JP3841829B2 - 金属物体のチャネル加工 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、重量を削減するためにまたはより効果的な冷却を行うために内部チャンバを加工した金属物体の製造方法に関する。より具体的には、タービンの製造、自動車及び航空産業、レーザの製造において広く使用されているガスタービンエンジンのブレード、高出力レーザ用の光学システム、及び内部燃焼室など、加工したキャビティを有する中空物体の製造方法である。
背景技術
鋳造、溶接、同一に製造された部材のろう付け、及びプラズマジェット溶射などによってキャビティやチャネルを有する中空物体を製造する方法は無数にある。
特にキャビティを加工した物体に関して、機械プレスに続いて個々に製造された部材の拡散溶接またはろう付けを行うことは、かなり困難である。一方、鋳造による方法では、通常、1/16インチより薄い壁を有する物体を製造することができない。
米国特許第2,676,699号及び米国特許第4,287,932号では、チャネルを有する鋳造物体を製造するためにモリブデンインサートを使用することを提案している。モリブデンを製造品より除去するには、モリブデンが酸化して形成された酸化物が昇華するのに十分な温度まで製造品を熱する。この結果、所定形状の中空のチャネルがモリブデンインサートに代わって形成される。しかし、これらの作業は、同時に行うことはできず、この工程はいくつもの段階を要する。
米国特許第3,407,864号では、コア、特に加圧して焼結した塩によって形成したコアの使用を提案している。塩は、水に溶解させることで簡単に取り除くことができるので、形成する物体のキャビティの代わりにこのコアを配置して使用することを提案している。
米国特許第2,641,439号及び米国特許第2,696,364号は、カセイソーダによってアルカリ洗浄可能なアルミニウム、加熱によって昇華可能なカドミウム、黒鉛を含むワックス、及び他の簡単に溶解する材料などを使用してキャビティ及びチャネルを充填することを提案している。
ドイツ特許第3327218.2号は、長手方向部材とろう付けシェルからタービンブレードを構成することを提案している。このシェルは、その外側面にプラズマジェット溶射した金属フェルトの層とセラミック材料の層とから成る。
英国特許第2172060A号は、タービンディスクと中空ブレードとが一体となった構成を検討している。ブレードは、金属薄板から製造し、続いてろう付け、火炎溶射、またはプラズマジェット溶射を行う。この方法によって、合金、セラミック、及び多層メタルセラミック(metal ceramic)めっきからシェルを形成することが可能となる。後にアルカリ洗浄によって除去される一時的な材料を溝に充填することも検討している。
製造品の特性の改善、及び開発した冷却チャネルシステムを有するブレードの製造のために、様々な種類のめっきを陰極線を使用して施すことの可能性についての情報はいくらか存在する(ヴェストニック アカデミー オブ サイエンス、ソ連 7号 (Vestnik Academy of Science,USSR #7)、1985年、29頁)。しかし、これらの情報には、キャビティを加工した中空金属物体を製造する方法は示されていない。
キャビティを加工した金属物体を製造するのに最も類似した方法は、米国特許第4,574,451号によって開示されている。本発明は、この特許をプロトタイプとして使用した。この方法では、いわゆる犠牲材料(即ち消耗性材料)を使用してチャネルを有する物体を製造する。まず、犠牲材料をチャネルの形状に形成し、次に、所望の材料で物体本体を形成するためにプラズマジェット溶射を施こし、最後に、犠牲材料を除去する。この方法の実施では、完成品の所望の内部寸法に対応する溝及びポケットを外側面に有する合金の枠組を製造し、プラズマジェット溶射を用いて溝及びポケットに容易に除去可能な材料を充填し、所望の厚みの外部シェルを形成した後に消耗性充てん材を除去し、続いてサーモプラスチック処理(thermoplastic treatment)される。
米国特許第4,574,451号に開示された方法を含む上記の方法によって、比較的幅が広く、かつ直線状のチャネルを有する物体の製造は可能となる。しかし、実際に最もよく使用されている多くの分岐や狭いチャネルを有する冷却チャネルのシステムは、上記の方法によって製造することができない。なぜなら、提案されている犠牲材料の洗浄方法及び化学的な除去によって、これらの犠牲材料を分岐を含むシステムの長くて狭いチャネルから除去することができないからである。また、周囲の材料内に犠牲材料を溶解または昇華させる方法に関しては、母材よりも融点がかなり低く、かつ、母材の化学成分及び機械的性質を変化させることのない材料を使用することが必要となるので、材料の選択は困難であり、これにより、その適用はかなり限定されてしまう。
更に、現在、ブレード材料には、かなり高い機械的強度を有する超合金が使用されている。米国特許第4,574,451号で説明されているように、プラズマジェット溶射によって得ることができるのは、高温強度合金の均質なめっきのみであり、このめっきは、(孔またはむらや非金属不純物などの)欠陥、及び必要な内部構造を確実に形成することができない点などからその物理機械的特性が超合金鋳造よりも実質的に劣る。所望の内部構造及び機械的特性を有するめっきを形成するためには、めっき材料に複雑な加工熱処理を施す必要があり、この処理は、ブレード枠組の母材に局部結晶体または単結晶構造を有する超合金を使用した場合には行うことができない。最後に、上記方法では、一定してめっきと枠組材料とを十分に強く結合することができない。
発明の開示
本発明の目的は、キャビティを加工した中空物体の製造を陰極線昇華を用いることによって改善することに基づいている。陰極線昇華により、均質な材料からだけでなく、変化する多層及び凝縮したミクロ層となっている複合材料からも所望の厚みのカバーを得ることができる。これらの複合材料は、その構造特性及び物理機械的特性によって枠組の母材に接近することができる。表面の粗さによるコーティングのきずを減少させるために、容易に溶解する金属または溶射材料と低温で共融となる材料からなる薄膜を、枠組の外側面に予め溶射する必要がある。また、熱処理時に昇華する容易に除去可能な材料を使用することによって改良を加えることもできる。
キャビティを加工した中空物体の製造に関して提案される以下の方法によって問題が解決される。この方法は、製品の特定の内部寸法に対応する溝、チャネル、またはポケットを外側面に有する合金枠組を必要な構造強度を提供するように予め加工し;容易に除去可能な材料を溶射によってまたはドロスとして溝またはポケットに充填し;所望の厚さのコーティングを形成し;容易に除去可能な充填剤をチャネルから除去し;かつサーモプラスチック処理を行うことを含む。ここで、所望の厚さのコーティングは、陰極線溶射法によって、行われる。まず初めに、容易に溶解する金属または続いて溶射する材料と低温で共融となる材料からなる初期薄膜を溶射する。そして、製品の前記の熱処理時において容易に除去可能な充填剤を昇華させる。
この方法によって、所望のどのような複雑な中空物体の製造も可能となり、冷却効果を高めるための内部チャネルや重量削減のためのキャビティを有する非分離型の形状を形成することができる。多層または徐々に変化する構造は、各層をそれぞれ真空冷却することで形成する。
所望の化学的組成及び物理機械的特性を有する多層のまたは徐々に変化するカバーを形成するには、コーティングを一層ずつ形成する方が便利である。続くサーモプラスチック処理によって、所望の安定構造である均質層または徐々に変化する組成を有するコーティングを形成することができる。キャビティを加工した中空物体を製造するこの方法では、陰極線溶射は、均質な材料からだけでなく、構造特性及び主な物理機械的特性によって枠組の母材に接近することができる徐々に変化する多層及び凝縮したミクロ層となった複合材料からも所望の厚さの厚いコーティングを形成することができる。容易に溶解する金属または溶射材料と低温で共融となることができる材料の薄膜を予め枠組に溶射することで、ミクロのきずを覆うとともに、ポケットやチャネルの内部面の粗さを減少し、かつコーティングと枠組との間の接合部の接着強度を増加することができる。
塩化物及びフッ化物またはこれらの混合物を容易に除去可能な材料の基剤として使用することが望ましく、除去可能な材料の組成は、コーティングの処理温度によって決まってくる。混合物の機械的特性及び熱的特性を改善し、かつ溶射及びサーモプラスチック処理の間にチャネルの内側面の構造及び特性を改良するために活性及び非活性添加物を混合することもできる。熱処理時に昇華することができる材料を使用することによって所望の狭い冷却チャネルを含む分岐したシステムを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
本発明は、以下の複数の実施形態及び図面によって示される。
図1は、本願に係る方法を使用して製造することができるチャネルとコーティングとを含む中空の物体(ガスタービンブレード)の(断面の)説明図である。
図2は、回転体及び平らなディスク形状の物体上にコーティングを施す方法の適用を明らかにする説明図である。
図3は、外側ブレード面に袋状のボアを有する中空コンプレッサブレードを製造するための枠組の(断面の)部分説明図である。
本発明に係る加工したキャビティを有する中空物体を製造するための方法に関する詳細な説明は、以下に述べられており、必要に応じて図1、2、3、を参照する。
発明の詳細な説明
提案される方法の主旨を以下に述べる。本発明(図1参照)によると、キャビティを加工した中空物体は、枠組1上に陰極線昇華した気相を凝結させることによって製造する。この枠組1の表面には、冷却チャネルシステムまたは重量削減のためのキャビティが形成されており、これらのチャネルまたはキャビティの内部には、容易に取り除くことができる材料が充填される。
枠組の母材は、構成に必要な強度を提供することができるどのような合金でもよい。枠組を、金属、セラミック、またはメタルセラミックなど、物理機械的特性の所望の複合体を備えたコーティング4で覆うために陰極線を使用する方法が適用される。
枠組のチャネルやポケットに容易に取り除くことのできる材料を充填する方法は、利用可能な方法の一つによって行うことができる。これらの方法は、火炎溶射またはプラズマジェット溶射による方法、または、ペースト状またはドロス状のものを施し(大きいポケットとともに深くて狭いチャネルを充填するために)続いて機械加工を行う方法などである。クロモリン酸アルミニウム(alumino-chromo-phosphate)結合剤のドロス水溶液の場合には、粉末混合物に、ケイ酸ナトリウム溶液(水ガラス)、メタアルミン酸ナトリウムまたは他の無機結合剤を加える必要がある。結合剤の量は、その種類によって異なり、必要な強度及び可鍛性を提供できることが必要である。
この容易に取り除くことができる材料は、チャネルのリッジと水平となるように枠組の表面に形成された全てのチャネル及びポケットに充填される。使用される充填剤がペースト状であれは、余分なペーストは、乾いてから機械的に取り除いて、チャネルのリッジを完全にきれいにする必要がある。
枠組と溶射材料とを接着するとともに溶射コーティングを密な等軸構造とするためにコーティング時に要求される温度に応じて、塩化物、フッ化物、及びそれらの混合物が充填剤の基剤として選択可能である。昇華温度は、コーティング温度より50°〜100℃高いことが必要である。
選択される塩に加えて、充填剤化合物は、粉末アルミニウム、イットリウム、ホウ素、炭素、及びこれらの粉末または繊維状の混合物などの活性及び不活性の添加剤を含むこともできる。これらの添加物は、化合物の機械的、熱的、及び熱交換的特性を向上させることができる。これらは、また、コーティングの内層の構造及び特性を改善することもできる。塩に対する添加物の割合は、10%まで増加してもよく、この割合は、チャネルの幅及び母材の熱膨張係数によって決まってくる。添加物を加える主な目的は、塩の熱膨張係数を引き上げることである。
コーティングは、常にいくつかの欠陥を含み、これらの欠陥は特にチャネルのリッジ壁と充填剤化合物との接合部で生じる。従って、均質でない構造及び組成の層を最初に溶射する必要がある。最終製品の対応する熱的または機械的処理後の必要条件に応じて、この層は、所定の安定した構造及び組成を有する必要な厚さのコーティングとなる。このコーティングは、図1の5のように均質であるか、6のように徐々に変化するか、または7のように多層構造を有することができる。
多層構造では、各層は、それぞれにかかる機能的な負荷に応じる目的を個別に有する。即ち、各層は、異なる構造を有し、各層ごとに徐々に変化するか、均質であるか、またはミクロ層構造を有してもよい。
陰極線溶射法によって、所望の材料及び厚みを有するミクロ層の金属、メタルセラミック、及び一様なセラミック化合物の製造が容易となる。ミクロ層構造の構成は、サーモプラスチック処理によって均質構造に変換することができ、または、物理機械的特性の所望の複合体を有するミクロ層構造に維持することもできる。
溶射材料4は、最終製品の外側面を形成するとともに、強力な接着によって枠組内のチャネルのリッジに付着している。溶射が終了すると、充填剤は、熱処理時に真空下で固体状態から昇華され、適宜な寸法及び長さの開口部を通して、形成されたチャネルから取り除かれる。この方法によって冷却チャネルシステムまたは重量削減のためのキャビティが形成される。
物体の寸法、形状、及び必要数に応じて主に二つの主要技術(図2)によってコーティングを施すことができる。
a−例えば、ガスタービンブレード1などの回転対称体を、水平方向の軸2上に配置することができる。異なる材料に対して種々の昇華手段3を使用することができる。
b−回転対称体とともに平らなディスク形状の物体を、垂直軸上に配置することもできる。
第一の場合には、徐々に変化する多層コーティングの適用が最も適しており、第二の場合は、徐々に変化するミクロ層構造に使用することが望ましい。仕切り5は、溶射材料が回転物体の回転によって堆積するミクロ層構造で使用することができる。製造されるミクロ層構造の厚みは、堆積率と回転速度とによって決まる。
発明の実施形態
本発明は、極度に高い及び特別に高い温度条件及び両振荷重で運転される内部冷却キャビティを加工した物体の製造または軽量構造の製造に関する。本発明は、高いレベルの効果的な冷却または重量削減を必要とする広範囲の物体を異なる材料から製造するために開発された。これらの物体には、例えば、コンプレッサや航空エンジンのガスタービンにおけるブレードやベーン、航空機やロケットのエンジンノズル、高出力レーザシステムのレフレクタなどが含まれる。
構造強度を確実に得ることのできるものであれば、どのような合金でも枠組を形成するために使用できる。この枠組の表面は、精密鋳造、機械的または電気的侵食などの周知の方法の一つによって前もって製造した所望の寸法及び形状の溝、ポケット、及び技術的なチャネルを有する必要がある。
これらのチャネル及びポケットには、予め用意した混合物が充填される。混合物の成分及び充填方法は、枠組材料(表1)及び外側シェル材料それぞれによって、またチャネルやキャビティの幾何学的寸法によって決まってくる。いくつかの場合では、火炎またはプラズマジェットによって充填剤混合物を溶射することが勧められ、また狭くて深いチャネルを有するいくつかの場合には、ドロスを使用した方法が勧められる。
塩化物、フッ化物、及びこれらの混合物を、集成混合物の基剤として使用することができ、これらの材料は、対応する温度に加熱することによって真空で昇華することができる。例えば、ニッケル合金のブレードを製造するには、昇華温度が850℃のフッ化ナトリウムを原則として、または980℃のフッ化マグネシウム、または900℃のフッ化ナトリウムとフッ化マグネシウムとの複塩を使用することができる。
フッ化リチウムは、チタン合金に使用でき、塩化ナトリウムは、銅に最も適している。これらの材料の真空における昇華の開始温度は、それぞれ750℃及び700℃である。
陰極線法を使用する時には、チャネルのリッジと一体となる接合部を形成するように要求される厚みのコーティングが枠組に溶射される。
コーティングのきずをなくすために、容易に溶解する金属または溶射材料と共融の合金となり得る材料の薄層を施すことができる。この容易に液化する層は、コーティング温度で溶解してミクロのきずを全て塞ぐ。表2は、異なる枠組材料で使用される容易に溶解する材料のいくつかの例を示しており、このような材料として、アルミニウム、または溶射されるニッケルとともに960℃の共融温度で低温のイットリウム−ニッケル(yttrium−nickel)を形成するアルミニウム−イットリウム(aluminum−yttrium)などを挙げている。提案される方法によって、枠組とコーティング材料との間の接着結合を強くすることができる。
実施例1
多層機能めっきによる冷却チャネルシステムを有するブレードの製造
提案される発明によって、内壁冷却の発達したシステムを加工したガスタービンブレードのような物体を製造することができる。技術的には以下の通りである。
1.鋳造または電気侵食法によってブレードの表面を熱効率の観点から最適の幾何学的寸法及び形状にする。
2.チャネルをフッ化ナトリウムとフッ化マグネシウムとの複塩を基剤にした容易に取り除くことができるペーストで充填する。水溶性メタアルミン酸ナトリウムがバインダとして用いられる。
3.乾燥したペーストは、チャネルのリッジがきれいで表面がなめらかになるまで十分に研磨される。
4.以下のような多層コーティングに陰極線法が適用される。
a)Ni-15Fe-20Cr-3Al-Y,δ=50-70 mKm の内部減衰層
b)Ni-10Co-20Cr-5Al-10Mo-Y,δ=120-200 mKm の高温強度を有する荷重層
c)Ni-20Cr-11Al-Y,δ=50-70 mKm の耐熱層
d)Zr02-8%Y203,δ=120-150 mKm の外側断熱層
5.各層を溶射した後、部材を熱機械的処理する。第一層を施した後の熱処理の主な目的は、充填材料を取り除くことであり、続く熱機械的処理の主な目的は、ミクロベアリング(ミクロボールまたは球による衝撃)を適用することによってミクロ構造を強化し、かつ残留応力を解消することである。
実施形態2
枠組を用意し、実施例1と同様の方法でブレードのチャネルを充填する。この実施形態では、充填剤の混合物は、フッ化マグネシウム−95重量%と合金Al−20Y−5重量%とを成分とする粉末を基剤とする。余分な充填材は、機械的に取り除かれる。
このように前処理した表面に陰極線法によって800〜850℃の温度でイットリウムまたはアルミニウム−イットリウムの初期層を溶射する。その後、コーティングを開始する前に温度を950〜970℃に急激に高める。高温で高温強度コーティングを形成するために、ニッケルマトリックスが、更に別の手段(図2b参照)によって昇華される耐熱金属(モリブデン、ニオブ、ハフニウム)と合金となる(ドープされる)。ニッケルマトリックスと耐熱添加剤との交互層は、1.5:0.3mKmの最適の厚さ比を有する。この構造は、準安定であり、高温真空処理によって均質の耐熱性組成に変換可能である。コーティングの内層及び外層には、耐火性を高めるために容易に溶解する添加剤を溶射する。
充填剤混合物の除去は、コーティングが形成された後に1160℃の温度で3時間の熱処理により行われる。
実施例3
チタンの中空コンプレッサブレードの製造
効率的なガスタービンエンジンに対する増加する需要に答えて、コンプレッサ及びファン用のチタン合金の中空ブレードに関する異なる製造方法が検討されている。
本発明に基づいていくつかの中空コンプレッサブレードを製造した。合金BT−6(Ti6A14V)から製造した最終的な形状のコンプレッサブレードの枠組(図3参照)の内部に、複数の袋状の孔1をドリルによってあけ、このことによって、ブレード金属の実質的な部分を取り除く(図3参照)。分離したキャビティは、浅い表面溝2によって接続される。少なくとも一つのキャビティは、長手方向の孔3によってブレード止め片に接続している。
以下の化合物を充填剤混合物として用意した:軽量の揮発成分としてフッ化リチウム95重量%;接種剤として粒径が200mKmの粉末アルミニウム5重量%。
1.17g/cm3の濃度の水ガラスを粉末混合物に追加して、形成されたペーストをチャネルやポケットを充填するために使用した。このよう前処理した枠組を、自然乾燥してから、焼いて磨いた。
前処理を施した面を含むブレードを、溶射チャンバ(図2b)内に配置し、このチャンバ内に合金Ti5AlとA1のインゴットを入れる。ブレードを750℃まで熱して、合金Ti5Alでコーティングする。可塑性の合金からなるコーティングが150mKmに達すると、アルミニウムは昇華し始め、意図したプログラムに応じて14重量%までアルミニウムの成分が増加する。これは、金属間化合物Ti3Alに対応し、50−80mKmの厚みとなる。
コーティング4を有するブレードを、940℃で1時間真空で熱処理すると、充填剤混合物は昇華し、蒸気はチャネルを通じて除去される。充填剤混合物に含まれるアルミニウムは、内部面を接種して、粗さを減少させる。徐々に塑性合金から金属間化合物に変換されるに従って、コーティング構造は、層を含むものから均質のものに変わり、ブレードの作動温度に対して熱的に安定したものとなる。
この技術は、チャネルやキャビティの寸法や形状、及び枠組の形状や寸法を制限することはない。
実施形態4
効果の高い冷却システムを有する燃焼室セグメントの製造
枠組を銅合金で製造し、表面のチャネルを塩化ナトリウムを基剤とする混合物で充填し、上記した実施例と同様に乾燥して研磨する。
コーティングを二つの別々の手段によって図2aに示した方法で溶射する:一方は、純銅を昇華し、他方は、銀を昇華する。交互の作業により多層構造を形成し、750℃で真空焼成を3時間行って、この構造を4重量%の銀を含む銅の均質な構成に変換する。きずのない良質な構造を形成するためには、ハンダまたはアルミニウムの薄層を始めにメッキする。この層は、熱処理の後には、ほぼ完全に消滅する。
Figure 0003841829
Figure 0003841829

Claims (3)

  1. 複雑な形状の中空物体の製造方法であって、
    要求される構造的強度を確実に得ることのできる合金で形成される枠組を予め製造し、この枠組は、最終製品で要求される内部寸法に対応する溝またはポケットを表面に有し、
    充填材料を、溶射によってまたはドロス状態で前記溝及びポケットに充填し、
    陰極線溶射法を用いて前記枠組および前記充填材料にコーティングを施して外側シェルを形成し、
    前記中空物体を熱処理し、この熱処理時に前記充填材料を除去することを含み、
    前記コーティングの際に、コーティング時に溶解するとともに後に溶射されるコーティング材料と共融となり得る金属または材料の薄膜を予め施すことを特徴とする方法。
  2. 記コーティングの外側シェルは、最終的に所定の化学的構造及び物理機械的特性を有する多層組成または徐々に変化する組成を形成するように層として構成され、続いて、所望の安定した均質構造、及び多層組成または徐々に変化する組成を有する前記コーティングの外側シェルを得るために前記熱処理を施すことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 記充填材料は、基剤として塩化物及びフッ化物またはこれらの混合物を使用し、その組成はコーティング時の処理温度によって決まり、混合物の機械的特性及び熱的特性を改善し、かつ溶射工程及び前記処理において前記チャネルの内側面の構造及び特性を改良するために活性及び非活性添加物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
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