JP3841961B2 - 改ざん防止用複写帳票組 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノーカーボン感圧複写機構を有する複写帳票組に関し、さらに詳しくは、上位帳票の裏面側に記入情報が裏写りすることで、好適に改ざんを防止する複写帳票組に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、複写帳票組に記入した情報の改ざんを防止するため、上位帳票の裏面側に記入情報を裏写りさせる技術が想到されている。このような機能を有する複写帳票組で最も一般的なものは、裏面側に発色剤マイクロカプセル層を有する上位帳票（いわゆるＣＢ型帳票）と、表面側に顕色剤層を有する下位帳票（いわゆるＣＦ型帳票）とを剥離可能に綴じ合わせ、下位帳票の表面側の所定部にさらに転移性顕色剤層を施してなる改ざん防止用情報複写部を設けてなり、情報を記入すると、この改ざん防止用情報複写部に対応した上位帳票の裏面側の発色剤マイクロカプセル層に顕色剤が転移し、記入情報が裏写りするというものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、転移性顕色剤を用いた場合、その転移性を具現するパラフィン基石油ワセリン、パラフィン系潤滑油、植物性不乾性油、白色鉱物油などの流動性油分が冬場などの低温下において十分転移機能を発揮せず、裏写りが不明瞭な場合があった。
【０００４】
そこで、本発明は、転移性顕色剤を利用することなく、冬場などの低温下においても上位帳票の裏面側に記入情報が明瞭に裏写りし、記入情報の改ざんを好適に防止する複写帳票組の提供を課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明者らは、下位帳票を発色剤マイクロカプセル層と顕色剤層とを順次積層してなる自己発色型帳票とし、改ざん防止用情報複写部には、さらにその部分の顕色剤層に別の発色剤マイクロカプセル層を積層させると共に、上位帳票の裏面側には当該別の発色剤マイクロカプセル層に対応した顕色剤層を施すことで、転移性顕色剤層を利用することなく上位帳票の裏面側に記入情報が好適に裏写りできることを見いだし、本発明を想到した。
【０００６】
すなわち、本発明の改ざん防止用複写帳票組は、上位帳票と下位帳票が剥離可能に接着されてなる複写帳票組であって、表面側に第一の発色剤マイクロカプセル層が施されてなり、当該第一の発色剤マイクロカプセル層の所定部に顕色剤層が積層されてなる情報複写部を有し、かつ、前記情報複写部の少なくとも一つが前記顕色剤層上に第二の発色剤マイクロカプセル層が積層されてなる改ざん防止用情報複写部としてなる下位帳票と、表面側に前記情報複写部に対応した情報記入部を有すると共に、前記改ざん防止用情報複写部に対応した裏面側に顕色剤層が施されてなる上位帳票、からなることを特徴とする。
【０００７】
また、その製造上好適な本発明の改ざん防止用複写帳票は、上記第一の発色剤マイクロカプセル層が水性発色剤マイクロカプセル塗料からなり、上記第二の発色剤マイクロカプセル層が紫外線硬化型発色剤マイクロカプセルインクからなることを特徴とする。
【０００８】
さらに、改ざん防止効果を高めた本発明の改ざん防止用複写帳票は、第一の発色剤マイクロカプセル層と第二の発色剤マイクロカプセル層における発色剤が互いに異なる色の発色を呈するものであることを特徴とする。
【０００９】
したがって、請求項１記載の複写帳票組であれば、上位帳票の情報記入部に情報を記入すると、下位帳票の第一の発色剤マイクロカプセル層と顕色剤層からなる自己発色型の情報複写部に情報が複写されると共に、改ざん防止用情報複写部の当該第二の発色剤マイクロカプセル層と上位帳票の裏面側に施された顕色剤層とが反応し、当該顕色剤層に情報が裏写りされる。
【００１０】
また、請求項２記載の複写帳票組であれば、第一の発色剤マイクロカプセル層が水性発色剤マイクロカプセル塗料からなり、上記第二の発色剤マイクロカプセル層が紫外線硬化型発色剤マイクロカプセルインクからなるため、下位帳票を水性発色剤マイクロカプセル塗料を塗布してなる一般的な感圧複写上用紙を利用でき、さらに、改ざん防止用情報複写部に紫外線硬化型発色剤マイクロカプセルインクを用いることでスポット的に発色剤マイクロカプセル層を好適に設けることができるため、製造上好都合である。
【００１１】
さらに、請求項３記載の複写帳票組であれば、第一の発色剤マイクロカプセル層と第二の発色剤マイクロカプセル層における発色剤が互いに異なる色の発色を呈するため、上位帳票の裏面側に裏写りした情報は、互いの色の混色となり、汎用複写帳票を重ねて追加記入しても、その色を再現するのが困難であるため、改ざんがさらに困難となる。
【００１２】
【発明の実施形態】
以下、本発明の改ざん防止用複写帳票組を、好適な実施例と添付の図面に基づき、さらに詳述する。なお、ここにおいて、図１は本発明の改ざん防止用複写帳票組の概略的断面説明図である。
【００１３】
図１に示す改ざん防止用複写帳票組１は上位帳票２と下位帳票３が剥離可能に接着されてなり、下位帳票３の表面側の全面には青色を呈する水性発色剤マイクロカプセル塗料からなる第一の発色剤マイクロカプセル層４ａが施され、この第一の発色剤マイクロカプセル層４ａの所定部には顕色剤層５が積層されて自己発色型の情報複写部６を形成している。さらに、この情報複写部６の一つが、その顕色剤層５上には赤色を呈する紫外線硬化型発色剤マイクロカプセルインクからなる第二の発色剤マイクロカプセル層４ｂが積層され、改ざん防止用情報複写部７を形成している。また、上位帳票２の表面側には情報複写部６および改ざん防止用情報複写部７に対応した情報記入部８を有すると共に、改ざん防止用情報複写部７に対応し、その裏面側には顕色剤層５が施されている。
【００１４】
したがって、上位帳票２の表面側の情報記入部８に所定情報を記入すると、下位帳票３の表面側の情報複写部６には青色の情報が複写され、改ざん防止用情報複写部７には青色と赤色の混色の紫色の情報が複写されると共に、改ざん防止用情報複写部７に対応した上位帳票２の裏面側の顕色剤層５にも鏡像状態の紫色の情報が裏写りされる。
【００１５】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の改ざん防止用複写帳票組によれば、転移性顕色剤を利用することなく、冬場などの低温下においても上位帳票の裏面側に記入情報が明瞭に裏写りし、記入情報の改ざんを好適に防止できるといった効果を泰するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の改ざん防止用複写帳票組の概略的断面説明図。
【符号の説明】
１ 改ざん防止用複写帳票組
２ 上位帳票
３ 下位帳票
４ａ 第一の発色剤マイクロカプセル層
４ｂ 第二の発色剤マイクロカプセル層
５ 顕色剤層
６ 情報複写部
７ 改ざん防止用情報複写部
８ 情報記入部

Claims (3)

1. 上位帳票と下位帳票が剥離可能に接着されてなる複写帳票組であって、表面側に第一の発色剤マイクロカプセル層が施されてなり、当該第一の発色剤マイクロカプセル層の所定部に顕色剤層が積層されてなる情報複写部を有し、かつ、前記情報複写部の少なくとも一つが前記顕色剤層上に第二の発色剤マイクロカプセル層が積層されてなる改ざん防止用情報複写部としてなる下位帳票と、表面側に前記情報複写部に対応した情報記入部を有すると共に、前記改ざん防止用情報複写部に対応した裏面側に顕色剤層が施されてなる上位帳票、からなる改ざん防止用複写帳票組。
2. 第一の発色剤マイクロカプセル層が水性発色剤マイクロカプセル塗料からなり、第二の発色剤マイクロカプセル層が紫外線硬化型発色剤マイクロカプセルインクからなる請求項１記載の改ざん防止用複写帳票組。
3. 第一の発色剤マイクロカプセル層と第二の発色剤マイクロカプセル層における発色剤が互いに異なる色の発色を呈するものである請求項１記載の改ざん防止用複写帳票組。

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