JP3843032B2 - 円筒研削盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒研削盤に関し、詳しくは、工作物を支持すると共に回転駆動する支持台と、砥石を回転駆動する軸頭とを備え、前記支持台に支持された工作物に対して前記軸頭を工作物の軸方向及び径方向に相対的に移動させることによって工作物の外面を研削する円筒研削盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように、円筒研削盤100は、工作物Wを支持すると共に回転駆動する支持台110と、装着された砥石Tを回転駆動する軸頭120とを備えており、支持台110に支持された工作物Wに対して軸頭120を工作物Wの軸方向(矢印Z)及び径方向(矢印X)に相対的に移動させることによって、工作物Wの外面の研削を行うものである。ここで、一般的な円筒研削盤100では、工作物Wの回転軸線Wsと砥石Tの回転軸線Tsとが平行となるように軸頭120が配置されている。
【0003】
ところで、上記のような円筒研削盤100では、円盤状の砥石Tの周面や端面によって工作物Wの周面や端面を研削するのであるが、砥石Tの端面が工作物Wの端面に広く接触する場合には、研削焼けを起こし易くなる。そこで、従来では、加工能率を低くして加工するか、または、図7に示すように、砥石Tの回転軸線Tsを工作物Wの回転軸線Wsに対して平行な状態から前後方向に僅かに傾け、傾けた砥石Tの角部にて工作物Wの周面や端面を研削する所謂アンギュラスライド研削が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかながら、従来の円筒研削盤100によってアンギュラスライド研削を行う場合には、工作物Wの左右一方の端面(図7に示すものでは、右側端面)しか研削することができず、他方の端面を研削する場合には、工作物Wを反転させなければならなかった。このため、工作物Wの両端面を研削する場合には、工程数が多くなっていた。
【0005】
また、図示は省略するが、砥石の回転軸線が工作物の回転軸線と平行な状態から前後方向に傾斜可能となるように軸頭を回動自在とし、この軸頭の両側に砥石を設けることで、工作物を反転させることなく工作物の両端面を研削可能とすることも考えられる。しかしながら、この場合には、両側に砥石が設けられることから軸頭が大型化するばかりでなく、軸頭の両側に砥石があるため、実際の研削に用いられない側の砥石が工作物や支持台に干渉し易くなる。よって、軸頭の両側に砥石を設けると、研削可能な工作物の形状が限定されてしまい、円筒研削盤としての汎用性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、工作物を反転させることなく工作物の両端面を研削することができ、しかも、砥石の小径化を図ることもできる円筒研削盤を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る円筒研削盤の主たる特徴は、工作物を支持すると共に回転駆動する支持台と、砥石を回転駆動する軸頭とを備え、前記支持台に支持された工作物に対して前記軸頭を工作物の軸方向及び径方向に相対的に移動させることによって工作物の外面を研削する円筒研削盤において、工作物側から見た砥石の位置が、軸頭の左側にある位置と軸頭の右側にある位置との間で変動して、砥石の回転軸線が、工作物の回転軸線に直交する基準線を跨ぐ範囲で工作物の回転軸線方向に傾斜可能となるように、前記軸頭を工作物に対して平面上にて相対的に回動自在に構成して、前記砥石の周面にて前記工作物の外周面及び左右の両端面を研削可能としたことである。
【0008】
ここで、円筒研削盤では、工作物の支持方向を多様に設定することができるため、本発明では、砥石の回転軸線の傾斜方向を、工作物の回転軸線方向としている。この方向を具体的に説明すると、回転軸線が左右方向となるように工作物が支持される場合には、工作物の回転軸線に直交する基準線に対して、砥石の回転軸線を、上記基準線を挟んで左右方向に傾斜可能とすればよい。また、回転軸線が前後方向となるように工作物が支持される場合には、砥石の回転軸線の傾斜方向は前後方向となり、回転軸線が上下方向となるように工作物が支持される場合には、砥石の回転軸線の傾斜方向は上下方向となる。
【0009】
なお、円筒研削盤は、一般的に、回転軸線が左右方向となるように工作物を水平に支持し、この工作物の後方に配置された砥石により研削を行うものである。よって、以下の説明では、便宜上、回転軸線が左右方向となるように工作物を支持することを前提に、方向を「左右」、「前後」として表現するが、この方向の表現は相対的なものであるため、回転軸線が前後方向や上下方向等となるように工作物を支持する態様を想定する場合には、以下で表現する方向を、対応する方向に置き変えて理解すればよい。
【0010】
本発明では、工作物の回転軸線と直交する基準線(以下、単に「基準線」という)上に砥石の回転軸線がある状態から、すなわち、砥石の回転軸線と工作物の回転軸線とが直交して砥石の正面が工作物に対向した状態から、軸頭を左方向に回動させて、砥石の回転軸線が基準線に対して左側に傾斜した状態にすると、砥石の正面視右側部分が前方に位置し、砥石の正面視左側部分が後方に位置した状態になる。よって、この状態では、砥石の正面視右側部分にて工作物の周面及び左端面が研削可能となる。一方、軸頭を右方向に回動させて、砥石の回転軸線が基準線に対して右側に傾斜した状態にすると、今度は、砥石の正面視左側部分が前方に位置し、砥石の正面視右側部分が後方に位置した状態になる。よって、この状態では、砥石の正面視左側部分にて工作物の周面及び右端面が研削可能となる。このように、本発明では、軸頭を回動させるだけで、工作物の周面及び左右両端面の研削が可能となる。
【0011】
また、軸頭を回動させると、砥石の回転軸線が工作物の回転軸線と平行になるまでは、砥石の後方に軸頭が位置する状態となる。よって、この状態では、軸頭が工作物や支持台に干渉し難く、小径の砥石を用いることが可能となる。
【0012】
なお、本発明において、軸頭は、工作物に対して相対的に、工作物の軸方向(以下「Z軸方向」という)及び径方向(以下「X軸方向」という)に移動されるものであればよく、軸頭を工作物に対して相対的に移動させるための具体的な構成を限定するものではない。例えば、「円筒研削盤の基台を構成するベッドに対して、支持台をZ軸方向に移動自在とすると共に軸頭をX軸方向に移動自在とする」、「円筒研削盤の基台を構成するベッドに対して、支持台を移動不能に固定すると共に軸頭をZ軸方向及びX軸方向に移動自在とする」、「円筒研削盤の基台を構成するベッドに対して、軸頭を移動不能に固定すると共に支持台をZ軸方向及びX軸方向に移動自在とする」等すればよい。
【0013】
また、軸頭を工作物に対して相対的に回動自在とする具体的な構成としては、「円筒研削盤の基台を構成するベッドに対して軸頭を回動自在とする」、「円筒研削盤の基台を構成するベッドに対して支持台回動自在とする」等を例示することができる。
【0014】
さらに、本発明では、砥石の回転軸線が工作物の回転軸線方向に傾斜可能となるように、軸頭を工作物に対して相対的に回動自在とするのであるが、工作物に対する軸頭の回動は、工作物の回転軸線とこの回転軸線に直交する基準線とを含む平面上にて行われるようにしてもよく、また、工作物の回転軸線に対して傾斜する平面上、或いは、工作物の回転軸線に直交する基準線に対して傾斜する平面上にて行われるようにしてもよい。ここで、通常の円筒研削盤では、工作物の回転軸線とこの回転軸線に直交する基準線とを含む平面上に、工作物と砥石との接触点、すなわち研削の作用点が位置する。よって、工作物に対する軸頭の回動が、工作物の回転軸線とこの回転軸線に直交する基準線とを含む平面上にて行われるようにすると、砥石の回転軸線を傾斜させた状態でも、上記平面上に研削の作用点を位置させることができ、好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る円筒研削盤の実施形態としての一例を、図面に基づいて以下に説明する。
【0016】
図1に示すように、本例の円筒研削盤10は、基台を構成するベッド11と、このベッド11の前側部分に搭載され、工作物Wを左右方向に支持する支持台20と、円盤状の砥石Tが装着される軸頭31を有し、ベッド11の後側部分に搭載された砥石台30とを備えている。ここで、支持台20は、工作物Wの軸方向であるZ軸方向(矢印Z)に移動自在に構成されており、砥石台30は、工作物Wの径方向であるX軸方向(矢印X)に移動自在に構成されている。なお、本例では、左側に小径の軸部Waと、中央部分に大径の大径部Wbと、右側に小径の軸部Wcとを有する形状に形成された工作物Wを、砥石Tによって、左右の軸部Wa,Wb及び大径部Wcの各外周面、並びに、大径部Wbの左右の両端面を研削する例を示すが、本例の円筒研削盤10によって研削可能な工作物Wはこれに限らず、多種多様な形状の工作物Wを研削することができる。
【0017】
支持台20は、ベッド11の上面に、Z軸方向に摺動自在に載置されたテーブル25と、このテーブル25の上面に固設された主軸台21と、テーブル25の上面に、Z軸方向に摺動自在に載置された心押し台23とを備えている。そして、主軸台21には、Z軸回りに回動自在なセンタ22が装着されており、心押し台23にも、同様に、Z軸回りに回動自在なセンタ24が装着されている。工作物Wは、主軸台21のセンタ22と心押し台23のセンタ24とで挟持されて、その軸心回りに回動自在に支持される。なお、支持台20は、上記のように心押し台23を備えたものに限らず、例えばチャックを有する主軸台21を備え、この主軸台21のチャックに工作物を片持ち状に支持するものであってもよい。
【0018】
また、主軸台21のセンタ22の周囲には、モータ等の駆動装置によってセンタ22とは個別に回転駆動される円環状の主軸(図示省略)が組み込まれている。研削加工に際して、工作物Wは、この主軸によって、工作物Wに装着された回し金(図示省略)を介して回転駆動される。なお、本例では、上記主軸及び回し金として周知のものが用いられており、その詳細な説明は省略する。
【0019】
一方、砥石台30は、ベッド11の上面に、X軸方向に摺動自在に載置された軸頭台32と、砥石Tが着脱自在に装着される装着軸33を有し、軸頭台32に、回転軸Bを軸心として水平面上にて回動自在に支持された軸頭31とを備えている。ここで、軸頭31の装着軸33は、モータ等の駆動装置により、直接的に、または、プーリー及びVベルト等を介して間接的に回転駆動され、装着された砥石Tを回転駆動するものである。また、軸頭31の回動可能な範囲は、装着軸33、すなわち砥石Tの回転軸線Tsが、工作物Wの回転軸線Wsと直交する基準線Ksを跨いでこの基準線Ksに対して左右方向に傾斜可能となるような範囲に設定されている。
【0020】
本例の円筒研削盤10では、支持台20のテーブル25をZ軸方向に摺動させ、砥石台30の軸頭台32をX軸方向に摺動させることにより、軸頭31が、支持台20に支持された工作物Wに対して、Z軸方向及びX軸方向に相対的に移動する。また、軸頭台32に対して軸頭31を左右方向に回動させることにより、図2及び図3に示すように、砥石Tの回転軸線Tsが、工作物Wの回転軸線Wsと直交する基準線Ksを挟んで左側或いは右側に傾斜する。ここで、本例では、工作物Wの回転軸線Wsと基準線Ksとを含む平面上にて軸頭31が回動するように構成されている。よって、軸頭31を回動して砥石Tの回転軸線Tsをいかなる角度で傾斜させても、砥石Tと工作物Wとの接触点、すなわち研削の作用点は、工作物Wの回転軸線Wsと基準線Ksとを含む平面上に位置する。
【0021】
図2に、軸頭31を左方向に回動し、基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを左側に傾斜させた状態を示す。この状態では、砥石Tの右側部分の角部にて、工作物Wの外面である左側の軸部Waの外周面、大径部Wbの左側端面及び大径部Wbの外周面が研削される。より具体的には、砥石Tの表側角部にて工作物Wの軸部Wa及び大径部Wbの各外周面が研削され、砥石Tの裏側角部にて工作物Wの大径部Wbの左側端面が研削される。一方、図3に、軸頭31を右方向に回動し、基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを右側に傾斜させた状態を示す。この状態では、砥石Tの左側部分の角部にて工作物Wの外面である右側の軸部Wcの外周面及び大径部Wbの右側端面が研削される。より具体的には、砥石Tの表側角部にて工作物Wの軸部Wcの外周面が研削され、砥石Tの裏側角部にて工作物Wの大径部Wbの右側端面が研削される。
【0022】
軸頭31を回動自在とする場合には、左右に各90°(左右合計で180°)以上の範囲で回動自在とすると、砥石Tの回転軸線Tsを、工作物Wの回転軸線Wsと直交する状態から平行な状態まで、広範囲に渡って傾斜させることができる。これにより、アンギュラスライド研削ばかりでなく、砥石Tの回転軸線Tsが工作物Wの回転軸線Wsと平行な状態でのトラバースカット研削やプランジカット研削等、多様な研削を行うことができる。また、軸頭31の回動可能範囲を左右に各90°(左右合計で180°)以内としたり、或いは、軸頭31が左右の両方向に回動可能でありさえすれば、アンギュラスライド研削によって工作物Wの左右両端面の研削を行うことができるので、軸頭31の回動可能範囲を左右に各45°(左右合計で90°)以内としてもよい。このように軸頭31の回動可能範囲を狭くすることで、軸頭31を回動自在とする機構を、簡略化することができる。
【0023】
以上、本発明に係る円筒研削盤の一例を示したが、本発明に係る円筒研削盤はこれに限らず、以下のように種々の変更が可能である。
【0024】
本例では、軸頭の回動中心を、砥石の回転軸線上で砥石の後方に位置する部位としてあるが、軸頭の回動中心を、砥石の回転軸線上から外れた部位としてもよく、また、砥石の中心や、砥石と工作物との接触点、すなわち研削の作用点としてよい。
【0025】
工作物に対して軸頭を回動自在とする構造としては、上述の例に限らず、ベッドに軸頭台を水平面上にて回動自在に支持し、この軸頭台に軸頭を、砥石の回転軸線に沿って摺動自在に載置してもよい。この態様では、ベッドに対して軸頭台を回動させると、工作物に対して軸頭が相対的に回動され、工作物の回転軸線と直交する基準線に対して砥石の回転軸線が傾斜した状態となる。さらに、この態様では、回動された軸頭台上にて軸頭を移動させると、砥石は、工作物に対してX軸方向及びZ軸方向を合成した斜め方向に移動される。これにより、工作物のテーパー面を研削する場合等において、このテーパー面に沿って砥石を移動させることができ、軸頭の移動制御を簡略化することができる。
【0026】
また、支持台を、ベッドに対してZ軸方向に摺動自在に載置された下テーブルと、この下テーブルに水平面上にて回動自在に支持された上テーブルとを備えるもの(所謂、滑りテーブルと旋回テーブルとを備えるもの)とし、上テーブル(旋回テーブル)に工作物を支持することとしてもよい。この態様では、工作物の回転軸線に直交する基準線上に砥石の回転軸線がある状態で軸頭が固定されていても、上テーブルを回動させることにより、工作物に対して軸頭を相対的に傾けることができる。
【0027】
一方、軸頭を工作物に対してZ軸方向及びX軸方向に移動自在とする構造についても、上述の例に限らない。例えば、ベッドに対して軸頭をZ軸方向及びX軸方向に移動自在としてもよく、ベッドに対して支持台をZ軸方向及びX軸方向に移動自在としてもよい。
【0028】
また、ベッドに対して摺動される摺動体と、この摺動体に一端が回転自在に支持され、他端が軸頭に回動自在に支持された少なくとも一対のアームとを備えた平行リンク機構や、他の種々のリンク機構を採用して、工作物に対して軸頭を、Z軸方向やX軸方向に移動自在としたり、回動自在としてもよい。
【0029】
さらに、支持台のテーブル、砥石台の軸頭台及び軸頭、或いは各種のリンク機構等、上述した種々の部材の駆動に関しては、サーボモータやリニアモータ等の各種の駆動装置を用い、これらの駆動装置の制御をCNC制御等の数値制御によって行うのが好適である。このように数値制御によって種々の部材を駆動することにより、工作物に対する軸頭のZ軸方向の移動、X軸方向の移動及び回動角度を的確に制御することができる。よって、工作物の全長に渡って、外周研削、端面研削、テーパー面研削等の多様な研削を自動的に行うことができ、少量多品種の工作物を研削するに際して都合がよい。
【0030】
ところで、本発明に係る円筒研削盤では、工作物に対して砥石を左右両方向に傾斜させて研削を行うことができる。よって、周面に適宜角度のテーパー面が設けられた円盤状の砥石、特に、周面に2面或いは3面以上の複数のテーパー面が設けられた円盤状の砥石を用い、砥石のテーパー面が工作物の周面や端面に倣うように砥石を傾斜させて研削を行うのが好適である。この研削方法を以下に説明する。
【0031】
図4に、円盤状に形成された砥石Tの周縁部分の断面を示す。この砥石Tの周面には、適宜角度の複数のテーパー面が設けられている。具体的には、砥石Tの表面側及び裏面側を対称として、表面側及び裏面側の夫々に、砥石Tの回転軸線Tsに対して、45°を超えたテーパー角度とした第1研削面T1、略45°のテーパー角度とした第2研削面T2、45°を超えないテーパー角度とした第3研削面T3が設けられている。また、砥石T周面の中央部分には、テーパー角度を略0°(砥石Tの回転軸線Tsと略平行)とした第4研削面T4が設けられている。
【0032】
第1研削面T1、第2研削面T2、第3研削面T3及び第4研削面T4の内、少なくとも2つの研削面は、砥石の3要素である「砥粒」、「結合材」及び「気孔」の内、少なくとも1つの要素が異なる用途が別異な砥石により構成されている。例えば、第1研削面T1は、砥粒が#60の粒度である荒仕上げ研削用の砥石により構成され、第2研削面T2及び第3研削面T3は、砥粒が#80の粒度である中間仕上げ研削用の砥石により構成され、第4研削面T4は、砥粒が#120の粒度である上仕上げ研削用の砥石により構成されている。
【0033】
このような砥石Tを用いて研削を行う場合には、例えば図5に示すように、工作物Wに対して砥石Tを適宜角度で傾けて、仕上げの種類に対応する研削面にて研削を行えばよい。以下、図5に基づいてこの研削方法を説明する。
【0034】
工作物WのW1の部位は、中間仕上げを必要とする周面である。このW1の研削については、工作物Wの回転軸線Wsと直交する基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを右側に傾け、第3研削面T3がW1の周面に倣うようにして、第3研削面T3にて研削を行う。工作物WのW2の部位は、中間仕上げを必要とする左端面である。このW2の研削については、基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを左側に傾け、第2研削面T2がW2の端面に倣うようして、第2研削面T2にて研削を行う。工作物WのW3の部位は、荒仕上げを必要とする右端面である。このW3の研削については、基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを右側に傾け、第1研削面T1がW3の端面に倣うようにして、第1研削面T1にて研削を行う。工作物WのW4の部位は、中間仕上げを必要とする周面である。このW4の研削については、基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを左側に傾け、第2研削面T2がW4の周面に倣うようして、第2研削面T2にて研削を行う。工作物WのW5の部位は、中間仕上げを必要とする周面である。このW5の研削については、基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを左側に傾け、第3研削面T3がW5の周面に倣うようにして、第3研削面T3にて研削を行う。工作物WのW6の部位は、上仕上げを必要とするテーパー面である。このW6の研削については、基準線Ksに対して砥石Tの回転軸線Tsを右側に傾け、第4研削面T4がW6のテーパー面に倣うようにして、第4研削面T4にて研削を行う。
【0035】
なお、上述の例において工作物WのW4及びW5の部位は、中間仕上げを必要とする周面であり、双方を第2研削面T2または第3研削面T3にて研削してもよい。しかしながら、上述のように一方を第2研削面T2にて研削し、他方を第3研削面T3にて研削する等して、同一仕上げの研削であっても、異なる研削面にて行うのが好適である。これにより、一つの砥石Tにおいて例えば中間仕上げを行う研削面の使用頻度が他の研削面の使用頻度よりも高い場合に、特定の研削面が他の研削面よりも早く磨耗してしまう所謂「片減り」が生じることを抑制することができ、砥石Tの寿命を長くすることができる。
【0036】
以上のように本発明に係る円筒研削盤において上記のような砥石を用いると、一つの砥石によって、工作物の外面の多様な研削を行うことができる。また、砥石の周面を全幅に渡って有効に活用することができる。
【0037】
なお、上記例において、研削に使用する研削面や工作物の仕上げ面の種類に応じて、研削の送り速度や切り込み量等の研削条件を異ならせてもよい。このように研削条件を適宜変更することで、砥石の種類や仕上げ面の種類に適応した研削条件を設定することができ、品質の向上や加工速度の短縮を的確に図ることができる。また、夫々異なる角度のテーパー面からなる複数の研削面を、同一種類の砥石により構成してもよく、この場合においても、研削に使用する研削面に応じて、研削条件を適宜変更してもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、工作物に対して相対的に軸頭を回動させるだけで、工作物の周面及び両端面の研削を行うことができるため、工作物を反転させることなく工作物の両端面を研削することができる。また、軸頭を回動させても、砥石の回転軸線が工作物の回転軸線と平行になるまでは、砥石の後方に軸頭が位置する状態であり、この状態では、軸頭が工作物や支持台に干渉し難いため、砥石の小径化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円筒研削盤の一例の概略を示す平面図である。
【図2】砥石の回転軸線を左側に傾斜させた状態を示す平面図である。
【図3】砥石の回転軸線を右側に傾斜させた状態を示す平面図である。
【図4】砥石の一例を示す要部断面図である。
【図5】図4の砥石を用いた研削方法の概略を示す平面図である。
【図6】従来の円筒研削盤の概略を示す平面図である。
【図7】従来の円筒研削盤の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
W 工作物
Ws 工作物の回転軸線
T 砥石
Ts 砥石の回転軸線
Ks 基準線
10 円筒研削盤
11 ベッド
20 支持台
21 主軸台
22 センタ
23 心押し台
24 センタ
30 砥石台
31 軸頭
32 軸頭台
Claims (2)
- 工作物を支持すると共に回転駆動する支持台と、砥石を回転駆動する軸頭とを備え、前記支持台に支持された工作物に対して前記軸頭を工作物の軸方向及び径方向に相対的に移動させることによって工作物の外面を研削する円筒研削盤において、
工作物側から見た砥石の位置が、軸頭の左側にある位置と軸頭の右側にある位置との間で変動して、砥石の回転軸線が、工作物の回転軸線に直交する基準線を跨ぐ範囲で工作物の回転軸線方向に傾斜可能となるように、前記軸頭を工作物に対して平面上にて相対的に回動自在に構成して、前記砥石の周面にて前記工作物の外周面及び左右の両端面を研削可能としたことを特徴とする円筒研削盤。 - 前記砥石は、周面に複数のテーパー面からなる研削面が設けられた円盤状であり、
前記軸頭は、工作物に対して相対的に回動して、前記砥石の前記複数のテーパー面のうち所定のテーパー面を工作物の被加工面に倣わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の円筒研削盤。
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