JP3841982B2 - 窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅などの建物の壁内部に設ける断熱材の施工を簡略化するための金属製断熱内壁枠を、窓枠部の上部及び下部において好適に取り付けることができる取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窓枠部の上部及び下部における壁の内部に断熱材を設けるための施工方法として、図7に示すように、木製の断熱内壁枠14を窓部軸組み6に固定された窓木台11又は窓まぐさ12に固定する方法が知られている。この木製の断熱内壁枠14は、竪桟14aと上弦材(図外)及び下弦材(図外)とを組み合わせて外形が矩形となるように形成された木製の枠体14bと該木製の枠体14bの内部において前記竪桟14a同士をつないだ横桟14cとにより骨組みが構成され、窓の上部及び下部に対応する箇所に断熱材15が取付けられたものである。また、前記竪桟14aは建て込み前又は建て込み後に、図7の2点鎖線で示された窓と干渉する部分が切除される。前記断熱材15は、グラスウール、ロックウール等の断熱材料で構成されたものであり、その外形は、前記木製の枠体14bと前記横桟14cに囲まれた内側に沿って略矩形となるように形成されている。
【0003】
前記木製の断熱内壁枠14を前記窓木台11又は前記窓まぐさ12に取付けるに際しては、前記窓木台11又は前記窓まぐさ12の屋内側の側部に壁ふかし材16を釘17で固定し、該壁ふかし材16に前記木製の断熱内壁枠14の前記横桟14cを釘17で固定し、その後、前記竪桟14a同士も釘17を用いて固定する。尚、前記木製の断熱内壁枠14を前記窓木台11などに固定する施工と共に、前記下弦材(図外)及び前記上弦材(図外)も所定の箇所に釘にて固定する施工も同時に行われる。
【0004】
図8は上記の施工後の窓枠部の上部及び下部の断面を示したものであり、窓部軸組み6の内側に沿って前記窓木台11又は前記窓まぐさ12が設けられており、この窓木台11又は窓まぐさ12にサッシ13が固定され、該サッシ13の屋内側端部は額縁18にビス等によって取付られ、前記窓部軸組み6の屋外側には外壁板19が取付けられており、前記窓木台11又は前記窓まぐさ12の室内側の側面に釘17にて固定された前記壁ふかし材16に前記木製の断熱内壁枠14の横桟14cが室内側から釘17を打込まれて固定されている。
【0005】
ところで、前記木製の断熱内壁枠14は、木製であるために、木の反りや前記木製の枠体14bの断面寸法の誤差によって前記木製の枠体14bにおいて段差が生じて、その後の施工に悪い影響を与えたり、見栄えが悪くなる等の問題を有する。
【0006】
これらの問題を解消するために、本件出願人は、後の「発明の実施の形態」の欄で詳述するように、外形が矩形となるように形成された金属製の枠体と、該枠体で囲まれた内部に設けられた内部断熱材と、前記枠体と略同一の外形を有し、前記枠体の裏側面に設けられた裏面断熱材とを有する金属製断熱内壁枠を用いて壁の内部に断熱材を設ける施工方法を新たに開発した。該金属製断熱内壁枠は、前記窓部軸組みの配置間隔に合致するように形成されており、該金属製断熱内壁枠を前記窓部軸組みに嵌め込んで固定するだけで、断熱材を前記窓部軸組みに取り付けることができるので、容易に壁の内部に設ける断熱材の施工を行うことができる。また、前記枠体が金属製であるために、取付け後の仕上がり精度が向上する。
【0007】
ところが、上記のような金属製断熱内壁枠を窓の上部及び下部に設ける断熱材の施工を行う場合には、上記従来例のような前記木製の断熱内壁枠14を前記窓木台11又は窓まぐさ12に釘17で打ち付ける取付方法を採れば、以下に説明する新たな問題が発生する。
【0008】
前記金属製断熱内壁枠4を構成する部材は金属製の形鋼、或いは、薄板が折曲等されて形成されたものである。図9に示すように、前記金属製断熱内壁枠4の上部及び下部も薄板から形成された部材であって、前記内部断熱材2を保持するために、該内部断熱材2の側に開口部を有するようにコの字断面部材20が設けられている。ところが、取付のため屋内側より該コの字断面部材20に釘17を打ち付けようとすれば、該コの字断面部材20は前記釘17の打ち付け方向についてあまり剛性を有しないため、或いは、該コの字断面部材20が金属の薄板で形成されているがためにこれに釘17を打込み難く、図9の上に示す前記コの字断面部材20のように変形させてしてしまうことがある。また、前記金属製断熱内壁枠4は裏側面に柔らかい前記裏面断熱材3を前記窓木台11又は前記窓まぐさ12との間に有するため、決められた適切な厚さ方向の位置Lを守ることが容易ではなく、該位置Lを目視確認しながら前記釘17を打つ必要があり、煩わしかった。更に、前記金属製断熱内壁枠4を高さ方向について決められた適切な位置に取付けることも必要であり、そのために前記釘17を打込んで前記金属製断熱内壁枠4を固定する際に前記金属製断熱内壁枠4を手で下から支えて前記決められた適切な位置にくるまで移動させなければならず、作業者に負担がかかるという問題があった。そこで、前記金属製断熱内壁枠4を前記窓部軸組み6に取り付けるための新たな取付構造が必要とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、金属製断熱内壁枠を用いて壁の内部に断熱材を設ける施工方法を実施する場合に、金属製断熱内壁枠を窓の上部及び下部において決められた位置に好適且つ容易に固定することができる取付構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明による窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造は、外形が矩形となるように形成された金属製の枠体と、該枠体で囲まれた内部に設けられた内部断熱材と、前記枠体と略同一の外形を有し、前記枠体の裏側面に設けられた裏面断熱材とを有する金属製断熱内壁枠の窓枠部の上部及び下部への取付構造であって、垂直部板と、該垂直部板と断面L字形を形成して設けられた水平部板と、前記垂直部板において前記水平部板と反対側に且つ前記水平部板と平行に前記垂直部板から突設された突出板と、前記垂直部板に穿設された固定用穴と、前記水平部板に穿設された取付用穴とを有する支持金具が、前記垂直部板が窓に対して反対側に向けられ、前記水平部板が屋内側に向けられ、前記突出板が窓部軸組みの窓側の面に掛合され、且つ前記固定用穴に固定具が取付けられて前記窓部軸組みの屋内側の側面に固定され、前記金属製断熱内壁枠が前記水平部板の窓に対して反対側の面に固定具を用いて固定された構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造について図面に基づいて説明する。本発明の実施形態に係る窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造は、図1、図1のA−A断面図である図2及び図3に示すように、外形が矩形となるように形成された金属製の枠体1と、該枠体1で囲まれた内部に設けられた内部断熱材2と、前記枠体1と略同一の外形を有し、前記枠体1の裏側面に設けられた裏面断熱材3とを有する金属製断熱内壁枠4の窓枠部の上部及び下部への取付構造であって、図3に示すように、垂直部板5aと、該垂直部板5aと断面L字形を形成して設けられた水平部板5bと、前記垂直部板5aにおいて前記水平部板5bと反対側に且つ前記水平部板5bと平行に前記垂直部板5aから突設された突出板5cと、前記垂直部板5aに穿設された固定用穴5dと、前記水平部板5bに穿設された取付用穴5eとを有する支持金具5が、図1又は図2に示すように、前記垂直部板5aが窓に対して反対側に向けられ、前記水平部板5bが屋内側に向けられ、前記突出板5cが窓部軸組み6の窓側の面6aに掛合され、且つ、前記固定用穴5dに固定具7Aが取付けられて前記窓部軸組み6の屋内側の側面に固定され、前記金属製断熱内壁枠4が前記水平部板5bの窓に対して反対側の面に固定具7Bを用いて固定されたことを特徴とするものである。以下、更に詳細に説明する。
【0012】
前記金属製断熱内壁枠4は、図4及び図4のB−B断面図である図5に示すように、縦枠1aと横枠1bとを組み合わせて外形が矩形となるように形成された金属製の枠体1と、該枠体1で囲まれた内部において前記縦枠1a同士又は横枠1b同士をつないで前記枠体1を補強する金属製の桟1cとにより骨組みが構成されている。前記枠体1の外形寸法は、前記金属製断熱内壁枠4が取り付けられる窓部軸組み6の配置間隔に合致するように形成される。
【0013】
前記枠体1で囲まれた内部には、前記桟1cと干渉しないように内部断熱材2が設けられている。該内部断熱材2は、袋体内にグラスウール、ロックウール等の断熱材料が収容されて構成されたものであり、その外形は、前記枠体1で囲まれた内部において前記枠体1及び桟1cにより囲まれた空間と略同一形状の細長い略矩形となるように形成されている。前記内部断熱材2の取付けは、前記枠体1及び桟1cにより囲まれた空間に嵌め込まれるとともに、後述する裏面断熱材3及び防湿シート8により両側から挟まれることにより行われる。
【0014】
前記枠体1の裏側面、すなわち屋外側面には、裏面断熱材3が設けられる。該裏面断熱材3は、袋体内にグラスウール、ロックウール等の断熱材料が収容されて構成されたものであり、その外形は、前記枠体1の外形と略同一形状の略矩形となるように形成されている。取付けの際は、図6に示すように、前記裏面断熱材3を前記枠体1の裏側面に重ね合わせるように配置し、前記裏面断熱材3の屋内側面にプラスチック板等の当て板9を配置して、その上からステープル10を打ち込んで前記枠体1又は桟1cに固定することにより行われる。なお、前記ステープル10に代えて釘などを用いることもできる。また、図4又は図5に示すように、前記枠体1の表側面1dには、全面に薄い防湿シート8が貼り付けられている。
【0015】
前記支持金具5は、図3に示すように、垂直部板5aと該垂直部板5aと直交する水平部板5bとを有するように長方形板材が断面L字形に折曲されたものである。前記垂直部板5aには前記垂直部板5aにおいて前記水平部板5bと反対側にその一部が略矩形で切り出されると共に折曲されて前記水平部板5bと平行に突出板5cが設けられており、また、該突出板5cの上(窓枠部の下部で使用する場合は、該突出板5cの下)には固定用穴5dが、前記水平部板5bには前記金属製断熱内壁枠4の下面をビス(固定具)7Bを用いて固定するための取付用穴5eが設けられている。
【0016】
前記窓部軸組み6は、図1又は図2に示すように、この場合、断面略C字形のチャンネルであって、窓の両側に縦方向に設けられた軸組み(図外)同士をつないで窓枠部の上部及び下部に水平に設けられたものである。前記窓部軸組み6の屋内側の側面から、図2に示すように、前記支持金具5を前記窓部軸組み6にビス(固定具)7Aにて固定する。なお、通常、前記窓部軸組み6の窓側には窓木台11又は窓まぐさ12が固定されて、この窓木台11等にはサッシ13が釘等で取付けられる。
【0017】
前記金属製断熱内壁枠4を窓部軸組み6に取付けるに際しては、図1又は図2に示すように、まず、前記支持金具5を、前記水平部板5bを屋内側に向けると共に前記垂直部板5aを窓に対して反対側に向けて、前記垂直部板5aに設けられた固定用穴5dを前記窓部軸組み6の屋内側の側面にビス7Aにて固定する。このとき、前記垂直部板5aに設けられた前記突出板5cは前記窓部軸組み6の窓側の面6aに掛合されているため、前記水平部板5bは前記窓部軸組み6の窓側の面6aと平行となるので、前記水平部板5bは自ずと水平に配置される。また、前記ビス7Aを中心にして前記支持金具5が回動することも防止されるので組み立ての際に余計な注意を払う必要がない。
【0018】
次に、前記金属製断熱内壁枠4を、前記水平部板5bの窓に対して反対側の面に設置し、前記水平部板5bの縁端と前記金属製断熱内壁枠4の室内側の側面を、図2のC部に示すように、揃えて前記金属製断熱内壁枠4を前記水平部板5bにビス7Bで固定する。このとき、前記水平部板5bは水平に設けられているので前記金属製断熱内壁枠4も水平に設置される。尚、上記のように前記水平部板5bの縁端と前記金属製断熱内壁枠4の室内側の側面を揃えることは、前記金属製断熱内壁枠4が厚さ方向において設計寸法どおりの位置にあることを示す。従って、位置決めが容易である。
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載の窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造は、垂直部板と、該垂直部板と断面L字形を形成して設けられた水平部板と、前記垂直部板において前記水平部板と反対側に且つ前記水平部板と平行に前記垂直部板から突設された突出板と、前記垂直部板に穿設された固定用穴と、前記水平部板に穿設された取付用穴とを有する支持金具が、前記垂直部板が窓に対して反対側に向けられ、前記水平部板が屋内側に向けられ、前記突出板が窓部軸組みの窓側の面に掛合され、且つ前記固定用穴に固定具が取付けられて前記窓部軸組みの屋内側の側面に固定され、前記金属製断熱内壁枠が前記水平部板の窓に対して反対側の面に固定具を用いて固定された構造であるので、前記金属製断熱内壁枠の厚さ方向の位置は、前記水平部板の縁端と前記金属製断熱内壁枠の室内側の側面を揃えることによって、又、上下方向の位置は前記水平部板の位置によって決められているため、位置決めに余計な注意を払う必要がなく、好適に且つ容易に前記金属製断熱内壁枠を取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る支持金具の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る金属製断熱内壁枠を示す斜視図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】裏面断熱材の枠体への取付構造を示す図である。
【図7】従来例に係る壁の内部の断熱材の施工方法を示す斜視図である。
【図8】従来例に係る窓枠部の断熱材の施工方法を示す断面図である。
【図9】金属製断熱内壁枠を窓木台又は窓まぐさに取付ける際に生じる問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
4 金属製断熱内壁枠
5 支持金具
5a 垂直部板
5b 水平部板
5c 突出板
5d 固定用穴
5e 取付用穴
6 窓部軸組み
7A 固定具
7B 固定具
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅などの建物の壁内部に設ける断熱材の施工を簡略化するための金属製断熱内壁枠を、窓枠部の上部及び下部において好適に取り付けることができる取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窓枠部の上部及び下部における壁の内部に断熱材を設けるための施工方法として、図7に示すように、木製の断熱内壁枠14を窓部軸組み6に固定された窓木台11又は窓まぐさ12に固定する方法が知られている。この木製の断熱内壁枠14は、竪桟14aと上弦材(図外)及び下弦材(図外)とを組み合わせて外形が矩形となるように形成された木製の枠体14bと該木製の枠体14bの内部において前記竪桟14a同士をつないだ横桟14cとにより骨組みが構成され、窓の上部及び下部に対応する箇所に断熱材15が取付けられたものである。また、前記竪桟14aは建て込み前又は建て込み後に、図7の2点鎖線で示された窓と干渉する部分が切除される。前記断熱材15は、グラスウール、ロックウール等の断熱材料で構成されたものであり、その外形は、前記木製の枠体14bと前記横桟14cに囲まれた内側に沿って略矩形となるように形成されている。
【0003】
前記木製の断熱内壁枠14を前記窓木台11又は前記窓まぐさ12に取付けるに際しては、前記窓木台11又は前記窓まぐさ12の屋内側の側部に壁ふかし材16を釘17で固定し、該壁ふかし材16に前記木製の断熱内壁枠14の前記横桟14cを釘17で固定し、その後、前記竪桟14a同士も釘17を用いて固定する。尚、前記木製の断熱内壁枠14を前記窓木台11などに固定する施工と共に、前記下弦材(図外)及び前記上弦材(図外)も所定の箇所に釘にて固定する施工も同時に行われる。
【0004】
図8は上記の施工後の窓枠部の上部及び下部の断面を示したものであり、窓部軸組み6の内側に沿って前記窓木台11又は前記窓まぐさ12が設けられており、この窓木台11又は窓まぐさ12にサッシ13が固定され、該サッシ13の屋内側端部は額縁18にビス等によって取付られ、前記窓部軸組み6の屋外側には外壁板19が取付けられており、前記窓木台11又は前記窓まぐさ12の室内側の側面に釘17にて固定された前記壁ふかし材16に前記木製の断熱内壁枠14の横桟14cが室内側から釘17を打込まれて固定されている。
【0005】
ところで、前記木製の断熱内壁枠14は、木製であるために、木の反りや前記木製の枠体14bの断面寸法の誤差によって前記木製の枠体14bにおいて段差が生じて、その後の施工に悪い影響を与えたり、見栄えが悪くなる等の問題を有する。
【0006】
これらの問題を解消するために、本件出願人は、後の「発明の実施の形態」の欄で詳述するように、外形が矩形となるように形成された金属製の枠体と、該枠体で囲まれた内部に設けられた内部断熱材と、前記枠体と略同一の外形を有し、前記枠体の裏側面に設けられた裏面断熱材とを有する金属製断熱内壁枠を用いて壁の内部に断熱材を設ける施工方法を新たに開発した。該金属製断熱内壁枠は、前記窓部軸組みの配置間隔に合致するように形成されており、該金属製断熱内壁枠を前記窓部軸組みに嵌め込んで固定するだけで、断熱材を前記窓部軸組みに取り付けることができるので、容易に壁の内部に設ける断熱材の施工を行うことができる。また、前記枠体が金属製であるために、取付け後の仕上がり精度が向上する。
【0007】
ところが、上記のような金属製断熱内壁枠を窓の上部及び下部に設ける断熱材の施工を行う場合には、上記従来例のような前記木製の断熱内壁枠14を前記窓木台11又は窓まぐさ12に釘17で打ち付ける取付方法を採れば、以下に説明する新たな問題が発生する。
【0008】
前記金属製断熱内壁枠4を構成する部材は金属製の形鋼、或いは、薄板が折曲等されて形成されたものである。図9に示すように、前記金属製断熱内壁枠4の上部及び下部も薄板から形成された部材であって、前記内部断熱材2を保持するために、該内部断熱材2の側に開口部を有するようにコの字断面部材20が設けられている。ところが、取付のため屋内側より該コの字断面部材20に釘17を打ち付けようとすれば、該コの字断面部材20は前記釘17の打ち付け方向についてあまり剛性を有しないため、或いは、該コの字断面部材20が金属の薄板で形成されているがためにこれに釘17を打込み難く、図9の上に示す前記コの字断面部材20のように変形させてしてしまうことがある。また、前記金属製断熱内壁枠4は裏側面に柔らかい前記裏面断熱材3を前記窓木台11又は前記窓まぐさ12との間に有するため、決められた適切な厚さ方向の位置Lを守ることが容易ではなく、該位置Lを目視確認しながら前記釘17を打つ必要があり、煩わしかった。更に、前記金属製断熱内壁枠4を高さ方向について決められた適切な位置に取付けることも必要であり、そのために前記釘17を打込んで前記金属製断熱内壁枠4を固定する際に前記金属製断熱内壁枠4を手で下から支えて前記決められた適切な位置にくるまで移動させなければならず、作業者に負担がかかるという問題があった。そこで、前記金属製断熱内壁枠4を前記窓部軸組み6に取り付けるための新たな取付構造が必要とされていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、金属製断熱内壁枠を用いて壁の内部に断熱材を設ける施工方法を実施する場合に、金属製断熱内壁枠を窓の上部及び下部において決められた位置に好適且つ容易に固定することができる取付構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明による窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造は、外形が矩形となるように形成された金属製の枠体と、該枠体で囲まれた内部に設けられた内部断熱材と、前記枠体と略同一の外形を有し、前記枠体の裏側面に設けられた裏面断熱材とを有する金属製断熱内壁枠の窓枠部の上部及び下部への取付構造であって、垂直部板と、該垂直部板と断面L字形を形成して設けられた水平部板と、前記垂直部板において前記水平部板と反対側に且つ前記水平部板と平行に前記垂直部板から突設された突出板と、前記垂直部板に穿設された固定用穴と、前記水平部板に穿設された取付用穴とを有する支持金具が、前記垂直部板が窓に対して反対側に向けられ、前記水平部板が屋内側に向けられ、前記突出板が窓部軸組みの窓側の面に掛合され、且つ前記固定用穴に固定具が取付けられて前記窓部軸組みの屋内側の側面に固定され、前記金属製断熱内壁枠が前記水平部板の窓に対して反対側の面に固定具を用いて固定された構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造について図面に基づいて説明する。本発明の実施形態に係る窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造は、図1、図1のA−A断面図である図2及び図3に示すように、外形が矩形となるように形成された金属製の枠体1と、該枠体1で囲まれた内部に設けられた内部断熱材2と、前記枠体1と略同一の外形を有し、前記枠体1の裏側面に設けられた裏面断熱材3とを有する金属製断熱内壁枠4の窓枠部の上部及び下部への取付構造であって、図3に示すように、垂直部板5aと、該垂直部板5aと断面L字形を形成して設けられた水平部板5bと、前記垂直部板5aにおいて前記水平部板5bと反対側に且つ前記水平部板5bと平行に前記垂直部板5aから突設された突出板5cと、前記垂直部板5aに穿設された固定用穴5dと、前記水平部板5bに穿設された取付用穴5eとを有する支持金具5が、図1又は図2に示すように、前記垂直部板5aが窓に対して反対側に向けられ、前記水平部板5bが屋内側に向けられ、前記突出板5cが窓部軸組み6の窓側の面6aに掛合され、且つ、前記固定用穴5dに固定具7Aが取付けられて前記窓部軸組み6の屋内側の側面に固定され、前記金属製断熱内壁枠4が前記水平部板5bの窓に対して反対側の面に固定具7Bを用いて固定されたことを特徴とするものである。以下、更に詳細に説明する。
【0012】
前記金属製断熱内壁枠4は、図4及び図4のB−B断面図である図5に示すように、縦枠1aと横枠1bとを組み合わせて外形が矩形となるように形成された金属製の枠体1と、該枠体1で囲まれた内部において前記縦枠1a同士又は横枠1b同士をつないで前記枠体1を補強する金属製の桟1cとにより骨組みが構成されている。前記枠体1の外形寸法は、前記金属製断熱内壁枠4が取り付けられる窓部軸組み6の配置間隔に合致するように形成される。
【0013】
前記枠体1で囲まれた内部には、前記桟1cと干渉しないように内部断熱材2が設けられている。該内部断熱材2は、袋体内にグラスウール、ロックウール等の断熱材料が収容されて構成されたものであり、その外形は、前記枠体1で囲まれた内部において前記枠体1及び桟1cにより囲まれた空間と略同一形状の細長い略矩形となるように形成されている。前記内部断熱材2の取付けは、前記枠体1及び桟1cにより囲まれた空間に嵌め込まれるとともに、後述する裏面断熱材3及び防湿シート8により両側から挟まれることにより行われる。
【0014】
前記枠体1の裏側面、すなわち屋外側面には、裏面断熱材3が設けられる。該裏面断熱材3は、袋体内にグラスウール、ロックウール等の断熱材料が収容されて構成されたものであり、その外形は、前記枠体1の外形と略同一形状の略矩形となるように形成されている。取付けの際は、図6に示すように、前記裏面断熱材3を前記枠体1の裏側面に重ね合わせるように配置し、前記裏面断熱材3の屋内側面にプラスチック板等の当て板9を配置して、その上からステープル10を打ち込んで前記枠体1又は桟1cに固定することにより行われる。なお、前記ステープル10に代えて釘などを用いることもできる。また、図4又は図5に示すように、前記枠体1の表側面1dには、全面に薄い防湿シート8が貼り付けられている。
【0015】
前記支持金具5は、図3に示すように、垂直部板5aと該垂直部板5aと直交する水平部板5bとを有するように長方形板材が断面L字形に折曲されたものである。前記垂直部板5aには前記垂直部板5aにおいて前記水平部板5bと反対側にその一部が略矩形で切り出されると共に折曲されて前記水平部板5bと平行に突出板5cが設けられており、また、該突出板5cの上(窓枠部の下部で使用する場合は、該突出板5cの下)には固定用穴5dが、前記水平部板5bには前記金属製断熱内壁枠4の下面をビス(固定具)7Bを用いて固定するための取付用穴5eが設けられている。
【0016】
前記窓部軸組み6は、図1又は図2に示すように、この場合、断面略C字形のチャンネルであって、窓の両側に縦方向に設けられた軸組み(図外)同士をつないで窓枠部の上部及び下部に水平に設けられたものである。前記窓部軸組み6の屋内側の側面から、図2に示すように、前記支持金具5を前記窓部軸組み6にビス(固定具)7Aにて固定する。なお、通常、前記窓部軸組み6の窓側には窓木台11又は窓まぐさ12が固定されて、この窓木台11等にはサッシ13が釘等で取付けられる。
【0017】
前記金属製断熱内壁枠4を窓部軸組み6に取付けるに際しては、図1又は図2に示すように、まず、前記支持金具5を、前記水平部板5bを屋内側に向けると共に前記垂直部板5aを窓に対して反対側に向けて、前記垂直部板5aに設けられた固定用穴5dを前記窓部軸組み6の屋内側の側面にビス7Aにて固定する。このとき、前記垂直部板5aに設けられた前記突出板5cは前記窓部軸組み6の窓側の面6aに掛合されているため、前記水平部板5bは前記窓部軸組み6の窓側の面6aと平行となるので、前記水平部板5bは自ずと水平に配置される。また、前記ビス7Aを中心にして前記支持金具5が回動することも防止されるので組み立ての際に余計な注意を払う必要がない。
【0018】
次に、前記金属製断熱内壁枠4を、前記水平部板5bの窓に対して反対側の面に設置し、前記水平部板5bの縁端と前記金属製断熱内壁枠4の室内側の側面を、図2のC部に示すように、揃えて前記金属製断熱内壁枠4を前記水平部板5bにビス7Bで固定する。このとき、前記水平部板5bは水平に設けられているので前記金属製断熱内壁枠4も水平に設置される。尚、上記のように前記水平部板5bの縁端と前記金属製断熱内壁枠4の室内側の側面を揃えることは、前記金属製断熱内壁枠4が厚さ方向において設計寸法どおりの位置にあることを示す。従って、位置決めが容易である。
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載の窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造は、垂直部板と、該垂直部板と断面L字形を形成して設けられた水平部板と、前記垂直部板において前記水平部板と反対側に且つ前記水平部板と平行に前記垂直部板から突設された突出板と、前記垂直部板に穿設された固定用穴と、前記水平部板に穿設された取付用穴とを有する支持金具が、前記垂直部板が窓に対して反対側に向けられ、前記水平部板が屋内側に向けられ、前記突出板が窓部軸組みの窓側の面に掛合され、且つ前記固定用穴に固定具が取付けられて前記窓部軸組みの屋内側の側面に固定され、前記金属製断熱内壁枠が前記水平部板の窓に対して反対側の面に固定具を用いて固定された構造であるので、前記金属製断熱内壁枠の厚さ方向の位置は、前記水平部板の縁端と前記金属製断熱内壁枠の室内側の側面を揃えることによって、又、上下方向の位置は前記水平部板の位置によって決められているため、位置決めに余計な注意を払う必要がなく、好適に且つ容易に前記金属製断熱内壁枠を取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る支持金具の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る金属製断熱内壁枠を示す斜視図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】裏面断熱材の枠体への取付構造を示す図である。
【図7】従来例に係る壁の内部の断熱材の施工方法を示す斜視図である。
【図8】従来例に係る窓枠部の断熱材の施工方法を示す断面図である。
【図9】金属製断熱内壁枠を窓木台又は窓まぐさに取付ける際に生じる問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
4 金属製断熱内壁枠
5 支持金具
5a 垂直部板
5b 水平部板
5c 突出板
5d 固定用穴
5e 取付用穴
6 窓部軸組み
7A 固定具
7B 固定具
Claims (1)
- 外形が矩形となるように形成された金属製の枠体と、該枠体で囲まれた内部に設けられた内部断熱材と、前記枠体と略同一の外形を有し、前記枠体の裏側面に設けられた裏面断熱材とを有する金属製断熱内壁枠の窓枠部の上部及び下部への取付構造であって、
垂直部板と、該垂直部板と断面L字形を形成して設けられた水平部板と、前記垂直部板において前記水平部板と反対側に且つ前記水平部板と平行に前記垂直部板から突設された突出板と、前記垂直部板に穿設された固定用穴と、前記水平部板に穿設された取付用穴とを有する支持金具が、前記垂直部板が窓に対して反対側に向けられ、前記水平部板が屋内側に向けられ、前記突出板が窓部軸組みの窓側の面に掛合され、且つ前記固定用穴に固定具が取付けられて前記窓部軸組みの屋内側の側面に固定され、
前記金属製断熱内壁枠が前記水平部板の窓に対して反対側の面に固定具を用いて固定されたことを特徴とする窓枠部の金属製断熱内壁枠の取付構造。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP3841982B2 true JP3841982B2 (ja) | 2006-11-08 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3841982B2 (ja) |
-
1999
- 1999-08-18 JP JP23161199A patent/JP3841982B2/ja not_active Expired - Fee Related
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