JP3837260B2 - Ccd駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD駆動回路に関し、更に言えばCCDカメラシステムを駆動する所定電圧を得るためのCCD駆動回路における安定化電圧生成技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電子機器の電源は、1次AC電源をトランス等を利用して、より電圧が低い2次AC電圧に変換し、更に整流回路と呼ばれるコンデンサとダイオードで安定したDC電源を生成している。
【0003】
例えば、よく電子機器で使用される3.3Vや5Vがそれに相当する。しかし、実際の電子機器は、3.3Vや5Vの電圧だけで駆動されているわけではなく、個々のシステムが要求する個々の電圧を生成させる必要がある。尚、その方法としては、DC−DCコンバータやチャージポンプ回路等が使用されている。
【0004】
以下に、本出願人が先に出願した(特開平11−112887号公報参照)明細書に記載したCCDカメラシステムを例にして説明する。
【0005】
従来より、画像信号を得るための撮像手段として、CCDカメラシステムが広く利用されており、多くのビデオカメラなどに利用されている。このCCDカメラシステムでは、面状に配置した撮像部の光電変換素子において、蓄積した電荷により1フレーム(フィールド)に画像が形成される。
【0006】
例えば、NTSC方式のビデオ信号であれば、1フィールドが1/60秒(60Hz)で表示され、250本程度の水平走査ラインから成っている。そして、撮像部の光電変換素子で得た水平走査ライン毎に順次出力する。
【0007】
フレームトランスファ方式のCCDでは、CCDに入射された光線は主に、次の5つの過程を経て電圧に変換される。
【0008】
まず、CCDの撮像部に入射された被写体の光線は、CCDを構成するフォトダイオードにおいて入射光が電荷に変換される(光電変換過程)。過程1で光電変換された電荷は、第1の所定レートのタイミング(例えば、NTSC規格では60Hzごと:Vレート)でCCDの蓄積部に蓄積される(蓄積過程)。蓄積部に蓄積された電荷は、第2の所定レートのタイミング(例えば、15.75KHzごと:Hレート)で水平転送路に転送される(転送過程)。さらに、水平転送路に転送された電荷は、水平転送パルスに基づきFDA(Floating diffusion Amp)部で電圧変換され、電気信号として後段回路に出力される(電圧変換過程)。一方、電圧変換され不要になった電荷は、第1の所定レートのタイミングで高電圧のリセット信号によってFDA部から電源へ掃き出す(過程5)。
【0009】
ここで、上記CCDカメラシステムを駆動するためには、数種類の電圧(例えば、3.3V,5V,12V,20V及び−10V)が必要であり、例えば、5V電圧を用いて、各電圧を生成する場合、それぞれに対応するDC−DCコンバータを用いていた。
【0010】
しかし、このDC−DCコンバータは、コイルや電解コンデンサ等で構成されるため、かなり大型なものとなり、CCD駆動回路の実装面積が大きくなるといった問題や、DC−DCコンバータが、CCDカメラシステムの全体としてコストアップにつながるという問題があった。
【0011】
例えば、デジタルスチルカメラに代表されるように、電子機器を実装するプリント基板はますます小型化が要求されている。
【0012】
図2に示すように従来のVHNSUB電圧生成方式は、DC−DCコンバータ1で生成した電圧(例えば、12V)からVHNSUB電圧が必要とするまで電圧を落として(例えば、8.5V)使用していた。
【0013】
図2はそのようなCCD駆動回路の一例を説明するためのものであり、図3はDC−DCコンバータ1の回路構成を示す図であり、例えば5Vの電源電圧とグランド(GND)に接続されたDC−DCコンバータ1により、CCDカメラシステムの駆動に必要な12Vを生成している。尚、このDC−DCコンバータ1は、従来周知なものであり、詳しい説明は省略するが発振駆動回路2(約100KHz)を有し、コントロール制御信号(CONT)に基づいて、この発振駆動回路2によりスイッチング素子であるBIP型トランジスタTr1をオン・オフさせ、前記電源電圧5VがコイルL1を通してGNDに落ちる際に大電流が流れることでコイルL1に大(昇圧)電圧が生成される。この大電圧がダイオードD1を通して平滑コンデンサC1(例えば、47μF/20V)で平滑された電圧が出力される。このとき、コイルL1で生成した大電圧が、抵抗分割方式(R1,R2)により所望電圧(12V)となるように設定されている。
【0014】
そして、前述したようにしてDC−DCコンバータ1で生成した12Vの電圧をR3,R4により抵抗分割して所望のVHNSUB電圧(8.5V)にまで電圧を落とし、これを電解コンデンサC2(例えば、1μF/35V)を介して安定化した電圧値に調整した後に、BIP型トランジスタTr2を通してCCDカメラ8に供給していた。尚、9はタイミング信号発生回路であり、NSUB信号を生成する基になる信号を発生するもので、電源電圧(例えば、5V)が供給されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、前記CCDカメラ8は容量性負荷であり、このCCDカメラ8を駆動するためには、相当の電流を流す必要があり、抵抗分割した箇所でドライブ電流によって電圧が振られ、設定電圧が変化してしまうため、上記電解コンデンサC2を用いて電圧値の安定化を図る必要があった。そのため、この電解コンデンサC2分、プリント基板の大型化を招く結果となっていた。
【0016】
また、前記NSUB信号は、前記タイミング信号発生回路9から出力されるが、電源電圧に依存してパルス電圧は変化する。即ち、5Vの電源電圧が上がる(例えば、(5+α)V)と、前記トランジスタTr2のVBE間のバイアス電圧が高くなり、その結果、VCE間の飽和電圧が下がり、VHNSUB電圧が上昇してしまう。逆に、5Vの電源電圧が下がる(例えば、(5−α)V)と、前記トランジスタTr2のVBE間のバイアス電圧が低くなり、その結果、VCE間の飽和電圧が上がり、VHNSUB電圧が下がってしまう。このように電源電圧が変動することにより、VHNSUB電圧が変動して蓄積された電荷を電源に掃き出させられないために安定した画像が得られないことがあった。
【0017】
従って、本発明ではCCD駆動回路の小型化及び電源電圧の変動による表示画像の不具合を抑止することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は直流電源からの電源電圧をDC−DCコンバータにより昇圧してフレームトランスファ方式のCCDを駆動する昇圧電圧を得るCCD駆動回路において、前記DC−DCコンバータで生成した第1の変換電圧をCCDに供給する第1の電源線と、前記第1の電源線から帰還抵抗を介してバイポーラ型トランジスタのエミッタ電極に接続され、タイミング信号発生回路から不要になった電荷を前記CCDから掃き出すタイミングを有するNSUB信号がベース電極に供給され、そのコレクタ電極から前記直流電源からの電源電圧の変動に依存しないで前記NSUB信号より形成された第2の変換電圧が取り出される第2の電源線とを備え、
前記第1の電源線と前記第2の電源線を接続して前記第1の変換電圧に前記第2の変換電圧を重畳させて形成したφNSUB信号を前記CCDに供給して不要の電荷を掃き出すことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のCCD駆動回路に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、従来と同様の構成については同符号を付して説明を簡略している。
【0020】
図1において、従来回路と同様に電源電圧、例えば(5±α)VからDC−DCコンバータ1(図3参照)により、CCDカメラシステムの駆動に必要なφNSUB信号を形成するVHNSUB電圧20V及びVLSUB電圧12Vを生成し、この電圧が電源線11、12を介してCCDカメラ8に供給される。φNSUB信号はCCDを動作可能な状態とし、蓄積された電荷を電源に掃き出させるために必要となる。
【0021】
まず、DC−DCコンバータ1で生成した第1の変換電圧である12Vが第1の電源線11に供給される。第1の電源線11から帰還抵抗R13を介してバイポーラ型トランジスタTr12のエミッタ電極に接続され、タイミング信号発生回路9から不要になった電荷を前記CCDから掃き出すタイミングを有するNSUB信号がバイポーラ型トランジスタTr12のベース電極に供給され、バイポーラ型トランジスタTr12のコレクタ電極は直列接続された抵抗R14及び抵抗R15を介して接地されている。抵抗R14及び抵抗R15の接続点から第2の電源線12により第2の変換電圧が取り出され、前述された第1の電源線11に接続され、CCDカメラ8に供給されている。帰還抵抗R13にはタイミング信号発生回路9からのNSUB信号が印加されたときにバイポーラ型トランジスタTr12が導通して帰還抵抗R13に電圧降下を発生させて、およそ8.5V(≒8V)の第2の変換電圧が生成され第2の電源線12に供給される。バイポーラ型トランジスタTr12が導通していない期間は抵抗R15を介して接地されるのでグランド電位GNDにある。
【0022】
第2の電源線12は第1の電源線11と接続されてCCDカメラ8にφNSUB信号を供給している。このために8Vの第2の変換電圧には第1の変換電圧12Vが重畳され、20VのVHSUB電圧を生成する。0Vの第2の変換電圧にも第1の変換電圧12が重畳され、12VのVLSUB電圧を生成する。
【0023】
ここで、本発明の特徴は、従来(図2参照)の抵抗分割(R3,R4)方式の回路構成では、所望の電圧(例えば、8.5V)を得るためには各抵抗のサイズ(例えば、R3=2.7KΩ,R4=6.8KΩ)が大きくなり、平滑コンデンサC1により安定化させた安定化電圧の安定が崩れてしまっていたために、新たに安定化を図るための電解コンデンサC2を用いなければならなかったが、本発明では前記抵抗分割方式の代りに、帰還抵抗R13とバイポーラ型トランジスタTr12間に電流を流すことで、第1の変換電圧(12V)から直接電圧降下させて所望の電圧(例えば、8.5V)を得るようにしている。
【0024】
このとき、用いられる帰還抵抗R13の値は、前記抵抗分割用の抵抗R3,R4に比して十分に小さなものであり(例えば、R13=200Ω)、前記したような平滑コンデンサC1により安定化させた安定化電圧の安定が崩れるほどではなく、従って、実装面積の大きい従来のような電解コンデンサC2を用いる必要がなくなり、平滑コンデンサC1だけで十分であり、前記電解コンデンサC2に相当する面積分、このCCD駆動回路が実装されるプリント基板を小型化することができる。
【0025】
更に、電源電圧の変動で第1の変換電圧12Vが変動したとしても、本発明では帰還抵抗R13を介在させたことで、5Vの電源電圧が上がる(例えば、(5+α)V)とトランジスタTr12のVBE間のバイアス電圧が高くなり、トランジスタTr12を流れる電流は大きくなるが、帰還抵抗R13の帰還効果で電圧降下は大きくなり第2の変換電圧は一定の電圧が得られることになり、電源電圧に依存しない安定したCCD出力が取り出すことができ、高品質の画像が得られる。また、5Vの電源電圧が下がる(例えば、(5−α)V)とトランジスタTr12のVBE間のバイアス電圧が低くなり、トランジスタTr12を流れる電流は小さくなるが、帰還抵抗R13の帰還効果で電圧降下は小さくなり第2の変換電圧は一定の電圧が得られるので、電源電圧に依存しない安定したCCD出力が取り出すことができ、高品質の画像が得られる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の抵抗分割方式の代りに、帰還抵抗とバイポーラ型トランジスタ間に電流を流すことで、この間で電圧降下させて所望の電圧を得るようにしているため、平滑コンデンサにより安定化させた安定化電圧の安定性の崩れを抑制でき、従来のような電解コンデンサを用いる必要がなくなり、この電解コンデンサに相当する面積分、このCCD駆動回路が実装されるプリント基板を小型化することができる。また、部品点数が減少するため、一層の小型化が図れる。
【0027】
更に、電源電圧の変動で第1の変換電圧が変動したとしても、帰還抵抗を介在させたことで、その帰還効果により第2の変換電位のばらつきを抑制でき、電源電圧に依存しない安定したCCD出力を取り出すことができ、画像品質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のCCD駆動回路を示す回路図である。
【図2】従来のCCD駆動回路を示す回路図である。
【図3】DC−DCコンバータを示す回路図である
Claims (1)
- 直流電源からの電源電圧をDC−DCコンバータにより昇圧してフレームトランスファ方式のCCDを駆動する昇圧電圧を得るCCD駆動回路において、
前記DC−DCコンバータで生成した第1の変換電圧をCCDに供給する第1の電源線と、
前記第1の電源線から帰還抵抗を介してバイポーラ型トランジスタのエミッタ電極に接続され、タイミング信号発生回路から不要になった電荷を前記CCDから掃き出すタイミングを有するNSUB信号がそのベース電極に供給され、そのコレクタ電極から前記直流電源からの電源電圧の変動に依存しないで前記NSUB信号より形成された第2の変換電圧が取り出される第2の電源線とを備え、
前記第1の電源線と前記第2の電源線を接続して前記第1の変換電圧に前記第2の変換電圧を重畳させて形成したφNSUB信号を前記CCDに供給して不要の電荷を掃き出すことを特徴とするCCD駆動回路。
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