラリー電気泳動カラム Download PDF

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Description

発明の背景
1.発明の属する技術分野
本発明は全体として内部表面にコーティングを施したキャピラリーカラムと、このキャピラリーカラムを使用した電気泳動分離方法に関する。更に詳しくは、本発明は内壁表面に中性の橋かけ親水性コーティングを施したキャピラリーカラムを含む。中性の橋かけ親水性コーティングは検体とキャピラリーカラムの内壁表面との相互作用を低減すると同時に、酸性並びに塩基性化合物の電気泳動分離を行う際、キャピラリーカラムの内部表面を保護する。
2.関連する技術の説明
電気泳動を用いた分離技術は、分子の有効電荷の差、そして/又は分子の分子サイズの差によって分子を分離するのに永年にわたって利用されてきた。ごく最近まで、電気泳動による分離は、典型的にはポリアクリルアミドゲル材によって構成されたゲルスラブ又はオープンゲルベッド中で行われてきた。更に近年では、測光検出方法と組み合わせたキャピラリー電気泳動法による分子の自動高速定量分析が可能になってきた。有効電荷を異にする分子の高解像度分離は、緩衝液又はゲルを充填した細い径のキャピラリー管材に電気泳動原理を適用することによって可能となった。
典型的には、キャピラリー電気泳動法で使用するキャピラリーカラムは25mmから200mmオーダーの直径を備え、約10乃至20cmの長さを有するシリカ製管材から作られる。緩衝液及びゲル分離媒体はカラム内部に直接ポンプで充填され、電気泳動技術はペプチド、蛋白質、オリゴヌクレオチド、核酸、その他の荷電分子類を含む多種類の分子を分離するのに利用される。電気泳動法分離技術の分野は、キャピラリー電気泳動処理を利用して分離、検出できる分子形及び分子サイズに関して継続的拡大を続けている。
キャピラリー電気泳動法に関する利点は数多い。例えば、極めて小さい試料サイズで定量的情報が得られ、ゲル又は緩衝液の消費量が非常に小さい。更に、分離に要する時間は明確に減少し、その技術はそれ自体を自動化、電子データの記憶保存、及びそのデータ処理に役立たせている。更に重要なことに、キャピラリー電気泳動法はこれまでのスラブゲル電気泳動法では見られなかったある種の現象に関連している。その一つは、電極の一つに向かう緩衝溶液の体積流(bulk flow)によって特徴付けられ、現在では良く知られている電気浸透流現象である。
電気浸透流はシリカキャピラリー管材表面のシラノール官能基がイオン化することよって発生する。このイオン化はシリカ管材表面の電気泳動緩衝溶液に陽子層を生じさせる。電界の存在下では、この陽子層は正に帯電した液状カラムに似ており、このカラムはカソードに向かって移動し、緩衝媒体全体の体積運動を起こす。有利なことに、この電気浸透流はいろいろな使い方ができ、電気泳動法による分離を改善する。例えば、分離対象分子の電気泳動による移動が電気浸透流の移動と反対方向の時、カラム性能の向上、分離性能の改善に実質的な効果を上げる。
しかし、電気泳動の使用に際し、その多くの場合、電気浸透流は望ましいものではなく、体積流は除去、又は実質的に低減することが好ましい。一般に、電気浸透流を最小にすれば、電気泳動試料の成分は電気泳動による移動だけで移動し、分析の再現性及び試料成分の量的回復を改善する。
電気浸透流の最小化又は制御の手だての一つとしては、重合体材料を用いて内側をコーティングしたシリカ製キャピラリー管材を用いたキャピラリーカラムを利用することである。重合体コーティングは管材表面のシラノール基のイオン化をなくすか、又は実質的にその度合を減少させ、電気泳動カラム内の体積流を少なくとも実質的に低減させる。試料成分とコーティングとの間にある望ましくない疎水−疎水相互作用を避けるために、重合体コーティングは従来から親水性としている。従来技術による親水性重合体コーティングの性質に関連した一つの問題は、それらコーティングの物理的完全性が低く、キャピラリー表面から剥がれやすく、その結果としてカラムの有効寿命が短くなることである。従来技術による親水性重合体コーティングの性質に関連したもう一つの問題は、コーティングの光学的安定性に関連している。更に詳しく言えば、これらコーティングは波長260nm以下の紫外線放射を吸収し勝ちで、そのため光分解を起こし、終いにはカラム機能を喪失させることである。このことは、紫外線検出器を使用する電気泳動分析装置にあっては、特に望ましくない点である。
キャピラリー管材に共有結合する親水性重合体は、その剥がれ傾向を少なくするのに役立つが、コーティングの物理的完全性及び光学的安定性は問題点として残る。
更に、コーティングがSi-O-Si結合を介してシリカキャピラリーカラムの表面に共有結合していたとしても、従来技術による親水性コーティングはSi-O-Si官能基との水性反応を促進する。この結果、望ましくない加水分解及びSi-O-Si結合、そしてカラム使用寿命の短縮を起す。
以上述べたように、キャピラリー電気泳動技術に関連したもう一つの問題は、キャピラリー管材、特にシリカ管材の壁面に試料成分が付着する傾向である。特に、反応性のシリカ官能基に容易に引きつけられる小さい荷電分子の場合、この傾向が見られる。小さいペプチドや、アミンが電気泳動分離媒体中に存在していると、それらはキャピラリー壁面と静電気的、疎水的に相互作用し、その結果、分離効率を下げ、誤った分離データの原因となる望ましくないバンド拡大を起こす。
電気浸透流と同様に、試料成分と内壁との相互作用度合を最小にすることの出来る電気泳動キャピラリーを用意することは、全体として成功であったとは言い難い。これまで、ダイナミック二層コーティング法も試みられてきた。しかし、これら二層コーティングは安定性に欠けると共に、電気泳動過程で使用する動作緩衝液に対する添加物を必要とする。疎水性コーティングはシリカカラムのSi-O-Si表面を保護するには効果的ではあるが、キャピラリー壁面と検体との間に望ましくない疎水−疎水相互作用を起こす。上記したように、親水性コーティングはSi-O-Si表面を保護するには有効ではない。
従って、本発明の目的は、電気泳動分離に有用であって、且つ電気浸透流を最小化する新規なコーティングを施したキャピラリーカラムを提供することである。
本発明の他の目的は、試料成分とキャピラリー内壁との間の相互作用を低減又は排除するキャピラリーカラムを提供することである。
本発明の更に他の目的は、物理的に安定なコーティングを備えたキャピラリーカラムを提供することである。
本発明の更に他の目的は、種々の荷電分子の電気泳動分離に有用なキャピラリーカラムを提供することである。
本発明の更に他の目的は、紫外線検出器と関連して使用しても、改善された有効寿命を備えたコーティングを施したキャピラリーカラムを提供することである。
本発明の更に他の目的は、広範囲にわたる種々の緩衝性化合物と両立し得るコーティングを備えたキャピラリーカラムを提供することである。
発明の概要
本発明は、試料成分とキャピラリーカラムの内部表面との間に生ずる相互作用量の除去又は実質的低減に寄与する内部表面にコーティングを有するキャピラリーカラムを提供することによって上記目的を満足させる。更に、本発明によるコーティングを施したキャピラリーカラムは、電気泳動分離の際に起こる電気浸透流の程度を最小にすることにも寄与し、これによって体積流を除去すると共に、試料の移動を電気泳動による移動に限定する。有利なことに、本発明によるキャピラリーカラムの使用は、アミン、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、及び核酸等を含む数多くの酸性及び塩基性化合物の分離を改善する。更に、ここに述べる重合体コーティングは可成りな物理的完全性を有し、高度に安定であって、従来のカラムを越えてカラムの有効寿命を実質的に改良する。更に加える特徴として、本発明の好適実施例では、通常の紫外線検出器が使用する波長の紫外線放射に対して安定な重合体コーティングを利用するから、紫外線検出器を備えた電気泳動装置用として特に適している。本発明による最も好ましいキャピラリーカラムは、広い範囲の緩衝性化合物の存在下でも安定であって、望ましくない複合体を形成することはない。
更に詳しく言えば、本発明によるキャピラリーカラムは内部表面を有する一定長さの管材を含んでいる。この内部表面は橋かけ重合体コーティングを有し、この橋かけ重合体コーティングはキャピラリー管材の内部表面に共有結合した疎水性の重合体官能基と、この疎水性重合体官能基と共重合した親水性の重合体を含んでいる。カラム形成に使用するキャピラリー管材はシリカから作られているのが好ましく、また疎水性重合体官能基は、キャピラリー表面のSi-OH官能基と適当な反応体との反応によって形成されるSi-O-Si結合によって内部表面に共有結合されているのが好ましい。好適な実施例では、疎水性重合体官能基はポリブタジエンであって、また親水性重合体はポリアクリルアミドである。また、最も好適な実施例では、親水性重合体は加水分解したポリビニルアセテート(ポリビニルアルコール)である。これに代わる実施例では、加水分解したポリビニルアセテートは、更にヒドロキシ反応性化合物と反応して、化学修飾したポリビニルアルコールを形成する。
本発明によるコーティングを施したキャピラリーカラムは、内部表面と、この内部表面上にSi-OH官能基を有する一定長さのシリカ管材を用意し、Si-OHに反応する化合物をこのSi-OH官能基に反応させることによって形成することが出来る。適当なSi-OHに反応する化合物には、シラン及び少なくとも一つの中性疎水性官能基を有するシロキサン化合物が含まれ、この疎水性官能基は重合体であって、重合可能な単量体と更に反応できるものであるのが好ましい。次いで、親水性単量体を単一重合させて疎水官能基と反応させることによって、親水性及び疎水性重合体が相互接続した重合体コーティングを形成する。好適な方法では、反応性化合物はポリブタジエニルトリエトキシシランであり、親水性単量体はアクリルアミドである。最も好適な方法では、反応性化合物は重合性ポリブタジニエルトリエトキシシランであり、親水性単量体はビニルアセテートであって、シランのポリブタジエン官能基と共反応するビニルアセテートの重合に続いて、生じたポリビニルアセテートを加水分解してポリビニルアルコールにする。ポリビニルアルコールと反応する緩衝液に対して安定なコーティングを形成するために、ポリビニルアルコールを更にヒドロキシ反応性化合物と反応させて化学修飾したポリビニルアルコールを形成することが出来る。最も好適な化学修飾したポリビニルアルコールはエーテル修飾したポリビニルアルコールである。
本願では、本発明によってコーティングを施したキャピラリーカラムの使用方法についても開示している。更に詳しくは、ここに開示のキャピラリーカラムの使用方法は、キャピラリー電気泳動による試料成分に関する試料組成を分析する方法を含んでいる。斯うした方法は、ここで述べられている相互接続した重合体コーティングを内部表面に備えた一定長さの管材を有するキャピラリー電気泳動カラムの準備する段階を含んでいる。次の段階では、陽極電気泳動槽に管材の第1端部を浸漬し、陰極電気泳動槽に管材の第2端部を浸漬し、試料組成を一定長さのキャピラリー管材の第1端部又は第2端部から導入する。次いで、試料成分を異なった割合で移動させる電界を適用してサンプル成分を分離し、次いでその検出、解析を行う。
本発明によるキャピラリーカラムに組み込まれる相互接続した重合体ネットワークは高い物理的完全性と、延長された有効寿命を有している。最も好適な実施例では、相互接続した重合体ネットワーク、特にその親水性重合体部分は、紫外線検出器と共に使用しても光学的に安定である。更に、これら光学的安定性のあるコーティングは修正して、幅広く各種の分析緩衝システム用として適した化学的に安定な官能基を組み込むことが出来る。
本発明に関するこれら及びその他の利点は、以下図面を参照して行う本発明の詳細な説明で述べられている本発明を理解するに従い当業者にとって明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
図1は好適なキャピラリーカラムの内部表面に設けた橋かけ疎水性重合体及び親水性重合体コーティングを示す本発明によるキャピラリー電気泳動カラムの断面図である。
図2は本発明による好適実施例を示すキャピラリー電気泳動カラムの部分断面図である。
図3はHaIIIダイジェステッドfC174DNAの電気泳動分離の結果を示す電気泳動図である。
図4は本発明により水溶液中の蛋白質を電気泳動分離した結果を示す電気泳動図である。
図5は本発明の模範的キャピラリーカラムを使用して得た電気泳動図の再現性を示す図である。
図6は鶏卵の卵白中の蛋白質を電気泳動分析して得た電気泳動図である。
図7は親水性重合体が、加水分解によって生成されたポリビニルアルコールである最も好適な実施例を示す本発明のキャピラリー電気泳動カラムの断面図である。
図8は本発明によって水溶液中のリゾチーム、シトクロムC、及びリボヌクレアーゼAを電気泳動分離した結果を示す電気泳動図である。
図9は図6に示す三種の蛋白質を継続的に電気泳動分離したときの500回目の結果を示す電気泳動図である。
図10は図8及び図9に示す電気泳動図を得るために使用した500回の継続的試料注入を行った際の再現性を示す図である。
図11は親水性重合体がポリビニルアルコールである本発明によるキャピラリーカラムを使用してポリ(A)オリゴヌクレオチドを電気泳動分離した結果を示す電気泳動図である。
図12は親水性重合体が加水分解により生成されたポリビニルアセテート(ポリビニルアルコール)であるキャピラリーカラム中の40merから60merポリ(A)を電気泳動分離した結果得られた電気泳動図である。
図13は図12と同じ電気泳動条件を用いてエーテル修飾(ether modified)のポリビニルアルコールを含むキャピラリーカラム中で40merから60merのポリ(A)を電気泳動分離した結果得られた電気泳動図である。
図14は親水性重合体がポリビニルアルコールである本発明によるキャピラリーカラム中でΦX174HaIIIダイジェスチョン(digestion)を電気泳動分離した結果得られた電気泳動図である。
図15は親水性重合体がエーテル修飾したポリビニルアルコールである点を除いて、図13を得るためにしようした同じ条件で、図14のΦX174HaIIIダイジェスチョン(digest)を電気泳動分離した結果得られた電気泳動図である。
図16は硼酸塩緩衝液と、親水性重合体がエーテル修飾したポリビニルアルコールである本発明のキャピラリーカラムとを使用して、ヒスタミン、リゾチーム、シトクロームC、及びミオグロブリンを電気泳動分離した結果得られた電気泳動図である。
図17は親水性重合体が化学修飾したポリビニルアセテート(加水分解されたポリビニルアセテート)である実施例に於ける本発明によるキャピラリー電気泳動カラムの断面図である。
発明の詳細な説明
本発明は電気泳動分離システム、例えば米国Califorrnia州Fullerton所在のBeckman Instruments社によって製造販売されているキャピラリー電気泳動システムP/ACEシリーズのような電気泳動分離システムに特に有用なコーティングを施したキャピラリーカラムを提供する。更に明確に言えば、本発明によるコーティングを施したキャピラリーカラムは、使用に際して種々の分子類をその電気泳動移動度に基づいて分離する分離媒体として有用なキャピラリーカラムである。これら分子類には、蛋白質、荷電した多糖類及びポリヌクレオチドと言った酸性及び塩基性重合体、塩基性薬剤及び核酸のような小さな化合物等が含まれる。
ここで述べるコーティングしたキャピラリーカラムは電気泳動分離時に電気浸透流を除去又は実質的最小限化に寄与する。本発明の特徴として、コーティングしたカラムの形成に用いるコーティング材は相互に、そしてキャピラリーカラムの壁面に対して共有結合される化合物であり、従って相互接続した重合体ネットワークを形成する。このためコーティングは高度の物理的完全性を有し、この物理的完全性が故に、電気泳動分離処理に於ける有効寿命も長く、改善された信頼性と精度を示すカラムが提供される。また、このコーティングの高度な物理的完全性及び化学特性は、キャピラリーカラムの壁面と種々の検体との相互作用を防止する能力を長く保持することにも寄与する。更に、本発明のカラムに使用するコーティングの紫外線に対する安全性及び本発明による処理は、カラムの使用可能な寿命を延ばすことに寄与する。ある種の電気泳動緩衝液の存在下で安定性を欠くコーティングを備えた多くの従来技術によるキャピラリーとは異なり、電気泳動緩衝液の存在によって複合結合を形成したり、化学的に変化を起こすこともない。
本発明によりコーティングしたキャピラリーカラムは、コーティングに親水性重合体特性を有し、それ故、試料成分とキャピラリー壁面との間の疎水性相互作用は実質的に排除される。更に、本発明によるキャピラリーカラムはキャピラリーカラムの表面に共有結合した疎水性官能基を備えている。これら疎水特性は水性電気泳動緩衝液環境とキャピラリー内壁との相互作用を低減し、キャピラリー管材の壁面からの共有結合コーティングの加水分解を最小限に止める。
更に詳しくは、図1に示すカラムの部分縦断面図を参照するに、本発明によるコーティングしたキャピラリーカラム10は、内部表面14を有する一定長さのキャピラリー管材12から形成される。内部表面14は、キャピラリー管材12の内部表面に共有結合した疎水性重合体官能基16と、この疎水性重合体官能基16に結合した親水性重合体18を含む相互接続した重合体コーティングを有している。
本発明の使用に適したキャピラリー管材12は、ポリアクリラート、ポリビニル、ポリメタクリラート等の有機系重合体材料、又はシリカ、石英を含む無機系材料から形成することが可能である。選択した有機系又は無機系材料は化学的部分(chemical moieties)を備えているか、又は化学的部分を持つように変換出来るのが好ましい。この化学的部分は中位のpH及び温度条件で疎水性官能基を有する化合物と反応するから、疎水性重合体官能基16はキャピラリー管材の表面に共有結合する。図1に示すように、疎水性重合体官能基16は、重合体又は重合可能な親水性化合物18と更に反応することが出来るから、疎水性重合体と親水性重合体による橋かけネットワーク構造のコーティングが形成される。
本発明に有用なキャピラリーカラムを作るのに好ましい材料はシリカである。シリカ製キャピラリーカラムはクロマトグラフによる処理で既に十数年にわたって使用されており、また最近では電気泳動処理に於いても利用されてきた。従って、これらカラムの製作及び取り扱いについては当業者の良く知るところであり、ここでの詳細説明は行わない。本発明に関して詳細に説明するように、シリカは有利なことに、シロキサン及び類似の反応性シランのような化合物と容易に反応を起こすSi-OH官能基を有している。種々異なる置換基を有するシロキサン及びシランは広く市販されているから、それらをシリカカラムと組み合わせて使用することは、本発明の実施に当たって特に有利である。
本発明によれば、疎水性官能基を有し、キャピラリー管材表面との共有結合が可能な好適な化合物は、重合体炭化水素部を有するシラン又はシロキサン化合物である。更に、斯うした炭化水素含有化合物は、選択された親水性単量体又は親水性重合体との反応が可能なものであるのが好ましい。この付加的能力によって、キャピラリーの内部表面に結合し、疎水性重合体と親水性重合体が相互に接続したネットワークの形成が可能になる。従って、疎水性重合体炭化水素部はポリブタジエンのような反応性炭化水素であるのが好ましい。これら炭化水素は親水性ビニル単量体と反応するための反応性ビニル部を有していることは、当業者の良く知るところである。更に、親水性ビニル単量体は、そうしたビニル含有炭化水素の存在下で重合することができ、ビニル含有炭化水素と反応して、キャピラリー管材の壁面に共有結合した疎水性重合体官能基に共有結合的にリンクした親水性重合体のネットワークを形成する。
従って、本発明の好適実施例に於いて、親水性官能基を有する化合物はビニル含有の親水性単量体であり、疎水性官能基を有する化合物は親水性ビニル単量体と反応するポリブタジエン部を有するように化学修飾したシラン又はシロキサンである。一度重合が行われると、疎水性重合体官能基と親水性重合体官能基とが単重合及び共重合したネットワークが生ずることは当業者の良く知るところである。この結果、得られた電気泳動キャピラリーカラムは、キャピラリー管材の内部表面上に於けるSi-OH官能基の量を実質的に減少させた。従って、電界の影響下に在ってもカラム内に於ける電気浸透流又は体積流は実質的に排除される。更に、カラム表面に結合した疎水性重合体官能基は、コーティングを共有結合でリンクするために形成された共有結合と水性電気泳動緩衝液との相互作用を減少させる。この相互作用の減少は共有結合、即ち代表的にはSi-O-Si結合の加水分解を排除し、カラムの有効寿命の向上に寄与する。最終的に、コーティングの親水性重合体部分は電気泳動検体をコーティングの疎水性部分から遮蔽し、こうして試料検体成分とコーティング又はキャプラリー壁面との間に生ずる望ましくない疎水性−疎水性相互作用を排除する。
当業者は、疎水性炭化水素官能基を有する種々の化合物、及び種々の親水性単量体化合物が本発明の実施に適合するものであることを理解するであろう。ポリブタジエンで化学修飾したシラン又はシロキサン(ポリシラン及びポリシロキサンを含む)に加えて、実際にはビニル含有炭化水素によって化学修飾したシラン又はシロキサンを使用することができる。特に、広い範囲の分子量を持つ反応性ポリシロキサン又はポリシランに設けられたポリブタジエン官能基又は同様な炭化水素バックボーンを持つ重合体は有用である。この場合、これら分子量は200ら2、000、000を超える範囲にある。この分子量を制限する因子は、立体障害を発生させ、シラン又はシロキサンのキャピラリーカラム表面への結合を妨げるポリブタジエンの鎖長である。これらの化合物は反応性ビニル官能基を有しているから、疎水性炭化水素重合体層を含むコーティングネットワークと親水性重合体層の第2のネットワークを形成するために、ヒドロキシエチルメタアクリラート、ビニルピロリダン、アクリルアミド、ビニルアセテート、その他を含む親水性ビニル単量体と共重合を作ることができる。同様に、アクリラートキャピラリー管材の表面とエステル交換反応をすることができ、且つビニル炭化水素官能基を有するエステルは、親水性単量体と共重合して同様のネットワークを形成することが出来る。
再度、図1を参照するに、本発明の好適実施例に於けるキャピラリー管材12はシリカ製であって、特別の分析用途に応じてその長さ、直径を変えることができる。典型的には、カラムは長さ10乃至200cm、内径20mm乃至200mmの間に形成される。有利なことに、シリカ製キャピラリー管材の表面はSi-OH部分を有し、この部分が多くの有機系及び無機系の化学官能基と反応し、キャピラリー管材12の内壁表面に対して、望ましい化学特性を有する化合物を共有結合で付着させる反応地点を提供する。更に、本発明の好適実施例によれば、疎水性化学官能基16は、シロキサンとSi-OH官能基との反応によって生じたSi-O-Si結合を介して内壁表面14に付着されたポリブタジエン官能基である。この実施例に於いて、親水性重合体18はポリアクリルアミドであって、これは適当な開始材の在るところでアクリルアミド単量体を重合することによって形成される際に、ポリブタジエンの残留遊離ビニル基と共重合し、橋かけ重合体コーティングの形成に寄与する。
キャピラリーカラムの一壁面を示す図2の部分縦断面図は好適にコーティングしたカラムを図示している。更に詳しくは、本発明の好適キャピラリーカラム30のコーティングは橋かけ重合体ネットワークであって、このネットワークはSi-O-Si結合32を介してキャピラリー管材34の内壁表面38に共有結合されている。ポリブタジエンはキャピラリー内壁表面38に隣接して疎水性コーティング層36を形成し、ポリアクリルアミドは親水性の外側層40を形成し、この外側層は電気泳動分離に用いられる試料成分及び水性の緩衝液系との相互作用に利用される。更に、ポリアクリルアミドは種々の鎖長のポリアクリルアミド間で架け橋として作用し、重合体の橋かけネットワークを形成する。以上述べたコーティングの疎水特性が水性緩衝液とキャピラリー内壁表面との相互作用を最小にすることを当業者は理解するであろう。更に詳しくは、疎水性−親水性と言う反対作用によって、水性媒体とキャピラリー内壁表面に於けるコーティング界面との間の相互作用は妨げられ、こうしてSi-OH結合の加水分解は排除される。それ故、重合体コーティングネットワークは、キャピラリー内壁表面に共有結合した状態を維持し、キャピラリーカラムの使用可能寿命の実質的向上に寄与する。
本発明によって好適にコーティングしたキャピラリーカラムのもう一つの特徴は、コーティングの親水特性にある。図1及び図2に示すように、コーティングの親水性を示す部分は、電気泳動分離時に利用される緩衝液系との相互作用に利用可能である。更に、親水性の重合体部分はコーティングの疎水性部分と緩衝液媒体との間の緩衝領域として作用する。この親水性重合体緩衝領域はコーティングと電気泳動試料成分との間の疎水性−疎水性反応を防止し、それ故、キャピラリーカラム表面への試料吸収を最小限に止める。
本発明によれば、最も好適な実施例は上述の実施例の特徴の全てを備えると共に、更に、波長260nm以下の紫外線検出器を利用するキャピラリーシステムで長期にわたる使用が可能である。この最も好適な実施例はポリビニルアセテートを加水分解して形成される親水性重合体であるポリビニルアルコールの紫外線透過性を利用する。部分縦断面図を参照して更に詳しく言えば、本発明による最も好適なキャピラリーカラム100のコーティングは、Si-O-Si結合110を介してキャピラリー管材120の内壁表面115に共有結合した橋かけ重合体ネットワークである。キャピラリーカラムの一壁面を示す図7のポリブタジエンはキャピラリー内壁表面115に隣接して疎水性コーティング層130を形成し、ポリビニルアルコールは、電気泳動分離に用いられる試料成分及び水性緩衝液系との相互作用に利用できる親水性の外側層140を形成する。更に、ポリビニルアルコールはポリブタジエンの鎖長間の架け橋として作用し、この作用によって重合体の橋かけネットワークを形成する。上述した利点に加えて、図7に図示のキャピラリーカラムは波長260nm以下の紫外線放射に対しても安定なコーティング成分を有している。この特徴は、紫外線検出器と関連して使用される本発明のキャピラリーカラムの有効寿命を実質的に増加させる。
図17は親水性重合体がポリビニルアルコールである本発明によるキャピラリーに対する変形実施例である。更に詳しく言えば、図17はSi-O-Si結合210を介してキャピラリー管材220の内壁表面215に共有結合した橋かけ重合体ネットワークコーティングを有するキャピラリーカラム200の部分縦断面図である。このコーティングはキャピラリーの内壁表面215に隣接した疎水性コーティング層230を含み、そして化学修飾したポリビニルアルコールは、試料成分及び水性緩衝液との相互作用に使用できる親水性の外側層240を形成している。好適実施例に於いては、化学修飾したポリビニルアルコールはエーテル(ポリビニルエーテル)、好ましくはポリビニルアコールのヒドロキシ官能基とハロゲン化物エーテルのようなヒドロキシ反応性化合物とを反応させて得られるアルキルエーテル(図17のR)である。化学修飾したポリビニルアルコールが特に有利であることを当業者は認識するだろう。何故なら、結果とした生じたコーティングは、ヒドロキシ基とキレート結合するか、又は反応する電気泳動の緩衝液化合物に対して安定だからである。例えば、一般に、少糖類及び多糖類に対する電気泳動分離には硼酸塩緩衝液が使用される。硼酸塩は単糖類のヒドロキシ基とキレート結合するから、中性の単糖類を帯電させ、従ってそれらに電荷と電気泳動移動度を与える。更に、ポリビニルアルコールは対紫外線安定性に関して魅力があるものの、或る水素イオン指数の物質に曝されると、電気浸透流の増加をもたらす特性がある。ある種の条件下では、高い電気浸透流が好ましいこともある。
当業者は、ヒドロキシ官能基は広範な試薬と反応することができるため、化学修飾したポリビニルアルコールが種々の異なる構造を持つことができることを認識するであろう。更に詳しく言えば、ヒドロキシ官能基はハロゲン化物、アミン、エステル、酸、酸性ハロゲン化物、その他従来技術で公知の多種多様な試薬と反応することが出来るから、ここで述べるコーティングのポリビニルアルコール部分は、多くの異なるどのような物理的、化学的特性をも備えるように適合させることが出来る。
本発明によれば、コーティングしたキャピラリーカラムを準備する方法は、一定長さのシリカ製管材の内部表面にSi-OH官能基を設ける過程と、このSi-OH官能基にシロキサン化合物を反応させる一般段階を含んでいる。更に、このシロキサン化合物は、重合可能な官能基と作用する単量体と橋かけ又は共重合するための反応位置を与える中性の重合可能な官能基を備えるものとして特徴付けられる。親水性の単量体が重合可能な官能基である場合、結果は親水性及び疎水性重合体の橋かけコーティングとなる。
Si-OH官能基にシロキサンを作用させる前に、キャピラリーの内部表面を無機酸、無機塩基、最後に揮発性の低有機アルコールで連続的に洗浄してキャピラリーの内部表面を準備するのが好ましい。Si-OH官能基にシランを反応させることは、キャピラリーの内部表面に適当なシラン化合物、例えばポリブタジエニルトリエトキシシランを接触させることを含んでいる。加圧した不活性ガス、例えば圧力約10psiのヘリュウムを使用することは、シランをキャピラリーの内部表面に接触させる効果を上げ、且つそれに要する時間を短縮する。従来技術に於いても知られているように、シラン官能基は容易にSi-OH部分と反応してSi-O-Si合を形成する。シラン化合物がキャピラリー管材の内壁に固着したら、親水性単量体化合物を共有結合したシラン化合物に接触させる。既に述べたように、親水性単量体化合物はその親水性と、共有結合したシラン化合物の疎水性官能基に反応する能力とによって特徴付けられている。好適実施例では、この親水性単量体はポリブタジエンのビニル官能基と容易に単重合及び共重合するアクリルアミドである。この場合、当業者は、アクリルアミドがポリブタジエンの利用可能なビニル官能基と反応する条件下で、アクリルアミドを重合する公知の標準重合化学技術を適用することができる。
本発明による一実施例では、重合段階で形成されるポリアクリルアミドは、コーティング材の物理的完全性を高めるため、更に橋かけされる。重合過程の間、N,N'-メチレンビスアクリルアミドのようなジビニル単量体の使用を含む標準橋かけ方法を利用することが出来る。これに代わる橋かけ方法は重合後の橋かけ段階でホルムアルデヒドを利用する。ホルムアルデヒドの2個のアルデヒド陽子は、アクリルアミドの陽子との反応に利用でき、反応したアクリルアミドの陽子が異なるポリアクリルアミドのストランド上に位置するとき、それらは橋かけ結合する。この場合、当業者はアクリルアミドを橋かけするための技術を適用すればよい。更に、橋かけ条件の例を実例の形で以下に述べる。
親水性単量体の単重合及び親水性単量体と疎水性重合体官能基との共反応に続いて、過剰なポリアクリルアミド及びアクリルアミドは、加圧水洗浄によってキャピラリーカラムの内部から除去する。斯うしてコーティングしたカラムは種々の電気泳動分離用に適したものとなる。
親水性重合体官能基がポリビニルアルコールである本発明の最も好ましい実施例では、コーティングしたキャピラリーカラムを準備する方法は、キャピラリーカラムの内壁にシラン又はシロキサンを付着させるために上に述べたと同様な一般段階を含んでいる。重合可能な官能基と共重合するための親水性単量体を用意する段階は、単重合してポリビニルアセテートを形成し、疎水性官能基と共重合するビニルアセテートを用意する段階を含んでいる。次いで、ポリビニルアセテートは塩基性システム中で加水分解されて、ポリビニルアルコールを形成する。ポリビニルアセテートのアセテート官能基の大方の部分は加水分解されるが、小部分は加水分解されずに残る。それ故、結果として生じた親水性重合体は、実質的に少数のアセテート官能基を含むポリビニルアルコールである。
選択した親水性重合体が化学修飾したポリビニルアルコールである本発明によるキャピラリーカラムを用意するために、ポリビニルアルコール含有のキャピラリーをこれから述べる一般的方法で用意する。次いで、ポリビニルアルコールを適当なヒドロキシ試薬と反応させて化学修飾したポリビニルアルコールを形成する。この場合、試薬はヒドロキシと反応してエーテル修飾したポリビニルアルコール(ポリビニルエーテル)を形成するハロゲン化エーテルであるのが好ましい。
本発明によりコーティングしたキャピラリーカラムは容易に形成することができ、且つ如何様なキャピラリー電気泳動装置用にも適応できる。更に、その使用に当たっては、特別な取り扱い方法は必要ではなく、典型的な電気泳動技術が適用できる。従って、標準的キャピラリー電気泳動装置に装着すれば、本発明のカラムはキャピラリー電気泳動による試料成分に関する試料組成の分析処理に使用することが可能である。本発明によれば、これらの分析処理は典型的にはコーティングしたキャピラリーカラムの一端を陽極泳動槽に浸漬し、コーティングしたキャピラリーカラムの第2端を陰極泳動槽に浸漬する段階を含んでいる。次いで、コーティングしたカラムの内部にその一端から試料組成を導入し、上記泳動槽に電界をかけて試料成分をキャピラリーカラム内で差動的に移動させる。コーティングしたカラムの少なくとも一端に適当な検出器、例えば紫外線−可視検出器又は蛍光検出器を適切に配置すれば、分離された試料成分が検出され、電気泳動図が作図される。
これまで本発明を全体的に記述してきたが、実例を示す以下の例を参照することによって本発明は更に容易に理解されるであろう。但しこれらの例は、特段の断りのない限り、本発明を限定するものではない。
例1
以下は、電気泳動処理に使用する本発明によってコーティングしたキャピラリーカラムの模範的な最初準備段階である。これら最初の準備段階はキャピラリーの内部表面を準備する段階と、この準備した内部表面に化学修飾した疎水性ポリブタジエン官能基を共有結合させる段階を含んでいる。
長さ65cm、直径50mmの融解シリカ製キャピラリーカラム(Arizona州PhoenixのPolymicron社発売)をその内壁を1規定の塩酸溶液で15分間洗浄することによって初期反応用に準備した。洗浄作業はキャピラリー管材を通して塩酸溶液をポンプで流すことによって行った。次に、塩酸溶液をキャピラリー管材から除去し、その内壁を同様の仕方で、1規定の苛性ソーダ溶液で15分間洗浄した。最後に、キャピラリー内をメタノールで15分間洗浄した。
キャピラリー管材から残ったメタノール溶液を除去した後、トリエトキシ修飾したポリブタジエン50%のトルエン溶液(New Jersey州PiscatawayのHulsAmerica社から購入のポリブタジエニルトリエトキシシラン50%のトルエン溶液)で管材を洗浄した。ポリブタジエニルトリエトキシシランは、重合体ポリブタジエンに結合した多重反応性トリエトキシシラン官能基を有する重合体化合物である。技術的に知られているように、ポリブタジエン官能基はビニル重合条件下で反応するペンダントビニル基を有している。ポリブタジエニルトリエトキシシラン溶液は、その分子量の指標である25から50センチストークスの動粘性率を有していた。
30分間の洗浄を行った後、キャピラリー管材の二つの開口はシリコンプラグで蓋をし、蓋をした状態で管材を24時間そのままにした。
例2
以下の例は本発明によるコーティングしたキャピラリーカラムを準備するための最終段階を示す。全体として、このコーティングしたキャピラリーカラムの準備は例1で述べたように準備した内壁表面に結合したポリブタジエンを利用し、結合されたポリブタジエンの存在するところで、線状ポリアクリルアミドを合成する段階を含んでいる。この合成の結果、結合したポリブタジエンコーティングを囲む親水性の線状ポリアクリルアミドが形成される。
例1で述べたポリブタジエンが結合したキャピラリーカラムを用意した。次いで、24時間のエージングに続いて、ポリブタジエンが結合したキャピラリー管材をトルエンで30分間洗浄した。30分後、トルエンの残留分を取り去り、キャピラリー管材を15分間メタノールで洗浄した。次に、California州IrvineのICN Biomedical社製のアクリルアミド5%の水溶液を用意した。この溶液を100mbarの真空中で30分間脱気し、溶液中の酸素濃度を下げた。同時に5wt%アクリルアミド溶液を脱気すると共に、別の体積100Mlの水にヘリウムのバブルを通して脱酸し、酸素濃度を元の酸素濃度の10%以下に下げた。5wt%クリルアミド溶液を真空から取り出す前3分間、脱酸水を利用してCalifornia IrvineのICN Biomedical社から購入したN,N,N',N'-テトラメチレンジアミン(TEMED)10wt%溶液、及びICN Biomedical社から購入した過硫酸アンモニウム(APS)の10wt%溶液用意した。
それから、直ちに10wt%TEMED溶液10mL及び10wt%APS溶液10mLを脱気したアクリルアミド溶液2Mlに加えて重合混合物を形成した。この重合混合物を10psiに加圧したヘリウムを使ってポリブタジエンを結合したキャピラリー管材に圧入した。3分間の反応時間の後、10psi加圧ヘリウムを除き、2分後に、キャピラリー管材の2つの端部に蓋をし、この管材を24時間そのままに保持した。次に、管材の蓋を取り除き、ポリブタジエンと未反応のポリアクリルアミドの残部及び残りのアクリルアミドを10psiに加圧した水を使ってキャピラリーカラム内部から押し出した。その結果、結合されたポリブタジエンの残りのビニル基と反応した線状ポリアクリルアミドから成る薄層が形成された。前述の手順によって用意したコーティングしたキャピラリーカラムはキャピラリー電気泳動分離用として使用できる状態となった。
例3
以下の例は、上述のものに代わる本発明によるコーティングを施したキャピラリーカラムを用意する方法の実例である。以下に述べるコーティングしたカラムは、コーティングの親水性部分が橋かけポリアクリルアミドから成っている点で、例2で述べたコーティングしたカラムとは異なっている。橋かけポリアクリルアミドは、物理的完全性を増したコーティングを形成し、その結果、コーティングにより長い、そしてより有用な寿命を与える。
このもう一つのコーティングを作るために、例1で述べたポリブタジエン結合のキャピラリーカラムを準備した。これに24時間のエージをかけた後、ポリブタジエン結合のキャピラリー管材をトルエンで30分間洗浄した。30分後、残りのトルエンを除去し、キャピラリー管材をメタノールで15分間洗浄した。次いで、5wt%水性アクリルアミド溶液を用意し、例2で述べたように脱気した。この脱気した5wt%アクリルアミド溶液に十分なN,N'-メチレンビスアクリルアミドを加えて1wt%N,N'-メチレンビスアクリルアミドの溶液を作った。10wt%TEMEDの溶液及び10wt%APSの溶液を例2で述べたように用意した。このTEMED溶液10mL及びAPS溶液10mLを2mLのアクリルアミド及びN,N'-メチレンビスアクリルアミド溶液に加えて重合溶液を形成した。この重合溶液を10psiに加圧したヘリウムでキャピラリーカラムに2分間圧入してキャピラリーカラムと接触させ、次いでヘリウム圧を0psiまで落とした。4分間を経過させた後、重合溶液の2度目の圧入を同じ条件で、同じ時間行った。この手順を4回繰り返し、その繰り返しサイクル毎に2段蒸留したイオン化した水で洗浄した。得られたキャピラリーカラムにはSi-O-Si結合を介してその内部表面に共有結合したポリブタジエン層と、ポリブタジエンの残りのビニル基と反応した橋かけポリアクリルアミドのネットワークを含むコーテイングが組み込まれた。この手順を通して形成されたコーティングはキャピラリー管材の内壁にしっかりと付着し、更に橋かけネットワークによって高い物理的完全性を備えていた。
例4
以下の例は、更に上述のものに代わる第2の本発明によるコーティングを施したキャピラリーカラムを用意する方法の実例である。以下に述べるコーティングしたカラムは、コーティングの親水性部分が橋かけポリアクリルアミドから成っている点で、例2で述べたコーティングしたカラムとは異なっている。また、このコーティングしたカラムは、橋かけアクリルアミドが別の橋かけ試薬と方法を利用して形成される点で、例3で述べたカラムとは異なっている。この橋かけポリアクリルアミドは、物理的完全性を増したコーティングを形成し、その結果、コーティングにより長い、そしてより有用な寿命を与える。
このもう一つのコーティングを作るために、例1で述べたポリブタジエン結合のキャピラリーカラムを準備した。それから、24時間のエージをかけた後、ポリブタジエン結合のキャピラリー管材をトルエンで30分間洗浄した。30分後、残りのトルエンを除去し、キャピラリー管材をメタノールで15分間洗浄した。ついで、5wt%水性アクリルアミド溶液を用意し、例2で述べたように脱気した。TEMED溶液及びAPS溶液、及びそれらの重合溶液を例2で述べたように用意した。これら溶液を用意した後、重合溶液を例1で述べたキャピラリーカラムに、例2で述べたと同様の条件で強制的に圧入した。アクリルアミドが重合して線状重合体を形成し、ポリブタジエンと反応しなかった残りのポリアクリルアミドと過剰なアクリルアミドをカラムから除去した後、コーティングしたカラムに2%1規定の苛性ソーダを有する37%ホルムアルデヒドの溶液を満たした。このホルムアルデヒド溶液を24時間カラム中に保持し、その後キャピラリーカラムを2段蒸留した水で洗浄した。この手順の結果得られたコーティングしたカラムは数多くの異なった形の化合物を電気泳動分離するのに適していた。
例5
以下、本発明によるコーティングを施したキャピラリーカラムの模範的な用例を実例で示す。特に、以下述べるように、本発明によるコーティングしたカラムは、核酸のように荷電した小さい粒子の分離に有用である。
上記例2に述べたように用意した30/37cm(全長37cm、紫外線用窓に30cm)のコーティングしたキャピラリーカラムをP/ACEキャピラリー電気泳動装置(Carifornia州FullertonのBeckman Instruments社製造)に取り付けた。50mMのトリス塩酸及び2mMのEDTAに3%のアクリルアミドを含む緩衝液をこのカラムに充填した。内部標準物質オレンジGを含むHaIIIダイジェステッドfc174DNA(200mg/mL DNA)溶液の試料をカラムの一端から10sec 0.5psiの圧力で注入し、200V/cm又は7.5kVの電界を温度20℃で電気泳動槽にかけ、波長254nmの紫外線検出器によって、分離した塩基性DNAフラグメントを検出した。図3は20分未満の移動後得られた電気泳動図である。各DNAフラグメントは以下のような移動オーダーのベースライン分離によって他のDNAフラグメントから分離された。即ち、第1ピークは内部標準物質オレンジG;第2ピークは72ベースペアDNAフラグメント;第3ピークは188ベースペア;第4ピークは194ベースペア;第5ピークは234ベースペア;第6ピークは271ベースペア;第7ピークは281ベースペア;第8は310ピークベースペア;第9ピークは603ベースペア;第10ピークは872ベースペア;第11ピークは1078ベースペア;第12ピークは1353ベースペアである。
例6
以下は本発明によるコーティングを施したキャピラリーカラムの模範的な用例を実例で示す。特に、以下述べるように、そして図4に示すように、本発明によるコーティングしたカラムは、蛋白質の分離に有用である。
標準内部物質(ヒスタミン)、リゾチーム、シトクロムC、及びリボヌクレアーゼAを各々1mg/mL含む水溶液を準備し、例4で述べた手順に従って用意した20/27cmのコーティングしたキャピラリーカラムをP/ACEキャピラリー電気泳動装置(Carifornia州FullertonのBeckman Instruments社製造)に取り付けた。
カラムには20mMのMES(Missouri州St.LouisのSigma Chemical社から購入の緩衝液)及びpH値を6.0に調整した20mMのクエン酸緩衝液を充填した。水性蛋白質溶液の試料をカラムの一端から2sec 0.5psiの圧力で注入し、500V/cmの電界を温度25℃で電気泳動槽にかけ、波長214nmの紫外線検出器によって、分離した蛋白質を検出した。図4は12分未満の移動後得られた電気泳動図である。各蛋白質は基線分離によって他の蛋白質から分離された。移動順序は電気泳動図の左から右へ、標準内部物質(ヒスチジン)、リゾチーム、シトクロムC、及びリボヌクレアーゼAである。
例7
本発明によってコーティングしたキャピラリーカラムを使用した分析の重複使用及び長期使用時の安定性及び再現性を示すために、例6で実施された蛋白質分析を210回繰り返した。そして、繰り返し分析毎に各蛋白質の電気泳動時間を検出した。この再現性試験の結果を図5に示す。内部標準物質(ヒスタミン)の移動時間の再現性を線1に示す(移動時間:1.99分)。リゾチームの移動時間の再現性を線2に示す(移動時間:4.6分)。シトクロムの移動時間の再現性を線3に示す(移動時間:5.77分)。最後に、リボフクレアーゼの移動時間の再現性を線4に示す(移動時間:9.73分)。
繰り返し行われたヒスタミン分析、リゾチーム分析、シトクロムC分析、及びリボヌクレアーゼA分析の相対標準偏差はそれぞれ0.74%、1.08%、1.12%、1.63%であり、これらデータは本発明による模範的なキャピラリーカラムの破格な物理的安定性、並びに長期使用に関する特性を明確に示すものである。
例8
以下の例は、本発明による模範的なキャピラリーカラムの更に他の用例を示す。更に詳しく言えば、例4で述べた手順で用意したキャピラリーカラムを鶏卵の卵白中にある蛋白質の分離に使用した例である。分析条件は及び試料濃度は例5で述べたものと同様にした。分析の結果を図6に示す。移動時間5.46に於けるピークはリゾチームとして識別され、同5.89に於けるピークはコンアルブミンとして識別され、また同7.18に於けるピークはオボアルブミンとして識別された。
例9
以下の例は、本発明によって最も好適にコーティングを施したキャピラリーカラムの準備方法を示す。このコーティングしたキャピラリーカラムを準備する最初の段階は、例1で述べた内壁にポリブタジエンを結合したカラムを準備する手順を含むが、但しこの場合、ポリブタジニエルトリエトキシシランの洗浄は圧力40psiで2時間行い、プラグで蓋をしたキャピラリーカラムを72時間室温に保持した。72時間後、未反応シランを40psiに加圧したトルエンで除去し、次いでトルエンで10分間洗浄し、最終的にメタノールで10分間洗浄した。
その後の準備段階は、先ず5%過酸化ベンゾイルのエチルアセテート溶液100mlを40%ビニルアセテートのエチレンアセテート溶液に加えて、ビニルアセテートと過酸化ベンゾイルの溶液を準備する段階を含んでいる。この過酸化ベンゾイルとビニルアセテート溶液をポリブタジエンをコーティングしたキャピラリーカラムに圧入し、24時間80℃で加熱した。24時間の反応期間の後、未結合のポリビニルアセテートを60psiに加圧したエタノールでキャピラリーカラムから押し出した。次に、10%ナトリウムメトオキシドのメタノール溶液をキャピラリーカラム中のポリビニルアセテートと15分間反応させた。この反応によってポリビニルアセテートを加水分解してポリビニルアルコールにした。この結果、カラム内壁に結合した疎水性のポリブタジエンコーティングを囲む親水性の線状ポリビニルアルコール層が生じた。斯うしてこのキャピラリーカラムはキャピラリー電気泳動用として使用しうる状態になった。
例10
以下は、本発明による模範的且つ好適なキャピラリーカラムの更に他の用法を示す実例である。更に詳しくは、例9で述べた手順によって用意したキャピラリーカラムを3種の蛋白質、リゾチーム、シトクロムC及びリボヌクレアーゼAの分離に使用した。例8で述べた手順で施したコーティングを有する20/27cm(全長27cm、紫外線用窓に20cm)キャピラリーカラムをP/ACEキャピラリー電気泳動装置(Carifornia州FullertonのBeckman Instruments社製造)に取り付けた。キャピラリーカラムには、pH値を6.0に調整した20mMのクエン酸塩/MESを含んだ緩衝液を充填した。リゾチーム、シトクロムC及びリボヌクレアーゼAを含む水性試料を1sec注入圧でキャピラリーカラムの一端から注入し、温度20℃で500V/cmの電界を電気泳動槽にかけた。分離された蛋白質は波長214nmの紫外線検出器で検出した。図8は15分未満の全移動時間後に得られた電気泳動図を示す。各蛋白質は基線分離によって他から分離された。分離順序はヒスチジン(内部標準物質)、リゾチーム、シトクロムC、及びリボヌクレアーゼAである。
例11
本発明によってコーティングしたキャピラリーカラムを使用した分析の重複使用及び長期使用時の安定性及び再現性を示すために、例10で実施された蛋白質分析を500回繰り返した。図9は500回目の試料注入によって得られた電気泳動図である。
500回の繰り返し分析の各々に関して、各蛋白質の電気泳動移動時間を記録した。図10は移動時間T、500回の試料注入の各注入番号との関係を示す図である。最初の20回の試料注入と最後の20回の試料注入を統計的に分析すると、リゾチームの移動時間は平均6.05分、標準偏差は0.06分、%相対標準偏差は0.93である。同様の試料注入に対して、シトクロムCの移動時間は平均7.64分、標準偏差は0.08分、%相対標準偏差は1.01である。リボヌクレアーゼAに関する分析は平均移動時間12.96分、標準偏差は0.21分、%相対標準偏差1.6を与えている。
明らかに、本発明によってコーティングを施したキャピラリーカラムの性能は、同一分析条件を使って500回の試料注入を行った後も破格なものである。
例12
以下は、上記例9で述べたようにして用意した本発明によってコーティングしたキャピラリーカラムを使用して行った核酸の電気泳動分析の実例である。上記例8で述べた手順で施したコーティングを有する20/27cm(全長27cm、紫外線用窓に20cm)キャピラリーカラムをP/ACEキャピラリー電気泳動装置(Carifornia州FullertonのBeckman Instruments社製造)に取り付けた。キャピラリーカラムには、100mMのトリス硼酸塩、45%v/vDMSO、及び5%V/Vエチレングリコールを含む緩衝液を充填した。40merから60merのポリ(A)核酸と、20merと40merのポリ(T)核酸との溶液を5sec 10Kvの動電性注入法でキャピラリーカラムの一端から注入した。次いで、温度30℃で、電気泳動槽に200V/cmをかけた。分離したDNAの長さは波長254nmの紫外線検出器で検出した。図11は26分未満の移動後得られた電気泳動図である。最初の二つのピークはそれぞれ20merポリ(T)及び40merポリ(T)を示し、残りのピークはポリ(A)20merから40merを示す。各DNAフラグメントは基線分離によって他のDNAフラグメントからはっきりと分離されている。
例13
以下は、本発明を具体化したもう一つのキャピラリーカラムの模範的準備方法である。このもう一つの具体例であるキャピラリーカラムは化学修飾したポリビニルアルコール(加水分解したポリビニルアセテート)コーティングを組み込んだもので、特にヒドロキシ部(例えば、オリゴ糖類、オリゴヌクレオチド等)を有する検体と組み合わせた硼酸塩のようなヒドロキシ複合緩衝液を利用する電気泳動分離に適している。
このコーティングと施したキャピラリーカラムを準備するための最初の段階は、例1で述べたようにポリブタジエンが結合した内壁を有するキャピラリーカラムを用意する段階を含むが、但しこの場合、未反応のトリエトキシル修飾したポリブタジエンシランの余分な部分を取り除いた後の洗浄は、10分間のタノールによる洗浄に続いて、チルアセテートによる10分間の洗浄を含んでいた。
残りの手順は1%w/v過酸化ベンゾイルと40%v/vビニルアセテートを含むエチルアセテート溶液による10分間の洗浄を含んでいた。キャピラリーカラムの両端を塞いだ後、ビニルアセテートを85℃で24時間重合した。次いで、キャピラリーカラムを室温まで冷却した後、キャピラリーカラムの端部を切り取って整え、結合していないポリビニルアセテートをカラムからエチルアセテートを使って60psiの圧力で押し出した。未反応のビニルアセテートを除去するために、キャピラリーカラムを10分間エチルアセテートで洗浄し、次にメタノールで10分間洗浄した。次に5%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液を30分間キャピラリーカラム中のポリビニルアセテートと反応させた。キャピラリーカラムをメタノールで30分間洗浄した後、キャピラリーカラムを空気乾燥した。上記の手順を踏んだ結果、内壁に結合した疎水性タジエンコーティングを囲む親水性の線状ポリビニルアルコール層が形成された。
化学修飾したポリビニルアルコールコーティングを用意するために、今用意したキャピラリーカラムを、40%(v/v)アセトニロリル、40%(v/v)2−メトキシエトキシ−メチルクロライド(Aldrich Chemicalから購入、カタログNo.19,354-2)、及び20%(v/v)ジイソプロピルアミンを含む溶液で10分間洗浄した。洗浄後、キャピラリーカラムを85℃のオーブンに1時間置いた。次ぎに、冷却したキャピラリーカラムの内部を30分間メタノールで洗浄し、空気乾燥後、キャピラリーカラムは電気泳動分離に使用しうる状態となった。
例14
以下は、電気浸透流に関する親水性重合体がポリビニルアルコールコーティングであるキャピラリーカラムの特性と、ポリビニルアルコールが例13で述べた化学修飾されたものである場合のカラムの特性との差を示すものである。
ポリビニルアルコール親水性重合体(加水分解したポリビニルアセテート)を有するコーティングしたキャピラリーカラムを例9で述べたように準備した。化学修飾したポリビニルアルコール重合体を有する第2のコーティングしたキャピラリーカラムを例13で述べたように準備した。これらキャピラリーカラムは27cmの全長(内20cmは検出器窓)、100μmの内径を有していた。各キャピラリーカラムはpH値8.3のトリス硼酸塩100mMの動作緩衝液と共にP/ACE気泳動装置に取り付けた。
温度20℃、電圧13.5KVでベンジルアルコールの水性試料を各キャピラリーカラム中で電気泳動させた。ベンジルアルコールの移動時間がキャピラリーカラムの電気浸透流特性の評価尺度となる。表Iは各キャピラリーカラムに関する移動時間と電気浸透流の計算値(EOF)を表にしたものである。重要なことに、ポリビニルアルコールを含むコーティングに比べて、化学修飾したポリビニルアルコールコーティングでは電気浸透流に実質的減少が見られる。これはポリビニルアルコールのヒドロキシ官能基の不活性化に由来するものである。
Figure 0003843330
例15
以下は、荷電した化学部分の分離に関して、例9で準備したポリビニルアルコールを含むキャピラリーカラムと、例13で準備したカラムの電気泳動分離特性の差を示すものである。
40merから60merの範囲の長さを持つポリ(A)オリゴヌクレオチドを自動DNA合成装置で合成した。例14の実験で利用した2本のキャピラリーカラムを、89mMのトリス硼酸塩中7M尿素の動作緩衝液を有するP/ACE装置に取り付け、ポリ(A)オリゴヌクレオチドを温度30℃、電圧8.1KVで、各キャピラリーカラム中で電気泳動した。図12は例9で述べた手順で用意したキャピラリーカラム(親水性重合体がポリビニルアルコール、又は加水分解したポリビニルアセテート)を用いて得られた電気泳動図である。図13は例13で述べたように用意したキャピラリーカラムを使用して得た電気泳動図である。ポリビニルアルコールを含むコーティングは、より大きい電気浸透流(電気泳動移動に抗する方向に移動する)を有しているから、ポリ(A)の分離時間は、化学修飾したポリビニルアルコールを含むキャピラリーカラムで得られる全分離時間より長くなる。
例16
親水性重合体が加水分解したポリビニルアセテート(ポリビニルアルコール)であるキャピラリーカラムと、エーテル修飾したポリビニルアルコールを含むコーティングを有するキャピラリーカラムとを利用したΦX174HaIIIダイジェスト試料の分離を示す。
例14及び15で利用した2本のカラムを、pH8.3、50mMのトリス硼酸塩の動作緩衝液を含むP/ACE装置に装着した。同一のΦX174HaIIIダイジェスト試料を各キャピラリーカラムに圧力注入し、温度20℃、電圧11.1KVで電気泳動を行って移動させた。図14は加水分解したポリビニルアセテート(ポリビニルアルコール)を含むキャピラリーカラムに於ける移動を示す電気泳動図である。図15はエーテル修飾したポリビニルアルコール(ポリビニルエーテル)を含むキャピラリーカラムに於ける移動を示す電気泳動図である。これら二つの電気泳動図は、二つのキャピラリーカラムに関連した電気浸透流に対する効果の差を劇的に示している。化学修飾したポリビニルアルコールを含むキャピラリーカラムは短時間でダイジェスト成分を分離できるが、ポリビニルアルコールを含むものは同様の効率の試料分離が行えない。
例17
以下の実験は、ヒスタミン、リゾチーム、シトクロムC、及びミオグロブリンの分離特性を示す。例13で用意したキャピラリーカラムを、pH8.3、100mMのトリス硼酸塩を動作緩衝液とするP/ACE装置に装着した。上記4つの蛋白質を含む試料をキャピラリーカラムに圧力注入し、温度30℃、電圧13.5KVで電気泳動を行った。図16はこの電気泳動の結果を示す電気泳動図である。これら4つの蛋白質の分離は電気浸透流のあるところでも改善されているから、移動時間は延長され、事実ミオグロブリンはこれらの条件下では抽出されない。従って、化学修飾したポリビニルアルコールを含むカラムとは反対にポリビニルアルコールを含むものを使用することが、これらを分離するためのカラムとして好ましい選択となる。
これまで、本発明を特定の実施例について述べてきたが、更に他の修正は可能であり、そして本願は全体として本発明の原理に沿った本発明の如何なる変形、用法又は適応を包括することを意図するものであり、また、本願は、ここでの開示はないが、本発明が関与する技術内で公知又は通常の実施に該当するもの、これまでに述べた本質的特徴に適合するもの、及び添付の請求の範囲に記載のものを含むものであることを理解されたい。

Claims (23)

  1. 試料組成の電気泳動分離用キャピラリーカラムであって、前記キャピラリーカラムは内部表面を有する一定長さの管材から成り、前記内部表面は相互接続した重合体コーティングを有し、前記相互接続した重合体コーティングは前記内部表面に共有結合した、反応性ビニル部を有する疎水性の重合体官能基と、該疎水性重合体官能基に共重合したポリビニルアルコール、化学修飾したポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドとを含む、試料組成の電気泳動分離用キャピラリーカラム。
  2. 前記管材はシリカから作られ、前記疎水性重合体官能基はSi-O-Si結合によって前記内部表面に共有結合している、請求項1に記載のキャピラリーカラム。
  3. 前記疎水性重合体官能基はポリブタジエンである、請求項1に記載のキャピラリーカラム。
  4. 前記ポリビニルアルコールは化学修飾したポリビニルアルコールである、請求項1に記載のキャピラリーカラム。
  5. 前記化学修飾したポリビニルアルコールはポリビニルエーテルある、請求項4に記載のキャピラリーカラム。
  6. 試料組成の電気泳動分離用キャピラリーカラムであって、前記キャピラリーカラムは内部表面を有する一定長さの管材から成り、前記内部表面は相互接続した重合体コーティングを有し、前記相互接続した重合体コーティングは前記内部表面に共有結合したブタジエン官能基と、該ブタジエン官能基と共重合したポリビニルエーテルを有する化学修飾した共重合ポリビニルアルコールとを含む、試料組成の電気泳動分離用キャピラリーカラム。
  7. 前記管材はシリカから作られ、前記ブタジエン官能基はSi-O-Si結合によって前記内部表面に共有結合している、請求項6に記載のキャピラリーカラム。
  8. 前記ブタジエン官能基はポリブタジエニルトリエトキシシランが前記シリカのSi-OHと反応することによって前記内部表面に共有結合する、請求項7に記載のキャピラリーカラム。
  9. キャピラリーカラムを準備する方法であって、
    内部表面と、該内部表面にSi-OH官能基を有する一定長さのシリカ管材を用意する段階と、
    反応性ビニル部を有する疎水性重合体官能基を有し、Si-OH官能基に反応性を示す化合物をSi-OH官能基と反応させる段階と、
    ビニルアセテートを前記疎水性重合体官能基に接触させて重合し、ポリビニルアセテートを形成する段階と、
    前記ポリビニルアセテートを加水分解して、ポリビニルアルコールを形成し、ポリビニルアルコールと疎水性重合体の相互接続重合体ネットワークを形成する段階とを含む、キャピラリーカラムを準備する方法。
  10. 前記Si-OH官能基に反応性を示す化合物はポリブタジエニルトリエトキシシランである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ポリビニルアルコールを橋かけする段階を更に含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記ビニルアセテートの重合は、ビニルアセテートを重合開始剤が存在する有機溶剤中で反応させることによって達成される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記有機溶剤はエチルアセテートである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記開始剤は過酸化ベンゾイルである、請求項12に記載の方法。
  15. 前記ポリビニルアルコールとヒドロキシ反応性試薬とを反応させて化学修飾したポリビニルアコールを生成する段階を更に含む、請求項9に記載の方法。
  16. 前記ポリビニルアルコールとハロゲン化エーテルとを反応させてポリビニルエーテルから成る化学修飾したポリビニルアコールを生成する段階を更に含む、請求項9に記載の方法。
  17. ハロゲン化エーテルは2−メトキシエトキシ−メチルクロライドである、請求項16に記載の方法。
  18. キャピラリー電気泳動を用いて試料の成分組成を分析する方法であって、
    内部表面を有する一定長さの管材から成り、前記内部表面は相互接続した重合体コーティングを有し、前記相互接続した重合体コーティングは前記内部表面に共有結合した、反応性ビニル部を有する疎水性の重合体官能基と、該疎水性重合体官能基に共重合したポリビニルアルコール、化学修飾したポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドとから成るキャピラリー電気泳動カラムを用意する段階と、
    前記キャピラリーカラムの第1端部を陽極電気泳動槽に浸漬し、その第2端部を陰極電気泳動槽に浸漬する段階と、
    前記キャピラリーカラムの第1端部又は第2端部から該カラムに前記試料組成を導入する段階と、
    前記電気泳動槽の間に、前記試料成分をその各々に関して異なる割合で前記キャピラリーカラム内で移動させることが出来る電界をかける段階とを含む、分析方法。
  19. 前記疎水性重合体官能基はポリブタジエンである、請求項18に記載の分析方法
  20. 前記ポリビニルアルコールは化学修飾したポリビニルエーテルである、請求項18に記載の分析方法。
  21. 前記化学修飾したポリビニルアルコールはポリビニルエーテルである、請求項20に記載の分析方法。
  22. 前記管材はシリカから作られ、前記疎水性重合体官能基はSi-O-Si結合によって前記内部表面に共有結合している、請求項18に記載の分析方法。
  23. 試料組成の電気泳動分離用キャピラリーカラムであって、該キャピラリーカラムは内部表面を有する一定長さの管材から成り、前記内部表面は相互接続した重合体コーティングを有し、該相互接続した重合体コーティングは前記内部表面に共有結合した疎水性の重合体官能基と、該疎水性重合体官能基に共重合したポリビニルエーテルとから成る、試料組成の電気泳動分離用キャピラリーカラム。
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