JP3835263B2 - 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成方法及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成方法及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)ディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成方法及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、有機EL素子の消費電力を小さくするために、有機発光体の発光効率の高効率化や、有機EL素子を発光させるための駆動電圧の低電圧化等の研究がなされている。その中で、有機EL素子の駆動電圧を低くするための有機EL素子の構造として、例えば特開平11−283750号公報に開示される有機EL素子や、特開2000−315580号公報に開示される有機EL素子が知られている。
【0003】
特開平11−283750号公報には、陽極と陰極との間に、陽極側から正孔注入輸送帯及び発光帯を順次設けた有機EL素子であり、前記正孔注入輸送帯が、芳香族環を3個以上含む正孔輸送単位を有する重合体と、前記正孔輸送単位を酸化しうるドーパントとを含有している有機EL素子が開示されている。
【0004】
また、特開2000−315580号公報には、陽極と有機発光媒体と電子注入層と陰極とを順次設けた有機EL素子であり、前記有機発光媒体が低分子有機発光物質からなり、陽極との界面付近の低分子有機発光物質が酸化性ドーパントにより酸化されている有機EL素子が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平11−283750号公報に開示された有機EL素子では、正孔輸送単位を酸化する電子受容性ドーパントの含有量により正孔移動度が変化し、正孔移動度を最適にするために電子受容性ドーパントの含有量の厳密な管理を必要とする。例えば、特開平11−283750号公報には、酸化ドーパント(電子受容性ドーパントと酸化ドーパントとは同じ物質である)を0.2重量%以下の割合で含有させるのが好ましいと述べられているが、含有量が少なすぎると低電圧で駆動できず、逆に含有量が多すぎると発光効率が低下してしまう。そのため、電子受容性ドーパントの含有量の管理には手間がかかるという問題がある。
【0006】
また、例えばパッシブ駆動パネルのように隔壁を形成し、隔壁間に有機EL素子を形成して隔壁により陰極を絶縁する場合では、正孔注入輸送帯が重合体を含有しているため、膜を形成しやすい。従って、正孔注入輸送帯を形成する際にスピンコート法やディップ法を用いた場合、隔壁間が膜でつながれてしまい、隔壁による絶縁機能を確保できず、良好な有機EL素子を形成することができない。そのため、正孔注入輸送帯を形成するためにインクジェット法などの、成膜とパターニングが同時に行える方法を用いる必要があり、有機EL素子の形成方法が著しく制限されるという問題がある。
【0007】
一方、特開2000−315580号公報に開示された有機EL素子では、有機発光媒体を形成するための方法としてスピンコート法や蒸着法等が用いられている。しかし、スピンコート法では均一分散には適しているが陽極層との界面付近の低分子有機発光物質を酸化させるには難しい。また、陽極層との界面付近の低分子有機発光物質を酸化させる方法として、蒸着法において、蒸着速度を変化させて形成する方法や、蒸着時の温度を変化させて形成させる方法が述べられているが、蒸着途中での速度変化や温度変化は手間がかかるという問題がある。また、低分子有機発光物質を酸化させるための酸化性ドーパントの含有量の管理に手間がかかるという問題がある。
【0008】
また、特開平11−283750号公報に開示される有機EL素子では、正孔注入輸送帯の膜厚が400〜2000nm、発光層の膜厚が5nm〜5μmであり、特開2000−315580号公報に開示される有機EL素子では、有機発光媒体の膜厚が20nm〜1μmである。しかし、パッシブ駆動パネルのように隔壁を形成し、隔壁により陰極を絶縁する場合に適用すると、例えば隔壁の厚み(基板の表面からの高さ)が3〜5μm程度(通常3〜20μm程度)である場合に、有機EL素子の厚みを隔壁の厚みに対し十分薄くできず、隔壁による絶縁機能を確保できないおそれがあるという共通の問題がある。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、その目的は、パッシブ駆動パネルのように隔壁を形成して陰極間の絶縁を図る構成においても簡単に低電圧で駆動できる有機ELディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成方法及び有機ELディスプレイパネルの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、陰極を絶縁するための隔壁を備え、有機EL材料の薄膜からなる発光層を備えた有機EL素子をマトリックス状に配置し、有機EL素子を構成する陽極と陰極との間に、陽極側から順に、低分子物質からなる電子受容性ドーパント層と、正孔輸送層と、発光層とを備えた有機ELディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成方法であって、低分子物質からなる電子受容性ドーパントを溶媒に溶解して溶液を形成し、前記溶液を陰極を絶縁するための隔壁を形成した基板上に塗布し、前記基板を加熱して溶媒を揮発させて電子受容性ドーパント層を形成することを要旨とした。なお、本発明でいう低分子物質とは、低分子有機物質と低分子無機物質とを含む総称である。
【0011】
従って、この発明においては、正孔輸送層と発光層との間に電子受容性ドーパント層を形成しており、正孔輸送層が電子受容性ドーパント層の電子受容性ドーパントにより酸化される。正孔輸送層が酸化されると、正孔注入性が向上し、有機EL素子を低電圧で駆動できる。電子受容性ドーパント層は、正孔輸送層と独立して電子受容性ドーパントのみで構成されているため、含有量(混合比)の管理が不要となる。また、電子受容性ドーパント層が低分子物質で形成されているため、隔壁間をつなぐ膜が形成されることがない。また、この発明は、前記有機ELディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成に適している。
【0012】
上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、有機ELディスプレイパネルの製造方法であって、有機EL素子を構成する陽極が形成された基板上に、陰極を絶縁するための隔壁を形成し、低分子物質からなる電子受容性ドーパントを溶媒に溶解して溶液を形成し、前記溶液を前記隔壁を形成した前記陽極つきの前記基板上に塗布し、前記基板を加熱して溶媒を揮発させて電子受容性ドーパント層を形成し、前記電子受容性ドーパント層上に、該電子受容性ドーパント層側から順に、正孔輸送層、発光層、前記陰極を形成することを要旨としたなお、本発明でいう低分子物質とは、低分子有機物質と低分子無機物質とを含む総称である。
【0013】
従って、この発明においては、正孔輸送層と発光層との間に電子受容性ドーパント層を形成しており、正孔輸送層が電子受容性ドーパント層の電子受容性ドーパントにより酸化される。正孔輸送層が酸化されると、正孔注入性が向上し、有機EL素子を低電圧で駆動できる。電子受容性ドーパント層は、正孔輸送層と独立して電子受容性ドーパントのみで構成されているため、含有量(混合比)の管理が不要となる。また、電子受容性ドーパント層が低分子物質で形成されているため、隔壁間をつなぐ膜が形成されることがない。また、この発明は、前記有機ELディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成に適している。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
図1に示すように、有機ELディスプレイパネル1は、例えば基板としてのガラス基板2の表面にITO(インジウム錫酸化物)等からなる陽極3が複数、平行なストライプ状に形成されている。ガラス基板2上には、絶縁性の隔壁4が有機EL素子5を形成するための空間を区画するように、陽極3と直交する平行なストライプ状に形成されている。有機EL素子5は、有機ELディスプレイパネル1の一部として構成されている。隔壁4は、その幅が基端側(ガラス基板2側)が最も狭く、先端が最も広いテーパ状に形成されている。
【0015】
図2に示すように、有機EL素子5は、ガラス基板2上に陽極3側から順に積層された、低分子物質からなる電子受容性ドーパント層6、低分子有機物質からなる正孔輸送層7、発光層8、電子注入層9、陰極10により構成されている。陰極10は隔壁4により絶縁されている。従って、有機EL素子5は両極3、10の交差部分においてガラス基板2上にマトリックス状に配置されている。
【0016】
電子受容性ドーパント層6の材料は、低分子物質の電子受容性ドーパントであれば特に制限はなく、公知の電子受容性ドーパントに使われる物質を使用でき、本実施形態では例えばTBPAH( Tris(4-bromophenyl)aminiumhexachloro-antimonate)が使用されている。
【0017】
また、電子受容性ドーパント層6はスピンコート法により形成される。まず、電子受容性ドーパントであるTBPAHが溶媒(本実施形態では、例えばジクロロメタン)に0.4mg/ml程度の濃度で溶解された溶液が調製される。溶液は、隔壁4が形成された陽極3つきのガラス基板2上にスピンコート法により塗布される。その後、ガラス基板2に加熱処理(例えば、クリーンオーブン中で80℃にして加熱処理)を施して溶媒を揮発させる。溶媒を揮発させると、図2に示すように、電子受容性ドーパント層6がガラス基板2上に形成される。
【0018】
なお、電子受容性ドーパント層6は電子受容性ドーパントが点在した状態に形成されるが、図2では電子受容性ドーパント層6の存在をわかりやすくするため模式的に層状に示している。また、有機EL素子5の各層をわかりやすくするため、有機EL素子5の厚さを厚く示している。
【0019】
正孔輸送層7は一般に利用される蒸着法により形成され、その材料は低分子有機物質であれば特に制限はなく、公知の有機EL素子の正孔輸送層に使われる低分子有機物質を使用でき、本実施形態では例えばTPTE(トリフェニルアミンの4量体)が使用されている。発光層8、電子注入層9、陰極10もそれぞれ蒸着法により形成される。
【0020】
隔壁4の厚み(ガラス基板2の表面からの高さ)は通常3〜20μm程度である。電子受容性ドーパント層6の厚みは0.001μm程度であり、隔壁4の厚みと比較して十分薄い。また、電子受容性ドーパント層6と正孔輸送層7と発光層8と電子注入層9との厚みの合計は、0.1〜0.2μm程度である。電子受容性ドーパント層6と正孔輸送層7と発光層8と電子注入層9と陰極10はそれぞれ、隔壁4により隣接する陰極10と対応する有機EL素子と絶縁されている。
【0021】
次に、上記のように構成された本実施形態の有機EL素子5の作用について説明する。
本実施形態の構成では、陽極3と正孔輸送層7との間に電子受容性ドーパント層6が形成されており、電子受容性ドーパント層6と正孔輸送層7とが接しているため、正孔輸送層7は電子受容性ドーパントにより酸化される。正孔輸送層7が酸化されると、正孔輸送層7は電子を供与された状態となり正孔注入性が向上される。従って、電子受容性ドーパント層6がない場合と比較して、同じ輝度を与えるために必要な電圧は低くなる。即ち、有機EL素子5が低電圧で駆動される。
【0022】
(実施例)
次に、本発明のより詳細な一実施例について説明する。本実施例では、TBPAHからなる電子受容性ドーパント層6を1nmの厚みで形成し、TPTEからなる正孔輸送層7を40nmの厚みで形成し、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)からなる発光層8を65nmの厚みで形成し、LiFからなる電子注入層9を0.5nmの厚みで形成し、Alからなる陰極10を100nmの厚みで形成して有機EL素子5を作成した。また、電子受容性ドーパント層6がない有機EL素子も作成し、両者について電圧−輝度特性を比較した。その結果を図3に示す。図3の三角プロットありのグラフは、TBPAHからなる電子受容性ドーパント層6がある有機EL素子5の電圧−輝度特性を示し、三角プロットなしのグラフは電子受容性ドーパント層6がない有機EL素子の電圧−輝度特性を示す。
【0023】
この結果から、例えば、600cd/m2の輝度を与えるために、前記電子受容性ドーパント層6がない有機EL素子では、10.5Vの電圧が必要であるのに対し、電子受容性ドーパント層6がある有機EL素子5では、8.5Vの電圧が必要であった。つまり、有機EL素子5を低電圧で駆動できることがわかる。また、どの輝度レベルにおいても低電圧で駆動できることがわかる。
【0024】
本実施形態では、下記に示す効果を有する。
(1)電子受容性ドーパントを電子受容性ドーパント層6として形成し、正孔輸送層7または発光層8と別層にした。そのため、正孔輸送層7または発光層8に電子受容性ドーパントを含有させる必要がなく、電子受容性ドーパント含有量(混合比)の管理がいらず有機ELディスプレイパネル1を簡単に製造できる。
【0025】
(2)電子受容性ドーパント層6の電子受容性ドーパントにより正孔輸送層7が酸化され、正孔輸送層7の正孔注入性が向上される。従って、有機EL素子5を低電圧で駆動できる。
【0026】
(3)電子受容性ドーパント層6は重合体を含まないため、例えばパッシブ駆動パネルのように、陰極10を絶縁するための隔壁4が形成された構成において電子受容性ドーパント層6をスピンコート法、ディップ法、スプレー法等の簡便な方法により形成しても、隔壁4間が膜でつながれることなく、隔壁4による絶縁機能を確保できる。
【0027】
(4)電子受容性ドーパント層6は、溶液がスピンコート法により塗布された後、加熱処理され溶媒を揮発させることで形成されるため、電子受容性ドーパント層6の厚みの薄膜化が可能である。従って、前記厚みを隔壁4の厚みに対し十分薄くでき、隔壁4による絶縁機能を確保できる。
【0028】
(5)電子受容性ドーパント層6は、溶液がスピンコート法により塗布された後、加熱処理され溶媒を揮発させることで形成される。そのため、溶液の濃度を変えることで、電子受容性ドーパント層6の厚みを変えることができる。例えば、溶液の濃度を希釈させると電子受容性ドーパント層6の厚みを薄くできる。
【0029】
(6)電子受容性ドーパント層6と、正孔輸送層7と、発光層8と、電子注入層9と、陰極10との厚みの合計が、隔壁4の厚みに対し十分薄いため、隔壁4による絶縁機能を確保できる。
【0030】
(7)電子受容性ドーパントとして低分子有機物質が使用されているため、溶媒に揮発し易い有機溶媒を使用できる。
なお、実施の形態は上記に限らず、例えば下記のようにしてもよい。
【0031】
○電子受容性ドーパント層6の材料はTBPAHに限らず、その他の低分子物質でもよい。例えば、キノン誘導体、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、ハロゲン化金属塩、ルイス酸塩、フラーレン類、および有機酸塩等の中から選択される少なくとも1種を使用できる。具体的には、例えば、TBPAH、TCNQ(テトラシアノエチレン)、TNF( 2,4,7-Trinitro-9-flourenone)、CEBTFB(2-chloro-3-ethylbenzoxzoliumtetrafluoro-bezene)、ヨウ素、塩化アンチモン、クロラニル、チオケトン等でもよい。これらの電子受容性ドーパントであれば、適当な酸化力を有する。(これらの物質は酸化力を有するため、電子受容性ドーパントは酸化性ドーパントと称される場合がある。)
○電子受容性ドーパント層6の形成方法は、スピンコート法に限らず、ディップ法やスプレー法でもよい。これらの方法によっても、隔壁4による絶縁機能を確保でき、スピンコート法により形成された電子受容性ドーパント層6と同様の作用効果を奏する。
【0032】
○電子受容性ドーパントを溶解させる溶媒はジクロロメタンに限らない。
○電子受容性ドーパントであるTBPAHを溶媒であるジクロロメタンに溶解する濃度は0.4mg/mlに限らない。溶液濃度を変更することで、電子受容性ドーパント層6の厚みを任意に形成することができる。
【0033】
○加熱処理はクリーンオーブンによる方法に限らない。溶媒を揮発させる方法であればよい。
○溶液を塗布する前に、ガラス基板2にUV洗浄(紫外線照射により発生するオゾンで洗浄)、超音波洗浄、プラズマ処理を施してもよい。
【0034】
○電子受容性ドーパント層6は電子受容性ドーパントが点在した状態でなく、層状になった状態でもよい。
○正孔輸送層7の材料はTPTEに限らず、電子受容性ドーパントにより酸化される低分子有機物質であれば特に制限はなく、公知の正孔輸送層に使われる物質(例えば、特開平11−283750号公報や特開2000−315580号公報等に示された物質)等を使用できる。また、発光層8の材料、電子注入層9の材料、陰極10の材料もそれぞれ上記実施形態で示した、Alq3、LiF、Alに限らず、それぞれ公知の物質等を使用できる。
【0035】
○上記実施形態では、有機EL素子5の構成に電子注入層9を形成したが、電子注入層9がない構成(陽極/電子受容性ドーパント層/正孔輸送層/発光層/陰極)でもよい。前記構成によっても、電子受容性ドーパント層6により正孔輸送層7が酸化され、有機EL素子5を低電圧で駆動させる作用効果を奏する。
【0036】
○電子受容性ドーパント層6と正孔輸送層7との間に正孔注入層を形成した構成(陽極/電子受容性ドーパント層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極)や(陽極/電子受容性ドーパント層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極)としてもよい。この構成であっても、電子受容性ドーパント層6により正孔注入層が酸化され、正孔注入層の正孔注入性が向上され、有機EL素子5を低電圧で駆動させる作用効果を奏する。
【0037】
○電子注入層9と陰極10との間に還元性ドーパント層を形成した構成(陽極/電子受容性ドーパント層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/還元性ドーパント層/陰極)としてもよい。還元性ドーパントとは、電子注入層が酸化された場合にそれを還元できる物質であり、その物質により還元性ドーパント層は形成される。還元性ドーパントの材料は一定の還元性を有すれば特に制限はなく、公知の還元性ドーパントに使用される物質等を使用できる。具体的には、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化またはハロゲン化物、アルカリ土類金属の酸化物またはハロゲン化物、希土類金属の酸化物またはハロゲン化物等がある。この構成では、有機EL素子をより低電圧で駆動できる。
【0038】
次に、前記実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルは、前記発光層と陰極との間に電子注入層が形成されている。
【0039】
(2)前記有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルは、前記発光層の上に電子注入層が形成され、その電子注入層の上に還元性ドーパント層が形成されている。
【0040】
(3)前記有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルは、前記電子受容性ドーパント層は低分子有機物質である。
【0041】
【発明の効果】
請求項に記載の発明によれば、パッシブ駆動パネルのように陰極を絶縁するための隔壁を形成した構成においても、簡単に有機EL素子を低電圧で駆動できる有機ELディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成に適している
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の有機ELディスプレイパネルの概略部分斜視図。
【図2】 有機EL素子の模式断面図。
【図3】 実施例の有機EL素子の電圧−輝度特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1…有機ELディスプレイパネル、2…基板としてのガラス基板、3…陽極、4…隔壁、5…有機EL素子、6…電子受容性ドーパント層、7…正孔輸送層、8…発光層、9…電子注入層、10…陰極

Claims (2)

  1. 陰極を絶縁するための隔壁を備え、有機エレクトロルミネッセンス材料の薄膜からなる発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子をマトリックス状に配置し前記有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する陽極と陰極との間に、陽極側から順に、低分子物質からなる電子受容性ドーパント層と、正孔輸送層と、発光層とを備えた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成方法であって、
    低分子物質からなる電子受容性ドーパントを溶媒に溶解して溶液を形成し、前記溶液を陰極を絶縁するための隔壁を形成した基板上に塗布し、前記基板を加熱して溶媒を揮発させて電子受容性ドーパント層を形成する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの電子受容性ドーパント層の形成方法
  2. 機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法であって、
    有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する陽極が形成された基板上に、陰極を絶縁するための隔壁を形成し、
    低分子物質からなる電子受容性ドーパントを溶媒に溶解して溶液を形成し、前記溶液を前記隔壁を形成した前記陽極つきの前記基板上に塗布し、前記基板を加熱して溶媒を揮発させて電子受容性ドーパント層を形成し、
    前記電子受容性ドーパント層上に、該電子受容性ドーパント層側から順に、正孔輸送層、発光層、前記陰極を形成する有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法。
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