JP3836601B2 - 複数自由度モーションベース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、いわゆる体感ゲーム機等のアミューズメント機器その他に用いられ、人が座る椅子や、人が乗る模擬車両、模擬船舶、模擬航空機、模擬宇宙船等の乗り物その他を対象物として、その対象物を複数自由度で運動させる複数自由度モーションベースに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来のかかるモーションベースとしては、例えば、そのモーションベースの左右方向へ延在するピッチ軸線を中心とした揺動であるピッチ軸運動、そのモーションベースの前後方向へ延在するロール軸線を中心とした揺動であるロール軸運動、そのモーションベースの上下方向へ延在するヨー軸線を中心とした揺動であるヨー軸運動および、これもそのモーションベースの上下方向へ延在する上下動軸線に沿う上下運動の4自由度のものが知られており、従来のモーションベースでは一般に、これら4自由度を積み上げ方式、すなわちピッチ軸、ロール軸、ヨー軸および上下動軸の4つの可動軸の各々の運動をもたらすアクチュエータを順次直列に結合した構造によって実現している。
【0003】
しかしながら、かかる積み上げ方式では、対象物を直接動かすアクチュエータ以外のアクチュエータはその対象物に加えて幾つかのアクチュエータをも動かさねばならず、慣性力が大きくなって俊敏な応答性が望めないという問題があり、このことは、対象物から最も離れたアクチュエータにおいて他の3つのアクチュエータ全てを動かす必要があることから特に重大であった。しかも、各アクチュエータを作動させるための配線や配管が複雑に錯綜した状態となるため、装置全体が複雑化するとともに、対象物に対する人の乗り降りのスペースの確保が困難であるという問題があった。
【0004】
また近年、6台の、伸縮作動する一軸アクチュエータとしての、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させる電動式直線移動機構を、2台ずつV字形に配して、対象物の互いに等距離離間した3点を支持し、それらの電動式直線移動機構を協調作動させることにより対象物に6自由度を与えるモーションベースも実用化されている。
【0005】
しかしながら、かかる6台の電動式直線移動機構で対象物の3点を支持したモーションベースでは、各電動式直線移動機構が対象物を直接動かすので慣性力が小さいことから俊敏な応答性は得られるものの、対象物の可動軸の方向と電動式直線移動機構の伸縮作動方向とが一致していず、リンクを介して方向変換されているわけでもないので、対象物の位置や運動の制御のために高度な座標変換処理を行わねばならず、それゆえそれらの制御が複雑となって制御装置の費用が嵩むという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
この発明は、上記従来の技術の課題を有利に解決したモーションベースを提供するものであり、この発明の複数自由度モーションベースは、対象物を複数自由度で運動させる複数自由度モーションベースにおいて、前記対象物の下方に配置された基台と、前記対象物を垂直方向軸線周りの回動を規制しつつ前後左右方向に揺動可能に支持して上下運動させる、前記基台に垂直方向軸線回りに回動可能に支持された上下動軸アクチュエータと、前記上下動軸アクチュエータを垂直方向軸線周りに回動させることでその上下動軸アクチュエータを介して前記対象物を垂直方向軸線周りに回動させる、前記基台に支持されたヨー軸アクチュエータと、前記上下動軸アクチュエータの前方と後方と側方とにそれぞれ配置された前方連結部と後方連結部と側方連結部とを有する、前記対象物に垂直方向軸線周りに回動可能に結合された上部揺動部材と、前記上部揺動部材の前記前方連結部および前記後方連結部に上端部をそれぞれ揺動可能に連結されて互いに平行に上下方向へ延在する前方連結部材および後方連結部材と、前記前方連結部材および前記後方連結部材の下端部にそれぞれ揺動可能に連結された前方連結部および後方連結部を有するとともに、それら前方連結部と後方連結部との中間の位置に上方連結部および下方連結部を有する、前記上部揺動部材の下方にその上部揺動部材に対し平行に延在するよう配置された下部揺動部材と、前記下部揺動部材の前記上方連結部および前記下方連結部に一端部をそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結されて互いに平行に前後方向へ延在する上方連結部材および下方連結部材と、前記上方連結部材および前記下方連結部材の他端部にそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結された上方連結部と下方連結部とを有して上下方向へ延在し、前記上方連結部または前記下方連結部を前記基台に左右方向軸線周りに揺動可能に支持されたピッチ軸駆動部材と、前記ピッチ軸駆動部材を揺動させることでそのピッチ軸駆動部材と前記上方連結部材と前記下方連結部材とを介して前記下部揺動部材を前後方向に揺動させ、その下部揺動部材と前記前方連結部材と前記後方連結部材とを介して前記上部揺動部材を前後方向に揺動させ、その上部揺動部材を介して前記対象物を前後方向に揺動させる、前記基台に配置されたピッチ軸アクチュエータと、前記上部揺動部材の前記側方連結部を前記前方連結部および前記後方連結部に対して上下運動させることで前記上部揺動部材を介して前記対象物を左右方向に揺動させる、前記下部揺動部材の前記中間の位置に支持されたロール軸アクチュエータと、を具えることを特徴とするものである。
【0007】
かかるこの発明の複数自由度モーションベースにあっては、対象物の下方に配置された基台に垂直方向軸線回りに回動可能に支持された上下動軸アクチュエータが、対象物を垂直方向軸線周りの回動を規制しつつ前後左右方向に揺動可能に支持して上下運動させ、また、基台に支持されたヨー軸アクチュエータが、上下動軸アクチュエータを垂直方向軸線周りに回動させることでその上下動軸アクチュエータを介して対象物を垂直方向軸線周りに回動させる。
【0008】
またこの発明の複数自由度モーションベースにあっては、基台に支持されたピッチ軸アクチュエータが、ピッチ軸駆動部材を揺動させることでそのピッチ軸駆動部材と上方連結部材と下方連結部材とを介して下部揺動部材を前後方向に揺動させ、その下部揺動部材と前方連結部材と後方連結部材とを介して上部揺動部材を前後方向に揺動させ、その上部揺動部材を介して対象物を前後方向に揺動させる。
【0009】
そしてこの発明の複数自由度モーションベースにあっては、下部揺動部材の中間の位置に支持されたロール軸アクチュエータが、上部揺動部材の側方連結部を前方連結部および後方連結部に対して上下運動させることで上部揺動部材を介して対象物を左右方向に揺動させる。
【0010】
従ってこの発明の複数自由度モーションベースによれば、対象物を上下動軸とヨー軸とピッチ軸とロール軸との4自由度で運動させることができる。
【0011】
さらにこの発明の複数自由度モーションベースによれば、ピッチ軸アクチュエータとロール軸アクチュエータとによって揺動させる上部揺動部材を、対象物に垂直方向軸線周りに回動可能に結合し、その対象物を垂直方向軸線周りの回動を規制しつつ前後左右方向に揺動可能に支持する上下動軸アクチュエータを、ヨー軸アクチュエータによって垂直方向軸線周りに回動させるので、対象物のヨー軸周りの運動を上下動軸方向の運動とピッチ軸およびロール軸周りの運動とから完全に独立させることができる。
【0012】
加えてこの発明の複数自由度モーションベースにあっては、上下動軸アクチュエータの前方と後方と側方とにそれぞれ配置された前方連結部と後方連結部と側方連結部とを有して対象物に垂直方向軸線周りに回動可能に結合された上部揺動部材と、その上部揺動部材の前方連結部および後方連結部に上端部をそれぞれ揺動可能に連結されて互いに平行に上下方向へ延在する前方連結部材および後方連結部材と、それら前方連結部材および後方連結部材の下端部にそれぞれ揺動可能に連結された前方連結部および後方連結部を有するとともにそれら前方連結部と後方連結部との中間の位置に上方連結部および下方連結部を有して上部揺動部材の下方にその上部揺動部材に対し平行に延在するよう配置された下部揺動部材とが4節リンクを構成し、それら上部揺動部材と下部揺動部材とが平行リンクを構成しているととにもに、その下部揺動部材の上方連結部および下方連結部に一端部をそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結されて互いに平行に前後方向へ延在する上方連結部材および下方連結部材と、それら上方連結部材および下方連結部材の他端部にそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結された上方連結部と下方連結部とを有して上下方向へ延在してその上方連結部または下方連結部を基台に左右方向軸線周りに揺動可能に支持されたピッチ軸駆動部材とがもう一つの4節リンクを構成し、それら下部揺動部材とピッチ軸駆動部材とがもう一つの平行リンクを構成している。そして上部揺動部材の側方連結部をロール軸アクチュエータが下部揺動部材の中間の位置に連結している。
【0013】
従ってこの発明の複数自由度モーションベースによれば、上下動軸アクチュエータが対象物を上下動させてそれに結合された上部揺動部材を上下動させても、その上部揺動部材とピッチ軸駆動部材とに連結された下部揺動部材が上部揺動部材とともに上下動しつつ僅かに前後動するのみで、互いに直列に結合された上記二つの平行リンクの作用により、ピッチ軸駆動部材に対する上部揺動部材の前後方向角度は変化しないので、対象物の上下動軸方向の運動からピッチ軸およびロール軸周りの運動を完全に独立させることができる。
【0014】
そしてこの発明の複数自由度モーションベースによれば、ピッチ軸アクチュエータが下部揺動部材と上部揺動部材とを前後方向に揺動させても、それらは平行リンクを構成していて、ロール軸アクチュエータが連結している上部揺動部材の側方連結部と下部揺動部材の中間の位置との距離は変化しないので、対象物のピッチ軸周りの運動とロール軸周りの運動とを互いに実質的に独立させることができる。
【0015】
しかもこの発明の複数自由度モーションベースによれば、上下動軸アクチュエータとピッチ軸アクチュエータとロール軸アクチュエータとがそれぞれ、他のアクチュエータを介することなく直接対象物を駆動するので、慣性力を小さくし得て、俊敏な応答性を得ることができる。
【0016】
そしてこの発明の複数自由度モーションベースによれば、ヨー軸アクチュエータとピッチ軸アクチュエータとロール軸アクチュエータとがそれぞれ、基台に支持されているので、それらのアクチュエータを作動させるための配線等を容易に整理し得て、装置全体を簡略化することができ、さらにこのことから、対象物の直下にピッチ軸アクチュエータを配置しないで済む点と相俟って、対象物に対する人の乗り降りのスペースも容易に確保することができる。
【0017】
さらにこの発明の複数自由度モーションベースによれば、上下動軸アクチュエータとヨー軸アクチュエータとピッチ軸アクチュエータとロール軸アクチュエータとの各々の運動の方向が直接、あるいはリンクを介する方向変換のみで対象物の運動方向となるので、対象物の位置や運動の制御のための高度な座標変換処理を不要とし得て、それらの制御を容易にそして安価に行うことができる。
【0018】
なお、この発明の複数自由度モーションベースにおいては、前記上下動軸アクチュエータは、エアシリンダを具えてなるものでも良く、このようにすれば、一般に制御精度が比較的低くて済む上下動軸アクチュエータを安価に構成することができる。
【0019】
また、この発明の複数自由度モーションベースにおいては、前記ピッチ軸アクチュエータおよび前記ロール軸アクチュエータは各々、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させる電動式直線移動機構を具えてなるものでも良く、このようにすれば、ピッチ軸やロール軸周りの運動にさらに俊敏な応答性をもたらすことができるとともに、それらの運動を高精度のものとすることができ、しかも、例えば対象物に人が乗ってその対象物を体重移動で姿勢変更しようとする場合に、その体重移動の方向へのピッチ軸やロール軸周りの運動速度をサーボモータの制御ゲインの変更によって適宜変更し得て、その体重移動での姿勢変更に対する反力を対象物に容易にかつ迅速に生じさせることができる。すなわち、体重移動の方向へ対象物を速やかに揺動させれば、乗っている人への対象物からの反力は僅かなものとなり、体重移動の方向へ対象物をゆっくり揺動させれば、乗っている人への対象物からの反力は大きなものとなる。
【0020】
さらに、この発明の複数自由度モーションベースにおいては、前記ヨー軸アクチュエータは、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させる電動式直線移動機構を具えてなるものでも良く、このようにすれば、ヨー軸周りの運動に俊敏な応答性をもたらすことができるとともに、その運動を高精度のものとすることができる。
【0021】
さらに、この発明の複数自由度モーションベースにおいては、前記ロール軸アクチュエータが、前記下部揺動部材に支持される代わりに前記基台に支持され、前記上部揺動部材の側方連結部に上端部を揺動可能に連結された側方連結部材の下端部が、前記下部揺動部材の前記中間の位置に左右方向軸線周りに揺動可能に支持されたベルクランク部材の、前後方向に延在する水平腕が持つ連結部に揺動可能に連結され、前記ベルクランク部材の垂直腕が持つ連結部が、前記上方連結部材および前記下方連結部材のうちの前記基台に支持された方の連結部材の前記一端部と同心に揺動可能に前記下部揺動部材に支持されて前記ベルクランク部材の前記垂直腕と平行に延在する垂直レバー部材に中間連結部材を介して連結され、前記垂直レバー部材が、前記上方連結部材および前記下方連結部材のうちの前記基台に支持された方の連結部材の前記他端部と同心に揺動可能に前記基材に支持されて上下方向へ延在するロール軸駆動部材に、前記上方連結部材および前記下方連結部材のうちの前記基台に支持された方の連結部材と平行に延在する付加的連結部材を介して連結され、前記ロール軸アクチュエータが、前記ロール軸駆動部材を揺動させることでそのロール軸駆動部材と前記付加的連結部材とを介して前記垂直レバー部材を揺動させ、その垂直レバー部材と前記中間連結部材とを介して前記ベルクランク部材を揺動させ、そのベルクランク部材および前記側方連結部材を介して前記上部揺動部材の前記側方連結部を前記前方連結部および前記後方連結部に対して上下運動させ、前記上部揺動部材を介して前記対象物を左右方向に揺動させるようにしても良く、このようにすれば、先の構成と同様の作用効果が得られるのに加えて、ロール軸アクチュエータも基台に支持されているので、各アクチュエータを作動させるための配線等をさらに容易に整理し得て、装置全体をさらに簡略化することができ、そしてこのことから、対象物の直下にピッチ軸アクチュエータとロール軸アクチュエータとを配置しなくて済む点と相俟って、対象物に対する人の乗り降りのスペースもさらに容易に確保することができる。
【0022】
さらに、この発明の複数自由度モーションベースにおいては、前記対象物は、人が座る椅子であっても良く、このようにすれば、人が座る椅子を複数自由度で運動させる複数自由度モーションベースを用いた体感ゲーム機等のアミューズメント機器において、上述した作用効果をもたらすことができる。
【0023】
そして、この発明の複数自由度モーションベースにおいては、前記対象物は、人が乗る乗り物であっても良く、このようにすれば、人が乗る模擬車両、模擬船舶、模擬航空機、模擬宇宙船等の乗り物を複数自由度で運動させる複数自由度モーションベースを用いた体感ゲーム機等のアミューズメント機器において、上述した作用効果をもたらすことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の複数自由度モーションベースの一実施例としての体感ゲーム機用4自由度モーションベースを斜め上方かつ左斜め前方から見た状態で示す斜視図、図2は、その実施例のモーションベースの正面図、図3は、その実施例のモーションベースの右側面図、図4は、その実施例のモーションベースの椅子を除いた部分を示す、図のA−A線に沿う上面図、図5は、その実施例のモーションベースの上部揺動部材を示す、図のB−B線に沿う拡大断面図、図6は、その実施例のモーションベースの上部揺動部材を示す、図のC−C線に沿う拡大断面図、そして図7は、その実施例のモーションベースの上部揺動部材を示す、図のD−D線に沿う下面図である。
【0025】
また、図8は、上記実施例のモーションベースの運動機構全体を斜め上方かつ右斜め前方から見た状態で示す説明図、図9は、その運動機構全体を斜め上方かつ左斜め後方から見た状態で示す説明図、図10は、図と同じ方向から見た運動機構を拡大して示す説明図、図11は、その運動機構の上端部付近を斜め上方かつ右斜め前方から見た状態で示す説明図、そして図12は、その運動機構の下部を右斜め下方から見た状態で示す説明図である。なお、ここにおける上下、左右、前後の方向は、基台ベースを基準としている。
【0026】
この実施例のモーションベースは、図1および図2に示すように、運動させる対象物としての、足掛け1aを一体的に設けられたバケット形の椅子1を具えるとともに、その椅子1の下方に配置された基台フレーム2を具えており、その基台フレーム2上の、椅子1の下方の位置には、上下動軸アクチュエータとしてのエアシリンダ3が垂直に配置され、そのエアシリンダ3のシリンダ本体3aの下端部には、図1,図3,図6,図7,図8および図12に示すように、基台フレーム2に固定された上下2段の環状フランジ4,5内にそれぞれ配置された図示しないベアリングにより垂直軸線周りに回動可能に支持されたトルクチューブ3bの上端部が固定されている。
【0027】
ここにおけるエアシリンダ3は、そのシリンダ本体3aの上端部にて垂直方向へ進退移動する図示しないピストンロッドを具え、そのピストンロッドはシリンダ本体3aに対するその軸線周りの回動を規制されており、そのピストンロッドの先端部には、図5および図11に示すように、2個のコ字状のブラケット6a, 6bを互いに垂直軸線周りに90°ずらせて組み合わせるとともにそれらのブラケット6a, 6bを十字状の軸部材6cで連結してジンバル機構を構成しているユニバーサルカップリング6の下側のブラケット6aが固定されており、このユニバーサルカップリング6の上側のブラケット6bは、椅子1の下端部に固定されてその椅子1を支持する椅子支持板7の下面に固定されている。これによりエアシリンダ3は椅子1を、ユニバーサルカップリング6を介して、垂直方向軸線周りの回動を規制しつつ前後左右方向に揺動可能に支持して上下運動させることができる。
【0028】
またこの実施例のモーションベースは、図3,図7,図8,図9および図12に示すように、基台フレーム2の内部にヨー軸アクチュエータ8を具えており、ここにおけるヨー軸アクチュエータ8は、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させ、そのボールナットを後端部に固定された作動ロッド8aをアクチュエータ本体8bに対し進退移動させる電動式直線移動機構にて構成されている。そしてそのヨー軸アクチュエータ8の、アクチュエータ本体8bの後端部は基台フレーム2に揺動可能に支持され、作動ロッド8aの先端部は、環状フランジ4,5を垂直方向に貫通した上記トルクチューブ3bの下端部に固定されたヨー軸駆動アーム9の先端部に揺動可能に連結されている。これによりヨー軸アクチュエータ8は、ヨー軸駆動アーム9を介してトルクチューブ3bを垂直軸線周りに回動させ、そのトルクチューブ3bを介してエアシリンダ3を垂直方向軸線周りに回動させることで、そのエアシリンダ3およびユニバーサルカップリング6を介して椅子支持板7ひいては椅子1を垂直方向軸線周りに回動させることができる。
【0029】
さらにこの実施例のモーションベースは、図3,図4,図5および図11に示すように、環状の中央部10a を有するとともにエアシリンダ3の前方と後方と側方とにそれぞれ位置するようにその中央部10a から突出した前方連結部10b と後方連結部10c と側方連結部10d とを有する上部揺動部材10と、エアシリンダ3を囲繞するようにその上部揺動部材10の下方にそれと平行に配置された枠状の下部揺動部材11とを具えており、ここにおける上部揺動部材10は、椅子支持板7の下面に固定されて上記ユニバーサルカップリング6を囲繞するようにその上部揺動部材10の中央部10a 内に挿通された図3および図5に示す筒状部材12に、その中央部10a 内に収容した図示しないベアリングを介して、ユニバーサルカップリング6の回動軸線周りひいては概略垂直方向軸線周りに回動可能に結合されている。これにより上部揺動部材10は、前後左右に揺動されると椅子1を一緒に前後左右に揺動させるが、椅子1が垂直軸線周りに回動しても、回動せずに各連結部10b 〜10d を上記の位置に維持する。
【0030】
上部揺動部材10の前方連結部10b と後方連結部10c と側方連結部10d とにはそれぞれボールジョイント13が設けられ、前方連結部10b にはそこのボールジョイント13を介して、棒状の前方連結部材14の上端部が揺動可能に連結され、また後方連結部10c にはそこのボールジョイント13を介して、A字状の後方連結部材15の上端部が揺動可能に連結されており、前方連結部材14の下端部は、下部揺動部材11の前端部の前方連結部11a に左右方向軸線周りに揺動可能に連結され、また後方連結部材15の下端部は下部揺動部材11の後端部の後方連結部11b に左右方向軸線周りに揺動可能に連結されている。これにより、前方連結部材14と後方連結部材15とは、側方から見て互いに平行に概略上下方向へ延在している。またここにおける下部揺動部材11は、その前方連結部11a と後方連結部11b との中間の、エアシリンダ3の左右側方の位置に上方連結部11c を有するとともに、左側の上方連結部11c の下方に下方連結部11d を有している。
【0031】
さらにこの実施例のモーションベースは、図1,図3,図4,図6,図8および図9に示すように、下部揺動部材11の前方にてそれぞれ概略前後方向へ延在する、H字状の上方連結部材16と、棒状の下方連結部材17とを具えており、上方連結部材16の左右後端部は、下部揺動部材11の左右の上方連結部11c に左右方向軸線周りに揺動可能にそれぞれ連結され、その上方連結部材16の左右前端部は、基台フレーム2の、エアシリンダ3の前方の位置に立設された4枚の三角形状のブラケット18の上端部に設けられた支持軸19により、左右方向軸線周りに揺動可能に支持されている。これにより、上方連結部材16は、支持軸19周りに揺動しても左右後端部を常に水平に維持して、そこに連結された下部揺動部材11の左右の上方連結部11c を下部揺動部材11の上下動にかかわらず常に水平に維持する。
【0032】
上記ブラケット18の上端部に設けられた支持軸19にはまた、ピッチ軸駆動部材としてのピッチ軸駆動アーム20の上端部の上方連結部20a が、左右方向軸線周りに揺動可能に支持されていて、そのピッチ軸駆動アーム20が概略上下方向へ延在しており、そのピッチ軸駆動アーム20の中間部の下方連結部20b に、下方連結部材17の後端部が左右方向軸線周りに揺動可能に連結され、その下方連結部材17の前端部は、下部揺動部材11の下方連結部11d に左右方向軸線周りに揺動可能に連結されている。これにより、上方連結部材16と下方連結部材17とは側方から見て互いに平行に延在している。
【0033】
さらにこの実施例のモーションベースは、図1〜図4,図8および図9に示すように、基台フレーム2の内部にピッチ軸アクチュエータ21を具えており、ここにおけるピッチ軸アクチュエータ21もヨー軸アクチュエータ8と同様、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させ、そのボールナットを後端部に固定された作動ロッド21a をアクチュエータ本体21b に対し進退移動させる電動式直線移動機構にて構成されている。そしてそのピッチ軸アクチュエータ21の、アクチュエータ本体21b の後端部は基台フレーム2に揺動可能に支持され、作動ロッド21a の先端部は、ピッチ軸駆動アーム20の下部に揺動可能に連結されている。これにより、ピッチ軸アクチュエータ21は、ピッチ軸駆動アーム20および下方連結部材17を介して下部揺動部材11を、左右の上方連結部11c を通って水平に延在する左右方向軸線周りに前後方向へ揺動させ、その下部揺動部材11と前方連結部材14と後方連結部材15とを介して上部揺動部材10を、その側方連結部10d およびユニバーサルカップリング6を通って水平に延在する左右方向軸線周りに前後方向へ揺動させ、ひいてはその上部揺動部材10を介して椅子1を前後方向へ揺動させることができる。
【0034】
さらにこの実施例のモーションベースは、図2〜図6,図8および図11に示すように、エアシリンダ3の右側方にロール軸アクチュエータ22を具えており、ここにおけるロール軸アクチュエータ22もヨー軸アクチュエータ8と同様、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させ、そのボールナットを後端部に固定された作動ロッド22a をアクチュエータ本体22b に対し進退移動させる電動式直線移動機構にて構成されている。そしてそのロール軸アクチュエータ22の、アクチュエータ本体22b の後端部すなわち下端部は、下部揺動部材11の右側の上方連結部11c の側部に固定されたコ字状のブラケット23に揺動可能に支持され、作動ロッド22a の先端部すなわち上端部は上部揺動部材10の側方連結部10d に、そこのボールジョイント13を介して揺動可能に連結されている。これにより、ロール軸アクチュエータ22は、上部揺動部材10の側方連結部10d を前方連結部10b および後方連結部10c に対して上下運動させることで、上部揺動部材10を介して椅子1を左右方向に揺動させることができる。
【0035】
加えてこの実施例のモーションベースは、エアシリンダ3のシリンダ本体3aの上端部に固定されてU字状に椅子1の左右側方から上方へ延在する支持パイプ24の左右上端部にそれぞれ固定された肘掛け25と、それらの肘掛け25の前端部にそれぞれ立設された、トリガースイッチ付のグリップ26と、椅子1と椅子支持板7との間に介挿されて、椅子1に座った人の前後左右方向への体重移動を検出する図示しないセンサとを具えており、ここにおける肘掛け25およびグリップ26は、ヨー軸アクチュエータ8により駆動されて椅子1とともに垂直軸線周りに回動はするが、上部揺動部材10に一体的に結合されてはいないので、椅子1とともにピッチ軸運動やロール軸運動をすることはない。
【0036】
この実施例のモーションベースにあっては、椅子1の下方に配置された基台フレーム2に垂直方向軸線回りに回動可能に支持されたエアシリンダ3が、椅子1を垂直方向軸線周りの回動を規制しつつ前後左右方向に揺動可能に支持して上下運動させ、基台フレーム2に支持されたヨー軸アクチュエータ8が、エアシリンダ3を垂直方向軸線周りに回動させることでそのエアシリンダ3を介して椅子1を垂直方向軸線周りに回動させ、基台フレーム2に支持されたピッチ軸アクチュエータ21が、ピッチ軸駆動アーム20を揺動させることでそのピッチ軸駆動アーム20と上方連結部材16と下方連結部材17とを介して下部揺動部材11を前後方向に揺動させ、その下部揺動部材11と前方連結部材14と後方連結部材15とを介して上部揺動部材10を前後方向に揺動させて、その上部揺動部材10を介して椅子1を前後方向に揺動させ、そして下部揺動部材11の中間の位置に支持されたロール軸アクチュエータ22が、上部揺動部材10の側方連結部10d を前方連結部10b および後方連結部10c に対して上下運動させることで上部揺動部材10を介して椅子1を左右方向に揺動させる。
【0037】
従ってこの実施例のモーションベースによれば、椅子1を上下動軸とヨー軸とピッチ軸とロール軸との4自由度で運動させることができる。
【0038】
しかもこの実施例のモーションベースによれば、ピッチ軸アクチュエータ21とロール軸アクチュエータ22とによって揺動させる上部揺動部材10を、椅子1に垂直方向軸線周りに回動可能に結合し、その椅子1を垂直方向軸線周りの回動を規制しつつ前後左右方向に揺動可能に支持するエアシリンダ3を、ヨー軸アクチュエータ8によって垂直方向軸線周りに回動させるので、椅子1のヨー軸周りの運動を上下動軸方向の運動とピッチ軸およびロール軸周りの運動とから完全に独立させることができる。
【0039】
さらにこの実施例のモーションベースにあっては、エアシリンダ3の前方と後方とにそれぞれ配置された前方連結部10b と後方連結部10c とを有して椅子1に垂直方向軸線周りに回動可能に結合された上部揺動部材10と、その上部揺動部材10の前方連結部10b および後方連結部10c に上端部をそれぞれ揺動可能に連結されて互いに平行に上下方向へ延在する前方連結部材14および後方連結部材15と、それら前方連結部材14および後方連結部材15の下端部にそれぞれ揺動可能に連結された前方連結部11a および後方連結部11b を有するとともにそれらの中間の位置に上方連結部11c および下方連結部11d を有して上部揺動部材10の下方にそれに対し平行に延在するよう配置された下部揺動部材11とが4節リンクを構成し、それら上部揺動部材10と下部揺動部材11とが平行リンクを構成しており、また、その下部揺動部材11の上方連結部11c および下方連結部11d に後端部をそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結されて互いに平行に前後方向へ延在する上方連結部材16および下方連結部材17と、それら上方連結部材16および下方連結部材17の前端部にそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結された上方連結部20a と下方連結部20b とを有して上下方向へ延在してその上方連結部20a を基台フレーム2に左右方向軸線周りに揺動可能に支持されたピッチ軸駆動アーム20とがもう一つの4節リンクを構成し、それら下部揺動部材11とピッチ軸駆動アーム20とがもう一つの平行リンクを構成しており、そして上部揺動部材10の、エアシリンダ3の側方に配置された側方連結部10d を、ロール軸アクチュエータ22が下部揺動部材11の中間の位置に連結している。
【0040】
従ってこの実施例のモーションベースによれば、エアシリンダ3が椅子1を上下動させてそれに結合された上部揺動部材10を上下動させても、その上部揺動部材10とピッチ軸駆動アーム20とに連結された下部揺動部材11が上部揺動部材10とともに上下動しつつ僅かに前後動するのみで、互いに直列に結合された上記二つの平行リンクの作用により、ピッチ軸駆動アーム20に対する上部揺動部材10の前後方向角度は変化しないので、椅子1の上下動軸方向の運動からピッチ軸およびロール軸周りの運動を完全に独立させることができる。
【0041】
そしてこの実施例のモーションベースによれば、ピッチ軸アクチュエータ21が下部揺動部材11と上部揺動部材10とを前後方向に揺動させても、それらは平行リンクを構成していて、ロール軸アクチュエータ22が連結している上部揺動部材10の側方連結部10d と下部揺動部材11の中間の位置との距離は変化しないので、椅子1のピッチ軸周りの運動とロール軸周りの運動とを互いに実質的に独立させることができる。
【0042】
しかもこの実施例のモーションベースによれば、エアシリンダ3とピッチ軸アクチュエータ21とロール軸アクチュエータ22とがそれぞれ、他のアクチュエータを介することなく直接対象物を駆動するので、慣性力を小さくし得て、俊敏な応答性を得ることができる。
【0043】
そしてこの実施例のモーションベースによれば、ヨー軸アクチュエータ8とピッチ軸アクチュエータ21とロール軸アクチュエータ22とがそれぞれ、基台フレーム2に支持されているので、それらのアクチュエータを作動させるための配線等を容易に整理し得て、装置全体を簡略化することができ、さらにこのことから、椅子1の直下にピッチ軸アクチュエータ21を配置しないで済む点と相俟って、椅子1に対する人の乗り降りのスペースも容易に確保することができる。
【0044】
さらにこの実施例のモーションベースによれば、エアシリンダ3とヨー軸アクチュエータ8とピッチ軸アクチュエータ21とロール軸アクチュエータ22との各々の運動の方向が直接、あるいはリンクを介する方向変換のみで椅子1の運動方向となるので、椅子1の位置や運動の制御のための高度な座標変換処理を不要とし得て、それらの制御を容易にそして安価に行うことができる。
【0045】
さらにこの実施例のモーションベースによれば、上下動軸アクチュエータとしてエアシリンダ3を具えてなるので、一般に制御精度が比較的低くて済む上下動軸アクチュエータを安価に構成することができる。
【0046】
またこの実施例のモーションベースによれば、ピッチ軸アクチュエータ21およびロール軸アクチュエータ22が各々、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させる電動式直線移動機構を具えてなるので、ピッチ軸やロール軸周りの運動にさらに俊敏な応答性をもたらすことができるとともに、それらの運動を高精度のものとすることができる。
【0047】
しかも、椅子1に人が座って左右のグリップ26を両手でそれぞれ握りながら椅子1を体重移動で姿勢変更しようとする場合に、上記センサで検出したその体重移動の方向へのピッチ軸やロール軸周りの運動速度を上記サーボモータの制御ゲインの変更によって適宜変更し得て、その体重移動での姿勢変更に対する反力を椅子1に容易にかつ迅速に生じさせることができる。すなわち、体重移動の方向へ椅子1を速やかに揺動させれば、座っている人への椅子1からの反力は僅かなものとなり、体重移動の方向へ椅子1をゆっくり揺動させれば、座っている人への椅子1からの反力は大きなものとなる。
【0048】
さらにこの実施例のモーションベースによれば、ヨー軸アクチュエータ8も、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させる電動式直線移動機構を具えてなるので、ヨー軸周りの運動に俊敏な応答性をもたらすことができるとともに、その運動を高精度のものとすることができる。
【0049】
図12は、上記実施例のモーションベースの変形例を示すものであり、この変形例においては、ロール軸アクチュエータ22が、下部揺動部材11に支持される代わりに基台ベース2に支持され、上部揺動部材10の側方連結部10d に上端部を揺動可能に連結された側方連結部材27の下端部が、下部揺動部材11の前方連結部11a と後方連結部11b との中間の位置に左右方向軸線周りに揺動可能に支持されたベルクランク部材28の、前後方向に延在する水平腕が持つ連結部28a に揺動可能に連結され、そのベルクランク部材28の垂直腕が持つ連結部28b が、上方連結部材16および下方連結部材17のうちの基台フレーム2に支持された方である上方連結部材16の後端部と同心に揺動可能に下部揺動部材11に支持されてベルクランク部材28の垂直腕と平行に延在する垂直レバー部材29に中間連結部材30を介して連結され、その垂直レバー部材29が、ここでは図示しない前記ブラケット18を介して上方連結部材16の前端部と同心に揺動可能に基材フレーム2に支持されて上下方向へ延在するロール軸駆動部材としてのロール軸駆動レバー31に、上方連結部材16と平行に延在する付加的連結部材32を介して連結されている。
【0050】
そしてこの変形例では、ロール軸アクチュエータ22が、そのロール軸駆動レバー31を揺動させることでそのロール軸駆動レバー31と付加的連結部材32とを介して垂直レバー部材29を揺動させ、その垂直レバー部材29と中間連結部材30とを介してベルクランク部材28を揺動させ、そのベルクランク部材28および側方連結部材27を介して上部揺動部材10の側方連結部10d を前方連結部10b および後方連結部10c に対して上下運動させ、上部揺動部材10を介して椅子1を左右方向に揺動させる。
【0051】
このようにすれば、先の実施例と同様の作用効果が得られるのに加えて、ロール軸アクチュエータ22も基台フレーム2に支持されているので、各アクチュエータを作動させるための配線等をさらに容易に整理し得て、装置全体をさらに簡略化することができ、そしてこのことから、椅子1の直下にピッチ軸アクチュエータ21の他にロール軸アクチュエータ22も配置しなくて済む点と相俟って、椅子1に対する人の乗り降りのスペースもさらに容易に確保することができる。
【0052】
そして上記実施例および変形例のモーションベースによれば、対象物が、人が座る椅子1であるので、人が座る椅子を4自由度で運動させる4自由度モーションベースを用いた体感ゲーム機等のアミューズメント機器において、上述した種々の顕著な作用効果をもたらすことができる。
【0053】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載の範囲内であれば、種々に変更し得るものであり、例えば前記対象物は、人が乗る模擬車両、模擬船舶、模擬航空機、模擬宇宙船等の乗り物であっても良い。また、この発明の複数自由度モーションベースは、前後左右の水平移動の自由度を付加しても良く、そのような場合において、アミューズメント機器以外の用途、例えばシミュレータ等にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の複数自由度モーションベースの一実施例としての体感ゲーム機用4自由度モーションベースを斜め上方かつ左斜め前方から見た状態で示す斜視図である。
【図2】上記実施例のモーションベースの正面図である。
【図3】上記実施例のモーションベースの右側面図である。
【図4】 上記実施例のモーションベースの椅子を除いた部分を示す、図のA−A線に沿う上面図である。
【図5】 上記実施例のモーションベースの上部揺動部材を示す、図のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図6】 上記実施例のモーションベースの上部揺動部材を示す、図のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図7】 上記実施例のモーションベースの上部揺動部材を示す、図のD−D線に沿う下面図である。
【図8】上記実施例のモーションベースの運動機構全体を斜め上方かつ右斜め前方から見た状態で示す説明図である。
【図9】上記運動機構の全体を斜め上方かつ左斜め後方から見た状態で示す説明図である。
【図10】 図と同じ方向から見た上記運動機構を拡大して示す説明図である。
【図11】上記運動機構の上端部付近を斜め上方かつ右斜め前方から見た状態で示す説明図である。
【図12】上記運動機構の下部を右斜め下方から見た状態で示す説明図である。
【図13】上記実施例のモーションベースの一変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 椅子
2 基台フレーム
3 エアシリンダ
8 ヨー軸アクチュエータ
10 上部揺動部材
11 下部揺動部材
14 前方連結部材
15 後方連結部材
16 上方連結部材
17 下方連結部材
20 ピッチ軸駆動アーム
21 ピッチ軸アクチュエータ
22 ロール軸アクチュエータ
27 側方連結部材
28 ベルクランク部材
29 垂直レバー部材
30 中間連結部材
31 ロール軸駆動レバー
32 付加的連結部材

Claims (7)

  1. 対象物(1)を複数自由度で運動させる複数自由度モーションベースにおいて、
    前記対象物の下方に配置された基台(2)と、
    前記対象物を垂直方向軸線周りの回動を規制しつつ前後左右方向に揺動可能に支持して上下運動させる、前記基台に垂直方向軸線回りに回動可能に支持された上下動軸アクチュエータ(3)と、
    前記上下動軸アクチュエータを垂直方向軸線周りに回動させることでその上下動軸アクチュエータを介して前記対象物を垂直方向軸線周りに回動させる、前記基台に支持されたヨー軸アクチュエータ(8)と、
    前記上下動軸アクチュエータの前方と後方と側方とにそれぞれ配置された前方連結部(10b)と後方連結部(10c)と側方連結部(10d)とを有する、前記対象物に垂直方向軸線周りに回動可能に結合された上部揺動部材(10)と、
    前記上部揺動部材の前記前方連結部および前記後方連結部に上端部をそれぞれ揺動可能に連結されて互いに平行に上下方向へ延在する前方連結部材(14)および後方連結部材(15)と、
    前記前方連結部材および前記後方連結部材の下端部にそれぞれ揺動可能に連結された前方連結部(11a)および後方連結部(11b)を有するとともに、それら前方連結部と後方連結部との中間の位置に上方連結部(11c)および下方連結部(11d)を有する、前記上部揺動部材の下方にその上部揺動部材に対し平行に延在するよう配置された下部揺動部材(11)と、
    前記下部揺動部材の前記上方連結部および前記下方連結部に一端部をそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結されて互いに平行に前後方向へ延在する上方連結部材(16)および下方連結部材(17)と、
    前記上方連結部材および前記下方連結部材の他端部にそれぞれ左右方向軸線周りに揺動可能に連結された上方連結部(20a)と下方連結部(20b)とを有して上下方向へ延在し、前記上方連結部または前記下方連結部を前記基台に左右方向軸線周りに揺動可能に支持されたピッチ軸駆動部材(20)と、
    前記ピッチ軸駆動部材を揺動させることでそのピッチ軸駆動部材と前記上方連結部材と前記下方連結部材とを介して前記下部揺動部材を前後方向に揺動させ、その下部揺動部材と前記前方連結部材と前記後方連結部材とを介して前記上部揺動部材を前後方向に揺動させ、その上部揺動部材を介して前記対象物を前後方向に揺動させる、前記基台に配置されたピッチ軸アクチュエータ(21)と、
    前記上部揺動部材の前記側方連結部を前記前方連結部および前記後方連結部に対して上下運動させることで前記上部揺動部材を介して前記対象物を左右方向に揺動させる、前記下部揺動部材の前記中間の位置に支持されたロール軸アクチュエータ(22)と、
    を具えることを特徴とする、複数自由度モーションベース。
  2. 前記上下動軸アクチュエータは、エアシリンダを具えてなることを特徴とする、請求項1記載の複数自由度モーションベース。
  3. 前記ピッチ軸アクチュエータおよび前記ロール軸アクチュエータは各々、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させる電動式直線移動機構を具えてなることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の複数自由度モーションベース。
  4. 前記ヨー軸アクチュエータは、サーボモータでボールネジ軸を回動させてそのボールネジ軸に螺合されたボールナットをそのボールネジ軸の軸線方向に進退移動させる電動式直線移動機構を具えてなることを特徴とする、請求項1から請求項3までの何れか記載の複数自由度モーションベース。
  5. 前記ロール軸アクチュエータが、前記下部揺動部材に支持される代わりに、前記基台に支持され、
    前記上部揺動部材の側方連結部に上端部を揺動可能に連結された側方連結部材(27)の下端部が、前記下部揺動部材の前記中間の位置に左右方向軸線周りに揺動可能に支持されたベルクランク部材(28)の、前後方向に延在する水平腕が持つ連結部(28a)に揺動可能に連結され、
    前記ベルクランク部材(28)の垂直腕が持つ連結部(28b)が、前記上方連結部材および前記下方連結部材のうちの前記基台に支持された方の連結部材の前記一端部と同心に揺動可能に前記下部揺動部材に支持されて前記ベルクランク部材の前記垂直腕と平行に延在する垂直レバー部材(29)に中間連結部材(30)を介して連結され、
    前記垂直レバー部材が、前記上方連結部材および前記下方連結部材のうちの前記基台に支持された方の連結部材の前記他端部と同心に揺動可能に前記基材に支持されて上下方向へ延在するロール軸駆動部材(31)に、前記上方連結部材および前記下方連結部材のうちの前記基台に支持された方の連結部材と平行に延在する付加的連結部材(32)を介して連結され、
    前記ロール軸アクチュエータが、前記ロール軸駆動部材を揺動させることでそのロール軸駆動部材と前記付加的連結部材とを介して前記垂直レバー部材を揺動させ、その垂直レバー部材と前記中間連結部材とを介して前記ベルクランク部材を揺動させ、そのベルクランク部材および前記側方連結部材を介して前記上部揺動部材の前記側方連結部を前記前方連結部および前記後方連結部に対して上下運動させ、前記上部揺動部材を介して前記対象物を左右方向に揺動させることを特徴とする、請求項1から請求項4までの何れか記載の複数自由度モーションベース。
  6. 前記対象物は、人が座る椅子(1)である、請求項1から請求項5までの何れか記載の複数自由度モーションベース。
  7. 前記対象物は、人が乗る乗り物である、請求項1から請求項5までの何れか記載の複数自由度モーションベース。
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