JP3834160B2 - 熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性液晶ポリマーフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性のポリマー(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーと称することがある)からなるフィルム(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと称することがある)であって、接着剤との接着性やメッキ性および金属蒸着性に優れ、またプラズマ照射による優れた表面活性効果が得られる熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明による熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、優れた低吸湿性、耐熱性、耐薬品性および電気的性質を有しており、電気絶縁材料、特に電子回路基板の絶縁材料として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性液晶ポリマーを溶融してダイから押し出すと、ポリマー分子が押し出された方向に配向し、フィルムの長手方向(MD)と幅方向(TD)における熱膨張係数や端裂強度などの物性値が著しく異なるいわゆる異方性フィルムが得られる。この異方性フィルムは、長手方向に裂け易い(端裂強度が低い)ので、そのままで実用に供することは困難である。
【0003】
そこで、異方性を緩和するための一つの方法として、異方性液晶ポリマーフィルムと合成樹脂よりなる支持フィルムとのラミネート体を幅方向に延伸するラミネート体延伸法が、特開平7−323506号公報に示されている。この方法によれば、表面平滑性が良好な液晶ポリマーフィルムが得られる。
【0004】
また、前記ラミネート体延伸法の改良方法として、異方性液晶ポリマーフィルムと支持フィルムとを物理的手段で接着あるいは粘着させ、これを剥離することにより、さらに表面平滑性に優れたフィルムを得る方法が、特開平9−131789号公報に示されている
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上の従来のラミネート体延伸法により得られる熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、接着剤との接着性やメッキ性および金属蒸着性が悪い。また、プラズマ照射による表面活性効果も十分には得られない。つまり、前記フィルムの接着剤の接着性などを高めるには、このフィルムの表面にプラズマを照射して活性化させるいわゆるプラズマ照射による表面活性化法がある程度有効であるが、これによっても十分な効果が得られない。
【0006】
本発明者らは、以上の問題点は従来のラミネート体延伸法により得られる熱可塑性液晶ポリマーフィルムの表面平滑性が良好であることに起因し、フィルム表面を粗面化すれば、各種問題点を解消できると考えた。
【0007】
そこで、従来のラミネート体延伸法で得られたフィルムを粗面化するために、プラズマ照射による表面活性化法、サンドブラストによる表面粗面化法、粗面ローラを用いたローラーエンボス法、粗面を有する金属箔に熱可塑性液晶ポリマーフィルムを先ず熱融着させ、該金属箔を化学エッチングにより除去して粗面化された熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得る粗面転写法などを種々試みた。しかしながら、ラミネート体延伸法で得られたフィルムの粗面化を、接着剤の接着性を満足できる程度にまで向上させることはできなかった。この結果、単なるフィルム表面の粗面化は、上記各種問題点の効果的な解消法とはならないことが判った。
【0008】
本発明者らは、さらに研究を続けた結果、ラミネート体を構成する原材料フィルムと支持フィルムを特定の条件下で引き剥がして表面を粗面化することにより、上記の各種問題点を解消できることを見出した。そこで、本発明の目的は、接着剤との接着性やメッキ性および金属蒸着性などに優れた熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、熱可塑性ポリマーからなる原材料フィルムと、そのポリマーの融点より高い融点を有する支持フィルムとで構成されるラミネート体を延伸し、延伸されたラミネート体を構成する原材料フィルム層と支持フィルム層とを、0.5〜20m/分の引き剥がし速度かつ70g/cm以上の引き剥がし力で引き剥がして分離し、得られた1〜3μmの表面粗度R a をもつ原材料フィルム層を製品フィルムとする。このとき、引き剥がし力は100g/cm以上であることが好ましく、さらに好適には150g/cm以上である。
【0010】
ここで、引き剥がし力に影響を与える要因としては、ラミネート体における原材料フィルム層と支持フィルム層との接着強度、引き剥がし角度、引き剥がし速度がある。これらを適当に組合せることにより、引き剥がし力を高め得ることは容易に理解できる。例えば、接着強度が100g/cmの場合、引き剥がし速度を0.5m/分にすることにより、引き剥がし力は100g/cm以上となる。また、接着強度が50g/cmの場合、引き剥がし速度を20m/分にすることにより、引き剥がし力はほぼ100g/cmとなる。このように、原材料フィルム層と支持フィルム層との接着強度が小さい場合、引き剥がし速度を大きくすることにより、引き剥がし力が大となって、強い引き剥がしが可能となる。また、強い引き剥がしにより得られるフィルムは、表面が粗面化されて、接着剤との接着性、メッキ性、金属蒸着性、プラズマ照射による表面活性効果が高められる。このとき、引き剥がし力が70g/cm未満の場合、フィルム表面の粗面化が不十分となって所期の目的を達成できないので、引き剥がし力は70g/cm以上にする必要がある。
【0011】
また、以上のように、引き剥がし力を70g/cm以上にする場合、これ未満の引き剥がし力で引き剥がす場合に比べて、原材料フィルム層と支持フィルム層の引き剥がしが不安定となり易い。そこで、適切な引き剥がし方法を検討した結果、次のことを知った。つまり、両フィルム層の安定した引き剥がしを行うためには、引き剥がすときの角度が大きく影響する。そして、両フィルム層を170〜180°の引き剥がし角で、好ましくは実質的に180°の引き剥がし角で引き剥がすと、強い引き剥がし力によっても安定した引き剥がしが行えることを見出した。このとき、引き剥がし角が170°未満の場合、両フィルム層の安定した引き剥がしが行えず、得られる製品フィルムの表面に引き剥がしむらが発生したりして、良好な粗面化が行えなくなる。ここで、引き剥がし角とは、フィルム層の引き剥がし点以前(上流側)の部分と以後(下流側)の部分のなす角度である。また引き剥がし角には、原材料フィルム層の引き剥がし角と支持フィルム層の引き剥がし角の2つが存在するが、単に引き剥がし角と称する場合は、低角度の方の引き剥がし角のことをいう。
【0012】
図1は、原材料フィルム層1と支持フィルム層2を上下一対のロール3、4を用いて、約135°の引き剥がし角で引き剥がす場合を示している。
また、図2は、両フィルム層1、2をロールを用いることなく、90°の引き剥がし角で直接引き剥がす場合を示している。
【0013】
しかし、以上のように引き剥がし角が小さい場合、引き剥がし力を大きくすると、図3、4に示すように、引き剥がし点5の位置が移動し易く、この移動に伴い引き剥がし角も変動するので、安定した引き剥がしが行えず、得られるフィルム表面に引き剥がしむらが発生し易くなる。
【0014】
そこで、表面に引き剥がしむらを発生させることなく、両フィルム層の安定した引き剥がしを行うためには、例えば図5のようにするのが好ましい。同図では、支持フィルム層2を折り曲げて、この折り曲げ部と原材料フィルム層1とを上下2つのニッププレート9、10間に挟み込んでいる。そして、支持フィルム層2の折り曲げ部分を引き剥がし点とし、支持フィルム層2は図の左方へ、原材料フィルム層1は図の右方へ70g/cm以上の引き剥がし力で引き剥がし、この原材料フィルム層1を分離させて製品フィルムとする。この場合、引き剥がし角は実質的に180°となる。本発明は、図5の例に限定されるものではなく、引き剥がし角を170〜180°にする方法として、ニッププレートの代りにニップロールを用いる場合や、ニップなしの場合など、種々の方法を適用できる。また、図5は、原材料フィルム層と支持フィルム層を1層ずつ重ね合わせた構造のラミネート体を用いる場合を示しているが、本発明は、複数の原材料フィルム層と支持フィルム層とを交互に重ね合わせた構造のラミネート体に適用することもできる。
【0015】
以上のように、原材料フィルム層を強く引き剥がすことにより、その表面に荒れが生じて、表面粗度Ra が1〜3μmの製品フィルムが得られる。この表面粗度のものは、接着剤の接着強度が大となる。このとき、フィルム表面の荒れだけが接着剤の接着強度を大きくする要件でないことは、上記したように、引き剥がしによらないでフィルム表面を粗面化した場合、必ずしも接着剤の接着強度が大きくならないことからも明らかである。
【0016】
更に詳述すると、一般にフィルムに対する接着剤の接着において、フィルム表面の粗度を増大させれば、接着面積が増加して接着強度が向上することは、よく知られている。むろん、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの場合にも、接着面積の増大による接着強度の向上は無視できないが、それ以上に、強い引き剥がしによる接着強度向上の効果の方が大きい。このことは、ラミネート体延伸法によって得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムの場合、特に顕著である。つまり、ラミネート体延伸法で得られる熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、フィルム表面にある種の微細構造層が形成され、これが接着剤の接着強度を低下させる原因になると思われる。しかし、本発明のように強い引き剥がし力を付与することにより、フィルム表面の微細構造層が破壊されて、接着剤の接着強度を向上させるものと考えられる。以上のようなフィルム表面の微細構造層は、ラミネート体延伸法において、ラミネート体の原材料フィルム層と支持フィルム層との界面において発生する。支持フィルム層に接触しない側の熱可塑性液晶ポリマーフィルム表面においても高い接着強度を必要とする場合には、その表面に支持フィルムを接着させて、これを上記したように強い引き剥がし力で引き剥がすことによって接着強度を向上させる。
【0017】
以上のようにして得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、接着剤の接着強度が大きいだけでなく、金属メッキや金属蒸着などによって金属被膜をフィルム表面に形成した場合にも、この被膜と熱可塑性液晶ポリマーフィルムとの密着力が大きくなる。また、通常のプラスチックフィルムの場合、フィルムをプラズマ照射することによって、フィルムの接着剤の接着強度を向上させることが多い。しかしながら、ラミネート体延伸法で得られる熱可塑性液晶ポリマーフィルムの場合、プラズマ照射しても接着剤の接着強度はあまり向上しない。一方、本発明による熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、プラズマ照射により接着剤の接着強度が大幅に増大し、つまりプラズマ照射による表面活性効果が大きい。
【0018】
本発明で使用する熱可塑性液晶ポリマーフィルムの原料は特に限定されるものではないが、その具体例として、以下に例示する(1)から(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれる公知のサーモトロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピック液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。但し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを得るためには、各々の原料化合物の組み合わせには適当な範囲があることは言うまでもない。
【0019】
(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化合物(代表例は表1参照)
【0020】
【表1】
Figure 0003834160
【0021】
(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸(代表例は表2参照)
【0022】
【表2】
Figure 0003834160
【0023】
(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表例は表3参照)
【0024】
【表3】
Figure 0003834160
【0025】
(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参照)
【0026】
【表4】
Figure 0003834160
【0027】
これらの原料化合物から得られる熱可塑性液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有する共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0028】
【表5】
Figure 0003834160
【0029】
また、本発明で使用する熱可塑性液晶ポリマーとして、フィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的においては、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250〜約350℃の範囲内に融点を有するものが好ましいが、フィルム製造の観点からは、比較的低い融点のものが好ましい。したがって、より高い耐熱性や融点が必要な場合には、一旦得られたフィルムを加熱処理することによって、所望の耐熱性や融点にまで高めることが有利である。加熱処理の条件の一例を説明すれば、一旦得られたフィルムの融点が283℃の場合でも、260℃で5時間加熱すれば、融点は320℃になる。
【0030】
本発明に使用される原材料フィルムの熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得られる。任意の押出成形法がこの目的のために適用されるが、周知のTダイ法、インフレーション法等が工業的に有利である。特にインフレーション法では、フィルムの長手方向(以下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する幅方向(以下、TD方向と略す)にも応力が加えられるため、MD方向とTD方向における機械的性質および熱的性質のバランスのとれたフィルムを得ることができ、ラミネート体の横延伸倍率が小さくてよいので、ラミネート体延伸法においてもより好適に用いることができる。
【0031】
上記の熱可塑性液晶ポリマーフィルム(原材料フィルム)は、分子配向度SORを0.8〜1.4とすることが好ましい。より好ましくは、0.9〜1.2である。この原材料フィルムは、上記のMD方向とTD方向における機械的性質および熱的性質のバランスが良好であり、ラミネート体延伸法における延伸倍率が小さくてよいので、ラミネート延伸工程が容易になり、製造コストが低下するばかりでなく、延伸むらが少なく、均一性においてより良好な熱可塑性液晶ポリマーフィルムが得られる。
【0032】
ここで、分子配向度SOR(Segment Orientation Ratio)とは、分子を構成するセグメントについての分子配向の度合いを与える指標をいい、従来のMOR(Molecular Orientation Ratio)とは異なり、物体の厚さを考慮した値である。この分子配向度SORは、以下のように算出される。
【0033】
先ず、周知のマイクロ波分子配向度測定機において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、マイクロ波の進行方向にフィルム面が垂直になるように、マイクロ波共振導波管中に挿入して、該フィルムを透過したマイクロ波の電場強度(マイクロ波透過強度)を測定する。そして、この測定値に基づいて、次式により、m値(屈折率と称する)が算出される。
m=(Zo/△z)×[1−νmax /νo]
ただし、Zoは装置定数、△zは物体の平均厚、νmax はマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイクロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度を与える振動数である。
【0034】
次に、マイクロ波の振動方向に対する物体の回転角が0°のとき、つまり、マイクロ波の振動方向と、物体の分子が最もよく配向されている方向であって、最小マイクロ波透過強度を与える方向とが合致しているときのm値をm0 、回転角が90°のときのm値をm90として、分子配向度SORはm0 /m90により算出される。
【0035】
本発明の熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、その適用分野によって、必要とされる分子配向度SORは当然異なるが、SOR≧1.5の場合は液晶ポリマー分子の配向の偏りが著しいためにフィルムが硬くなり、かつMD方向に裂け易い。加熱時の反りが殆どないなどの形態安定性が必要とされる用途分野の場合には、SOR≦1.3であることが望ましい。特に加熱時の反りを無くす必要がある用途分野の場合には、SOR≦1.03であることが望ましい。
【0036】
本発明に用いる原材料フィルムは、任意の厚みであってもよく、また、複数枚重ね合わせて用いてもよく、5mm以下の板状またはシート状のものをも包含する。
【0037】
また、前記の原材料フィルムとしては、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと他の電気絶縁性材料、例えば酸化アルミニウムやセラミックス粉体との複合体や、複数種類の熱可塑性液晶ポリマーや、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン等との複合体あるいはポリマーアロイを用いることもできる。なお、原材料フィルムには、滑剤、酸化防止剤などの添加剤が配合されていてもよい。
【0038】
本発明において、ラミネート体の延伸は、目的に応じて長手方向延伸法あるいは幅方向延伸法あるいは長手方向/幅方向の同時延伸法(二軸延伸法)が適用される。つまり、本発明において、原材料フィルムのSORより大きいSORを有する熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得る場合には、長手方向延伸法が適用され、逆に原材料フィルムのSORより小さいSORを有する熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得る場合には、幅方向延伸法あるいは二軸延伸法が適用される。
【0039】
熱可塑性液晶ポリマーフィルムの異方性は、通常、等方性であるほど望ましいことが多い。特に電子回路基板材料としては分子配向度SORが1に近いほど、具体的には0.9から1.1の範囲であることが好ましく、0.95から1.05の範囲であればさらに好ましい。また、原材料フィルムの異方性は、得られる熱可塑性液晶ポリマーフィルムの異方性に近いことが好ましい。このようにすれば、延伸倍率を小さくできるので、延伸工程が容易になる。さらに、ラミネート体を延伸した後に支持フィルム層を原材料フィルム層より引き剥がすときに、フィルムの長手方向側にフィルムを強く引っ張るので、本発明による熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、原材料フィルムのSORよりもSORが少し増大する。したがって、これを相殺するために、本発明による熱可塑性液晶ポリマーフィルムのSORを限りなく1に近づけることが望ましい場合は、原材料フィルムのSORは0.95〜0.99が適切である。
【0040】
さらに詳細に説明すれば、従来提案されているラミネート体延伸法における主たる目的は、異方性液晶ポリマーフィルムを原材料フィルムとして等方性液晶ポリマーフィルムを得ることである。これに対して本発明では、異方性を緩和するだけではなく、異方性の緩和あるいは増大あるいは不変にかかわらず、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの接着剤との接着性などを向上させることにある。ラミネート体を僅かでも延伸させることは、原材料フィルムと支持フィルムとの密着性を向上させ、また密着させる工程の工程通過性を向上させるのに効果がある。当然、本発明は、従来のラミネート体延伸法の目的である異方性の緩和と工程通過性の向上も兼ねており、これらと同時に接着剤との接着性などの向上も図ろうとするものである。
【0041】
本発明において用いられる支持フィルムは、原材料フィルムの融点よりも高い融点を有し、原材料フィルムのガラス転移点以上において延伸倍率1.05以上の延伸が可能な材料であれば用いることができる。
【0042】
また、前記の支持フィルムとしては、樹脂あるいは金属あるいは金属やセラミックス等をフィルム表面または内部に含む樹脂を材料とする多孔質または非多孔質フィルムで、原材料フィルムの融点よりも高い融点を有し、原材料フィルムのガラス転移点以上において、本発明により得られる熱可塑性液晶ポリマーの異方性あるいは等方性と、原材料フィルムの異方性あるいは等方性とによって決まる必要とする延伸倍率以上の延伸倍率で延伸可能なものであればよい。
【0043】
本発明においては、目的とする熱可塑性液晶ポリマーフィルムが等方性(SOR=1)であると仮定したとき、原材料フィルムとしては、フィルムの長手方向に液晶ポリマー分子が配向しているフィルム、すなわちSOR>1であるフィルムのみに限定されることなく、SOR≦1であるフィルムも用い得る。したがって、本発明においてはフィルムの幅方向延伸だけでなく、長手方向の延伸も行われる。また、原材料フィルムが、SOR=1であるとしても、幅方向および長手方向をほぼ同じ延伸倍率の延伸を施すこともある。また、本発明は、目的とする熱可塑性液晶ポリマーフィルムが、原材料フィルムよりも異方性の度合が大きい場合にも適用できる。例えば原材料フィルムとしてSOR=1のフィルムを用いて、フィルムの長手方向の延伸を施し、SOR=1.3の熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得ることも、また幅方向の延伸を施し、SOR=0.8の熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得ることも可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの接着剤との接着強度は、以下の方法で測定した。
供試フィルムの両面にエポキシ系接着剤(アロンマイティBX−60、東亞合成化学工業株式会社製)を50μmの厚みで塗布し、さらに両面にそれぞれ表面粗度10μmの電解銅箔を接合してラミネート体とし、これを150℃で40分間熱プレスして硬化させることにより、剥離試験片を作成した。そして、その幅10mmの剥離試験をJIS C6471に準じて行った。その手法は、試験片の片面を両面接着テープで支持板に接着し、反対面の銅箔を速度50mm/分で支持板に対し垂直方向に引張り、剥離強度および層内剥離の有無を調べる。
【0045】
また、フィルムの表面粗度Ra は、JIS B0601に準じて測定した。すなわち、ランクテーラーボブソン社製の触針式表面粗さ測定器を用い、針の先端曲率半径が2μm、荷重2mgの条件下で測定したフィルムの断面曲線から計算した。
【0046】
さらに、フィルムのプラズマ照射は、高周波励起プラズマにより行った。すなわち、1×10ー4〜1×10ー5Torrの真空度とした真空槽において、高周波電源からの電圧印加によって1×10ー4〜1×10ー3程度の分圧の炭酸ガスの導入に伴うプラズマ励起を10秒間フィルムに施す条件下で行った。
【0047】
実施例1
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が283℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押し出しし、Tダイ製膜法により膜厚が100μm、分子配向度SORが1.5のフィルムを得、これを原材料フィルムとした。そして、膜厚25μmのポリエーテルスルホンフィルムを支持フィルムとし、これの2枚の間に前記原材料フィルムを挟み込んだ構成で、ラミネート温度260℃、圧力20Kg/cm2とラミネート温度330℃、圧力0.5Kg/cm2の2段ラミネート加工をして、厚さ150μmのラミネート体を得た。このラミネート体を二軸延伸機を用いて、延伸温度297℃、幅方向延伸倍率4倍、長手方向延伸倍率1.5倍、延伸速度100%/分で延伸して、厚さ25μmの延伸ラミネート体を得た。この延伸ラミネート体を充分冷却した後、図5の方法により、引き剥がし速度20m/分、引き剥がし力100g/cmで、原材料フィルム層と支持フィルム層とを引き剥がして分離し、製品フィルム(熱可塑性液晶ポリマーフィルム)を得た。
【0048】
こうして得られた製品フィルムは、膜厚が17μm、分子配向度SORが1.03、フィルムの表面粗度Raは1μmであった。また、製品フィルムの接着剤との接着強度は、0.8Kg/cmであり、実用し得る程度の接着強度を示した。さらに、製品フィルムの表面にプラズマ照射したところ、接着強度は1.3Kg/cmとなり、顕著なプラズマ照射効果を示した。
【0049】
実施例2
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が283℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押し出しし、Tダイ製膜法により膜厚が50μm、分子配向度SORが1.5のフィルムを得、これを原材料フィルムとした。そして、厚さ10μmの圧延銅箔を支持フィルムとし、これの2枚の間に前記原材料フィルムを挟み込んだ構成で、ラミネート温度260℃、圧力50Kg/cm2とラミネート温度330℃、圧力0Kg/cm2(圧力をかけない)の2段ラミネート加工をして、厚さ70μmのラミネート体を得た。このラミネート体を二軸延伸機を用いて、延伸温度297℃、幅方向延伸倍率1.1倍、長手方向延伸倍率1倍で延伸し、厚さ65μmの延伸ラミネート体を得た。この延伸ラミネート体を充分冷却した後、図5の方法により、引き剥がし速度0.5m/分、引き剥がし力200g/cmで、原材料フィルム層と支持フィルム層とを引き剥がして分離し、製品フィルムを得た。
【0050】
こうして得られた製品フィルムは、膜厚が45μm、分子配向度SORが1.2、フィルムの表面粗度Raは2μmであった。また、製品フィルムの接着剤との接着強度は、1.0Kg/cmであり、実用し得る程度の接着強度を示した。さらに、製品フィルムの表面にプラズマ照射したところ、接着強度は1.6Kg/cmとなり、顕著なプラズマ照射効果を示した。
【0051】
実施例3
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が283℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押し出しし、インフレーション製膜法により膜厚が50μm、分子配向度SORが0.97のフィルムを得、これを原材料フィルムとした。そして、膜厚25μmのポリエーテルスルホンフィルムを支持フィルムとし、これの2枚の間に前記原材料フィルムを挟み込んだ構成で、ラミネート温度260℃、圧力20Kg/cm2と、ラミネート温度330℃、圧力0.5Kg/cm2の2段ラミネート加工をして、厚さ100μmのラミネート体を得た。このラミネート体を一軸延伸機を用いて、延伸温度297℃、長手方向延伸倍率1.1倍で延伸し、厚さ90μmの延伸ラミネート体を得た。この延伸ラミネート体を充分冷却した後、図5の方法により、引き剥がし速度20m/分、引き剥がし力100g/cmで、原材料フィルム層と支持フィルム層とを引き剥がして分離し、製品フィルムを得た。
【0052】
こうして得られた製品フィルムは、膜厚が45μm、分子配向度SORが1.01、フィルムの表面粗度Raは1μmであった。また、製品フィルムの接着剤との接着強度は、0.8Kg/cmであり、実用し得る程度の接着強度を示した。さらに、製品フィルムの表面にプラズマ照射したところ、接着強度は1.3Kg/cmとなり、顕著なプラズマ照射効果を示した。
【0053】
実施例4
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が283℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押し出しし、インフレーション製膜法により膜厚が50μm、分子配向度SORが1.03のフィルムを得、これを原材料フィルムとした。そして、厚さ50μmのアルミニウムを支持フィルムとし、これと前記原材料フィルムを1枚ずつ重ね合わせた構成で、ラミネート温度260℃、圧力20Kg/cm2とラミネート温度330℃、圧力0.5Kg/cm2の2段ラミネート加工をして、厚さ150μmのラミネート体を得た。このラミネート体を一軸延伸機を用いて、延伸温度297℃、幅方向延伸倍率1.03倍で延伸し、厚さ145μmの延伸ラミネート体を得た。この延伸ラミネート体を充分冷却した後、図5の方法により、引き剥がし速度0.5m/分、引き剥がし力200g/cmで、原材料フィルム層と支持フィルム層とを引き剥がして分離し、製品フィルムを得た。
【0054】
こうして得られた製品フィルムは、膜厚が48μm、分子配向度SORが0.99、フィルムの表面粗度Raは2μmであった。また、製品フィルムの接着剤との接着強度は、1.0Kg/cmであり、実用し得る程度の接着強度を示した。さらに、製品フィルムの表面にプラズマ照射したところ、接着強度は1.6Kg/cmとなり、顕著なプラズマ照射効果を示した。また、以上のように各実施例で得られた製品フィルムは、その表面の微細構造層が破壊されて、接着剤との接着強度が大となるので、このことからメッキ性や金属蒸着性にも優れていることが理解できる。
【0055】
比較例1
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物で、融点が283℃である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押し出しし、Tダイ製膜法により膜厚が100μm、分子配向度SORが1.5のフィルムを得、これを原材料フィルムとした。そして、膜厚25μmのポリエーテルスルホンフィルムを支持フィルムとし、これの2枚の間に前記原材料フィルムを挟み込んだ構成で、ラミネート温度260℃、圧力20Kg/cm2と、ラミネート温度330℃、圧力0.5Kg/cm2の2段ラミネート加工をして、厚さ150μmのラミネート体を得た。このラミネート体を二軸延伸機を用いて、延伸温度297℃、幅方向延伸倍率4倍、長手方向延伸倍率1.5倍、延伸速度100%/分で延伸し、厚さ25μmの延伸ラミネート体を得た。この延伸ラミネート体を充分冷却した後、図2の方法により、原材料フィルム層と支持フィルム層とを引き剥がし速度0.3m/分で穏やかに引き剥がして分離し、製品フィルムを得た。このときの引き剥がし力は、引き剥がし装置では測定できない程度(50g/cm以下)に小さいものである。
【0056】
こうして得られた製品フィルムは、膜厚が17μm、分子配向度SORが1.03、フィルムの表面粗度Raは0.03μmで、優れた表面平滑性を有している。また、製品フィルムの接着剤との接着強度は、0.03Kg/cmであり、実用上接着しているとは言えない程度の弱い接着強度を示した。さらに、製品フィルムの表面にプラズマ照射したが、接着強度は0.04Kg/cmであり、プラズマ照射効果はほとんど認められなかった。
【0057】
以上のように本発明によれば、接着剤との接着性やメッキ性および金属蒸着性などに優れた熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例として、ロールを用いて約135°の引き剥がし角で原材料フィルム層と支持フィルム層を引き剥がす場合の説明図である。
【図2】同じく参考例として、90°の引き剥がし角で原材料フィルム層と支持フィルム層を引き剥がす場合の説明図である。
【図3】図1により引き剥がす場合の引き剥がし点の移動を説明する説明図である。
【図4】図2により引き剥がす場合の引き剥がし点の移動を説明する説明図である。
【図5】本発明により原材料フィルム層と支持フィルム層を引き剥がす場合の説明図である。
【符号の説明】
1…原材料フィルム層、2…支持フィルム層

Claims (2)

  1. 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマーからなる原材料フィルムと、そのポリマーの融点より高い融点を有する支持フィルムとで構成されるラミネート体を延伸し、延伸されたラミネート体を構成する原材料フィルム層と支持フィルム層とを、0.5〜20m/分の引き剥がし速度かつ70g/cm以上の引き剥がし力で引き剥がして分離し、得られた1〜3μmの表面粗度R a をもつ原材料フィルム層を製品フィルムとすることを特徴とするフィルムの製造方法。
  2. 請求項1において、延伸されたラミネート体を構成する原材料フィルム層と支持フィルム層とを、170〜180°の引き剥がし角で引き剥がして分離するフィルムの製造方法。
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