JP3833368B2 - 合成樹脂製薄肉容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は容器本体を薄肉に形成すると共に、後面開口を基板で閉塞させた合成樹脂製薄肉容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴出器等の本品に液体等の内容物を補充・詰替えするための合成樹脂材製の詰替え容器は強度や剛性を高めるため比較的厚肉にされているが、できるだけ薄肉にして材料削減を図る方が省資源化に資することとなり環境対策上からも望ましい。
また、容器への内容物の充填は出荷先で行われるが、容器は剛性を有するため変形不能で充填前においても充填後と同一の形態を有し、このため出荷時において嵩張り輸送効率が悪いものとなっていた。
そこで、近時、本品へ内容物を補充する詰替え容器として一部では袋が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、袋には次のような欠点がある。
▲1▼袋は剛性が小さく、かつ、液体等の内容物充填用の開口部を有しないため充填速度が遅い。
▲2▼剛性が小さいことから内容物が減少すると倒れるおそれがある。
▲3▼剛性が小さいことから持ちにくく、このため本品への内容物の詰替え時における取扱いが難しい。
▲4▼袋は形態が定まっており、形状選択の幅が小さいためデザインが一種類に限られる。
▲5▼ある程度の剛性をもたせるためには合成樹脂材にアルミニウム薄板を積層させなければならずコスト高である。
▲6▼アルミニウム薄板を積層した袋は破れにくく廃棄に不便である。
▲7▼アルミニウム薄板を積層した袋は廃棄物リサイクルに不適当である。
▲8▼開封時、はさみ等の切断具が必要になる。
【0004】
請求項1記載の合成樹脂製薄肉容器は、容器体を2分割した形状の容器本体を有し、該容器本体の開口閉塞を出荷先で内容物充填後に行うようにすることにより、出荷時の積み重ねを可能にし、かつ、剛性を有する基板で開口を閉塞させることにより容器本体に剛性をもたせると共に、容器本体の底面に折返板を当接させるようにして容器本体正立時の安定性を高めようとするものである。
【0005】
請求項2記載の合成樹脂製薄肉容器は、口頸部にV字状溝を周設し、該V字状溝に第1破断線を穿設することにより、容器本体の開封を容易するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、横断面形状が左右に細長い長方形状の薄肉胴部2の上端部から肩部を介して上面閉塞の口頸部3を起立すると共に、胴部2の下端底壁の左右方向中央部にあり溝5を前後方向に形成した容器体を前後方向中間部で2分割して後面側を開口する形状の容器本体1を有し、該容器本体後端開口縁を外方へ曲げて薄肉枠板6を形成し、該薄肉枠板6下縁から左右方向の折目線8を介して薄肉折返板9を垂下し、該薄肉折返板の中央部前面から上記あり溝5に嵌合可能な中空状あり10を前方突設し、かつ上記薄肉枠板6と折返板9とのそれぞれの後面へ熱溶着させた剛性を有する基板11で容器本体1後面と中空状あり10後面との、それぞれを閉塞させた。
【0007】
第2の手段として、上記第1の手段が有する解決課題を有するほか、上記口頸部の上部にV字状溝4を周設し、該V字状溝4の谷底部に第1破断線を穿設すると共に、該第1破断線に連続する左右方向の第2破断線7を薄肉枠板6上端部に穿設した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
1は容器本体で、横断面形状が左右に長い長方形状の薄肉胴部2上端部から肩部を介して上面閉塞の口頸部3を起立し、該口頸部の上端部にV字状溝4を周設すると共に、胴部2下端底壁の左右方向中央部にあり溝5を前後方向に形成した容器体を前後方向中間部で2分割した後面側を開口する形状を有する。
【0009】
容器本体1後端開口縁を外方へ曲げて薄肉枠板6を形成する。一方、V字状溝4の谷底部に第1破断線を穿設すると共に、薄肉枠板6上端部に第1破断線に連続する左右方向の第2破断線7を穿設する。さらに、薄肉枠板6下縁から左右方向の折目線8を介して折返板9を垂下し、該折返板の中央部前面からあり溝5に嵌合可能な、薄肉壁の中空状あり10を前方突設する。
【0010】
折目線8は折返板9を所定位置で直線状に折り返させるためのものであり、その形状に特に限定はないが、通常は点線状に透孔を並べたものや、左右方向へ延びるV溝で形成する。
薄肉枠板6と折返板9とのそれぞれの後面へ熱溶着させた剛性を有する基板11で容器本体1後面と中空状あり10後面との、それぞれを閉塞させる。
【0011】
なお、V字状溝4と第1破断線及び第2破断線7は必須のものではなく、任意である。すなわち、V字状溝4は省略することも可能で、省略することなく設ける場合でも第1及び第2破断線は必ずしも必須ではない。
また、折返板9の上下方向長さは容器本体1の前後方向幅よりも大に定める。このようにするのは容器本体1が容易に倒れないよう安定性をもたせるためであり、従って、折返板9の上下方向寸法は適宜選択することができるが、一応の目安は容器本体1の前後方向幅の約1.5倍である。
【0012】
また、容器本体1の肉厚は、従来の詰替え用容器の肉厚である0.8〜1.2mmよりも小さい範囲にする。一方、基板11は剛性を有するものであればその材質は特に限定されないが、通常は紙板にアルミニゥム板を添設させたものを使用する。
【0013】
次に本実施形態の作用について説明する。
出荷に際しては容器本体1と基板11とは別体の状態にして輸送する。容器本体1は後面が開口されているから、他の容器本体1を該開口から嵌合させることが可能で、このようにして多数の容器本体1を嵌合状態で積み重ねて出荷する。容器本体1内への内容物の充填は出荷先で行う。容器本体1の後面は開口しているから既存の充填設備を使用することができる。
【0014】
充填後、基板11を薄肉枠体6と折返板9とのそれぞれの後面へ熱溶着させることにより容器本体1後面と中空状あり10後面とのそれぞれを閉塞させる。基板11溶着後、図1に示す状態で消費者の手元に渡る。
容器本体1の開封は、V字状溝4を形成しない場合には基板11の上端部を薄肉枠板6からはがして行う。V字状溝4を設けると共に、第1破断線と第2破断線7とを形成する場合には基板11上端部を前方へ折り曲げて口頸部3上端部を切断させる。なお、第1及び第2破断線を設けることなく開封することも可能で、この場合にはハサミ等の切断具で口頸部3のV字状溝部分を切断する。
【0015】
本品への内容物の補充後、容器本体1内に内容物が残っている場合には、図3に示すように折目線8を中心に基板11下端部を前上方へ折り曲げて中空状あり10をあり溝5へ嵌合させる。このようにすることにより床面等に正立状態で載置させた場合の容器本体1の安定性が向上し、内容物が少ない場合であっても容器本体1は容易に倒れることがない。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の合成樹脂製薄肉容器は次のような効果を奏する。
▲1▼容器本体を薄肉に形成するため、材料削減が可能になって省資源化が図れ、併せて容器の軽量化をも実現しうる。
▲2▼出荷時において容器本体の後面は開口しているため、該開口から他の容器本体を嵌合させて多数の容器本体を積み重ねることができ、このため輸送効率が向上する。
▲3▼容器本体後面は開口しているため既存の充填設備を使用することができると共に、内容物の充填速度を速くすることができる。
【0017】
▲4▼容器本体の後面には剛性を有する基板が溶着され、かつ、容器本体底面へ当接可能な折返板を有するので、容器本体の内容物が減少しても容易に倒れることがない。
▲5▼容器本体の後面には剛性を有する基板が溶着されているため持ちやすく、このため詰替え時における取扱いが容易である。
▲6▼容器本体は基板が剛性を有することから種々の形態をとることができ、従って、デザイン上の選択の自由度が増大する。
▲7▼容器本体の開封は基板上端部をはがすだけでよく、このため切断具等が不要となる。
▲8▼基板は容器本体から容易にはがすことができ、かつ、容器本体は容易に破れるため、廃棄が容易であると共に、リサイクルが可能になる。
【0018】
請求項2記載の合成樹脂製薄肉容器は、口頸部にV字状溝を周設し、該V字状溝に第1破断線を穿設したので、基板を折り曲げるだけで口頸部を切断することが可能で、このため容器本体の開封が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る合成樹脂製薄肉容器を示す正面図。
【図2】同じく、図1の縦断面図。
【図3】同じく、折返板を容器本体底面へ当接させた状態を示す容器本体下半部の斜視図。
【符号の説明】
1 容器本体
2 胴部
3 口頸部
4 V字状溝
5 あり溝
6 薄肉枠板
7 第2破断線
9 折返板
10 中空状あり
11 基板
Claims (2)
- 横断面形状が左右に細長い長方形状の薄肉胴部2の上端部から肩部を介して上面閉塞の口頸部3を起立すると共に、胴部2の下端底壁の左右方向中央部にあり溝5を前後方向に形成した容器体を前後方向中間部で2分割して後面側を開口する形状の容器本体1を有し、該容器本体後端開口縁を外方へ曲げて薄肉枠板6を形成し、該薄肉枠板6下縁から左右方向の折目線8を介して薄肉折返板9を垂下し、該薄肉折返板の中央部前面から上記あり溝5に嵌合可能な中空状あり10を前方突設し、かつ上記薄肉枠板6と折返板9とのそれぞれの後面へ熱溶着させた剛性を有する基板11で容器本体1後面と中空状あり10後面との、それぞれを閉塞させた、
ことを特徴とする合成樹脂製薄肉容器。 - 上記口頸部の上部にV字状溝4を周設し、該V字状溝4の谷底部に第1破断線を穿設すると共に、該第1破断線に連続する左右方向の第2破断線7を薄肉枠板6上端部に穿設した、
ことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製薄肉容器。
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Family Applications (1)
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JP31641797A Expired - Fee Related JP3833368B2 (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 合成樹脂製薄肉容器 |
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Country | Link |
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-
1997
- 1997-10-31 JP JP31641797A patent/JP3833368B2/ja not_active Expired - Fee Related
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