JP3837230B2 - 耐熱Al合金製構造部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱Al合金製構造部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、耐熱Al合金は高い変形抵抗を有するため、その合金よりなる素材に鍛造加工を施す場合には、素材の鍛造温度T1 を450℃≦T1 ≦600℃といったように高めなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鍛造温度T1 を前記のように高く設定すると、Al合金の耐熱性等の特性が損われたり、素材が金型に焼付く等の不具合を生じ易くなるので、それらを回避するための条件管理が非常に複雑となり、その結果、生産性の低下を招来する、といった問題を生じた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の金属組織を備えた耐熱Al合金素材を選択することにより鍛造温度T1 の低下を実現すると共にその鍛造温度T1 に金型温度T2 を相関させることにより塑性加工を成就させ、これにより、優れた耐熱性を有する健全な構造部材を能率良く得ることが可能な前記製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
前記目的を達成するため請求項1の発明によれば、素材として、組成がAl bal TM 4-7 X 0.5-3 (数値の単位は原子%、TMはFeおよびNiから選択される少なくとも一種、XはTi、Zr、Mgおよび希土類元素から選択される少なくとも一種)であり、且つマトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d1 がd1 ≦1000nmであり、且つまた前記マトリックスに分散する金属間化合物の平均粒径d2 がd2 ≦500nmである耐熱Al合金より構成されたものを用意し、この素材に、鍛造温度T1 を200℃≦T1 <400℃に、また金型温度T2 を前記鍛造温度T1 との関係において、0.5T1 ≦T2 ≦0.9T1 にそれぞれ設定して鍛造加工を施す耐熱Al合金製構造部材の製造方法が提供され、また、請求項2の発明によれば、素材として、組成がAl bal TM 4-7 X 0.5-3 Si 1-3 (数値の単位は原子%、TMはFeおよびNiから選択される少なくとも一種、XはTi、Zr、Mgおよび希土類元素から選択される少なくとも一種)であり、且つマトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d 1 がd 1 ≦1000nmであり、且つまた前記マトリックスに分散する金属間化合物の平均粒径d 2 がd 2 ≦500nmである耐熱Al合金より構成されたものを用意し、この素材に、鍛造温度T 1 を200℃≦T 1 <400℃に、また金型温度T 2 を前記鍛造温度T 1 との関係において、0.5T 1 ≦T 2 ≦0.9T 1 にそれぞれ設定して鍛造加工を施す耐熱Al合金製構造部材の製造方法が提供される。
【0006】
前記のような微細金属組織を備えたAl合金は、本出願人の一方が、先に提案した特開平8−120378号公報に記載した通り優れた耐熱性を有する。
【0007】
このAl合金より構成された素材に、前記鍛造温度T1 の範囲において鍛造加工を施すと、その素材は粒界すべりに起因した良好な塑性変形性を示す。その反面、加工硬化が発生しないことから部分的な変形が発生してそれが集中し易く、割れの原因となる。そこで、金型温度T2 を、鍛造温度T1 よりも低い前記範囲に設定するもので、これにより素材の金型接触部側の変形抵抗を内部のそれよりも高めて、前記のような部分的な変形の集中を回避することが可能である。このようにして健全な耐熱Al合金製構造部材を能率良く得ることができる。
【0008】
ただし、鍛造温度T1 がT1 <200℃では、素材が温度降下を起し易いため構造部材の品質が一定せず、一方、T1 >400℃では前記従来法同様に、構造部材の生産性低下を招来する。また金型温度T2 がT2 <0.5T1 では素材の金型接触部側が、その温度降下に起因して割れを生じ易く、一方、T2 >0.9T1 では素材の金型への焼付きおよび割れが発生し易くなる。
【0009】
構造部材の耐摩耗性向上のためには、素材にそれに分散するようにセラミック粒子を含有させる。この場合、セラミック粒子の平均粒径d3 は1.5μm≦d3 ≦10μmに、またその含有量cは0.5vol%≦c≦20vol%にそれぞれ設定される。セラミック粒子としては、アルミナ粒子、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、窒化アルミニウム粒子等が用いられる。ただし、セラミック粒子の平均粒径d3 がd3 <1.5μmでは部材の耐摩耗性向上効果が得られず、一方、d3 >10μmでは素材の鍛造加工性が悪化する。また含有量cがc<0.5vol%ではセラミック粒子を添加する意義が無く、一方、c>20vol%では素材の鍛造加工性が悪化する。
【0010】
前記Al合金の組成の第1例は、化学式Albal TM4-7 X0.5-3 で表わされる。これら数値の単位は原子%であり、これは以下の化学式において同じである。合金元素TMはFeおよびNiから選択される少なくとも一種であり、また合金元素XはTi、Zr、Mgおよび希土類元素から選択される少なくとも一種である。
【0011】
前記合金元素TMはAl合金の耐熱性を向上させる効果を有する。ただし、TM<4原子%ではTMを添加する意義が無く、一方、TM>7原子%では金属間化合物が増加して構造部材の靱性が低下する。また前記合金元素Xは金属間化合物の微細化を促進する効果を有する。ただし、X<0.5原子%ではXを添加する意義が無く、一方、X>3原子%ではAlX系金属間化合物が生成されるため構造部材の靱性が低下する。
【0012】
前記Al合金の組成の第2例は、化学式Albal TM4-7 X0.5-3 Si1-3 で表わされる。前記合金元素TMおよびXの添加理由等は前記と同じである。前記合金元素Siは金属組織を微細化する効果を有する。ただし、Si<1原子%ではSiを添加する意義が無く、一方、Si>3原子%では初晶Siが晶出するため構造部材の靱性が低下する。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔I〕素材の製造
(1) 例1について
1) エアアトマイズ法の適用下でAl91Fe6 Ti1 Si2 の組成を有するAl合金粉末を製造し、次いでそのAl合金粉末に分級処理を施して、粒径90μm以下のAl合金粉末を得た。
【0014】
2) Al合金粉末(粒径90μm以下)を用い、圧力400MPaの条件でCIPを行うことにより、直径55mm、長さ55mmのビレットを成形した。
【0015】
3) ビレットを530℃のマッフル炉内に設置し、Arガス雰囲気中に15分間保持して脱ガス処理を行い、またそのビレットを押出し温度である530℃まで昇温した。
【0016】
4) ビレットに間接押出し加工を施して、直径16mmの素材の例1を得た。加工条件は、コンテナ温度400℃、ダイス温度450℃、コンテナの内径56mm、ダイス孔内径16mm、押出し速度0.5〜1.0cm/sec に設定された。
【0017】
この例1において、密度は略100%であり、またTEM(透過型電子顕微鏡)にて金属組織観察を行ったところ、マトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d1 はd1 =500nmであり、またマトリックスに分散する金属間化合物の平均粒径d2 はd2 =200nmであることが判明した。
【0018】
(2) 例2について
例1の製造に用いたAl合金粉末(粒径90μm以下)と同様のAl合金粉末に、平均粒径d3 がd3 =3μmのアルミナ粒子よりなる粉末を、その含有量cがc=5vol%となるように加え、次いでそれらをミキサに投入して十分に混合した。
【0019】
その後、混合粉末を用いて、例1の場合と同様に前記2)〜4)の各工程を順次経て素材の例2を得た。この例2における密度、マトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d1 および金属間化合物の平均粒径d2 は、例1のそれらと同じであった。
【0020】
(3) 例3について
1) エアアトマイズ法の適用下でAl78.5Si17Fe2.5 Ni1 Cu0.5 Mg0.5 の組成を有するAl合金粉末を製造し、次いでそのAl合金粉末に分級処理を施して、粒径90μm以下のAl合金粉末を得た。
【0021】
その後、Al合金粉末(粒径90μm以下)を用いて、例1の場合と同様に、前記2)〜4)の各工程を順次経て素材の例3を得た。
【0022】
この例3における密度は略100%であり、またマトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d1 はd1 =5μmであり、さらに金属間化合物の平均粒径d2 はd2 =1μmであった。
【0023】
(4) 例4について
例3の製造に用いたAl合金粉末(粒径90μm以下)と同様のAl合金粉末に、平均粒径d3 がd3 =3μmのアルミナ粒子よりなる粉末を、その含有量cがc=5vol%となるように加え、次いでそれらをミキサに投入して十分に混合した。
【0024】
その後、混合粉末を用いて、例1の場合と同様に、前記2)〜4)の各工程を順次経て素材の例4を得た。この例4における密度、マトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d1 および金属間化合物の平均粒径d2 は、例3のそれらと同じであった。
〔II〕限界すえ込み率の測定
この測定に当っては、図1(a)に示すように金敷1上に、所定の鍛造温度T1 に加熱された円形断面の試験片Tpを立て、次いで図1(b)に示すように、すえ込みラム2により試験片Tpを加圧して、変形した試験片Tpに割れが発生したとき加圧を止めた。そして、試験片Tpにおいて、すえ込み前の長さをL1 とし、また割れが発生したときの長さをL2 として、限界すえ込み率ε(%)を、ε={(L1 −L2 )/L1 }×100の式より求めた。試験片Tpは素材の例1〜4から作製され、その直径は8mmに、また長さは10mmにそれぞれ設定された。
【0025】
図2は測定結果を示す。図2から、実施例において用いられる例1,2は、例3,4に比べて各鍛造温度T1 における限界すえ込み率εが高く、良好な塑性変形性を有することが判る。特に、鍛造温度T1 が200℃≦T1 ≦400℃の範囲においては、例1,2の限界すえ込み率εは50%以上と高く、しかもそれらの塑性変形性は略一定である。したがって、例1,2については、この温度T1 範囲での鍛造加工による構造部材の量産が期待される。
〔III 〕鍛造温度T1 と金型温度T2 の関係
図3において、密閉鍛造加工用金型3は上型4と下型5とよりなる。下型5は、上側の大径凹部6と、それと同軸上に在る下側の小径凹部7とを有し、小径凹部7底面に開口するピン孔8にノックアウトピン9が摺動自在に嵌合される。上型4は下型5の大径凹部6に摺動自在に嵌合するようになっている。
【0026】
上、下型4,5には、それぞれ図示しない複数のカートリッジヒータが備えられており、それらカートリッジヒータによって上、下型4,5の温度、つまり金型温度T2 が精度良く調節される。下型5において、大径凹部6の内径D1 =23mm、深さH1 =15mm;小径凹部7の内径D2 =15.6mm、深さH2 =5mmである。
【0027】
この金型3を用い、次のような手順で密閉鍛造を行って鍛造温度T1 と金型温度T2 との関係を調べた。
【0028】
(a) 素材の例1より、直径15mm、長さ11mmの複数の試験片Tpを作製した。
【0029】
(b) 各試験片Tpに、二硫化モリブデンを塗布する潤滑処理を施した。
【0030】
(c) 各試験片Tpを電気炉内に設置して所定温度に加熱し、また金型3も所定温度に加熱した。
【0031】
(d) 図3に示すように、試験片Tpを下型5に、その小径凹部7内に立てて設置した。この場合、試験片Tpの略半分が大径凹部6内に突き出ている。
【0032】
(e) 予め上型4の下降位置を決める、つまりすえ込み率を所定値に設定し、上型4を下降させて密閉鍛造加工を行った。したがって大径凹部6内において成形された、各鍛造品10の大径円盤部11の外径は鎖線で示すように段階的に変化する。
【0033】
(f) 図4に示すように、鍛造品10の大径円盤部11の外周面について割れ12の有無を調べ、割れ12が発生している場合には、その時の大径円盤部11の外径Dを求めた。したがって、この外径Dが大きい程、塑性変形性が良いことになる。
【0034】
図5〜7は、金型温度T2 を常温(25℃)、130℃、170℃にそれぞれ設定した場合における、鍛造温度(常温を含む)T1 と、割れ発生時の外径Dとの関係を示す。図中、「○」印は、前記外径D=23mmにおいて割れが発生しなかったことを、また「△」印は、前記外径D=22mmにおいて割れが発生したことを、さらに「×」印は前記外径D≦21mmにおいて割れが発生したことをそれぞれ示す。
【0035】
図5において、金型温度T2 が常温(25℃)の場合には、鍛造温度T1 を25〜500℃の範囲で変化させても、全ての大径円盤部11に割れ12が発生した。
【0036】
図6において、金型温度T2 を130℃に設定した場合には、鍛造温度T1 を25〜500℃の範囲で変化させると、鍛造温度T1 =200℃において割れ12の無い大径円盤部11が成形され、それ以外の鍛造温度T1 では大径円盤部11に割れ12が発生した。
【0037】
図7において、金型温度T2 を170℃に設定した場合には、鍛造温度T1 を25〜500℃の範囲で変化させると、鍛造温度T1 =200,300℃において割れ12の無い大径円盤部11が成形され、それ以外の鍛造温度T1 では大径円盤部11に割れ12が発生した。
【0038】
前記同様に、鍛造温度T1 および金型温度T2 をそれぞれ変化させて密閉鍛造加工を行い、前記同様に大径円盤部11の外周面について割れ12の有無を調べ、また前記外径Dを求めたところ、図8の結果を得た。図中、「○」、「△」、「×」印の意味は前記と同じである。
【0039】
図8から明らかなように、試験片Tp、したがって素材の例1に、鍛造温度T1 を200℃≦T1 ≦400℃に、また金型温度T2 をその鍛造温度T1 との関係において、0.5T1 ≦T2 ≦0.9T1 にそれぞれ設定して鍛造加工を施すと、割れ12の無い鍛造品(構造部材)10を得ることができる。
【0040】
素材の例2について、前記同様の考察を行ったところ、鍛造温度T1 と金型温度T2 との間に前記同様の関係が成立することが確認された。素材の例3,4は、金型温度に関係なく、鍛造温度T1 ≦400℃において割れを生じた。
【0041】
素材の例1,2に、それぞれMgを0.5原子%添加した二種の素材について、前記同様の考察を行ったところ、鍛造温度T1 と金型温度T2 との間に前記同様の関係が成立することが確認された。
〔IV〕エンジン用バルブスプリングリテーナ
素材として、前記例2と同一材質で、且つ直径25mmの押出し材を製造し、その素材を用いて、図9に示すようにバルブスプリング当接部13の外径D3 がD3 =22mmのバルブスプリングリテーナ(構造部材)14を鍛造加工により製造した。鍛造条件は、鍛造温度T1 :300℃、金型温度T2 :220℃(約0.73T1 )に設定された。
【0042】
この鍛造品14を、前記素材から総削り加工により得られた切削品と比較したところ、鍛造品14は、強度、耐摩耗性、耐衝撃性について切削品と同等、若しくはそれ以上に優れていることが判明した。また鍛造品14はベンチ耐久テストおよび実走耐久テストにおいても十分な耐久性を示し、極めて高い実用性を有することが判明した。
【0043】
さらに鍛造品14は、その重量が鋼製のものの略半分であることから、鍛造品14を鋼製のものと交換することによって、エンジンの回転限界が約500rpm 向上し、またパワーおよび燃費に対する効果も大きいことが確認された。
【0044】
前記鍛造加工は、その鍛造温度T1 が比較的低いことから、鋼の冷間鍛造加工に近いサイクルタイムで鍛造品、したがってバルブスプリングリテーナ14を製造することができ、その上、実質歩留りも、約92%から99%以上といったように大幅に向上し得ることも確認された。これらは、バルブスプリングリテーナ14の量産を図る上で極めて有効である。
【0045】
前記例2と同一材質の素材を用い、鍛造加工を行うことによって、エンジン用バルブリフタおよびピストンを試作したところ、バルブスプリングリテーナ14と同様の好結果が得られ、本発明が耐熱性・耐摩耗性Al合金よりなる構造部材の製造に有効であることが確認された。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、前記のように特定の金属組織を備えた耐熱Al合金素材を選択することにより、鍛造温度T1 の低下を実現すると共にその鍛造温度T1 に金型温度T2 を特定の関係(即ち0.5T 1 ≦T 2 ≦0.9T 1 )で相関させることにより塑性加工を成就させ、これにより優れた耐熱性を有する健全な構造部材を能率良く得ることが可能な前記製造方法を提供することができる。
【0047】
また本発明によれば、前記素材に特定量のセラミック粒子を含有させることによって、優れた耐熱性だけでなく良好な耐摩耗性を備えた健全な構造部材を能率良く得ることが可能な前記製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 限界すえ込み率の測定方法を示す説明図である。
【図2】 鍛造温度T1 と限界すえ込み率εとの関係を示すグラフである。
【図3】 密閉鍛造加工用金型と、試験片および鍛造品との関係を示す要部縦断面図である。
【図4】 鍛造品の正面図である。
【図5】 金型温度T2 :常温において、鍛造温度T1 と、割れ発生時の外径Dとの関係を示すグラフである。
【図6】 金型温度T2 :130℃において、鍛造温度T1 と、割れ発生時の外径Dとの関係を示すグラフである。
【図7】 金型温度T2 :170℃において、鍛造温度T1 と、割れ発生時の外径Dとの関係を示すグラフである。
【図8】 鍛造温度T1 と金型温度T2 との関係を示すグラフである。
【図9】 エンジン用バルブスプリングリテーナの正面図である。
Claims (5)
- 素材として、組成がAl bal TM 4-7 X 0.5-3 (数値の単位は原子%、TMはFeおよびNiから選択される少なくとも一種、XはTi、Zr、Mgおよび希土類元素から選択される少なくとも一種)であり、且つマトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d1 がd1 ≦1000nmであり、且つまた前記マトリックスに分散する金属間化合物の平均粒径d2 がd2 ≦500nmである耐熱Al合金より構成されたものを用意し、
この素材に、鍛造温度T1 を200℃≦T1 <400℃に、また金型温度T2 を前記鍛造温度T1 との関係において、0.5T1 ≦T2 ≦0.9T1 にそれぞれ設定して鍛造加工を施すことを特徴とする、耐熱Al合金製構造部材の製造方法。 - 素材として、組成がAl bal TM 4-7 X 0.5-3 Si 1-3 (数値の単位は原子%、TMはFeおよびNiから選択される少なくとも一種、XはTi、Zr、Mgおよび希土類元素から選択される少なくとも一種)であり、且つマトリックスを構成するAl結晶の平均粒径d 1 がd 1 ≦1000nmであり、且つまた前記マトリックスに分散する金属間化合物の平均粒径d 2 がd 2 ≦500nmである耐熱Al合金より構成されたものを用意し、
この素材に、鍛造温度T 1 を200℃≦T 1 <400℃に、また金型温度T 2 を前記鍛造温度T 1 との関係において、0.5T 1 ≦T 2 ≦0.9T 1 にそれぞれ設定して鍛造加工を施すことを特徴とする、耐熱Al合金製構造部材の製造方法。 - 前記素材は、それに分散するセラミック粒子を含有し、そのセラミック粒子の平均粒径d3 は1.5μm≦d3 ≦10μmであり、また含有量cは0.5vol%≦c≦20vol%である、請求項1又は2記載の耐熱Al合金製構造部材の製造方法。
- 前記構造部材は、エンジンのバルブスプリングリテーナ、バルブリフタおよびピストンの少なくとも一種である、請求項1,2又は3記載の耐熱Al合金製構造部材の製造方法。
- 前記鍛造温度T 1 が300℃である、請求項1,2,3又は4記載の耐熱Al合金製構造部材の製造方法。
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