JP3652902B2 - ホワイトバランス調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホワイトバランス調整装置に関し、より詳細には、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等に使用される撮像装置に適用されるホワイトバランス調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、撮像装置では、白い被写体を撮像して得られる出力信号を人間の見た目に合わせるためには、出力信号のR、G、Bの比が1:1:1になるように自動的に調整するホワイトバランス調整が不可欠である。
【0003】
従来、例えば、CCD出力信号に対する色補正として、RとBのアンプのゲインを、色差信号R−Y、B−Yと輝度信号Yを用いて、(R−Y)/Yと(B−Y)/Yの演算結果が0になるように補正することによりホワイトバランス制御を行う方式が知られている。
【0004】
このようなホワイトバランス補正演算に用いる色差(無彩色抽出)信号は、光源の色温度による黒体輻射近傍の領域が無彩色の領域としての確率が高いため、黒体輻射近傍領域の画像信号をホワイトバランス演算データとして抽出している。また、輝度領域は、ホワイトバランス制御精度を向上させるため、RGBデータにノイズが発生する低輝度部と飽和することにより色差の値が変化する高輝度領域を除去した中央輝度領域を使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、撮影環境が明るい場合や無彩色が多く存在する場合には適正な制御が行われるが、肌色等の特定色は黒体輻射領域の画像信号と合致し、色温度データとしてホワイトバランス制御されるため、不自然な色合いの画像になるという問題がある。
【0006】
また、野外等における明るい被写体は低輝度側のノイズ領域は狭いが、屋内の電灯下における暗い被写体は低輝度側のノイズ領域が広くなり、低輝度側の領域設定を明るい被写体に合わせた場合は暗い被写体にてノイズを抽出するため実色温度からずれたホワイトバランス調整値が設定され、明るい被写体に合わせた場合は輝度設定領域が狭くなり無彩色データが抽出できなくなって不自然な色合いの画像になるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、撮影環境の色温度に合わない不自然な色合いの画像となるのを防止して適正な画像を出力可能なホワイトバランス調整装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、設定される輝度抽出領域内で、入力されるカラー画像データに応じた輝度信号および色差信号からホワイトバランス制御用画像色データを抽出し、当該抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、当該カラー画像データのホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整装置において、前記カラー画像データのうち少なくとも2色の画像データの利得を調整する利得調整手段と、前記ホワイトバランス制御用画像色データに基づき、前記利得調整手段の利得を制御してホワイトバランス制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記輝度抽出領域を被写体の明るさ情報に基づいて可変に設定し、さらに、特定色の輝度領域を除いて前記輝度抽出領域を設定するものである。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、入力されるカラー画像データに応じた輝度信号および色差信号からホワイトバランス制御用画像色データを抽出し、当該抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、当該カラー画像データのホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整装置において、前記カラー画像データのうち少なくとも2色の画像データの利得を調整する利得調整手段と、前記ホワイトバランス制御用画像色データに基づきホワイトバランス調整値を算出して、当該ホワイトバランス調整値に応じて前記利得調整手段の利得を制御してホワイトバランス制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、輝度領域を複数に分割して設定し、当該分割した複数の輝度領域内で各々抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、夫々ホワイトバランス調整値を算出して、前記複数の輝度領域の1つを基準輝度領域とし、算出した基準輝度領域のホワイトバランス調整値と算出した他の輝度領域のホワイトバランス調整値とを比較し、当該基準輝度領域のホワイトバランス調整値との差が基準範囲内となる輝度領域のホワイトバランス制御用画像色データに基づき、ホワイトバランス制御することものである。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、輝度領域を分割する際に、中輝度領域を低輝度領域および/または高輝度領域に比して広く設定するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るホワイトバランス調整装置を適用した撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るホワイトバランス調整装置を適用した撮像装置を示すブロック図である。同図に示す撮像装置は、撮影レンズ101,絞り102,CCD(電荷結合素子)103,CDS104,色分離回路105,利得制御回路106、マトリクス回路107,A/D変換器108,制御装置109,エンコーダ部110とから構成される。
【0016】
上記撮影レンズ101はCCD103上に被写体像を結像する。絞り102は被写体像の光量を制限するためのものである。CCD103は、撮影レンズ101および絞り102を通過した被写体像を電気信号に変換して画像データとして出力する。CDS(相関2重サンプリング素子)104は、CCD103から出力される画像データのノイズ等の除去を行うためのものである。
【0017】
色分離回路105は、入力される画像データをR、G,Bに分離してRGB信号を出力する。利得制御回路106は、入力されるRGB信号のうちR信号とB信号を、制御装置109からの指令に応じてゲイン調整してゲイン調整したRGB信号を出力する。マトリクス回路107は、入力されるRGB信号を輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yに変換して出力する。A/Dコンバータ108は、輝度信号Yと色差信号R−Y、B−Yをデジタル信号に変換して出力する。
【0018】
制御装置109は、設定した輝度抽出領域内で、入力される輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yからホワイトバランスを評価するためのホワイトバランス制御用画像色データを抽出し、当該抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、無彩色領域におけるR信号、G信号、およびB信号が同じ値になるように、ホワイトバランス調整値(Rゲイン値、Bゲイン値)を算出し、利得制御回路106のR信号とB信号のゲインを調整してホワイトバランス制御する。エンコーダ部110は、入力される信号を映像信号に変換して出力する。
【0019】
図2は、(R−Y)/Y、(B−Y)/Y軸上における無彩色領域のホワイトバランス制御用画像色データを抽出するための無彩色抽出領域を示した図である。同図において、無彩色抽出領域は、(R−Y)/Y、(B−Y)/Y軸の黒体輻射カーブに沿ったR1,B1の斜線部の範囲である。ホワイトバランス制御では、制御装置109は、入力される輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yのうち、上記無彩色抽出領域内の輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yをホワイトバランス制御用画像色データとして抽出し、当該抽出されたホワイトバランス制御用画像色データに基づきR信号およびB信号を夫々調整するためのホワイトバランス調整値(Rゲイン値およびBゲイン値)を算出して、利得制御回路106のR信号とB信号のゲインを調整する。
【0020】
図3〜図5は、輝度(縦軸:Y)位置による無彩色抽出領域を示した図である。同図において、平面は図2の無彩色抽出領域に対応している。図3において、Uは初期高輝度側限界値、Lは初期低輝度側限界値、U〜L間は通常輝度抽出領域、MU〜MLは特定色領域を示す。被写体が高輝度部や低輝度部を含んでいない通常の被写体条件での撮影では、通常輝度抽出領域(U〜L)を設定し、この通常輝度抽出領域(U〜L)内でホワイトバランス制御用画像色データを抽出する。
【0021】
しかるに、無彩色抽出領域は、輝度(Y)が高い(最大値)方向に移動するに従い広くなっていく。輝度が高くなると画像データ(R,G,B)出力値のいずれかが最大設定値で飽和するため、高輝度方向におけるR,G,Bの色バランスは、中輝度位置におけるR,G,Bの比率とズレが発生する。
【0022】
また、輝度が0(最小値)方向に低く(暗く)なると、R,G,Bにノイズが発生し、最小値方向におけるR,G,Bの色バランスは、中輝度位置におけるR,G,Bの比率とズレが発生する。一般に、暗い場所で撮影する場合には、絞りやシャッター速度にて被写体を明るく調整するため、低輝度側のノイズ領域も広くなってしまう。
【0023】
そこで、本実施の形態では、制御装置109は、ホワイトバランス制御用画像色データを抽出するための輝度領域抽出領域を被写体の明るさ情報に基づいて可変に設定し、当該設定した輝度抽出領域内でホワイトバランス制御用画像色データを抽出する。
【0024】
具体的には、制御装置109は、撮像(被写体)が明るい場合には、低輝度側限界値を初期低輝度側限界値Lから高輝度側のL1方向に変化させて、すなわち、輝度抽出領域の低輝度側を上げてホワイトバランス制御用画像色データを抽出する。他方、制御装置109は、撮像(被写体)が暗い場合には、低輝度側限界値を初期低輝度側限界値Lから低輝度側のL2方向に変化させて、すなわち、輝度抽出領域を低輝度側に広げてホワイトバランス制御用画像色データを抽出する。
【0025】
ところで、肌色がホワイトバランス制御用画像色データとして抽出された場合には、肌色が白っぽく色調整されるなど違和感のある画像色となってしまうことがある。そこで、本実施の形態では、制御装置109は、ホワイトバランス制御用画像色データを抽出するための輝度抽出領域を、撮像画面の色温度情報に基づいて可変に設定し、当該設定した輝度抽出領域内でホワイトバランス制御用画像色データを抽出する。
【0026】
具体的には、制御装置109は、被写体に特定色(肌色、緑色、青色等)が含まれている場合には、通常輝度抽出領域(U〜L間)から色温度による無彩色画像の色データと異なる特定色(肌色、緑色、青色等)の輝度領域(MU〜ML間)を除いたU〜MU間およびML〜L間を輝度抽出領域として設定する。そして、制御装置109は、設定した輝度抽出領域(U〜MU間およびML〜L間)内でホワイトバランス制御用画像色データを抽出する。これにより、色温度による無彩色変化色データを忠実に抽出することが可能となる。
【0027】
また、制御装置109は、被写体の明るさ情報および/または撮像画面の色温度情報に応じて、特定色の輝度領域(MU〜ML間)を移動設定して、高精度のホワイトバランス制御用画像色データを抽出する。
【0028】
なお、販売国に応じて、デジタルカメラの輝度抽出領域を設定することにしても良い。例えば、デジタルカメラに人種(肌色)入力モードを設け、使用者が肌色を設定(入力)することにより、入力した肌色に対応する輝度領域を除いた輝度抽出領域内でホワイトバランス制御用画像色データを抽出することにしても良い。
【0029】
図4は、輝度領域を複数に分割した例を示している。同図においては、Y0〜Ynは輝度値を示しており、Y0は輝度値の最小値を示し、Ynは輝度値の最大値を示す。同図に示すように、輝度領域はY0〜Y1間,Y1〜Y2間、Y2〜Y3間、Y3〜Y4間、・・・、Y11〜Yn間の複数に分割されている。
【0030】
制御装置109は、輝度領域を複数(Y0〜Y1間,Y1〜Y2間、Y2〜Y3間、Y3〜Y4間、・・・、Y11〜Yn間)に分割して設定し、被写体の明るさ情報および/または撮像画面の色温度情報、すなわち被写体条件に基づき、複数に分割された輝度領域のうちの複数の輝度領域を輝度抽出領域として設定し、設定した輝度抽出領域の各輝度領域内のホワイトバランス制御用画像色データを夫々抽出し、各輝度領域毎にホワイトバランス調整値を算出する。
【0031】
そして、制御装置109は、各輝度領域毎に算出したホワイトバランス調整値を、基準輝度領域(例えば、図4の中輝度領域Y4〜Y5間)のホワイトバランス調整値と比較し、基準輝度領域のホワイトバランス調整値との差が基準範囲内となる輝度領域、すなわち、基準輝度領域のホワイトバランス調整値との差が大きくなる輝度領域を除いた輝度領域のホワイトバランス制御用画像色データに基づき、最終的なホワイトバランス調整値を算出する。
【0032】
上記図4においては、輝度間隔を一定とした場合を示したが、輝度間隔は必ずしも一定とする必要がなく、図5に示す如き輝度間隔としても良い。図5において、低輝度側、高輝度側、および特定色の輝度領域を狭くし、他方、中輝度領域(Y4〜Y5間)を広く設定してある。このように、中輝度領域を広く設定することにより、誤差の少ないホワイトバランス調整値を得ることができる。
【0033】
つぎに、図4および図5で示したように輝度領域を複数に区分した場合のホワイトバランス制御動作を図6を参照して説明する。図6は、制御装置109の輝度領域を複数に区分した場合のホワイトバランス制御動作を説明するためのフローチャートである。
【0034】
まず、制御装置109は、撮像動作を開始して、A/D変換器108から入力される輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yのうち、誤差の少ない基準輝度領域(図4または図5の中輝度領域Y4〜Y5間)内の輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yをホワイトバランス制御用画像色データとして抽出する。そして、制御装置109は抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づきホワイトバランス調整値を算出する(ステップS101)。
【0035】
つぎに、制御装置109は、以下のステップS102〜S104により、基準輝度領域(図4または図5の中輝度領域Y4〜Y5間)内で算出したホワイトバランス調整値と、分割した輝度領域(図4または図5のY0〜Y1間,Y1〜Y2間、Y2〜Y3間、Y3〜Y4間、Y5〜Y6間、・・・、Y11〜Yn間)内で算出したホワイトバランス調整値とを順次比較し、両者の差が基準範囲内となる輝度領域のホワイトバランス制御用画像色データを積算する。
【0036】
具体的には、まず、制御装置109は、入力した輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yのうち、分割した輝度領域内で、輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yをホワイトバランス制御用画像色データとして抽出し、当該抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づきホワイトバランス調整値を算出する。
【0037】
そして、制御装置109は、基準輝度領域(図4のY4〜Y5間)内で算出したホワイトバランス調整値と、分割した輝度領域内で算出したホワイトバランス調整値とを比較し、両者の差が基準範囲内にあるか否かを判断する(ステップS102)。
【0038】
両者の差が基準範囲内になる場合には、分割した輝度領域内で抽出したホワイトバランス制御用画像色データを積算する(ステップS103)。そして、分割した輝度領域の評価が全て終了したか否かを判断し(ステップS104)、全ての輝度領域(図4または図5のY0〜Y1間,Y1〜Y2間、Y2〜Y3間、Y3〜Y4間、Y5〜Y6間、・・・、Y11〜Yn間)についての評価が終了するまで、ステップS102〜S104の処理を繰り返す。
【0039】
さて、ステップS105では、制御装置109は、積算したホワイトバランス制御用画像色データに基づき最終的なホワイトバランス調整値を算出する。そして、制御装置109は、算出したホワイトバランス調整値に基づき、利得制御回路106のR信号とB信号のゲインを調整しホワイトバランス制御を行う。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態においては、制御装置109は、輝度抽出領域を被写体の明るさ情報に基づいて可変に設定することとしたので、低輝度側輝度領域のノイズ変化に対応したホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。
【0041】
また、本実施の形態では、制御装置109は、輝度領域を、撮像画面の色温度情報に基づき可変に設定することとしたので、肌色等の特定色の色温度による色変化に対応したホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。
【0042】
また、本実施の形態では、制御装置109は、被写体の明るさ情報および/または撮像画面の色温度情報に基づき、輝度領域から特定色の輝度領域を除いた輝度抽出領域を設定し、当該輝度抽出領域内のホワイトバランス制御用画像色データに基づき、ホワイトバランス調整値を算出することととしたので、肌色等の特定色が、被写体の明るさまたは色温度変化(暗くなると肌色も低輝度に、低色温度では肌色が赤くなり高輝度方向に、高色温度では青くなり低輝度方向に変化する)しても、適正なホワイトバランス制御用画像色データを抽出でき、高精度のホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。
【0043】
また、本実施の形態では、制御装置109は、輝度領域を複数に分割して設定し、被写体の明るさ情報または撮像画面の色温度情報に基づき複数に分割された輝度領域のうち複数の輝度領域を選択し、当該選択した輝度領域内のホワイトバランス制御用画像色データに基づき、ホワイトバランス制御することとしたので、ノイズの発生する低輝度領域や飽和のためRGBバランスの崩れる高輝度領域の変化に対応したホワイトバランス調整値を得ることができる。
【0044】
また、本実施の形態では、制御装置109は、輝度領域を複数に分割して設定し、当該分割した複数の輝度領域内で各々抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、夫々ホワイトバランス調整値を算出し、基準輝度領域のホワイトバランス調整値と算出した他の輝度領域のホワイトバランス調整値とを比較して、当該基準輝度領域のホワイトバランス調整値との差が基準範囲内となる輝度領域のホワイトバランス制御用画像色データに基づき、ホワイトバランス制御することとしたので、ホワイトバランス調整値として適当でないノイズの発生する低輝度領域や飽和のためにRGBバランスの崩れる高輝度領域、および平均色温度に合わない特定色を除去したホワイトバランス制御用画像色データを抽出でき、高精度のホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。
【0045】
また、本実施の形態では、制御装置109は、輝度領域を分割する際に、中輝度領域を低輝度領域または高輝度領域に比して広く設定することとしたので、高精度のホワイトバランス調整値を算出でき、また、処理時間を短縮することが可能となる。
【0046】
また、本実施の形態では、販売国に応じて、撮像装置の輝度抽出領域を設定することにより、異なる肌色に対応したホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。
【0047】
また、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。また、本発明のホワイトバランス調整装置は、ビデオカメラ、デジタルカメラ等に使用される撮像装置に広く適用可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、利得調整手段はカラー画像データのうち少なくとも2色の画像データの利得を調整し、制御手段はホワイトバランス制御用画像色データに基づき、利得調整手段の利得を制御してホワイトバランス制御し、また、ホワイトバランス制御用画像色データを抽出するための輝度抽出領域を被写体の明るさ情報に基づいて可変に設定し、さらに、特定色の輝度領域を除いて前記輝度抽出領域を設定することとしたので、低輝度側輝度領域のノイズ変化に対応したホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。その結果、撮影環境の色温度に合わない不自然な色合いの画像となるのを防止して適正な画像を出力可能なホワイトバランス調整装置を提供することが可能となる。また、肌色等の特定色の色温度による色変化および被写体の明るさの変化による低輝度側輝度領域のノイズ変化に対応したホワイトバランス制御用画像色データを抽出でき、高精度のホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。
【0052】
また、請求項2に係る発明によれば、利得調整手段はカラー画像データのうち少なくとも2色の画像データの利得を調整し、制御手段はホワイトバランス制御用画像色データに基づきホワイトバランス調整値を算出して、当該ホワイトバランス調整値に応じて利得調整手段の利得を制御してホワイトバランス制御し、また、輝度領域を複数に分割して設定し、当該分割した複数の輝度領域内で各々抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、夫々ホワイトバランス調整値を算出して、当該複数の輝度領域の1つを基準輝度領域とし、算出した基準輝度領域のホワイトバランス調整値と算出した他の輝度領域のホワイトバランス調整値とを比較し、当該基準輝度領域のホワイトバランス調整値との差が基準範囲内となる輝度領域のホワイトバランス制御用画像色データに基づき、ホワイトバランス制御することとしたので、ホワイトバランス調整値として適当でないノイズの発生する低輝度領域、飽和のためにRGBバランスの崩れる高輝度領域、および平均色温度に合わない特定色を除去したホワイトバランス制御用画像色データが抽出でき、高精度のホワイトバランス調整値を得ることが可能となる。その結果、撮影環境の色温度に合わない不自然な色合いの画像となるのを防止して適正な画像を出力可能なホワイトバランス調整装置を提供することが可能となる。
【0053】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、制御手段は、輝度領域を分割する際に、中輝度領域を低輝度領域および/または高輝度領域に比して広く設定することとしたので、請求項2に記載の発明の効果に加えて、処理時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホワイトバランス調整装置を適用した撮像装置を示すブロック図である。
【図2】(R−Y)/Y、(B−Y)/Y軸上における無彩色領域のホワイトバランス制御用画像色データの抽出範囲を示した図である。
【図3】輝度位置による無彩色抽出領域を示した図(その1)である。
【図4】輝度位置による無彩色抽出領域を示した図(その2)である。
【図5】輝度位置による無彩色抽出領域を示した図(その3)である。
【図6】制御装置のホワイトバランス制御動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
101 撮影レンズ
102 絞り
103 CCD(電荷結合素子)
104 CDS
105 色分離回路
106 利得制御回路
107 マトリクス回路
108 A/D変換器
109 制御装置
110 エンコーダ部
Claims (3)
- 設定される輝度抽出領域内で、入力されるカラー画像データに応じた輝度信号および色差信号からホワイトバランス制御用画像色データを抽出し、当該抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、当該カラー画像データのホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整装置において、
前記カラー画像データのうち少なくとも2色の画像データの利得を調整する利得調整手段と、
前記ホワイトバランス制御用画像色データに基づき、前記利得調整手段の利得を制御してホワイトバランス制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記輝度抽出領域を被写体の明るさ情報に基づいて可変に設定し、さらに、特定色の輝度領域を除いて前記輝度抽出領域を設定することを特徴とするホワイトバランス調整装置。 - 入力されるカラー画像データに応じた輝度信号および色差信号からホワイトバランス制御用画像色データを抽出し、当該抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、当該カラー画像データのホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整装置において、
前記カラー画像データのうち少なくとも2色の画像データの利得を調整する利得調整手段と、
前記ホワイトバランス制御用画像色データに基づきホワイトバランス調整値を算出して、当該ホワイトバランス調整値に応じて前記利得調整手段の利得を制御してホワイトバランス制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、輝度領域を複数に分割して設定し、当該分割した複数の輝度領域内で各々抽出したホワイトバランス制御用画像色データに基づき、夫々ホワイトバランス調整値を算出して、前記複数の輝度領域の1つを基準輝度領域とし、算出した基準輝度領域のホワイトバランス調整値と算出した他の輝度領域のホワイトバランス調整値とを比較し、当該基準輝度領域のホワイトバランス調整値との差が基準範囲内となる輝度領域のホワイトバランス制御用画像色データに基づき、ホワイトバランス制御することを特徴とするホワイトバランス調整装置。 - 前記制御手段は、輝度領域を分割する際に、中輝度領域を低輝度領域および/または高輝度領域に比して広く設定することを特徴とする請求項2に記載のホワイトバランス調整装置。
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