JP3836994B2 - 足袋の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも外甲表地、内甲表地、外甲裏地、内甲裏地の4枚の生地と底地とからなる足袋の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、足袋は外甲表地1、内甲表地2、外甲裏地1'、内甲裏地2'の4枚の生地と底地3とを縫い合わせることによって作られ、その過程で甲馳Sや受け糸Uが所定位置に取り付けられる。
この足袋の製造過程中には、足袋の甲部Tを縫製する工程が含まれる。従来の場合におけるこの作業は、概ね以下に示す(1)〜(3)の工程からなっている。
すなわち、
(1) 図4(a) に示すように、2枚重ねの外甲表地1と外甲裏地1'の甲縫合部tと外甲側の底地縫合部vとすでに縫合されている甲馳取付部sを除く他の縁を縫い合わせ、また、2枚重ねの内甲表地2と内甲裏地2'の甲縫合部t'と内甲側の底地縫合部v'を除く他の縁を縫い合わせる工程。
(2) 図4(b) に示すように、上記1)により縫製された2枚重ねの内甲表地2と内甲裏地2'を表返し、これを上記1)により縫製された2枚重ねの外甲表地1と外甲裏地1'との間に挿入する工程。
(3) しかる後、外甲表地1と外甲裏地1'の甲縫合部tと内甲表地2と内甲裏地2'の甲縫合部t'を、4枚重ねの状態で図4(b) 及び図5において図面符号11で示すように縫い合わせる工程。
【0003】
なお、外甲表地1と外甲裏地1'とを、また、内甲表地2と内甲裏地2'とをそれぞれ2枚重ねる場合には、それぞれの表面が互いに内側に来るように重ね合わせる(図4(a) 、(b) において、2枚重ねの生地のうち下側に位置する生地については、引出線を点線で示す)。
【0004】
このような縫製方法を採った場合、甲縫合部t、t'は図5に示すように4枚重ねとなり、また、4枚重ねの生地(外甲表地1、外甲裏地1'、内甲表地2、内甲裏地2')は1回のミシン掛けで縫着11されているから、その部分は固定された状態にある。
そして、その後の様々な工程を経て1つの足袋が縫製された段階で、最終工程として底地3を含む生地全体を表返す作業を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして出来上がった製品の甲縫合部t、t'は、図6に示すように、6枚重ねとなる。すなわち、その縫製段階で4枚重ねであったものが最終工程として生地全体を表返すことにより、さらに2枚増えて合計6枚となる。そして、この甲縫合部t、t'においては、4枚重ねの生地が1回のミシン掛けで縫着11されているから、その部分が堅くしまっている。
従って、この足袋を履いて正座すると、1回のミシン掛けで4枚の生地が固定されて堅くなっている甲縫合部t、t'部分が足の甲部に食い込み、その部分が痛くなる。
本発明は、この欠点を解消し得る足袋を容易に製造し得る方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による製造法では、足袋の甲部Tにおける縫合部を縫製するに当って、外甲表地1と内甲表地2とからなる表地の甲縫合部tの縫着と、外甲裏地1'と内甲裏地2'とからなる裏地の甲縫合部t'の縫着とを、表地側と裏地側とで別個に行い、甲縫合部tで縫着されている外甲表地1と内甲表地2とからなる表地と、甲縫合部 t' で縫着されている外甲裏地 1' と内甲裏地 2' とからなる裏地とを2枚重ね合わせた状態で、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部 v' とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁を縫い合わせるのに先立って、表地側と裏地側の筒鼻部wの位置を合わせてあらかじめ縫製し、足袋の甲部Tの筒鼻部wにおける縫目と鎌先部xにおける縫目間のすべての部分で表裏2枚重ねとなる表地と裏地を互いに分離させる。
【0007】
この方法を採用することにより、表地側の甲縫合部tと裏地側の甲縫合部t'は、ともにわずか2枚の薄さとなり、しかも、表地側の甲縫合部tのミシン掛け12と裏地側の甲縫合部t'のミシン掛け12' は繋がらずに、足袋の甲部Tの筒鼻部wにおける縫目と鎌先部xにおける縫目間のすべての部分で分離されていて互いに独立したものとなる。従って、2枚重ねの表地側甲縫合部tと裏地側甲縫合部t'は重なり合ったとしても足袋の甲部Tの筒鼻部wにおける縫目と鎌先部xにおける縫目間のすべての部分で分離した状態が保たれる。
【0008】
そして、甲縫合部tで縫着されている外甲表地1と内甲表地2とからなる表地と、甲縫合部t'で縫着されている外甲裏地1'と内甲裏地2'とからなる裏地とを2枚重ね合わせた状態で、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部v'とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁を縫い合わせるのに先立って、表地側と裏地側の筒鼻部wの位置を合わせてあらかじめ縫製してあるので、外甲側の外甲表地1と外甲裏地1'の縫い合わせるべき縁、及び内甲側の内甲表地2と内甲裏地2'の縫い合わせるべき縁、すなわち、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部v'とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁を綺麗に揃えた状態で縫い合わせることができ、仕上がりが美しくなる。
【0009】
この結果、この方法により作られた足袋を履いて正座した場合でも、表地側の甲縫合部tと裏地側の甲縫合部t'が足の甲に食い込むことが少なく、従来の場合ほど痛さを感じることがなく、特に、外甲側の外甲表地1と外甲裏地 1' の縫い合わせるべき縁、及び内甲側の内甲表地2と内甲裏地 2' の縫い合わせるべき縁、すなわち、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部 v' とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁を綺麗に揃えた状態で縫い合わされた仕上がりが美しい足袋をきわめて容易に製造することができる。
【0010】
外甲側の底地縫合部v、内甲側の底地縫合部v'に底地3を縫い付けるのに先立って、表地側と裏地側の鎌先部xの位置を合わせてあらかじめ縫製しておくことが望ましい。
このようにすると、外甲側の底地縫合部v、内甲側の底地縫合部v'に底地3を縫い付ける作業を容易に行うことができるのみならず、その部分の縫い合わせ状態が綺麗で、仕上がりが美しくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明による足袋の製造法の最も好ましい一例を、図1〜図3に基いて詳細に説明する。
図1は、(a) に示すように裁断した数枚の生地から(m) に示す足袋に仕上げるまでの過程を示したものである。
ここに例示する足袋は内底に懐炉を入れるためのポケットを縫い付け、また、甲部Tの表地と裏地との間に保温性のある素材5を介装した形式のものであり、外甲表地1、内甲表地2、外甲裏地1'、内甲裏地2'の4枚の生地と底地3とポケット用の生地4と保温性のある素材5とを、概ね(b) 〜(l) の工程を経ながら順次縫い合わせて最終的に図 1(m) に示す足袋に仕上げる場合を例示する。
以下、図1に示す各縫製工程を詳細に説明する。各工程を分かりやすくするために、生地が2枚重ねとなっている場合については、下側もしくは裏側に位置するものの引出線を全て点線で示す。
【0012】
(裁断、図1(a) 参照)
まず、金型を用いて外甲表地1、内甲表地2、外甲裏地1'、内甲裏地2'の4枚の生地と底地3とポケット用の生地4をそれぞれ圧力裁断する。また、これらとは別に、保温性のある素材5を所定形状に裁断しておく。
なお、図1(a) では、生地の表側がいずれも上になるように表わしてあるから、外甲表地1と外甲裏地1'とは、また、内甲表地2と内甲裏地2'とはともに左右対称的に現れる。
【0013】
(受け糸通し・受け糸押え、図1(b) 参照)
まず、専用の機械を用いて内甲表地2の表側に4つ又は5つの受け糸Uを通す。その数は次の工程で取り付ける甲馳Sの数と一致させる。ここでは、受け糸Uを4つ形成した場合を例示する。
そして、同図右側に拡大して示すように、この受け糸Uが動かないようその裏側において専用のミシンでその間を縫って4つの受け糸Uを固定する。なお、右側の拡大図において、受け糸U、U間に現れる点線は、裏側で縫った上記固定糸が表側に達していることを示している。
【0014】
(甲馳付け、図1(c) 参照)
次に、外甲表地1と外甲裏地1'とを表側が互いに向き合うように重ね合わせ、甲馳取付部sに相当する部分において両者間に4つの甲馳Sを縫い付ける。前の工程で取り付けた受け糸Uの数が5つの場合には、この工程で縫い付ける甲馳Sの数も5つである。
【0015】
(甲縫い、図1(d) 参照)
次いで、図1(c) で甲馳Sが縫い付けられた2枚の外甲生地のうち、外甲表地1の甲縫合部tに図1(b) に示す内甲表地2の甲縫合部tを、また、外甲裏地1'の甲縫合部t'に図1(a) に示す内甲裏地2'の甲縫合部t'をそれぞれ縫着する。すなわち、外甲表地1と内甲表地2とからなる表地の甲縫合部tの縫着と、外甲裏地1'と内甲裏地2'とからなる裏地の甲縫合部t'の縫着とを、表地側と裏地側とで別個に行い、表裏2枚重ねとなる表地と裏地とを足袋の甲部Tの筒鼻部wにおける縫目と鎌先部xにおける縫目間のすべての部分で互いに分離させる。なお、表地側の甲縫合部tにおけるミシン掛けを図面符号12で、また、裏地側の甲縫合部t'におけるミシン掛けを図面符号12' で示す。
この点が一連の縫製工程で最も重要かつ新規なところである。
【0016】
従来の縫製方法によれば、上述したように、甲縫合部t、t'が図5に示すように4枚重ねであり、また、4枚重ねの生地、すなわち、外甲表地1、外甲裏地1'、内甲表地2、内甲裏地2'が1回のミシン掛けで縫着11されているから、その部分が固定されて堅くしまっている。
従って、この足袋を履いて正座すると、1回のミシン掛けで4枚の生地が固定されて堅くなっている縫合部t、t'部分が足の甲に食い込み、その部分が痛くなるという欠点を有していた。
【0017】
これに対して、ここに示す甲縫い方法を採用すると、図2、図3に示すように、表地側の甲縫合部tのミシン掛け12と裏地側の甲縫合部t'のミシン掛け12' は繋がらずに、足袋の甲部Tの筒鼻部wにおける縫目と鎌先部xにおける縫目間のすべての部分で分離されていて互いに独立しているから、2枚重ねの表地側甲縫合部tと裏地側甲縫合部t'は重なり合ったとしても足袋の甲部Tの筒鼻部wにおける縫目と鎌先部xにおける縫目間のすべての部分で分離した状態が保たれ、しかも、その部分は4枚重ねの生地を1回のミシン掛けで縫着した従来の場合ほど堅くならない。
従って、この足袋を履いて正座しても、甲縫合部t、t'部分が足の甲に食い込むことは少なく、従来の場合ほど痛さを感じることはない。
【0018】
実際の甲縫い作業では、図2、図3に示すように、表地側の甲縫合部tの重なり代部分と裏地側の甲縫合部材t'の重なり代部分を一方に折り曲げている。また、裏地側の甲縫合部材t'においては、裏地の生地の性質上、ミシン掛け12' で一度縫い付けただけでは弱いため、別のミシン掛け13で押え縫いを行っている。従って、この部分の生地の枚数は従来の場合と同じ6枚となる。
しかしながら、ここに示す甲縫い方法を採用した場合には、1回のミシン掛け12、12' で固定されている生地の枚数は2枚、最も分厚いところでもミシン掛け13で固定されている部分の3枚であり、しかも、甲縫合部tとt'は分離しているから、重なり合う生地の枚数がたとえ従来の場合と同じになったとしても、従来の場合に比べると少なくとも上述したような利点を有することになる。
【0019】
なお、実際の甲縫い作業では、図1(c) に示すように、外甲表地1と外甲裏地1'とを重ね合わせた状態で外甲表地1に内甲表地2を、また、外甲裏地1'に内甲裏地2'をそれぞれ縫着するが、分かりやすくするために、図1(d) では、甲馳Sが縫い付けられた2枚の外甲生地、すなわち、外甲表地1と外甲裏地1'を図1(c) に示す状態から開き、その状態で甲縫いを実施したように表わした。
【0020】
(保温性のある素材の縫付、図1(e) 参照)
図1(d) に示す生地のうち、外甲裏地1'と内甲裏地2'との縫い合わせ部分である甲縫合部t'の裏側に、保温性のある素材5をミシン掛け14で縫い付ける。なお、保温性のある素材5は両裏地1'、2'にまたがるように配置する。保温性のある素材としては、例えば、真綿や化学繊維からなるものを挙げることができる。
この保温性のある素材5を縫い付ける外甲裏地1'と内甲裏地2'を、バイアス生地とするのが好ましい。そして、保温性のある素材5を縫い付けるためのミシン掛け14を、バイアス生地の伸びる方向(矢印で示す)と平行となるようにするのが好ましい。
これにより、バイアス生地特有の伸縮性が損なわれることがなく、また、保温性のある素材5の偏りもなくなる。さらに、保温性のある素材5の厚みをバイアス生地の伸びにより吸収し、足袋の甲T部分がぶ厚いという印象を与えるのを防止することができる。
【0021】
(筒鼻合わせ、図1(f) 参照)
図1(e) に示す生地を重ね合わせ、その筒鼻部wを揃えた上であらかじめ縫製する。すなわち、外甲側の外甲表地1と外甲裏地1'の底地縫合部vと内甲側の内甲表地2と内甲裏地2'の底地縫合部v'とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁を縫い合わせるのに先立って、表地側と裏地側の筒鼻部wの位置を合わせてあらかじめ縫製しておく。
【0022】
(地縫い、図1(g) 参照)
図1(f) で筒鼻部wを合わせた外甲側の外甲表地1と外甲裏地1'と内甲側の内甲表地2と内甲裏地2'のうち、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部v'とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁、すなわち、外甲側の筒口zを甲馳Sの付いている端から図1(g) に拡大して示すように、ふかしnを取って縫い始め、内甲側の筒口z'、内甲尻y'までを連続して縫い合わせる。また、尻部oを縫い合わせる。
この縫製を行うに先立って、図1(f) で示すように筒鼻合わせを行っておくと、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部v'とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁を綺麗に揃えた状態で縫い合わせることができ、仕上がりが美しくなる。
【0023】
(甲返し・鎌先合わせ、図1(h) 参照)
図1(g) で地縫いした生地を返して(図1(f) 、(g) では、生地の裏面が外側に向いている)、生地の表面が外側に来るようにする。
そして、その鎌先部xを揃えてあらかじめ縫製する。すなわち、外甲側の底地縫合部v、内甲側の底地縫合部v'に底地3を縫い付けるのに先立って、表地側と裏地側の鎌先部xの位置を合わせてあらかじめ縫製しておく。
【0024】
(底地ポケット付け、図1(i) 参照)
底地3の裏面であってその土踏まずから指先にかけた部分に、ポケット用の生地4を重ねて縫い付ける。
この生地4を底地3に縫い付けておくと、底地3にポケットが形成され、足袋を履くに当ってその中に懐炉を入れることができる。
このポケットを利用して足袋の内底に懐炉を入れておくと、土踏まずから指先にかけて暖かくすることができる。
なお、足袋の内底に懐炉を入れた場合、その部分が嵩張って足袋に足が入りにくくなり勝ちであるが、表地、裏地に伸縮性のある生地を用いることによって、それを回避することができる。
【0025】
(丸止め、図1(j) 参照)
図1(h) で鎌先合わせした2枚重ねの外甲側の生地(外甲表地1、外甲裏地1')と、2枚重ねの内甲側の生地(内甲表地2、内甲裏地2')の踵部pを、専用ミシンを用いて縫い合わせる。
【0026】
(甲返し・先付け、図1(k) 参照)
図1(j) で丸止めされた生地は、外甲側の底地縫合部v、内甲側の底地縫合部v'のみが口を開けた状態にある。
この生地を再び返して生地の裏地側が外側に来るようにする。そして、専用ミシンを用いてその指先側のみに図1(i) に示す底地3の指の部分をミシン掛け15で縫い合わせる。
【0027】
(廻し、図1(l) 参照)
図1(k) で先付けされた生地3の残りの周縁部を、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部v'にミシン掛け16でそれぞれ縫い合わせる。
このようにして、外甲側の底地縫合部v、内甲側の底地縫合部v'のみが口を開けた生地に底地3を縫着することができるが、その前に、鎌先合わせ(図1(h) 参照)と丸止め(図1(j) 参照)とを行うことによって、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部v'に底地3を縫い付ける作業を容易に行うことができるのみならず、その部分の縫い合わせ状態が綺麗で、仕上がりが美しくなる。
【0028】
(仕上げ作業、図示省略)
最終工程の1つ前の段階で、図1(l) に示す状態にまで仕上げられた足袋の仕上げ作業を行う。例えば、縫い糸など余分に出ている糸を切り落としたり(糸切りと呼ぶ)、底地3を縫い付けた部分から余分な糸が出たり、生地の端縁がほつれないようにジグザグ状に縫う(アジロ掛けと呼ぶ)作業などである。
【0029】
(仕返し、図示省略)
最終工程として、仕上げ業を終えた足袋全体を返して表地側を外側に出す。かくして、図1(m) に示すような足袋が出来上がる。
なお、図1(m) に示す足袋、すなわち、表地側を外側に出した後の足袋にアイロンを当てると、最終製品となる。そして、一足揃えて1つの袋に入れると、包装された製品となる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の製造法を用いた場合には、この足袋を履いて正座した場合でも、表地側の甲縫合部tと裏地側の甲縫合部t'が足の甲に食い込むことが少なく、従来の場合ほど痛さを感じることがなく、特に、外甲側の外甲表地1と外甲裏地 1' 及び内甲側の内甲表地2と内甲裏地 2' の縫い合わせるべき縁を綺麗に揃えた状態で縫い合わされた仕上がりが美しい足袋をきわめて容易に製造することができる。
【0031】
請求項2記載の製造法を用いた場合には、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部v'に底地3を縫い付ける作業を容易に行うことができるのみならず、その部分の縫い合わせ状態が綺麗で、仕上がりが美しくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法を説明するためのものであって、内底に懐炉を入れるためのポケットを縫い付け、また、甲部の表地と裏地との間に保温性のある素材を介装した足袋の製造過程の一例を示す概略図である。
【図2】表地側の甲縫合部と裏地側の甲縫合部とが分離独立している状態を説明するための拡大断面図である。
【図3】図2の状態から表地と裏地を返した状態を示す拡大断面図である。
【図4】従来の甲部分の縫製工程を示す概略図で、(a) は縫い合わせる前の状態を、(b) は縫い合わせた後の状態を示す。
【図5】図4(b) のように縫い合わせたときの甲部分の生地の重なり状態を示す部分拡大図である。
【図6】図5の状態から外甲生地を返した状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…外甲表地、1'…外甲裏地、2…内甲表地、2'…内甲裏地、3…底地、4…ポケット用の生地、5…保温性のある素材、12,12',13…ミシン掛け、T…甲部、t…表地側の甲縫合部、t'…裏地側の甲縫合部、S…甲馳、s…甲馳取付部、U…受け糸、v…外甲側の底地縫合部、v'…内甲側の底地縫合部、w…筒鼻部、x…鎌先部、y'…内甲尻、z …表地側の筒口、z’…裏地側の筒口、n…ふかし、o…尻部、p…踵部。
Claims (2)
- 少なくとも外甲表地1、内甲表地2、外甲裏地1'、内甲裏地2'の4枚の生地と底地3とからなる足袋の甲部Tにおける縫合部を縫製するに当って、外甲表地1と内甲表地2とからなる表地の甲縫合部tの縫着と、外甲裏地1'と内甲裏地2'とからなる裏地の甲縫合部t'の縫着とを、表地側と裏地側とで別個に行い、甲縫合部tで縫着されている外甲表地1と内甲表地2とからなる表地と、甲縫合部 t' で縫着されている外甲裏地 1' と内甲裏地 2' とからなる裏地とを2枚重ね合わせた状態で、外甲側の底地縫合部vと内甲側の底地縫合部 v' とすでに縫合されている甲馳取付部sとを除く他の縁を縫い合わせるのに先立って、表地側と裏地側の筒鼻部wの位置を合わせてあらかじめ縫製し、足袋の甲部Tの筒鼻部wにおける縫目と鎌先部xにおける縫目間のすべての部分で表裏2枚重ねとなる表地と裏地を互いに分離させることを特徴とする足袋の製造法。
- 外甲側の底地縫合部v、内甲側の底地縫合部v'に底地3を縫い付けるのに先立って、表地側と裏地側の鎌先部xの位置を合わせてあらかじめ縫製しておくことを特徴とする請求項1記載の足袋の製造法。
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