JP3838532B2 - ホワイトバランス制御方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスの制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD撮像素子などを用いて画像データを入力する画像入力装置においては、白い被写体を撮像したときにR,G,Bの比が1:1:1になるように(すなわち色差R−Y.B−Yが0になるように)画像データのRとBのゲインを自動的に調整するホワイトバランス制御が不可欠である。ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどでは、一般に、画像データから直接的にホワイトバランスを評価する方式のホワイトバランス制御装置が採用されている。
【0003】
このような方式のホワイトバランス制御装置では、ホワイトバランスの正確な評価のために、有彩色と無彩色とを判別し、無彩色のデータを画像データから抽出しなければならない。有彩色と無彩色の判断基準としては輝度レベルが高いか否か、色差が0に近いか否かなどがあるが、無彩色データの抽出(いわゆる白検出)の方法としては、一般に、色差ドメイン上での黒体輻射カーブ近傍を無彩色抽出範囲として設定し、画面の全体を対象として、無彩色抽出範囲に入る画素の色差、輝度やR,G,Bの信号の積分値あるいは平均値を抽出する方法が採用されている。
【0004】
なお、画面を複数の領域に分割し、領域毎に無彩色抽出を行うデジタルホワイトバランス装置が特開平4−170889号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の一般的な無彩色抽出方法では、有彩色が無彩色として誤抽出されることがあり、そのような誤抽出される有彩色が画面上のかなりの面積を占めるときにホワイトバランス制御の誤りが起きる。このようなホワイトバランス制御誤りが起きやすい典型的なケースとして、人物の顔が比較的大きな面積を示す画像(図5、図11参照)や夕日を撮影した画像(図12参照)の場合があり、顔の肌色や、夕日とそれに赤く照らされた雲が無彩色として誤抽出されホワイトバランス制御が不適切になり、肌色や夕日などが白っぽく見えるような不自然な色合いの画像となってしまう。同様に、青空が比較的広い面積をしめる風景画像(図13参照)の場合も、不適切なホワイトバランス制御により全体が白っぽい画像となってしまうことがある。
【0006】
本発明の目的は、上に述べたようなホワイトバランス制御が不適切になりやすい画像に対しても、正常なホワイトバランス制御を可能にすること、画像の色温度の全体的変化にも追従して、そのようなホワイトバランス制御を可能にすること、そのようなホワイトバランス制御を単純な装置構成により実現することにある。
【0007】
なお、前記特開平4−170889号公報記載の従来技術は、同公報の記載内容によれば「被写体を判別して背景の影響を減じた重点的な制御」を目的としており、本発明とは構成・作用のみならず目的も異にするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明のホワイトバランス制御方法は、撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを、画面中央部と画面周辺部又は画面全体との間で相対評価し、画面全体のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御と、画面周辺部のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御の一方を選択する構成である。
【0009】
画面中央部に人の顔(肌色)のような低色温度の有彩色の被写体があるケースでは、画面中央部を対象としたホワイトバランス評価データと、画面周辺部又は画面全体を対象としたホワイトバランス評価データとの間、あるいは、それらのホワイトバランス評価データに基づいて求まるホワイトバランス調整のためのゲイン値の間に、有意の差が生じる。そのようなケースでなければ、そのような有意の差は生じにくい。請求項1記載の発明のホワイトバランス制御方法は、ホワイトバランスの相対評価によって、上に述べた有意の差があるときには画面周辺部のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御を選択することにより、画面中央部に人の顔などがあるケース(図5参照)でも、画面中央部の被写体の影響を排除した正常なホワイトバランス調整が可能であり、上に述べた有意差がないときには画面全体のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御を選択することにより、無彩色のデータ数が少ない場合でも、それを全て利用し精度のよいホワイトバランス調整が可能である。しかも、画像の色温度が全体的に変化しても、上に述べた画面中央部と画面周辺部又は画面全体との間のホワイトバランスの相対評価は変わらないから、色温度の全体的変化にも追従できる。
【0010】
請求項2記載の発明のホワイトバランス制御装置は、画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段と、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第1のゲイン値を、画面中央部のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第2のゲイン値をそれぞれ求め、第1のゲイン値と第2のゲイン値とを比較し、比較結果に応じて、第1のゲイン値、又は、第1のゲイン値を第2のゲイン値を用いて修正したゲイン値の一方を設定する手段と、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段とを具備する構成である。
【0011】
画面中央部に人の顔(肌色)のような低色温度の有彩色の被写体があり、これが無彩色として誤抽出された場合、画面全体を対象としたホワイトバランス評価データから求められる第1のゲイン値に比べ、画面中央部を対象としたホワイトバランス評価データから求められる第2のゲイン値はBレベルを上げ、Rレベルを下げる方向に振れたものとなる。前記の請求項2記載の発明のホワイトバランス制御装置は、ゲイン値の比較によって上に述べたような画面中央部に人の顔などの被写体があるケースか否かを判断し、そのようなケースでは画面中央部の人の顔などの被写体の影響を排除または減少させるように第2のゲイン値によって第1のゲイン値を修正したゲイン値を設定することにより、正常なホワイトバランス調整が可能であり、そのようなケースでないときには第1のゲイン値をそのまま設定することにより正常なホワイトバランス調整が可能である。しかも、画像の色温度が全体的に変化しても、上に述べた第1のゲイン値と第2のゲイン値の比較関係は変わらないため、色温度の全体的変化にも追従できる。また、通常の画像では、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいた第1のゲイン値が設定されるため、無彩色のデータ数の少ない場合でも精度よくゲイン値を設定し、高精度のホワイトバランス調整が可能である。
【0012】
また、請求項3記載の発明のホワイトバランス制御装置は、画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段と、画面中央部のホワイトバランス評価データと画面周辺部又は画面全体のホワイトバランス評価データとを比較し、比較結果に応じて、画面全体のホワイトバランス評価データ、又は画面周辺部のホワイトバランス評価データの一方を選択し、選択したホワイトバランス評価データに基づいて画像データのホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定する手段と、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段とを具備する構成である。
【0013】
画面中央部に人の顔などの被写体があるケースでは、画面中央部を対象としたホワイトバランス評価データと、画面周辺部又は画面全体を対象としたホワイトバランス評価データとの間に有意の差が生じる。そのようなケースでなければ、そのような有意の差は生じにくい。前記請求項3記載の発明のホワイトバランス制御装置は、ホワイトバランス評価データの比較によって、画面中央部に人の顔などがあるケースであるか否かを判断し、そのようなケースでは画面周辺部のホワイトバランス評価データに基づいたゲイン値を設定することにより、画面中央部の人の顔などの被写体の影響を排除した正常なホワイトバランス調整が可能であり、そのようなケースでなければ、画面中央部及び画面周辺部を合わせた画面全体を対象としたホワイトバランス評価データに基づいたゲイン値を設定することにより正常なホワイトバランス調整が可能である。しかも、画像の色温度が全体的に変化しても、上に述べた画面中央部と画面周辺部のホワイトバランス評価データの比較関係は変わらないため、色温度の全体的変化にも追従できる。また、通常は画面全体のホワイトバランス評価データに基づいてゲイン値が設定されるから、無彩色のデータ数が少ない場合でも高精度なホワイトバランス制御が可能である。
【0014】
また、上記目的を達成するため、請求項4記載の発明のホワイトバランス制御方法は、撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを、画面上側部分と、画面全体又は画面下側部分との間で相対評価し、画面全体のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御と、画面下側部分のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス評価の一方を選択する構成である。
【0015】
図11に示すような画面の上側部分に人の顔が比較的大きく写った画像や、図12に示すような画面の上側部分に赤い夕日と、それに赤く照らされた雲が写った画像、あるいは図13に示すような青空が画面の上側部分に写った画像では、画面の上側部分と、画面の全体又は下側部分とでホワイトバランス評価に有意の差が生じる。そのようなケースでなければ、そのような有意の差は生じない。請求項4記載の発明のホワイトバランス制御方法は、ホワイトバランスの相対評価によって、上に述べた有意の差があるときには、画面の下側部分のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御を選択することにより、図11乃至図13に示すような画像でも、画面上側部分の低色温度の被写体(顔や夕日)又は高色温度の被写体(青空)の影響を排除した正常なホワイトバランス調整が可能であり、また、上のような有意差がないときには画面全体のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御を選択することにより、無彩色データが少ない場合でも、それを全て利用し精度のよいホワイトバランス調整が可能である。また、画面の色温度が全体的に変化しても、上に述べた画面上側部分と画面全体又は下側部分との間のホワイトバランスの相対評価は変わらないから、色温度の全体的変化にも追従できる。
【0016】
請求項5記載のホワイトバランス制御装置は、 撮像素子を用いて入力された画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段と、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第1のゲイン値を、画面上側部分のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第2のゲイン値をそれぞれ求め、第1のゲイン値と第2のゲイン値を比較し、比較結果に応じて、第1のゲイン値、又は、第1のゲイン値を第2のゲイン値を用いて修正したゲイン値の一方を設定する手段と、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段とを具備する構成である。
【0017】
図11又は図12に示すような画面上側部分に人の顔や夕日のような低色温度の有彩色の被写体があり、これが無彩色として誤抽出された場合、画面全体を対象としたホワイトバランス評価データから求められる第1のゲイン値に比べ、画面上側部分を対象としたホワイトバランス評価データから求められる第2のゲイン値はBレベルを上げ、Rレベルを下げる方向に振れたものとなる。逆に図13に示すような画面上側部分に青空のような高色温度の有彩色の被写体があり、これが無彩色として誤抽出された場合、第1のゲイン値に比べ、第2のゲイン値はBレベルを下げ、Rレベルを上げる方向に振れたものとなる。前記の請求項5記載の発明のホワイトバランス制御装置は、ゲイン値の比較によって図11乃至図13に示す画像のようなケースか否かを判断し、そのようなケースでは画面上側部分の被写体の影響を排除または減少させるように第2のゲイン値によって第1のゲイン値を修正したゲイン値を設定することにより、正常なホワイトバランス調整が可能であり、そのようなケースでないときには第1のゲイン値をそのまま設定することにより正常なホワイトバランス調整が可能である。しかも、画像の色温度が全体的に変化しても、上に述べた第1のゲイン値と第2のゲイン値の比較関係は変わらないため、色温度の全体的変化にも追従できる。また、通常の画像では、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいた第1のゲイン値が設定されるため、無彩色のデータ数の少ない場合でも精度よくゲイン値を設定し、高精度のホワイトバランス調整が可能である。
【0018】
請求項6記載の発明のホワイトバランス制御装置は、画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段と、画面上側部分のホワイトバランス評価データと、画面全体又は画面下側部分のホワイトバランス評価データとを比較し、比較結果に応じて、画面全体のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値、又は、画面下側部分のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定する手段と、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段を具備する構成である。
【0019】
図11乃至図13に示すような画面上側部分に低色温度又は高色温度の被写体があるケースでは、画面上側部分のホワイトバランス評価データと、画面全体又は画面下側部分のホワイトバランス評価データとの間に有意の差が生じる。そのようなケースでなければ、そのような有意の差は生じにくい。前記請求項6記載の発明のホワイトバランス制御装置は、ホワイトバランス評価データの比較によって、図11乃至図13に示すような画像のケースであるか否かを判断し、そのようなケースでは画面下側部分のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定することにより、画面上側部分の人の顔、夕日、青空などの被写体の影響を排除した正常なホワイトバランス調整が可能であり、そのようなケースでなければ、画面全体のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定することにより正常なホワイトバランス調整が可能である。しかも、画像の色温度が全体的に変化しても、上に述べた画面上側部分と、画面全体又は画面下側部分のホワイトバランス評価データの比較関係は変わらないため、色温度の全体的変化にも追従できる。また、通常は画面全体のホワイトバランス評価データに従ったゲイン値が設定されるから、無彩色のデータが少ない場合でも高精度なホワイトバランス制御が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
<第1実施例>
本発明の第1の実施例について図1乃至図6を参照して説明する。
【0022】
図1は本実施例にかかる画像入力装置の全体的構成の一例を示すブロック図である。図1において、撮影レンズ1と絞り2を通過した被写体像は、CCD撮像素子3に結像して光電変換される。CCD撮像素子3から出力される画像信号はCDS(相関2重サンプリング)回路4によってノイズ除去等をなされてから色分離回路5に入力し、R(赤),G(緑),B(青)信号に分離される。R,G,B信号は利得制御装置6を経由してマトリクス回路7に入力し、Y(輝度)信号とR−Y,B−Y(色差)信号に変換される。Y信号とR−Y,B−Y信号はA/D変換器8によってデジタル信号に変換され、制御装置9を介しエンコーダ部10に入力し、エンコーダ部10によって映像信号に変換されて出力される。
【0023】
ホワイトバランス制御は、制御装置9からホワイトバランス調整のためのRゲイン値とGゲイン値が出力され、このR,Bゲイン値に従って利得制御装置6内でR信号とB信号の利得が制御されることによって行われる。
【0024】
制御装置9は、例えば、図2に示すように白検出部21とゲイン演算制御部22から構成される。白検出部21は入力画像データのY,R−Y,B−Y信号からホワイトバランス評価データを生成する手段である。ゲイン演算制御部22は、そのホワイトバランス評価データに基づいてR,Bゲイン値を設定して利得制御装置6に出力するとともに、白検出部21に対する各種パラメータの設定や制御装置9の全体的な動作のタイミングなどの制御する手段である。
【0025】
白検出部21は、後述のように画素単位に動作するから、ハードウエア回路とするのが好適であるかもしれないが、速度的に問題がなければマイクロプロセッサなどを利用しソフトウエアによって実現されてもよい。ゲイン演算制御部22は、後述のようにフィールド単位又はフレーム単位で比較的低速に動作するから、マイクロプロセッサなどを利用しソフトウエアにより容易に実現し得るが、ハードウエア回路として実現されてもよい。白検出部21とゲイン演算制御部22を、同じマイクロプロセッサなどを使用しソフトウエアにより一体的に実現することも可能である。
【0026】
次に、制御装置9の動作を説明する。図3は制御装置9の全体的処理フローを示すフローチャート、図4は白検出部21の処理フローを示すフローチャートである。
【0027】
ある画像フレームの第1フィールド期間の開始前に、ゲイン演算制御部22は白検出部21に対し、「画面全体」をホワイトバランスの「評価領域」として設定する(ステップ300)。これ以外にも「Y範囲」と「無彩色抽出範囲」が、画像入力装置の起動時あるいは、それらの変更が生じた時に白検出部21に設定される。
【0028】
そして、ゲイン演算制御部22は当該画像フレームの第1フィールド期間の開始時に白検出部21を起動し、白検出部21において「評価領域」に含まれる各画素に関し図4に示すホワイトバランス評価データ抽出処理を実行する。すなわち、ここでは「評価領域」は「画面全体」であるので、1フィールド中の各画素が入力するたびに、その画素のY信号の値が「Y範囲」に含まれるか否かが判定され(ステップ401)、「Y範囲」に含まれるならば、当該画素のR−Y,B−Y信号が「無彩色抽出範囲」に含まれるか否かが判定される(ステップ402)。本実施例では、図6に網掛け領域として示すような、(R−Y)/Y,(B−Y)/Yドメイン上の黒体輻射カーブの近傍領域が、「無彩色抽出範囲」として設定される。「無彩色抽出範囲」に含まれるならば、抽出データ数(抽出画素数)のカウンタを1だけインクリメントするとともに、Y,R−Y,B−Yの各積算値に当該画素のY,R−Y,B−Y信号の値をそれぞれ加算する(ステップ403)。なお、図4に示されていないが、上記のカウンタと各積算値はそれぞれ起動時に0クリアされている。
【0029】
第1フィールド期間が終了すると、ゲイン演算制御部22は白検出部21の動作を停止させ、白検出部21によって得られている抽出データ数(上記カウンタの値)とY,R−Y,B−Yの各積算値を「画面全体」を対象としたホワイトバランス評価データとして内部のメモリなどに保存する(ステップ302)。次にゲイン演算制御部22は、「画面中央部」をホワイトバランスの「評価領域」として設定する(ステップ303)。本実施例では例えば、図5に示すように、画面を縦横に4等分して16個の領域に分割し、その中央の4領域(網掛け部分)を「画面中央部」とする。ただし、これに限定されない。
【0030】
そして、当該画像フレームの第2フィールド期間の開始時に白検出部21を起動し、白検出部21において「評価領域」に含まれる各画素に関し図4に示すホワイトバランス評価データ抽出処理を実行する。すなわち、ここでは「画面中央部」に含まれる各画素が入力するたびに、その画素のY信号の値が「Y範囲」に含まれるか否かが判定され(ステップ401)、「Y範囲」に含まれるならば、当該画素のR−Y,B−Y信号は「無彩色抽出範囲」に含まれるか否かが判定される(ステップ402)。「無彩色抽出範囲」に含まれるならば、抽出データ数(抽出画素数)のカウンタを1だけインクリメントするとともに、Y,R−Y,B−Yの各積算値に当該画素のY,R−Y,B−Y信号の値をそれぞれ加算する(ステップ403)。
【0031】
第2フィールド期間が終了すると(あるいは「画面中央部」の最終ラインの期間が終了すると)、ゲイン演算制御部22は、白検出部21によって第1フィールドで得られ保存されている抽出データ数の合計数が、予め設定されている「抽出データ数しきい値」より多いか否かを判定し(ステップ305)、それより多いならば、第2フィールドのY,R−Y,B−Yの積算値を抽出データ数で除算して、それぞれの平均値を求め、これら平均値を用いて、(R−Y)/Y,(B−Y)/Yをそれぞれ0に近づけるための、つまりR,G,Bの利得比を1:1:1に近づけるためのRゲイン値とBゲイン値を計算する(ステップ306)。これは「画面中央部」を対象としたホワイトバランス評価データに基づいたR,Bゲイン値(RGc,BGc)である。また、内部のメモリなどに保存されている第1フィールドのY,R−Y,B−Yの積算値を抽出データ数で除算して、それぞれの平均値を求め、これら平均値を用いてR,Bゲイン値を計算する(ステップ306)。これは「画面全体」を対象としたホワイトバランス評価データに基づいたR,Bゲイン値(RGa,BGa)である。
【0032】
次に、計算されたR,Gゲイン値RGc,BGcとRGa,BGaとを比較し、「画面中央部」の色温度が「画面全体」の色温度より低いか否か判定する(ステップ307)。BGc>BGaかつRGc<RGaの条件が成立するときには、「画面中央部」は「画面全体」より低色温度であると判定し、
RG=RGa+(RGa−RGc)/3
BG=BGa+(BGa−BGc)/3
によってRGa,BGaを修正したRG,BGをR,Bゲイン値として設定する(ステップ308)。つまり、図5に見られるように「画面中央部」に人の顔などの低色温度の被写体が写っていて、それが無彩色として抽出されたケースとみなし、「画面中央部」(その面積は画面の周辺部の3分の1)の抽出データの影響を減らすようにゲイン値の修正を行い、等価的に「画面周辺部」を対象としたホワイトバランス評価データに基づいたゲイン値を設定するわけである。
【0033】
上記条件が成立しないときには、「画面中央部」の色温度は「画面全体」の色温度より低くない、つまり「画面中央部」に人の顔が写っているようなケースではないと判断されるので、「画面全体」を対象としたホワイトバランス評価データに基づいて計算されたRGa,BGaをR,Bゲイン値として設定する(ステップ309)。
【0034】
このようにしてR,Bゲイン値の設定が完了後、最初の画像フレーム又は数フレーム時間先の画像フレームの開始時に、そのR,Bゲイン値を利得制御装置6に出力する(ステップ310)。なお、ステップ305で、「画面全体」からの抽出データ数が「抽出データ数しきい値」以下であると判定されたときには、抽出データ数が少なく、確実なゲイン設定は困難であるので、R,Gゲイン値は更新されず、前回設定されたR,Gゲイン値に保持される。
【0035】
R,Bゲイン値の変更を頻繁に行うと画面のちらつきが目立つことがあるため、図3に示す処理は、所定数の画像フレームを間引いた形で、所定数フレームおきに実行される。
【0036】
ここまでの説明から明らかなように、本実施例においては、ゲイン演算制御部22は、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第1のゲイン値を、画面中央部のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第2のゲイン値をそれぞれ求め、第1のゲイン値と第2のゲイン値とを比較し、比較結果に応じて、第1のゲイン値、又は、第1のゲイン値を第2のゲイン値を用いて修正したゲイン値の一方を設定する手段を含んでいる。
【0037】
<第2実施例>
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例に係る画像入力装置の全体的構成は前記第1実施例と同様であるので、図1を援用し説明を省略する。また、制御装置9のブロック構成は前記第1実施例と同様であるので、図2を援用して説明する。
【0038】
本実施例における制御装置9の全体的処理フローを図7に、白検出部21の処理フローを図8にそれぞれ示し説明する。
【0039】
ある画像フレームの第1フィールド期間の開始前に、ゲイン演算制御部22は白検出部21に対し、ホワイトバランス評価領域としての「画面中央部」と「画面周辺部」の範囲を設定する(ステップ700)。本実施例では例えば、前記第1実施例と同様の図5の網掛け領域を「画面中央部」として設定し、それ以外の領域を「画面周辺部」として設定する。これ以外にも、「Y範囲」と「無彩色抽出範囲」が、画像入力装置の起動時あるいは、それらの変更が生じた時に白検出部21に設定される。そして、ゲイン演算制御部22は、第1フィールド期間の開始時に白検出部21を起動し、図8に示すホワイトバランス評価データ抽出処理を開始させる(ステップ701)。
【0040】
白検出部21においては、第1フィールド中の各画素が入力するたびに、その画素のY信号の値が「Y範囲」に含まれるか否かを判定し(ステップ801)、「Y範囲」に含まれるならば、当該画素のR−Y,B−Y信号が「無彩色抽出範囲」に含まれるか否かを判定する(ステップ802)。本実施例では、前記第1実施例と同様に、図6に網掛け領域として示すような、(R−Y)/Y,(B−Y)/Yドメイン上の黒体輻射カーブの近傍領域が「無彩色抽出範囲」として設定される。「無彩色抽出範囲」に含まれるならば、当該画素が「画面中央部」と「画面周辺部」のいずれに含まれる画素であるか判別する(ステップ803)。「画面中央部」に含まれる画素ならば、「画面中央部」の抽出データ数(抽出画素数)のカウンタを1だけインクリメントするとともに、「画面中央部」のY,R−Y,B−Yの各積算値に当該画素のY,R−Y,B−Y信号の値をそれぞれ加算する(ステップ804)。「画面周辺部」に含まれる画素ならば、「画面周辺部」の抽出データ数(抽出画素数)のカウンタを1だけインクリメントするとともに、「画面周辺部」のY,R−Y,B−Yの各積算値に当該画素のY,R−Y,B−Y信号の値をそれぞれ加算する(ステップ805)。なお、図8に示されていないが、上記のカウンタと各積算値はそれぞれ起動時に0クリアされている。
【0041】
第1フィールド期間が終了すると、ゲイン演算制御部22は白検出部21の動作を停止させ、白検出部21によって得られた「画面中央部」のホワイトバランス評価データ中の抽出データ数と、「画面周辺部」のホワイトバランス評価データ中の抽出データ数との合計数(画面全体の抽出データ数)が、予め設定された「抽出データ数しきい値」を超えるか判定する(ステップ702)。抽出データ数の合計数が「抽出データ数しきい値」を超えるならば、「画面中央部」のR−Y,B−Yの累積値を抽出データ数で除算したR−Y,B−Yの平均値と、「画面周辺部」のR−Y,B−Yの累積値を抽出データ数で除算したR−Y,B−Yの平均値との間に、所定値を超える差があるか判定する(ステップ703)。 「画面中央部」と「画面周辺部」のR−Y,B−Y平均値の差が所定値を超えるならば、「画面中央部」のR−Y,B−Y平均値が低色温度相当(肌色に近い色温度)であるか判定する(ステップ704)。低色温度相当であれば、「画面中央部」に人の顔などの色温度が比較的低い大きな像が写っていて、それが無彩色として抽出されたケースとみなされるので、その影響を避けるため、「画面周辺部」のR−Y,B−Yの平均値及びYの平均値(Y積算値を抽出データ数で除した値)を用い、(R−Y)/Y,(B−Y)/Yをそれぞれ0に近づけるための、つまりR,G,Bの利得比を1:1:1に近づけるためのRゲイン値とBゲイン値を計算し、これを新しいR,Bゲイン値として設定する(ステップ705)。これは「画面周辺部」を対象としたホワイトバランス評価データに基づいたR,Bゲイン値である。「画面中央部」のR−Y,B−Yの平均値が低色温度相当でないと判定されたときには、画面中央部に人物の顔のような低色温度の大きな領域が存在しないケースとみなされるので、「画面全体」のY,R−Y,B−Yの平均値を用いてRゲイン値とBゲイン値を計算し、これを新しいR,Bゲイン値として設定する(ステップ706)。これが「画面全体」を対象としたホワイトバランス評価データに基づいたR,Bゲイン値である。この際、「画面全体」のY,R−Y,B−Yの平均値は、例えば、「画面中央部」のY,R−Y,B−Yの積算値と「画面周辺部」のY,R−Y,B−Yの積算値の合計値を、「画面中央部」の抽出データ数と「画面周辺部」の抽出データ数の合計値で除算することにより求められる。
【0042】
このようにしてR,Bゲイン値が設定された後、最初の画像フレーム又は数フレーム時間先の画像フレームの開始時に、設定されたR,Bゲイン値を利得制御装置6に出力する(ステップ707)。R,Bゲイン値の変更を頻繁に行うと画面のちらつきが目立つことがあるため、図7に示す処理は、所定数の画像フレームを間引いた形で、所定数フレームおきに実行される。また、ステップ702で、抽出データ数の合計数が「抽出データ数しきい値」以下であると判定されたときには、R,Gゲイン値は更新されず、前回に設定されたR,Gゲイン値に保持される。
【0043】
なお、ステップ703において、「画面中央部」のR−Y,B−Y平均値と、「画像全体」のR−Y,B−Yの平均値との差を調べてもよい。ただし、「画面中央部」と「画面周辺部」との間で比較するほうが、人物の顔などが画面中央部を占める場合と占めない場合とで、差が大きく現れやすいので、その判別の感度を高めることができる。また、白検出部21において、「画面中央部」のホワイトバランス評価データと「画面周辺部」のホワイトバランス評価データを抽出し、「画面全体」のホワイトバランスは間接的に抽出される形となっているが、
「画面全体」を対象としたホワイトバランス評価データを直接的に抽出するようにしてもよい(この場合、「画面周辺部」又は「画面中央部」のホワイトバランス評価データを間接的に抽出しても直接的に抽出してもよい)。
【0044】
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、ゲイン演算制御部22は、画面中央部のホワイトバランス評価データと画面周辺部又は画面全体のホワイトバランス評価データとを比較し、比較結果に応じて、画面全体のホワイトバランス評価データ、又は画面周辺部のホワイトバランス評価データの一方を選択し、選択したホワイトバランス評価データに基づいて画像データのホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定する手段を含んでいる。
【0045】
<第3実施例>
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例に係る画像入力装置の全体的構成は前記第1実施例と同様であるので、図1を援用し説明を省略する。また、制御装置9のブロック構成は前記第1実施例と同様であるので、図2を援用して説明する。
【0046】
本実施例における制御装置9の全体的処理フローを図9に示し説明する。ある画像フレームの第1フィールド期間の開始時に、制御装置9のゲイン演算制御部22は、白検出部21を起動し、「画面全体」をホワイトバランスの「評価領域」としたホワイトバランス評価データの抽出処理の実行させる(ステップ900)。白検出部21におけるホワイトバランス評価データの抽出処理の内容は、例えば図4のフローチャートに示す通りである。
【0047】
第1フィールド期間が終了すると、ゲイン演算制御部22は白検出部21の動作を停止させ、白検出部21によって抽出されたホワイトバランス評価データを用いてホワイトバランス調整のためのR,Bゲイン値RGa,BGaを計算し、内部のメモリなどに保存する(ステップ901)。このR,Bゲイン値の求め方は前記第1実施例のステップ306に関連して述べた通りである。
【0048】
当該画像フレームの第2フィールド期間の開始時に、ゲイン演算制御部22は、白検出部21を起動し、「画面の上半分」をホワイトバランスの「評価領域」としたホワイトバランス評価データ抽出処理を実行させる(ステップ902)。すなわち、ここでは「画面の上半分」すなわち画面の中央水平線から上側の部分全部を「画面上側部分」として、「評価領域」に設定したが、必ずしもこれだけに限定されるわけではなく、図11乃至図13に示したような画像の、画面全体とは色温度の異なる画面上側部分を「評価領域」として設定すればよい。例えば、画面の中央水平線から上側の一部領域、中央水平線よりある距離だけ上にずれた水平線から上側の部分などを「画面上側部分」とすることも可能である。また、「画面上側部分」を可変にしてもよい。
【0049】
第2フィールド期間が終了すると(あるいは「評価領域」の最終ラインの期間が終了すると)、ゲイン演算制御部22は、白検出部21の動作を停止させ、白検出部21によって抽出されたホワイトバランス評価データを用いてホワイトバランス調整のためのR,Bゲイン値RGu,BGuを計算し、内部のメモリなどに保存する(ステップ903)。
【0050】
次に、ゲイン演算制御部22は、R,Gゲイン値RGa,BGaとRGu,BGuとを比較し、図11乃至図13に示すような画像である否かを判定する。まず、画面上側部分が画面全体より高色温度であるか判定する(ステップ904)。RGa<RGuかつBGa>BGuの関係が成立するときは、画面上側部分が画面全体より高色温度であると判定する(判定結果yes)。その関係が成立しないときには、画面上側部分が画面全体より低色温度であるか判定する(ステップ905)。すなわち、RGa>RGuかつBGa<BGuならば、画面上側部分が画面全体より低色温度であると判定する(判定結果yes)。
【0051】
ステップ904,905のいずれの判定条件も不成立の場合は、ホワイトバランス評価対象の画像は図11乃至図13に示したような画像ではないと判断されるので、ゲイン演算制御部22は、「画面全体」のホワイトバランス評価データに基づいたR,Bゲイン値RGa,BGaを最終的なR,Bゲイン値RG,BGとして設定する(ステップ906)。
【0052】
ステップ904,905のいずれかの判定条件が成立した場合、ホワイトバランス評価対象の画像は図11乃至図13に示すような画像であるので、画面上側部分の肌色や夕日のような低色温度、又は青空のような高色温度の影響を避けるため、画面全体からのゲイン値RGa,BGaを画面上側部分からのゲイン値RGu,BGuによって修正することにより、画面下側部分のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス調整のためのR,Bゲイン値を求め、それを最終的なR,Bゲイン値RG,BGとして設定する(ステップ907)。このゲイン値の修正計算は、例えば、
RG=2×RGa−RGu+(RGu−RGa)/RGa
BG=2×BGa−BGu+(BGu−BGa)/BGa
によって行われる。
【0053】
このようにしてR,Bゲイン値の設定が完了後、最初の画像フレーム又は数フレーム時間先の画像フレームの開始時に、ゲイン演算制御部22は、そのR,Bゲイン値を利得制御装置6に出力する(ステップ908)。
【0054】
なお、前記第1実施例と同様に、例えばステップ901で、「画面全体」からの抽出データ数が「抽出データ数しきい値」を越えるか否かの判定を行い、同しきい値を越えない場合に当該フレームでのゲイン設定を取りやめ、R,Gゲイン値を更新せず前回設定されたR,Gゲイン値に保持するようにしてもよい。また、1フィールド内で「画面全体」と「画面上側部分」の両方のホワイトバランス評価データを抽出するようにしてもよい。また、R,Bゲイン値RG,BGの急激な変化を防止するため、ステップ904の前で、算出されたR,Bゲイン値RGa,BGa及びRGu,BGuが基準値から外れている場合に基準値内に補正するリミッタ制御を行ってもよい。また、本実施例においても、R,Bゲイン値の頻繁な変更による画面のちらつきを防止するため、図9に示した処理は、所定数の画像フレームを間引いた形で、所定数フレームおきに実行される。
【0055】
ここまでの説明から明らかなように、本実施例においては、ゲイン演算制御部22は、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第1のゲイン値を、画面上側部分のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第2のゲイン値をそれぞれ求め、第1のゲイン値と第2のゲイン値を比較し、比較結果に応じて、第1のゲイン値、又は、第1のゲイン値を第2のゲイン値を用いて修正したゲイン値を設定する手段を含んでいる。
【0056】
<第4実施例>
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例に係る画像入力装置の全体的構成は前記第1実施例と同様であるので、図1を援用し説明を省略する。また、制御装置9のブロック構成は前記第1実施例と同様であるので、図2を援用して説明する。
【0057】
本実施例における制御装置9の全体的処理フローを図10に示し説明する。ある画像フレームの第1フィールド期間の開始時に、制御装置9のゲイン演算制御部22は、白検出部21を起動し、「画面全体」をホワイトバランスの「評価領域」としたホワイトバランス評価データの抽出処理の実行させ、第1フィールド期間が終了すると、白検出部21の動作を停止させ、抽出されたホワイトバランス評価データを内部のメモリなどに保存する(ステップ1000)。白検出部21におけるホワイトバランス評価データの抽出処理の内容は、例えば図4のフローチャートに示す通りである。
【0058】
当該画像フレームの第2フィールド期間の開始時に、ゲイン演算制御部22は、白検出部21を起動し、「画面の上半分」をホワイトバランスの「評価領域」としたホワイトバランス評価データ抽出処理を実行させ、第2フィールド期間が終了すると(あるいは「評価領域」の最終ラインの期間が終了すると)、抽出されたホワイトバランス評価データを内部のメモリなどに保存する(ステップ1001)。ここでは「画面の上半分」を「画面上側部分」として、「評価領域」に設定したが、必ずしもこれだけに限定されるわけではない。
【0059】
次に、ゲイン演算制御部22は、「画面全体」と「画面上側部分」のホワイトバランス評価データを比較し、図11乃至図13に示したような画像であるか否かを判定する。すなわち、画面上側部分が画面全体より高色温度であるか判定し(ステップ1002)、そうでなければ画面上側部分が画面全体より低色温度であるか判定する(ステップ1003)。これらの判定では、例えば、前記第2実施例のステップ704(図7)に関連して説明したように、各評価領域のR−Y,B−Yの平均値を用いればよい。
【0060】
「画面上側部分」が「画面全体」に比べ高色温度でも低色温度でもないと判定した場合、すなわち図11乃至図13に示したような画像でないと判断される場合、ゲイン演算制御部22は、「画面全体」のホワイトバランス評価データに基づいてR,Gゲイン値RGa,BGaを計算し、それを最終的なR,Bゲイン値RG,BGとして設定する(ステップ1004)。
【0061】
「画面上側部分」が「画面全体」より高色温度又は低色温度である場合、すなわち図11乃至図13に示したような画像であると判断される場合、ゲイン演算制御部22は、画面上側部分の肌色や夕日のような低色温度、又は青空のような高色温度の影響を避けるため、画面下側部分のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス調整のためのR,Bゲイン値を計算し、それを最終的なR,Bゲイン値として設定する(ステップ1005)。例えば、「画面全体」のホワイトバランス評価データと「画面上側部分」のホワイトバランス評価データとから計算によって「画面下側部分」のホワイトバランス評価データを求め、これを用いてR,Bゲイン値を計算する。あるいは、前記第3実施例と同様に、「画面全体」のホワイトバランス評価データからR,Bゲイン値RGa,BGaを計算し、「画面上側部分」のホワイトバランス評価データからR,Bゲイン値RGu,BGuを計算し、前記計算式によってRGa,BGaをRGu,BGuによって修正することにより最終的なR,Bゲイン値を求める。
【0062】
このようにしてR,Bゲイン値の設定が完了後、最初の画像フレーム又は数フレーム時間先の画像フレームの開始時に、ゲイン演算制御部22は、そのR,Bゲイン値を利得制御装置6に出力する(ステップ1006)。
【0063】
なお、前記第1実施例と同様に、例えばステップ1000で、「画面全体」からの抽出データ数が「抽出データ数しきい値」を越えるか否かの判定を行い、同しきい値を越えない場合に当該フレームでのゲイン設定を取りやめ、R,Gゲイン値を更新せず前回設定されたR,Gゲイン値に保持するようにしてもよい。また、1フィールド内で「画面全体」と「画面上側部分」の両方のホワイトバランス評価データを抽出するようにしてもよい。また、R,Bゲイン値RG,BGの急激な変化を防止するため、ステップ1004,1005で、算出されたR,Bゲイン値が基準値から外れている場合に基準値内に補正するリミッタ制御を行ってもよい。また、本実施例においても、R,Bゲイン値の頻繁な変更による画面のちらつきを防止するため、図10に示した処理は、所定数の画像フレームを間引いた形で、所定数フレームおきに実行される。
【0064】
ここまでの説明から明らかなように、本実施例においては、ゲイン演算制御部22は、画面上側部分のホワイトバランス評価データと、画面全体のホワイトバランス評価データとを比較し、比較結果に応じて、画面全体のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値、又は、画面下側部分のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定する手段を含んでいる。
【0065】
なお、画像全体ではなく画像下側部分のホワイトバランス評価データを直接抽出する構成も可能である。例えば前記第4実施例において、ステップ1000で画像上側部分と画像下側部分のホワイトバランス評価データを同じフィールド内で抽出し(ステップ1001は不要)、あるいはそれらを別々のフィールドで抽出する。そして、ステップ1002,1003では、画像上側部分と画像下側部分のホワイトバランス評価データの間で色温度の比較判定を行い、あるいは画像の上側部分と下側部分のホワイトバランス評価データから画像全体のホワイトバランス評価データを計算し、これを用いて前記第4実施例と同様の比較判定を行う。ステップ1005では画像下側部分のホワイトバランス評価データから直接的にR,Gゲイン値を計算し、また、ステップ1004では計算によって求めた画像全体のホワイトバランス評価データでR,Gゲイン値を計算する構成としてもよい。
【0066】
また、ホワイトバランス評価データは、前記各実施例のものに限定されるものではなく、R−G,B−GもしくはG−R,G−Bなどの色差データの積算値又はその平均値、R,G,Bデータの積算値又はその平均値などを抽出するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上に詳細に説明したように、本発明によるホワイトバランス制御方法又は装置は、画面中央部に人の顔(肌色)のような低色温度の有彩色の被写体があるようなケース、あるいは、画面上側部分に人の顔や夕日のような低色温度の有彩色被写体又は青空のような高色温度の有彩色被写体があるようなケースでも正常なホワイトバランス調整が可能であり、また、そのようなケースでないときには画面全体のホワイトバランス評価に従ってホワイトバランスを制御するため、無彩色データ数の少ない場合でも高精度のホワイトバランス調整が可能であり、しかも、画像の色温度が全体的に変化しても変わらないホワイトバランス評価データ又はゲイン値の比較関係を利用するため、色温度が全体的に変化しても、それに追従し正しいホワイトバランス制御が可能である。さらに、本発明によるホワイトバランス制御装置は、格別複雑な処理や時間のかかる処理を必要とせず、また、画面を多数の領域に分割し各領域のホワイトバランス評価データを抽出し保存するような構成ではないから、ホワイトバランス評価データを保存するために多数のメモリなどを必要とすることもない。したがって、本発明のホワイトバランス制御装置は、ハードウェア回路によって、マイクロプロセッサなどを利用しソフトウエアによって、あるいは両者の組合せによって、簡易小規模な構成にて容易に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る画像入力装置の全体的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1中の制御装置のブロック構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例における制御装置の全体的処理フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例における白検出部の処理フローを示すフローチャートである。
【図5】画面の中央部と周辺部の分割例を示す図である。
【図6】無彩色抽出範囲を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例における制御装置の全体的処理フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施例における白検出部の処理フローを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施例における制御装置の全体的処理フローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施例における制御装置の全体的処理フローを示すフローチャートである。
【図11】画面上側部分に人の顔が写った画像を示す図である。
【図12】画面上側部分に夕日が写っている画像を示す図である。
【図13】画面上側部分に青空が写っている画像を示す図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 絞り
3 CCD撮像素子
4 CDS回路
5 色分離回路
6 利得制御装置
7 マトリクス回路
8 A/D変換器
9 制御装置
10 エンコーダ部
21 白検出部
22 ゲイン演算制御部

Claims (6)

  1. 撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを、画面中央部と画面周辺部又は画面全体との間で相対評価し、画面全体のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御と、画面周辺部のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御の一方を選択することを特徴とするホワイトバランス制御方法。
  2. 撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを評価して画像データのホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御装置であって、画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第1のゲイン値を、画面中央部のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第2のゲイン値をそれぞれ求め、第1のゲイン値と第2のゲイン値とを比較し、比較結果に応じて、第1のゲイン値、又は、第1のゲイン値を第2のゲイン値を用いて修正したゲイン値の一方を設定する手段、及び、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段を具備するホワイトバランス制御装置。
  3. 撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを評価して画像データのホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御装置であって、画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段、画面中央部のホワイトバランス評価データと画面周辺部又は画面全体のホワイトバランス評価データとを比較し、比較結果に応じて、画面全体のホワイトバランス評価データ、又は画面周辺部のホワイトバランス評価データの一方を選択し、選択したホワイトバランス評価データに基づいて画像データのホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定する手段、及び、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段を具備するホワイトバランス制御装置。
  4. 撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを、画面上側部分と、画面全体又は画面下側部分との間で相対評価し、画面全体のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス制御と、画面下側部分のホワイトバランス評価に従ったホワイトバランス評価の一方を選択することを特徴とするホワイトバランス制御方法。
  5. 撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを評価して画像データのホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御装置であって、画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段、画面全体のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第1のゲイン値を、画面上側部分のホワイトバランス評価データに基づいてホワイトバランス調整のための第2のゲイン値をそれぞれ求め、第1のゲイン値と第2のゲイン値を比較し、比較結果に応じて、第1のゲイン値、又は、第1のゲイン値を第2のゲイン値を用いて修正したゲイン値を設定する手段、及び、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段を具備するホワイトバランス制御装置。
  6. 撮像素子を用いて入力される画像データのホワイトバランスを評価して画像データのホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御装置であって、画像データからホワイトバランス評価データを抽出する手段、画面上側部分のホワイトバランス評価データと、画面全体又は画面下側部分のホワイトバランス評価データとを比較し、比較結果に応じて、画面全体のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値、又は、画面下側部分のホワイトバランス評価データに従ったホワイトバランス調整のためのゲイン値を設定する手段、及び、設定されたゲイン値に従って画像データのホワイトバランスを調整する手段を具備するホワイトバランス制御装置。
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