JP3841709B2 - ラッピングマシン - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ロールベーラにより、ロール状に巻き締め成形されて圃場面に順次放置されていく牧草類のロールベールを、良好な飼料に熟成させるために、そのロールベールの周面にプラスチック製のフイルムを巻き付けてラップするベールラッパのうちで、ラップし終えてベール支承台から取り降ろされるロールベールを荷受けするベール荷受台を装備せしめる形態のラッピングマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ラッピングマシンは、ロール状に成形された牧草類の裸のベールを、それの周面にプラスチックのフイルムを巻き付けてラップするマシンであり、機体フレームに、ラップすべきロールベールを、それの軸芯線の方向が横方向となる横倒しの姿勢として、載架し支承せしめるためのベール支承台と、そのベール支承台上に載架したロールベールの周面に巻き付けるプラスチックのフイルムを繰り出すストレッチユニットと、それから繰り出されるフイルムをベール支承台上のベールの周面に巻き付けるための、ベール支承台を旋回させるか、ストレッチユニットを旋回させる旋回機構と、を装架することで構成される。
【0003】
そして、機体フレームは、所望の場所に運搬して定置しラップ作業する定置型とするか、自走して走行する自走型とするか、トラクタ等の牽引車に連結装着して被牽引により走行する被牽引型のものに構成される。
【0004】
また、このラッピングマシンの機体フレームに装架されるベール支承台に対するロールベールの積み込みは、フオークリフトを装備せしめたフオークリフト車を用いて行うか、機体フレームに積み込み用のリフトアームに装備せしめて行うようにしている。
【0005】
また、ラップし終えたロールベールのベール支承台上からの取り降ろしは、通常、機体フレームにダンプ回動するダンプフレームを支架して、これの上面側にベール支承台を組み付け装架しておき、ダンプフレームをダンプ回動させることでダンプフレームごとベール支承台をダンプ回動させて、ロールベールを転がし出すことにより行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のラッピングマシンには、ラップし終えたロールベールを、ベール支承台上から取り降ろすときに、通常、機体フレームに支架したダンプフレームにベール支承台を装架しておいて、そのダンプフレームをダンプ回動させることにより、ベール支承台からロールベールを転動させて放出するが、このようにすることで、ラップし終えたロールベールを放出する位置が、ダンプフレームのダンプ回動方向における前面側に限られることになり、ベールラッパを自走型または被牽引型に構成して、圃場に所定の条列に従い放置されている牧草類の裸のロールベールに対し、ラッピングマシンを順次移動させてラッピングしていくときに、ラップし終えて放出していくロールベールが、同じ条列に並列されることで一つの条列のロールベールのラップ作業を終えて、隣接する次の条列のロールベールを、その条列に従い順次ラッピングしていくときに、先にラップし終えたロールベールの条列が邪魔になる問題がでてくる。
【0007】
また、次位に隣接する条列のロールベールのラッピングをするときに、ラッピングマシンの機体の移動・走行の邪魔になるラップし終えて再び圃場に条列状に放置された前位の条列のロールベールを、他の場所に移動させて、その条列を機体の走行路としてあけるのに、別に運搬車を要する問題がある。
【0008】
本発明は、従前のラッピングマシンに生じているこれらの問題を解決するためになされたものであって、機体フレームに装架したベール支承台上においてラップし終えたロールベールを、ダンプフレームのダンプ回動により、そのダンプ回動の方向の前方に放出することで、機体フレームの所定の方向に放出するときに、その放出されるロールベールを、機体フレームの周囲の一側または他側の所望の方向に放出位置を変更して放出できるようにし、また、ベール支承台から放出されるロールベールを、圃場面に落下させる前に受け止めて、機体フレーム上に載架した状態とし得るようにし、ベール支承台と併せて複数のロールベールの運搬が機体フレームの走行によりなし得るようにするようラッピングマシンを構成することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
ラッピングマシンの機体フレームを支架せるダンプフレーム上に装架したベール支承台から、ラップし終えたロールベールを、ダンプフレームのダンプ回動により放出するとき、このベール支承台からのロールベールの放出位置となるダンプフレームの前面側に、ベール支承台から軸芯線の方向が横方向となる横倒しの姿勢で放出されてくるロールベールをその姿勢のまま荷受けするベール荷受台を配し、これをダンプフレームの前面側を開放して側方に退避した位置に切り替わるように機体フレームに支架しておけば、ベール支承台上でのロールベールのラップ作業を終えたときに、このベール荷受台をダンプフレームの前面側に位置させておくことで、ラップし終えてダンプフレームのダンプ回動により放出されるロールベールが、このベール荷受台上に荷受されることになり、この状態でベール荷受台を退避位置に切り替えることで、次にベール支承台上でラップするロールベールと併せて、ラップし終えた2個のロールベールを機体フレームの走行により運搬できるようになる。
【0010】
また、このベール荷受台を、それの長手方向と直交する方向の反転軸により反転可能としておくことで、荷受けしたラップ済みのロールベールを、ダンプフレームのダンプ回動による放出位置に対し、それの左右の一側または他側に変位させて、放出していけるようになる。
【0011】
そして、このことから、本発明においては、請求項1に記載したフレームに、ラップすべきロールベールを支承させるベール支承台と、そのベール支承台上に支承せしめたロールベールに巻き付けるフイルムを繰り出すストレッチユニットと、そのストレッチユニットから繰り出されるフイルムをロールベールの周面に巻き付ける旋回機構とを組み付け装架せしめてなるベールラッパにおいて、それのベール支承台を、フレームに対しダンプ回動するよう支架せしめるダンプフレーム上に装架し、このダンプフレームのダンプ回動方向の前面側にダンプフレーム上のベール支承台から放出されるロールベールを受け止めて荷受けするベール荷受台を配位して、そのベール荷受台を、ダンプフレームの前面位置と、そのダンプフレームの前面側を開放して側方に退避した退避位置とに切り替え自在にフレームに装架せしめてなるラッピングマシンを提起し、また、これに併せて、請求項2に記載したベール荷受台を、ベール支承台から軸芯線の方向が横方向となる横倒しの姿勢で放出されるロールベールをその姿勢のまま受け止める横長の樋状で、かつ、それの長手方向と直交する方向の反転軸により反転可能に形成しておくことを特徴とする請求項1記載のラッピングマシンを提起するものである。
【0012】
また、ダンプフレームには、それの側端部にアーム支持枠を設けて、これに、ダンプフレームの前面側を左右に横切る積込アームを、アクチュエータの作動により上下に回動するよう装架し、ベール荷受台を、この積込アームとダンプフレームの前面との間に位置してくるようにしておけば、ラップし終えたロールベールをベール支承台からベール荷受台上に転動させて荷受けさせるときに、この積込アームがロールベールのベール荷受台上からの脱出を有効に抑止し得るようになる。
【0013】
このことから本発明においては、請求項3に記載したベール支承台を上面側に装架してダンプ回動するようフレームに支架するダンプフレームの、それのダンプ回動方向と直交する方向における側端部に、アーム支持枠を立設して、そのアーム支持枠の前記ダンプ回動方向における前端側の上部に、平面視においてダンプフレームのダンプ回動方向の前面側を左右に横切る積込アームをアクチュエータの作動により上下に回動するよう設け、ベール荷受台を、それをダンプフレームの前面位置に切り替えたときに、前記積込アームとダンプフレームの前面側との間に位置してくるように配位してフレームに装架せしめることを特徴とする請求項1または請求項2記載のラッピングマシンを提起するものである。
【0014】
また、ダンプフレームの前面側に設けるベール荷受台は、側方に退避させた状態位置において、起立回動するように機体フレームに装架しておけば、それを退避位置において起立回動させることで、格納した状態となって、機体の移動の際に邪魔にならないようになる。このことから、本発明においては、請求項4に記載したベール荷受台をそれの基端側に組み付ける竪方向の支点軸を介し旋回自在にフレームに支架して、その支点軸中心の旋回によりダンプフレームの前面位置と側方の退避位置とに切り替わるようにするとともに、そのベール荷受台の基端側に組み付ける横方向の支点ピンにより起伏回動するようフレームに支架して、側方の退避位置への旋回位置における起立回動により格納状態とし得るようにすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のラッピングマシンを提起するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明手段によるラッピングマシンは、それの機体フレームに、ラップすべきロールベールを転動自在に支承させるベール支承台と、そのベール支承台に支承させたロールベールの周面を被覆するプラスチックのフイルムを繰り出すストレッチユニットと、そのストレッチユニットから繰り出されるプラスチックのフイルムをロールベールの周面に巻き付けていくために、ロールベールをベール支承台ごと旋回させるか、ストレッチユニットをロールベールの回りに旋回させる旋回機構と、ベール支承台上においてラップし終えたロールベールをベール支承台から取り降ろすために、ベール支承台をダンプ回動させるダンプフレームとを装備せしめることについては、従前の通常のラッピングマシンと変わりなく、これら、ベール支承台・ストレッチユニット・旋回機構・ダンプフレームを、機体フレームに装架して、ベール支承台上に載架するロールベールに対しプラスチックフイルムを巻き付けてラップしていけるようにラッピングマシンの機体を構成する。
【0016】
また、このように、ロールベールのラップ作業に要する部材・機構を装備せしめて構成するラッピングマシンは、それを、所望の場所に据え付け定置してラップ作業を行う定置型の形態、または、トラクタ等の牽引車の機体の後部に連結・牽引せしめて走行する被牽引型の形態、または、機体フレームに、走行装置を駆動する原動機を装備せしめて、自走により機体を走行させる自走型の形態のものとするなど、どのような形態としてよいものである。
【0017】
図1乃至図3は、本発明手段の実施例を示している。この実施例は、被牽引型の形態としたラッピングマシンに本発明手段を適用した例である。
【0018】
図において、Tは牽引車たるトラクタ、AはこのトラクタTの機体後部に連結・牽引させるように装着したラッピングマシンを示す。
【0019】
ラッピングマシンAは、ラップ作業を行う各作動部を組み付け装架する機体フレーム1に、走行輪10を支架し、前端側には牽引杆11を設けて、その牽引杆11をトラクタTの機体後部に装設される一対のロワリンクよりなる連結ヒッチに連結することで、トラクタTの走行により牽引されて走行する被牽引型になっている。
【0020】
この機体フレーム1は、それの左右の一側の桁枠をメインフレーム1aに形成し、これの前端側に牽引杆11を左右に屈折回動自在に連結し、かつ、この牽引杆11とメインフレーム1aとの間に、牽引杆11を左右に回動させる油圧シリンダよりなるアクチュエータ12を渡架装着し、メインフレーム1aの他側に図4にあるように車体フレーム1bを一体的に組み付けてこれとメインフレーム1aとで機体フレーム1を構成するようにすることで、同図4にあるように、組み付けた車体フレーム1bの前面側が前方に開放した形態とし、この車体フレーム1b上に、図1および図2にあるようにロールベールBを転動自在に支承するベール支承台aと、それをダンプ回動させるためのダンプフレームbと、ストレッチユニットcと、旋回機構wとを装架して、これにより、機体フレーム1に装架したベール支承台aの前面側が開放するようにし、トラクタTによる牽引走行で、このベール支承台aの前面に、圃場面に放置してあるロールベールBを図1にあるよう近づけられるようにしている。
【0021】
そして、このベール支承台aは、それに載架したロールベールBのラップ作業が終えたときの放出のために、車体フレーム1b上に支架しておくダンプフレームb上に装架して、これを油圧シリンダなどのアクチュエータ13によりダンプ回動させるようにするが、そのダンプ回動の方向が、図5にあるように、ダンプフレームbの前端側に設ける支点軸14を中心として前方に向けて傾斜回動する方向となるようにしている。
【0022】
また、このダンプ回動するダンプフレームbには、それの左右に一側でそのダンプフレームb上に装架したベール支承台aの外側に位置する部位に、支持枠2を立設して、この支持枠2の前端側の上部に、図1にあるように前方に突出した後に図3にあるようにベール支承台aの前面側に屈折して、その前面側を左右に横切るようになる積込アームdを、上下に回動するように設けて、これに、支持枠2に基端側を支架せる油圧シリンダ等のアクチュエータ20をリンク杆21・22を介し連繋して、そのアクチュエータ20の作動により図2にあるようベール支承台aの前面側を上下に回動して所定の位置に変位するようにしておく。
【0023】
この積込アームdは、ベール支承台a上においてラップ作業を終えたロールベールBを放出するダンプフレームbのダンプ回動の作動を、ラップしようとする裸のロールベールBの積み込み作業に利用するためのものである。
【0024】
この積込アームdは、積み込みを行うときには、図6にあるように、ダンプフレームbをダンプ回動させたとき、一緒に回動する支持枠2に装架してあるこの積込アームdを上方に回動させた状態としておいて、ダンプフレームbに装架されて一緒にダンプ回動したベール支承台aを、圃場に放置してあるロールベールBに近づけ、その状態から図7にあるよう積込アームdを下降回動させてロールベールBを抱え込ませ、この状態から図8にあるようダンプフレームbを復帰させることで、ロールベールBを図9にあるようベール支承台aの上面に積み込んでいくように用いられる。
【0025】
図1および図2において、eは、この積込アームdを用いてダンプフレームbの復帰回動によりロールベールBの積み込みを行うとき、積込アームdと共同してロールベールBをダンプフレームbに対し抱持せしめるのを確実にするために、ダンプフレームbの前面側に設けておく補助積込アームであり、ダンプフレームbに装架したベール支承台aより前方に突出する位置において、下降回動させた積込アームdと平行して対向するように配設してある。
【0026】
この補助積込アームeは、ダンプフレームbの前面側に設けられればよく、ダンプフレームbまたはダンプフレームb上に装架したベール支承台aの機枠に適宜のステー15を設けて、それに支架せしめるようにしてよい。
【0027】
ダンプフレームbのダンプ回動の回動方向を、機体フレーム1の前方に向かう方向としているのは、被牽引型の形態としたこの実施例のラッピングマシンAが、トラクタTによる牽引走行により、圃場に条列状に並列して放置されているロールベールBに対し前進して近づき、順次ラップ処理していく特性に適応させるためであり、例えば、図1において、上方となる牽引杆11を連結装着したメインフレーム1aと反対側に向けてダンプ回動するように設定して、ダンプフレームbを車体フレーム1b上に支架し、被牽引による機体フレーム1の走行方向に対して側方位置に、ラップし終えたロールベールBを放出していくようにすることは差し支えなく、そのようにしてよい。
【0028】
この場合には、ダンプフレームbおよびそれに支架するベール支承台aおよび支持枠2等が、図1の平面図において時計回りに90度旋回させた状態位置を占めるようにし、支持枠2に設ける積込アームdが、ダンプフレームbのダンプ回動と共同して、機体フレーム1の側方に位置するロールベールBを抱え込んでダンプフレームbの復帰回動でベール支承台a上に積み込んでいくようにする。
【0029】
ラッピングマシンAを、自走型・定置型の形態とするときは、このダンプフレームbの回動方向は、機体フレーム1の前後左右の何れの方向に設定してもよい。
【0030】
このダンプフレームb上に装架するベール支承台aに載架したロールベールBに対しストレッチユニットcから繰り出されるプラスチックのフイルムfを巻き付けるための旋回機構wは、図示する例においては、ストレッチユニットcを機体フレーム1に固定立設しておく取付枠16に組み付け支架しておき、ベール支承台aを、ダンプフレームb上に旋回軸17中心に旋回するよう支架したターンテーブルgに装架することで、ベール支承台aをストレッチユニットcに対して旋回させる旋回機構に構成しているが、ベール支承台aをダンプフレームb上に固定装架して、ストレッチユニットcの取付枠を、ベール支承台aの回りを旋回する旋回アームとして、ストレッチユニットcをベール支承台aに対して旋回させる旋回機構に構成してもよいものである。
【0031】
機体フレーム1の前端側に設ける牽引杆11は、ラッピングマシンAを自走型に構成するときは省略してよい。自走型とするときは、機体フレーム1には、走行輪10および各作動部のアクチュエータ作動用の油圧装置を駆動するためのエンジンが装架されるようになる。
【0032】
このように構成されるラッピングマシンAの機体フレーム1には、それに設けたダンプフレームbのダンプ回動方向の前面側に、ダンプフレームbに装架したベール支承台aから、それのダンプ回動により転動して放出されるラップずみのロールベールBを受け止めて支承して荷受けするベール荷受台hを配設する。
【0033】
このベール荷受台hは、ベール支承台a上において、軸芯線の方向が横方向となる横倒しの姿勢に保持されてラップされたロールベールBを、その姿勢のまま荷受けするよう、図10にあるよう半截の筒状乃至横長の樋状に成形しておく。
【0034】
そして、このベール荷受台hは、前述した如く、ダンプフレームbのダンプ回動方向の前面側に、ベール支承台aから転動して放出されてくるロールベールBを受け止めて荷受けするように配設するが、そのダンプフレームbの前面側をそっくり開放した側方の退避位置に切り替えられるように機体フレーム1に装架する。
【0035】
この切り替えは、ベール荷受台hを、それの長方向に沿いスライド自在に機体フレーム1に装架することで行ってよいが、それの長手方向の一端側を、図11に示している如く、機体フレーム1の一側端部に設けておく竪方向の旋回軸Pにより旋回するように軸支して、その旋回作動により略90度旋回させて、機体フレーム1の側端部の上面に沿う位置に動かすことでダンプフレームbの前面側を開放する状態位置に切り替えるようにしてよい。
【0036】
そして、このように設けるベール荷受台hは、それの長手方向の一端側を基端部として、これを機体フレーム1に竪方向の旋回軸P中心に自在に旋回するよう支架するとき、旋回軸Pには支持台3を支架し、この支持台3上にベール荷受台hを長手方向の先端側が突出するように載架して、長手方向の中間部を支持台3に設ける前記長手方向と直交する方向の反転軸30により反転回動が可能となるよう支架し、かつ、図12にあるように、このベール荷受台hと支持台3との間に、ベール荷受台hを反転軸30中心に水平な姿勢に向け回動させるように付勢するバネ31を連繋して、空荷のときに水平な姿勢を保持するようにし、この姿勢に固定保持させるためのロック機構4を、例えば、支持台3側にはロックピン40をスライド自在に保持せしめ、ベール荷受台hには、このロックピン40と、これと抜き差し自在に嵌合する係合金具41とで構成して装設しておき、常態においては、このロック機構4により水平な姿勢に保持せしめておく。
【0037】
さらに、ベール荷受台hの反転回動を可能とする反転軸30は、そのベール荷受台hが、ダンプフレームbのダンプ回動で、ベール支承台a上から転動して放出されてくるロールベールBを荷受けしたときに、その荷受けしたロールベールBの重芯G位置よりも、ベール荷受台hの基端側に寄る位置に設定してそのベール荷受台hの胴部の中間部位を枢支させておき、ロールベールBを荷受けした状態において、前述のロック機構4を、それのロックピン40に連繋する適宜の作動機構により解放させることで、ベール荷受台hが図13・図14・図15の如く、ロールベールB自体の重量により反転軸30中心に反転回動して、ロールベールBをそれの軸芯線の方向にずり落として放出するようにする。
【0038】
これにより、このベール荷受台h上に荷受けしたロールベールBは、例えば、前述した図11において鎖線Iに示しているように、ベール荷受台hを、ダンプフレームbの前面側に位置させた状態において反転回動させることで、ラッピングマシンAの走行路から一側(図において右方)に外した位置にロールベールBを放出でき、また、図11において鎖線IIに示しているように、前方に向け斜めに突出する状態位置において反転回動させることで、ラッピングマシンAの走行路となる前面位置に放出でき、また、図11において鎖線III に示すように、ベール荷受台hを略180度旋回させた状態位置において反転回動させることで、ラッピングマシンAの走行路の他側(図において左方)に放出していけるようになる。
【0039】
このとき、反転回動するベール荷受台hから、軸芯線がベール荷受台hの長手方向に沿う姿勢となって、ずり落ちることで放出されるロールベールBは、図15において鎖線イ・ロに示しているよう軸芯線が上下方向となる姿勢に向けて回動しながら落下していくことで、放出されて接地したときに同図15において実線に示しているよう軸芯線が90度回転して、その軸芯線を縦とした姿勢となって安定し、ロールベールBの縦降ろしが行われるようになる。
【0040】
ベール荷受台hの旋回作動は、そのベール荷受台hに油圧シリンダ等のアクチュエータをダイレクトに連繋して作動させるようにしてよいものであるが、この例においては、図16の斜視図および図17の分解斜視図に示しているように、機体フレーム1の前端側で、その機体フレーム1に支架するベール支承台aの前面から側方に外れた部位に、軸線方向を縦方向とした旋回軸Pを設けて、これに回転フレーム5を旋回自在に嵌装し、この回転フレーム5に、受け台状に形成した支持台3を組み付け、この支持台3にベール荷受台hを載架して組み付けることで、回転フレーム5の回転によりベール荷受台hの旋回が行われるようにしておいて、この回転フレーム5にピニオン6を組み付け、そのピニオン6に噛み合わすラック7を、機体フレーム1に固定装設しておくガイドプレート63にガイドさせて所定方向にスライドするよう機体フレーム1に装架したスライドベース71に一体的に組み付け、このスライドベース71に対し、機体フレーム1に基端側を固定支架せしめた油圧シリンダ70の出入作動するロッド70aの先端側を連結することで、油圧シリンダ70の作動によりラック7を動かしピニオン6を駆動して回転フレーム5ごとベール荷受台hを旋回させるようにしている。
【0041】
ベール荷受台hは、機体の移動走行時または収納舎に収容する際などの、使用しないときには、四周に突出しない状態に格納することが望ましい。このベール荷受台hの格納を、本発明手段においては起立回動させることで行うようにしている。
【0042】
そのため、実施例においては、回転フレーム5に組み付け支架する支持台3は、それの基端側に設けた軸穴33と回転フレーム5に設けた軸穴50とに嵌挿する水平な方向の支点ピン51により連結して、支持台3が回転フレーム5に対しその支点ピン51中心に上下に自在に回動するように支架し、かつ、その支持台3の基端側に横架した横杆34を、前記回転フレーム5に一体に連結させて組み付けた支え板52に上向きに形設しておく係止凹部53に嵌合させて支承させることで、略水平な姿勢からの下降回動が阻止される状態として連結しておいて、支点ピン51中心とする支持台3の起立回動で、ベール荷受台hが起立して機体フレーム1に装架したベール支承台aに沿う格納状態になるようにしている。
【0043】
さらに、ベール荷受台hは、ラップし終えたロールベールBを荷受けして運搬時の荷台とする役割と、荷受けしたロールベールBを機体の周囲の所望の位置に放出する役割との他に、ベール支承台a上から軸芯線を横方向とした姿勢で転動して放出されるロールベールBを、軸芯線が縦方向となる縦の姿勢に変換させて放出する縦降ろし装置の役割を果たすようにしている。
【0044】
このことから、ベール荷受台hは、支持台3上に載置してそれに一体的に組み付けて支架せしめる際、そのベール荷受台hの先端側が支持台3の先端から突出するように載架し、それの長手方向の中間部における両側に開設した軸穴3aと、支持台3の先端側に設けておく軸穴3bとに、反転軸30を挿通して、その反転軸30中心にベール荷受台hの先端側が自然に下降回動していくようにバランスさせて組み付け支架し、ベール荷受台hと支持台3との間には、先端側においては、ベール荷受台hの先端側を反転軸30中心に上向き回動させるよう働くバネ31としてガススプリングを渡架し、これにより支持台3上にベール荷受台hが水平な姿勢を保持して組み付け支架された状態とし、かつ、この状態に保定するロック機構4を解除自在に設けて、それがロック状態にあることで、ロールベールBの荷受けが支障なく行われ、また、このロック機構4の解除作動で、荷受けしたロールベールBの圃場面への放出が行われるようにしている。
【0045】
このためのロック機構4は、実施例では、反転軸30を中心として反転可能に支持台3上に支架するベール荷受台hの基端側に寄る部位に、ロックピン40と嵌合する嵌合穴42を具備する係合金具41を設けておき、また、支持台3の基端側に寄る部位には、前記ロックピン40をスライド自在に保持する保持金具43を設けておいて、これに保持せしめたロックピン40が、バネ44の付勢により押し出されて前述の係合金具41の嵌合穴42と嵌合することにより、ベール荷受台hの反転軸30中心とする反転回動の動作をロックするように構成している。
【0046】
そして、このロックピン40には、図18にあるように、軸460中心に回動する解除アーム46を連繋させて、この解除アーム46の回動作動で、図19にあるようにロックピン40が係合金具41の嵌合穴42から脱出してロックが解除されるようにしている。
【0047】
また、このロック機構4を解除作動させたときに、それにより自動的にロールベールBの放出作動が行われるようにするため、ベール荷受台hの反転回動を可能とする反転軸30は、ベール荷受台h上にロールベールBを、軸芯線が横方向となる横倒しの姿勢として載架したときに、そのロールベールBの重芯G位置よりもベール荷受台hの基端側に寄る位置に設定して設けている。
【0048】
これにより、ベール荷受台h上にロールベールBを載架した状態で、例えば、前述のロックピン40または解除アーム46に、油圧作動のアクチュエータ(図示省略)または電動作動のソレノイド(図示省略)を連繋しておいて、それの作動によりロックピン40を動かしてロックを解除すれば、ベール荷受台hは、ロールベールB自体の重量により反転軸30中心に基端部において、引張側にのみ働き左端側には殆ど抵抗のないダンパー32の働きでゆっくり反転回動し、載架支承しているロールベールBを、それの軸芯線が直立する方向に傾斜回動させながらずり落として、圃場面にロールベールBの軸芯線方向の端壁を当接させた直立した姿勢として放出するようになる。
【0049】
このロールベールBの放出が終了すると、ベール荷受台hは前述のガススプリングよりなるバネ31の作動で水平な姿勢に復元回動する。
【0050】
このロールベールBの放出を終えたとき、ロック機構4を作動させて、水平な姿勢を保持し続けるようにロックし、油圧シリンダ70を作動させてロッド70aを引き込ませることで、ピニオン6が逆に回転してベール荷受台hは、ベール支承台aの前面位置まで旋回してくる。このとき、ベール支承台a上のロールベールBが、図20にあるように既にラップし終えていれば、ダンプフレームbのダンプ回動でそのロールベールBが図21〜図26の順でベール荷受台hに転げ出して荷受けされる。
【0051】
このときの、ベール荷受台hを位置させる荷受位置であるベール支承台aの前面位置は、ベール支承台aを支持しているターンテーブルgに設けた補助積込アームeと、ダンプフレームbのダンプ回動で下降してくる積込アームdとの間に位置してくるように設定しておく。これにより、ロールベールBは、積込アームdと補助積込アームeとで抱え持たれた状態でベール荷受台h上に移される。
【0052】
このラップし終えたロールベールBをダンプフレームbのダンプ回動で放出するとき、ストレッチユニットcから繰り出されてロールベールBの周面に巻き付いているプラスチックのフイルムfの繰り出し側は、補助積込アームeと反対側におけるターンテーブルgの外縁部に設けておくタイアンドカット装置kが、図24にあるようにダンプフレームbの傾斜が約45度となってきたときにフイルムfに接触して切断され、その切断した端部がタイアンドカット装置kに保持される。
【0053】
ロールベールBを荷受けしたベール荷受台hは、油圧シリンダ70の押し出し作動で、旋回軸P中心に旋回する。このとき、ベール荷受台hは、図26・図27・図28にあるように、下降させた位置にある積込アームdの上方を通過して旋回するようになる。
【0054】
これにより、図28にあるよう180度旋回したところで、ロック機構4を解除作動させることで、ロールベールBは図29にあるよう反転しながら圃場面に落下し、図30にあるよう縦の姿勢になって安定し、放出が終了する。
【0055】
このとき、次位にラップするロールベールBがなく、ラップ作業が終えていれば、ベール荷受台hは、ロック機構4を作動させて水平な姿勢に保持させ、その状態で起立回動させて格納状態とする。
【0056】
このロック機構4の作動および起立回動の作動は、適宜のアクチュエータを連繋してよいものであるが、実施例手段においては、ベール荷受台hを旋回作動させる油圧シリンダ70を用いて行うようにしている。
【0057】
このため、油圧シリンダ70は、それの押し出し作動でラック7を介しピニオン6を駆動してベール荷受台hを約180度旋回させたときに、押し出し方向のストロークになお余裕があっるように設定して用いている。そして、それの押し出し作動で、ピニオン6を駆動せしめてベール荷受台hを約180度旋回させたとき以後の押し出し作動が、ベール荷受台hを所定角度旋回させた位置に保持した状態で行われるように、ピニオン6を駆動させずに、そのピニオン6に対して空滑りの状態に切り換わって行われるようにしている。
【0058】
そして、このベール荷受台hを所定角度旋回させた後の油圧シリンダ70の押し出し作動を、前述したベール荷受台hを起立回動させる作動機構およびロック機構4の作動と解除を行わす作動機構の駆動に用いるようにしている。
【0059】
そこで、この機構について説明すると、回転フレーム5に組み付けたピニオン6を、それに噛み合わすラック7を油圧シリンダ70の伸び出し作動で駆動して、ベール荷受台hを旋回させる機構は、前述の図17および図18にあるように、回転フレーム5の上面側に組み付けるピニオン6には、それの軸芯部に上面側に突出する軸部60を設けて、これに、後述するコントロールアーム8の基端側のボス部80を遊嵌し、そのボス部80から上方に突出させる前述の軸部60の上端面にガイドローラ61をビス62により組み付け、そのガイドローラ61を、底面側にラック7を組み付けたスライドベース71の庇状の上壁に形設した長穴72に嵌合し、さらにその長穴72から上方に突出するビス62の頭部に、ガイドプレート63の先端側に連結して、そのガイドプレート63の基端側を機体フレーム1に固定する。
【0060】
そして、スライドベース71は、それの上面側に設けたトンネル状のガイド筒73内に前記ガイドプレート63が嵌挿された状態として、底面側に組み付けたラック7を、前述した回転フレーム5の上面に組み付けたピニオン6に噛み合わせ、かつ、そのラック7の基端側にカムプレート74を連続させて、これをスライドベース71に一体的に組み付け、このカムプレート74に、機体フレーム1に基端側を固定連結しておく油圧シリンダ70の出入作動するロッド70aの先端側を連結することで、油圧シリンダ70の伸縮作動によりラック7およびそれと一体に連結するスライドベース71が、機体フレーム1に固定装架したガイドプレート63に規制されて、そのガイドプレート63に沿う方向に動き、このとき、ラック7に噛み合うピニオン6が回動することで、回転フレーム5が旋回し、これに支架してあるベール荷受台hが旋回軸P中心に旋回するようにする。
【0061】
この油圧シリンダ70の作動によりスライドするラック7と噛み合うピニオン6は、それの外周に形設した歯部6aが、略半周に限定されて形設され他半周では切除された形態に形成してあり、従って、図31乃至図42の行程の説明図に示しているように、油圧シリンダ70のロッド70aの伸び出しで、ラック7がピニオン6を駆動して、ベール荷受台hを旋回軸P中心に旋回させる作動を行わせるときに、図34にあるよう、ベール荷受台hを略150度旋回させたところで、ラック7とピニオン6の歯部6aとの噛み合いが終わり、それ以後は、ピニオン6の上面に設けた一対のカムローラ64・65に、ラック7の基端側に接続するカムプレート74に形設してあるカム面74a・74bが接触することで、ピニオン6を旋回させる状態に切り替わる。
【0062】
この状態から、油圧シリンダ70のロッド70aが更に伸び出すことで、カムプレート74の先端側のカム面74aが、図24にあるように、ピニオン6の上面に設けた一対のカムローラ64・65のうちの、ピニオン6の旋回方向における前位のカムローラ64を押し出すことで、拡大図の図39の如く、ピニオン6はさらに旋回する。
【0063】
これにより、図35にあるよう後位のカムローラ65が、カムプレート74の基端側の第2のカム面74bに対向してきて(拡大図の図40)、さらに、油圧シリンダ70のロッド70aでカムプレート74が押し出されることで、図35およびそれの拡大図の図41にあるように、後位のカムローラ65が第2のカム面74bの傾斜面を下降してピニオン6を旋回させ、この後位のガイドローラ65が第2のカム面74bの傾斜面を降り切ることで、図23および拡大図の図42にあるように、ピニオン6およびこれと一体に連結する回転フレーム5に支架したベール荷受台hが略180度旋回した状態となる。
【0064】
この状態となった油圧シリンダ70の伸び出し作動により、ベール荷受台hの起立回動およびロック機構4をオン・オフさせるための連繋機構は、適宜構成してよいものであるが、この実施例においては、前述したコントロールアーム8を用いて行うようにしている。
【0065】
このコントロールアーム8は、前述した図17・図18で説明したように、それのボス部80を、ピニオン6の上面側に設けた軸部60に嵌装することで、その軸部60中心に自在に旋回するように組み付けてある。
【0066】
このコントロールアーム8は、ボス部80の回りの基端側の外周に、前述のカムプレート74の上面の係合ピン75に対し係脱自在に係合する切欠凹部81が設けてあり、また、ボス部80の放射方向に舌片状に延出するアーム部82が設けてあって、そのアーム部82の延出端に二又状の嵌合部83が設けてある。
【0067】
そして、この二又状の嵌合部83は、回転フレーム5の一側位置に組み付けたティルトアーム9のU字状に形成された駆動アーム90に、それを挟み込むように嵌合させてある。このティルトアーム9は、前述した図16・図17にあるように、回転フレーム5に、ベール荷受台hの支え台となる支持台3を起立回動自在に支架する支点ピン51の一方の軸端側に、その支点ピン51中心に回動するように嵌装することで、回転フレーム5の一側に組み付けてあり、支点ピン51の軸方向視において、前述のU字形の駆動アーム90に対しアングル状をなすように突出する作動アーム91を具備し、その作動アーム91の回動端部には、前述の支点ピン51により回転フレーム5に支架される支持台3の横杆34を下方から支える凹部92が設けてある。
【0068】
これにより、前述した図17の斜視図において、矢印ニに示しているように、このティルトアーム9が時計回りに回動することで、支持台3の横杆34を作動アーム91が押し上げて、支持台3を支点ピン51中心に起立回動させ、この支持台3上に載架したベール荷受台hを起立回動させるように作動する。
【0069】
このティルトアーム9の駆動アーム90に対して二又状の嵌合部83を介して係合するコントロールアーム8は、それのボス部80をピニオン6の上面の軸部60に嵌合することで、ピニオン6の上面に重合する状態として配設してあるが、それのボス部80とピニオン6上面の軸部60との嵌合は、自由な回転を許容する遊嵌状態としてあり、油圧シリンダ70の作動で、ラック7およびカムプレート74が押し出されてピニオン6が回動したとき、ピニオン6と一体に連結する回転フレーム5が旋回軸P中心に旋回することで、その回転フレーム5に一体的に組み付けてある前述のティルトアーム9が一緒に旋回軸P中心に旋回することにより、このティルトアーム9に嵌合するコントロールアーム8のアーム部82の先端の二又状の嵌合部83が旋回方向に押されることによって、ピニオン6の軸部60中心に、そのピニオン6と一緒に旋回するようになる。
【0070】
このコントロールアーム8は、ピニオン6が前述の図31に示した状態位置にあるときは、ピニオン6と一体の回転フレーム5に組み付けられるティルトアーム9が、同図31において破線に示している位置を占めることで、同図31で鎖線に示す状態位置にセットされる。そして、この状態位置からピニオン6と一緒に回動して、ピニオン6が略160度回転した図35の状態位置にくると、拡大図の図41にあるように、このコントロールアーム8の基端側に装設してある切欠凹部81が、カムプレート74の上面に形設してある係合ピン75に対向してくるようになり、さらにピニオン6が旋回して、図37にあるよう180度旋回して、一対のカムローラ64・65がカム面74a・74bから脱し、カムプレート74の平らな面74cに当接する図37および拡大図の図42にある状態となると、図45にあるように、コントロールアーム8の切欠凹部81が係合ピン75と係合した状態となる。
【0071】
この状態は、図42にあるように、ピニオン6の上面に設けた一対のカムローラ64・65が、ラック7に接続するカムプレート74に、ラック7のスライド方向と平行するよう形成した平らな面74cに対して衝合することで、ピニオン6はこれに規制されて旋回せずこの状態位置に保持される。そして、油圧シリンダ70がさらに伸び出して、スライドベース71を押し出したときに、それによりカムプレート74は、スライド方向に平行する平らな面74cをカムロール64・65に衝合させた状態でスライドする。
【0072】
従って、油圧シリンダ70は、ベール荷受台hを所定角度旋回させた後は、ピニオン6の駆動から遮断され、かつ、ベール荷受台hを所定の旋回位置に保持せしめて伸び出す状態に切り換わる。
【0073】
この状態からの油圧シリンダ70の伸び出しで、その伸び出し方向にスライドするカムプレート74に設けた係合ピン75により、このコントロールアーム8は、ピニオン6の軸部60に遊嵌するボス部80中心に、図45において反時計回りに駆動回転させられる。
【0074】
このとき、ピニオン6は、それの上面の軸部60を挟む位置に設けた一対のカムローラ64・65が、カムプレート74のスライド方向と平行する平らな面74cに衝合し続けることで、軸部60中心の回転方向の動きが規制され、静止状態に保持される。
【0075】
このため、コントロールアーム8は、静止しているピニオン6の軸部60を支点として駆動回転する。そして、これにより、それの先端の二又状の嵌合部83が回転方向に動き、ここに嵌合しているティルトアーム9のU字型の駆動アーム90をコントロールアーム8の回転方向に押し出す。
【0076】
このティルトアーム9は、ピニオン6が一体的に組み付けてある回転フレーム5に、支持台3を起立回動自在に支架せしめている水平な方向の支点ピン51に対し、ボス部93が遊嵌軸支させてあり、回転フレーム5がピニオン6に連結して静止状態にあることで、回転するコントロールアーム8によりそれの回転方向に駆動アーム90が押されることにより、支点ピン51中心に、前述した図17において矢印ニ方向に回動するよう駆動される。
【0077】
そして、このティルトアーム9の支点ピン51中心とする回動で、それの作動アーム91の先端の凹部92が、それに支承されている支持台3の横杆34を押し上げて、支持台3を支点ピン51中心に図49において時計回りに回動させ、支持台3を起立回動させるようになる。従って、ベール荷受台hを所定角度旋回させた後の油圧シリンダ70の余裕のストロークでベール荷受台hの起立回動の作動が行えるようになる。
【0078】
このように作動するコントロールアーム8およびティルトアーム9は、この例においては、さらに、ベール荷受台hの反転回動をロックするロック機構4の解除作動にも利用するようにしている。
【0079】
即ち、前述のティルトアーム9は、それの駆動アーム90を、図18にあるように、ロック機構4のロックピン40をバネ44の付勢に抗してロック解除の位置に動かす解除アーム46に対し、連繋リンク45を介し連繋することで、油圧シリンダ70の作動によりベール荷受台hを所定角度量旋回させたときの油圧シリンダ70の余裕の伸び出しのストロークによって、コントロールアーム8を回動させ、それによりティルトアーム9を回動させることにより、ロック機構4の解除アーム46を作動させてロック機構4の解除を行わすようにしている。
【0080】
そして、このように、ティルトアーム9を用いてロック機構4の解除アーム46を作動させる際、ティルトアーム9は、常態においては、図18にあるように、それの作動アーム91の回動端部の凹部92と、支持台3に設ける横杆34との間に間隔Dが形成されるように設定しておいて、コントロールアーム8を駆動回転させてティルトアーム9を回動させたときに、そのティルトアーム9の凹部92が間隔Dを埋めて支持台3の横杆34に当接するまでの初期回動で、解除アーム46を駆動してロック機構4を解除作動させ、この後のティルトアーム9の回動で支持台3を起立回動させるようにしている。
【0081】
このため、この油圧シリンダ70の作動で、ベール荷受台hを所定角度量旋回させたとき、油圧シリンダ70を僅かに伸び出させることでロック機構4の解除作動が行われて、ベール荷受台hが反転回動して、その上に載架しているラップ済みのロールベールBが放出され、これにより、ベール荷受台hが水平な姿勢に戻ったところで、さらに油圧シリンダ70を伸び出させることで支持台3が起立回動して、ベール荷受台hを格納位置に起立させるようになる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるラッピングマシンは、ダンプフレームのダンプ回動によりそれに支架してあるベール支承台から放出されるロールベールを、ベール荷受台に荷受けして、それから放出し得るようにしているのだから、そのベール荷受台の突出方向をかえることで、所望の方向にロールベールを放出できる。また、このとき、ベール荷受台を反転回動させることで、ロールベールを縦降ろししていけるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施せるラッピングマシンの平面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】同上の正面図である。
【図4】同上の機体フレームの平面図である。
【図5】同上のダンプフレームの側面図である。
【図6】同上のロールベールの積み込み作業時の説明図で、ダンプフレームをダンプ回動させた状態時の側面図である。
【図7】同上の説明図で、積込アームを下降回動させた状態時の側面図である。
【図8】同上の同上作業時の説明図で、ダンプフレームを引き起こし回動させている状態時の側面図である。
【図9】同上の同上作業時の説明図で、積み込みが完了した状態時の側面図である。
【図10】同上のフレームに装架せるベール荷受台の斜視図である。
【図11】同上ベール荷受台のフレームに対する旋回作動の説明図である。
【図12】同上のベール荷受台の一部破断した正面図である。
【図13】同上ベール荷受台の反転回動の説明図で、反転回動の初期の状態時の正面図である。
【図14】同上の反転回動がさらに進んだ状態時の正面図である。
【図15】同上の反転回動によりロールベールが放出された状態時の正面図である。
【図16】同上の縦の旋回軸により旋回するようフレームに支架したベール荷受台の斜視図である。
【図17】同上ベール荷受台の分解斜視図である。
【図18】同上ベール荷受台のロック機構部の一部破断した正面図である。
【図19】同上ロック機構部のロック解除時の一部破断した正面図である。
【図20】同上ラッピングマシンの、ラップし終えたロールベールを、ベール荷受台上に放出する作動の説明図で、作動開始前の側面図である。
【図21】同上の説明図で、ダンプフレームのダンプ回動を開始した状態時の側面図である。
【図22】同上のダンプフレームのダンプ回動がさらに進んだ状態時の側面図である。
【図23】同上のダンプフレームのダンプ回動が略45度になって、タイアンドカット装置が作動してきた状態時の側面図である。
【図24】同上のダンプフレームのダンプ回動で、ロールベールがベール支承台から転動し出した状態時の側面図である。
【図25】同上のダンプフレームのダンプ回動で、ロールベールが、ベール荷受台上に荷受けされた状態時の側面図である。
【図26】同上のベール荷受台によるロールベールの荷受けが終了した状態時の側面図である。
【図27】同上のロールベールを荷受けしたベール荷受台を、90度旋回させた状態時の側面図である。
【図28】同上のベール荷受台を180度旋回させた状態時の側面図である。
【図29】同上のベール荷受台を180度旋回させた位置においてロック機構を解除して反転回動を開始させた状態時の側面図である。
【図30】同上のベール荷受台の反転回動によりロールベールの放出が終えた状態時の側面図である。
【図31】同上の旋回機構部のラックとピニオンとが、ベール荷受台を旋回させる行程の説明図で、始動時の平面図である。
【図32】同上の説明図でピニオンが約30度回転した状態時の平面図である。
【図33】同上のピニオンが約90度回転した状態時の平面図である。
【図34】同上のピニオンが約150度回転した状態時の平面図である。
【図35】同上のピニオンが約160度回転した状態時の平面図である。
【図36】同上のピニオンが約170度回転した状態時の平面図である。
【図37】同上のピニオンが約180度回転した状態時の平面図である。
【図38】同上のピニオンとラックとの関係位置の説明図で、図31の状態時の拡大図である。
【図39】同上の説明図で、図34の状態時の拡大図である。
【図40】同上の説明図で、図35の状態時の拡大図である。
【図41】同上の説明図で、図36の状態時の拡大図である。
【図42】同上の説明図で、図37の状態時の拡大図である。
【図43】同上のピニオンとコントロールアームとの関係位置の説明図で、ピニオンが約150度回転してきてコントロールアームの切欠凹部81が、係合ピン75に近づいてきた状態時の平面図である。
【図44】同上のコントロールアームの切欠凹部が係合ピンに嵌合し出した状態時の平面図である。
【図45】同上のコントロールアームの切欠凹部が係合ピンに嵌合して、コントロールアームとカムプレートが結合した状態時の平面図である。
【図46】同上のコントロールアームが、カムプレートとティルトアームとに連繋している状態を説明する平面図である。
【図47】同上のコントロールアームが、油圧シリンダの作動で、ボス部中心に駆動回転し始めた状態時の説明図である。
【図48】同上のコントロールアームの回転で、ティルトアームが駆動される状態の説明図である。
【図49】同上のコントロールアームとティルトアームと支持台との連繋関係を示す説明図である。
【図50】同上のコントロールアームの駆動回転により支持台が起立回動した状態の説明図である。
【符号の説明】
A…ラッピングマシン、B…ロールベール、D…間隔、G…重芯、P…ベール荷受台hの旋回軸、T…トラクタ、a…ベール支承台、b…ダンプフレーム、c…ストレッチユニット、d…積込アーム、e…補助積込アーム、f…フイルム、g…ターンテーブル、h…ベール荷受台、k…タイアンドカット装置、w…ベール荷受台hの旋回機構、1…機体フレーム、1a…メインフレーム、1b…車体フレーム、10…走行輪、11…牽引杆、12・13…アクチュエータ、14…支点軸、15…ステー、16…ストレッチユニットの取付枠、17…ターンテーブルgの旋回軸、2…支持枠、20…アクチュエータ、21・22…リンク杆、3…支持台、3a・3b…反転軸の軸穴、30…反転軸、31…バネ、32…ダンパー、33…基端側の軸穴、34…横杆、4…ロック機構、40…ロックピン、41…係合金具、42…嵌合穴、43…ロックピン40の保持金具、44…バネ、45…連繋リンク、46…解除アーム、460…軸、5…回転フレーム、50…軸穴、51…支点ピン、52…支え板、53…係止凹部、6…ピニオン、6a…歯部、60…上面の軸部、61…ガイドローラ、62…ビス、63…ガイドプレート、64・65…カムローラ、7…ラック、70…油圧シリンダ、70a…ロッド、71…スライドベース、72…長穴、73…ガイド筒、74…カムプレート、74a・74b…カム面、74c…平らな面、75…係合ピン、8…コントロールアーム、80…ボス部、81…切欠凹部、82…アーム部、83…二又状の嵌合部、9…ティルトアーム、90…駆動アーム(U字型)、91…作動アーム、92…凹部、93…ボス部。
Claims (8)
- フレームに、ラップすべきロールベールを支承させるベール支承台と、そのベール支承台上に支承せしめたロールベールに巻き付けるフイルムを繰り出すストレッチユニットと、そのストレッチユニットから繰り出されるフイルムをロールベールの周面に巻き付ける旋回機構とを組み付け装架せしめてなるベールラッパにおいて、それのベール支承台を、フレームに対しダンプ回動するよう支架せしめるダンプフレーム上に装架し、このダンプフレームのダンプ回動方向の前面側にダンプフレーム上のベール支承台から放出されるロールベールを受け止めて荷受けするベール荷受台を配位して、そのベール荷受台を、ダンプフレームの前面位置と、そのダンプフレームの前面側を開放して側方に退避した退避位置とに切り替え自在にフレームに装架せしめてなるラッピングマシン。
- ベール荷受台を、ベール支承台から軸芯線の方向が横方向となる横倒しの姿勢で放出されるロールベールをその姿勢のまま受け止める横長の樋状で、かつ、それの長手方向と直交する方向の反転軸により反転可能に形成しておくことを特徴とする請求項1記載のラッピングマシン。
- ベール支承台を上面側に装架してダンプ回動するようフレームに支架するダンプフレームの、それのダンプ回動方向と直交する方向における側端部に、アーム支持枠を立設して、そのアーム支持枠の前記ダンプ回動方向における前端側の上部に、平面視においてダンプフレームのダンプ回動方向の前面側を左右に横切る積込アームをアクチュエータの作動により上下に回動するよう設け、ベール荷受台を、それをダンプフレームの前面位置に切り替えたときに、前記積込アームとダンプフレームの前面側との間に位置してくるように配位してフレームに装架せしめることを特徴とする請求項1または請求項2記載のラッピングマシン。
- ベール荷受台をそれの基端側に組み付ける竪方向の支点軸を介し旋回自在にフレームに支架して、その支点軸中心の旋回によりダンプフレームの前面位置と側方の退避位置とに切り替わるようにするとともに、そのベール荷受台の基端側に組み付ける横方向の支点ピンにより起伏回動するようフレームに支架して、側方の退避位置への旋回位置における起立回動により格納状態とし得るようにすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のラッピングマシン。
- フレームに支架したダンプフレームより外側におけるフレームの側端部に、竪方向の支点軸により旋回する回転フレームを装架して、その回転フレームに横方向の支点ピンにより起伏回動するティルトフレームを支架し、このティルトフレーム上にベール荷受台を、それの長手方向の一端側が該ティルトフレームから突出するよう載架して、それの長手方向の中間部をその長手方向を横切る方向の反転軸を介しティルトフレームに反転回動可能に装架することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載のラッピングマシン。
- フレームに支架する回転フレームに、アクチュエータの作動によりその回転フレームを支点軸中心に旋回作動させる旋回駆動機構を連繋し、回転フレームに横方向の支点ピンを介し起伏回動自在に支架せるティルトフレームに、アクチュエータの作動によりそのティルトフレームを支点ピン中心に起立回動させる起立駆動機構を連繋し、ティルトフレームとベール荷受台との間に、反転軸によるベール荷受台の反転回動を規制するロック機構をロック解除自在に装設することを特徴とする請求項4記載のラッピングマシン。
- 回転フレームを旋回さす旋回駆動機構を作動させるアクチュエータを、ティルトフレームを起立回動させる起立駆動機構に対し、前記旋回駆動機構がベール荷受台を所定角度旋回させることで係合してくる係合手段を介して連繋し、一つのアクチュエータによりベール荷受台を旋回させた後にそのベール荷受台の起立回動を行わすことを特徴とする請求項5記載のラッピングマシン。
- ベール荷受台の反転回動をロックするロック機構を、ティルトフレームを起立回動させる起立駆動機構に、その起立駆動機構の初期作動によりロック機構の解除作動を行わすように連繋して、ベール荷受台の起立回動が、ベール荷受台の反転回動後に行われるようにしたことを特徴とする請求項5または請求項6記載のラッピングマシン。
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