JP3835079B2 - センサの零点誤差の補正方法 - Google Patents

センサの零点誤差の補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農作業機に関するもので、例えば田植機等の苗移植機や他の機械における苗植付作業部等の作業装置の傾斜制御等に使用されるセンサの零点誤差の補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
走行部に対し苗植付部が昇降可能かつ前後方向の軸回りに回動(ローリング)可能に連結された田植機等の苗移植機が広く知られている。この種の苗移植機は、苗の移植を適正に行うため、苗植付部の姿勢を圃場面に対し常に平行になるように維持する制御を行っている。
【0003】
例えば特開平6−133612号公報に記載されているように、走行部に当該走行部の傾斜角速度を検出して出力する傾斜角速度センサを設けるとともに、苗植付部に当該苗植付部の圃場面に対する左右傾斜角度を検出する左右傾斜センサを設け、これら二つのセンサの検出値に応じて苗植付部の左右回動(ローリング)を制御する技術は公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記傾斜角速度センサとしては、検出結果を電気信号として出力するセンサ、例えば音叉振動型のセンサが使用されている。このような傾斜角の制御に用いる角速度センサは、作業停止時に零点電圧を設定し、以後その値に基づいて制御を行うようにしているが、この種のセンサは、作業中に零点が種々の原因で変化するので、高精度のローリング制御を行うためには、該検出信号の零点を常時補正してやる必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記苗移植機のローリング制御等に使用される角速度センサの零点補正を常時簡単な操作で精度よく行うことのできる方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかる零点誤差の補正方法は、零点を中心として上下に変動する検出値を電気信号として出力するセンサにおける零点誤差の補正方法であって、刻々変化する検出信号からデジタルフィルターを用いて低周波成分を抽出し、得られた低周波成分の平均値を新たな零点とするに際し、前記抽出される低周波成分の二次の微分係数を演算して、得られた微分係数が所定範囲内にあり、かつ移動平均値からの低周波成分の偏差が設定以内であるとき、前記低周波成分から零点を求め、さらに、予め求められている低周波成分の理論値とフィルター係数の有限桁数で算出する算出値との差に基づいて、前記算出値を補正することを特徴としている。
【0007】
上記零点誤差の補正方法では、抽出される低周波成分の二次の微分係数を演算し、得られた微分係数が所定範囲内にあり、かつ移動平均値からの低周波成分の偏差が設定以内であるときの低周波成分を用いて点を演算することにより、抽出された低周波成分にバラツキがあっても精度の高い補正を行うことができるのである。
【0008】
なお、上記低周波成分の抽出は、デジタルフィルターを用いて行うのが効果的である。この場合、センサに通電を開始してから所定時間内の信号と、所定時間経過後の信号とで周波数特性の異なるデジタルフィルターを使用すれば、過渡状態においても零点誤差の補正が行えるようになるので好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1及び図2は本発明を施した苗移植機を表し、この苗移植機1は、走行部である走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して水稲用の苗植付部4を昇降可能かつ前後方向の軸回りに回動可能に装着するとともに、走行車体2の後部上側に施肥装置5を設け、全体で施肥田植機として構成している。
【0010】
走行車体2は、駆動輪である各左右一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部に配設したミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13を設けて、該ケースに前輪10,10を変向可能に取り付けるとともに、ミッションケース12の背面部に固着連結されているメインフレーム15の後端左右中央部に支持された前後水平な後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18,18をローリング自在に設けて、該後輪ギヤケースに後輪11,11を取り付けている。
【0011】
メインフレーム15の上に搭載されたエンジン20の回転動力が、第一ベルト伝動装置21と第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース12に伝達され、該ミッションケース内のトランスミッションにて変速された後、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動し、別の一部が後輪ギヤケース18,18に伝達されて後輪11,11を駆動し、また残りの外部取出動力が植付クラッチ25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動軸27によって施肥装置5へ伝動される。
【0012】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10,10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台37,37が設けられている。なお、走行車体の移動速度は車速センサ38によって、また走行車体の左右傾斜角の加速度は傾斜角速度センサ39によってそれぞれ検出される。
【0013】
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これらリンク40,41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦枠43が連結されている。そして、この縦枠43の下端部に、苗植付部4の後記伝動ケース60に回転自在に支承された連結軸44の前端部が挿入連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。昇降油圧シリンダ46は、リンクベースフレーム42の上部に設けた油圧バルブ47によって制御される。
【0014】
前記連結軸44は若干後ろ下がりの略前後方向を向いており、苗植付部4はこの連結軸44を支点にして回動(ローリング)自在に支持されている。縦枠43の上部には、両ロッド型のローリング油圧シリンダ50が、シリンダ部を当該縦枠に固定して左右方向に設けられている。そして、そのシリンダの左右両ロッド50a,50aと苗植付部の後記苗載台フレーム67の左右支柱部67a,67aとがリンク51,51を介して連結されている。ローリング油圧シリンダ50は、モータ52で駆動の油圧ポンプ53によって供給される作動油で作動する。ローリング油圧シリンダ50が作動してロッド50a,50aが左右にスライドすると、苗植付部4が連結軸44回りにローリングする。苗植付部4の左右傾斜角度は、伝動ケース60の上に設置した左右傾斜センサ54によって検出される。また、ローリング油圧シリンダ50の作動量は、ストロークセンサ55によって検出される。
【0015】
苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース60、苗を載せて左右往復動し苗を一株づつ各条の苗取出口61a,…に供給する苗載台61、苗取出口61a,…に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置62,…、左右中央に1個とその両側各1個づつの整地フロート63,64,64等を備えている。各フロートを圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロートが泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置62,…により苗が植付けられる。各フロート63,64,64は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート63の前部の上下動が接地センサ65により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0016】
なお、苗載台61は、前側が上位となるよう傾斜して設けられており、伝動ケース60の上側に横向きに配した支持レール66と、伝動ケース60に基部が固着された苗載台フレーム67の上端部に設けたローラ68,68とによって左右にスライド自在に支持されている。両端が苗載台61の裏面側に連結された横移動棒69を伝動ケース60内の作動機構により左右に往復動させることにより、苗載台61が左右往復動するようになっている。苗載台61がが左右往復動すると、該苗載台の最下段の苗が苗取出口61a,…に一株づつ供給される。横一列分の苗が全て供給されると、各条ごとに設けた苗送りベルト61b,…が作動し、苗を一段下方に移送する。
【0017】
施肥装置5は、各条共用の肥料タンク70内の肥料を肥料繰出部71…によって一定量づつ下方に繰り出し、その繰り出された肥料をブロア72から供給されるエアによって施肥ホース73,…を通って施肥ガイド74,…まで移送し、該施肥ガイドの前側に設けた作溝体75,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込むようになっている。
【0018】
植付作業時には、表土面の凹凸に応じて苗植付部4の対地高さを制御する昇降制御と、表土面の左右傾斜に応じて苗植付部4の連結軸44回りの姿勢を制御するローリング制御とを行い、苗の植付深さを一定に維持する。図5はその苗植付部位置制御装置のブロック図である。前記各センサ38,39,54,65からの情報がCPU、メモリ等からなるコントローラ80に入力され、その情報に基づきコントローラ80で下記の制御を行い、前記昇降用油圧バルブ47及びローリング用モータ52に出力する。
【0019】
まず、昇降制御については、接地センサ65の検出値が所定の目標値の不感帯内に収まるように油圧バルブ47に出力信号を出す。例えば、センターフロート63が上動すると、昇降油圧シリンダ46が伸びる方向に油圧バルブ47を駆動して、苗植付部4を上昇させる。逆に、センターフロート63が下動すると、昇降油圧シリンダ46が縮む方向に油圧バルブ47を駆動して、苗植付部4を下降させる。これにより、苗植付部全体の対地高さを一定に維持する。
【0020】
上記昇降制御に際しては、苗植付部4が一度接地してからでないと昇降制御を行わないようにし、苗植付部4の接地を検出した後は、傾斜角速度センサ39によって走行車体2の左右傾斜状況を判定し、走行車体2が急激に傾斜していない時には、現在接地センサ値に基づき昇降制御を行い、走行車体2が急激に傾斜し且つ接地センサ値が一定以上変動した時には、変動直前の接地センサ値に基づき昇降制御を行う。走行車体2が急激に傾斜しているか否かの基準は、例えば傾斜角速度センサ値で±(左右)1.1度/ミリ秒程度とする。
【0021】
走行車体2が急激に傾斜するのは、車輪が耕盤の凹凸に落ち込んだり乗り上げたりした場合であり、このような場合には走行車体2に追随して苗植付部4も傾斜し、苗植付部4が表土面から浮上する等の事態が生じる。しかしながら、それは一時的なものであって、車輪が耕盤の凹凸を通過したなら直ちに元の状況に復帰するから、上記のような一時的に苗植付部4の対地関係が変化したことに対しその都度忠実に現在接地センサ値に基づき苗植付部を昇降させることは、昇降制御が不安定になるので好ましくない。そこで、一度苗植付部4の接地を検出した後は、一時的に走行車体2が急激に傾斜して接地センサ値が大きく変動しても、苗植付部4が通常接地状態のままであるとみなして、変動直前の接地センサ値に基づき昇降制御を行わせるとよい。
【0022】
次に、ローリング制御について説明する。このローリング制御は、基本的には、傾斜角速度センサ39の検出値と左右傾斜センサ54の検出値から、予め定められているルールに基づいてモータ52への出力量を決定し、左右傾斜センサ54が所定の目標値(通常は水平)の不感帯内に収まるように苗植付部4をローリングさせる。この場合、左右傾斜が急激に変化する場合は、傾斜角速度センサ39の検出結果に基づいて制御するのが好ましい。なお、傾斜角速度センサと左右傾斜センサを用いる制御の方法については、例えば上記特開平6−133612号公報に記載されている。
【0023】
傾斜角速度センサの出力信号は、例えば図6に示すようなものである。同図において縦軸は傾斜角速度センサの電圧値であり、横軸は時間(sec)を表している。同図にからわかるように、作業開始時の基準値(零点)は2.5Vであっても、作業中における機体の左右傾動によって、センサの出力電圧の零点(Oで示す)は基準値を中心として徐々に変動する。このため、逐次零点を補正する必要がある。
【0024】
このための補正方法として、本発明では、零点を中心として上下に変動する検出信号から低周波成分を抽出し、該抽出された複数の値から零点を演算する。図7は、抽出した零点電圧の変化を表す。抽出した零点電圧に基づく演算方法の概要を具体的に例示すれば次のとおりである。すなわち、図8は、上記低周波成分の抽出を含む演算方法を表すフローチャートであって、まず角速度センサーの検出信号に含まれる低周波成分(ほぼ直流成分)をデジタルフィルターで抽出する。この抽出は、デジタルフィルターを用いず他の方法で抽出を行ってもよいが、公知のデジタルフィルターを使用して行うのが便利である。次に、抽出したデータから二次微分係数を算出する。さらに得られた二次微分係数値が設定範囲内の有効データであるかどうかを判断し、有効データであるなら零点電圧算出用のデータとし、設定範囲外であれば零点電圧算出用のデータとしない。換言すれば、二次微分係数と移動平均からの偏差によって変動部分(ピーク、ボトム、カットオフ周波数以下の成分)を除去したDFT値を零点電圧の算出データとする。そして、このDFT値の移動平均値を零点電圧とするのである。
【0025】
上記算出方法の詳細は次のとおりである。上記デジタルフィルターのサンプリング周波数を例えばf(t secごと)、カットオフ周波数を例えばFcHz(これ以上の周波数をカットする)とする。また、フィルター係数をh(0),h(1),h(2),h(3),h(4),h(5),h(6),h(7),h(8)とすると、有限インパルス応答システム(FIRフィルター)によるDFT値(Vn )算出式は、数式(数1)のとおりである。ここに、Xn-16,Xn-15,…はデジタルフィルターの抽出値である。
【0026】
【数1】
Figure 0003835079
【0027】
このようにして得られるVn の一次微分係数Pn 及び二次微分係数aは次のとおりである。
n =(Vn −Vn-1 )/t
a =(Pn −Pn-1 )/t
【0028】
上記計算結果に基づいて有効データの判定を行う。その基準は次の二つの条件を満たす場合に有効データとする。
1)二次微分係数(a)が次の条件を満たすこと、
−p<a<p (pは設定値)
2)Vn が次の条件を満たすこと(DFT値の低周波(fc 以下)変動の除去のため)
移動平均値−qbit≦Vn ≦移動平均値+qbit
(qは設定ビット数)
【0029】
上記二つの条件が満たされる場合のDFT値(Vn )を有効値として移動平均データとし、例えばこの有効データ5点の移動平均を求めてこれを新たな零点とする。図7は、算出した零点電圧の二次微分係数の変化を表す。上下の2本の線L1,L2が有効データの範囲を示すもので、この範囲内に含まれるデータの平均値をもって新たな零点とするのである。
【0030】
次に、図9は電源投入時のセンサ(A,B,C)の出力の変化を表すもので、電源投入時から数十秒間はドリフトのため出力が安定しない。したがって、この間は零点誤差の補正を行わないという考え方もあるが、次に述べるように、エンジン始動時から予め設定した時間内と、この時間以後とで周波数特性の異なるフィルター(設定時間以後のフィルターの方がカットオフ周波数が低いものとする)を用いて補正を行うことにより、この時間内でも零点誤差の補正を行うことができる。
【0031】
すなわち、エンジン始動時からのドリフトは1分間程度で安定するが、この間の零点電圧は、低周波成分に時間と共に一定値に収束する交流成分が加算された状態で安定する。したがって、この間に低周波成分を抽出してこれを零点電圧とすると誤差を生じる。これを避けるためには、エンジン始動時のドリフトは上記低周波成分と交流成分によって、それ以後は低周波成分で零点誤差の補正を行えばよい。この方法によれば、ドリフトに対応した補正ができ、エンジン始動直後からの補正が可能となり、精度の高い補正を行うことができる。
【0032】
さらに、角速度センサからの信号出力は、通電後一定時間(数秒)経過した後に出力され、その後数秒で信号がほぼ安定状態となる。このため、角速度センサの信号測定をエンジン始動から一定時間(角速度センサからの信号が出力される時間)経過後から行うのが好ましい。図11は、この方法を表すフローチャートである。このようにすると、センサの特性に基づいてゼロ点電圧の算出を行うため、角速度センサによる制御を早く行うことができるのである。
【0033】
なお、角速度センサの零点電圧の抽出演算をデジタルフィルターを用いて行う装置において、理論値と算出値(有限桁数で行う)の差を予め求めておき、算出値をこの値で補正するのが好ましい。角速度センサの零点は、角速度の量を検出するための基準となるもので、できるだけ精度良く検出する必要があるが、実際には零点電圧を算出するためのフィルター係数の有効桁数によって理論値(DF)と算出値(DF’)との間に誤差が生じる。図12は、この様子を表すものである。したがって、予め求めておいた理論値(DF)と算出値(DF’)との差(α)で補正を行うのであり、この方法によると、有効桁数による誤差をキャンセルすることができる。
【0034】
また、複数のアナログセンサ(例えば角速度センサ、左右傾斜センサ、ピッチングセンサ等)の信号をデジタルフィルターを用いて処理する装置の場合は、同じ次数のデジタルフィルター(周波数特性は異なる)で処理を行うようにすればよい。デジタルフィルターは、用いる次数によって応答後れが生じるが、この遅れは次数によって決定されるので、同じ次数のデジタルフィルターを用いることによって、応答後れが生じても複数のセンサ信号の同時性は保てるため、安定した制御を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明にかかるセンサの零点補正方法によれば、二次の微分係数が所定範囲内にある場合で、かつ移動平均値からの低周波成分の偏差が設定以内である場合にデータを有効とするので、データのピーク値又はボトム値を除去することができ、精度の高い補正を行うことができる。また、予め求められている低周波成分の理論値とフィルター係数の有限桁数で算出する算出値との差に基づいて、前記算出値を補正するので、有効桁数による誤差をキャンセルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗移植機の側面図である。
【図2】苗移植機の平面図である。
【図3】昇降リンク装置の要部及び苗植付部の側面図である。
【図4】昇降リンク装置の要部及び苗植付部の背面図である。
【図5】苗植付部位置制御装置のブロック図である。
【図6】角速度センサの出力値と基準値の変化を表すグラフである。
【図7】算出した零点電圧の二次微分係数の変化を表すグラフである。
【図8】零点誤差の補正方法を表すフローチャートである。
【図9】電源投入時のセンサの出力変化を表すグラフである。
【図10】電源投入時のドリフト特性を表すグラフである。
【図11】電源投入時の処理方法のフローチャートである。
【図12】算出値と理論値との差を表すグラフである。
【符号の説明】
1 苗移植機
2 走行車体(走行部)
3 昇降リンク装置
4 苗植付部
5 施肥装置
38 車速センサ
39 傾斜角速度センサ
44 連結軸(前後方向の軸)
47 昇降用油圧バルブ
52 ローリング用モータ
54 左右傾斜角センサ
55 ストロークセンサ
65 接地センサ
80 コントローラ

Claims (2)

  1. 零点を中心として上下に変動する検出値を電気信号として出力するセンサにおける零点誤差の補正方法であって、刻々変化する検出信号からデジタルフィルターを用いて低周波成分を抽出し、得られた低周波成分の平均値を新たな零点とするに際し、前記抽出される低周波成分の二次の微分係数を演算して、得られた微分係数が所定範囲内にあり、かつ移動平均値からの低周波成分の偏差が設定以内であるとき、前記低周波成分から零点を求め、さらに、予め求められている低周波成分の理論値とフィルター係数の有限桁数で算出する算出値との差に基づいて、前記算出値を補正することを特徴とするセンサの零点誤差の補正方法。
  2. センサへの通電開始後、所定時間内の信号と所定時間経過後の信号とで周波数特性の異なるデジタルフィルターを使用する請求項1に記載のセンサの零点誤差の補正方法。
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