JP3840420B2 - Ss伝送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトラム拡散変調信号(以下「SS信号」という)を利用するデータ伝送システム(以下「SS伝送システム」という)に関し、特に、異なる配電系統の商用電力線間でデータ伝送を可能とするSS伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
スペクトラム拡散変調方式を利用するSS伝送システムは、拡散コードを鍵として通信の秘匿性が保て、しかも広帯域に送信電力を分散するので、スペクトラム密度を低くし通信の事実自体をも秘匿できることから、従来より主に軍事用として開発されていた伝送システムである。一方、SS伝送システムは、送信データを広帯域に拡散して送信するものであることから、部分的に伝送線上のノイズより小さい信号電力であってもデータを伝送できるものであり、近年はこの点に着目し、トランジスタ技術1997年5月号第307頁乃至321頁に示すように、商用電力線を信号伝送線として用いる研究が進められている。
【0003】
商用電力線を用いたSS伝送システムは、データ端末機器(被制御機器)との間でSS信号の変復調を行うSS送受信装置を商用電力線に接続し、この商用電力線を信号伝送線として端末機器間のデータ通信を可能とする。従って、商用電力線が配線されている環境であれば、あらたに通信線を配線することがないので、家庭内で電気機器間の制御を行うホームオートメーション(HA)にも利用できる。
【0004】
図6は、商用電力線を用いたSS伝送システムを利用して、家庭内の各部屋に設置されたパソコン間のデータ通信や、エアコン、照明等の電気機器を他の部屋から制御する一例を示す説明図である。
【0005】
図に示すように、家庭内には、6600Vの高圧配電線1から配電用変圧器である柱上変圧器2により100V若しくは200Vに変圧された商用電力線3が、配電盤4を介して屋内に配線され、冷蔵庫、照明器具、パソコンなどの電気機器へ電力を供給している。
【0006】
このうち、SS伝送システムを利用してデータ通信を行う電気機器5、6、7は、商用電力線3に接続し電源の供給を受けるとともに、それぞれ商用電力線3に接続するSS送受信装置8、9、10とデータ通信を行うための通信ケーブルで接続している。
【0007】
例えば、パソコン7からテレビジョン受像機5、エアコン6の動作を制御する場合には、これらの制御データを含む通信信号を、パーソナルコンピュータ7からSS送受信装置10へ出力し、この通信信号をSS送受信装置10により、10KHz乃至450KHzの拡散周波数帯域にあるSS信号に変調して商用電力線3へ重畳させる。
【0008】
商用電力線3に接続するSS送受信装置8、9は、それぞれ商用電力線3に重畳するSS信号を通信信号に復調し、テレビ5、エアコン6へ出力し、通信信号に含まれる制御データでこれらの電気機器5、6の動作を制御する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の商用電力線を用いたSS伝送システムは、専用の通信線や通信ケーブルを電気機器間に配設する必要がないことから、家庭内に限らず、工場や企業内のLANにも利用されている。
【0010】
しかしながら、従来のSS伝送システムによるデータ通信は、同一の配電系統に接続された電気機器間に限られ、異なる商用電力線に接続される電気機器との間では、行うことができなかった。
【0011】
すなわち、一方の商用電力線3に接続されているSS送受信装置10から異なる商用電力線に接続されているSS受信装置へSS信号を送信する場合には、図6に示す高圧配電線1と商用電力線3との間に設置されている配電用変圧器2を通過させる必要があり、10KHz乃至450KHzの拡散周波数帯域にあるSS信号は、配電用変圧器を通過する際に大きく減衰し、他方のSS受信装置において通信信号を復調できないものであった。
【0012】
このことから、SS伝送システムの伝送可能範囲が同一の配電系統内に限られるので、例えば、家庭内の電気機器をSS伝送システムを用いて外部から制御することはできなかった。
【0013】
本発明の目的は、異なる配電系統の商用電力線間、若しくは高圧配電線と商用電力線間で、データ伝送を可能とするSS伝送システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1のSS伝送システムは、配電用変電所の二次側から引き出され、複数の配電用変圧器へ電力供給を行う高圧配電線と、第1の配電用変圧器の二次側から引き出され、接地された中性線とT 相側の電圧線とT 相側の電圧線の3線からなり、電気機器へ商用電力を供給する単相3線式の第1商用電力線と、第1商用電力線の中性線とT 相側の電圧線間のT 相電力線又は中性線とT 相側の電圧線間のT 相電力線のいずれかに接続し、通信信号をスペクトラム拡散変調信号に変調し第1商用電力線へ重畳するSS送信装置と、第2の配電用変圧器の二次側から引き出され、接地された中性線とT 相側の電圧線とT 相側の電圧線の3線からなり、電気機器へ商用電力を供給する単相3線式の第2商用電力線と、第2商用電力線の中性線とT 相側の電圧線間のT 相電力線又は中性線とT 相側の電圧線間のT 相電力線のいずれかであって、SS送信装置が接続された電力線と異なる位相のT 相電力線又はT 相電力線に接続し、第2商用電力線に重畳するスペクトラム拡散変調信号を分離し、通信信号に復調するSS受信装置とからなり、
SS送信装置は、通信信号を、拡散周波数帯域が10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調し、スペクトラム拡散変調信号を、第1商用電力線に接続するSS送信装置から、高圧配電線を介して、第2商用電力線に接続するSS受信装置へ送信することを特徴とする。
【0015】
SS送信装置は、通信信号を、拡散周波数帯域が10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調し、第1商用電力線へ重畳し、配電用変圧器を通過させて高圧配電線を介して、第2商用電力線へ送出する。このとき、スペクトラム拡散変調信号は、高圧配電線と第1、第2商用電力線との間に配設される変電用変圧器を通過するが、拡散周波数帯域が10KHz未満であるので、大きく減衰されず、SS受信装置で、第2商用電力線から分離して通信信号に復調できる。
【0016】
【0017】
【0018】
請求項のSS伝送システムは、配電用変電所の二次側から引き出された高圧配電線を一次側として接続する配電用変圧器と、配電用変圧器の二次側から引き出され、接地された中性線とT相側の電圧線とT相側の電圧線の3線からなる単相3線式の商用電力線と、中性線とT相側の電圧線間のT相電力線又は中性線とT相側の電圧線間のT相電力線のいずれかに接続し、通信信号をスペクトラム拡散変調信号に変調し接続するT相電力線又はT相電力線へ重畳するSS送信装置と、SS送信装置が接続されていないT相電力線又はT相電力線に接続し、接続するT相電力線又はT相電力線に重畳するスペクトラム拡散変調信号を分離し、通信信号に復調するSS受信装置とからなり、
SS送信装置は、通信信号を、拡散周波数帯域が10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調し、スペクトラム拡散変調信号を、T相電力線又はT相電力線のいずれか一方に接続するSS送信装置から、位相の異なる他方に接続するSS受信装置へ送信することを特徴とする。
【0019】
SS送信装置は、通信信号を、拡散周波数帯域が10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調し、T相電力線又はT相電力線のいずれか一方へ重畳し、配電用変圧器の二次側の巻線を介して、他方へ送出する。スペクトラム拡散変調信号は、変電用変圧器二次側の巻線を通過するが、拡散周波数帯域が10KHz未満であるので、減衰されず、SS受信装置で、高圧配電線から分離して通信信号に復調できる。また、T相電力線又はT相電力線に、電気機器の端子間ノイズ発生防止用コンデンサが高周波結合していても、拡散周波数帯域が10KHz未満であるのでこれらのコンデンサによる影響を受けて、スペクトラム拡散変調信号が減衰することがない。
【0020】
請求項のSS伝送システムは、SS送信装置が、通信信号を、拡散周波数帯域が2、4KHz以上で10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調することを特徴とする。
【0021】
拡散周波数帯域が2、4KHz以上のスペクトラム拡散変調信号は、商用電力線に接続する電気機器の動作に影響を与えることがない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るSS伝送システムを図1乃至図3及び図6を用いて説明する。尚、上述した従来の構成と同一若しくは相当する構成については、本実施の形態においても、同一番号を付して説明する。
【0023】
図1は、SS伝送システムの全体の概略構成を示す回路図であり、この図に示す高圧配電線1は、77KVを6.6KVに変電する配電用変電所の二次側から引き出された配電線路で、住宅、商店などの小口需要家に電力を供給するために、柱上変圧器である複数の配電用変圧器2、12が接続されている。
【0024】
第1の配電用変圧器2は、高圧配電線1の電圧6600Vを、100V若しくは200Vの低圧に変圧して、一方の商用電力線3へ電力を供給するものであり、ここでは、商用電力線3として、図示するように、配電用変圧器2の2個の低圧巻線2a、2bを直列にし、接地したその接続点から中性線3aを引き出し、T相側の電圧線3bとT相側の電圧線3cと合わせて3線で供給する単相3線式の配電線を用いている。単相3線式の商用電力線3は、電圧降下および電力損失を低減でき電線量を節約できるので、主として小口需要家への電力供給に使用されている。
【0025】
商用電力線3は、配電盤4(図6参照)を介して屋内に配線され、中性線3aと両側の電圧線3b、3cのいずれか2本の線間に接続された電気機器へ電力を供給する。中性線3aと両側の電圧線3b、3c間の電圧は、100Vであり、この間にテレビジョン受像機5など定格100Vの電気機器が接続される。また、電圧線3b、3c間の電圧は、200Vであり、この間にエアコン6など定格200Vの電気機器が接続される。
【0026】
SS送受信装置10は、本発明に係るSS送信装置に相当するもので、図示するように、中性線3aとT相側の電圧線3b間のT相電力線に接続され、この商用電力線3にスペクトラム拡散変調信号(SS信号)を重畳し、また重畳するSS信号を分離する機能を備え、双方向のデータ伝送機能が可能なものとなっている。
【0027】
SS送受信装置10は、また、商用電力線3から100Vの電源電圧を受けて動作するパーソナルコンピュータ7と通信ケーブル11で接続され、パーソナルコンピュータ7と制御信号を含むデジタル信号を送受信する。
【0028】
図2は、このSS送受信装置10の概略構成を示すブロック図であり、図に示すように、通信ケーブル11の端末に接続するCPU20は、通信制御機能を備え、パーソナルコンピュータ7から入力されるデジタル信号を例えば256バイト単位で区切り、電力線のSS伝送システムフォーマットに準拠するパケットに変換し、出力側に接続されたDS−SS(ダイレクトシーケンス−スプレッドスペクトラム拡散)変調部21へ出力する。また、入力側に接続されたDS−SS(ダイレクトシーケンス−スプレッドスペクトラム拡散)復調部25から入力されるパケットのフォーマットとパリティーチェックを行い、通信エラーがなければ、デジタル信号にフォーマット変換し、通信ケーブル11を介してパーソナルコンピュータ7へ出力する。
【0029】
DS−SS変調部21は、CPU20から入力されるパケットの送信データを、内部生成したM系列の擬似雑音符号(以下、M符号という)を用いて、2、4KHz乃至10KHzの拡散周波数帯域に含まれるSS信号に拡散直接変調する。
【0030】
このSS信号は、出力側に接続された増幅器22を介してパルストランス23へ出力され、パルストランス23で、商用電力線3の中性線3aとT相側の電圧線3b間のT相電力線に重畳される。
【0031】
また、他のSS送受信装置から送信され、中性線3aとT相側の電圧線3b間のT相電力線に重畳されたSS信号は、パルストランス23において分離され、増幅器24で増幅され、DS−SS復調部25に入力される。
【0032】
DS−SS復調部25は、内部で、基準クロックに応じて発生させたM符号とその前後で位相の異なるM符号を、それぞれ入力されるSS信号とを比較して符号の一致度を演算し、基準クロックに応じて発生させたM符号が最も一致するように位相をずらせ、これを繰り返すことによりSS信号の同期捕捉を行う。
【0033】
その後、M符号を用いてSS信号をパケット形式の送信データに復調し、後段に接続されたCPU20へ出力する。
【0034】
CPU20では、上述の通り、この送信データをパーソナルコンピュータ7で入力可能なデジタル信号にフォーマット変換して出力するので、パーソナルコンピュータ7では、他のSS送受信装置から送信されるデジタル信号(通信信号)を受信できる。
【0035】
図1に示すように、高圧配電線1には、更に、他の住宅、商店、事務所などへの電力供給を行う為に、中性線13aとT相側の電圧線13bとT相側の電圧線13cからなる単相3線式の商用電力線13が配電用変圧器12を介して接続されている。
【0036】
この中性線13aとT相側の電圧線13c間のT相電力線に、本発明のSS受信装置に相当するSS送受信装置14が接続されている。SS送受信装置14は、図2に示すSS送受信装置10と同様の構成を備えるものなので、その詳細な説明を省略するが、商用電力線13にSS信号を重畳し、若しくは重畳するSS信号を分離し、双方向でのデータ伝送機能が可能なものとなっている。
【0037】
SS送受信装置14には、また、通信ケーブル15を介して、商用電力線13から電源が供給されるパーソナルコンピュータ16が接続されている。パーソナルコンピュータ16は、商用電力線3に接続するパーソナルコンピュータ7から出力される通信信号を他の商用電力線13に接続された電気機器で受信する一例として例示するもので、以下、この伝送について説明する。
【0038】
パーソナルコンピュータ7から送出先(パーソナルコンピュータ16のアドレス)を含む通信信号が通信ケーブル11を介してSS送受信装置10に出力されると、SS送受信装置10は、通信信号を2、4KHz乃至10KHzの拡散周波数帯域に含まれるSS信号を、商用電力線3の中性線3aとT相側の電圧線3b間であるT相電力線に重畳する。
【0039】
図1に示すように、このSS信号は、配電用変圧器2を通過して高圧配電線1へ送出されるが、図3に示すように、配電用変圧器2による信号の減衰は、通過する信号の周波数に大きく依存する。
【0040】
図3は、一次側(高圧配電線1側)の電圧を6300V、二次側(商用電力線3側)の電圧を105Vとする配電用変圧器2について、二次側のT相電力線に、50Hzから10MHzの周波数の信号を重畳し、二次側の電圧変動に対して一次側に表れる電圧変動比を減衰量(dB)として表したもので、配電用変圧器2により減衰しない場合には、20log(6300/105)、すなわち35、6dBとなる。
【0041】
この図に示すように、配電用変圧器2を通過する高周波信号は、10KHzを境に10KHz未満である場合に、35、6dB以下とならず減衰しない。従って、拡散周波数が10KHz未満であるSS信号は、少ないロスで高圧配電線1に重畳し、同様に少ないロスで他の配電用変圧器12を通過し商用電力線13に重畳する。
【0042】
中性線3aとT相側の電圧線3b間のT相電力線に重畳するSS信号は、二つの配電用変圧器2、12を通過することにより、商用電力線13の位相の異なる中性線13aとT相側の電圧線13c間のT相電力線に重畳され、T相電力線に接続されたSS送受信装置14により分離される。SS送受信装置14は、分離したSS信号を通信信号に復調し、パーソナルコンピュータ16のアドレスが含まれる通信信号を、通信ケーブル15を介してパーソナルコンピュータ16へ出力する。
【0043】
SS送受信装置10、14は、それぞれSS信号の変・復調機能を備えているので、同様にして、パーソナルコンピュータ16からパーソナルコンピュータ7へ通信信号を送信することも可能であり、このようにして異なる商用電力線3、13に接続するSS送受信装置10、14間で双方向にSS信号を用いたSS伝送システムが確立できる。
【0044】
尚、SS信号が重畳する商用電力線3、13には、配電盤4内のブレーカの他、冷蔵庫、照明器具、パソコンなどの種々の電気機器が接続されるが、SS信号が通信信号を広帯域に拡散し小さい振幅となっているので、商用電力線3、13の電圧変動は、極めてわずかである。従って、これらの電気機器の動作に影響を与える恐れはないが、商用電力線3、13に重畳する信号の周波数が極端に下がると、白熱電灯や蛍光灯のちらつきが発生する。
【0045】
一般に、商用電力線を電源とする系統内に高調波発生源が存在すると、電気機器に種々のトラブル、例えば、電力用コンデンサ、変圧器などが障害を受けて、異常音(うなり)を発生させたり、過電流継電器、配線用遮断器の誤動作を引き起こす原因となり、社団法人日本電気協会では、電源周波数の40次である2、4KHzまでの周波数について、これらの障害発生の恐れがあるとして、高調波抑制対策ガイドラインで規制している。
【0046】
本実施の形態では、SS信号の拡散周波数帯域を、2、4KHz以上とするので、商用電力線3、13に接続する電気機器への影響を確実に防止できる。
【0047】
上述の実施の形態においては、2種類の異なる商用電力線3、13にそれぞれ接続するSS送受信装置10、14で説明したが、一方のSS送受信装置が高圧配電線1に、他方のSS送受信装置が商用電力線に接続され、高圧配電線1と商用電力線間で、SS信号を送受信するものであってもよい。この場合には、高圧配電線1の電力をそのまま引き込み利用する高圧需要家であっても、一般の商用電力線を利用する住宅、企業などとの間でSS伝送システムを確立できる。
【0048】
また、2種類の異なる商用電力線3、13で説明したが、3種類以上の異なる商用電力線間で、SS信号を送受信することも可能である。
【0049】
更に、本発明では、同一の商用電力線において、位相の異なるT相電力線とT相電力線間でSS信号を送受信することもできる。
【0050】
図4は、配電用変圧器2の二次側の一方のT相電力線に、10dBmの信号を20KHz以下で周波数を変化させ、同相のT相電力線と位相の異なるT相電力線に表れる信号電力を比較して示すもので、同図に示すように、送信信号の周波数が2.4KHz乃至10KHz未満である場合には、異相間の通信であっても、同相間と最大10dBm程度の相違しかなく、異相間であっても、問題なく復調できることがわかる。
【0051】
これに対し、図5は、同条件で配電用変圧器2の二次側の一方のT相電力線に、10dBmの信号を1MHz以下で周波数を変化させ、同相と位相の異なる電力線に表れる信号電力を比較して示すもので、送信信号の周波数が、従来のように10KHz乃至450KHzの帯域である場合には、同相間に比べて異相間で30dBm以上減衰し、信号電力が−50dBmとなって復調できない場合も生じる。
【0052】
これに加え、上述の通り、T相電力線若しくはT相電力線には、電力の供給を受けるために、多数の電気機器が接続されるものであり、それぞれの機器に端子間ノイズ防止用コンデンサが接続されている。このコンデンサは、T相電力線若しくはT相電力線に容量結合し、これらの電力線に重畳する高周波ノイズをカットする目的で接続されるものであるが、SS信号の拡散周波数帯域が高くなればなるほど、これを高周波ノイズとみなして減衰させるように作用する。その結果、多数の電気機器が商用電力線3に接続される状態では、拡散周波数が10KHzを越えるSS信号は、図5に示す減衰量以上に減衰する。
【0053】
一方、拡散周波数を10KHz未満とする本発明に係るSS信号は、ほとんど減衰することなく、配電用変圧器2の二次側巻線を通過し、しかも、各電気機器のコンデンサによる影響を受けないので、位相の異なるT相電力線とT相電力線間であっても、SS伝送システムを確立できる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1又は請求項2の発明によれば、高圧配電線を経由する配電系統の異なる商用電力線若しくは同一の商用電力線の異なる位相の電力線間で、配電用変圧器が介在するにもかかわらず、SS信号を、大きく減衰させずに相互に伝送することができる。従って、SS伝送システムによる伝送範囲を他の配電系統や、単相3線式の商用電力線内の位相の異なる電力線間にまで拡大できる。
【0055】
請求項の発明によれば、これに加えて、商用電力線に接続する他の電気機器の動作にSS信号が影響することがなく、他の電気機器を安全に動作させることができる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るSS伝送システムを示す回路図である。
【図2】 SS送受信装置10の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 配電用変圧器を通過する高周波信号の減衰量を、周波数との関係で示すグラフである。
【図4】 配電用変圧器の二次側で、20KHz以下の高周波信号出力し、同相と異相の電力線に表れる信号出力を比較して示すグラフである。
【図5】 配電用変圧器の二次側で、1MHz以下の高周波信号出力し、同相と異相の電力線に表れる信号出力を比較して示すグラフである。
【図6】 商用電力線を用いたSS伝送システムを利用して、家庭内の電気機器制御する一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 高圧配電線
2、12 配電用変圧器
3 第1商用電力線
7 電気機器(パーソナルコンピュータ)
10 SS送信装置(SS送受信装置)
13 第2商用電力線
14 SS受信装置(SS送受信装置)
16 電気機器(パーソナルコンピュータ)

Claims (3)

  1. 配電用変電所の二次側から引き出され、複数の配電用変圧器(2、12)へ電力供給を行う高圧配電線(1)と、
    第1の配電用変圧器(2)の二次側から引き出され、接地された中性線(3a)とT 相側の電圧線(3b)とT 相側の電圧線(3c)の3線からなり、電気機器(7)へ商用電力を供給する単相3線式の第1商用電力線(3)と、
    第1商用電力線(3)の中性線(3a)とT 相側の電圧線(3b)間のT 相電力線又は中性線(3a)とT 相側の電圧線(3c)間のT 相電力線のいずれかに接続し、通信信号をスペクトラム拡散変調信号に変調し第1商用電力線(3)へ重畳するSS送信装置(10)と、
    第2の配電用変圧器(12)の二次側から引き出され、接地された中性線(13a)とT 相側の電圧線(13b)とT 相側の電圧線(13c)の3線からなり、電気機器(16)へ商用電力を供給する単相3線式の第2商用電力線(13)と、
    第2商用電力線(13)の中性線(13a)とT 相側の電圧線(13c)間のT 相電力線又は中性線(13a)とT 相側の電圧線(13b)間のT 相電力線のいずれかであって、SS送信装置(10)が接続された電力線と異なる位相のT 相電力線又はT 相電力線に接続し、第2商用電力線(13)に重畳するスペクトラム拡散変調信号を分離し、通信信号に復調するSS受信装置(14)とからなり、
    SS送信装置(10)は、通信信号を、拡散周波数帯域が10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調し、
    スペクトラム拡散変調信号を、第1商用電力線(3)に接続するSS送信装置(10)から、高圧配電線(1)を介して、第2商用電力線(13)に接続するSS受信装置(14)へ送信することを特徴とするSS伝送システム。
  2. 配電用変電所の二次側から引き出された高圧配電線(1)を一次側として接続する配電用変圧器(2)と、
    配電用変圧器(2)の二次側から引き出され、接地された中性線(3a)とT相側の電圧線(3b)とT相側の電圧線(3c)の3線からなる単相3線式の商用電力線(3)と、
    中性線(3a)とT相側の電圧線(3b)間のT相電力線又は中性線(3a)とT相側の電圧線(3c)間のT相電力線のいずれかに接続し、通信信号をスペクトラム拡散変調信号に変調し接続するT相電力線又はT相電力線へ重畳するSS送信装置(10)と、
    SS送信装置(10)が接続されていないT相電力線又はT相電力線に接続し、接続するT相電力線又はT相電力線に重畳するスペクトラム拡散変調信号を分離し、通信信号に復調するSS受信装置(14)とからなり、
    SS送信装置(10)は、通信信号を、拡散周波数帯域が10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調し、
    スペクトラム拡散変調信号を、T相電力線又はT相電力線のいずれか一方に接続するSS送信装置(10)から、位相の異なる他方に接続するSS受信装置(14)へ送信することを特徴とするSS伝送システム。
  3. SS送信装置(10)は、通信信号を、拡散周波数帯域が2、4KHz以上で10KHz未満のスペクトラム拡散変調信号に変調することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のSS伝送システム。
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