JP3839633B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧機器におけるスプール式の方向切換え弁を備える油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、スプール式の方向切換え弁を備える油圧制御装置60を、図16〜図18に基づいて説明する。なお、図16,図17はこの油圧制御装置60の断面図であり、図18は油圧制御装置60の油圧回路図である。
【0003】
この油圧制御装置60は、図16に示すように、ハウジング1と、スプール5とを主要な構成要素としている。
【0004】
ハウジング1は、直線状に貫通形成されたスプール挿通孔1aを備える。スプール5は、ハウジング1のスプール挿通孔1aに液密に摺動可能に配設される。
【0005】
ハウジング1のスプール挿通孔1aの中央部の内周面には、ポンプPに接続される第1の油溜りP1と、タンクTに接続される第1の油溜りT1がある。第1の油溜りP1と第1の油溜りT1が、スプール挿通孔1aで連なった場合、ポンプPから送られる圧油を第1の油溜りP1から第1の油溜りT1を介してタンクTに還流するセンターバイパス回路1bを形成している。
【0006】
第1の油溜りP1と第1の油溜りT1の外側には、ハウジング1のスプール挿通孔1aの内周面に形成された第2の油溜りP2と第3の油溜りP3がある。第2の油溜りP2と第3の油溜りP3は、スプール挿通孔1aの外側に形成されたポンプPからの圧油通路P4で繋がれている。この圧油通路P4には、ポンプPから供給される圧油の吐出口P4aが設けられている。これにより、ポンプPから送られる圧油は、吐出口P4aから圧油通路P4を通って第2の油溜りP2、又は、第3の油溜りP3に供給される。
【0007】
なお、吐出口P4aには、逆止弁12が設けられている。この逆止弁12は圧油通路P4から吐出口P4aに圧油が逆流することを防止している。逆止弁12を設ける理由は、例えば、中立位置(p)から第2位置(q)に移行するとき、センターバイパス回路1bが完全に遮断されず圧油通路P4の圧油の圧力が十分に上がっていない状態で、第2の油溜りP2と第5の油溜りP5が接続されるが、このとき圧油通路P4の圧油の圧力よりもアクチュエータポートA1の圧油の圧力が大きい場合に圧油通路P4から吐出口P4aに圧油が逆流するからである。
【0008】
ハウジング1のスプール挿通孔1aの内周面で、第2の油溜りP2と第3の油溜りP3の更にその外側には、第1アクチュエータポートA1と連なる第5油溜りP5と、第2アクチュエータポートA2と連なる第6油溜りP6が形成されている。第1アクチュエータポートA1と第2アクチュエータポートA2は、アクチュエータAの両端に接続されてアクチュエータAへの給排通路となる。アクチュエータポート(A1,A2)は、アクチュエータAが、例えば、ピストンシリンダであれば、シリンダの両側の空間に接続され、また、アクチュエータAがオイルモータであれば、オイルモータに圧油を流す油路に接続される。
【0009】
ハウジング1のスプール挿通孔1aの内周面で、第5の油溜りP5と第6の油溜りP6の更にその外側には、第2の油溜りT2と第3の油溜りT3が形成されている。第2の油溜りT2と第3の油溜りT3は、スプール挿通孔1aの外側に形成されたタンクTに連なる戻り油通路T4で繋がっている。この戻り油通路T4には、タンクTへ戻り油を戻す流出口T5が設けられている。
【0010】
なお、図18の油圧回路図に示すように、この装置は、1つのポンプPから分岐して第1の油溜りP1と吐出口P4aに圧油を供給している。また、第1の油溜りT1と流出口T5とは接続されており、1つのタンクTに戻り油を戻すようにしている。
【0011】
次に、スプール5は、図16に示すように、スプール挿通孔1aに液密に摺動可能な外径で形成された棒状の部材であり、センターバイパス回路1bに対応する部分51、第5の油溜りP5に対応する部分52、及び、第6の油溜りP6に対応する部分53が細軸状に形成されている。
【0012】
この装置60は、図18の油圧回路図に示すように、スプール5の位置を左右に所定量だけ移動させることにより、3つの制御状態(p),(q),(r)に切換わる。この図によれば、スプール5を第1位置(中立位置)(p)から、右に動かせば第2位置(p)となり、左に動かせば第3位置(r)となる。
【0013】
スプール5が第1の制御装置(中立位置)(p)にあるときは、図16に示すように、スプール5の細軸部52と53が、それぞれ第1アクチュエータポートA1と連なる第5油溜りP5と、第2アクチュエータポートA2と連なる第6の油溜りP6の中央に位置する。このとき、スプール5は、細軸部52の両側の端部で、第1アクチュエータポートA1と連なる第5の油溜りP5を第2の油溜りP2と第2の油溜りT2から遮断する。また、スプール5は、細軸部53の両側の端部で、第2アクチュエータポートと連なる第6の油溜りP6を第3の油溜りP3と第3の油溜りT3から遮断する。これにより、アクチュエータAは停止する。
【0014】
また、スプール5の軸部によって、第2の油溜りP2と第3の油溜りP3が遮断されるので、ポンプPから吐出口P4aを通って圧油通路P4に導入される圧油は、第2の油溜りP2又は第3の油溜りP3で停止する。
【0015】
他方、スプール5の細軸部51が第1の油溜りP1と第1の油溜りT1を跨ぐように位置し、第1の油溜りP1と第1の油溜りT1を接続しているので、ポンプPから第1の油溜りP1に導入される圧油は、第1の油溜りT1を通ってタンクTに戻される。これにより、ポンプPをアイドル状態で運転させることができる。
【0016】
次に、スプール5が中立位置(p)から右側に移動した第2位置(q)にあるときは、図17に示すように、スプール5は、細軸部51の左側の端部により第1の油溜りP1と第1の油溜りT1を遮断する。このためポンプPから第1の油溜りP1に送られた圧油は、この第1の油溜りP1で停止する。
【0017】
また、スプール5は、細軸部52により第2の油溜りP2と第5の油溜りP5を接続し、かつ、細軸部53により第6の油溜りP6と第3の油溜りT3を接続する。
【0018】
これにより、ポンプPから吐出口P4aに導入された圧油は、圧油通路P4、第2の油溜りP2、第5の油溜りP5、第1アクチュエータポートA1を順に通って、アクチュエータAに出力される。他方、アクチュエータAからの戻り油は、第2アクチュエータポートA2、第6の油溜りP6、第3の油溜りT3、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに戻される。これにより、アクチュエータAは、第1アクチュエータポートA1から圧油が出力された場合の所定の動作を行う。
【0019】
次に、スプール5が中立位置(p)から左側に移動した第3位置(r)にあるときは、スプール5は、細軸部51の右側の端部により第1の油溜りP1と第1の油溜りT1を遮断する。このため、ポンプPから第1の油溜りP1に送られた圧油は、第1の油溜りP1で停止する。
【0020】
また、スプール5は、細軸部53により第3の油溜りP3と第6の油溜りP6を接続し、かつ、細軸部52により第5の油溜りP5と第2の油溜りT2を接続する。
【0021】
これにより、ポンプPから吐出口P4aに導入された圧油は、圧油通路P4、第3の油溜りP3、第6の油溜りP6、第2アクチュエータポートA2を順に通ってアクチュエータAに出力される。他方、アクチュエータAからの圧油は、第1アクチュエータポートA1、第5の油溜りP5、第2の油溜りT2、戻り油通路T4、流出口T5を順に通って、タンクTに戻される。これにより、アクチュエータAは、第2アクチュエータポートA2から圧油が出力される場合の所定の動作を行う。
【0022】
なお、係るスプール5の移動を操作する手段として、スプール5の一端には、スプール5にレバーを取付ける連結部5aが構成され、スプール5の他端には、レバーをニュートラルにした場合に、ばね11の弾性力でスプール5を中立位置(p)に戻す規制部5bが構成されている。スプール5の移動を操作する手段としては、その他にもソレノイドを利用した電磁的手段や油圧パイロットによる手段等がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上記の油圧制御装置60では、ハウジング1のスプール挿通孔1aとスプール5との間に隙間が無ければ、中立位置(p)でアクチュエータAを完全に停止させることができるが、実際には、スプール挿通孔1aとスプール5との間には、スプール5の摺動を許容するために微小な隙間があるので、この隙間から圧油が全く漏れないとは言えず、アクチュエータAを完全に停止させることができない場合もある。
【0024】
その対策として、図16に示すように、スプール挿通孔1aの第5の油溜りP5と第6の油溜りP6の両側にシール15を設けて、スプール5とスプール挿通孔1aの微小な隙間を塞いで、油溜りP5、P6の両側に液密な状態を確保することもある。しかし、この場合シール15の損傷が問題となり、シール15が正常に機能しているかをチェックすることや適時シール15を交換することが必要となるなど、メンテナンスに手間が掛かる。
【0025】
また、図19に示すように、油圧制御装置70にパイロットチェック弁80を取付けて圧油の漏れがないように構成することもある。図20はこの装置70の油圧回路図である。この油圧制御装置70は、アクチュエータポート(A1,A2)にパイロットチェック弁80の入出力ポート(B1,B2)を接続し、パイロットチェック弁80の入出力ポート(C1,C2)にアクチュエータAを接続したものである。また、油圧制御装置70のスプール6は、中立位置(p)でアクチュエータポート(A1,A2)と油溜り(T2,T3)が接続されるように構成されている。
【0026】
パイロットチェック弁80は、図19に示すように、ハウジング81の中央部に液密かつ摺動可能なスプール82を具備し、スプール82の左右に入出力ポート(C1,C2)から入出力ポート(B1,B2)に圧油が逆流することを防ぐ逆止弁(83,84)を具備する。
【0027】
中立位置(p)では、パイロットチェック弁80に構成される逆止弁(83,84)により、漏れが無い状態でアクチュエータAからの戻り油を遮断することが実現できるので、アクチュエータAを完全に停止させることができる。
【0028】
また、第2位置(q)では、ポンプPから吐出口P4aに導入される圧油は、圧油通路P4、第2の油溜りP2、第5の油溜りP5、第1アクチュエータポートA1、パイロットチェック弁80の左側の入出力ポート(B1,C1)を通ってアクチュエータAに出力されると共に、パイロットチェック弁80のスプール82を図19中の右側に押して、パイロットチェック弁80の右側の入出力ポート(B2,C2)に設けられた逆止弁84を押し開く。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、右側の入出力ポート(B2,C2)、第2アクチュエータポートA2、第6の油溜りP6、第3の油溜りT3、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに戻される。
【0029】
また、第3位置(r)では、ポンプPから吐出口P4aに導入される圧油は、圧油通路P4、第3の油溜りP3、第6の油溜りP6、第2アクチュエータポートA2、パイロットチェック弁80の右側の入出力ポート(B2,C2)を順に通ってアクチュエータAに出力されると共に、パイロットチェック弁80内でスプール82を図19中の左側に押して、パイロットチェック弁80の左側の入出力ポート(B1,C1)に設けられた逆止弁83を押し開く。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、左側の入出力ポート(B1,C1)、第1アクチュエータポートA1、第5の油溜りP5、第2の油溜りT2、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに戻される。
【0030】
この油圧回路では、パイロットチェック弁80の働きにより、中立位置(p)において、アクチュエータポート(A1,A2)からの圧油の漏れに関係なくアクチュエータAを停止させることができる。また、パイロットチェック弁80は、逆止弁(83,84)を用いており、シールが不要であるので、メンテナンスの手間は軽減する。
【0031】
しかし、この油圧制御装置70は、パイロットチェック弁80を別途設けることが必要であり、パイロットチェック弁80を機能させるためには逆止弁(83,84)を動かすための駆動力(例えば、パイロット油圧)が必要であり、また、パイロットチェック弁80を設けるスペースを確保する必要もある。
【0032】
そこで、本発明は、シール及びパイロットチェック弁を用いないで、簡易で漏れの無い油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る油圧制御装置は、アクチュエータに連なる一対の給排通路、ポンプに連なる圧油通路、タンクに連なる戻り油通路、及び、各通路をそれぞれ連通するスプール挿通孔とが形成されたハウジングと、スプール挿通孔に液密に挿通して所望の油通路を形成するためのスプールとからなり、スプールのスライド操作によって、各給排通路と圧油通路、戻り油通路を遮断する第1位置、並びに、各給排通路と圧油通路、戻り油通路の連通状態を切換える第2位置と第3位置に置くようになした油圧制御装置において、ハウジングのアクチュエータに連なる一対の給排通路のアクチュエータポートにそれぞれアクチュエータからの戻り油の流通を阻止する逆止弁を設け、スプールのスライド操作によって、両方の給排通路を戻り油通路と連通するようになした第4位置を備え、第1位置で上記逆止弁によってアクチュエータからの戻り油の流通を阻止し、第2位置と第3位置で、戻り油通路と連通した給排通路に設けた一方の逆止弁を開放状態に置くようになし、かつ、第4位置で両方の逆止弁を開放状態に置くようになしたものである。
【0034】
上記逆止弁は、例えば、ハウジングのアクチュエータポートに装着され、スプール挿通孔側に着座部を有し、かつ、外部側開口にアクチュエータを液密に接続する取付部を有する中空部が形成された逆止弁本体と、逆止弁本体の中空部に挿着された弁部材とを備え、弁部材が、逆止弁本体の着座部に着座しかつスプールの操作に関連して開閉動作する弁部と、弁部からスプール挿通孔内に突出する腕部とを備え、スプールの移動に応じて、スプールに腕部が当接することで、弁部材の弁部を逆止弁本体の着座部から押し上げて逆止弁を開くように構成しても良い。
【0035】
この場合、スプール挿通孔に挿通したスプールが軸状部材からなり、ハウジングの給排通路に対応する部分が細軸状になっており、この細軸部分の片側が小径で、反対側がテーパー状に漸次太くなっており、逆止弁が小径細軸部分と対応する位置にあるとき、逆止弁の腕部がスプール挿通孔内に突出してアクチュエータからの戻り油の流通を阻止し、逆止弁がテーパー状細軸部分と対応する位置にあるとき、弁部材の腕部を逆止弁本体の着座部から押し上げてアクチュエータからの戻り油の流通を可能にしたものとしても良い。
【0036】
また、上記給排通路にアクチュエータからの戻り油の流通を阻止する逆止弁を設け、上記スプールのスライド操作によって、両方の給排通路を戻り油通路と連通するようになした第4位置を備え、この第4位置で両方の逆止弁を開放状態に置くように構成しても良い。
【0037】
この場合、スプールが第4位置にあるとき、一方の給排通路と戻り油通路の境界に対応する部分でスプールの外周面を削ってスプール挿通孔との間に戻り油の油路を形成してもよい。
【0038】
なお、好適には、給排通路の逆止弁よりアクチュエータ側と上記戻り油通路を連通するリリーフ通路に、上記アクチュエータからの戻り油が所定の圧力以上であるときリリーフ通路の流通を可能とするリリーフ弁を設けたことにより、中立位置でアクチュエータに所定以上の圧力が掛かった場合にリリーフ通路を通って油がタンクTに戻るようにしても良い。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0040】
なお、図16の油圧制御装置60と同様の構成のものには対応する符号を付して説明を省略する。
【0041】
以下、まず本発明の基本形態に係る油圧制御装置10を図1〜図7に基づいて説明する。
【0042】
図1に示すように、この油圧制御装置10は、ハウジング1と、スプール2と、逆止弁(7,7’)を主要な構成要素として備えている。
【0043】
この装置10は、図16に示した油圧制御装置60のアクチュエータポート(A1,A2)に、それぞれ逆止弁(7,7’)を設け、かつそれに応じてスプール2の形状を変更したものである。
【0044】
先ず、第1アクチュエータポートA1に取付けられる逆止弁7について説明する。
【0045】
図3に示すように、逆止弁7は、ハウジング1の第1アクチュエータポートA1に装着された逆止弁本体8と、逆止弁本体8に内装された弁部材9とを備えている。
【0046】
逆止弁本体8は、中心軸c1に沿って貫通した中空部8aが形成されており、例えば、外周面のねじ構造とシール7aを介して液密に第1アクチュエータポートA1に装着されている。
【0047】
中空部8aの外部側の開口には、例えば、アクチュエータAに液密に接続するための雌ねじ構造の取付部8a1が形成されている。また、中空部8aのスプール挿通孔1a側の開口には、軸方向に順にガイド部8cと着座部8dが構成されている。
【0048】
ガイド部8cは、後述する弁部材9の基部9aを軸方向に摺動案内する内径を備えている。また、着座部8dは、後述する弁部材9の弁部9bが嵌り込み得るように、ガイド部8cからテーパー状に縮径したものである。弁座部8dにおいて縮径した中空部8aの開口8d1は、後述する弁部材9の腕部9cが挿通し得るように所定の内径で形成されている。
【0049】
また、中空部8aの内部には、弁部材9をスプール挿通孔1a側に付勢するばね8eが配設される。ばね8eは、中空部8a内に固定的に配設されたばね座8bと、後述する弁部材9のばね座9a3との間に、弾性的に圧縮した状態で装着されている。ばね座8bは、中空部8aの内周面に形成された溝8a2に嵌め込まれたばね座止め部材8fにより支持されている。なお、ばね座8bとばね座止め部材8fはリング状の部材であり、それぞれ真ん中に油路となる穴8gを有する。
【0050】
弁部材9は、軸方向に連続して基部9aと、弁部9bと、腕部9cを備えている。
【0051】
基部9aは、中空孔9a1を有する略円筒構造であり、弁部9b側に小径に形成された部分9a4を備える。この小径部分9a4には径方向に貫通する側孔9a2が形成されている。圧油は基部9aの中空孔9a1から側孔9a2を通って、基部9aの外周側に流れる。また、基部9aの内部には、弁部材9を付勢するばね8eの一端を保持するばね座9a3が形成されている。弁部材9の弁部9bは基部9aの小径部分9a4から縮径したテーパー形状で構成され、腕部9cは弁部9bの小径端から軸方向に所定長さで延在している。
【0052】
弁部材9の腕部9cは、図3に示すように、弁部9bが逆止弁本体8の着座部8dに着座している状態で、腕部9cがスプール挿入孔1a内に突出して、後述するスプール2の細軸部22aに接触しない程度に近接する。
【0053】
弁部材9は、逆止弁本体8のガイド部8cに挿着されてガイド部8cに沿って動作し得ると共に、ばね8eの弾性力により、弁部9bが逆止弁本体8の着座部8dに嵌り込む方向に付勢されている。
【0054】
なお、第2アクチュエータポートA2に装着された逆止弁7’も上記の逆止弁7と同様の構造を備えている。この逆止弁(7,7’)の動作の説明は、次のスプール2の形状を説明した後で行う。
【0055】
以下、スプール2の形状について説明する。
【0056】
図1に示すように、スプール2は、ハウジング1のスプール挿通孔1aに液密に摺動可能な外径で形成された棒状の部材である。
【0057】
スプール2には、センターバイパス回路1bに対応する部分21、第5の油溜りP5に対応する部分22、及び、第6の油溜りP6に対応する部分23が細軸で構成されている。この細軸部(21,22,23)は、スプール挿通孔1aに油路を形成するためのものである。
【0058】
以下に、第5の油溜りP5に対応する細軸部22、及び、逆止弁7の動作について図3〜図5に基づいて説明する。
【0059】
第5の油溜りP5に対応する細軸部22には、上述した逆止弁7の弁部材9の開閉を制御するための最小径部分22aとテーパ部分22bが形成されている。
【0060】
最小径部分22aは、細軸部22の左側で、逆止弁7の弁部材9の腕部9cと接触しないような小径で形成したものである。この最小径部分22aが弁部材9の腕部9cに対向するときは、図3に示すように、弁部材9の弁部9bが逆止弁本体8の着座部8dに着座することが許容されるので、逆止弁7が正常に機能して、アクチュエータAからの戻り油を停止させることができる。
【0061】
また、スプール2が右に移動して、細軸部22により第5の油溜りP5と第2の油溜りP2が接続された場合は、図4に示すように、ポンプPから吐出口P4a、圧油通路P4、第2の油溜りP2を通って第5の油溜りP5に導入された圧油の圧力により弁部材9が押し上げられる。これにより、ポンプPから第5の油溜りP5に送られてきた圧油は、中空部8aの開口8d1、弁部材9中の油路(9a2,9a)、逆止弁本体8中の油路(8g,8a)を順に通ってアクチュエータAに出力される。
【0062】
また、テーパ部分22bは、最小径部分22aの右側で軸方向にテーパー状に漸次太く形成したものである。このテーパ部分22bが逆止弁7の弁部材9の腕部9cに対向したときは、図5に示すように、このテーパー部分22bに弁部材9の腕部9cが当接し、弁部材9が弁座本体8の着座部8dから押し上げられ、逆止弁7が開かれた状態で維持される。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、逆止弁本体8中の油路(8a,8g)、弁部材9中の油路(9a,9a2)、中空部8aの開口8d1を通って第5の油溜りP5に流れ、そこから第2の油溜りT2、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに戻る。
【0063】
なお、以上は、第5の油溜りP5に対応する細軸部22について説明したが、第6の油溜りP6に対応する細軸部23は、図1に示すように、細軸部22と左右対称に形成されている。従って、細軸部23には、細軸部22の対応する符号を付して説明を省略する。
【0064】
以下、この油圧制御装置60の油圧の制御動作について説明する。
【0065】
この装置60は、図2の油圧回路図に示すように、スプール5の位置を左右に所定量だけ移動させることにより、3つの制御状態(p),(q),(r)に切換わる。具体的には、スプール2を第1位置(中立位置)(p)から、右に動かせば第2位置(q)となり、左に動かせば第3位置(r)となる。
【0066】
以下、各制御位置(p),(q),(r)毎に圧油の制御を説明する。
【0067】
この油圧制御装置10は、スプール2が中立位置(p)にあるときは、図1に示すように、第1アクチュエータポートA1では、弁部材9の弁部9bに細軸部22の最小径部分22aが対向するので、逆止弁7が正常に機能する。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、第1アクチュエータポートA1で完全に停止する。また、第2アクチュエータポートA2側でも同様に、逆止弁7’が正常に機能するので、アクチュエータAからの戻り油は、第2アクチュエータポートA2で完全に停止する。
【0068】
また、この中立位置(p)では、第2の油溜りP2と第3の油溜りP3がスプール2の軸部により遮断される。このため、ポンプPから吐出口P4aを通って圧油通路4に導入された圧油は、油溜りP2又はP3で停止する。他方、第1の油溜りP1と第1の油溜りT1はスプール2の細軸部21で接続される。即ち、センターバイパス回路が形成される。このため、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油は、第1の油溜りT1を通ってタンクTに戻される。これにより、ポンプPをアイドル状態で運転させることができる。
【0069】
即ち、スプール2が中立位置(p)にあるときは、アクチュエータAを完全に停止させ、かつ、ポンプPをアイドル状態で運転させることができる。
【0070】
次に、スプール2が右に移動して第2位置(q)にあるときは、図6に示すように、細軸部21の左側の端部により第1の油溜りP1と第1の油溜りT1が遮断される。このため、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油は、第1の油溜りP1で停止する。
【0071】
他方、ポンプPから吐出口P4aを通って圧油通路P4に導入された圧油は、スプール2の細軸部22により第5の油溜りP5と第2の油溜りP2が接続されるので、圧油通路P4から第2の油溜りP2を通って第5の油溜りP5に流れる。そして、第5の油溜りP5に流れた圧油は、その圧力によって第1アクチュエータポートA1の逆止弁7の弁部材9を押し上げ、逆止弁7を通ってアクチュエータAに出力される。
【0072】
また、スプール2の細軸部23により、第6の油溜りP6と第3の油溜りT3が接続される。また、第6の油溜りP6では、細軸部23のテーパ部23bにより、弁部材9が押し上げられて逆止弁7’が開かれる。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、第2アクチュエータポートA2、第6の油溜りP6、第3の油溜りT3、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに流れる。
【0073】
即ち、スプール2が第2位置(q)にあるときは、第1アクチュエータポートA1から圧油が出力し、アクチュエータAから第2アクチュエータポートA2に圧油が戻る場合の所定の動作をアクチュエータAにさせることができる。
【0074】
次に、図1の位置からスプール2が左に移動して第3位置(r)にあるときは、図7に示すように、細軸部21の右側の端部により、第1の油溜りP1と第1の油溜りT1が遮断されるので、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油は、第1の油溜りP1で停止する。
【0075】
他方、ポンプPから吐出口P4aを通って圧油通路P4に導入された圧油は、スプール2の細軸部23により第6の油溜りP6と第3の油溜りP3が接続されるので、圧油通路P4から第3の油溜りP3を通って第6の油溜りP6に流れる。そして、第6の油溜りP6に流れた圧油は、その圧力によって第2アクチュエータポートA2の逆止弁7’の弁部材9を押し上げ、逆止弁7’を通ってアクチュエータAに出力される。
【0076】
また、スプール2の細軸部22により、第5の油溜りP5と第2の油溜りT2が接続される。また、第5の油溜りP5では、細軸部22のテーパ部22bにより、弁部材9が押し上げられて逆止弁7が開かれる。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、第1アクチュエータポートA1、第5の油溜りP5、第2の油溜りT2、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに流れる。
【0077】
即ち、スプール2が第3位置(r)にあるときは、第2アクチュエータポートA2から圧油が出力し、アクチュエータAから第1アクチュエータポートA1に圧油が戻る場合の所定の動作をアクチュエータAにさせることができる。
【0078】
なお、スプール2の操作は、スプール2の一端に設けた連結部2aに取付けるレバーにより行なわれる。また、スプール2は、他端に設けた規制部2bにより、レバーをニュートラルとした場合に、ばね11の弾性力でスプール2が中立位置(p)に戻るように構成されている。
【0079】
このように、この装置10は、シールやパイロットチェック弁を用いずに漏れの無い油圧制御装置を構成したものである。即ち、アクチュエータポート内に逆止弁を備えるので、シールを用いる構造に比べメンテナンスが軽減され、また、パイロットチェック弁を用いる構造に比べ省スペース化が図れ、かつ低コストに作成することができる。
【0080】
また、この装置10においては、例えば、中立位置(p)から第2位置(q)に移行するとき、センターバイパス回路1bが完全に遮断されず圧油通路P4の圧油の圧力が十分に上がっていない状態で、第5の油溜りP5と第2の油溜りP2が接続されるが、第1アクチュエータポートA1に装着した逆止弁7が機能するので、アクチュエータAからの戻り油を第1アクチュエータポートA1で停止させることができる。これは、中立位置(p)から第3位置(r)に移行するときも同様で、第2アクチュエータポートA2に装着した逆止弁7’が機能してアクチュエータAからの戻り油をアクチュエータポートA2で停止させることができる。このため、図16に示す装置60で、圧油通路P4から吐出口P4aに圧油の逆流を防止していた逆止弁12が不要となる。
【0081】
次に、本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置20を図8〜図13に基づいて説明する。
【0082】
図8に示すように、この装置20は、基本形態の装置10に比べてスプール3の形状が異なるものである。図1の基本形態の装置10と同様の構成を備えた部分には、対応する符号を付して説明を省略する。
【0083】
図8に示すように、スプール3は、センターバイパス回路1bに対応する部分31、第5の油溜りP5に対応する部分32、及び、第6の油溜りP6に対応する部分33が細軸で構成されている。また、細軸部33の右側の所定位置に、スプール3の外周面を削った油路34が形成されている。
【0084】
センターバイパス回路1bに対応する細軸部31は、遮断壁31aを挟んで左右に細軸31bと細軸31cを備える。遮断壁31aは、センターバイパス回路1bの第1の油溜りP1と第1の油溜りT1との境界に位置するときに、センターバイパス回路1bを遮断してポンプPからの圧油を第1の油溜りP1で停止させるものである。また、遮断壁31aの左右の細軸31bと細軸31cは、それぞれ第1の油溜りP1と第1の油溜りT1を跨ぐ位置にあるとき、センターバイパス回路1bを形成し、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油を第1の油溜りT1からタンクTに戻すものである。
【0085】
第5の油溜りP5に対応する細軸部32には、第1アクチュエータポートA1に装着された逆止弁7を開閉制御するための最小径部分32aとテーパ部分(32b,32c)が形成されている。
【0086】
最小径部分32aは、逆止弁7の弁部材9の腕部9cと接触しないような小径で形成したものである。このため、この最小径部分32aが弁部材9の腕部9cに対向するときは、図8に示すように、弁部材9の弁部9aが逆止弁本体8の着座部8dに着座することが許容される。これにより、逆止弁7が正常に機能してアクチュエータAからの戻り油を停止させる。
【0087】
テーパ部分(32b,32c)は、最小径部分32aから軸方向に左右にテーパー状に太く形成したものである。このテーパ部分(32b,32c)が逆止弁7の弁部材9の腕部9cに対向したときは、例えば、図10に示すように、弁部材9の腕部9cがテーパ部分32cに当接し、弁部材9の弁部9bを逆止弁本体8の着座部8dから押し上げて、逆止弁7を開いた状態に維持する。
【0088】
また、このテーパ部分(32b,32c)は、図12に示すように、テーパー状に太くなった後に、スプール3の周側面3cに連続するように形成される。これは、図11に示すように、逆止弁7の弁部材9の腕部9cが、テーパ部分32cからスプール3の周側面3c上に乗り上がることを許容するためである。
【0089】
細軸部33は、上述した細軸部32と左右対称に形成されているので、ここでは、細軸部分32と対応する符号を付して説明を省略する。
【0090】
以下、この油圧制御装置20の油圧制御動作について説明する。
【0091】
この装置20は、図13の油圧回路図に示すように、スプール3の位置を左右に所定量だけ移動させることにより、4つの制御状態(p),(q),(r),(s)に切換わる。具体的には、スプール3を第1位置(中立位置)(p)から右に動かせば第2位置(q)となり、左に動かせば第3位置(r)となる。また、第3位置(r)から更に左に動かせば第4位置(s)となる。各制御位置(p),(q),(r),(s)の圧油の制御は以下のようになる。
【0092】
この油圧制御装置20は、スプール3が中立位置(p)にあるときは、図8に示すように、第1アクチュエータポートA1では、弁部材9の腕部9cに細軸部32の最小径部分32aが対向するので、逆止弁7が正常に機能する。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、第1アクチュエータポートA1で完全に停止する。また、第2アクチュエータポートA2でも同様に、逆止弁7’が正常に機能するので、アクチュエータAからの戻り油は、第2アクチュエータポートA2で完全に停止する。
【0093】
また、ポンプPから吐出口P4aを通って圧油通路P4に導入される圧油は、第2の油溜りP2と第3の油溜りP3がそれぞれスプール3の軸部で遮断されるので、第2の油溜りP2と第3の油溜りP3で停止する。
【0094】
他方、第1の油溜りP1と第1の油溜りT1が細軸部31の細軸31bにより接続されるので、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油は、第1の油溜りT1を通って直接タンクTに流れる。
【0095】
即ち、スプール3が中立位置(p)にあるときは、アクチュエータAを完全に停止させ、かつ、ポンプPをアイドル状態で運転させることができる。
【0096】
次に、スプール3が右に移動して第2位置(q)にあるときは、図9に示すように、細軸31bの左側の端部により第1の油溜りP1と第1の油溜りT1が遮断されるので、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油は第1の油溜りP1で停止する。
【0097】
他方、ポンプPから吐出口P4aを通って圧油通路P4に導入された圧油は、スプール3の細軸部32で第5の油溜りP5と第2の油溜りP2が接続されるので、圧油通路P4から第2の油溜りP2を通って第5の油溜りP5に流れる。そして、第5の油溜りに流れた圧油は、その圧力によって第1アクチュエータポートA1の逆止弁7の弁部材9を押し上げ、逆止弁7を通ってアクチュエータAに出力される。
【0098】
また、スプール3の細軸部33により、第6の油溜りP6と第3の油溜りT3が接続される。この第6の油溜りP6では、細軸部33のテーパ部33cにより、弁部材9が押し上げられて逆止弁7’が開かれる。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、第2アクチュエータポートA2、第6の油溜りP6、第3の油溜りT3、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに流れる。
【0099】
即ち、スプール3が第2位置(q)にあるときは、第1アクチュエータポートA1から圧油が出力し、アクチュエータAから第2アクチュエータポートA2に圧油が戻る場合の所定の動作をアクチュエータAにさせることができる。
【0100】
次に、図8に示す中立位置(p)からスプール3が左に移動して第3位置(r)にあるときは、図10に示すように、細軸部31の遮断壁31aにより第1の油溜りP1と第1の油溜りT1が遮断されるので、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油は第1の油溜りP1で停止する。
【0101】
他方、ポンプPから吐出口P4aを通って圧油通路P4に導入された圧油は、スプール3の細軸部33により第6の油溜りP6と第3の油溜りP3が接続されるので、圧油通路P4から第3の油溜りP3を通って第6の油溜りP6に流れる。そして、第6の油溜りP6に流れた圧油は、その圧力によって第2アクチュエータポートA2の逆止弁7’の弁部材9を押し上げ、逆止弁7’を通ってアクチュエータAに出力される。
【0102】
また、スプール3の細軸部32により第5の油溜りP5と第2の油溜りT2が接続される。この第5の油溜りP5では、細軸部32のテーパ部32cにより、逆止弁7の弁部材9が押し開かれる。これにより、アクチュエータAからの戻り油は、第1アクチュエータポートA1、第5の油溜りP5、第2の油溜りT2、戻り油通路T4、流出口T5を順に通ってタンクTに流れる。
【0103】
即ち、スプール2が第3位置(r)にあるときは、第2アクチュエータポートA2から圧油が出力し、アクチュエータAから第1アクチュエータポートA1に圧油が戻る場合の所定の動作をアクチュエータAにさせる。
【0104】
次に、スプール3が第3位置(r)から更に左に移動した第4位置(s)では、図11に示すように、第2の油溜りP2と第3の油溜りP3は、それぞれスプール3の軸部で遮断されている。このため、ポンプPから吐出口P4a、圧油通路P4に導入された圧油は、第2の油溜りP2又は第3の油溜りP3で停止する。他方、第1の油溜りP1と第1の油溜りT1は細軸31cにより接続されるので、ポンプPから第1の油溜りP1に導入された圧油は、第1の油溜りT1を通ってタンクTに戻る。これにより、ポンプPはアイドル状態で運転されるものとなる。
【0105】
また、第1アクチュエータポートA1では、スプール3の細軸部32により、第5の油溜りP5と第2の油溜りT2が接続される。また、第1アクチュエータポートA1に装着された逆止弁7の弁部材9の腕部9cが、スプール3のテーパ部分32cから周側面3c上に乗り上がり、逆止弁7が開かれた状態で維持される。これにより、第1アクチュエータポートA1では、アクチュエータAからの戻り油は、逆止弁7、第5の油溜りP5、第2の油溜りT2、戻り油通路T4、流出口T5を通ってタンクTに流れる。
【0106】
また、第2アクチュエータポートA2では、スプール3に形成された油路34により、第6の油溜りP6と第3の油溜りT3が接続される。また、第2アクチュエータポートA2に装着された逆止弁7’の弁部材9の腕部9cが、スプール3のテーパ部分33bから周側面3c上に乗り上がり、逆止弁7’が開かれた状態で維持される。これにより、第2アクチュエータポートA2では、アクチュエータAからの戻り油は、逆止弁7、第6の油溜りP6、油路34、第2の油溜りT2、戻り油通路T4、流出口T5を通ってタンクTに流れる。
【0107】
なお、一対のアクチュエータポート(A1,A2)はそれぞれタンクTに連通しており、例えば、第1アクチュエータポートA1側にアクチュエータAから油が戻される場合は、第2アクチュエータポートA2側で、タンクTから油を吸上げてアクチュエータAに供給されてアクチュエータA内の油圧を調整している。
【0108】
このように、スプール3が第4位置(s)にあるときは、センターバイパス回路1bが接続されることによりポンプPがアイドル状態で運転され、かつ、アクチュエータポート(A1,A2)の両方とも逆止弁(7,7’)が開かれた状態で油溜り(T2,T3)に接続されるので、アクチュエータAへの圧油の給排が自在に行われる。
【0109】
これにより、例えば、アクチュエータAがピストンシリンダである場合には、ピストンが無負荷状態で動くように制御することができる。この第4の制御位置は、具体的には、例えば、アクチュエータとなるピストンシリンダに芝刈り機を取付け、この芝刈り機の高さを制御する油圧制御装置において、走行中に芝刈り機が地面に設置する部分から力を受けて、ピストンシリンダの圧油の給排を行い、芝刈り機の高さを地面から所定高さに維持するように制御する場合の制御位置として用いられる。
【0110】
なお、この装置20では、例えば、中立位置(p)から第2位置(q)に移行するときに、センターバイパス回路1bが完全に遮断されず圧油通路P4の圧油の圧力が十分に上がっていない状態で、第5の油溜りP5と第2の油溜りP2が接続されるが、このとき、逆止弁7の弁部材9の腕部9cがスプール3のテーパ部分32b又は周面3cに対向して、弁部材9の弁部9bが逆止弁本体8の着座部8dに着座することが許容されず、逆止弁7が機能しない。このため、圧油通路P4の圧油の圧力よりもアクチュエータポートA1の圧油の圧力が大きいと、圧油通路P4から吐出口P4aに圧油が逆流する可能性がある。また、中立位置(p)から第3位置(r)に移行するときにも、第2アクチュエータポートA2側で同様の問題が起こる可能性がある。このため、圧油通路P4と圧油の吐出口P4aとの間に逆止弁12を設けて、圧油通路P4から吐出口P4aに圧油が逆流することを防止している。
【0111】
この油圧制御装置は、シールや、パイロットチェック弁を用いずに漏れの無い油圧回路を構成することができ、また、逆止弁7に設けた弁部材9の開閉をスプール3により操作し得るので、例えば、両方のアクチュエータポートをそれぞれ油溜りに接続して、アクチュエータを無負荷状態とする制御位置を構成することが簡単にできる。
【0112】
次に、本発明の第2実施形態に係る油圧制御装置30について図14と図15に基づいて説明する。
【0113】
この装置30は、図14に示すように、図1に示す基本形態の油圧制御装置10の各アクチュエータポート(A1,A2)にポートリリーフ弁90を設けた構造を備えている。この装置90のハウジング1及びスプール4は、ポートリリーフ弁90を設けたことにより、基本形態とは形状が異なっているが、中立位置(p)、第2位置(q)、第3位置(r)の各制御位置での油圧の切換え動作は同じであり、ここでは、ハウジング1及びスプール4に対応する符号を付してその説明を省略する。
【0114】
図15は、この装置30の油圧回路図を示す。ポートリリーフ弁90は、逆止弁7の中空部8aとハウジング1の戻り油通路T4とを連通するリリーフ通路91に、ばね93により中空部8aとの連通部を閉鎖するように付勢したリリーフ弁92を設けたものでる。このリリーフ弁92は、中空部8aに所定以上の油圧が生じた場合に開かれて、アクチュエータAからの戻り油は、逆止弁7の中空部8aからリリーフ通路91、戻り油通路T4、流出口T5、タンクTへと流れることが許容される。
【0115】
例えば、ポートリリーフ弁90が無い場合は、アクチュエータポート(A1,A2)に逆止弁(7,7’)を設けたので、スプール4が中立位置(p)にあってはアクチュエータAが停止しているとき、アクチュエータAに外部から所定以上の大きな力が掛かった場合に、アクチュエータAからの戻ろうとする油はアクチュエータポート(A1,A2)で逃げ場を失う。しかし、この実施形態では、アクチュエータポート(A1,A2)にポートリリーフ弁90を設けたので、アクチュエータAからの戻ろうとする油の圧力でポートリリーフ弁90が開いて、アクチュエータポート(A1,A2)からリリーフ通路91を通って戻り油通路T4に油が流れる。これにより、アクチュエータAの拘束を解いてアクチュエータAの破損を防止し、また、アクチュエータポート(A1,A2)に設けた逆止弁(7,7’)の破損を防止することができる。
【0116】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の油圧制御装置は上記に限定されない。
【0117】
例えば、逆止弁7は、スプールのテーパ部分に弁部材9の腕部9cが当接することにより、開かれるように構成されているが、例えば、ソレノイドなどの電磁的な手段で弁部材9が作動するように構成することで、スプールの所定の制御位置で開閉されるものとしても良い。
【0118】
また、上記の各装置は、従来の装置と組合せて用いることも可能である。
【0119】
【発明の効果】
本発明の油圧制御装置は、ハウジングのアクチュエータに連なる一対の給排通路のアクチュエータポートにそれぞれアクチュエータからの戻り油の流通を阻止する逆止弁を設け、第1位置で上記逆止弁によってアクチュエータからの戻り油の流通を阻止し、第2位置と第3位置で、戻り油通路と連通した給排通路に設けた一方の逆止弁を開放状態に置くようになしたので、中立位置で、給排通路に漏れの無い状態を実現でき、アクチュエータを完全に停止させることができる。また、アクチュエータポート内に逆止弁を設けたので、メンテナンスが軽減され、また、パイロットチェック弁を設ける場合に比べ、省スペース化を図ることができる。
【0120】
また、アクチュエータに連なる一対の給排通路にアクチュエータからの戻り油の流通を阻止する逆止弁を設け、スプールのスライド操作によって、両方の給排通路を戻り油通路と連通するようになした第4位置を備え、第4位置で両方の逆止弁を開放状態に置くようになしたので、アクチュエータへの圧油の給排が自在に行われて、アクチュエータを無負荷で動かし得る状態とすることができる第4の制御位置を備えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本形態に係る油圧制御装置の中立位置の状態を示す断面図。
【図2】 本発明の基本形態に係る油圧制御装置の油圧回路図。
【図3】 逆止弁の弁座部が着座した状態を示す断面図。
【図4】 逆止弁がポンプからの圧油の圧力で開かれた状態を示す断面図。
【図5】 弁部材がテーパ部分に当接することで逆止弁が開かれた状態を示す断面図。
【図6】 本発明の基本形態に係る油圧制御装置の第2位置の状態を示す断面図。
【図7】 本発明の基本形態に係る油圧制御装置の第3位置の状態を示す断面図。
【図8】 本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置の中立位置を示す断面図。
【図9】 本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置の第2位置を示す断面図。
【図10】 本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置の第3位置を示す断面図。
【図11】 本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置の第4位置を示す断面図。なお、(a)はx−x断面図である。
【図12】 本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置のスプールを示す平面図。
【図13】 本発明の第1実施形態に係る油圧制御装置の油圧回路図。
【図14】 本発明の第2実施形態に係る油圧制御装置の中立位置を示す断面図。
【図15】 本発明の第2実施形態に係る油圧制御装置の油圧回路図。
【図16】 スプール式の油圧制御装置の中立位置を示す断面図。
【図17】 スプール式の油圧制御装置の第2位置を示す断面図。
【図18】 スプール式の油圧制御装置を示す油圧回路図。
【図19】 パイロットチェック弁を取り付けた油圧制御装置の断面図。
【図20】 パイロットチェック弁を取り付けた油圧制御装置の油圧回路図。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a スプール挿通孔
1b センターバイパス回路
2 スプール
7 逆止弁
8 弁座
9 弁部材
9b 弁部
9c 腕部
21,22,23 細軸部
22a,23a 最小径部分
22b,23b テーパ部分
A1,A2 アクチュエータポート
P1,P2,P3,P5,P6 油溜り
P4 圧油通路
P4a 吐出口
T1,T2,T3 油溜り
T4 戻り油通路
T5 流出口

Claims (2)

  1. アクチュエータに連なる一対の給排通路、ポンプに連なる圧油通路、タンクに連なる戻り油通路、及び、上記各通路をそれぞれ連通するスプール挿通孔とが形成されたハウジングと、
    上記スプール挿通孔に液密に挿通して所望の油通路を形成するためのスプールとからなり、
    上記スプールのスライド操作によって、各給排通路と圧油通路、戻り油通路を遮断する第1位置、並びに、各給排通路と圧油通路、戻り油通路の連通状態を切換える第2位置と第3位置に置くようになした油圧制御装置において、
    上記ハウジングのアクチュエータに連なる一対の給排通路のアクチュエータポートにそれぞれアクチュエータからの戻り油の流通を阻止する逆止弁を設け、
    上記スプールのスライド操作によって、両方の給排通路を戻り油通路と連通するようになした第4位置を備え、
    上記第1位置で上記逆止弁によってアクチュエータからの戻り油の流通を阻止し、
    上記第2位置と第3位置で、戻り油通路と連通した給排通路に設けた一方の逆止弁を開放状態に置くようになし、かつ、 上記第4位置で両方の逆止弁を開放状態に置くようになしたことを特徴とする油圧制御装置。
  2. 上記スプールが第4位置にあるとき、一方の給排通路と戻り油通路の境界に対応する部分のスプールの外周面を削ってスプール挿通孔との間に戻り油の油路を形成したことを特徴とする請求項に記載の油圧制御装置。
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