JP3839377B2 - ガスセンサ及びガス検知方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料電池車両等に搭載されるガスセンサおよびガス検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガスセンサとしては、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、被検出ガスが白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗値の差異に応じて、被検出ガスの濃度を検出するガス接触燃焼式のガスセンサが知られている。そして、このようなガス接触燃焼式のガスセンサのうち、特に、水素センサを、例えば燃料電池を動力源とした燃料電池車両等において車室内に配置し、車室内に水素ガスが漏洩していないことを確認するために用いることが検討されている。
ところで、上述したようなガス接触燃焼式の水素センサにおいて、検出素子の触媒は水素ガスに限らず、例えばアルコールが接触した場合であっても、酸化反応により発熱する場合がある。このため、例えばガス接触燃焼式の水素センサを上述した燃料電池車両の車室内に配置した場合には、例えば乗員が使用する整髪料や化粧品、車両用の洗浄剤やつや出し剤、さらには飲酒者の呼気等に含まれるアルコールによって、水素センサから誤った検出信号が出力され、水素濃度が誤検知される虞がある。
【0003】
このような問題に対して、従来、例えば特開昭57−69239号公報に開示された可燃性ガス検知素子のように、検査対象ガスに含まれるメタンガス等の被検出ガスを検知するガス感応体の周囲を取り囲むようにしてコイル状のヒータを備え、検査対象ガスがヒータを通過してガス感応体に到達する過程において、検査対象ガスに含まれ、被検出ガスよりも発火温度が低いアルコール等の雑ガスを燃焼させることで、ガス感応体における雑ガスの影響を抑制する可燃性ガス検知素子が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例に係る可燃性ガス検知素子において、ヒータはコイル状に形成されていることから、コイルの軸線方向に沿って流通し、ガス感応体に到達する検査対象ガスに対しては、ヒータによる加熱作用が相対的に低下し、検査対象ガスに含まれるアルコール等の雑ガスを燃焼させることができなくなるという問題が生じる。
しかも、検査対象ガス雰囲気中において、単に、ヒータへの通電を持続するだけでは、検査対象ガス中にアルコール等の雑ガスが含まれていない場合にヒータにおいて無駄な電力が消費されてしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電力消費が増大することを抑制しつつ、検査対象ガスに含まれる検出素子と相互作用する被検出ガス以外の阻害ガスの影響を抑制し、被検出ガスの検出精度を向上させることが可能なガスセンサおよびガス検知方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のガスセンサ(例えば、実施の形態での水素センサ11)は、検査対象ガス(例えば、実施の形態での車室内の雰囲気ガス)が導入されるガス検出室(例えば、実施の形態でのガス検出室22)内に検出素子(例えば、実施の形態での検出素子26)と第1の補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子27)を備え、前記検出素子と前記第1の補償素子との電気抵抗値の差異に基づき被検出ガス(例えば、実施の形態での水素)のガス濃度を検出するガスセンサであって、前記検出素子との相互作用により前記電気抵抗値を変更する前記被検出ガス以外の阻害ガス(例えば、実施の形態でのアルコール)のガス濃度を、互いの電気抵抗値の差異に基づき選択的に検出可能な阻害ガス検出素子(例えば、実施の形態での阻害ガス検出素子28)および第2の補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子29)を前記ガス検出室内に備え、前記ガス検出室内に導入される前記検査対象ガスに含まれる前記阻害ガスを燃焼可能なヒータ(例えば、実施の形態でのヒータ45)と、前記阻害ガス検出素子と前記第2の補償素子との電気抵抗値の差異に応じて前記ヒータの動作を制御するヒータ制御手段(例えば、実施の形態での制御装置12)とを備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成のガスセンサによれば、ガス検出室内に導入される検査対象ガスはヒータによって確実に加熱され、例えば水素等を被検出ガスとして検出する検出素子の触媒に接触して燃焼反応を発生させる阻害ガス(例えば、乗員が使用する整髪料や化粧品、車両用の洗浄剤やつや出し剤、さらには飲酒者の呼気等に含まれるアルコール等)は燃焼させられる。ここで、ヒータ制御手段は、阻害ガス検出素子と第2の補償素子との電気抵抗値の差異、つまりガス検出室内に導入される検査対象ガスに含まれる阻害ガスのガス濃度に応じて、ヒータの作動又は停止、さらには、作動時における通電量の変更等の動作を制御する。これにより、ヒータでの消費電力の増大を抑制しつつ、検査対象ガス中に含まれる阻害ガスを適切に除去することができ、ガスセンサの被検出ガスに対する検出精度を向上させることができる。
【0007】
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサでは、前記ヒータ制御手段は、前記ヒータにより加熱される前記検査対象ガスの温度を、前記阻害ガスの発火温度以上かつ前記被検出ガスの発火温度未満に設定することを特徴としている。
【0008】
上記構成のガスセンサによれば、検査対象ガスは阻害ガスの発火温度以上かつ被検出ガスの発火温度未満の温度となるように加熱される。これにより、検査対象ガスがガス検出室内に導入される過程において、被検出ガスが燃焼反応により除去されてしまうことを抑制し、阻害ガスのみを燃焼反応によって確実に除去することができる。
【0009】
また、請求項3に記載の本発明のガス検知方法は、検出素子(例えば、実施の形態での検出素子26)と第1の補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子27)との電気抵抗値の差異に基づき検査対象ガスに含まれる被検出ガス(例えば、実施の形態での水素)のガス濃度を検出するガス検知方法であって、前記検出素子との相互作用により前記検出素子の前記電気抵抗値を変更する前記被検出ガス以外の阻害ガス(例えば、実施の形態でのアルコール)との相互作用により電気抵抗値を変更する阻害ガス検出素子(例えば、実施の形態での阻害ガス検出素子28)と、第2の補償素子(例えば、実施の形態での温度補償素子29)との電気抵抗値の差異に応じて、前記阻害ガスを燃焼可能なヒータ(例えば、実施の形態でのヒータ45)の動作を制御し(例えば、実施の形態でのステップS06,ステップS07,ステップS08)、前記検査対象ガスに含まれる前記阻害ガスを燃焼させることを特徴としている。
【0010】
上記のガス検知方法によれば、検査対象ガスに含まれる阻害ガスのガス濃度に応じて、ヒータの作動又は停止、さらには、作動時おける通電量の変更等の動作を制御することによって、ヒータでの消費電力の増大を抑制しつつ、検査対象ガス中に含まれる阻害ガスを適切に除去することができ、被検出ガスの検出精度を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るガスセンサについて添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るガスセンサは、例えば図1に示すように、動力源として燃料電池1を搭載する燃料電池車両等の車両10の車室内に配置されたガス接触燃焼式の水素センサ11をなし、制御装置12および記憶装置13が接続されており、車室内に水素が排出されていないことを確認することができるようになっている。
【0012】
燃料電池1は、例えば陽イオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
燃料極に入口側配管から供給された水素等の燃料ガスは、燃料極の触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスあるいは空気が入口側配管を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
【0013】
例えば図2および図3に示すように、水素センサ11は車両10のルーフ15の前後方向等に沿って長い直方形状のケース16を備えている。ケース16は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部17を備えている。フランジ部17にはカラー18を取り付けてあり、例えば図3に示すように、このカラー18内にボルト19を挿入して、前記ルーフ15の内面上に設けられた取付座20に締め付け固定されるようになっている。
例えば図3に示すように、ケース16の下面には筒状部21が形成され、筒状部21の内部はガス検出室22として形成され、ガス検出室22の内部側面には、内側に向かってフランジ部23が形成され、フランジ部23の内周部分がガス導入部24として開口形成されている。
【0014】
ケース16内には樹脂で封止された回路基板25が設けられ、筒状部21の内部に配置された検出素子26および温度補償素子27と、阻害ガス検出素子28および温度補償素子29とは、回路基板25に接続されている。
例えば図4に示すように、各素子26,27,28,29は回路基板25に接続された複数、例えば8個のピン30によりベース31から一定距離の高さに配置されている。
そして、検出素子26および温度補償素子27は、被検出ガスである水素を検出する水素検出系を構成し、阻害ガス検出素子28および温度補償素子29は、検出素子26との相互作用により検出素子26の電気抵抗値を変更可能な被検出ガス以外の阻害ガス、例えば乗員が使用する整髪料や化粧品、車両用の洗浄剤やつや出し剤、さらには飲酒者の呼気等に含まれるアルコールを選択的に検出するアルコール検出系を構成している。
【0015】
検出素子26は周知の素子であって、例えば図4に示すように、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル26aの表面を、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒26bを坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子27は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子26と同等のコイル27aの表面をアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。そして、被検出ガスである水素が検出素子26の触媒26bに接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子26と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず雰囲気温度下の温度補償素子27との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
なお、検出素子26においては、被検出ガスである水素に加えて、アルコール等の阻害ガスが触媒26bに接触した場合にも燃焼反応が発生し、高温となって電気抵抗値が増大するようになっている。このため、被検出ガスである水素と阻害ガスであるアルコール等とが混在したガス雰囲気中においては、検出素子26と温度補償素子27との間の電気抵抗値の差から検出されるのは、被検出ガスと阻害ガスとが混在したガスの濃度となる。
【0016】
また、阻害ガス検出素子28は周知の素子であって、例えば図4に示すように電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル28aの表面を、検出素子26の触媒26bとの相互作用により検出素子26の電気抵抗値を変更可能な被検出ガス以外の阻害ガス、例えばアルコールを選択的に酸化するCuO等の選択酸化触媒31を坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子29は、阻害ガスに対して不活性とされ、例えば阻害ガス検出素子28と同等のコイル29aを備えて構成されている。
そして、阻害ガスであるアルコールが阻害ガス検出素子28の選択酸化触媒28bに接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった阻害ガス検出素子28と、阻害ガスによる燃焼反応が発生せず雰囲気温度下の温度補償素子29との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺してアルコール濃度を検出することができるようになっている。
【0017】
検出素子26および温度補償素子27からなる水素検出系と、阻害ガス検出素子28および温度補償素子29からなるアルコール検出系とは、例えば、互いに独立した同等の回路を構成している。
例えば図5に示すように、水素検出系においては、検出素子26(抵抗値R4)及び温度補償素子27(抵抗値R3)が直列接続されてなる枝辺と、固定抵抗41(抵抗値R1)及び固定抵抗42(抵抗値R2)が直列接続されてなる枝辺とが、電源43に対して並列に接続されてなるブリッジ回路において、検出素子26と温度補償素子27同志の接続点PSと、固定抵抗41,42同志の接続点PRとの間に電圧計44が接続されている。
ここで、ガス検出室22内に導入された検査対象ガスである車室内の雰囲気ガス中に被検出ガスである水素が存在しないときには、ブリッジ回路はバランスしてR1×R4=R2×R3の状態にあり、電圧計44の出力がゼロとなる。一方、水素が存在すると、検出素子26の触媒26bにおいて水素が燃焼し、コイル26aの温度が上昇し、抵抗値R4が増大する。これに対して温度補償素子30においては水素は燃焼せず、抵抗値R3は変化しない。これにより、ブリッジ回路の平衡が破れて電圧計44に、水素濃度の増大変化に応じて増大傾向に変化する適宜の電圧が印加される。この電圧計44から出力される電圧の検出値は、制御装置12へ入力され、この電圧の検出値の変化に応じて予め設定された水素濃度のマップ等に基づいて、水素濃度が算出される。
なお、上述したように、被検出ガスである水素と阻害ガスであるアルコール等とが混在したガス雰囲気中においては、電圧計44から出力される電圧の検出値から検出されるのは、被検出ガスと阻害ガスとが混在したガスの濃度となる。
また、アルコール検出系では、例えば、上述した検出素子26及び温度補償素子27の代わりに、阻害ガス検出素子28及び温度補償素子29が配置される。
【0018】
また、例えば図3に示すように、車室内の雰囲気ガスを透過可能なメッシュ状の電熱材等により形成されたヒータ45は、ガス検出室22のガス導入部24を内側から塞ぐようにして備えられており、制御装置12による通電制御により、ガス検出室22内に導入される検査対象ガスを所定の温度まで加熱することができるようになっている。
制御装置12は、水素検出系およびアルコール検出系の各ブリッジ回路から出力される電圧の検出値を取得し、この電圧の検出値の変化に応じて予め設定された水素濃度およびアルコール濃度の各マップ等を検索し、水素濃度およびアルコール濃度を算出する。
さらに、制御装置12は、アルコール検出系から出力される検出値に応じて、電源(図示略)からヒータ45へ供給する通電量を制御しており、例えば、アルコール検出系から出力される検出値が所定判定値以上である場合に、初期設定電流にてヒータ45への通電を開始する。そして、アルコール検出系から出力される検出値の時間変化が増大傾向に変化する場合には、ヒータ45への通電量を増大させ、逆に、検出値の時間変化が減少傾向に変化する場合には、ヒータ45への通電量を減少させる。
【0019】
ここで、制御装置12は、ヒータ45の温度が、被検出ガスである水素の発火温度(例えば、520〜560℃程度)未満かつ阻害ガスであるアルコールの発火温度(例えば、450〜470℃程度)以上の温度範囲で変化するように通電量を制御する。これにより、ガス検出室22内に導入される検査対象ガスがヒータ45を通過する過程において、被検出ガスである水素が燃焼反応により消費されてしまうことを抑制しつつ、阻害ガスであるアルコールを燃焼反応によって効率よく消費させることができる。
さらに、制御装置12は、アルコール検出系から出力される検出値に応じて、予め設定された所定の補正マップ等を検索し、検索した補正値によって、水素検出系から出力される検出値を補正する。これにより、検査対象ガスに被検出ガスである水素と阻害ガスであるアルコール等とが混在している場合であっても、水素検出系から出力される検出値を補正して得られる補正後の検出値に応じて水素濃度のマップ等を検索することで、水素濃度を精度良く算出することができる。
【0020】
本実施の形態による水素センサ11は上記構成を備えており、次に、この水素センサ11の動作つまりガス検知方法において、特に、アルコール検出系から出力される検出値に応じてヒータ45の通電量を制御する処理について説明する。先ず、図6に示すステップS01においては、アルコール検出系から出力される検出値、つまり阻害ガス検出素子28と温度補償素子29との間の電気抵抗値の差に応じて発生するブリッジ回路での電圧の検出値を取得する。
次に、ステップS02においては、アルコール検出系から出力される検出値が所定判定値以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS01に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
ステップS03においては、初期設定電流にてヒータ45への通電を開始する。ただし、この初期設定電流とは、例えばヒータ45の温度が、被検出ガスである水素の発火温度(例えば、520〜560℃程度等)未満かつ阻害ガスであるアルコールの発火温度(例えば、450〜470℃程度等)以上の温度であって、例えばアルコールの発火温度近傍の温度となるような通電量とされている。
【0021】
次に、ステップS04においては、アルコール検出系から出力される検出値の時間変化が低下傾向に変化しているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS08に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS05に進む。
ステップS05においては、アルコール検出系から出力される検出値の時間変化が増大傾向に変化しているか否かを判定する。
ステップS05での判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進み、例えばヒータ45の温度が被検出ガスである水素の発火温度(例えば、520〜560℃程度等)未満となるような通電量を上限値としてヒータ45への通電量を増大させ、ステップS01に戻る。
一方、ステップS05での判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進み、ヒータ45への通電量を変化させずに維持し、ステップS01に戻る。
【0022】
また、ステップS08においては、例えば初期設定電流を下限値としてヒータ45への通電量を減少させ、ステップS09に進む。
ステップS09においては、アルコール検出系から出力される検出値が所定判定値未満か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS04に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進む。
ステップS10においては、ヒータ45への通電を停止して、一連の処理を終了する。
【0023】
例えば図7に示すように、車両10の始動開始を指示するイグニッションスイッチがオン状態に設定され、アルコール検出系から出力される検出値に基づき算出されるアルコール濃度がゼロの状態である時刻t0近傍においては、図8に示すように、ヒータ45への通電量(ヒータ通電量)はゼロに設定される。
そして、アルコール検出系から出力される検出値に基づき算出されるアルコール濃度が所定濃度C1に到達した時刻t1においては、ヒータ45への通電が初期設定電流I1にて開始される。
そして、アルコール検出系から出力される検出値に基づき算出されるアルコール濃度が増大傾向に変化し、例えば所定濃度C2に到達した時刻t2においては、ヒータ45への通電量が初期設定電流I1から所定通電量I2へと増大させられる。
一方、アルコール検出系から出力される検出値に基づき算出されるアルコール濃度が減少傾向に変化し、例えば所定濃度C2に到達した時刻t3においては、ヒータ45への通電量が所定通電量I2から初期設定電流I1へと低下させられ、さらに、所定濃度C1に到達した時刻t4においては、ヒータ45への通電量がゼロに設定される。
【0024】
上述したように、本実施の形態による水素センサ11によれば、検査対象ガスである車室内の雰囲気ガスは、ヒータ45を通過した後にガス検出室22内に導入されるため、ヒータ45によって確実に所定の温度まで加熱される。
しかも、ヒータ45への通電量は、アルコール検出系から出力される検出値、つまりヒータ45を透過してガス検出室22内に侵入するアルコールの濃度に係る状態量に基づいて制御されることにより、例えば通電量の不足や余剰等が生じることが防止され、ヒータ45が効率良く作動させられると共に、検査対象ガスに含まれるアルコールは、ヒータ45を透過する過程において燃焼反応により確実に消費される。
また、本実施の形態によるガス検知方法によれば、ヒータ45での消費電力の増大を抑制しつつ、検査対象ガス中に含まれるアルコールを適切に除去することができると共に、検査対象ガスに被検出ガスである水素と阻害ガスであるアルコールとが混在している場合であっても、水素検出系から出力される検出値は、アルコール検出系から出力される検出値に応じて補正されるため、水素濃度の検出精度を向上させることができる。
【0025】
なお、上述した本実施の形態において、ガスセンサを水素センサ11としたが、これに限定されず、その他のガス、例えば一酸化炭素やメタン等の可燃性ガスを検出するガスセンサであってもよい。
また、上述した本実施の形態において、阻害ガス検出素子28は阻害ガスとしてアルコールを選択的に酸化する選択酸化触媒31を備えるとしたが、これに限定されず、その他の阻害ガス、つまり被検出ガスの発火温度よりも低い発火温度の阻害ガスを選択的に酸化する触媒を備えていればよい。
また、この場合、選択酸化触媒31を阻害ガスの種類に応じて互いに異なる複数の触媒から構成してもよい。
【0026】
また、上述した本実施の形態においては、ガスセンサを車室内に配置するとしたが、これに限定されず、その他の箇所に配置してもよい。
また、上述した本実施の形態においては、各素子26,27,28,29を接続してなる回路をブリッジ回路としたが、これに限定されず、例えば直列回路等のその他の回路であってもよく、アルコールの濃度に係る状態量つまり阻害ガス検出素子28の抵抗値R4に関連した状態量として、所定接点間の電圧や電流の検出値に基づいてヒータ45を制御してもよい。
例えば、阻害ガス検出素子28と、アルコール濃度の増大に応じて抵抗値が増大する適宜の素子とを具備する直列回路に所定電圧を印加した状態で、阻害ガス検出素子28の端子間電圧を検出する場合には、アルコール濃度が増大すると、この直列回路において阻害ガス検出素子28での電圧降下が相対的に増大するため、この端子間電圧の検出値の増大に伴い、ヒータ45への通電量を増大させる。
また、例えば、阻害ガス検出素子28と、アルコール濃度の増大に応じて抵抗値が増大する適宜の素子とが並列に接続されてなる並列回路に定電流バイアス回路等によって所定の電流を供給する状態で、阻害ガス検出素子28に通電される電流を検出する場合には、アルコール濃度が増大すると、この並列回路において阻害ガス検出素子28に通電される電流が相対的に低下するため、この電流の検出値の減少に伴い、ヒータ45への通電量を増大させる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明のガスセンサによれば、ヒータでの消費電力の増大を抑制しつつ、検査対象ガス中に含まれる阻害ガスを適切に除去することができ、ガスセンサの被検出ガスに対する検出精度を向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のガスセンサによれば、検査対象ガスがガス検出室内に導入される過程において、被検出ガスが燃焼反応により除去されてしまうことを抑制し、阻害ガスのみを燃焼反応によって確実に除去することができる。
また、請求項3に記載の本発明のガス検知方法によれば、ヒータでの消費電力の増大を抑制しつつ、検査対象ガス中に含まれる阻害ガスを適切に除去することができ、被検出ガスの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るガスセンサを車室内に備えた車両を示す図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係るガスセンサの平面図である。
【図3】 図2に示すA−A線に沿う概略断面図である。
【図4】 各素子を示す斜視図である。
【図5】 検出素子および温度補償素子が接続されてなるブリッジ回路を示す図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係るガスセンサのガス検知方法の処理を示すフローチャートである。
【図7】 アルコール濃度の時間変化を示すグラフ図である。
【図8】 ヒータ通電量の時間変化を示すグラフ図である。
【符号の説明】
10 車両
11 水素センサ(ガスセンサ)
12 制御装置(ヒータ制御手段)
22 ガス検出室
26 検出素子
27 温度補償素子(第1の補償素子)
28 阻害ガス検出素子
29 温度補償素子(第2の補償素子)
45 ヒータ

Claims (3)

  1. 検査対象ガスが導入されるガス検出室内に検出素子と第1の補償素子を備え、前記検出素子と前記第1の補償素子との電気抵抗値の差異に基づき被検出ガスのガス濃度を検出するガスセンサであって、
    前記検出素子との相互作用により前記電気抵抗値を変更する前記被検出ガス以外の阻害ガスのガス濃度を、互いの電気抵抗値の差異に基づき選択的に検出可能な阻害ガス検出素子および第2の補償素子を前記ガス検出室内に備え、
    前記ガス検出室内に導入される前記検査対象ガスに含まれる前記阻害ガスを燃焼可能なヒータと、
    前記阻害ガス検出素子と前記第2の補償素子との電気抵抗値の差異に応じて前記ヒータの動作を制御するヒータ制御手段とを備えることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記ヒータ制御手段は、前記ヒータにより加熱される前記検査対象ガスの温度を、前記阻害ガスの発火温度以上かつ前記被検出ガスの発火温度未満に設定することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 検出素子と第1の補償素子との電気抵抗値の差異に基づき検査対象ガスに含まれる被検出ガスのガス濃度を検出するガス検知方法であって、
    前記検出素子との相互作用により前記検出素子の前記電気抵抗値を変更する前記被検出ガス以外の阻害ガスとの相互作用により電気抵抗値を変更する阻害ガス検出素子と、第2の補償素子との電気抵抗値の差異に応じて、前記阻害ガスを燃焼可能なヒータの動作を制御し、前記検査対象ガスに含まれる前記阻害ガスを燃焼させることを特徴とするガス検知方法。
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