JPH06312737A - 再封機構を備えたバツクインカートン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 引裂帯を引き裂くことにより開封できる容器
であって、容器開封後の再封が確実で、再使用時には開
蓋が容易である機構を備えること。 【構成】 容器胴部の周囲に開封用の断続切目線の引裂
帯を設け、容器の開封により形成された容器上部の蓋体
の両側壁及び前壁を内方に折り込んで二重壁とすること
により、箱胴部との係止摩擦を大きくすることで再封時
の係止が強化され再使用時には開蓋が容易となる構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、剛性の外箱内に収容物
を収めた柔軟な内袋を備えた容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、板紙製の外箱の内壁に、軟質プラ
スチックシート、アルミ箔の単体又はその複合材からな
る柔軟な内袋を適所に塗布した接着剤で貼り合わせてな
る二重構造のパッケージ、所謂バツクインカートンが知
られている。通常、バツクインカートンにおける収容物
は自動充填包装機によって充填包装される。自動充填包
装機に供給するカートンは、ブランク板を筒状に貼り合
わせ折り畳んだ状態であり、この状態から自動充填包装
機により収納物を充填できる状態へ外箱を折り起こす
が、その際、内袋も外箱と完全に一体となって折り起こ
され開口できることが必要であり、そのため、内袋は外
箱と一体になって折り起こされ開口するように外箱の内
壁に接着剤で貼り合わせてある。また、その内袋は外箱
と一体となって折り畳めるように筒状の状態で外箱に接
着してある。内袋と外箱とを折り起こし開口させた後、
底部を形成し、内容物を内袋に充填し、次いで内袋の口
部を封止し、最後に外箱の蓋を閉じて充填を完了する。

【０００３】また、使用に際し、カートンを開封しても
収容物全部を消費しない場合には残った収容物のために
再封処置が必要であることから容器の周囲に断続する切
目線を設けて引裂帯（ジッパー部）を形成し、その引裂
帯を引き裂くことにより容器を開封すると共に収容物が
残った際の再封用蓋体が形成されるようにしたもの、例
えば実公昭５５−３３８５５号公報に記載されているよ
うな容器も提唱されている。さらに、軟質プラスチック
フイルム、アルミ箔またはそれらの複合材からなる柔軟
な袋において、口部の近傍に開閉自在のジッパー帯を貼
着して、袋開封後の再封が可能なものも既に実用されて
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上掲公知刊行物に記載
の容器は、再封用蓋体が形成できるので再封処置が可能
であるが、容器構成材料が薄いためストッパーとフラッ
プとの係止が外れ易く、容器の転倒の際などに蓋が開蓋
状態になり内容物が放出されるなどの不都合が生じ、逆
に、容器構成材料を厚くすると材料の剛性も加わって再
封後の開蓋がしにくくなるなどの不都合があった。ま
た、容器が転倒して開蓋しても、袋口部に開閉自在のジ
ッパー帯を貼着した袋を内袋として装着できれば、内容
物が放出される事態は回避できるが、上述の自動充填包
装機に供する場合には、充填包装機の機構上、外箱にそ
のようなジッパー付き内袋を装着できず、他の有効な対
策の出現が待ち望まれていた。本発明は、上記問題点に
対し適切且つ有効な解決手段を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決すべく開発されたものであって、柔軟な内袋を内蔵
する外箱の胴部の周囲に、平行する２条の断続切目線を
穿設して引裂帯を形成し、その引裂帯を引き裂くことに
より開封することのできるバツクインカートンにおい
て、上記引裂帯を引き裂いて容器を開封した後、開封に
より容器の上部に形成された蓋体の両側板および前板を
内方に折り込んで二重壁とすることにより箱胴部との係
止摩擦を大きくして再封用蓋体を形成するように構成し
たものである。

【０００６】上記外箱は、縦折線を介して、前板、その
左右に側板、さらに後板を連接し、その上下に横折線を
介してそれぞれ上フラツプ、下フラツプを延設してあ
る。上記後板には、その上方の横折線から、側板の幅に
等しい長さを隔てて蝶番用の横折線を設ける。また、上
記前板および両側板には、上記引裂帯(20)をその下切目
線が上記後板の上記蝶番用の横折線の延長線上に位置す
るよう前板、側板にわたり連設する。さらに、上記両側
板には、前板の両側の縦折線と、上記横折線（側板と上
フラツプとの接続部）との交点から４５°の角度の斜折
線をそれぞれ設ける。そして、再封に際しては、開封に
より外箱の上部に形成された蓋体の前板を、横折線を軸
に内側に折り曲げてフラップ裏面に沿うように、また蓋
体の側板は、斜折線から内側へ折り曲げ二つ折りになる
ようにすれば二重壁の蝶番式開閉蓋を形成しうる。

【０００７】しかし、この蓋の形成は縦折線を反転する
もので、作業は簡単でない。そこで反転を容易にするた
め上記斜折線と縦折線とのなす角を２分する線上に第２
の斜折線を設けてある。そして、蓋の形成に際しては、
先ず上記第２の斜折線を内側に押し込むように折り曲げ
ながら第１の斜折線を折り曲げると同時に、蓋体の前板
の両側の縦折線を一旦外折りにした後、さらに蓋体の前
板を内側にに押し込むようにすると縦折線の外折りが内
折りに反転すると共に第２の斜折線の折り込みも平坦に
戻って、蓋体の両側板は二つ折りされ、蓋体の前板もフ
ラップの裏面に沿うことになり、横断面三角形の蓋が形
成される。そこで、上記のようにして形成された蓋を横
折線を蝶番にして前に倒せば外箱を再封することができ
る。

【０００８】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。図１は、本発明のバツクインカートンの外
観を示す斜視図である。図２は、その外箱１の展開平面
図であって、貼着片３、側板４、前板５、側板６、後板
７を縦折線８を介して左右に連接し、その側板４、前板
５、側板６、後板７の下方に横折線９を介して、それぞ
れフラツプ１４、１５、１６、１７を延設してあり、側
板４、前板５、側板６、後板７の上方にも横折線１０を
介して、それぞれフラツプ２４、２５、２６、２７を延
設してある。

【０００９】後板７には横折線１８を設け、前板５およ
び両側板４、６には横折線１８の延長線上に引裂帯の切
目線１９を穿設し、それと平行に切目線２１を穿設し引
裂帯２０を形成する。後板７の横折線１８で区劃される
上部分７’は、後述するように再封時の蓋の天板となる
部分であって、その横折線１８と横折線１０との間隔
は、側板４、６の幅と等しくなるように構成することが
必要である。

【００１０】前板５の両側の縦折線８、８と横折線１０
との交点３０、３１から横折線１０との傾角４５°の斜
線上にそれぞれ斜折線３２、３３を設け、さらに交点３
０、３１から斜折線３２、３３と縦折線８、８とのなす
夾角を二分する線上に斜折線３４、３５を設ける。

【００１１】組立に際しては、図３のように貼着片３を
後板７に貼着（サック貼）して筒状の外箱を形成し、内
袋２も筒状に形成して外箱内面適所に塗布された接着剤
により接着する。

【００１２】この折り畳んだ状態の容器を自動充填包装
機に供給すると、外箱と内袋を折り起こし開口した後、
先ず内袋の下開口部が貼着封止しその端縁を折り込んで
内袋の底を形成し、次いで外箱のフラツプ１４、１５、
１６、１７を折り込み接着して外箱の底を形成する。次
に、内袋の上開口部から内容物を内袋に充填した後、内
袋の口部を封着し、最後に外箱の上部フラツプ２４、２
６、２７、２５を、この符号の順に折り込み接着して蓋
を形成し充填を完了する。図１は、その状態を示す。

【００１３】使用に際しては、外箱１の引裂帯２０を引
き裂き除去することにより、図４に示すように横折線１
８を蝶番とする蓋体が形成され、これを後方に倒せば柔
軟な内袋２が切目線１９から突出した状態で開封するこ
とができるから、内袋２の上部を引き裂き開封すれば内
容物を容易に取り出すことができる。

【００１４】そして、内容物を全部使用せず残量の生じ
たときには、次の手だてにより外箱を再封することがで
きる。まず、内容物が取り出されて余分になった内袋の
上部分を外箱内に押し込む等して、内袋の頂部が外箱の
開口端縁（切目線１９）から下位になるようにする。

【００１５】一方、開封により外箱の上部に形成された
蓋体〔４’、５’、６’、７’及び２４、２５、２６、
２７からなる〕の前板５’を、図５に示すように横折線
１０を軸に内側に折り曲げてフラップ２５の裏面に沿う
（フラツプ２４、２６、２７が介在する）ように、蓋体
の側板４、６は、斜折線３２、３３から内側へ折り曲げ
二つ折りになるように形成するのであるが、その際、両
斜折線３４、３５を内側に押し込むように折り曲げなが
ら両斜折線３２、３３を折り曲げると同時に、蓋体の前
５’の両側の縦折線８、８を一旦外折りにした後、さら
に前板５’を内側にに押し込むようにすると縦折線８、
８の外折りが内折りに反転すると共に斜折線３４、３５
の折り込みも平坦に戻り、蓋体の側板４、６は二つ折り
になり、前板５’はフラップ２５の裏面に沿うことにな
り、横断面三角形の蓋が形成される。そこで、上記のよ
うにして形成された蓋を横折線１８を蝶番にして前に倒
せば外箱を再封することができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明のバツクインカートンは、再封機
構を具備するので内容物を全部使いきらないために残量
の生じたようなときにも、外箱を再封することができ、
残量の有無に煩わされることなく適宜、用い得るので甚
だ好都合である。そして、その再封機構は、蝶番式の開
閉蓋として外箱本体と連結しているので蓋となる部分を
完全分離する方式のものとは異なり、外箱の開封に際し
蓋となる部分を不用意に破棄することがないので、使用
者の予定に反し残量が生じた場合でも、蓋がなくて再封
できないというような事態は未然に防止できる。

【００１７】さらに、本発明の再封機構の蓋は、前壁部
および両側壁部を箱素材の折り込みによる二重壁で形成
してあるので、素材の剛性により弾撥性が生じて外箱胴
部との摩擦係合が強固になり、外箱の転倒程度では開蓋
するようなことはない。また、再封時の係合が摩擦係合
であるので、公知技術のように突起片がなく、再開蓋時
に引っ掛かりが生じて外箱を潰すなどのトラブルがなく
開蓋操作を円滑に行い得る。しかも、蓋体の側板４’、
６’には斜折線３４、３５を設けてあるから蓋体の前板
５’の折り込み及び側板４’、６の二つ折り作業を幼児
でも容易に行うことができるなど卓越した作用効果を奏
するものであり、幼児向け菓子類に使用しえて顕著な実
用的効果のあるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバツクインカートンの外観を示す斜視
図である。

【図２】外箱のブランク板の展開平面図である。

【図３】バックインカートンの自動充填包装機に供給す
る時の組み立て前の状態を示す平面図である。

【図４】外箱の引裂帯を引き裂いた後、蓋体を後方に倒
した状態を示す斜視図である。

【図５】再封のため、前板、側板を折込み、蓋に組立て
た状態を示す斜視図である。

【図６】再封した状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 外箱 ２ 内袋 ３ 貼着片 ４、６ 側板 ４’、６’ 蓋体の側板 ５ 前板 ５’ 蓋体の前板 ７ 後板 ７’ 蓋体の後板 ８ 縦折線 ９，１０、１８ 横折線 １４、１５、１６、１７ フラツプ ２４、２５、２６、２７ フラツプ １９、２１ 引裂帯の切目線 ２０ 引裂帯 ３２、３３、３４、３５ 斜折線

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟な内袋(2) を内蔵する外箱(1) の胴
   部の周囲に、断続する切目線(19)、(21)を穿設して引裂
   帯(20)を形成し、その引裂帯を引き裂くことにより開封
   することのできるバツクインカートンにおいて、上記外
   箱は縦折線(8) を介して前板(5),側板(4),(6),後板(7)
   を左右に連接し、その上下に横折線(9),(10)を介してそ
   れぞれフラツプを延設してなり、上記後板(7) には横折
   線(10)から側板(4),(6) の幅に等しい長さを隔てて横折
   線(18)を設け、上記前板(5),側板(4),(6) には上記引裂
   帯(20)をその下切目線(19)が上記横折線(18)の延長線上
   に位置するように連設し、さらに側板(4),(6) には、前
   板(5) の両側の縦折線(8),(8) と上記横折線(10)との交
   点から４５°の角度の斜折線(32),(33) を設けたことを
   特徴とする再封機構を備えたバツクインカートン。
2. 【請求項２】斜折線(32),(33) と縦折線(8),(8) とのな
   す角を２分する線上に斜折線(34)、(35)を設けた請求項
   １記載の再封機構を備えたバツクインカートン。