JP3840713B2 - エポキシ基を有するマクロモノマーおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合体中にエポキシ基を有し且つ片末端にウレタン結合を介して不飽和二重結合を有するマクロモノマー、その製造方法、および前記のマクロモノマーを用いて得られるグラフトポリマーに関するものである。
本発明のマクロモノマーを用いて得られるグラフトポリマーは、エポキシ基が枝部分に局在したグラフトポリマーであって、溶解性や反応性に特色のある、溶剤系硬化型塗料、エマルジヨン塗料、エポキシ系接着剤、プライマー、シーラント、成形材料などとして有用に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
重合体の片末端に重合性の官能基を有する高分子量のモノマー、いわゆるマクロモノマーは、枝の分子量や本数を制御したグラフトポリマーをつくる原料として有用なことが知られている。さらに、重合体中に反応性の基を有するマクロモノマーは広く応用が期待される。しかしながら、エポキシ基を有するマクロモノマーは合成上の困難さから、製造されていない。
【0003】
例えば、リビング重合ではエポキシ基等を有する極性モノマーの利用には保護基が必要であり、製造工程が著しく複雑になる。また、ラジカル重合法でマクロモノマーを合成する場合は末端基変換を伴うので、末端基変換反応に関与するような官能基は、マクロモノマーの重合体骨格中に組み込めない。例えば、末端にカルボキシル基を有するポリマーに対してエポキシ基と重合性二重結合の両方を有する化合物を付加反応させる方法では、該ポリマー中にエポキシ基含有モノマーが存在すると、前記末端カルボキシル基が、該付加反応時に、同時にポリマー中のエポキシ基と反応して架橋を生ずるため、実用的なマクロモノマーを製造することができない。
【0004】
上記した方法以外のマクロモノマーの製造法としては、末端にヒドロキシ基を有するポリマーに対して、ジイソシアネート化合物、および水酸基と重合性二重結合を有する化合物を反応させて重合性二重結合を導入するポリマーを製造する方法も知られている(特開昭59−215372号公報)。しかしながら、この方法による場合は、ジイソシアネート化合物の両側に末端ヒドロキシ基を有するポリマーが付加した重合性二重結合を持たないポリマーの生成、逆にジイソシアネート化合物の両側に重合性二重結合を有する化合物が付加した2個の重合性二重結合を有する架橋性の低分子化合物の生成などの副反応が生じ易く、目的とする重合性二重結合を有するマクロモノマーを円滑に製造できないという問題がある。
【0005】
また、分子の片末端にヒドロキシル基を有するポリマーにメタクリロイルイソシアナートを付加反応させてメタクリロイル基を有するマクロモノマーを製造する方法(特開平2−92913号公報)、分子の片末端にヒドロキシル基を有するポリマーにイソシアナートエチルメタクリレートを付加反応させてメチルメタクリレート基を有するマクロモノマーを製造する方法(特公平7−39382号公報)などが知られているが、これらの方法によって重合体骨格中にエポキシ基を有するマクロモノマーが製造されたということは報告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、分子の片末端に重合性二重結合を有すると共に重合体骨格中にエポキシ基を有するマクロモノマーを提供することである。
そして、本発明の目的は、上記したマクロモノマーの円滑な製造法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、上記したマクロモノマーを用いて形成したエポキシ基をその枝部分に有するグラフトポリマーを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく色々研究を重ねた結果、本発明者らは、エポキシ基を有する重合体の片末端にウレタン結合を介して特定のラジカル重合性基を結合させたマクロモノマーの製造に成功し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、エポキシ基を有する重合体の片末端に下記の一般式(I);
【0009】
【化6】
CH2=C(R1)−R2−NH−COO− (I)
(式中、R1は水素または低級アルキル基、R2は2価の有機基を示す)
で表される基を有するマクロモノマーであって、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下にエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して得られた分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体に、一般式:CH 2 =C(R 1 )−R 2 −NCO(式中、R 1 は水素または低級アルキル基、R 2 は2価の有機基を示す)で表されるイソシアネート化合物を反応させて得たものであることを特徴とするマクロモノマーである。
【0010】
そして、本発明は、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下にエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して得られた、分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体と、下記の一般式(III);
【0011】
【化7】
CH2=C(R1)−R2−NCO (III)
(式中、R1は水素または低級アルキル基、R2は2価の有機基を示す)
で表されるイソシアネート化合物を反応させることを特徴とするマクロモノマーの製造方法である。
【0012】
さらに、本発明は、一般式(I)で表される基を片末端に有する上記した本発明のマクロモノマーを、単独で重合させるか、エポキシ基と反応性の基を有しない他の不飽和モノマーと共重合させるか、または他の重合体にグラフト結合させて得られるグラフトポリマーである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のマクロモノマーは、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下にエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して得られた分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体に、一般式:CH 2 =C(R 1 )−R 2 −NCO(式中、R 1 は水素または低級アルキル基、R 2 は2価の有機基を示す)で表されるイソシアネート化合物を反応させて得られた、下記の一般式(I);
【0014】
【化8】
CH2=C(R1)−R2−NH−COO− (I)
(式中、R1は水素または低級アルキル基、R2は2価の有機基を示す)
で表される基[以下「二重結合含有基(I)」ということがある]を、エポキシ基を有する重合体片の片末端に有するラジカル重合性のマクロモノマーである。
【0015】
本発明のマクロモノマーにおいて、その片末端に結合した上記の一般式(I)で表される基[以下これを「基(I)」ということがある]において、R1は水素または低級アルキル基であり、R2は2価の有機基である。
基(I)において、R1としては、例えば水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などを挙げることができ、そのうちでも水素またはメチル基であるのが好ましい。
【0016】
また、基(I)において、R2はエポキシ基やイソシアネート基などと反応性の活性基を有せず且つ重合性の不飽和基を有しない2価の有機基であればいずれでもよいが、そのうちでも非反応性の2価の炭化水素基であることが好ましい。R2の好ましい例としては、2価の飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基、シクロアルキレン基など)、芳香族環を有する2価の炭化水素基(アリーレン基、アルアリーレン基など)などを挙げることができ、より具体的には炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、フェニレン基、ベンジル基、アルキル置換ベンジル基、ナフチレン基などを挙げることができる。
そのうちでも、R2は、シクロアルキレン基、フェニレン基、ベンジル基、アルキル置換ベンジル基、ナフチレン基などのようなバルキーな構造を有する2価の炭化水素基であることが、マクロモノマーの製造の容易性などの点から好ましく、下記の化学式(II);
【0017】
【化9】
で表されるα,α−ジメチルベンジル基であることが、マクロモノマーの製造の容易性、基(I)をマクロモノマーに導入するための原料化合物の安全性などの点からより好ましい。
上記の化学式(II)で表されるα,α−ジメチルベンジル基において、ベンゼン核に対するジメチルメチレン基[−C(CH3)2−]の結合位置はいずれでもよいが、基(I)の末端の不飽和基[CH 2 =C(R1)−]に対してメタの位置にあるのが、マクロモノマーの製造に用いる不飽和基導入用化合物の入手の容易性などの点から好ましい。
【0018】
本発明のマクロモノマーは、前記の基(I)を付与させるための骨格となる重合体部分が、架橋構造や三次元網状構造になっておらずに実質的に鎖状構造をなしていることが、マクロモノマーの取り扱い性、マクロモノマーを用いて枝部分にエポキシ基を有するグラフトポリマーを製造する際の製造反応の容易性などの点から好ましい。
【0019】
本発明のマクロモノマーは、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下に、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合させて得られる、分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体(以下「プレポリマー」ということがある)と、特定のイソシアネート化合物から製造される。
【0020】
プレポリマーの製造に用いられる上記したエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルビニルエーテル、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド、メチルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、そのラクトン変性物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
また、プレポリマーの製造に用いられるイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチルなどのような(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸のアルアルキルエステル;スチレン、α−アルキルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル;パーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル;塩化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;ハロゲン化ビニリデン;テトラフロロエタン;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0022】
プレポリマーの製造に用いられる水酸基を有するメルカプト化合物は、連鎖移動剤であり、これを用いることにより、ポリマーの片末端に水酸基が導入される。かかるメルカプト化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、4−メルカプトブタノールなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、2−メルカプトエタノールが入手の容易性などの点から好ましく用いられる。
【0023】
また、マクロモノマーにおけるエポキシ基の含有量はマクロモノマー、およびそれから形成するグラフトポリマーの用途などに応じ調節できるが、マクロモノマーのベースをなすプレポリマーが、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下に、上記したエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して得られるポリマーである本発明では、不飽和モノマーの合計重量に基づいて、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーを5〜80重量%の割合で用いて形成したポリマーであることが好ましく、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーを10〜70重量%の割合で用いて形成したポリマーであることがより好ましい。
プレポリマーの形成に用いるエポキシ基を有する不飽和化合物の使用量が5重量%の未満であると、マクロモノマーを用いて得られるグラフトポリマー中のエポキシ基が少なすぎて塗料や接着剤等に利用する際に硬化性や反応性が発現できないことがあり、一方80重量%を超えるとプレポリマー製造中に副反応をおこし易い。
【0024】
そして、本発明のマクロモノマーの分子量は任意に変え得るが、一般に数平均分子量で1000〜20000の範囲が好ましく、2000〜10000であるのがより好ましい。マクロモノマーの分子量が小さすぎると、本発明のマクロモノマーと、グリシジルメタクリレートなどのようなエポキシ基および重合性二重結合を有する低分子量化合物との間の差が無くなり、マクロモノマーとしての特徴がみられなくなる。逆にマクロモノマーの分子量が大きくなりすぎると、溶液粘度が高くなって、グラフトポリマーの製造が困難になったり、グラフトポリマーにおけるグラフト率の低下などが生じ易くなる。
【0025】
本発明のマクロモノマーの製造法としては、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下に、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合させて得られる、分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体、すなわちプレポリマーと、下記の一般式(III);
【0026】
【化10】
CH2=C(R1)−R2−NCO (III)
(式中、R1は水素または低級アルキル基、R2は2価の有機を示す)
で表されるイソシアネート化合物[以下これを「イソシアネート化合物(III)」ということがある]を反応させる方法を挙げることができる。
【0027】
イソシアネート化合物(III)において、R1およびR2としては、基(I)に関して上記で説明したのと同じ基が採用できる。
そして、上記したように、R1が水素またはメチル基であるのが好ましく、R2が2価の飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基、シクロアルキレン基など)、芳香族環を有する2価の炭化水素基(アリーレン基、アルアリーレン基など)など、より具体的には炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、フェニレン基、ベンジル基、アルキル置換ベンジル基、ナフチレン基などであるのが好ましい。特に、R2が、シクロアルキレン基、フェニレン基、ベンジル基、アルキル置換ベンジル基、ナフチレン基などのようなバルキーな構造を有する2価の炭化水素基であるイソシアネート化合物(III)が好ましく用いられ、R2が上記の化学式(II)であるイソシアネート化合物(III)がより好ましく用いられる。
特に、本発明では、マクロモノマーを製造するためのイソシアネート化合物(III)として、下記の化学式(V);
【0028】
【化11】
で表される3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートがさらに好ましく用いられる。この3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートは、メタクリロイルイソシアネートやイソシアネートエチルメタクリレートなどの重合性二重結合を有する他のイソシアネート化合物に比べて、そのイソシアネート基の反応性がはるかにマイルドであり、そのため、取扱い時に水分と副反応をおこし難く、また人体に対する有害性も低く、工業的に利用可能であり、マクロモノマーの製造原料中に多少の水分などが含まれても副反応などをあまり生ずることなく目的とするマクロモノマーを円滑に製造することができる。
その理由は明確ではないが、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート1分子が水と反応した後、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル部分の疎水性と立体障害から2ケ目の3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートが近づきにくいことによるものではないかと推定される。
【0029】
プレポリマーとしては、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下に、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合させて得られる、架橋構造や三次元網状構造になっておらずに実質的に鎖状構造をなしている、数平均分子量が1000〜20000、特に2000〜10000のプレポリマーが好ましく用いられる。
【0030】
また、プレポリマーにおけるエポキシ基の含有量は、マクロモノマーの用途、マクロモノマーから形成するグラフトポリマーの用途などに応じ調節できるが、上記したように、プレポリマーの製造に用いる重合性不飽和モノマーの全重量に基づいて、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーの使用割合が5〜80重量%、好ましく10〜70重量%になるようにしてプレポリマーを製造するのがプレポリマーの製造中の副反応の防止、プレポリマーとイソシアネート化合物(III)との反応により得られるマクロモノマーの性質、さらにはそのマクロモノマーを用いて得られるグラフトポリマーの性質などの点から好ましい。
【0031】
上記プレポリマーの製造に当たっては、通常のラジカル重合を行えばよく、ラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤などを用いることができ、そのうちでもアゾ系開始剤がメルカプト化合物との副反応を避けることができ好ましく用いられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、プレポリマーの製造に用いる重合性不飽和モノマーの全重量に基づいて通常0.05〜10重量%とするのが好ましく、重合温度は通常50〜200℃の温度が好ましく用いられる。
また、プレポリマーの製造に用いる重合溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどエーテル類などが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0032】
上記したプレポリマーとイソシアネート化合物(III)との反応に当たっては、反応系における含水量を500ppm以下にしておくことが、望ましくない副反応などを防止する上で好ましく、さらに好ましい含水量は200ppm以下である。
また、イソシアネート化合物(III)同士の重合反応を防止するために、イソシアネート化合物(III)を溶媒で希釈して反応系に添加したり、反応液に重合禁止剤を加えたりすることも、可能である。
【0033】
イソシアネート化合物(III)とプレポリマーとの反応に当たっては、イソシアネート化合物(III)におけるイソシアネート基の活性の強さなどに応じて、必要に応じてウレタン形成化触媒を用いてもよく、また加熱下に反応を行ってもよい。その場合のウレタン化触媒としては、ウレタン反応において通常用いられる触媒のいずれも使用でき、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫ジラウレート、テトラブチルジアセトキシジスタノサン等の錫化合物、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛化合物、アミン類、アミン塩類、およびそれらの2種以上を組み合わたものなどを挙げることができる。ウレタン化触媒を用いる場合は、通常50〜2000ppm程度の添加量にするとよい。
特に、イソシアネート化合物(III)として3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートを用いる場合は、そのイソシアネート基の活性がマイルドであるので、上記したウレタン形成用触媒の1種または2種以上を反応系に添加し、加熱下にプレポリマーの形成反応を行うことが好ましい。
【0034】
イソシアネート化合物(III)の使用量は、プレポリマーの片末端の水酸基に対して1.0〜2.0倍モルであるのが好ましい。イソシアネート化合物(III)の使用量が前記した1.0倍モルより少ないと、イソシアネート化合物(III)が不足して、重合性二重結合が片末端に導入されないポリマーが残留してしまい、目的とするマクロモノマーが円滑に得られにくくなる。一方、イソシアネート化合物(III)の使用量が前記した2.0倍モルを超えると反応しないイソシアネート化合物(III)が不純物としてマクロモノマー中に多量に残ってしまい、マクロモノマーを他のモノマーと共重合してグラフトポリマーを製造する際に、共重合挙動を変えたり、グラフトポリマーの物性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0035】
プレポリマーとイソシアネート化合物(III)を反応させた後は、反応系、ひいてはマクロモノマー中に残留するイソシアネート化合物(III)を不活化処理することが好ましい。その際の不活化方法としては、残留しているイソシアネート化合物(III)中のイソシアネート基と反応する単官能性化合物を添加して行うのがよい。
その場合の単官能化合物としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の脂肪族アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、ベンジルアルコール等の芳香族化合物、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等のオリゴマーメチルアルコールなどの単官能性アルコール類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミンなどの二級アミンなどを挙げることができ、それらは単独で使用しても、または2種以上を用いてもよい。そのうちでも、反応処理後の着色防止のため、単官能アルコールが好ましく用いられる。
また、前記した単官能化合物は、残留しているイソシアネート化合物(III)に対して1.0〜5.0倍モルの割合で加えるのが望ましい。
【0036】
そして、上記した反応によって、重合体骨格中にエポキシ基を有し且つ片末端に上記の一般式(I)で表される基を有するマクロモノマーが得られる。
そのマクロモノマーはグラフトポリマーの製造などに有効に使用でき、それにより得られるグラフトポリマーは、エポキシ基を有する塗料、接着剤、プライマー、シーラント、成形材料等として種々の用途に有効に使用することができる。グラフトポリマーの重合度やグラフトポリマーの幹部分の構造などは、グラフトポリマーの用途などに応じて適宜選択することができ、特に制限されない。
【0037】
グラフトポリマーの製造法も特に制限されないが、例えば、(i)該マクロモノマーを単独で重合させる方法、(ii)該マクロモノマーをエポキシ基と反応性の基を有しない他の不飽和モノマーと共重合させる方法、(iii)該マクロモノマーを他の重合体(幹ポリマー)にグラフト結合させる方法などを採用することができる。
上記(i)〜(iii)の方法は、いずれも、アゾ系開始剤や過酸化物系開始剤などのラジカル重合開始剤を用いて、好ましくは不活性溶媒中で、行うことができる。
【0038】
そして、上記(ii)の方法においては、マクロモノマーと共重合させるエポキシ基と反応性の基を有しない他の不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチルなどのような(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸のアルアルキルエステル;スチレン、α−アルキルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル;パーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル;塩化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;ハロゲン化ビニリデン;テトラフロロエタン;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0039】
さらに、上記(iii)の方法においては、他の重合体(幹ポリマー)としてはマクロモノマー中のエポキシ基と反応性の基を有しない重合体であればいずれも使用可能であり、例えば、上記(ii)に関して例示した不飽和モノマーの1種または2種以上の重合により得られたポリマーなどを挙げることができる。また、場合によってはマクロモノマーをグラフト結合させる幹ポリマーは、縮合重合、開環重合などによって形成されたものであってもよい。特に、幹ポリマーがマクロモノマーの片末端の不飽和二重結合と反応性の基を有しているポリマーである場合は、この(iii)の方法によってもグラフトポリマーが円滑に製造される。
【0040】
【実施例】
以下に実施例などにより、本発明について更に具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例において、部は重量部を意味する。
【0041】
《実施例1》
(1) トルエン100部と2−メルカプトエタノール1.1部の混合液を90℃に加熱・攪拌し、窒素気流を流しながら、メタクリル酸ブチル90部、グリシジルメタクリレート10部、およびアゾビスイソブチロニトリル1部を4時間かけて滴下した。さらに2時間加熱して、数平均分子量7000のエポキシ基を有し且つ片末端にヒドロキシル基を有するプレポリマーを含有するトルエン溶液を得た。
(2) 上記(1)で得られたプレポリマー含有トルエン溶液にジブチル錫ジラウレート0.1部を加え、モレキュラーシーブで脱水し、含水量が200ppm以下になったところで、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート4.3部(2−メルカプトエタノールの1.5倍モル)をトルエン10部で希釈した溶液を滴下し、70℃で3時間加熱した。加熱終了時にエタノール0.5部(2−メルカプトエタノールの0.8倍モル)を添加して系中に残留している3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートと反応させてマクロモノマーを含有する溶液を得た。
【0042】
(3) 上記(1)で得られたマクロモノマー溶液についてGPC−UV分析(UV検出器を装着したGPC分析装置による測定)を行ったところ図1のとおり、高分子領域(カウント36〜30)にプレポリマーのピークが見られない。
一方、上記(2)で得られた生成物についてGPC−UV分析を行ったところ図2に示す分析結果が得られ、カウント36〜30の保持時間にベンゼン環による紫外線吸収によって生じるピークが見られた。
よって、これらの結果から、上記(2)で得られた生成物は、重合体中に3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートに由来する末端基が導入されたマクロモノマーであることが確認された。
(4) また、上記(2)で回収されたマクロモノマー14gをエタノール180gに溶解し、撹拌しながらエタノール35gと蒸留水35gの混合液を少しずつ加え、得られた沈澱を真空乾燥した。この乾燥品についてガスクロマトグラフィーおよびGPC分析を行って、未反応モノマーおよび溶剤が除かれていることを確認した。
【0043】
(5) 上記(4)で得られた精製マクロモノマーのGPCによる数平均分子量の測定結果は約10,000であった。また、その精製マクロモノマーについてプロトン−NMR分析を行ったところ、そのNMRチャートは図3に示すとおりであった。そして、図3中の各ピークのうち、5.05ppmと5.35ppmのピーク(プロペニル基のプロトン)、2.7〜3.2ppmにある3本のピーク(エポキシ環のプロトン)および1.4ppmのピーク(ブチル基に由来するプロトン)の強度比を比較することにより、上記(4)で得られた精製マクロモノマーは、メタクリル酸ブチル単位とグリシジルメタクリレート単位を9:1のモル比で有し且つ1分子当たり約1ケのイソプロペニルベンジル基を有するマクロモノマーであることが確認された。
【0044】
《実施例2》
(1) 実施例1の(2)で得られたマクロモノマーを含有する溶液41部(マクロモノマーとして20部)をメチルメタクリレート20部およびトルエン79部とともにフラスコに仕込み、窒素置換した後、90℃にて攪拌しながら、メチルメタクリレート60部、トルエン60部およびアゾビスイソブチロニトリル1部を3時間かけて滴下し、その後2時間90℃に保って、グラフトポリマーを製造した。
(2) 上記(1)で得られたグラフトポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、その数平均分子量が14000、重量平均分子量が49000であった。
【0045】
(3) また、上記(1)で得られたグラフトポリマーのGPC−UV分析を行ったところ、図4に示す分析結果が得られた。そして、図4の分析結果から明らかなように、上記(1)で得られたグラフトポリマーでは、カウント36〜26の範囲の高分子量域の保持時間に、紫外線吸収によるピークが見られないことから、マクロモノマー中の末端イソプロペニル基のすべてが重合に関与してグラフトポリマーが生成していること、また高分子側にショルダー等が見られずゲル化が生じていないことが確認された。
(4) 上記(1)で得られたグラフトポリマーは、その枝部分にエポキシ基を有しているところから、各種塗料、接着剤、プライマー、シーラント、成形材料などとして使用可能である。
【0046】
【発明の効果】
水酸基を有するメルカプト化合物の存在下でエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して得られた分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体に、上記の一般式( III )で表されるイソシアネート化合物を反応させて得られる、分子中にエポキシ基を含有し且つ上記の一般式(I)で表される基を重合体の片末端に有する本発明のマクロモノマーは、それ単独で重合させることにより、他の重合性不飽和モノマーと共重合させることにより、または他のポリマーにグラフト結合させることによって、枝部分にエポキシ基を有するグラフトコポリマーを形成することができ、それにより得られるグラフトポリマーは、枝部分に局在するエポキシ基を利用して、溶解性や反応性に特色のある、溶剤系硬化型塗料、エマルション塗料、エポキシ系接着剤、プライマー、シーラント、成形材料などとして有効に使用することができる。
そして、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下でエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して得られる分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有するポリマーと、上記の一般式(III)で表されるイソシアネート化合物(III)とを反応させる本発明の方法による場合は、目的とするマクロモノマーを円滑に製造することができる。そのうちでも、特にイソシアネート化合物(III)として3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートを用いて上記の方法によりマクロモノマーを製造する場合には、反応系に多少の水分などが含まれていても、望まれないゲル化反応を生ずることなく、マイルドな反応条件下で、目的とするマクロモノマーを円滑に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の(1)で得られた分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有するプレポリマーのUV検出によるGPCクロマトグラムである。
【図2】実施例1の(2)で得られたマクロモノマーのUV検出によるGPCクロマトグラムである。
【図3】実施例1の(4)で得られた精製マクロモノマーのNMRスペクトルである。
【図4】実施例2で得られたグラフトポリマーのUV検出によるGPCクロマトグラムである。
Claims (7)
- エポキシ基を有する重合体の片末端に下記の一般式(I);
で表される基を有するマクロモノマーであって、水酸基を有するメルカプト化合物の存在下でエポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して得られた分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体に、一般式:CH 2 =C(R 1 )−R 2 −NCO(式中、R 1 は水素または低級アルキル基、R 2 は2価の有機基を示す)で表されるイソシアネート化合物を反応させて得たものであることを特徴とするマクロモノマー。 - 上記一般式におけるR2が脂肪族環または芳香族環を有する2価の炭化水素基である請求項1のマクロモノマー。
- 水酸基を有するメルカプト化合物の存在下に、エポキシ基を有する重合性不飽和モノマーおよびイソシアネート基と反応する基を有しない他の重合性不飽和モノマーをラジカル重合して、分子中にエポキシ基を有し且つ片末端に水酸基を有する重合体を製造し、それにより得られる該片末端に水酸基を有する重合体に、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートを、前記のラジカル重合に使用した水酸基を有するメルカプト化合物に対して1.0〜2.0倍モルになる量で反応させ、反応後、反応系に存在する過剰の3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートをその1.0倍モル以上の単官能性アルコールおよび/または二級アミンと反応させて失活処理することを特徴とする、分子中にエポキシ基を有し且つ重合体の片末端に下記の化学式(IV);
- 請求項1〜3のいずれか1項のマクロモノマーを、単独で重合させるか、エポキシ基と反応性の基を有しない他の不飽和モノマーと共重合させるか、または他の重合体にグラフト結合させて得られるグラフトポリマー。
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