JP3833820B2 - 電磁弁の手動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体の流路を切り換えるために弁体が駆動される切換弁部と、その弁体を駆動するために電気的に制御されるアクチュエータ部とを備えた電磁弁に係る。特に詳しくは、電磁弁に設けられ、弁体を、アクチュエータ部の制御から独立して強制的に駆動するために操作される手動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、流体の流路を切り換えるために使用される電磁弁がある。実開平5−45363号公報はこの種の電磁弁の一例を開示する。図40に示すように、この電磁弁201は、スプール弁(図示しない)を往復動可能に内蔵する切換弁部202と、そのスプール弁を流体圧(パイロット圧)により間接的に動かすためのアクチュエータ部203とを有する。アクチュエータ部203は電気的に制御される一対のソレノイド(共に図示しない)を内蔵する。これらのソレノイドがそれぞれオン・オフされることにより、切換弁部202に対するパイロット圧の供給が切り換えられ、スプール弁が駆動される。これにより、電磁弁201における流体の流路が切り換えられる。
【0003】
一般に、この種の電磁弁201は、空気圧回路を含むある種の機械装置に適用される。そして、電磁弁201は、各ソレノイドが所定のシーケンスプログラム等に基づいて自動制御される。その一方で、上記機械装置の組立調整、或いは、そのメンテナンスの際には、電磁弁201をシーケンスプログラムによる制御から独立して強制的、かつ任意に駆動させる必要がある。そこで、この電磁弁201には、各ソレノイドの制御から独立してスプール弁を強制的に駆動させるために操作される手動装置204が設けられる。
【0004】
図40,41に示すように、この手動装置204は各ソレノイドに対応して設けられた一対の切換軸205,206と、各切換軸205,206の上端に係合可能に設けられたカム体207と、そのカム体207と一体回動可能に設けられた切換摘み208とを含む。カム体207はその下面にカム部207aを有する。切換摘み208は切換弁部202の上面から外部へ露出する。各切換軸205,206は、スプール弁を強制的に駆動させるために、切換弁部202に対して上下動可能に設けられる。切換摘み208を回動操作することにより、カム体207が同摘み208と一体的に回動される。このとき、カム部207aが各切換軸205,206の上端に選択的に係合して各切換軸205,206が下方へ押し下げられる。これにより、スプール弁の強制的な駆動が設定される。
【0005】
即ち、図40に示すように、切換摘み208の突起208aが中立位置PN に配置される。これにより、カム体207が両切換軸205,206を押し下げることはなく、スプール弁が強制的に駆動されることはない。図40において、切換摘み208が回動操作され、その突起208aが第1の操作位置P1 に対応して配置される。これにより、カム体207のカム部207aが一方の切換軸205のみを押し下げる。これにより、スプール弁が一方向へ強制的に駆動される。図40において、切換摘み208が回動操作され、その突起208aが第2の操作位置P2 に対応して配置される。これにより、カム体207のカム部207aが他方の切換軸206のみを押し下げる。これにより、スプール弁が上記とは反対の方向へ強制的に駆動される。各操作位置P1,P2では、切換摘み208が回動されない限り、各切換軸205,206が同じ状態で保持されることになる。つまり、各操作位置P1,P2では、各切換軸205,206の配置の状態が保持される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の手動装置204では、各切換軸205,206を動かすために、切換摘み208を回動操作しなければならない。このため、電磁弁201の外形寸法を設定するために、その幅寸法Wを切換摘み208やカム体207の回動寸法、即ち外形の最大寸法よりも大きく設定する必要がある。従って、切換摘み208の操作性を考慮して切換摘み208の外形寸法を比較的大きく設定した場合、電磁弁201の幅寸法Wを相対的に大きくしなければならず、電磁弁201が大型化することになる。一方、電磁弁201を小型化するためにその幅寸法Wを比較的小さく設定した場合、切換摘み208の外形寸法を相対的に小さくしなければならず、その操作性が犠牲になる。つまり、電磁弁201の小型化及び摘み208の操作性向上を両立させることが難しい。
【0007】
従来の手動装置204では、切換摘み208が切換弁部202の上面から上方へ突出することから、使用者が切換摘み208に不用意に触るおそれがある。このため、切換摘み208が誤って回動され、切換軸205,206が誤って作動するおそれがある。
【0008】
従来の手動装置204では、切換摘み208を操作しない限り、各切換軸205,206を動かすことができない。このため、切換摘み208が中立位置PN に配置されたときに、各切換軸205,206を切換摘み208の操作とは別に任意に操作することができない。
【0009】
従来の手動装置204では、切換摘み208の操作位置が表示されることにより、電磁弁201の作動状態が示されるものの、その摘み208の配置は一見して分かり難い傾向にある。特に多数の電磁弁201が互いに隣接して並列に配置された場合、個々の切換摘み208の配置が紛らわしいばかりでなく、操作された電磁弁201を複数の電磁弁の中から特定するのが容易でない。このため、場合によっては、使用者が切換摘み208を所定の操作位置P1,P2に一旦切り換えた後、それが中立位置PN に戻されることなく忘れられることも考えられる。
【0010】
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、電磁弁の小型化及び手動装置の操作性向上の両立を図ることを可能にした電磁弁の手動装置を提供することにある。
【0011】
この発明の第2の目的は、第1の目的に加え、手動装置の誤操作を防止することを可能にした電磁弁の手動装置を提供することにある
【0012】
この発明の第3の目的は、第2の目的に加え、操作の有無を容易に判別することを可能にした電磁弁の手動装置を提供することにある
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1に記載の第1の発明は、流体の流路を切り換えるために弁体が駆動される切換弁部と、弁体を駆動するために電気的に制御されるアクチュエータ部とを備えた電磁弁に設けられ、アクチュエータ部の制御から独立して弁体を強制的に駆動するために操作される手動装置であって、切換弁部に対して移動可能に設けられた切換部材と、その切換部材が、弁体を強制的に駆動するための作動位置と弁体の駆動をアクチュエータ部の制御に依存させるための非作動位置とに選択的に切り換え配置されることと、切換部材を覆い、同切換部材に係合可能に設けられ、切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライド可能に設けられており、切換部材の一部を外部へ露呈させるための露孔を有する操作部材と、操作部材は外部からの操作によりスライドされることにより、切換部材を作動位置に配置するための操作位置と、切換部材を非作動位置に配置するための中立位置とに選択的に配置され、中立位置に配置されたときには露孔を切換部材に整合させて切換部材の任意の操作を許容し、操作位置に配置されたときには露孔を切換部材に整合させずに切換部材の任意の操作を規制することとを備えたことを趣旨とする。
【0014】
上記第1の発明によれば、操作部材が中立位置に配置されることにより、切換部材が非作動位置に配置される。この状態で、アクチュエータ部が制御されることにより、弁体がアクチュエータ部の制御に依存して駆動され、切換弁部における流体の流路が切り換えられる。
【0015】
一方、操作部材が外部からの操作によりスライドされて操作位置に配置されることにより、切換部材が作動位置に配置される。これにより、弁体がアクチュエータ部の制御から独立して強制的に駆動され、切換弁部における流体の流路が切り換えられる。
【0016】
ここで、切換部材が操作部材に覆われることから、切換部材の外部からの操作が阻止される。切換部材を操作するために操作部材が切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライドされることから、切換弁部における操作部材の移動代を比較的大きく設定することが可能になる。加えて、操作部材を切換弁部の幅方向に移動させる必要がないことから、切換弁部の幅寸法に操作部材の移動代を加える必要がない。
【0017】
上記第1の目的を達成するために請求項2に記載の第2の発明は、流体の流路を切り換えるために弁体が駆動される切換弁部と、弁体を駆動するために電気的に制御されるアクチュエータ部とを備えた電磁弁に設けられ、アクチュエータ部の制御から独立して弁体を強制的に駆動するために操作される手動装置であって、切換弁部に対して移動可能に設けられた第1の切換部材及び第2の切換部材と、それら各切換部材が、弁体を強制的に駆動するための作動位置と弁体の駆動をアクチュエータ部の制御に依存させるための非作動位置とに選択的に切り換え配置されることと、両切換部材を覆い、同切換部材に係合可能に設けられ、切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライド可能に設けられており、第1の切換部材と第2の切換部材の一部を外部へ露呈させるための第1の露孔と第2の露孔とを有する操作部材と、操作部材は外部からの操作によりスライドされることにより、第1の切換部材を作動位置に配置すると共に第2の切換部材を非作動位置に配置するための第1の操作位置と、第1の切換部材を非作動位置に配置すると共に第2の切換部材を作動位置に配置するための第2の操作位置と、第1及び第2の切換部材を共に非作動位置に配置するための中立位置とに選択的に配置され、中立位置に配置されたときには第1及び第2の露孔とを第1及び第2の切換部材とに整合させて第1及び第2の切換部材の任意の操作を許容し、第1の操作位置又は第2の操作位置に配置されたときには第1及び第2の露孔を第1及び第2の切換部材に整合させずに第1及び第2の切換部材の任意の操作を規制することとを備えたことを趣旨とする。
【0018】
上記第2の発明によれば、操作部材が中立位置に配置されることにより、第1及び第2の切換部材が共に非作動位置に配置される。この状態で、アクチュエータ部が制御されることにより、弁体がアクチュエータ部の制御に依存して駆動され、切換弁部における流体の流路が切り換えられる。
【0019】
一方、操作部材が外部からの操作によりスライドされて第1の操作位置に配置されることにより、第1の切換部材が作動位置に配置されると共に第2の切換弁部が非作動位置に配置される。これにより、弁体がアクチュエータ部の制御から独立して強制的に駆動され、切換弁部における流体の流路が切り換えられる。
【0020】
これに対し、操作部材が外部からの操作によりスライドされて第2の操作位置に配置されることにより、第1の切換部材が非作動位置に配置されると共に第2の切換弁部が作動位置に配置される。これにより、弁体がアクチュエータ部の制御から独立して強制的に駆動され、切換弁部における流体の流路が切り換えられる。
【0021】
ここで、両切換部材が操作部材に覆われることから、両切換部材の外部からの操作が阻止される。切換部材を操作するために操作部材が切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライドされることから、切換弁部における操作部材の移動代を比較的大きく設定することが可能になる。加えて、操作部材を切換弁部の幅方向に移動させる必要がないことから、切換弁部の幅寸法に操作部材の移動代を加える必要がない。
【0022】
【0023】
上記第1及び第2の発明によれば、操作部材が中立位置に配置されることにより、露孔に切換部材が整合してその切換部材の一部が外部へ露呈することになる。従って、露孔を通じて切換部材を外部から任意に操作することが可能になり、これによって切換部材が非作動位置から作動位置へ切り換えられる。この任意の操作は、操作部材が中立位置に配置されたときにだけ許容される。
【0024】
上記第2の目的を達成するために請求項に記載の第の発明は、第1の発明又はの発明の構成において、操作部材を覆うためのカバーを更に備えたことを趣旨とする。
【0025】
上記第の発明によれば、第1の発明又はの発明の作用に加え、操作部材がカバーに覆われることから、操作部材が不用意に操作されることが阻止される。
【0026】
上記第3の目的を達成するために請求項に記載の第の発明は、第1の発明又はの発明の構成において、操作部材を覆うためのカバーを更に備え、そのカバーは、操作部材が中立位置に配置されたときに操作部材を覆う位置に配置され、操作部材が操作位置に配置されたときに操作部材に係合して覆う位置への配置が規制されることを趣旨とする。
【0027】
上記第の発明によれば、第1の発明又はの発明の作用に加え、操作部材が中立位置に配置されたとき、カバーが操作部材を覆う位置に配置される。このため、切換部材が非作動位置に配置された状態において、操作部材の操作がカバーにより規制される。一方、操作部材が操作位置に配置されたときには、カバーが操作部材に係合して上記覆う位置への配置が規制される。このため、切換部材が作動位置に配置された状態において、その状態がカバーの配置によって区別される。操作部材がカバーに覆われることにより、操作部材の不用意な操作が阻止される。個々の電磁弁につき、カバーの配置が目印となって操作部材の配置が視覚的に容易に特定される。
【0028】
上記第3の目的を達成するために請求項に記載の第の発明は、第又は第の発明の構成において、電磁弁は複数の電磁弁が互いに隣接して配置されるものであり、切換部材、操作部材及びカバーは個々の電磁弁に対して個別に設けられることを趣旨とする。
【0029】
上記第の発明によれば、第又は第の発明の作用に加え、特定の電磁弁につき、その操作部材が操作されたときに、対応するカバーの配置を、他の電磁弁のカバーの配置と異ならせる。これにより、カバーの配置が目印となり、複数の電磁弁の中で、操作部材が操作された電磁弁が視覚的に容易に特定される。
【0030】
上記第3の目的を達成するために請求項に記載の第の発明は、第又は第の発明の構成において、電磁弁は複数の電磁弁が互いに隣接して配置されるものであり、切換部材、操作部材は個々の電磁弁に対して個別に設けられ、カバーは全ての操作部材を一体的に覆うものであることを趣旨とする。
【0031】
上記第の発明によれば、第又は第の発明の作用に加え、互いに隣接して配置された複数の電磁弁につき、それらの操作部材の一つでも操作されるときに、全ての操作部材が操作されないときと比べてカバーの配置を異ならせる。例えば、カバーを、全ての操作部材が露出される位置に配置する。或いは、操作位置に配置された操作部材にカバーが係合したときには、上記の覆う位置への配置が規制される。これにより、カバーの配置の違いが目印となり、少なくとも一つの操作部材が操作されていることが視覚的に容易に認識される。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の態様)
以下、本発明に係る電磁弁の手動装置を具体化した第1の実施の形態を図1〜図25を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1,3はこの実施の形態の電磁弁1の平面図を示す。図2,4はこの電磁弁1の全体構造を示し、図2は図1のA−A線に沿った断面図であり、図4は図3のB−B線に沿った断面図である。
【0034】
図1〜図4に示すように、電磁弁1は幅寸法Wの比較的小さい箱形をなす。電磁弁1は支持レール2の上に支持される。電磁弁1は切換弁部3と、その片側に設けられたアクチュエータ部4とを備える。切換弁部3は流体(気体)の流路を切り換えるためのスプール弁5を有する。スプール弁5は本発明の弁体を構成する。図5はアクチュエータ部4の断面図を拡大して示す。図5に示すように、アクチュエータ部4はスプール弁5を駆動するために電気的に制御される一対をなす第1及び第2のソレノイド弁6,7と、両ソレノイド弁6,7に兼用されるケーシング8とを有する。切換弁部3はその上側に手動装置9を有する。
【0035】
手動装置9は、スプール弁5をアクチュエータ部4の制御から独立して強制的、かつ任意に駆動するために操作される。手動装置9は一対をなす第1及び第2の切換軸10,11、操作片12及びカバー13を備える。各切換軸10,11は本発明の切換部材を構成し、互いに平行に配列され、切換弁部3に対して垂直に配置される。各切換軸10,11は垂直方向へ往復動可能である。図2,4に示すように、第1の切換軸10は第2の切換軸11よりも短い。操作片12は本発明の操作部材を構成し、両切換軸10,11の頭部10a,11aを覆い、両頭部10a,11aに係合可能に設けられる。操作片12は切換弁部3の長手方向(長さ方向)に沿ってスライド可能に設けられる。ここで、長さ方向とは、電磁弁1の幅寸法Wの方向、即ち幅方向と直交する方向である。切換弁部3の幅方向と直交する方向には、この他にも切換弁部3の高さ方向が含まれる。カバー13は操作片12を覆うためのものであり、切換弁部3に対して回動可能に設けられる。カバー13はその回動により、後述するように操作片12を覆う位置又は操作片12に係合する位置と、図1,3に示すように操作片12を露出させる位置とに選択的に配置される。
【0036】
図1〜4に示すように、切換弁部3はスプールハウジング15と、第1及び第2のピストンハウジング16,17と、手動ケーシング18と、ポートハウジング19と、切換ハウジング20と、二つの通路ハウジング21,22とを有する。スプールハウジング15に収容されたスプール弁5はその軸線方向へ所定のストロークをもって往復動可能をなす。第1のピストンハウジング16は第1の加圧室23を含む。第2のピストンハウジング17は第2の加圧室24を含む。各加圧室23,24には、スプール弁5を駆動するためのパイロット圧がそれぞれ供給される。図4に示すように、スプールハウジング15及び第1のピストンハウジング16は第1の加圧室23に連通する第1の通路26を有する。図2に示すように、スプールハウジング15及び第2のピストンハウジング17は第2の加圧室24に連通する第2の通路27を有する。
【0037】
スプール弁5はその軸上に、互いに離れて配置された複数の弁部5aを有する。各弁部5aの外径は軸のそれよりも大きい。スプールハウジング15は給気ポート29、一対の排気ポート30,31、第1のポート32及び第2のポート33を有する。スプール弁5がその軸方向へ移動することにより、給気ポート29に供給される空気の流路が、第1のポート32と第2のポート33との間で切り換えられる。これと同時に、第1のポート32は排気ポート30と、第2のポート33は排気ポート31と連通し、供給された空気は排出される。
【0038】
スプール弁5はその両端に、同弁5を押圧するための第1のピストン34と、第2のピストン35とを備える。第1のピストン34は略円筒状をなし、スプール弁5に一体的に設けられ、第1の加圧室23に配置される。第2のピストン35は略円筒状をなし、スプール弁5と一体的に設けられ、第2の加圧室24に配置される。
【0039】
ポートハウジング19は二つのパイプ継手37,38と、給気ポート39とを有する。一方のパイプ継手37はスプールハウジング15の第1のポート32に連通し、他方のパイプ継手38は同ウジング15の第2のポート33に連通する。給気ポート39はスプールハウジング15の給気ポート29に連通する。ポートハウジング19の給気ポート39には、この電磁弁1により流路が切り換えられる圧縮空気(作動圧として使用される。)が供給される。
【0040】
図2,4に示すように、前述した二つの切換軸10,11は切換ハウジング20に設けられる。即ち、このハウジング20は垂直方向に延びて上方へ開口する一対をなす第1及び第2の軸穴40,41を含む。第1の軸穴40は第2の軸穴41よりも浅い。これら軸穴40,41には、対応する各切換軸10,11がそれぞれ組み込まれる。各切換軸10,11の頭部10a,11aは、このハウジング20から上方へ突出する。各軸穴40,41の底部には、各切換軸10,11を上方へ付勢するためのバネ42がそれぞれ設けられる。
【0041】
図2に示すように、切換ハウジング20は第1の軸穴40に連通する第4、第5及び第6の通路43,44,45を有する。第4及び第5の通路43,44は第1の軸穴40に対して互いに近接する位置に連通する。第6の通路45は第1の軸穴40の底部に連通する。第6の通路45には、圧縮空気(パイロット圧として使用される。)を供給するためのパイロット給気ポート46が連通する。
【0042】
図4に示すように、切換ハウジング20は第2の軸穴41に連通する第7及び第8の通路47,48を有する。これらの通路47,48は第2の軸穴41の底部に連通する。第6の通路45は第2の軸穴41にも連通する。図2,4に示すように、このハウジング20は作動圧用の圧縮空気を外部へ排出するための排気ポート49と、パイロット圧用の圧縮空気を外部へ排出するためのパイロット排気ポート50とを備える。上記作動圧用の排気ポート49には、スプールハウジング15の二つの排気ポート30,31が連通する。
【0043】
図2に示すように、第1の切換軸10はその軸上に二つの弁部10b,10cを有する。第1の切換軸10の上側の弁部10bは、第1の軸穴40を介して第4及び第5の通路43,44の間を開閉する。図4に示すように、第2の切換軸11はその軸上に同じく二つの弁部11b,11cを有する。第2の切換軸11の下側の弁部11cは、第2の軸穴41を介して第7及び第8の通路48,49の間を開閉する。
【0044】
図2,4,5に示すように、通路ハウジング21は第9,10,11,12の通路51,52,53,54を有する。第9の通路51は、第5の通路44に連通する。第10の通路52は第6の通路45に連通する。第11の通路53は第8の通路48に連通する。第12の通路54はパイロット排気ポート50に連通する。
【0045】
図2,4,5に示すように、別の通路ハウジング22は第1及び第2の給排気通路55,56、パイロット通路57及び排気通路58を有する。第1の給排気通路55は第9の通路51に連通する。パイロット通路57は第10の通路52に連通する。第2の給排気通路56は第11の通路53に連通する。排気通路58は第12の通路54に連通する。
【0046】
図5に示すように、第1のソレノイド弁6はソレノイド61、プランジャ62及び第1の弁体63を備える。第2のソレノイド弁7は、ソレノイド64、プランジャ65及び第2の弁体66を備える。第1の弁体63はプランジャ62に連動して移動する。同じく、第2の弁体66はプランジャ65に連動して移動する。ケーシング8は各弁体63,66にそれぞれ対応する弁座67,68を有する。両弁座67,68は共通の弁孔69を有する。ケーシング8は、各弁体63,66にそれぞれ対応する別の弁座70,71を有する。各弁座70,71はそれぞれ弁孔72,73を有する。ケーシング8はパイロット出力ポート74、パイロット給気ポート75、パイロット出力ポート76及びパイロット排気ポート77を有する。両弁座67,68に共通する弁孔69はパイロット給気ポート75を通じてパイロット通路57に連通する。別の弁座70,71の各弁孔72,73はパイロット排気ポート77を通じて排気通路58に連通する。パイロット出力ポート74及びパイロット出力ポート76はそれぞれ、給排気通路55,56に連通する。
【0047】
第1のソレノイド弁6において、ソレノイド61が励磁(オン)されることにより、第1の弁体63が弁孔69を開き、対応する二つのポート74,75が互いに連通する。これにより、パイロット給気ポート46から供給されるパイロット圧が、通路55,51,44を通じて第1の軸穴40に供給される。第2のソレノイド弁7において、ソレノイド64が励磁(オン)されることにより、第2の弁体66が弁孔69を開き、対応する二つのポート75,76が互いに連通する。これにより、パイロット給気ポート46から供給されるパイロット圧が、通路56,53,48を通じて第2の軸穴41に供給される。第1及び第2のソレノイド弁6,7は所定のコントローラ(図示しない)により、所定のシーケンスプログラムに基づいてオン・オフ制御される。
【0048】
図1〜4に示すように、手動装置9は手動ケーシング18を含む。各切換軸10,11の頭部10a,11aはこのケーシング18を貫通してその上面から上方へ突出する。
【0049】
図2では、第1の切換軸10がバネ42の付勢力に基づいて上方へ押し上げられる。この状態では、上側の弁部10bにより、通路43と通路44との間が開かれる。下側の弁部10cが通路45の上側に配置され、その通路45と通路43との間が閉じられる。この場合、第1のソレノイド弁6に対応するパイロット出力ポート74が、通路55,51,44、軸穴40及び通路43,27を介して第2の加圧室24に連通する。このため、給気ポート46から通路45に導入される圧縮空気が、パイロット圧として、通路52,57、パイロット給気ポート75及び第1のソレノイド弁6を介して第2の加圧室24に導入される。このとき、第1のソレノイド弁6が開かれることにより、第2の加圧室24にパイロット圧が供給される。これにより、スプール弁5が第2のピストン35により押圧されて、図2に示すように下方へ移動する。第1のソレノイド弁6が閉じられることにより、第2の加圧室24へのパイロット圧の供給が遮断される。この場合、第1の切換軸10の配置によってスプール弁5が強制的に駆動されることはなく、スプール弁5の駆動は第1のソレノイド弁6の制御に依存することになる。以下の説明において、図2に示す第1の切換軸10の配置を、同軸10の「非作動位置」と定義する。
【0050】
図14は図2に準ずる電磁弁1の断面図を示す。図14では、第1の切換軸10がバネ42の付勢力に抗して軸穴40の底部へ押し下げらる。この状態では、上側弁部10bにより、通路43と通路44との間が閉じられる。下側の弁部10cが通路45の下側に配置され、通路45と通路43との間が軸穴40を介して開かれる。この場合、パイロット給気ポート46が、第1のソレノイド弁6を介することなく、通路45、軸穴40、通路43及び第2の通路27を通じて直接的に第2の加圧室24に連通する。このため、パイロット給気ポート46から通路45に導入される圧縮空気は、パイロット圧として、第2の加圧室24に直接的かつ強制的に導入される。このとき、第1のソレノイド弁6が制御により選択的に開閉されることに拘わらず、第2の加圧室24にはパイロット圧が常時供給される。これにより、スプール弁5が第2のピストン35により押圧され、図14に示すように下方へ移動する。つまり、スプール弁5は第1のソレノイド弁6の開閉に拘わらず強制的に動かされることになる。この場合、第1の切換軸10の配置によって、スプール弁5が強制的に駆動されることになる。以下の説明において、図14に示す第1の切換軸10の配置を、同軸10の「作動位置」と定義する。
【0051】
図4では、第2の切換軸11がバネ42の付勢力に基づいて上方へ押し上げられる。この状態では、下側の弁部11cにより、通路47と通路48との間が開かれ、通路45と通路47との間が閉じられる。上側の弁部11bは通路45の上側に配置されて外部への圧力の洩れを防ぐ。この場合、第2のソレノイド弁7に対応するパイロット出力ポート76が、通路56,53,48、軸穴41及び通路47を介して第1の加圧室23に連通する。このため、パイロット給気ポート46から通路45に導入される圧縮空気は、パイロット圧として、通路52,57、パイロット給気ポート75及び第2のソレノイド弁7を介して第1の加圧室23に導入される。この場合、第2のソレノイド弁7が開かれることにより、第1の加圧室23にパイロット圧が供給される。これにより、スプール弁5が第1のピストン34により押圧され、図4に示すように上方へ移動する。第2のソレノイド弁7が閉じられることにより、第1の加圧室23へのパイロット圧の供給が遮断される。この場合、第2の切換軸11の配置によってスプール弁5が強制的に駆動されることはなく、スプール弁5の駆動は第2のソレノイド弁7の制御に依存することになる。以下の説明において、図4に示す第2の切換軸11の配置を、同軸11の「非作動位置」と定義する。
【0052】
図20は図4に準ずる電磁弁1の断面図を示す。図20では、第2の切換軸11がバネ42の付勢力に抗して軸穴41の底部へ押し下げられる。この状態では、下側の弁部11cにより、通路47と通路48との間が閉じられ、通路45と通路47との間が開かれる。この場合、パイロット給気ポート46が第2のソレノイド弁7を介することなく、通路45、軸穴41及び通路47,26を介して直接的に第1の加圧室23に連通する。このため、給気ポート46から通路45に導入される圧縮空気は、パイロット圧として、第1の加圧室23に直接的かつ強制的に導入される。このとき、第2のソレノイド弁7の開閉に拘わらず、第1の加圧室23にパイロット圧が常時供給される。これにより、スプール弁5が第1のピストン34により押圧され、図20に示すように上方へ移動する。つまり、スプール弁5は第2のソレノイド弁7の開閉に拘わらず強制的に動かされることになる。この場合、第2の切換軸11の配置によって、スプール弁5が強制的に駆動されることになる。以下の説明において、図20に示す第2の切換軸11の配置を、同軸11の「作動位置」と定義する。
【0053】
図6は手動装置9を示す分解斜視図である。図7は操作片12の底面側を示す斜視図である。図8は操作片12を示す底面図である。ケーシング18はその上側に凹所85を有する。この凹所85はケーシング18の片方へ開口する。操作片12とカバー13はこの凹所85に取り付けられる。即ち、凹所85はケーシング18の長さ方向へ互いに平行に延びる一対の案内溝86を有する。凹所85は、その開口端と反対の位置(以下「凹所85の奥」と称する。)において、その底壁に複数の凹み87を有する。これら凹み87は凹所85の長さ方向における中心線に沿って等間隔に配列される。
【0054】
操作片12は板状をなし、その両側に互いに平行に延びる一対の案内レール88を有する。これら案内レール88が案内溝86に嵌め込まれることにより、操作片12が凹所85に支持される。操作片12は一対の露孔89,90を有する。これら露孔89,90は各切換軸10,11の頭部10a,11aに整合可能に配置される。これら露孔89,90の内径は各頭部10a,11aの外径よりも小さい。従って、頭部10a,11aが露孔89,90に整合したとき、それらは露孔89,90から上方へ突出することはない。操作片12はその上面に断面鋸刃状をなす滑り止め91を有する。図7,8に示すように、操作片12はその底面に一対をなす第1及び第2の凹部92,93を有する。これら凹部92,93は各露孔89,90にそれぞれ対応し、操作片12の移動方向に沿って平行に延びる。各露孔89,90は、対応する凹部92,93の中央に位置する。各凹部92,93には、各切換軸10,11の頭部10a,11aが配置される。第1の切換軸10に対応する第1の凹部92は、その一端に斜面92aを有する。第2の切換軸11に対応する第2の凹部93は、第1の凹部92とは逆の端に、同じく斜面93aを有する。操作片12はその底面の先端に、前述した各凹み87に係合可能な突起94を有する。操作片12の先端部は凹所85の奥に対応し、操作片12の基端部は凹所85の開口に対応する。
【0055】
カバー13は板状をなし、その外形は凹所85のそれに整合する。カバー13はその基端両側に、一対の支軸13aを有する。カバー13はその先端両側に、一対の突起13bを有する。カバー13は、その基端部及び先端部にそれぞれリブ13c,13dを有する。
【0056】
凹所85の開口には、ストッパ95が装着される。ストッパ95は操作片12の脱落を防止する。ストッパ95は板状をなし、その両側に互いに平行に延びる一対の側壁95a及び一対のレール95bを有する。各側壁95aは、一方へ開口される軸受溝95cを有する。各軸受溝95cはカバー13の支軸13aに対応する。操作片12が凹所85に装着された状態において、凹所85の案内溝86にストッパ95のレール95bが嵌め込まれることにより、ストッパ95が凹所85に装着される。このとき、ストッパ95の軸受溝95cには、カバー13の支軸13aが嵌め込まれる。従って、カバー13と共にストッパ95を凹所85に装着することにより、操作片12の脱落が防止される。併せて、カバー13がケーシング18に対して回動可能に支持される。
【0057】
従って、操作片12の滑り止め91に使用者が指を当てて水平方向へ力を加えることにより、操作片12が案内溝86に沿って凹所85をその長さ方向、即ち切換弁部3の長さ方向に沿ってスライドする。このスライドにともない、操作片12が中立位置と、第1の操作位置と、第2の操作位置とに選択的に配置される。ここで、操作片12の中立位置とは、図1〜4に示すように両切換軸10,11を非作動位置に配置するための位置である。この中立位置では、凹所85の奥と操作片12の先端部との間、並びにストッパ95と操作片12の基端部との間にある程度の隙間が生じる。操作片12の第1の操作位置とは、図13,14に示すように第1の切換軸10を作動位置に配置するとともに第2の切換軸11を非作動位置に配置するための位置である。この第1の操作位置では、凹所85の奥と操作片12の先端部との間の隙間がほとんど無くなり、ストッパ95と操作片12の基端部との間の隙間が中立位置でのそれよりも大きくなる。操作片12の第2の操作位置とは、図19,20に示すように第1の切換軸10を非作動位置に配置すると共に第2の切換軸11を作動位置に配置するための位置である。この第2の操作位置では、凹所85の奥と操作片12の先端部との間の隙間が中立位置でのそれよりも大きくなり、ストッパ95と操作片12の基端部との間の隙間がほとんど無くなる。
【0058】
カバー13をその支軸13aを中心に回動させることにより、カバー13が全開位置と、半開位置と、半閉位置と、全閉位置とに選択的に配置される。ここで、全開位置とは、図2,4,14,20に実線及び二点鎖線で示すように、カバー13が操作片12を完全に露出させる位置である。半開位置とは、図18に示すように、カバー13の基端部のリブ13cが操作片12に係合して操作片12をやや露出させる位置である。半閉位置とは、図24に示すように、カバー13の先端部のリブ13dが操作片12に係合して操作片12をほぼ覆う位置である。全閉位置とは、図12に示すように、カバー13の各リブ13c,13dが操作片12に係合することなく操作片12を完全に覆う位置である。この全閉位置では、操作片12の先端部と凹所85の奥との間の隙間、操作片12の基端部とストッパ95との間の隙間のそれぞれにカバー13のリブ13c,13dが入り込み、それらが互いに干渉することはない。
【0059】
以上説明したように、この実施の形態の電磁弁1及び手動装置9によれば、次のような作用及び効果が得られる。
【0060】
図1〜4に示すように、操作片12が中立位置に配置された状態では、両切換軸10,11が非作動位置に配置される。この状態で、各ソレノイド弁6,7が所定のシーケンスプログラムに従って電気的にオン・オフ制御される。これにより、第1及び第2の加圧室23,24に対するパイロット圧の供給が制御される。この結果、スプール弁5が駆動・停止され、切換弁部3における気体の流路、即ち各ポート29〜33の間の空気の流れが、シーケンスプログラムに従って切りる。このように、操作片12が中立位置に配置されると、スプール弁5はアクチュエータ部4の制御に依存して駆動される。
【0061】
図9は手動ケーシング18の凹所85において操作片12が中立位置に配置された状態を拡大して示す平断面図である。図10は第1の切換軸10を中心に示す縦断面図である。図11は第2の切換軸11を中心に示す縦断面図である。図12は第1の切換軸10を中心に示す縦断面図であって、操作片12とカバー13との関係を特に示す。
【0062】
図9〜図11に示すように、中立位置における操作片12は、その底面の突起94が凹所85の一つの凹み87に係合し、同位置での操作片12の配置が保持される。このため、多少の振動によっては、操作片12が中立位置から移動することはない。
【0063】
この実施の形態によれば、操作片12が各切換軸10,11の頭部10a,11aを外部へ露呈させる(現す)ための露孔89,90を有する。そして、各露孔89,90は、操作片12が中立位置に配置されたときにだけ、対応する各切換軸10,11と整合する。従って、操作片12が中立位置に配置されたときには、非作動位置に配置された各切換軸10,11の頭部10a,11aが対応する露孔89,90から現れる。このため、各切換軸10,11は、対応する各露孔89,90を通じて外部から任意に操作可能となり、各切換軸10,11を非作動位置から作動位置へ切り換えることが可能になる。即ち、各切換軸10,11に係る任意の操作は、操作片12が中立位置に配置され、両切換軸10,11が共に非作動位置に配置されたときにだけ許容される。換言すると、両切換軸10,11が共に非作動位置に配置されるときには、それらの配置がロックされることはなく、それらを任意に操作することが可能になる。つまり、各切換軸10,11はノンロック状態で操作可能となる。この意味で、手動装置9としての操作性を向上させることができる。ここで、各露孔89,90の内径は各頭部10a,11aの外径より小さいことから、各頭部10a,11aが各露孔89,90から上方へ突出することはない。このため、各頭部10a,11aが各露孔89,90から現れるものの、各切換軸10,11が誤って操作されることはない。
【0064】
この実施の形態では、上記のような操作が、カバー13が全開位置に配置されたときに許容される。これに対し、図12に示すように、操作片12が中立位置に配置されたときには、カバー13が操作片12を完全に覆う全閉位置に配置される。このため、両切換軸10,11が非作動位置に配置された状態で、操作片12がカバー13により完全に覆われることから、操作片12が外部から不用意に操作されることがない。このため、カバー13が全閉位置に配置されたときに、操作片12が誤操作されて電磁弁1が誤作動を起こすことを確実に防止することができる。
【0065】
この実施の形態では、カバー13が全閉位置に配置されたときに、カバー13の先端部の突起13bが凹所85の内壁と係合することにより、カバー13の移動がある程度規制される。このため、カバー13が全閉位置に配置された状態で、電磁弁1の振動などに伴ってカバー13ががたついたり、独りでに開いたりすることがない。その意味で、カバー13の振動騒音や操作片12の誤操作を防止することができる。
【0066】
図13,14に示すように、操作片12が第1の操作位置に配置されると、第1の切換軸10が作動位置に配置されると共に第2の切換軸11が非作動位置に配置される。図13,14に関連して示す図15〜図18は、図9〜図12の図面に準ずる。
【0067】
図15〜図17に示すように、操作片12が中立位置からスライドされて第1の操作位置に配置されると、操作片12と各切換軸10,11との相対的な位置が変わる。このとき、第1の切換軸10は、その頭部10aが操作片12の第1の凹部92に沿って相対的に移動する過程で斜面92aにより下方へ押し下げられる。これにより、図16に示すように、第1の切換軸10が作動位置に配置される。これに対し、第2の切換軸11は、その頭部11aが下方へ押し下げられることなく第2の凹部93に沿って相対的に移動する。これにより、図17に示すように、第2の切換軸11が非作動位置に保持される。第1の操作位置における操作片12は、その突起94が凹所85の一つの凹み87に係合して同位置で保持される。このため、多少の振動によっては、操作片12が第1の操作位置から独りでに移動することはない。
【0068】
この実施の形態では、操作片12が第1の操作位置に配置されたときには、各切換軸10,11が各露孔89,90に整合してその露孔89,90から現れることはない。このため、各切換軸10,11が各露孔89,90を通じて外部から操作されることはない。つまり、各切換軸10,11に係る任意の操作は、操作片12が第1の操作位置に配置されたときには規制され、各切換軸10,11はロックされた状態で保持される。
【0069】
この実施の形態では、上記のような操作が、カバー13が全開位置に配置されたときに許容される。これに対し、図18に示すように、操作片12が第1の操作位置に配置されたときには、カバー13の基端部のリブ13cが操作片12に係合し、カバー13が操作片12をほぼ覆う半開位置に配置される。このため、各切換軸10,11が作動位置、非作動位置にそれぞれ配置された状態で、操作片12がカバー13によりほぼ覆われることから、操作片12が外部から不用意に操作されるおそれがない。このため、カバー13が半開位置に配置されたときに、操作片12が誤操作されて電磁弁1が誤作動を起こすことを防止することができる。或いは、操作片12が第1の操作位置に配置されたまま放置されることを防ぐことができる。
【0070】
図19,20に示すように、操作片12が第2の操作位置に配置されると、第1の切換軸10が非作動位置に配置されると共に第2の切換軸11が作動位置に配置される。図19,20に関連して示す図21〜図24は、図9〜図12の図面に準ずる。
【0071】
図21〜図23に示すように、操作片12が中立位置からスライドされて第2の操作位置に配置されると、操作片12と各切換軸10,11との相対的な位置が変わる。このとき、第2の切換軸11は、その頭部11aが操作片12の第2の凹部93に沿って相対的に移動する過程で斜面93aにより下方へ押し下げられる。これにより、図23に示すように、第2の切換軸11が作動位置に配置される。これに対し、第1の切換軸10は、その頭部10aが下方へ押し下げられることなく第1の凹部92に沿って相対的に移動する。これにより、図22に示すように、第1の切換軸10が非作動位置に保持される。第2の操作位置における操作片12は、その突起94が凹所85の一つの凹み87に係合して同位置で保持される。このため、多少の振動によっては、操作片12が第2の操作位置から独りでに移動することはない。
【0072】
この実施の形態では、操作片12が第2の操作位置に配置されたときには、各切換軸10,11が各露孔89,90に整合してその各露孔89,90から現れることはない。このため、各切換軸10,11が各露孔89,90を通じて外部から操作されることはない。つまり、各切換軸10,11に係る任意の操作は、操作片12が第2の操作位置に配置されたときには規制され、各切換軸10,11はロックされた状態で保持される。
【0073】
この実施の形態では、上記のような操作が、カバー13が全開位置に配置されたときに許容される。これに対し、図24に示すように、操作片12が第2の操作位置に配置されたときには、カバー13の先端部のリブ13dが操作片12に係合し、カバー13が操作片12をほぼ覆う半閉位置に配置される。このため、各切換軸10,11が作動位置、非作動位置にそれぞれ配置された状態で、操作片12がカバー13によりほぼ全閉位置に近い状態で覆われることから、操作片12が外部から不用意に操作されることはない。このため、カバー13が半閉位置に配置されたときに、操作片12が誤操作されて電磁弁1が誤作動を起こすことを防止することができる。或いは、操作片12が第2の操作位置に配置されたまま放置されることを防ぐことができる。即ち、操作片12の、中立位置への戻し忘れを未然に防止することができる。
【0074】
この実施の形態によれば、操作片12が中立位置に配置されたときには、カバー13を全閉位置に配置することができる。操作片12が第1の操作位置に配置されたときには、カバー13を半開位置に配置することができる。操作片12が第2の操作位置に配置されたときには、カバー13を半閉位置に配置することができる。更には、操作片12を操作するときには、カバー13が全開位置に配置される。このため、操作片12の配置、延いては、各切換軸10,11の配置状態がカバー13の配置の違いによって区別される。そして、一つの電磁弁1につき、カバー13の配置の違いが目印となって操作片12等の配置が視覚的に容易に特定される。この意味からも、手動装置9の誤操作防止と操作性向上とを図ることができ、延いては、電磁弁1の誤作動を防止することができる。
【0075】
この実施の形態では、一つの操作片12をスライド操作することにより二つの切換軸10,11を同時に切り換える。この意味で、手動装置9に係る操作性を向上させることができる。
【0076】
この実施の形態では、操作片12を操作するために、その操作片12を手動ケーシング18の長さ方向に沿ってスライドさせる。このため、手動ケーシング18における操作片12の移動代、即ち移動ストロークを比較的大きく設定することが可能になる。このため、二つの切換軸10,11を有効に作動させるために、操作片12を余裕をもって操作することができる。この意味で、操作片12の操作性が良好である。
【0077】
この実施の形態では、操作片12を手動ケーシング18の幅寸法Wの方向に移動させる必要がない。従って、ケーシング18の幅寸法Wを極力小さく設定するために、操作片12の移動ストロークを制限する必要がない。このため、電磁弁1の外形寸法を設定するのに、操作片12の移動ストロークをある程度確保した上で、電磁弁1の幅寸法Wを操作片12の移動ストロークよりも小さくすることができる。従って、操作片12の操作性を高めながら、電磁弁1の薄型化を図ることができる。つまり、この実施の形態によれば、電磁弁1の小型化と手動装置9の操作性向上との両立を図ることができる。
【0078】
この実施の形態の電磁弁1は、単独で使用される場合以外に、図25に示すように、多数の電磁弁1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1Hが支持レール2上に並列に配置され、一対の保持ハウジング96,97により保持された状態で使用される場合がある。この場合、個々の電磁弁1A〜1Hのそれぞれが個別に各切換軸10,11、操作片12及びカバー13を備える。
【0079】
ここで、図25に示すように、ある特定の電磁弁1F,1Gにつき、それらの操作片12を操作するために、カバー13が全開位置に配置されたとする。このとき、それら電磁弁1F,1Gのカバー13は、他の電磁弁1A〜1E,1Hのカバー13の配置と異なる状態になる。このため、それら電磁弁1F,1Gのカバー13に係る他と異なる配置が目印となり、多数の電磁弁1A〜1Hの中で、操作片12が操作された電磁弁1F,1Gが視覚的に容易に特定される。つまり、多数の電磁弁1A〜1Hの中では、一見しただけでは操作片12が操作されたか否かが分かり難い特定の電磁弁1F,1Gにつき、それらのカバー13の配置の違いによって操作の有無が明らかに表示され、区別される。この意味で、多数の電磁弁1A〜1Hを並列使用する場合において、操作片12が操作された電磁弁1F,1Gを容易に判別することができ、延いては、手動装置9の操作性を向上させることができる。
【0080】
(第2の実施の態様)
この発明に係る電磁弁の手動装置を具体化した第2の実施の形態を図26〜図29に従って説明する。尚、この実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明を省略する。従って、以下には主に第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0081】
図26はこの実施の形態の手動装置101を示す断面図である。この手動装置101は本発明の切換部材としての一対の切換軸10,11と、操作部材としての操作片102と、その操作片102を覆うためのカバー(図示しない)とを備える。この実施の形態では、二つの切換軸10,11が手動ケーシング18の長さ方向に沿って配列される。その配列に対応して操作片102の形状が決定される。従って、操作片102は、前述した操作片12と同様に、露孔89,90、凹部92,93等を有するが、それらの配置は各切換軸10,11の配列に対応して決定される。これらの点で、本実施の形態は前記第1の実施の形態と異なる。
【0082】
図27は操作片102の平面図を示し、図28は操作片102の底面図を示す。図29は操作片102の底面側を示す斜視図である。図27〜図29に示すように、両露孔89,90は操作片102の長さ方向に沿って配列される。同様に、両凹部92,93は操作片102の長さ方向に沿って直列に配置される。
【0083】
この実施の形態によれば、図26に示す操作片102の位置がその中立位置となる。この状態では、両切換軸10,11がそれぞれ非作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は第1の実施の態様のそれと同じである。
【0084】
図26において、操作片102が中立位置から左方へスライドされることにより、操作片102が第1の操作位置に配置される。これにより、各切換軸10,11が対応する凹部92,93に沿って相対的に移動し、第1の切換軸10の頭部10aのみが斜面92aによって押し下げられる。この結果、第1の切換軸10が作動位置に配置されると共に第2の切換軸11が非作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は、第1の実施の態様のそれと同じである。
【0085】
図26において、操作片102が中立位置から右方へスライドされることにより、操作片102が第2の操作位置に配置される。これにより、各切換軸10,11が対応する凹部92,93に沿って相対的に移動し、第2の切換軸11の頭部11aのみが斜面93aによって押し下げられる。この結果、第1の切換軸10が非作動位置に配置されると共に第2の切換軸11が作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は、第1の実施の態様のそれと同じである。
【0086】
この実施の形態では、各切換軸10,11が手動ケーシング18の長さ方向に沿って配列され、それに対応して操作片102の形状が決定される。このため、電磁弁1の幅寸法Wを第1の実施の形態のそれよりも小さくすることができる。この実施の形態のその他の作用及び効果については、前記第1の実施の形態のそれに準ずる。
【0087】
(第3の実施の態様)
この発明に係る電磁弁の手動装置を具体化した第3の実施の形態を図30〜図33に従って説明する。尚、この実施の形態において、前記第2の実施の形態と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明を省略する。従って、以下には主に第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0088】
図30はこの実施の形態の手動装置111の断面図を示す。手動装置111は本発明の切換部材としての一対の切換軸10,11と、操作部材としての操作片112と、その操作片112を覆うためのカバー(図示しない)とを備える。この実施の形態では、二つの切換軸10,11が手動ケーシング18の長さ方向に沿って配列される。その配列に対応して操作片112の形状が決定される。操作片112は二つの露孔89,90を内包する共通する一つの凹部113を有する点で、前記第2の実施の形態の操作片102と異なる。
【0089】
図31,32,33は前述した図27〜図29の図面に準ずる。凹部113は操作片112の長さ方向に沿って延びる。二つの露孔89,90は凹部113の長さ方向に沿って配列される。凹部113はその両端にそれぞれ斜面113a,113bを含む。
【0090】
この実施の形態によれば、図30に示す操作片112の位置がその中立位置となる。この状態では、両切換軸10,11がそれぞれ非作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は第1の実施の態様のそれと同じである。
【0091】
図30において、操作片112が中立位置から右方へスライドされることにより、操作片112が第1の操作位置に配置される。これにより、各切換軸10,11が凹部113に沿って相対的に移動し、第1の切換軸10の頭部10aのみが斜面113aによって押し下げられる。この結果、第1の切換軸10が作動位置に配置されると共に第2の切換軸11が非作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は第1の実施の態様のそれと同じである。
【0092】
図30において、操作片112が中立位置から左方へスライドされることにより、操作片112が第2の操作位置に配置される。これにより、各切換軸10,11が凹部113に沿って相対的に移動し、第2の切換軸11の頭部11aのみが斜面113bによって押し下げられる。この結果、第1の切換軸10が非作動位置に配置されると共に第2の切換軸11が作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は第1の実施の態様のそれと同じである。
【0093】
この実施の形態では、各切換軸10,11が手動ケーシング18の長さ方向に沿って配列され、それに対応して操作片112の形状が決定される。このため、電磁弁1の幅寸法Wを第1の実施の形態のそれよりも小さくすることができる。更に、露孔89,90が一つの凹部113に配列されるとともに、その凹部113の両端に斜面113a,113bが設けられる。このため、操作片112の長さを操作片102のそれよりも小さくすることができ、手動ケーシング18における凹所85の長さをより小さくすることができる。この意味で、手動装置111を第2の実施の形態の手動装置101よりも小さくすることができる。この実施の形態のその他の作用及び効果については、前記第2の実施の形態のそれに準ずる。
【0094】
(第4の実施の態様)
この発明に係る電磁弁の手動装置を具体化した第4の実施の形態を図34〜図37に従って説明する。尚、この実施の形態において、前記各実施の形態と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明を省略する。従って、以下には主に前記各実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0095】
図34はこの実施の形態の手動装置121を示す断面図である。手動装置121は本発明の切換部材としての一つの切換軸10と、操作部材としての操作片122と、その操作片122を覆うためのカバー(図示しない)とを備える。この実施の形態では、一つの切換軸10が手動ケーシング18の凹所85の中に配置される。その配置に対応して操作片122の形状が決定される。操作片122は一つの露孔123を内包する一つの凹部124を有する点で前記各実施の形態の操作片12,102,112と異なる。
【0096】
図35,36,37は前述した図27〜図29の図面に準ずる。凹部124は操作片122の長さ方向に沿って延びる。一つの露孔123は凹部124の中央に配置される。凹部124はその一端に斜面124aを含む。
【0097】
この実施の形態によれば、図34に示す操作片122の位置がその中立位置となる。この状態では、切換軸10が非作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は第1の実施の態様のそれに準ずる。
【0098】
図34において、操作片122が中立位置から左方へスライドされることにより、操作片122が第1の操作位置に配置される。これにより、切換軸10が凹部124に沿って相対的に移動し、第1の切換軸10の頭部10aが斜面124aによって押し下げられる。この結果、第1の切換軸10が作動位置に配置される。この場合の電磁弁1の動作は第1の実施の態様のそれに準ずる。
【0099】
この実施の形態では、一つの切換軸10が手動ケーシング18の凹所85に配置され、それに対応して操作片122の形状が決定される。このため、電磁弁1の幅寸法Wを第1の実施の形態のそれよりも小さくすることができる。この実施の形態のその他の作用及び効果については、前記第1の実施の形態のそれに準ずる。
【0100】
(第5の実施の態様)
この発明に係る電磁弁の手動装置を具体化した第5の実施の形態を図38,39に従って説明する。
前記第1の実施の形態では、図25において、多数の電磁弁1A〜1Hが互いに隣接して配置され、それら個々の電磁弁1A〜1Hのそれぞれ個別に各切換軸10,11、操作片12及びカバー13が設けられた場合を説明した。これに対し、図38,39に示すように、複数の電磁弁1A〜1Hが互いに隣接して配置され、それら個々の電磁弁1A〜1Hのそれぞれに個別に各切換軸、操作片12が設けられ、それら全ての操作片12が一体カバー100により一体的に覆われるようにしてもよい。
【0101】
この場合、図39に示すように、複数の電磁弁1A〜1Hにつき、それらの操作片12の少なくとも一つを操作するために一体カバー100が全開位置に配置されたとする。或いは、少なくとも一つの操作片12が第1又は第2の操作位置に配置されたときに、一体カバー100がその操作片12に係合して半開位置又は半閉位置に配置されたとする。このとき、一体カバー100の配置の違いが目印となり、少なくとも一つの操作片12が操作されていることが視覚的に容易に認識される。従って、この認識の上で、複数の操作片12の位置の違いを改めて視覚的に確認することにより、操作された操作片12を特定することができる。このため、多数の電磁弁1A〜1Hの中で、操作片12に関する操作の有無を、一体カバー100の配置によって容易に判別することができ、手動装置9の操作性を向上させることができる。更には、操作片12が各操作位置に配置されたまま放置されることを防止することができる。
【0102】
尚、この発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において次のように実施することもできる。
【0103】
(1)前記各実施の形態では、切換弁部3の片側のみに一つのアクチュエータ部4を配置した電磁弁1に具体化した。これに対し、切換弁部の両側に一対のアクチュエータ部を配置した電磁弁に具体化してもよい。
【0104】
(2)前記各実施の形態では、切換弁部3の長さ方向に沿って操作片12をスライド可能に設けたが、切換弁部3の幅方向と直交する方向であればよく、操作片を切換弁部の高さ方向に沿ってスライド可能に設けてもよい。
【0105】
【発明の効果】
請求項1に記載の第1の発明によれば、電磁弁の弁体を強制的に駆動するための作動位置と、その弁体の駆動をアクチュエータ部の制御に依存させるための非作動位置とに配置される切換部材を設ける。その切換部材を作動位置に配置するための操作位置と、非作動位置に配置するための中立位置とに、スライド操作によって配置される操作部材を設ける。そして、その操作部材を切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライド可能に設けている。
【0106】
従って、操作部材が切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライドされることから、切換弁部における操作部材の移動代を比較的大きくすることが可能になり、切換弁部の幅寸法を設定するために操作部材の移動代を考慮する必要がない。このため、電磁弁の幅寸法を小さくしてその小型化を図ることができ、併せて手動装置を比較的大きめに設定してその操作性の向上を図ることができるという効果を発揮する。
【0107】
請求項2に記載の第2の発明によれば、電磁弁の弁体を強制的に駆動するための作動位置と、その弁体の駆動をアクチュエータ部の制御に依存させるための非作動位置とに配置される第1及び第2の切換部材を設ける。第1の切換部材を作動位置に配置すると共に第2の切換部材を非作動位置に配置するための第1の操作位置と、第1の切換部材を非作動位置に配置すると共に第2の切換部材を作動位置に配置するための第2の操作位置と、両切換軸を共に非作動位置に配置するための中立位置とに、スライド操作によって配置される操作部材を設ける。そして、その操作部材を切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライド可能に設けている。
【0108】
従って、操作部材が切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライドされることから、切換弁部における操作部材の移動代を比較的大きく設定することが可能になり、切換弁部の幅寸法において操作部材の移動代を含ませる必要がない。このため、電磁弁の幅寸法を小さくしてその小型化を図ることができ、併せて手動装置を比較的大きめに設定してその操作性の向上を図ることができるという効果を発揮する。
【0109】
請求項1及び2に記載の第1及び第2の発明によれば、操作部材に露孔を設け、操作部材が中立位置に配置されたときにだけ切換部材を露孔に整合させるようにしている。従って、操作部材が中立位置に配置されたときだけ、切換部材を、外部から露孔を通じて非作動位置から作動位置へ切り換えることが可能になる。この意味で、手動装置の操作性を一層向上させることができるという効果を発揮する。
【0110】
請求項に記載の第の発明の構成によれば、第1の発明又はの発明の構成において、操作部材を覆うためのカバーを設ける。従って、第1の発明又はの発明の作用及び効果に加え、操作部材がカバーに覆われることから、操作部材の不用意な操作が阻止される。この結果、手動装置の誤操作を防止することができ、これによって電磁弁の誤作動の発生を防止することができるという効果を発揮する。
【0111】
請求項に記載の第の発明は、第1の発明又はの発明の構成において、操作部材を覆うためのカバーを、中立位置における操作部材を覆う位置と、操作位置における操作部材に係合する位置とに配置可能に設ける。
【0112】
従って、第1の発明又はの発明の作用及び効果に加え、操作部材が中立位置に配置されたときには、操作部材の操作がカバーにより規制され、操作部材の不用意な操作が規制される。操作部材が操作位置に配置されたときには、操作部材の配置の状態がカバーの配置によって区別される。このため、操作部材の操作の有無をカバーの配置によって容易に判別することができ、操作部材が操作位置に配置されたまま放置されるということを防止することができるという効果を発揮する。
【0113】
請求項に記載の第の発明は、第又は第の発明の構成において、複数の電磁弁を互いに隣接して配置し、切換部材、操作部材及びカバーを個々の電磁弁に対して個別に設けている。従って、第又は第の発明の作用及び効果に加え、特定の電磁弁につき、その操作部材が操作されたときには、対応するカバーの配置を他のカバーのそれと異ならせることにより、カバーの配置が目印となり、その電磁弁が視覚的に容易に特定される。このため、複数の電磁弁の中で、操作部材に関する操作の有無をカバーの配置によって容易に判別することができ、延いては、手動装置の操作性を向上させることができるという効果を発揮する。
【0114】
請求項に記載の第の発明は、第又は第の発明の構成において、複数の電磁弁を互いに隣接して配置し、切換部材、操作部材を個々の電磁弁に対して個別に設け、カバーにより全ての操作部材を一体的に覆うようにしている。従って、第又は第の発明の作用及び効果に加え、何れかの操作部材が操作されるときに、全操作部材がカバーに覆われる場合と異なりカバーの配置を変えることにより、その配置の違いが目印となり、何れかの操作部材が操作されていることが容易に認識される。このため、複数の電磁弁の中で、操作部材に関する操作の有無をカバーの配置によって容易に判別することができ、延いては、手動装置の操作性を向上させることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁弁の手動装置を具体化した第1の実施の形態に係り、操作片が中立位置に配置されたときの電磁弁を示す平面図である。
【図2】 第1の実施の形態に係り、図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】 第1の実施の形態に係り、操作片が中立位置に配置されたときの電磁弁を示す平面図である。
【図4】 第1の実施の形態に係り、図3のB−B線に沿った断面図である。
【図5】 第1の実施の形態に係り、アクチュエータ部の構造を示す縦断面図である。
【図6】 第1の実施の形態に係り、手動装置を示す分解斜視図である。
【図7】 第1の実施の形態に係り、操作片の底面側を示す斜視図である。
【図8】 第1の実施の形態に係り、操作片を示す底面図である。
【図9】 第1の実施の形態に係り、操作片が中立位置に配置されたときの手動装置を示す平断面図である。
【図10】 第1の実施の形態に係り、同じく中立位置に配置されたときの第1の切換軸を示す手動装置の縦断面図である。
【図11】 第1の実施の形態に係り、同じく中立位置に配置されたときの第2の切換軸を示す手動装置の縦断面図である。
【図12】 第1の実施の形態に係り、同じく中立位置に配置されたときのカバーの配置を示す手動装置の縦断面図である。
【図13】 第1の実施の形態に係り、操作片が第1の操作位置に配置されたときの電磁弁を示す平面図である。
【図14】 第1の実施の形態に係り、図13における図2に準ずる断面図である。
【図15】 第1の実施の形態に係り、操作片が第1の操作位置に配置されたときの手動装置を示す平断面図である。
【図16】 第1の実施の形態に係り、同じく第1の操作位置に配置されたときの第1の切換軸を示す手動装置の縦断面図である。
【図17】 第1の実施の形態に係り、同じく第1の操作位置に配置されたときの第2の切換軸を示す手動装置の縦断面図である。
【図18】 第1の実施の形態に係り、同じく第1の操作位置に配置されたときのカバーの配置を示す手動装置の縦断面図である。
【図19】 第1の実施の形態に係り、操作片が第2の操作位置に配置されたときの電磁弁を示す平面図である。
【図20】 第1の実施の形態に係り、図19における図2に準ずる断面図である。
【図21】 第1の実施の形態に係り、操作片が第2の操作位置に配置されたときの手動装置を示す平断面図である。
【図22】 第1の実施の形態に係り、同じく第2の操作位置に配置されたときの第1の切換軸を示す手動装置の縦断面図である。
【図23】 第1の実施の形態に係り、同じく第2の操作位置に配置されたときの第2の切換軸を示す手動装置の縦断面図である。
【図24】 第1の実施の形態に係り、同じく第2の操作位置に配置されたときのカバーの配置を示す手動装置の縦断面図である。
【図25】 第1の実施の形態に係り、多数の電磁弁が支持レール上に並列に配置された状態を示す斜視図である。
【図26】 本発明の電磁弁の手動装置を具体化した第2の実施の形態に係り、手動装置を示す縦断面図である。
【図27】 第2の実施の形態に係り、操作片を示す平面図である。
【図28】 第2の実施の形態に係り、操作片を示す底面図である。
【図29】 第2の実施の形態に係り、操作片の底面側を示す斜視図である。
【図30】 本発明の電磁弁の手動装置を具体化した第3の実施の形態に係り、手動装置を示す縦断面図である。
【図31】 第3の実施の形態に係り、操作片を示す平面図である。
【図32】 第3の実施の形態に係り、操作片を示す底面図である。
【図33】 第3の実施の形態に係り、操作片の底面側を示す斜視図である。
【図34】 本発明の電磁弁の手動装置を具体化した第4の実施の形態に係り、手動装置を示す縦断面図である。
【図35】 第4の実施の形態に係り、操作片を示す平面図である。
【図36】 第4の実施の形態に係り、操作片を示す底面図である。
【図37】 第4の実施の形態に係り、操作片の底面側を示す斜視図である。
【図38】 本発明の電磁弁の手動装置を具体化した第5の実施の形態に係り、多数の電磁弁が支持レール上に並列に配置された状態を示す斜視図である。
【図39】 第5の実施の形態に係り、多数の電磁弁が支持レール上に並列に配置された状態を示す斜視図である。
【図40】 従来の電磁弁を示す平面図である。
【図41】 従来の電磁弁の手動装置の一部を破断して示す側面図である。
【符号の説明】
1 電磁弁
3 切換弁部
4 アクチュエータ部
5 弁体としてのスプール弁
9 手動装置
10 第1の切換軸(切換部材を構成する。)
11 第2の切換軸(切換部材を構成する。)
12 操作片(操作部材を構成する。)
13 カバー
29 給気ポート
30 排気ポート
31 排気ポート
32 第1のポート
33 第2のポート(29〜33は流体の流路を構成する。)
89 露孔
90 露孔
101 手動装置
102 操作片(操作部材を構成する。)
111 手動装置
112 操作片(操作部材を構成する。)
121 手動装置
122 操作片(操作部材を構成する。)
123 露孔

Claims (6)

  1. 流体の流路を切り換えるために弁体が駆動される切換弁部と、前記弁体を駆動するために電気的に制御されるアクチュエータ部とを備えた電磁弁に設けられ、前記アクチュエータ部の制御から独立して前記弁体を強制的に駆動するために操作される手動装置であって、
    前記切換弁部に対して移動可能に設けられた切換部材と、その切換部材が、前記弁体を強制的に駆動するための作動位置と前記弁体の駆動を前記アクチュエータ部の制御に依存させるための非作動位置とに選択的に切り換え配置されることと、
    前記切換部材を覆い、同切換部材に係合可能に設けられ、前記切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライド可能に設けられており、前記切換部材の一部を外部へ露呈させるための露孔を有する操作部材と、前記操作部材は外部からの操作によりスライドされることにより、前記切換部材を前記作動位置に配置するための操作位置と、前記切換部材を前記非作動位置に配置するための中立位置とに選択的に配置され、前記中立位置に配置されたときには前記露孔を前記切換部材に整合させて前記切換部材の任意の操作を許容し、前記操作位置に配置されたときには前記露孔を前記切換部材に整合させずに前記切換部材の任意の操作を規制することと
    を備えたことを特徴とする電磁弁の手動装置。
  2. 流体の流路を切り換えるために弁体が駆動される切換弁部と、前記弁体を駆動するために電気的に制御されるアクチュエータ部とを備えた電磁弁に設けられ、前記アクチュエータ部の制御から独立して前記弁体を強制的に駆動するために操作される手動装置であって、
    前記切換弁部に対して移動可能に設けられた第1の切換部材及び第2の切換部材と、それら各切換部材が、前記弁体を強制的に駆動するための作動位置と前記弁体の駆動を前記アクチュエータ部の制御に依存させるための非作動位置とに選択的に切り換え配置されることと、
    前記両切換部材を覆い、同切換部材に係合可能に設けられ、前記切換弁部の幅方向と直交する方向に沿ってスライド可能に設けられており、前記第1の切換部材と前記第2の切換部材の一部を外部へ露呈させるための第1の露孔と第2の露孔とを有する操作部材と、前記操作部材は外部からの操作によりスライドされることにより、前記第1の切換部材を前記作動位置に配置すると共に前記第2の切換部材を非作動位置に配置するための第1の操作位置と、前記第1の切換部材を前記非作動位置に配置すると共に前記第2の切換部材を前記作動位置に配置するための第2の操作位置と、前記第1及び第2の切換部材を共に前記非作動位置に配置するための中立位置とに選択的に配置され、前記中立位置に配置されたときには前記第1及び第2の露孔とを前記第1及び第2の切換部材とに整合させて前記第1及び第2の切換部材の任意の操作を許容し、前記第1の操作位置又は前記第2の操作位置に配置されたときには前記第1及び第2の露孔を前記第1及び第2の切換部材に整合させずに前記第1及び第2の切換部材の任意の操作を規制することと
    を備えたことを特徴とする電磁弁の手動装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電磁弁の手動装置は前記操作部材を覆うためのカバーを更に備えたことを特徴とする電磁弁の手動装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の電磁弁の手動装置は前記操作部材を覆うためのカバーを更に備え
    前記カバーは、前記操作部材が前記中立位置に配置されたときに前記操作部材を覆う位置に配置され、前記操作部材が前記操作位置に配置されたときに前記操作部材に係合して前記覆う位置への配置が規制されることを特徴とする電磁弁の手動装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の電磁弁の手動装置において、
    前記電磁弁は複数の電磁弁が互いに隣接して配置されるものであり、前記切換部材、前記操作部材及び前記カバーは前記個々の電磁弁に対して個別に設けられることを特徴とする電磁弁の手動装置。
  6. 請求項又は請求項に記載の電磁弁の手動装置において、
    前記電磁弁は複数の電磁弁が互いに隣接して配置されるものであり、前記切換部材、前記操作部材は前記個々の電磁弁に対して個別に設けられ、前記カバーは前記全ての操作部材を一体的に覆うものであることを特徴とする電磁弁の手動装置。
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