JP3835155B2 - 磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドの検査方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果(MR)素子を有する磁気ヘッドの検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク等の磁気媒体用の薄膜磁気ヘッドとして、読出しヘッド部にMR素子を用いることは極めて一般的に行われている。最近では、スピンバルブ磁気抵抗効果等の巨大磁気抵抗効果(GMR)やトンネル磁気抵抗効果(TMR)を利用したMR素子が量産化され始めている。
【0003】
この種のMR素子は、強磁性体薄膜の磁気抵抗効果を利用したものであるため、磁気媒体との相対速度に依存することなく大きな再生出力を得ることができるが、その反面、バルクハウゼンノイズを発生する不良品が生成されてしまう可能性がある。
【0004】
バルクハウゼンノイズは、主として磁壁が磁性体内の欠陥や夾雑物等にひっかかりながら移動することに起因するものであり、このようなノイズを生じるヘッドでは一部の領域で正常な再生動作ができず、再生データエラーを起したり、サーボ信号生成で不都合が生じる。このため、この種のMR素子を有する磁気ヘッド製造時の検査においては、バルクハウゼンノイズ等のノイズを発生しない良品であることを確認する必要がある。
【0005】
従来のこの種の検査方法には、大きく分けて2種類の方法がある。
【0006】
第1の方法は、MR素子を有する磁気ヘッドを単体として形成してこれをサスペンションに取り付けてヘッドジンバルアセンブリ(HGA)を完成させた後、このHGAを電磁変換特性測定装置に取付けて検査するものである。電磁変換特性測定装置では、MR素子に一定電流を流すと共に磁気ヘッドを実際に磁気ディスク上で走らせ、その結果、MR素子から得られる出力電圧波形からベースラインシフトやポッピングを検出することによってバルクハウゼンノイズ発生の有無が判断される。
【0007】
第2の方法は、ヘッドブロック(バー)上に配列された複数のMR素子を有する磁気ヘッドに、これらヘッドの空気ベアリング面に垂直な外部磁界を印加し、この外部磁界の変化に対する各MR素子の出力特性、即ちρ−H特性を検出し、そのトランスファーカーブ上にヒステリシスループがあるかどうかでバルクハウゼンノイズ発生の有無を判断するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の第1の検査方法は、付加価値の高いHGAまで完成した後の検査であるため、バルクハウゼンノイズの発生が確認されてその磁気ヘッドが不良品であると判断された場合、HGAごと破棄することとなるから1不良品毎の損失が大きく、これは製造コストの増大につながる。
【0009】
また、従来の第2の検査方法によると、外部磁界が磁気ヘッド全体に印加されるため、MR素子の磁気シールド全体の磁化が変化してしまう。このため、MR素子からの出力波形の歪が磁気シールドの磁化変化によるものなのか、MR素子自体が発生するバルクハウゼンノイズによるものなのか明確に判別できず、MR素子が不良であるかどうかの検査を正しく行うことができない。
【0010】
従って本発明の目的は、MR素子がバルクハウゼンノイズを発生するか否かを正しく判断でき、かつ製造コストの増大を防ぐことができる、MR素子を有する磁気ヘッドの検査方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、検査すべき磁気ヘッドに磁界を印加しない状態又は弱い一定の磁界を印加した状態で、磁気ヘッドのMR素子にセンス電流を流すと共にこのセンス電流を変化させ、センス電流の種々の値に対してMR素子から出力されるノイズ信号を測定し、測定したノイズ信号の、変化するセンス電流依存性を検出することによってMR素子の良否を判断する検査方法が提供される。
【0012】
無磁場状態又はこれに近い状態で、センス電流の変化した種々の値に対してMR素子から出力されるノイズ信号を測定し、測定したノイズ信号の、変化するセンス電流依存性を検出することによってこのMR素子の良否を判断している。このように、センス電流をスィープするのみだけでMR素子から出力されるノイズ信号を検出してバルクハウゼンノイズの有無を判断しているので、MR素子の磁気シールドが磁化変化を起すことがないから、MR素子がバルクハウゼンノイズを発生するか否かを正しく判断することができる。
【0013】
検査すべき磁気ヘッドが、ヘッドブロック上又はウエハ上に配列された複数の磁気ヘッドの1つであることが好ましい。回転する磁気ディスクから実際に磁気情報を読み出す必要もないので、このようにHGAとして組み立てる前の段階であるウエハ上又はバー上の、場合によってバーから個々に切出されたスライダ上の磁気ヘッドに対して検査を行うことができる。その結果、バルクハウゼンノイズの発生が確認されてその磁気ヘッドが不良品であると判断され破棄された場合にも、損失は小さく、製造コストの増大を最小限に防ぐことができる。
【0014】
求めた相関係数と1次式の係数とが許容範囲内であるか否かによってMR素子の良否を判断することが好ましい。
【0015】
測定したノイズ信号が、所定時間内における平均ノイズ信号であることも好ましい。
【0017】
測定したノイズ信号とセンス電流との関係を1次式で近似しておき、測定したノイズ信号と近似した1次式による近似値との相関係数を求め、求めた相関係数と上述の1次式の係数とによってMR素子の良否を判断することがより好ましい。
【0018】
本発明によれば、さらに、検査すべき磁気ヘッドに磁界を印加しない状態又は弱い一定の磁界を印加した状態で、各磁気ヘッドのMR素子にセンス電流を流すと共にこのセンス電流を変化させる手段と、センス電流の種々の値に対してMR素子から出力されるノイズ信号を測定する測定手段と、測定手段の測定したノイズ信号の、変化するセンス電流依存性を検出することによってMR素子の良否を判断する判定手段とを備えた検査装置が提供される。
【0019】
検査すべき磁気ヘッドが、ヘッドブロック上又はウエハ上に配列された複数の磁気ヘッドの1つであることが好ましい。
【0020】
判断する手段が、求めた相関係数と1次式の係数とが許容範囲内であるか否かによってMR素子の良否を判断する手段であることが好ましい。
【0021】
測定手段が、所定時間内における平均ノイズ信号を測定する手段であることも好ましい。
【0023】
判定手段が、測定したノイズ信号とセンス電流との関係を1次式で近似しておく手段と、測定したノイズ信号と近似した1次式による近似値との相関係数を求める手段と、求めた相関係数と上述の1次式の係数とによってMR素子の良否を判断する手段とを備えたことも好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態であるMR素子を有する磁気ヘッドの検査装置の回路構成を概略的に示すブロック図である。
【0026】
同図において、10は検査されるべきMR素子10aとインダクティブ素子10bとを有する磁気ヘッド、11はこの磁気ヘッド10に電気的に接続されたヘッドアンプであるリード/ライトIC、12は一方の入力端子がリード/ライトIC11の読出し信号出力端子に接続された比較器、13は比較器12の他方の入力端子にそのアナログ出力端子が接続されたD/Aコンバータ、14は比較器12の出力端子に入力端子が接続されたカウンタ、15はカウンタ14の出力端子及びリセット端子、D/Aコンバータ13のデジタル入力端子、並びにリード/ライトIC11のセンス電流制御端子及びMR素子抵抗値出力端子に接続されたデジタルコンピュータをそれぞれ示している。
【0027】
以下本実施形態の動作を説明する。
【0028】
まず、検査すべき磁気ヘッドのMR素子10aとインダクティブ素子10bとをこの検査装置のリード/ライトIC11に接続する。本実施形態においては、磁気ヘッドに外部から磁界が全く印加されない状態で検査が行われる。
【0029】
検査すべき磁気ヘッド10は、ウエハ上に多数配列された磁気ヘッドの1つ、ヘッドブロック(バー)上に多数配列された磁気ヘッドの1つ、又はバーから個々に分離されたスライダ上の磁気ヘッドである。なお、本発明の検査のみを実施する場合には、MR素子10aのみを接続すればよいことは明らかである。
【0030】
図2〜図3は、本実施形態におけるコンピュータ15の処理内容の一部を示すフローチャートである。
【0031】
図2に示すように、コンピュータ15は、検査開始の指示に応答してまず初期化処理を行う(ステップS21)。この初期化処理は、図3に示すルーチンで行われる。
【0032】
即ち、センス電流Isをスィープ開始値Isstartに設定するようなセンス電流制御信号をリード/ライトIC11に送る(ステップS211)と共に、カウンタ14にリセット信号を送ってリセットする(ステップS212)。
【0033】
次いで、比較器12の閾値電圧を設定する(ステップS22)。この閾値電圧の設定処理は、図4に示すルーチンで行う。
【0034】
まず、リード/ライトIC11からそのときのセンス電流IsにおけるMR素子抵抗値の測定情報を入手する(ステップS221)。得られたMR素子抵抗値とセンス電流値Isとから素子温度を計算で求める(ステップS222)。さらに、MR素子抵抗値と算出した素子温度とからヘッド抵抗ノイズNheadを算出する(ステップS223)。
【0035】
このヘッド抵抗ノイズNheadは、
Nhead=√(4・k・T・R・BW)
から求められる。ただし、kはボルツマン定数、Tは素子温度、RはMR素子抵抗値、BWは周波数帯域である。
【0036】
次いで、あらかじめ測定しておいた回路ノイズNsysとこのヘッド抵抗ノイズNheadとを合計し、誤検出防止のために安全係数Csafを乗算して閾値を決定する(ステップS224)。例えばCsaf√(Nsys 2+Nhead 2)から決定し、閾値制御信号をD/Aコンバータ13へ出力すること(ステップS225)によって、決定した閾値に対応する電圧が比較器12に印加される。
【0037】
次いで、そのときのセンス電流Isで、閾値電圧を越えるノイズ信号がリード/ライトIC11から出力されるかどうか所定時間監視する(ステップS23)。閾値電圧を越えるノイズ信号が出力されれば、ノイズ検出信号が比較器12から出力され、カウンタ14が1つカウントアップする。
【0038】
所定時間が経過した後、Is=Is+Isstepの処理を行ってセンス電流Isをわずかに増大させるようなセンス電流制御信号をリード/ライトIC11に送る(ステップS24)。
【0039】
次いで、増大させたセンス電流Isがそのスィープ終了値Isstopを越えたかどうかチェックし(ステップS25)、越えていない場合はステップS22に戻ってステップS22〜S25の処理を繰り返す。
【0040】
センス電流Isがそのスィープ終了値Isstopを越えた場合は、カウンタ14のカウント値からノイズの発生回数を知り、その発生回数が許容値を越えているかどうかチェックする(ステップS26)。
【0041】
許容値を越えてない場合は、その磁気ヘッドはバルクハウゼンノイズが発生しない良品であると判断し(ステップS27)、この検査を終了する。
【0042】
許容値を越えている場合は、その磁気ヘッドはバルクハウゼンノイズが発生する不良品であると判断する(ステップS28)。多くの場合、このような不良品の磁気ヘッドは破棄される。
【0043】
本願の発明者等は、MR素子に外部磁界を全く印加しない場合であっても、MR素子のセンス電流を変化させてそのバイアス点を変化させると、バルクハウゼンノイズの発生する不良品の場合には比較的大きなノイズ信号が発生し、バルクハウゼンノイズの発生しない良品の場合にはそのようなバイアス点に依存する比較的大きなノイズ信号は生じないことを見出した。図5は、その様子を示しており、Aはバルクハウゼンノイズの発生する不良品から出力されるノイズ信号、Bはバルクハウゼンノイズの発生しない良品から出力されるノイズ信号をそれぞれ示している。なお、図5において、横軸はMR素子に流されるセンス電流、縦軸はMR素子から出力されるノイズ信号電圧をそれぞれ表している。
【0044】
従って本実施形態のように、センス電流を所定の範囲内で変化させる間に、MR素子から出力されるノイズ信号が閾値を何回上回るかを計数し、その回数が許容値を越えた場合にバルクハウゼンノイズの発生している判断をすれば、MR素子に外部磁界を全く印加することなくかつHGAに組み上げる前にMR素子の良否を判断することができる。外部磁界が全く印加されないので、MR素子の磁気シールドが磁化変化を起すことがなく、従ってMR素子がバルクハウゼンノイズを発生するか否かを正しく判断することができる。しかも、本実施形態では、検査される磁気ヘッドが、HGAとして組み立てる前の段階である、ウエハ上、バー上又は個々のスライダ上の磁気ヘッドであるため、このようにその磁気ヘッドが不良品であると判断されて破棄された場合にも、損失は小さく、製造コストの増大を最小限に防ぐことができる。
【0045】
図6は、図1の実施形態の変更態様として、比較器12の閾値電圧の設定処理の他の例を示すフローチャートである。
【0046】
同図に示すように、この変更態様では、まず、MR素子の縦バイアス方向、即ちMR素子を単磁区化するための永久磁石の着磁方向と同一方向、に十分な強さの外部磁界を印加する(ステップS61)。これにりMR素子の磁区を単磁区化しバルクハウゼンノイズが発生しない状態とする。
【0047】
次いで、閾値電圧を実際に変えながら前述の実施形態と同様の測定を行ってそのときの閾値電圧を越えるノイズ信号が全く生じない最低の閾値、即ちバルクハウゼンノイズの発生しない最低の閾値を求め、その値に閾値を決定する(ステップS62)。その後、外部磁界の印加を終了する(ステップS63)。
【0048】
この変更態様におけるその他の構成、動作及び作用効果は、図1の実施形態の場合と全く同様である。
【0049】
図7は、本発明の一実施形態であるMR素子を有する磁気ヘッドの検査装置の回路構成を概略的に示すブロック図及び信号波形図である。
【0050】
同図において、70は検査されるべきMR素子70aとインダクティブ素子70bとを有する磁気ヘッド、71はこの磁気ヘッド70に電気的に接続されたヘッドアンプであるリード/ライトIC、72は入力端子がリード/ライトIC71の読出し信号出力端子に接続されたピーク保持回路、73はピーク保持回路72の出力端子に入力端子が接続されたA/Dコンバータ、75はA/Dコンバータ73のデジタル出力端子及びリード/ライトIC71のセンス電流制御端子に接続されたデジタルコンピュータをそれぞれ示している。
【0051】
以下本実施形態の動作を説明する。
【0052】
まず、検査すべき磁気ヘッドのMR素子70aとインダクティブ素子70bとをこの検査装置のリード/ライトIC71に接続する。本実施形態においては、磁気ヘッドに外部から磁界が全く印加されない状態で検査が行われる。
【0053】
検査すべき磁気ヘッド70は、ウエハ上に多数配列された磁気ヘッドの1つ、ヘッドブロック(バー)上に多数配列された磁気ヘッドの1つ、又はバーから個々に分離されたスライダ上の磁気ヘッドである。なお、本発明の検査のみを実施する場合には、MR素子70aのみを接続すればよいことは明らかである。
【0054】
ピーク保持回路72は、リード/ライトIC71からのノイズ信号の各ピーク値を検出し、そのピーク値からのエンベロープ信号を出力する。このエンベロープ信号はA/Dコンバータ73によってデジタル信号に変換され、コンピュータ75に入力される。
【0055】
図8は、本実施形態におけるコンピュータ75の処理内容の一部を示すフローチャートである。
【0056】
同図に示すように、コンピュータ75は、検査開始の指示に応答してまずセンス電流Isをスィープ開始値Isstartに設定するようなセンス電流制御信号をリード/ライトIC71に送る(ステップS81)。
【0057】
次いで、そのときのセンス電流Isで、ノイズ信号を所定時間測定し、平均ノイズ電圧を求める(ステップS82)。
【0058】
所定時間が経過して平均ノイズ電圧を求めた後、Is=Is+Isstepの処理を行ってセンス電流Isをわずかに増大させるようなセンス電流制御信号をリード/ライトIC11に送る(ステップS83)。
【0059】
次いで、増大させたセンス電流Isがそのスィープ終了値Isstopを越えたかどうかチェックし(ステップS84)、越えていない場合はステップS82に戻ってステップS82〜S84の処理を繰り返す。
【0060】
センス電流Isがそのスィープ終了値Isstopを越えた場合は、センス電流と求めた平均ノイズ電圧との関係を1次式で近似し、測定したノイズ信号と近似した1次式による近似値との相関係数を求める(ステップS85)。
【0061】
次いで、求めた相関係数と1次近似式の係数とが許容範囲内であるかどうか判別する(ステップS86)。
【0062】
許容範囲内にある場合は、その磁気ヘッドはバルクハウゼンノイズが発生しない良品であると判断し(ステップS87)、この検査を終了する。
【0063】
許容範囲を越えている場合は、その磁気ヘッドはバルクハウゼンノイズが発生する不良品であると判断する(ステップS88)。多くの場合、このような不良品の磁気ヘッドは破棄される。
【0064】
本実施形態のように、ノイズ信号のセンス電流依存性を直線との相関係数を求め、その係数が許容範囲を越えた場合にバルクハウゼンノイズの発生している判断すれば、MR素子に外部磁界を全く印加することなくかつHGAに組み上げる前にMR素子の良否を判断することができる。外部磁界が全く印加されないので、MR素子の磁気シールドが磁化変化を起すことがなく、従ってMR素子がバルクハウゼンノイズを発生するか否かを正しく判断することができる。しかも、本実施形態では、検査される磁気ヘッドが、HGAとして組み立てる前の段階である、ウエハ上、バー上又は個々のスライダ上の磁気ヘッドであるため、このようにその磁気ヘッドが不良品であると判断されて破棄された場合にも、損失は小さく、製造コストの増大を最小限に防ぐことができる。
【0065】
本実施形態におけるその他の構成、動作及び作用効果は、図1の実施形態の場合と全く同様である。
【0066】
なお、上述した実施形態では、磁気ヘッドに全く磁界を印加しない状態で検査を行っているが、MR素子の磁気シールドの磁化が変化しないような弱い一定の磁界を印加した状態で検査を行っても同様の効果を得ることが可能である。
【0067】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【0068】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明では、無磁場状態又はこれに近い状態で、センス電流の変化した種々の値に対してMR素子から出力されるノイズ信号を測定し、測定したノイズ信号の、変化するセンス電流依存性を検出することによってこのMR素子の良否を判断している。このように、センス電流をスィープするのみだけでMR素子から出力されるノイズ信号を検出してバルクハウゼンノイズの有無を判断しているので、MR素子の磁気シールドが磁化変化を起すことがないから、MR素子がバルクハウゼンノイズを発生するか否かを正しく判断することができる。さらに、検査すべき磁気ヘッドが回転する磁気ディスクから実際に磁気情報を読み出す必要もないので、HGAとして組み立てる前の段階であるウエハ上又はバー上の、場合によってバーから個々に切出されたスライダ上の磁気ヘッドに対して検査を行うことができる。その結果、バルクハウゼンノイズの発生が確認されてその磁気ヘッドが不良品であると判断され破棄された場合にも、損失は小さく、製造コストの増大を最小限に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるMR素子を有する磁気ヘッドの検査装置の回路構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態におけるにおけるコンピュータの処理内容の一部を示すフローチャートである。
【図3】図1の実施形態におけるにおけるコンピュータの処理内容の一部を示すフローチャートである。
【図4】図1の実施形態におけるにおけるコンピュータの処理内容の一部を示すフローチャートである。
【図5】バルクハウゼンノイズが発生する磁気ヘッド及び発生しない磁気ヘッドについて、センス電流に対するMR素子のノイズ信号電圧特性を表す図である。
【図6】図4のコンピュータの処理内容の変更態様を示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態であるMR素子を有する磁気ヘッドの検査装置の回路構成を概略的に示すブロック図及び信号波形図である。
【図8】図7の実施形態におけるにおけるコンピュータの処理内容の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10、70 磁気ヘッド
10a、70a MR素子
10b、70b インダクティブ素子
11、71 リード/ライトIC
12 比較器
13 D/Aコンバータ
14 カウンタ
15、75 デジタルコンピュータ
72 ピーク保持回路
73 A/Dコンバータ
Claims (10)
- 検査すべき磁気ヘッドに磁界を印加しない状態又は弱い一定の磁界を印加した状態で、該磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子にセンス電流を流すと共に該センス電流を変化させ、該センス電流の種々の値に対して該磁気抵抗効果素子から出力されるノイズ信号を測定し、該測定したノイズ信号の前記変化するセンス電流依存性を検出することによって該磁気抵抗効果素子の良否を判断することを特徴とする磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドの検査方法。
- 前記測定したノイズ信号と前記センス電流との関係を1次式で近似しておき、該測定したノイズ信号と該1次式による近似値との相関係数を求め、該求めた相関係数と前記1次式の係数とによって該磁気抵抗効果素子の良否を判断することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記求めた相関係数と前記1次式の係数とが許容範囲内であるか否かによって前記磁気抵抗効果素子の良否を判断することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記測定したノイズ信号が、所定時間内における平均ノイズ信号であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記検査すべき磁気ヘッドが、ヘッドブロック上又はウエハ上に配列された複数の磁気ヘッドの1つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 検査すべき磁気ヘッドに磁界を印加しない状態又は弱い一定の磁界を印加した状態で、該各磁気ヘッドの磁気抵抗効果素子にセンス電流を流すと共に該センス電流を変化させる手段と、該センス電流の種々の値に対して該磁気抵抗効果素子から出力されるノイズ信号を測定する測定手段と、該測定手段の測定したノイズ信号の前記変化するセンス電流依存性を検出することによって該磁気抵抗効果素子の良否を判断する判定手段とを備えたことを特徴とする磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドの検査装置。
- 前記判定手段が、前記測定したノイズ信号と前記センス電流との関係を1次式で近似しておく手段と、該測定したノイズ信号と該1次式による近似値との相関係数を求める手段と、該求めた相関係数と前記1次式の係数とによって該磁気抵抗効果素子の良否を判断する手段とを備えたことを特徴とする請求項6に記載の装置。
- 前記判断する手段が、前記求めた相関係数と前記1次式の係数とが許容範囲内であるか否かによって前記磁気抵抗効果素子の良否を判断する手段であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
- 前記測定手段が、所定時間内における平均ノイズ信号を測定する手段であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の装置。
- 前記検査すべき磁気ヘッドが、ヘッドブロック上又はウエハ上に配列された複数の磁気ヘッドの1つであることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の装置。
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