JP3836088B2 - 重金属汚染土壌の浄化計画策定方法 - Google Patents

重金属汚染土壌の浄化計画策定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重金属で汚染された土壌の浄化計画策定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カドミウム、鉛、クロム、砒素、銅、水銀、セレン等の重金属で汚染された土壌を浄化する場合、例えば、下記の特許文献1では、汚染された土壌を洗浄槽内に入れ、塩酸や硫酸や硝酸等の酸性の洗浄液を当該洗浄槽内に下方から供給して上記土壌を洗浄液中に所定時間浸漬した後に当該洗浄液を洗浄槽の下方から抜き出すことを繰り返し、土壌中に含まれている重金属成分を洗浄液に移行させて、土壌中の重金属成分の濃度を規定値以下にまで低減させることにより、当該土壌を浄化することを提案している。
【0003】
このような浄化方法においては、土壌の浄化を効率よく行なうため、浄化対象地域の土壌をビーカやカラム等に入れ、洗浄液の酸濃度や流通速度や流通時間、洗浄土壌の堆積高さ等の各種条件を変更した試験を行って、最適な洗浄条件を予め求めてから、当該条件に基づいて浄化処理を行なうようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−88847号公報
【特許文献2】
特開2003−94036号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような条件決定試験は、その実施する試験条件が非常に多く、最適な浄化条件の浄化計画を策定するまでに多くの時間と費用を要していた。
【0006】
このようなことから、本発明は、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用を大幅に削減することができる重金属汚染土壌の浄化計画策定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明は、洗浄槽内に入れられた土壌を酸性の洗浄液で洗浄して当該土壌中に含まれている重金属成分を除去する際の浄化計画策定方法であって、単位量当たりの土壌中の現状重金属成分量A、単位量当たりの土壌中の、重金属イオン及び水素イオンを除く陽イオン成分量B、単位量当たりの土壌中の水素イオン成分量C、単位量当たりの土壌中の陰イオン成分量D、単位量当たりの土壌の粒子表面の陽イオン交換基の容量E、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の重金属イオンに対する選択係数F、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の前記陽イオンに対する選択係数G、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の水素イオンに対する選択係数H、水素イオン及び陰イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数I、陰イオン及び重金属イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数J、重金属イオン及び水酸化物イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数K、に基づいて、下記の式(1)〜(14)から、洗浄後の土壌中の残留重金属成分量Lを求めることを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法である。
【0008】
A=A1+A2+A3+A4 (1)
B=B1+B2 (2)
C=C1+C2+C3 (3)
D=D1+D2+D3 (4)
A3=D3 (5)
C3=D2 (6)
E=a・A2+b・B2+C2+E1 (7)
F=A2/(E1a ×A1) (8)
G=B2/(E1b ×B1) (9)
H=C2/(E1×C1) (10)
I=D3/(C1×D1) (11)
J=(A3×C1a )/(A1×D1) (12)
K=(A4×C1a )/A1 (13)
L=A2+A3+A4 (14)
【0009】
ただし、A1は土壌単位量当たりの水中に溶存している重金属イオン量、A2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している重金属イオン量、A3は陰イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している重金属イオン量、A4は水素イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している重金属イオン量、B1は土壌単位量当たりの水中に溶存している前記陽イオン量、B2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している前記陽イオン量、C1は土壌単位量当たりの水中に溶存している水素イオン量、C2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している水素イオン量、C3は土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している水素イオン量、D1は土壌単位量当たりの水中に溶存している陰イオン量、D2は水素イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している陰イオン量、D3は重金属イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している陰イオン量、E1は土壌単位量当たりの未反応の陽イオン交換基量、aは重金属イオンの価数、bは前記陽イオンの価数である。
【0010】
また、第二番目の発明は、第一番目の発明において、さらに、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける陽イオン交換反応係数Mを前記式(8)〜(10)の前記選択係数F〜Hに乗算すると共に、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける表面錯形成反応係数Nを前記式(11)〜(13)の前記錯形成定数I〜Kに乗算することを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法である。
【0011】
また、第三番目の発明は、第一番目又は第二番目の発明において、前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の移流分散現象による濃度分布を所定時間ごとに求め、当該濃度分布に基づいて、前記式(1)〜(14)から、当該洗浄槽内の当該土壌中の所定時間ごとの残留重金属成分量分布を求めることを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法である。
【0012】
また、第四番目の発明は、第三番目の発明において、前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の流通による当該土壌の間隙変化に伴う当該土壌の所定時間ごとの透水性分布を求め、当該透水性分布に基づいて、当該洗浄液の前記濃度分布を補正することを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法である。
【0013】
また、第五番目の発明は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、前記洗浄液が塩酸水溶液であり、前記重金属イオンが鉛イオンであり、前記陽イオンがカルシウムイオンであることを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る重金属汚染土壌の浄化計画策定方法の実施の形態を図面に基づいて以下に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
まず、はじめに、本発明で適用される洗浄方法の概略機構について図1に基づいて説明する。
【0016】
図1(a)に示すように、重金属イオンである例えば鉛イオンPb2+は、重金属イオン及び水素イオンを除く陽イオンである例えばカルシウムイオンCa2+と共に、主に、土壌の鉱物からなる粒子101の表面がマイナスに帯電した陽イオン交換基X- に電気的に吸着していると共に、土壌の鉱物からなる粒子101の表面に存在する水酸基(−OH)等から生じる表面官能基SO- (ただし、「S」は土壌の粒子の表面(Surface)を表わす。)と錯体を形成して吸着していると考えられる。
【0017】
ここで、酸性の洗浄液(例えば塩酸)で洗浄することにより、水素イオンH+が、表面官能基と錯体を形成している鉛イオンPb2+と交換し、当該鉛イオンを当該表面官能基から離脱させると共に、陽イオン交換基に吸着している鉛イオンと交換し、当該鉛イオンを当該陽イオン交換基から離脱させることにより、土壌が浄化される。
【0018】
このとき、表面官能基から離脱した鉛イオンが、陽イオン交換基に吸着して粒子101に再び吸着してしまうため、当該陽イオン交換基に再吸着した鉛イオンを再離脱させるように、水素イオンを多量に供給、すなわち、洗浄液を多量に使用する必要がある。
【0019】
しかしながら、図1(b)に示すように、土壌中にカルシウムイオンが多数存在し、当該カルシウムイオンが水素イオンと共に粒子101に供給されると、当該カルシウムイオンが陽イオン交換反応において鉛イオンと競合し得る陽イオンであることから、表面官能基から離脱した鉛イオンが陽イオン交換基に吸着する前に、上記カルシウムイオンが当該陽イオン交換基に吸着するので、当該鉛イオンの粒子101への再吸着を防止することができ、水素イオンの供給量、すなわち、洗浄液の液量や酸濃度を減らすことができ、酸性の洗浄液による洗浄後の土壌の中和作業の容易化が可能となる。
【0020】
このカルシウムイオンは、土壌中に当初から存在するものを利用するだけではなく、洗浄液と共に例えば塩化カルシウム等により土壌中にさらに供給すると好ましい。
【0021】
このような上記陽イオン交換基X- における上述した反応(陽イオン交換反応)及び上記表面官能基SO- における上述した反応(表面錯形成反応)は、下記の式(A)〜(F)として表わすことができる。
【0022】
[陽イオン交換反応]
Pb2++2X- ←→ PbX2 (A)
Ca2++2X- ←→ CaX2 (B)
+ +X- ←→ HX (C)
【0023】
[表面錯形成反応]
SOH+H+ +Cl- ←→ SOH2 Cl (D)
SOH+Pb2++Cl- ←→ SOPbCl+H+ (E)
SOH+Pb2++H2 O ←→ SOPbOH+2H+ (F)
【0024】
よって、上記反応の平衡状態を規定して、当該平衡状態にかかる定数(係数)等を求めることにより、土壌への重金属の吸着量を求めることができると考え、本発明を完成したのである。
【0025】
このようにしてなされた本発明に係る重金属汚染土壌の浄化計画方法は、洗浄槽内に入れられた土壌を酸性の洗浄液で洗浄して当該土壌中に含まれている重金属成分を除去する際の浄化計画策定方法であって、単位量当たりの土壌中の現状重金属成分量A、単位量当たりの土壌中の、重金属イオン及び水素イオンを除く陽イオン成分量B、単位量当たりの土壌中の水素イオン成分量C、単位量当たりの土壌中の陰イオン成分量D、単位量当たりの土壌の粒子表面の陽イオン交換基の容量E、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の重金属イオンに対する選択係数F、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の前記陽イオンに対する選択係数G、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の水素イオンに対する選択係数H、水素イオン及び陰イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数I、陰イオン及び重金属イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数J、重金属イオン及び水酸化物イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数K、に基づいて、下記の式(1)〜(14)から、洗浄後の土壌中の残留重金属成分量Lを求めるものである。
【0026】
A=A1+A2+A3+A4 (1)
B=B1+B2 (2)
C=C1+C2+C3 (3)
D=D1+D2+D3 (4)
A3=D3 (5)
C3=D2 (6)
E=a・A2+b・B2+C2+E1 (7)
F=A2/(E1a ×A1) (8)
G=B2/(E1b ×B1) (9)
H=C2/(E1×C1) (10)
I=D3/(C1×D1) (11)
J=(A3×C1a )/(A1×D1) (12)
K=(A4×C1a )/A1 (13)
L=A2+A3+A4 (14)
【0027】
ただし、A1は土壌単位量当たりの水中に溶存している重金属イオン量、A2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している重金属イオン量、A3は陰イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している重金属イオン量、A4は水素イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している重金属イオン量、B1は土壌単位量当たりの水中に溶存している前記陽イオン量、B2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している前記陽イオン量、C1は土壌単位量当たりの水中に溶存している水素イオン量、C2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している水素イオン量、C3は土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している水素イオン量、D1は土壌単位量当たりの水中に溶存している陰イオン量、D2は水素イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している陰イオン量、D3は重金属イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している陰イオン量、E1は土壌単位量当たりの未反応の陽イオン交換基量、aは重金属イオンの価数、bは前記陽イオンの価数である。
【0028】
ここで、上記各値について説明する。
【0029】
[現状重金属成分量A]
単位量当たりの土壌中の現状重金属成分量は、浄化対象土壌の事前調査分析により予め判明している値である。
【0030】
[陽イオン成分量B]
単位量当たりの土壌中の、重金属イオン及び水素イオンを除く陽イオン成分量Bは、予め判明している値である。すなわち、当該陽イオン成分量Bは、浄化対象土壌の事前調査分析により予め判明している、単位量当たりの土壌自身に当初から含まれている上記陽イオン成分量と、使用する洗浄液の調製により予め設定されている、単位量当たりの洗浄液中の上記陽イオン成分量との合計値である。
【0031】
[水素イオン成分量C]
単位量当たりの土壌中の水素イオン成分量Cは、予め判明している値である。すなわち、当該水素イオン成分量Cは、浄化対象土壌の事前調査分析により予め判明している、単位量当たりの土壌自身に当初から含まれている水素イオン成分量と、使用する洗浄液の調製により予め設定されている、単位量当たりの洗浄液中の水素イオン成分量との合計値である。
【0032】
[陰イオン成分量D]
単位量当たりの土壌中の陰イオン成分量Dは、予め判明している値である。すなわち、当該陰イオン成分量Dは、浄化対象土壌の事前調査分析により予め判明している、単位量当たりの土壌自身に当初から含まれている陰イオン成分量と、使用する洗浄液の調製により予め設定されている、単位量当たりの洗浄液中の陰イオン成分量との合計値である。
【0033】
[陽イオン交換基の容量E]
単位量当たりの土壌の粒子表面の陽イオン交換基X- の容量Eは、浄化対象土壌ごとに異なり、実験的に求められる。これは、所定量の浄化対象土壌を適用な塩溶液、例えば酢酸アンモニウム等で抽出される陽イオンを合計することにより、容易に求めることができる。
【0034】
[陽イオン交換基の重金属イオンに対する選択係数F]
土壌の粒子表面の陽イオン交換基X- の重金属イオンに対する選択係数Fは、重金属が例えば鉛であれば、前記化学式(A)における平衡定数であり、文献等から容易に求めることができる。
【0035】
なお、本発明における重金属とは、「土壌汚染対策法」等で規定されているものであり、具体的には、カドミウム、鉛、クロム、砒素、銅、水銀、セレンの七種類である。これらの重金属の中でも鉛は、土壌への吸着性が一般的に最も高いものである。このため、鉛を洗浄除去できる条件であれば、他の重金属も洗浄除去できると考えられるので、重金属の中で鉛のみを考慮することにより、すべての重金属成分の除去を可能としながらも、洗浄条件の設定の容易化を図ることが可能となる。
【0036】
[陽イオン交換基の陽イオンに対する選択係数G]
土壌の粒子表面の陽イオン交換基X- の前記陽イオンに対する選択係数Gは、当該陽イオンが例えばカルシウムイオンであれば、前記化学式(B)における平衡定数であり、文献等から容易に求めることができる。
【0037】
なお、本発明における陽イオンとは、前記重金属イオン及び水素イオンを除くものであり、カルシウムイオンを始めとして、アルミニウムイオンやマグネシウムイオン等を挙げることができる。これらの陽イオンの中でもカルシウムイオンは、土壌中に最も多く含まれているものである(通常、陽イオンの70%以上を占める)。このため、陽イオンの中でカルシウムイオンのみを考慮するだけでも、十分な洗浄条件の設定が可能であり、洗浄条件の設定の容易化を図ることが可能となる。
【0038】
しかしながら、カルシウムイオンの考慮だけでは十分な洗浄条件の設定が難しい場合には、アルミニウムイオンやマグネシウムイオン等の他の陽イオンの反応系を、カルシウムイオンの場合と同様にして考慮し、この結果を併せて検討することも可能である。
【0039】
[陽イオン交換基の水素イオンに対する選択係数H]
土壌の粒子表面の陽イオン交換基X- の水素イオンに対する選択係数Hは、前記化学式(C)における平衡定数であり、文献等から容易に求めることができる。
【0040】
[水素イオン及び陰イオンと表面官能基との錯形成定数I]
水素イオン及び陰イオンと土壌の粒子の表面官能基SO- との錯形成定数Iは、当該陰イオンが塩化物イオンであれば、前記化学式(D)における平衡定数であり、実験に基づいて求めることができる。
【0041】
すなわち、上記化学式(D)からわかるように、当該反応は、表面官能基に対して塩化物イオンと水素イオンとが等量吸着することから、土壌の酸滴定によって水素イオンの吸着量(=塩化物イオンの吸着量)を求めることにより、上記錯形成定数Iを求めることができる。
【0042】
ここで、上記陰イオンとして、塩化物イオンを例にして説明しているが、これは、洗浄液として塩酸(HCl)を利用することにより、土壌中に最も多く含まれる陰イオンとなるからである。よって、洗浄液として、例えば、硫酸(H2 SO4 )を利用する場合には、陰イオンとしてSO4 2- を考慮し、硝酸(HNO3 )を利用する場合には、陰イオンとしてNO3 -を考慮すればよい。
【0043】
また、陰イオンとして、洗浄液に由来するものが土壌中に最も多く含まれるため、例えば、塩化物イオンのみを考慮するだけでも、十分な洗浄条件の設定が可能となり、洗浄条件の設定の容易化を図ることが可能である。
【0044】
[陰イオン及び重金属イオンと表面官能基との錯形成定数J]
陰イオン及び重金属イオンと土壌の粒子の表面官能基SO- との錯形成定数Jは、当該陰イオンが塩化物イオンであり、当該重金属イオンが鉛イオンであれば、前記化学式(E)における平衡定数であり、実験に基づいて求めることができる。
【0045】
具体的には、重金属イオンは、上記表面官能基に対して吸着するだけでなく、先に説明したように、前記陽イオン交換基に対しても吸着するため、単純に酸滴定を行っただけでは、表面官能基に対して吸着する重金属イオンの量を求めることができない。
【0046】
そこで、土壌に対してカルシウムイオン等の陽イオンを重金属イオン濃度よりもはるかに高い濃度(10〜100倍)で共存させて、上記陽イオン交換基に対する吸着のほとんどすべてを陽イオンとすることにより、前述した水素イオン及び陰イオンと表面官能基との錯形成定数Iの場合と同様に、土壌の酸滴定によって、表面官能基と錯体を形成している重金属イオンの吸着量を求めるのである。
【0047】
しかしながら、上述のようにして求められる重金属イオンの表面官能基に対する吸着量は、陰イオンと共に錯体を形成する重金属イオンだけでなく、前記化学式(F)に示すような、水等から生じる水酸化物イオンと共に錯体を形成する重金属イオンも算入されている。ここで、低pH領域(約pH5以下程度)においては、前記化学式(E)に示される反応がほとんどであり、前記化学式(F)に示される反応は無視できる程度にしか生じない。
【0048】
そこで、低pH領域のみの結果を考慮することにより、陰イオンと共に錯体を形成する重金属イオンの吸着量を求めるのである。そして、さらに、前記錯形成定数Iから、上記pH領域における陰イオンの吸着量を求めることにより、上記錯形成定数Jを求めることができる。
【0049】
[重金属イオン及び水酸化物イオンと表面官能基との錯形成定数K]
重金属イオン及び水酸化物イオンと土壌の粒子の表面官能基SO- との錯形成定数Kは、当該重金属イオンが鉛イオンであれば、前記化学式(F)における平衡定数であり、上述した実験結果に基づいて求めることができる。
【0050】
すなわち、上述した実験結果で得られた、表面官能基と錯体を形成している重金属イオンの吸着量から、陰イオンと共に錯体を形成する重金属イオンの吸着量を差し引いて、水等から生じる水酸化物イオンと共に錯体を形成する重金属イオンの吸着量を求めることにより、上記錯形成定数Kを求めることができる。
【0051】
このようにして求められた上記各値A〜Kを前記式(1)〜(14)に代入し、当該式(1)〜(14)を連立させることにより、洗浄後の土壌中の残留重金属成分量Lを求めることができる。
【0052】
これにより、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度等の最適な洗浄条件を予測することができる。
【0053】
したがって、浄化対象地域の土壌をビーカ等に入れて行なう条件決定試験を大幅に少なくすることができるので、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用を大幅に削減することができる。
【0054】
[陽イオン交換反応係数M及び表面錯形成反応係数N]
ところで、上述した陽イオン交換反応及び表面錯形成反応は、図2に示すように、土壌の粒子と洗浄液との接触時間(反応時間)Tで反応進行度が異なり、当該接触時間Tが大きくなるにしたがって反応進行度が高くなり、ある時間TL 以上になると、平衡状態となる。
【0055】
このため、洗浄液を土壌中に流通させて浄化処理を行なう場合には、土壌の粒子と洗浄液との接触時間T(土壌中での洗浄液の流通速度)に対応した上記反応進行度(反応係数)を考慮することにより、洗浄後の土壌中の残留重金属成分量Lをより精度よく求めることが可能となる。
【0056】
すなわち、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける陽イオン交換反応係数Mを前記式(8)〜(10)の前記選択係数F〜Hに乗算すると共に、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける表面錯形成反応係数Nを前記式(11)〜(13)の前記錯形成定数I〜Kに乗算することをさらに行なうのである。
【0057】
これにより、非平衡状態のときでも、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度や土壌中での洗浄液の流速等の最適な洗浄条件をより精度よく予測することができる。
【0058】
したがって、浄化対象地域の土壌をビーカ等に入れて行なう条件決定試験をさらに大幅に少なくすることができるので、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用をさらに大幅に削減することができる。
【0059】
なお、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける陽イオン交換反応係数M及び表面錯形成反応係数Nは、文献又は実験により予め求められる値である。
【0060】
[洗浄液の濃度分布]
また、図3に示すように、土壌100を入れた洗浄槽10内に洗浄液1を供給しながら当該土壌100を洗浄する場合、洗浄液1の濃度が洗浄槽10内の土壌100中で三次元的に分布を生じながら経時的に変化していく。
【0061】
そこで、前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の移流分散現象による濃度分布を所定時間ごとに求め、当該濃度分布に基づいて、前記式(1)〜(14)から、当該洗浄槽内の当該土壌中の所定時間ごとの残留重金属成分量Lの分布を求めることにより、洗浄槽内の土壌中の残留重金属成分量の経時的変化を三次元的に把握することができる。
【0062】
すなわち、実験又は文献により予め求められる、洗浄槽内に供給する洗浄液の流速、土壌中での洗浄液の分散長及び分散係数等の各種値から、移流分散解析を行なうことにより、洗浄液の三次元的な濃度分布の変化を経時的に求めるのである。
【0063】
これにより、洗浄液が洗浄槽内の土壌中にまんべんなく行き渡るのに時間を要する大きさ等のような条件の場合であっても、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度や土壌中での洗浄液の流速や流量等の最適な洗浄条件をさらに精度よく予測することができる。
【0064】
したがって、浄化対象地域の土壌をカラム等に入れて土壌中に洗浄液を流通させて行なう条件決定試験をさらに大幅に少なくすることができるので、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用をさらに大幅に削減することができる。
【0065】
なお、上記移流分散解析は、各種文献(例えば、西垣誠、外3名,「飽和・不飽和領域における物質移動を伴う密度依存地下水流の数値解析手法に関する研究」,土木学会論文集,No.511/III-30, pp.135-144, 1995等)ですでに知られている技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0066】
[洗浄液の濃度分布補正]
また、図4に示すように、土壌100を入れた洗浄槽10の下方から洗浄液1の供給及び排出を行いながら当該土壌100を洗浄する場合、洗浄液1の浮力等により、洗浄槽10内の土壌100の間隙の大きさが変化し、当該土壌100における三次元的な透水性が経時的に変化する。
【0067】
そこで、前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の流通による当該土壌の間隙変化に伴う当該土壌の所定時間ごとの透水性分布を求め、当該透水性分布に基づいて、当該洗浄液の前記濃度分布を補正することにより、洗浄槽内の土壌中の残留重金属成分量の三次元的な経時的変化をより精度よく把握することができる。
【0068】
すなわち、実験又は文献により予め求められる、土壌の密度、間隙比、弾性係数、粘着係数、内部摩擦角等の各種値から、予測解析を行なうことにより、洗浄槽内の土壌の三次元的な透水性分布の変化を経時的に求めるのである。
【0069】
これにより、洗浄槽内への洗浄液の給排を繰り返し行なって浄化処理するような条件の場合であっても、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度や土壌中での洗浄液の流速や流量や洗浄槽内への土壌の充填量等の最適な洗浄条件をさらに精度よく予測することができる。
【0070】
したがって、浄化対象地域の土壌をカラム等に入れて土壌中に洗浄液を流通させて行なう条件決定試験をさらに大幅に少なくすることができるので、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用をさらに大幅に削減することができる。
【0071】
なお、上記予測解析は、各種文献(例えば、太田秀樹、外3名,「弾・粘塑性有限要素解析の入力パラメーター決定における一軸圧縮強度の利用」,土木学会論文集,No.400/III-10, pp.45-54, 1988等)ですでに知られている技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0072】
また、上記予測解析においては、各種の汎用プログラムが市販されており(例えば、米国Itasca社製「FLAC(商品名)」、CRCソリューションズ社製「Mr.Soil(商品名)」、沿岸開発技術研究センター製「GeoFem(商品名)」等)、これらを利用することも可能である。
【0073】
【実施例】
前述した実施の形態に基づいて行った解析結果を図5に示す。図5において、横軸は、残留重金属成分量Lを表わし、右側ほど値が大きく、縦軸は、洗浄槽内での土壌の位置を表わし、上側ほど洗浄液の流通方向下流位置を表わしている。
【0074】
図5からわかるように、本実施の形態に係る解析結果によれば、設定した洗浄液の濃度や種類に応じた洗浄回数(使用洗浄液の量)に対応する洗浄槽内の土壌中の残留重金属成分量Lの分布を把握することができ、最適な浄化計画を容易に策定することができる。
【0075】
また、前述した実施の形態に基づいて行った解析結果とカラムを用いた実測試験結果との比較を図6に示す。図6において、横軸は、洗浄回数(使用洗浄液の量)を表わし、右側ほど値が大きく、縦軸は、残留重金属成分量Lを表わし、上側ほど値が大きい。
【0076】
図6から明らかなように、本実施の形態に係る解析結果は、カラムを用いた実測試験結果と非常に近い値を示した。よって、本発明に基づく解析結果は、カラム等を用いた実測試験の代用とすることが十分にでき、最適な浄化条件の策定に要する実測試験を大幅に削減できることが確認できた。
【0077】
【発明の効果】
第一番目の発明による重金属汚染土壌の浄化計画策定方法は、洗浄槽内に入れられた土壌を酸性の洗浄液で洗浄して当該土壌中に含まれている重金属成分を除去する際の浄化計画策定方法であって、単位量当たりの土壌中の現状重金属成分量A、単位量当たりの土壌中の、重金属イオン及び水素イオンを除く陽イオン成分量B、単位量当たりの土壌中の水素イオン成分量C、単位量当たりの土壌中の陰イオン成分量D、単位量当たりの土壌の粒子表面の陽イオン交換基の容量E、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の重金属イオンに対する選択係数F、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の前記陽イオンに対する選択係数G、土壌の粒子表面の陽イオン交換基の水素イオンに対する選択係数H、水素イオン及び陰イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数I、陰イオン及び重金属イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数J、重金属イオン及び水酸化物イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数K、に基づいて、前述した式(1)〜(14)から、洗浄後の土壌中の残留重金属成分量Lを求めることから、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度等の最適な洗浄条件を予測することができるので、浄化対象地域の土壌をビーカ等に入れて行なう条件決定試験を大幅に少なくすることができ、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用を大幅に削減することができる。
【0078】
また、第二番目の発明による重金属汚染土壌の浄化計画策定方法は、第一番目の発明において、さらに、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける陽イオン交換反応係数Mを前記式(8)〜(10)の前記選択係数F〜Hに乗算すると共に、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける表面錯形成反応係数Nを前記式(11)〜(13)の前記錯形成定数I〜Kに乗算することから、非平衡状態のときでも、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度や土壌中での洗浄液の流速等の最適な洗浄条件をより精度よく予測することができるので、浄化対象地域の土壌をビーカ等に入れて行なう条件決定試験をさらに大幅に少なくすることができ、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用をさらに大幅に削減することができる。
【0079】
また、第三番目の発明による重金属汚染土壌の浄化計画策定方法は、第一番目又は第二番目の発明において、前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の移流分散現象による濃度分布を所定時間ごとに求め、当該濃度分布に基づいて、前記式(1)〜(14)から、当該洗浄槽内の当該土壌中の所定時間ごとの残留重金属成分量分布を求めることから、洗浄液が洗浄槽内の土壌中にまんべんなく行き渡るのに時間を要する大きさ等のような条件の場合であっても、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度や土壌中での洗浄液の流速や流量等の最適な洗浄条件をさらに精度よく予測することができるので、浄化対象地域の土壌をカラム等に入れて土壌中に洗浄液を流通させて行なう条件決定試験をさらに大幅に少なくすることができ、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用をさらに大幅に削減することができる。
【0080】
また、第四番目の発明による重金属汚染土壌の浄化計画策定方法は、第三番目の発明において、前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の流通による当該土壌の間隙変化に伴う当該土壌の所定時間ごとの透水性分布を求め、当該透水性分布に基づいて、当該洗浄液の前記濃度分布を補正することから、洗浄槽内への洗浄液の給排を繰り返し行なって浄化処理するような条件の場合であっても、浄化対象土壌中の残留重金属成分Lを規定値以下にする場合の洗浄液の酸濃度や土壌中での洗浄液の流速や流量や洗浄槽内への土壌の充填量等の最適な洗浄条件をさらに精度よく予測することができるので、浄化対象地域の土壌をカラム等に入れて土壌中に洗浄液を流通させて行なう条件決定試験をさらに大幅に少なくすることができ、最適な浄化条件の策定に係る時間及び費用をさらに大幅に削減することができる。
【0081】
また、第五番目の発明による重金属汚染土壌の浄化計画策定方法は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、前記洗浄液が塩酸水溶液であり、前記重金属イオンが鉛イオンであり、前記陽イオンがカルシウムイオンであることから、最も効率よく重金属汚染土壌の浄化計画を策定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る重金属汚染土壌の浄化計画方法で適用される洗浄方法の概略機構の説明図である。
【図2】陽イオン交換反応及び表面錯形成反応における、土壌の粒子と洗浄液との接触時間(反応時間)Tと反応進行度との相関関係を表すグラフである。
【図3】洗浄槽内の土壌中での洗浄液濃度分布変化の説明図である。
【図4】洗浄槽内の土壌の透水性分布変化の説明図である。
【図5】本発明に係る重金属汚染土壌の浄化計画方法の実施の形態に基づいて行った解析結果を表わすグラフである。
【図6】本発明に係る重金属汚染土壌の浄化計画方法の実施の形態に基づいて行った解析結果とカラムを用いた実測試験結果とを比較したグラフである。
【符号の説明】
1 洗浄液
10 洗浄槽
100 土壌
101 粒子

Claims (5)

  1. 洗浄槽内に入れられた土壌を酸性の洗浄液で洗浄して当該土壌中に含まれている重金属成分を除去する際の浄化計画策定方法であって、
    単位量当たりの土壌中の現状重金属成分量A、
    単位量当たりの土壌中の、重金属イオン及び水素イオンを除く陽イオン成分量B、
    単位量当たりの土壌中の水素イオン成分量C、
    単位量当たりの土壌中の陰イオン成分量D、
    単位量当たりの土壌の粒子表面の陽イオン交換基の容量E、
    土壌の粒子表面の陽イオン交換基の重金属イオンに対する選択係数F、
    土壌の粒子表面の陽イオン交換基の前記陽イオンに対する選択係数G、
    土壌の粒子表面の陽イオン交換基の水素イオンに対する選択係数H、
    水素イオン及び陰イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数I、
    陰イオン及び重金属イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数J、
    重金属イオン及び水酸化物イオンと土壌の粒子の表面官能基との錯形成定数K、
    に基づいて、下記の式(1)〜(14)から、洗浄後の土壌中の残留重金属成分量Lを求める
    ことを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法。
    A=A1+A2+A3+A4 (1)
    B=B1+B2 (2)
    C=C1+C2+C3 (3)
    D=D1+D2+D3 (4)
    A3=D3 (5)
    C3=D2 (6)
    E=a・A2+b・B2+C2+E1 (7)
    F=A2/(E1a ×A1) (8)
    G=B2/(E1b ×B1) (9)
    H=C2/(E1×C1) (10)
    I=D3/(C1×D1) (11)
    J=(A3×C1a )/(A1×D1) (12)
    K=(A4×C1a )/A1 (13)
    L=A2+A3+A4 (14)
    ただし、
    A1は土壌単位量当たりの水中に溶存している重金属イオン量、
    A2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している重金属イオン量、
    A3は陰イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している重金属イオン量、
    A4は水素イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している重金属イオン量、
    B1は土壌単位量当たりの水中に溶存している前記陽イオン量、
    B2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している前記陽イオン量、
    C1は土壌単位量当たりの水中に溶存している水素イオン量、
    C2は土壌単位量当たりの陽イオン交換基に吸着している水素イオン量、
    C3は土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している水素イオン量、
    D1は土壌単位量当たりの水中に溶存している陰イオン量、
    D2は水素イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している陰イオン量、
    D3は重金属イオンと共に土壌単位量当たりの表面官能基と錯体を形成している陰イオン量、
    E1は土壌単位量当たりの未反応の陽イオン交換基量、
    aは重金属イオンの価数、
    bは前記陽イオンの価数
    である。
  2. 請求項1において、
    さらに、土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける陽イオン交換反応係数Mを前記式(8)〜(10)の前記選択係数F〜Hに乗算すると共に、
    土壌の粒子と洗浄液との接触時間Tにおける表面錯形成反応係数Nを前記式(11)〜(13)の前記錯形成定数I〜Kに乗算する
    ことを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の移流分散現象による濃度分布を所定時間ごとに求め、
    当該濃度分布に基づいて、前記式(1)〜(14)から、当該洗浄槽内の当該土壌中の所定時間ごとの残留重金属成分量分布を求める
    ことを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法。
  4. 請求項3において、
    前記洗浄槽内の前記土壌中での前記洗浄液の流通による当該土壌の間隙変化に伴う当該土壌の所定時間ごとの透水性分布を求め、
    当該透水性分布に基づいて、当該洗浄液の前記濃度分布を補正する
    ことを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかにおいて、
    前記洗浄液が塩酸水溶液であり、
    前記重金属イオンが鉛イオンであり、
    前記陽イオンがカルシウムイオンである
    ことを特徴とする重金属汚染土壌の浄化計画策定方法。
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