JP3843083B2 - 能動型振動騒音制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の振動騒音により発生する車室内振動騒音を能動的に相殺制御する能動型振動騒音制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の能動型振動騒音制御装置として消音制御のオン・オフ時の不快音の発生を防止するために、車室内振動騒音を相殺するための相殺音を逐次増加、逐次減少させる、いわゆるフェードイン、フェードアウト動作をさせる能動型振動騒音制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
不快音の発生とは、より具体的には、図3(A)に示すスピーカ出力波形のように、消音制御のオン状態(消音制御作動中)からオフ状態(消音制御停止)とすると、時刻tfで急に相殺音がなくなることより、図3(A)において模式的に符号aで示す不快音(「ボツ」という音)が発生することである。
【0004】
かかる従来技術の能動型振動騒音制御装置では、内燃機関の出力軸回転数が振動騒音を制御する制御回転数領域内に入ったときは、適応フィルタのフィルタ係数更新毎にきわめて小さい値(例えば0.0002)を累算して比率係数(最大値=1)を求め、この求めた比率係数を適応フィルタから出力される相殺信号に乗算して、乗算結果の信号を相殺音発生手段であるスピーカに供給して相殺音を逐次増加させる制御を行っている。
【0005】
逆に、内燃機関の出力軸回転数が振動騒音を制御する制御回転数領域内から制御回転数領域外に移動したときは、フィルタ係数の更新毎にきわめて小さい値(例えば0.0002)を逐次減算して比率係数(最小値=0)を求め、この求めた比率係数を適応フィルタから出力される相殺信号に乗算して、乗算結果の信号を相殺音発生手段であるスピーカに供給して発生相殺音を逐次減少させる制御を行っている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−257481号公報(第3頁、図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の能動型振動騒音制御装置では、例えば、フェードアウトの場合、フィルタ係数更新毎に順次小さくなる比率係数値を演算により求め、求めた比率係数値と、LMSアルゴリズム演算処理で更新された適応フィルタから出力される相殺信号とを乗算し、乗算結果を相殺音発生手段であるスピーカに供給して、相殺音を逐次発生させるようにしているために、通常のLMSアルゴリズム演算に加え、比率係数更新演算、2次音出力演算を行うための演算量が多く、演算負荷が大きいという問題点がある。
【0008】
さらに、能動型振動騒音制御装置はマイクロコンピュータで構成されるのが通常であり、固定小数点を用いて演算が8ビットで行われるような安価なマイクロコンピュータを用いた場合、円滑なフェードイン、フェードアウトを実現するための、上記した比率係数を求めるためにきわめて小さな値(例えば0.0002)を用いることができず、高価なマイクロコンピュータを必要とするという問題点がある。
【0009】
さらに、従来の能動型振動騒音制御装置ではフェードインとフェードアウトとがそれぞれ別々に行われているために、消音制御作動領域外から消音制御作動領域内へと内燃機関の出力軸回転数が消音制御作動領域端を挟んで変動するような場合、従来の能動型振動騒音制御装置では、消音制御作動領域外から消音制御作動領域内へ入る度に、フィルタ係数は初期値(=0)から逐次更新されるため、振動騒音制御のための応答が遅くなるという問題点がある。
【0010】
上記問題点は、従来技術にも記載されるように、一般にLMSアルゴリズム演算は、マイクロフォンからの誤差信号と、クランク角信号等の基準信号または基準信号を信号伝達特性で補正した参照信号とに基づいて、誤差信号が最小となるようにフィルタ係数を逐次更新するものであるため、基準信号が変更された場合、すなわち、クランク軸の回転速度が変更された場合には、フィルタ係数は初期値から逐次更新されることになる(特許文献1の段落[0018]参照)。
【0011】
よって、従来技術のように消音制御作動領域外でもLMSアルゴリズム演算が行われる場合には、消音制御作動領域外と消音制御作動領域内とでは基準信号が異なるため、消音制御作動領域内に復帰する度にフィルタ係数は初期値から逐次更新されることになるのである。
【0012】
本発明は、相殺信号を遮断したときに生ずる不快音を防止することができ、演算負荷を低減して安価なマイクロコンピュータにより構成できると共に、応答が早い能動型振動騒音制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる能動型振動騒音制御装置は、内燃機関から発生する振動騒音の周波数に基づく周波数の基準信号を生成する基準信号生成手段と、
前記内燃機関からの振動騒音に基づき発生する車室内振動騒音を相殺するために、前記基準信号に基づいて相殺信号を発生する適応フィルタと、
適応フィルタから出力される相殺信号に基づき相殺音を発生する相殺音発生手段と、
車室内振動騒音と相殺音との差を検出して該差に基づく信号を誤差信号として出力する誤差検出手段と、
前記相殺音発生手段から前記誤差検出手段に至る信号伝達特性に対応する補正値に基づいて前記基準信号を補正して参照信号を生成する参照信号生成手段と、
前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記誤差信号が最小となるように、更新前の前記適応フィルタのフィルタ係数を適応演算を用いて逐次更新する第1のフィルタ係数演算手段と、
更新前の前記適応フィルタのフィルタ係数に1未満の所定値を乗算して逐次更新する第2のフィルタ係数演算手段と、
前記第1のフィルタ係数演算手段と前記第2のフィルタ係数演算手段とを択一的に切り替える切替手段と
を有することを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる能動型振動騒音制御装置によれば、能動型振動騒音制御装置の消音制御停止(オフ)領域に入ると、相殺音が急になくなるのではなく、第2のフィルタ係数更新手段により相殺音が徐々に下げられる(フェードアウトする)ことにより、消音制御のオン、オフ時に発生する不快音(「ボツ」音)の発生を防止することができる。
【0015】
また、消音制御作動領域内では第1のフィルタ係数更新手段により適応演算、LMSアルゴリズム演算処理が実行され、消音制御停止領域では乗算処理が実行されるのみであるため、演算量が少なく、演算負荷が低減できるので、安価なマイクロコンピュータで構成できて、装置のコストダウンが可能となる。
【0016】
加えて、消音制御作動中から消音制御停止としたときには、第2のフィルタ係数更新手段により更新前のフィルタ係数、すなわち、切り替え直前における消音制御作動中のフィルタ係数が引用され、そのフィルタ係数に所定値を乗算した乗算結果がフィルタ係数として適応フィルタに設定される。そして、その後の消音制御停止期間中(消音制御停止領域)では、更新時毎に、前記演算結果、元をたどれば、切り替え直前における消音制御作動中のフィルタ係数に、所定値が逐次乗算されて、フィルタ係数が更新されることになる。故に、消音制御作動領域の誤差信号と基準信号とに基づいて逐次更新されたフィルタ係数が、消音制御停止領域においても引き継がれているので、消音制御作動領域に復帰したときには、第2のフィルタ係数更新手段によって逐次更新された値をLMSアルゴリズム演算処理の初期値として用いることが可能であり、よって、フィルタ係数の初期値を“0”から始めなければならないものより振動騒音抑制の応答性が向上する。
【0017】
さらに、消音制御作動領域と消音制御停止領域とを繰り返すときにおいても、上記理由から、一方から他方へフィルタ係数が引き継がれることにより、相殺音の顕著なレベル変化が発生しないため、不快音が発生しない。
【0018】
本発明にかかる能動型振動騒音制御装置において、切替手段は基準信号の周波数に応じて切替指示を送出するようにしてもよい。
【0019】
また、本発明にかかる能動型振動騒音制御装置において、切替手段は内燃機関の出力軸回転数に応じて切替指示を送出するようにしてもよい。
【0020】
このように、切り替え作動させるための信号として、基準信号の周波数、または内燃機関の出力軸回転数としたので、元から備えられる入力で切り替え可能となり、他に入力を追加するよりもコストダウンとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる能動型振動騒音制御装置を実施の一形態によって説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の一形態にかかる能動型振動騒音制御装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
本発明の実施の一形態にかかる能動型振動騒音制御装置15は、基準信号生成回路1、適応フィルタ2、車室内に設けた相殺音発生手段であるスピーカ3、参照信号生成回路4、フィルタ係数演算回路5、誤差検出手段であるマイクロフォン10およびフィルタ係数演算回路5から出力される第1のフィルタ係数と第2のフィルタ係数を択一的に選択して、適応フィルタ2のフィルタ係数とする切替手段である切替回路11とを備えている。
【0024】
ここで、振動騒音源である内燃機関から発生する振動騒音、例えば4サイクル4気筒の内燃機関の出力軸回転に基づく車室内振動騒音を打ち消す場合を例示すれば、内燃機関の出力軸の1/2回転毎に起こるガス燃焼によるトルク変動により内燃機関を基点とした加振振動が発生しこれが原因で車室内振動騒音が発生する。したがって、4サイクル4気筒の内燃機関であれば、内燃機関の出力軸回転数の2倍の周波数を有する回転2次成分と称される振動騒音が多く発生する。
【0025】
そこで、内燃機関の出力軸回転がセンサによって検出され、該センサからの出力信号が基準信号生成回路1に供給されて、基準信号生成回路1において、振動騒音源である内燃機関の出力軸回転に同期した出力軸回転数Neに同期し、かつ出力軸回転数Neの調波周波数の基準信号が生成される。
【0026】
生成された基準信号は適応フィルタ2に供給されて、適応フィルタ2において基準信号に基づいて車室内振動騒音を相殺するための相殺信号が生成される。適応フィルタ2において生成された相殺信号は車室内に設けられたスピーカ3に供給されて、相殺信号に基づく相殺音が再生されて車室内振動騒音が相殺させられる。
【0027】
参照信号生成回路4では基準信号が供給され、基準信号に対するスピーカ3とマイクロフォン10との間における車室内の信号伝達特性に応じた補正が基準信号に対して行われて、参照信号生成回路4において参照信号が生成される。
【0028】
一方、フィルタ係数演算回路5は、第1のフィルタ係数演算手段である第1のフィルタ係数演算回路6と第2のフィルタ係数演算手段である第2のフィルタ係数演算回路7と切替回路11とを備えている。
【0029】
第1のフィルタ係数演算回路6に、参照信号とマイクロフォン10において検出された誤差信号とが供給され、第1のフィルタ係数演算回路6では参照信号と誤差信号とに基づいてLMSアルゴリズム演算により誤差信号が最小となるように適応フィルタ2の第1のフィルタ係数が演算され、演算された第1のフィルタ係数が切替回路11を介して択一的に出力されて適応フィルタ2のフィルタ係数とされる。
【0030】
第2のフィルタ係数演算回路7は、予め1未満の所定値λ、例えば所定値λ(λ=127/128)が補正係数として設定される設定回路8と、切替回路11から出力される消音制御作動領域内から消音制御作動領域外への切替指示信号に基づいて切替指示信号発生直前における第1のフィルタ係数と補正係数とを順次乗算する乗算回路9とを備え、切替指示発生後、乗算回路9からの乗算出力が第2のフィルタ係数として、切替回路11を介して択一的に出力されて適応フィルタ2のフィルタ係数とされる。
【0031】
切替回路11は、基準信号が入力されて基準信号の周波数が消音制御作動領域内のときは第1のフィルタ係数を選択して適応フィルタ2のフィルタ係数とし、基準信号の周波数が消音制御作動領域内から消音制御作動領域外に出たときは第1のフィルタ係数に代わって第2のフィルタ係数を選択して適応フィルタ2のフィルタ係数とし、基準信号の周波数が消音制御作動領域外から消音制御作動領域内に入ったときは選択されるフィルタ係数を第2のフィルタ係数から第1のフィルタ係数に切り替える。
【0032】
上記のように構成された能動型振動騒音制御装置15の作用について図2のフローチャートにしたがって説明する。
【0033】
能動型振動騒音制御装置15が動作を開始すると、基準信号の周波数が検出され(ステップS1)、基準信号の検出された周波数が消音制御作動領域内の周波数であるか否かがチェックされる(ステップS2)。ステップS2において消音制御作動領域内であると判別されたときは、切替回路11において第1のフィルタ係数が選択される(ステップS3)。ここで、第1のフィルタ係数W(n+1)はW(n+1)=W(n)−μecxである。μはステップサイズを、eは誤差信号を、cは参照信号を求めるための補正値を、xは基準信号を、nはサンプリング数を示している。
【0034】
ステップS3において選択された第1のフィルタ係数は適応フィルタ2のフィルタ係数として設定され、適応フィルタ2から出力される相殺信号はスピーカ3に供給され、スピーカ3が相殺信号により駆動されて(ステップS4)、スピーカ3において発生する再生音によって車室内振動騒音が相殺され、続いてステップS1から繰り返して実行される。
【0035】
ステップS2において消音制御作動領域外であると判別されたときは、切替回路11において第2のフィルタ係数が選択される(ステップS5)。第2のフィルタ係数W(n+1)はW(n+1)=W(n)×λ:λ<1である。
【0036】
ステップS5に続いて、ステップS5において選択された第2のフィルタ係数が適応フィルタ2のフィルタ係数として設定され、適応フィルタ2から出力される相殺信号はスピーカ3に供給され、スピーカ3が相殺信号により駆動されて、スピーカ3において発生する再生音によって車室内振動騒音が相殺され(ステップS4)、続いてステップS1から繰り返して実行される。
【0037】
ステップS2、ステップS5、ステップS4と繰り返して実行されるときはフェードアウトの場合であり、適応フィルタ2に設定されるフィルタ係数は第2のフィルタ係数となり、スピーカ3で発生される再生音は順次低下する。
【0038】
この状態を模式的に示せば、図3(B)に示す如くであって、ステップS1からステップS4が繰り返して実行されているときに、最初に時刻tfにおいてステップS5が実行され、以降ステップS2、ステップS5、ステップS4と繰り返して実行されるとすると、ステップS1からステップS4が繰り返して実行されているときは時刻tf以前に示す状態であって、スピーカ3の再生音はフェードアウトされず、車室内振動騒音はスピーカ3の再生音によって相殺される。
【0039】
ステップS1からステップS4が繰り返して実行されている状態から最初にステップ5の実行に入ったとき、すなわち、時刻tfから切り替わる直前の消音制御作動領域の第1のフィルタ係数が更新前の第2のフィルタ係数(W(n))、すなわち、第2のフィルタ係数の初期値となり、次いで、第2のフィルタ係数(W(n+1))が1未満の所定値λ倍されて更新される。続いてステップS5からステップS4が繰り返して実行されると第2のフィルタ係数が1未満の所定値λ倍ずつ逐次減少されて、図3(B)において時刻tf以降に示すようにフェードアウトが実行されて、スピーカ3における再生音は順次低下していく。
【0040】
図3(A)は時刻tfにおいてフェードアウトを行わず、第2のフィルタ係数を0とした場合を示し、時刻tfにおいて符号aで示すように不快音「ボツ音」が発生するが、能動型振動騒音制御装置15ではフェードアウトするために、このような不快音は発生しない。
【0041】
このように、能動型振動騒音制御装置15では、ステップS2におけるチェックにおいて基準信号の周波数が消音制御作動領域内から消音制御作動領域外に出たと判別されたとき、切替回路11が実質的に切り替えられることになって、この切り替えにより第1のフィルタ係数に代わって第2のフィルタ係数が選択されて、適応フィルタ2のフィルタ係数とされ、相殺音はフェードアウトされるために、相殺信号を遮断したときに生ずる不快音が生じない。
【0042】
また、能動型振動騒音制御装置15では、基準信号の周波数が消音制御作動領域内から消音制御作動領域外に出たとき、ステップS2におけるフィルタ係数の切り替えにより、切り替え前の第1のフィルタ係数に1未満の所定値λを乗算した第2のフィルタ係数に切り替えるようにしたため、適応フィルタ2で得られる相殺信号に、フィルタ係数の更新毎に順次小さくなる比率係数値を乗算して相殺音を発生させるわけではなく、比率係数更新演算、2次音出力演算などが不要となって、演算負荷が少なくて済み、円滑にフェードアウトが行われる。
【0043】
また、能動型振動騒音制御装置15では、フェードアウトに入ったとき、直前の第1のフィルタ係数に1未満の所定値λ(=127/128)を乗算した第2のフィルタ係数に切り替えるようにしたため、固定小数点を用いて演算が8ビットで行われるような安価なマイクロコンピュータを用いることができる。
【0044】
またさらに、能動型振動騒音制御装置15では、基準信号の周波数が消音制御作動領域外と消音制御作動領域内と繰り返すときにおいても、一方から他方へフィルタ係数が引き継がれることにより、相殺音の顕著なレベル変化が発生しないため、不快音が発生しない。
【0045】
本発明の実施の形態では、能動型振動騒音制御装置15は、消音制御作動領域内、消音制御作動領域外への移動を基準信号の周波数によって判別する場合を例示したが、図1において破線で示したように基準信号の周波数に代わって、内燃機関の出力軸回転数に基づいて判別するようにしてもよい。基準信号の周波数は内燃機関の出力軸回転数に同期し、かつ該出力軸回転数の調波周波数となるためである。
【0046】
車速信号、車両ドアの開閉信号、または気筒休止信号によって消音制御作動領域内、消音制御作動領域外への移動を判別するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる能動型振動騒音制御装置によれば、相殺信号を遮断したときに生ずる不快音を防止することができ、十分な相殺信号を得ることができ、かつ安価なマイクロコンピュータにより構成できると共に、消音制御作動領域に戻ったときの応答が早いという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる能動型振動騒音制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかる能動型振動騒音制御装置の作用の説明に供するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の一形態にかかる能動型振動騒音制御装置の作用の説明に供する図であって、図3(A)は仮にフェードアウトを行わない場合を示し、図3(B)はフェードアウトを行った場合を示す図である。
【符号の説明】
1…基準信号生成回路 2…適応フィルタ
3…スピーカ 4…参照信号生成回路
5…フィルタ係数演算回路 6…第1のフィルタ係数演算回路
7…第2のフィルタ係数演算回路 8…設定回路
9…乗算回路 10…マイクロフォン
11…切替回路 15…能動型振動騒音制御装置

Claims (3)

  1. 内燃機関から発生する振動騒音の周波数に基づく周波数の基準信号を生成する基準信号生成手段と、
    前記内燃機関からの振動騒音に基づき発生する車室内振動騒音を相殺するために、前記基準信号に基づいて相殺信号を発生する適応フィルタと、
    適応フィルタから出力される相殺信号に基づき相殺音を発生する相殺音発生手段と、
    車室内振動騒音と相殺音との差を検出して該差に基づく信号を誤差信号として出力する誤差検出手段と、
    前記相殺音発生手段から前記誤差検出手段に至る信号伝達特性に対応する補正値に基づいて前記基準信号を補正して参照信号を生成する参照信号生成手段と、
    前記参照信号と前記誤差信号とに基づいて前記誤差信号が最小となるように、更新前の前記適応フィルタのフィルタ係数を適応演算を用いて逐次更新する第1のフィルタ係数演算手段と、
    更新前の前記適応フィルタのフィルタ係数に1未満の所定値を乗算して逐次更新する第2のフィルタ係数演算手段と、
    前記第1のフィルタ係数演算手段と前記第2のフィルタ係数演算手段とを択一的に切り替える切替手段と
    を有することを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  2. 請求項1記載の能動型振動騒音制御装置において、切替手段は基準信号の周波数に応じて切替指示を送出することを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
  3. 請求項1記載の能動型振動騒音制御装置において、切替手段は内燃機関の出力軸回転数に応じて切替指示を送出することを特徴とする能動型振動騒音制御装置。
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