JP3840269B2 - 洗米炊飯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗米炊飯機の洗米装置に関し、コンパクトな広い場所をとらないで、操作の容易な構成とする。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、洗米装置は米タンクの下側に設置されるが、その形状は、上方側円筒状で下方側円錐漏斗状に形成され、漏斗状部下端には、排出弁を有する排出口の排出室を円筒形状の形態として設けている(特開平2−279120号公報)。又、上記米タンク1に連通し上記洗米器2による洗米後の排水を行う排水室25を上記円錐漏斗状部の近傍に位置させて設けるため、洗米タンク周辺部が嵩張り易い欠点がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の欠点を解消しようとし、次の技術的手段を講じた。即ち、米タンク1の下部に、上方側円筒状で下方側円錐漏斗状に形成され、米タンク1から供給される米を収容して洗米する洗米器2を設け、機枠5の底部には、左右に一対のガス釜6を配置し、各ガス釜6上に炊飯器3,4を載置し、機枠5の上部後側には、左右水平状にレール10,11を架設し、上記米タンク1及び洗米器2を有した移動台12をローラ13,14によって移動自在に支持し、洗米器2を炊飯器3,4の上側に移動させて洗米供給位置を切換自在に構成し、上記洗米器2の下端部に設ける排出口22を排出弁21によって開閉自在に構成すると共に、上記洗米器2による洗米後の排水を行う排水室25を上記円錐漏斗状部の近傍に位置させて設け、かつこの排水室25内に設ける排水弁26による連通路76の開閉位置を、上記洗米器2の平面視における上方側円筒状の外周圏内に位置させ、かつ上記排水室25の上端は上記円錐漏斗状部の上下中心部以下に設定すると共に、この排水室25には上記洗米器2のオーバーフロー口38に連通するオーバーフローパイプ89を接続すると共に排水口80を開口する構成とし、上記洗米器2は上記米タンク1の前側寄りに偏位させ、上記排水室25を上記洗米器2の後側にかつ米タンク1の下側域から外方へ突出しない構成としたことを特徴とする洗米炊飯機の構成とする。
【0004】
【発明の作用】
米タンク1に予め米を収容して、洗米、炊飯作用を開始すると、所定量の米が、該米タンク1から洗米器2へ計量供給される。この洗米器2内では、水の供給が行われて、洗米作用が行われ、洗米水の排水は排水室25における排水作用によって行われる。
【0005】
洗米は、この洗米器2から下方の炊飯器内へ、米のみ、又は、水加減後の水と共に供給されて、炊飯される。そして、洗米器2と米タンク1とを有した移動台12はローラ13,14によって炊飯器3 , 4の上方を洗米器2が洗米供給位置にくるよう移動する。
【0006】
【発明の効果】
このような洗米、炊飯の作用において、米タンク1は最上部にあって、広さを制限され難いものであるから、米の収容量を大きく保つことができ、このタンクの下方に設ける洗米器の下方側円錐漏斗状部の近傍には排水室25を設けるものであるが、このとき排水室25の上端は上記円錐漏斗状部の上下中心部以下に設定する構成であるから、漏斗状部周囲の開放空間の比較的広い箇所への排水室25配置の構成となり、排水室25を洗米器2の円錐漏斗状部に接近させて配置でき、洗米器2周囲をコンパクトに構成できる。
【0007】
また、該排水室25の排水弁による連通路76の開閉位置を、上記洗米器2の平面視における上方側円筒状の外周圏内に位置させるものであるから、排水室25におけるオーバーフローパイプ89の接続を該開閉位置よりも外側にて行わせることができ、該パイプ89からの排水を円滑に排水口80へ流下させ得る。
また、洗米器2は米タンク1の前側寄りに偏位させ、排水室25を洗米器2の後側にかつ米タンク1の下側域から外方へ突出しないように構成したことで、移動台12がレ−ル10,11に沿って炊飯器3,4の上側を左右方向へ移動するとき、排水室25が、この機枠5に当らないようにすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
機枠5の底部には、左右に一対のガス釜6を配置し、各ガス台上に炊飯器3,4を載置して、ガス着火により炊飯できる構成としている。この炊飯器3,4は、外釜と、この外釜内に嵌合させた内釜7、及び釜蓋8と等を有し、ガス台6と共に前側に引出できるようにハンドル9を有し、この炊飯器3,4の内釜7の着脱等は、前側へ引出した位置で行う。
【0009】
機枠5の上部後側には、左右水平状にレール10,11が架設され、上部の米タンク1及び下部の洗米器2を有した移動台12が、ローラ13,14によって移動自在に支持され、洗米器2を炊飯器3,4の上側に移動対向させて、洗米供給位置を切換自在にしている。米タンク1は、下部に計量器15を有する。この計量器15は、欠円筒形態の回転筒を軸16の回りにモータM1駆動で回転させて、米タンク1内の米を一定量毎に回転しながら汲出すもので、この軸16の回転数を回転センサ17で検出することにより、マイクロコンピュータを有するコントローラCPUへ入力して計量(容量又は重量として)する構成である。
【0010】
洗米器2は、該米タンク1の下側にあって、中央部には、上下方向の攪拌軸18によって回転される攪拌棒19が、上部の洗米モータM2によってウォームギヤ20等を介して伝動回転すべく設けられ、底部には、排出弁21によって開閉される排出口22が設けられている。この排出弁21は、該攪拌軸18の中心部に沿って挿通せる弁軸23の下端部に一体で、弁軸23の上端部は、排出モータM3によってクランク機構等を介して上下作動される構成である。
【0011】
該排出口22には、外周部に網24を介在させて排水室25と連通させ、この排水室25内の排水弁26の開閉によって、水道水を下部ノズル27から洗米器2内へ給水させたり、洗米後の排水を行わせることができる。水道パイプから流量センサ73を経て誘導する給水パイプ28は、ソレノイドバルブ29によって開閉されて給水される下部ノズル27と、ソレノイドバルブ30によって開閉されて給水される上部シャワー31とを有し、洗米器2の上下部から洗米用及び水加減用の給水を行いうる構成である。又、排水室25内の排水弁26は、ソレノイド32によってワイヤー33、ベルクランク34等を介して開閉作動される。
【0012】
前記洗米器2は、米タンク1の前側寄りに偏位させて、この後側部で洗米器2下端部の排水室75に連接の排水室25を有し、この排水室25は、上方部米タンク1の下側域から外方へ突出しない形態としている。又、洗米器2の後側部には、移動台12をレ−ル10,11で支持する機枠5が設けられるが、移動台12がレ−ル10,11に沿って左右方向へ移動するとき、該排水室25が、この機枠5に当らないように設定している。
【0013】
前記米タンク1上には蓋35が開閉自在に設けられ、米の供給充填を行うことができる。又、この米タンク1の下部には、米の減少を検出して、米の補給をブザー等で促すための米下限センサ36を有する。洗米器2の上部には、洗米水の満杯供給を検出する水上限センサ37を有し、又、これ以上の給水はオーバフロー口38から器外へ排出される。39は洗米器2の外周部を開閉する点検蓋である。
【0014】
移動台12には、上記のような米タンク1、洗米器2、計量器15、給水パイプ28、及びこれらの計量モータM1、洗米モータM2、排出モータM3等を装着する他に、移動モータM4を有して、前記上レール10上に転動する駆動ロール13を駆動回転することによって横方向へ移動制御できる。移動台12上の米タンク1の正面には、操作盤40があり、この操作盤40には、各種の操作スイッチ類やLED表示部等が配置される。表示部41には、通常時は、時刻表示を行うようになっているが、時刻以外の表示であるときに時刻表示に戻したいときはスイッチ42を押せばよい。テストスイッチ43を押せば、表示部41の周囲に配置された各種の表示ランプ、即ち、操作手順を番号で表示するヘルプ番号44、タイマ予約中45、現在時刻46、貯米量47、累計釜数48、予定釜数49、及び、米タンク1に対する米補給から炊飯完了に亘る各行程や残り時間等を表示する行程表示50が順次表示される。又、計量スイッチ51を押せば、計量モータM1が駆動されて、計量器15が一回転される。洗米スイッチ52を押せば、洗米モータM2が駆動されて、攪拌棒19が回転される。上給水スイッチ53、下給水スイッチ54等を押せば、ソレノイドバルブ30や29等を開いて洗米器2内への給水を行う。水位スイッチ55を押せば、洗米器2内の水位が水上限センサ37による検出時から水加減スイッチ56によって設定された水位になるように、ソレノイド32出力による排水弁26の開きによって排水調整される。排水スイッチ57を押せば、該ソレノイド32出力によって排水弁26を開いて、洗米排水を網24を通して行わせる。投下スイッチ58を押せば、排出モータM3を駆動して、排水弁21を開く。リセットスイッチ59を押せば、表示部41のエラー表示のフラグを解除できる。このような、テストスイッチ43〜リセットスイッチ59等は、主として、始業前の点検を行うときに操作する。
【0015】
設定スイッチとしては、前記水加減スイッチ56の他に、炊飯量を設定する炊飯量スイッ60、洗米方法を設定する洗い方スイッチ61、浸漬時間を設定する浸漬スイッチ62、むらし時間を設定するむらしスイッチ63、炊飯モードを設定するモードスイッチ64、米タンク1内に供給された米の量を設定する貯米スイッチ65等を配置して、各々炊飯前に適当に設定しておくことができる。
【0016】
66は、釜数を設定するための釜数設定スイッチ、67は、計量器15の計量作動から開始させるスタートスイッチ、68は、予約タイマーを設定するタイマー設定スイッチ、69は、表示部41に表示される累計釜数をクリヤーするクリヤスイッチ、70は、エラーランプ71やブザー72等で警告される故障個所が不明なとき押すことによって、この故障個所を番号によって表示させるためのヘルプスイッチである。
【0017】
洗米、炊飯の作用行程及び所要時間は、フローチャート(図7)のように、計量器15による計量(t1)→洗米器2による洗米(t2)→洗米器2における上部シャワー31からの間けつ的シャワーによる洗米部(ざる上げ)浸漬(t3)→洗米器2の移動台12の左、右移動(t4)→洗米器2内での水加減(t5)→排水弁21の開放による排米(t6)→炊飯器3の内釜7での釜浸漬(t7)→ガス点火による炊飯(t8)→蒸(むらし)(t9)→炊飯終了後の内釜7交換(t10)の各行程を経る。
【0018】
洗米器2が単一で左L、右Rへ移動し、左、右二基の炊飯器3,4へ洗米を切換供給しながら炊飯する形態では、浸漬行程t3〜t7を、浸漬時間として設定スイッチ62により適宜時間に設定することによって、各洗米行程T1=t1〜t6と、各炊飯器3における炊飯行程T2=t7〜t10とを連続させて、洗米→炊飯の全行程T=T1+T2の効率的作業を行わせることができる。各行程のうち、時間の変化されるのは、主として浸漬行程t3〜t7と蒸し行程t9とであり、洗米部浸漬t3と釜浸漬t7との比を変更することができるようにしてもよい。設定スイッチ62による浸漬時間の設定は、これらいずれか一方t3かt7、又は双方t3とt7を変更設定するようにするもよい。浸漬時間は、t3+t7としてコントローラCPUで演算されて、この洗米後の釜浸漬時間t7を算出制御する。この設定値に一致する浸漬時間となるように水加減t5が、ソレノイドバルブ29,30の出力によって開始されるが、このような水加減t5の開始は、炊飯器3、又は4の炊飯行程T2の終了を検出することによって、この炊飯器3、又は4上へ洗米器2が移動した後ちに行われる。
【0019】
即ち、炊飯器3,4には、空の内釜7が備えられていることを検出する内釜センサ91、この内釜7上の釜蓋8の有無を検出する蓋センサ90、炊飯終了後に洗米器2が左、右横移動して停止したことを検出する移動センサ87等によって、洗米器2による炊飯器3、又は4に対する洗米の投下の用意が完了した状態位置で、洗米器2における前記水加減t5が開始される。この水加減t5が終ると、排出モータM3の出力によって、排出弁21が開かれて、洗米を該加減水と共に炊飯器3、又は4へ排米t6投下し、前記演算された時間の釜浸漬が行われる。
【0020】
又、洗米が早く完了して、炊飯が遅れているときは、洗米器2での洗米部浸漬t3を終えた状態で、洗米器2内の排水水切りを行った状態で、移動t4開始を待つ。このとき、洗米器2の洗米は浸漬作用を受けない状態で待機している。前記洗い方スイッチ61の操作で、洗米を軽く行う場合から念入りに行うまで五段階に設定しておき、これを洗米時に予めいずれの洗い方モ−ドにするか設定しておく。洗い方スイッチ61で、五段階のうちのいずれかの洗い方が選定されると、コントロ−ラCPUを経て、洗米モ−タM2、上給水用のソレノイドバルブ30、下給水用のソレノイドバルブ29、乃至排水弁26のソレノイド32等を出力して、洗米制御を行う。
【0021】
洗い方の五段階の各モ−ドは、制御出力として、洗米時間、上給水時間、下給水時間、排水時間、これら洗米等の繰返回数、洗米行程全体の時間等を、糠抜き、研米、荒すすぎ、オ−バ−フロ−による仕上すすぎ等の各行程毎に変更設定して、洗米を軽く行うモ−ドから念入りに行うモ−ドまで五段階に設定してメモリ−させている。
【0022】
洗米器2内を洗浄するには、図3のように前記排出弁21を有する排出口22の排出室74を、円筒形状の形態として構成し、この一側の排水室25と間の連通路75,76を該排出室74に対して接線方向に設定し、前記左右一対の排水弁26及び水位弁77を各連通路75,76の排水室25側端に開閉するように対向させている。又、前記下給水パイプ28の下部ノズル27は、該連通路75にのぞませている。
【0023】
前記水位弁77は、排水弁26と同様にソレノイド78及びワイヤ−79等を経て開閉作動せるものであるが、下部ノズル27から下給水を行うときは、連通路75を閉じて、排出室74側へ案内させる。又、洗米後の排水を行うときは、排水弁26と共に開くように制御している。洗米完了後、米と水とを排出弁21の開きによって投下完了した後、直ちに、排水弁26、及び水位弁77を閉じたままで(図3,図9)、上給水バルブ30を開けて、上部シャワ−31から給水することによって、洗米器2内に付着している糠や塵等を洗い流すことができ、その後直ちに、排水弁26を開けて、下部ノズル27から給水を行うことにより、この下部給水は、連通路75から排出室74内へ勢い良く渦状に流れ込み、この洗滌水は反対側の連通路76から排水室25へ排水されるため、効果的な洗浄を行うことができる。
【0024】
前記排水室25と排出室74とは、一体的成形されていて、排出室74側の上側に形成した取付縁81を、洗米器2の下縁82に対してボルト締等で着脱自在とする。排水室25の左右両側面には、透明なガラス板83を締付具84で開閉自在とし、この排水室25内のメンテナンスを容易化する。この排水室25の後側には、固定用のブラケット85を左右一対取付けて、機枠5の一部にボルト86で締付けて固定できる固定形態の洗米器2の構成としたり(図10〜図12)、このようなブラケット85に代えて、前記レ−ル11に摺接案内させるロ−ラ14を有した移動用のブラケット88を左右一対取付け、更にリミットスイッチ等からなる移動センサ87を取付けて、左右の炊飯器3,4に対向する移動位置を検出することにより、洗米器2及び米タンク1等を有する移動台12の切替移動位置制御する(図13〜図15)。
【0025】
このように、排出室74や排水室25等を、洗米器2の底部に着脱可能にして、ブラケット85、及び88を付け替えできる形態とすることにより、排出室74や排水室25を共用化して、洗米器2を固定する固定形態と、移動させる移動形態との仕様を得ることができる。80は排水室25の排水口である。89はオ−バ−フロ−パイプで、前記オ−バ−フロ−口38からの越流水を一旦排水室25内に通して、排水口80へ流下させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操作盤の正面図。
【図2】洗米部の側面図。
【図3】排水部の平面図。
【図4】平面図。
【図5】全体の正面図。
【図6】その側面図。
【図7】洗米炊飯制御のタイムチャ−ト。
【図8】制御の一部ブロック図。
【図9】洗浄制御のタイムチャ−ト。
【図10】一部別実施例を示す排出室及び排水室部の側面図。
【図11】その平面図。
【図12】その背面図。
【図13】一部別実施例を示す排出室及び排水室部の側面図。
【図14】その平面図。
【図15】その背面図。
【符号の説明】
1 米タンク
2 洗米器
25 排水室
80 排水口
89 オーバーフローパイプ

Claims (1)

  1. 米タンク1の下部に、上方側円筒状で下方側円錐漏斗状に形成され、米タンク1から供給される米を収容して洗米する洗米器2を設け、機枠5の底部には、左右に一対のガス釜6を配置し、各ガス釜6上に炊飯器3,4を載置し、機枠5の上部後側には、左右水平状にレール10,11を架設し、上記米タンク1及び洗米器2を有した移動台12をローラ13,14によって移動自在に支持し、洗米器2を炊飯器3,4の上側に移動させて洗米供給位置を切換自在に構成し、上記洗米器2の下端部に設ける排出口22を排出弁21によって開閉自在に構成すると共に、上記洗米器2による洗米後の排水を行う排水室25を上記円錐漏斗状部の近傍に位置させて設け、かつこの排水室25内に設ける排水弁26による連通路76の開閉位置を、上記洗米器2の平面視における上方側円筒状の外周圏内に位置させ、かつ上記排水室25の上端は上記円錐漏斗状部の上下中心部以下に設定すると共に、この排水室25には上記洗米器2のオーバーフロー口38に連通するオーバーフローパイプ89を接続すると共に排水口80を開口する構成とし、上記洗米器2は上記米タンク1の前側寄りに偏位させ、上記排水室25を上記洗米器2の後側にかつ米タンク1の下側域から外方へ突出しない構成としたことを特徴とする洗米炊飯機
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