JP3833605B2 - シート体巻取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラビア印刷機やラミネータ、コータに付属するターレット式巻取り装置など、長尺のシート体を巻き取りコアに巻き取るシート体巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、グラビア印刷機やラミネータ、コータに付属するターレット式巻取り装置など、長尺のシート体を巻き取りコアに巻き取るシート体巻取り装置においては、大別して、シート体を巻き取りコアの方向に押圧する巻き取りタッチロールを用いてシート体を巻き上げる方法と、例えば、特許文献1に開示されているように、シート体の両側端部を規制する一対の側板を用いてシート体を巻き上げる方法とが用いられている。
【0003】
前者の巻き取りタッチロールを備えたシート体巻取り装置では、巻き始めから巻きズレ無くかつ固く巻き上げる事が可能である。
【0004】
また、後者の側板を用いてシート体を巻き上げる方法では、側板が巻ズレ防止の案内となり、巻ズレなくかつ柔らかく巻き上げる事が可能である。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−68542号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の巻き取りタッチロールを用いる方法では、巻取り製品が固く巻き上がるために、印刷がシート体に裏写りするブロッキングという製品不良を引き起こすことがあった。これを回避する為には、巻取りタッチロールの加圧力を下げたり、タッチロールを使用しないで柔らかく巻き上げる方法を採るが、この方法では、巻き上げたシートが巻いている途中で巻ずれを起こしてしまうという不具合がある。
【0007】
また、上述の特許文献1に開示されたシート体巻取り装置のように側板を用いてシート体を巻き上げる方法では、シート体が柔らかく巻き上げられるので、梱包等をうまくやらないと、巻取り製品の運搬時に巻ズレを起こしてしまうという問題があった。また、シート切断後、側板が移動して来るまでの時間に巻ズレを防止する手段が無い為に、表面が滑りやすいシートの場合には巻ズレが発生するという問題があった。
【0008】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、シート体の材質などの条件に応じて、シート体を固く巻き上げるタッチロール方式と、シート体を柔らかく巻き上げる側板方式とを使い分けることが可能であるとともに、シート体の切断後において巻ズレを防止することができるシート体巻取り装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、長尺のシート体をシート体の幅に概ね相当する長さの巻き取りコアに巻き取るシート体巻取り装置であって、巻き取りコアに巻き取られるシート体を巻き取りコアの方向に押圧する巻き取りタッチロールと、巻き取りコアに巻き取られるシート体の両側端部を規制する一対の側板と、上記一対の側板の間に配置され、巻き取りコアに巻き取られるシート体を巻き取りコアの方向に押圧する押さえロールと、上記シート体の長手方向に概ね直交するようにシート体を切断するシート体切断装置とを備え、上記巻き取りタッチロールは、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を巻き取りコアの方向に押圧する押圧姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、上記一対の側板は、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体の両側端部を規制する規制姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、上記押さえロールは、巻き取りコアより短寸であって、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を巻き取りコアの方向に押圧する押圧姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、上記シート体切断装置は、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を切断する切断姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、上記側板と押さえロールとが退避姿勢であり、かつ巻き取りタッチロールが押圧姿勢である状態でシート体を巻き取りコアに巻き取るタッチロール巻き取り運転と、上記巻き取りタッチロールが退避姿勢であり、かつ側板が規制姿勢である状態で、シート体を巻き取りコアに巻き取る側板巻き取り運転との間で、運転変更可能であり、上記シート体切断装置は、側板が退避姿勢の状態でシート体を切断するとともに、シート体の切断後、側板が規制姿勢になるまでの間、押さえロールが押圧姿勢の状態で、シート体を押圧する押さえロール切断運転を行うものであることを特徴とするシート体巻取り装置である。
【0010】
本発明によれば、側板と押さえロールとが退避姿勢で、巻き取りタッチロールが押圧姿勢である状態でシート体を巻き取るタッチロール巻き取り運転においては、巻き取り固さを固めにすることが可能となる。また、巻き取りタッチロールが退避姿勢で、側板が規制姿勢である状態で、シート体を巻き取る側板巻き取り運転においては、巻き取り固さを柔らかめにすることが可能となる。そして、この巻き取り固さを固めにする運転と、巻き取り固さを柔らかめにする運転との間で、運転変更可能であるので、汎用性の高いシート体巻取り装置を実現することができる。また、シート体の長手方向に概ね直交するようにシート体を切断するシート体切断装置が、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を切断する切断姿勢との間で姿勢変更可能であるので、シート体切断装置が退避姿勢をとることで、巻き取りタッチロール、側板、押さえロール、それぞれの姿勢変更に干渉しないようにすることができる。さらに、シート体切断装置でシート体を切断するに際して押さえロールが、シート体の切断後、側板が規制姿勢になるまでの間、押圧姿勢の状態で、シート体を押圧するので、シート体の切断後、シート体が巻きズレすることがない。
【0011】
ここで、上記シート体巻取り装置は、上記側板巻き取り運転において、上記押さえロールが押圧姿勢である状態で、シート体を巻き取りコアに巻き取る押さえロール巻き取り運転が可能であることが好ましい。
【0012】
この好ましい態様によれば、側板巻き取り運転において、押さえロール巻き取り運転、すなわち押さえロールが押圧姿勢である状態で、シート体を巻き取りコアに巻き取ることが可能であるので、タッチロール巻き取り運転と、側板巻き取り運転とので、シート体を巻き取ることが可能となる。
【0017】
また、上記巻き取りタッチロールと上記押さえロールとは、それぞれ巻き取りコアの軸心に概ね平行な軸心の周りに回転可能な円柱状部材からなり、上記一対の側板は、それぞれ概ね円盤状に形成され、この一対の円盤状部材の軸心が巻き取りコアの軸心の両延長線上に沿って変位することによりそれぞれ巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体の両側端部を規制する規制姿勢との間で姿勢変更可能であることが好ましい。
【0018】
この好ましい態様によれば、巻き取りタッチロールと押さえロールとが、それぞれ巻き取りコアの軸心に概ね平行な軸心の周りに回転可能な円柱状部材からなるので、シート体の表面に対して働く摩擦力を小さなものにすることができる。また、それぞれ概ね円盤状に形成された一対の側板の軸心が巻き取りコアの軸心の両延長線上に沿って変位することにより退避姿勢と、規制姿勢との間で姿勢変更可能であるので、姿勢変更に係る機構全体をコンパクトなものにすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置10の構成を示す側面図であり、図2はシート体巻取り装置10の構成を示す平面図である。
【0020】
これらの図を参照して、図示の本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置10は、長尺のシート体1をシート体1の幅に概ね相当する長さの巻き取りコア2に巻き取るものであり、上記シート体1は、架台8に設けられたロール9を介して図略の印刷機からシート体巻取り装置10に供給されるように構成されている(図2、図3)。
【0021】
上記巻き取りコア2は、アーム架台11に設けられたアーム軸3dを軸として回動する一対のアーム3の両端部に設けられた軸部3cに取り付け可能とされ、上記軸部3cを備えたアーム端部が、巻き取りコア2にシート体1を巻き取る巻き取り位置3aと、巻き取りが完了したシート体のロールを取り外し可能とする取り外し位置3bとの間で位置変更可能に構成されている。そして、アーム3の一端側が巻き取り位置3aにある場合は他端側が取り外し位置3bになり、この状態からアーム3が180°回転すると上記一端側が取り外し位置3b、他端側が巻き取り位置3aに変わるようになっている。
【0022】
上記シート体巻取り装置10は、巻き取りコア2に巻き取られるシート体1を巻き取りコア2の方向に押圧する巻き取りタッチロール4と、巻き取りコア2に巻き取られるシート体1の両側端部1a(図2)を規制する一対の側板5を、それぞれの巻き取りコア2に備えている。さらに、巻き取り姿勢3aにあるアーム3に取り付けられた巻き取りコア2において、上記一対の側板5の間に配置され、巻き取りコア2に巻き取られるシート体1を巻き取りコア2の方向に押圧する押さえロール6を備えている。
【0023】
上記巻き取りタッチロール4は、巻き取りコア2の軸心2cに概ね平行な軸心4cの周りに回転可能な円柱状部材から構成されている。そして、この巻き取りタッチロール4は、アーム3と直交するように設けられた支柱部材12のタッチロール回動軸4dを軸として図略の駆動装置で駆動されて回動することにより、巻き取りコア2から退避した退避姿勢4aと、シート体1を巻き取りコア2の方向に押圧する押圧姿勢4bとの間で姿勢変更可能に構成されている。
【0024】
それぞれの巻き取りコア2に設けられたそれぞれ一対の側板5は、概ね円盤状に形成され、このそれぞれ一対の円盤状部材の軸心5cが巻き取りコア2の軸心2cの両延長線上に沿って変位することにより巻き取りコア2から退避した退避姿勢5aと、シート体1の両側端部1aを規制する規制姿勢5bとの間で姿勢変更可能に設けられている(図2)。
【0025】
上記押さえロール6も、巻き取りコア2の軸心2cに概ね平行な軸心6cの周りに回転可能な巻き取りコア2より短寸の円柱状部材からなり、駆動装置13で駆動され、押さえロール回動軸6dを軸として回動することにより、巻き取りコア2から退避した退避姿勢6aと、シート体1を巻き取りコア2の方向に押圧する押圧姿勢6bとの間で姿勢変更可能に構成されている。
【0026】
また、上記シート体巻取り装置10は、上記シート体1の長手方向に概ね直交するようにシート体1を切断するシート体切断装置7を備え、このシート体切断装置7は、巻き取りコア2から退避した退避姿勢7aと、シート体1を切断する切断姿勢7bとの間で姿勢変更可能に構成されている。そして、シート体切断装置7が退避姿勢7aをとることで、巻き取りタッチロール4と、側板5と、押さえロール6との、それぞれの姿勢変更に干渉しないようになっている。
【0027】
そして、このシート体切断装置7は、本実施形態においては、特開平8−281594公報に開示されたシート体切断装置が、特に用いられている。すなわち、シート体1の両側外方に配設された一対の支持体7cと、これら一対の支持体7c間に設けられた主軸7d回りに回転可能なカッタ手段7eと、このカッタ手段7eを主軸7d回りに回転させる図略のカッタ手段用駆動手段とが備えられ、上記カッタ手段7eは、シート体1を切断するカッタ刃7fと、シート体1の切れ端を粘着剤が塗布された紙管(巻き取りコア2)に押し付ける押付け手段(刷毛7g)とを具備し、これらカッタ刃7fと押付け手段(刷毛7g)とは、紙管の表面に対向するように位置設定され、カッタ手段用駆動手段は、カッタ刃7fがシート体1を切断しない待機姿勢7hとカッタ刃7fがシート体1を切断する切断姿勢7iとの間でカッタ手段7eを回動させ得るように構成され、このカッタ手段7eの周速度は、紙管の表面の周速度よりも速くなるように速度設定されている。そして、このようなシート体切断装置7を用いることにより、シート体巻取り装置10は、巻き始めにシワの発生がなく、かつ巻きズレが起きないものにすることができるようになっている。
【0028】
そして、このシート体巻取り装置10は、汎用性の高いシート体巻取り装置とするために、巻き取りコア2に対する巻き取り固さを固めにするためのタッチロール巻き取り運転A(図3,図4)と、巻き取りコア2に対する巻き取り固さを柔らかめにする側板巻き取り運転B(図5,図6)との間で、運転変更可能に構成されている。
【0029】
また、このシート体巻取り装置10は、側板巻き取り運転Bにおいて、さらにタッチロール巻き取り運転Aと、側板巻き取り運転Bとの中間の巻き取り固さで、シート体1を巻き取ることを可能とするための押さえロール巻き取り運転C(図7)も可能となるようになっている。
【0030】
次に図3〜9を参照して、本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置10の作用について説明する。
【0031】
図3は本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置10のタッチロール巻き取り運転Aを示す側面図、図4は同平面図である。
【0032】
これらの図を参照して、上記タッチロール巻き取り運転Aは、上記側板5と押さえロール6とが退避姿勢5a、6aであり、かつ巻き取りタッチロール4が押圧姿勢4bである状態でシート体1を巻き取りコア2に巻き取るようになっており、このタッチロール巻き取り運転Aにより、シート体1の巻き取り固さを固めにすることが可能となる。
【0033】
なお、このタッチロール巻き取り運転Aにおいては、シート体切断装置7は、図8に示すように、巻き取りタッチロール4と、側板5と、押さえロール6とが退避姿勢4a、5a、6aの状態で、シート体1をカッタ手段7eで切断する。図8は、シート体切断装置7のタッチロール巻き取り運転Aにおける切断運転(タッチロール切断運転D)を示す側面図である。このタッチロール切断運転Dにおいては、シート体切断装置7に付いている切断装置用押さえロール14は、巻き取りタッチロール4が、タッチロール巻き取り運転Aにおいて押圧姿勢4bの状態になるまでの間、押圧姿勢14bの状態でシート体1を押圧するので、シート体1の切断後から巻取りタッチロール4によるタッチロール巻き取り運転Aの全域において巻きズレすることがないようになっている。
【0034】
次に、図5は本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置10の側板巻き取り運転Bを示す側面図、図6は同平面図である。
【0035】
これらの図を参照して、上記側板巻き取り運転Bは、巻き取りタッチロール4が退避姿勢4aであり、かつ側板5が規制姿勢5b(図2参照)である状態で、シート体1を巻き取りコア2に巻き取るようになっている。
【0036】
この側板巻き取り運転Bにより、シート体1の巻き取り固さを柔らかめにすることが可能となる。
【0037】
また、図7は本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置10の押さえロール巻き取り運転Cを示す側面図である。
【0038】
これらの図を参照して、上記押さえロール巻き取り運転Cは、側板巻き取り運転Bにおいて、押さえロール6が押圧姿勢6bである状態で、シート体1を巻き取りコア2に巻き取るようになっている。
【0039】
この押さえロール巻き取り運転Cにより、タッチロール巻き取り運転Aと、側板巻き取り運転Bとの中間の巻き取り固さで、シート体1を巻き取ることが可能となる。
【0040】
さらに、図9は、側板巻き取り運転Bと、押さえロール巻き取り運転Cとにおいて、シート体1の切断後、側板5が規制姿勢5bになるまでの間、押さえロール6が押圧姿勢6bの状態で、シート体1を押圧する押さえロール切断運転Eを示す側面図であり、図10は同平面図である。
【0041】
これらの図を参照して、上記押さえロール切断運転Eは、本実施の形態においては巻き取りコア2へのシート体1の巻取りが完了したアーム一端側を取り外し位置3bへ位置変更するようにアーム3を回動した後、巻き取り位置3a側においてシート体1をシート体切断装置7のカッタ手段7eで切断するとともに、この切断されたシート体1の上流側の端を、巻き取り位置3aにあるアーム3に取り付けられた空の巻き取りコア2の粘着剤が塗布された粘着部2dに押圧して貼着するようになっている。
【0042】
なお、この押さえロール切断運転Eにおいては、シート体切断装置7と側板5との干渉を避けるため、側板5が退避姿勢5aの状態でシート切断装置7によるシート体1の切断を行うようになっており、シート体1の切断後、側板5が規制姿勢5bになるまでの間、シート体1が、巻きズレすることがないようにするために、押さえロール6が、押圧姿勢6bの状態で、シート体1を押圧するようになっている。
【0043】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置10によれば側板5と押さえロール6とが退避姿勢5a、6aで、巻き取りタッチロール4が押圧姿勢4bである状態でシート体1を巻き取るタッチロール巻き取り運転Aにおいては、巻き取り固さを固めにすることが可能となる。また、巻き取りタッチロール4が退避姿勢4aで、側板5が規制姿勢5bである状態で、シート体1を巻き取る側板巻き取り運転Bにおいては、巻き取り固さを柔らかめにすることが可能となる。そして、この巻き取り固さを固めにする運転と、巻き取り固さを柔らかめにする運転との間で、運転変更可能であるので、汎用性の高いシート体巻取り装置10を実現することができる。
【0044】
また、本発明の実施の形態によれば、側板巻き取り運転Bにおいて、押さえロール巻き取り運転C、すなわち押さえロール6が押圧姿勢6bである状態で、シート体1を巻き取りコア2に巻き取ることが可能であるので、タッチロール巻き取り運転Aと、側板巻き取り運転Bとの中間の巻き取り固さで、シート体1を巻き取ることが可能となる。
【0045】
また、本発明の実施の形態によれば、シート体1の長手方向に概ね直交するようにシート体1を切断するシート体切断装置7が、巻き取りコア2から退避した退避姿勢7aと、シート体1を切断する切断姿勢との間で姿勢変更可能であるので、シート体切断装置7が退避姿勢7aをとることで、巻き取りタッチロール4と、側板5と、押さえロール6とのそれぞれの姿勢変更に干渉しないようにすることができる。
【0046】
さらに本発明の実施の形態によれば、シート体切断装置7でシート体1を切断するに際して押さえロール6が、シート体1の切断後、側板5が規制姿勢4bになるまでの間、押圧姿勢4bの状態で、シート体1を押圧するので、シート体1の切断後、シート体1が巻きズレすることがない。
【0047】
また、本発明の実施の形態によれば、巻き取りタッチロール4と押さえロール6とが、それぞれ巻き取りコア2の軸心2cに概ね平行な軸心4c、6cの周りに回転可能な円柱状部材からなり、それぞれ概ね円盤状に形成された一対の側板5の軸心5cが巻き取りコア2の軸心2cの両延長線上に沿って変位することにより退避姿勢5aと、規制姿勢5bとの間で姿勢変更可能であるので、装置全体をコンパクトなものにすることができる。
【0048】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0049】
例えば、巻き取りコア2は、図示のように、回動する一対のアーム3のそれぞれの端部3cに取り付け可能とされることは必ずしも必要ではない。また、アーム3も、アーム3の端部3cに取り付けた巻き取りコア2が、シート体1を巻き取る巻き取り姿勢3aと、巻き取りが完了して取り外し可能となる取り外し姿勢3bとの間で姿勢変更可能に構成されることも必ずしも必要でない。長尺のシート体1をシート体1の幅に概ね相当する長さの巻き取りコア2に巻き取るものであれば、巻き取りコア2は一つのアームの端部に取り付け可能とされるものであっても良いなど、種々の設計変更が可能である。
【0050】
また、巻き取りタッチロール4と、押さえロール6とは、必ずしも巻き取りコア2の軸心2cに概ね平行な軸心4c、6cの周りに回転可能な円柱状部材から構成されることに限定されない。軸心2cに平行でない軸心の周りに回転可能な複数の球状部材であってもよいなど種々の設計変更が可能である。
【0051】
側板5も必ずしも円盤状に形成されたものに限定されず、シート体1の両側端部1aを規制する規制姿勢5bを取ることができるものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0052】
シート体切断装置7も、必ずしも切断されたシート体1の母材側の端を、空の巻き取りコア2の粘着剤が塗布された粘着部2dに押圧して貼着するようになっているものに限定されない。シート体1を切断可能なものであれば、種々の設計変更が可能である。
【0053】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シート体の材質などの条件に応じて、シート体を固く巻き上げるタッチロール方式と、シート体を柔らかく巻き上げる側板方式とを使い分けることが可能であるとともに、シート体の切断後において巻ズレを防止することができるという顕著な効果を奏する。また、シート体の長手方向に概ね直交するようにシート体を切断するシート体切断装置が、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を切断する切断姿勢との間で姿勢変更可能であるので、シート体切断装置が退避姿勢をとることで、巻き取りタッチロール、側板、押さえロール、それぞれの姿勢変更に干渉しないようにすることができる。さらに、シート体切断装置でシート体を切断するに際して押さえロールが、シート体の切断後、側板が規制姿勢になるまでの間、押圧姿勢の状態で、シート体を押圧するので、シート体の切断後、シート体が巻きズレすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置の構成を示す側面図である。
【図2】 シート体巻取り装置の構成を示す平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置のタッチロール巻き取り運転を示す側面図である。
【図4】 上記タッチロール巻き取り運転を示す平面図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置の側板巻き取り運転を示す側面図である。
【図6】 上記側板巻き取り運転を示す平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係るシート体巻取り装置の押さえロール巻き取り運転を示す側面図である。
【図8】 シート体切断装置のタッチロール巻き取り運転における切断運転(タッチロール切断運転)を示す側面図である。
【図9】 シート体の切断後、側板が規制姿勢になるまでの間、押さえロールが押圧姿勢の状態で、シート体を押圧する押さえロール切断運転を示す側面図である。
【図10】 上記切断運転を示す平面図である。
【符号の説明】
1 シート体
1a 両側端部
2 巻き取りコア
4 巻き取りタッチロール
5 側板
5b 規制姿勢
6 押さえロール
7 シート体切断装置
7b 切断姿勢
4a、5a、6a、7a 退避姿勢
4b、6b 押圧姿勢
2c、4c、5c、6c 軸心
10 シート体巻取り装置
A タッチロール巻き取り運転
B 側板巻き取り運転
C 押さえロール巻き取り運転
E 押さえロール切断運転
Claims (3)
- 長尺のシート体をシート体の幅に概ね相当する長さの巻き取りコアに巻き取るシート体巻取り装置であって、
巻き取りコアに巻き取られるシート体を巻き取りコアの方向に押圧する巻き取りタッチロールと、
巻き取りコアに巻き取られるシート体の両側端部を規制する一対の側板と、
上記一対の側板の間に配置され、巻き取りコアに巻き取られるシート体を巻き取りコアの方向に押圧する押さえロールと、
上記シート体の長手方向に概ね直交するようにシート体を切断するシート体切断装置とを備え、
上記巻き取りタッチロールは、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を巻き取りコアの方向に押圧する押圧姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、
上記一対の側板は、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体の両側端部を規制する規制姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、
上記押さえロールは、巻き取りコアより短寸であって、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を巻き取りコアの方向に押圧する押圧姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、
上記シート体切断装置は、巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体を切断する切断姿勢との間で姿勢変更可能に設けられ、
上記側板と押さえロールとが退避姿勢であり、かつ巻き取りタッチロールが押圧姿勢である状態でシート体を巻き取りコアに巻き取るタッチロール巻き取り運転と、
上記巻き取りタッチロールが退避姿勢であり、かつ側板が規制姿勢である状態で、シート体を巻き取りコアに巻き取る側板巻き取り運転との間で、
運転変更可能であり、
上記シート体切断装置は、側板が退避姿勢の状態でシート体を切断するとともに、シート体の切断後、側板が規制姿勢になるまでの間、押さえロールが押圧姿勢の状態で、シート体を押圧する押さえロール切断運転を行うものであることを特徴とするシート体巻取り装置。 - 上記側板巻き取り運転において、上記押さえロールが押圧姿勢である状態で、シート体を巻き取りコアに巻き取る押さえロール巻き取り運転が可能であることを特徴とする請求項1記載のシート体巻取り装置。
- 上記巻き取りタッチロールと上記押さえロールとは、それぞれ巻き取りコアの軸心に概ね平行な軸心の周りに回転可能な円柱状部材からなり、
上記一対の側板は、それぞれ概ね円盤状に形成され、この一対の円盤状部材の軸心が巻き取りコアの軸心の両延長線上に沿って変位することによりそれぞれ巻き取りコアから退避した退避姿勢と、シート体の両側端部を規制する規制姿勢との間で姿勢変更可能であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のシート体巻取り装置。
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