JP3832963B2 - 土石混合粘質土壌の改良機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土石混合粘質土壌の改良機に関する。特に、土石の分離、分離土壌と土壌改良剤の混合、分離土壌の解砕の順序不同の工程からなり分離工程の目詰まりを防止するようにした土石混合粘質土壌の改良機に関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤改良のためにボーリングが行われる。そのボーリングにより掘削され地上に排出される掘削残土は、その再利用が望まれている。ボーリングの際に用いられる大量の水又は雨を含むため、その掘削残土はそのまま再利用して埋め立てのために用いると、地盤が軟弱化する。このような粘質土は、これに地盤改良材が混合され、硬質化される。地盤改良材である生石灰と水分と空気の化学反応により、粘質土壌の硬化が可能である。このような土壌改良が、広く行われている。
【0003】
掘削残土には、原石が含まれている。このような原石のうち一定粒径以上の石は、その残土から取り除かれ、分離された石も再利用される。土石を石と土に分離するために、分離装置が用いられている。そのような分離装置には、従来、分離用格子が用いられている。分離格子上の石はその格子の上面の傾斜面上を滑り落ち、土は格子目から下方に落下する。土が粘質である場合、その粘質土は格子目に粘着してその格子目を詰まらせて分離を阻害する。このような分離阻害を回避した土石分離が望まれている。
【0004】
このような分離、分離後の土壌と改良剤の混合・攪拌、その混合攪拌による両者の硬化反応からなる工程が掘削現場で一連に行われることが、土壌改良のための施工工事として重要である。また、分離後の土壌改良剤と粘質土との硬化反応の有効な促進も重要である。硬化反応の促進は、粘質土と改良剤の混合・攪拌だけでなく、空気との反応に必要な空気の混入にも大きく依存する。高い分離効率が望まれると同時に、硬化反応の促進が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような技術的背景に基づいてなされたものであり次のような目的を達成することができる。
【0006】
本発明の目的は、分離効率が高い土石混合粘質土壌の改良機を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、慣用されている土石分離機を僅かに改良することにより既存の装置を用いながら分離効率を改善することができる土石混合粘質土壌の改良機を提供することにある。
【0008】
本発明の更に他の目的は、分離、攪拌・混合、硬化反応の一連の工程の全体的な生産効率を高めることができる土石混合粘質土壌の改良機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明1による土石混合粘質土壌の改良機は、粘質の土石を石と土に分離するための分離手段(1)と、前記分離手段(1)により前記石から前記土が分離された分離土に土壌改良剤を混合するための混合手段(2)と、前記混合の後に前記分離土を解砕するための解砕手段(3)とを含む土石混合粘質土壌の改良機において、
前記分離手段(1)は、
前記土石を前記土と前記石を分離するための分離用格子(8)と、前記分離用格子(8)を鉛直方向に振動させるための振動手段(9)とを備え、前記分離格子(8)は、その上側に供給される前記石を移動させるための移動面(12)を有し、前記分離用格子(8)の1単位は内側に傾斜面(17,18)を有し、
前記分離格子(8)は、交叉する方向に延びる前記縦方向格子要素(13)と横方向格子要素(14)を備え、前記傾斜面(17,18)は、前記振動の方向に対して傾斜し、前記傾斜面(17,18)は、互いに対向する1組の複数の傾斜面要素(19)を有し、前記複数の傾斜面要素(19)は、前記振動方向を含む面(22)に直交する線上で、その鉛直方向の下側の対向間隔がその上側の対向間隔よりも狭くなるように対向面(19)が形成され、前記縦方向格子要素(13)は、凸状の凸面(15)を有し、隣り合う2体の前記縦方向格子要素(13)の前記凸面(15)より前記傾斜面(17,18)が形成され、前記移動面(12)は、前記縦方向格子要素(13)と直行する方向(c)である。
【0010】
但し、格子が形成するその移動面即ち格子の有効間隔よりも大きい径の単一粒子である石が滑動又は転動して移動しやすいように形成されている移動面は、通常、水平面に対して傾斜するように形成されており、振動方向がその移動面に直交する向きになるように設計されることがある。このような場合、傾斜面要素は鉛直方向に向くように設計されることが可能である。
【0011】
本発明2による土石混合粘質土壌の改良機は、前記縦方向格子要素(13)と横方向格子要素(14)の前記2組の傾斜面(17,18)は、四角錐面(24)であることを特徴とする。即ち、1組み傾斜面要素である1組の対向面を2組で形成することもできる。この場合、1組の複数の対向面のそれぞれは、他の1組の複数の対向面のそれぞれに対して直交するように形成することができる。この場合の典型的な例は、四角錐である。分離作用上は、そのような四角錐面は円錐面に置き換えることができる。設計上は、四角錐面は特に正方形四角錐面、正四面体面などとして設計されうるが、空間配置構成上、正方形四角錐面が好ましい。但し、製作上のコストを考慮に入れないならば、螺旋面も目詰まりを防止する点では好ましい。要するに、格子の内面は、振動方向に対して傾斜した面を有することが重要である。
【0012】
振動方向に傾斜する面は、その面に付着する粘質体にその面上を滑動するような分力を与えることができる。振動は、加速度が急激に変化する性質を持ち、分離用格子の面と粘質体との剥がし作用にすぐれている。四角錐面に代表されるような下側がすぼんだ形態面は、上側から投入され下側に水力を受ける粒状体、粒状体化しやすい粘土のような粘質体に回転力を付与して、下方側に押しやるすぐれた性質を有している。このような性質は、サイロ、米櫃等の円錐面で流下するトウモロコシ、米粒の群の流下特性にみられるように、渦流を発生させて詰まることなく下方に流動する現象でよく知られている。このような現象は、安息角とも関係していると推定される。
【0014】
前記分離手段(1)は、1種の解砕作用を含んでいる。格子間を流下する場合に大きい塊の1群の粘質体は、切断され、また切断時に回転的に流下し、即ち、螺旋運動しながら、その切断・螺旋回転時に解砕・混和が行われるので、この解砕・混和時に土壌改良剤を加えることは、特に有効である。前記解砕手段(3)は、積極的に別工程として、設けられている。
前記解砕手段(3)は、前記分離土を解砕するための切断手段(55)を備え、前記切断手段(55)は、複数の切断刃(71,72)を持ち、前記切断刃(71,72)は、共通の回転軸心線(54)を有すると良い。
また、前記切断刃(71,72)は、縦方向切断刃(71)と横方向切断刃(72)を含み、前記縦方向切断刃(71)は、前記分離土を前記回転軸心線に直行する方向である縦方向に切断し、前記横方向切断刃(72)は、前記分離土を前記回転軸心線に平行な方向である横方向に切断すると良い。このことによって、解砕による混合を促進し、土壌と改良剤の混合だけでなく、空気と土壌と改良剤の3者の混合を促進する。
【0015】
前記縦方向切断刃(71)と前記横方向切断刃(72)はともに複数であり、
前記複数の縦方向切断刃(71)と前記複数の横方向切断刃(72)はともに前記回転軸心線に対して線対称に配置されていることが好ましい。その縦方向切断刃は、その回転軸心線に平行な軸心線方向に延び、横方向切断刃はその回転軸心線に直交する方向に延びるように設計することができる。同軸の両切断刃は、それらの回転の安定性のために、それぞれに線対称に配置され、例えば、それぞれに180度の位相間隔を与えられている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図に一致させて、本発明による実施の形態を記述する。図1は、本発明による土石混合粘質土壌の改良機のシステムの構成を示している。このシステムは、土と石を分離するための分離工程に用いられる分離手段1、分離された分離土に土壌改良剤を混合・混和するための混合工程に用いられる混合手段2、分離土を解砕して空気の混入を促進するための解砕工程に用いられる解砕手段3とを含む。更に、分離工程と混合工程の間の分離土を搬送するための搬送手段4を含む。
【0017】
分離手段1
分離手段1は、基台5から立ち上がる支柱5に支持される分離機本体6を備えている。分離機本体6には、格子支持枠7が支持されている。格子支持枠7の分離機本体6に対する傾斜角度は、調整自在である。格子支持枠7の一端部は、分離機本体6に回転自在に結合され、ある任意の傾斜角度で固定される。格子支持枠7の支点部分は、分離機本体6に回転自在に固定されている。
【0018】
格子支持枠7上に、分離用格子8が固定され支持されている。分離用格子8と格子支持枠7との間に、振動発生手段9が介設されている。振動発生手段9としては、多種のものが知られ、たとえば、リンク機構11、そのリンク機構11のリンク要素に激しい往復運動を起こさせる回転運動体(図示せず)から構成されている。
【0019】
分離用格子8は、その上面として移動面12を形成している。移動面12は、分離用格子8の複数の単位格子のそれぞれの上端を接続する面として定義される。格子が網状であれば、その移動面は、いわゆる網面に相当する。移動面12は、その上に載置される石を滑動又は転動させて一方方向に移動させることができる面である。
【0020】
一定粒径以上の石は、1格子の内側に嵌まらず移動面12上を重力作用により一定方向に流下して、矢aで示すように分離用格子8から落下することになる。このように流下せず格子間に吸い込まれる土は、矢bで示すように、分離用格子8の下方に落下することになる。
【0021】
図3,4は、分離用格子8を示している。図3は、水平面上に置かれた分離用格子8の平面図として描かれている。分離用格子8は、交叉する方向に延びる縦方向格子要素13と横方向格子要素14とを備えている。縦方向格子要素13と横方向格子要素14とは、互いに交叉する方向に延びている。
【0022】
「縦横」は、交叉する2方向を意味する。図示例のものでは、交叉方向は直交方向に一致している。移動面上の石の移動方向を仮に図中で矢cで示す。この場合、縦方向格子要素13は傾斜し横方向格子要素14は水平向きに配置されている。複数の縦方向格子要素13と複数の横方向格子要素14はそれぞれに同じ間隔で配置されていることが好ましい。縦方向格子要素13は、横方向格子要素14の上端面に溶接などの手段により固定されている。
【0023】
縦方向格子要素13として、市販のいわゆるアングル材が用いられている。縦方向格子要素13は、両側に面を有し上向き凸面15を形成している。凸面の両側面は、縦方向格子要素13ととして市販のアングル材を使用しているので、直交している。凸面15は、鉛直線16に対して、移動面12の格子支持枠7に対する角度に対応してそれに依存する角度で傾斜している。
【0024】
隣り合う3本の縦方向格子要素13で、2つの単位格子を形成している。1本の縦方向格子要素13の片側の傾斜面17とその隣の縦方向格子要素13の他の側の傾斜面18とで、1格子単位の対向面19を形成する。対向面19のいずれかは、単位格子の中間にある鉛直面22又は格子の振動方向線を含む面22(以下、基準面22という)に対して、傾斜している。
【0025】
この場合、対向面19の両面はともにそれぞれに基準面22に対して傾斜している。対向面19の両面は、この場合特に、下方に進むにしたがって基準面22に接近している。対向面19の片側面は、基準面22に平行になるように設計することもできる。図示する対向面19は、四角錐面の1つの対向面に一致している。このような対向面は、円錐の対向部分面としても形成することができる。単位格子の内側面を切頭円錐面として形成することもできる。基準面に直交する面又は線上で、対向面間の間隔が下方で上方よりも狭くなるように設計されていることが特に好ましい。
【0026】
横方向格子要素14は、市販の開いた棒材が用いられている。横方向格子要素14の上端面の幅は狭い。その上端面に直交する2平面である側面23は鉛直面でよいが、鉛直面又は基準面22に対して傾斜していてもよい。隣り合う2本の横方向格子要素14の対向面が四角錐面の1つの対向面と同様に共に基準面に対して傾斜していてもよい。
【0027】
この場合も、基準面に直交する面又は線上で、対向面間の間隔が下方で上方よりも狭くなるように設計されていることが特に好ましい。もっとも理想的な格子内面は、縦方向格子要素13と横方向格子要素14とで形成される四角錐面である。このような四角錐面は、図5,6に示されている。
【0028】
図5に示されている分離用格子8は、縦横の縦方向格子要素13と横方向格子要素14が同一高さで交叉するように設計されている。縦方向格子要素13に用いられている角材と横方向格子要素14に用いられているアングル材は、それぞれの頂線が同一平面上に位置づけられている。この実施形態では、単位格子が内側に形成する面は、完全な四角錐面24に一致している。
【0029】
図7,8は、分離用格子8の更に他の実施形態を示している。図7に示される分離用格子8は、アングル材が用いられている縦方向格子要素13と板状棒材が用いられている横方向格子要素14とで形成されている。横方向格子要素14は、その上端面がその側面より広くなるように使用されている。その上端面もその側面も、基準面に対して傾斜している。
【0030】
この実施形態の分離用格子8は、分離用格子8の振動方向が鉛直面に対して大きく傾斜している場合に適している。縦方向格子要素13と横方向格子要素14の高さ位置関係は、図3と図5のもののそれらとは逆になっている。図8に示す横方向格子要素14は、縦方向格子要素13に固定されず引張部材26により引張されて縦方向格子要素13に対して相対的に固定されている鋼線で形成されている。
【0031】
搬送手段4
搬送手段4は、図1に示すように、搬送用の無端ベルト31を備えている。無端ベルト31は、駆動側プーリ32と従重側プーリ33との間で周回する。無端ベルト31の上側往路の一端部分の上方に、分離用格子8が位置づけられている。分離用格子8により篩い落とされた土は、無端ベルト31の上側の一端部に載せられ次の工程の混合場所に移送される。
【0032】
無端ベルト31は、図2に示されるような案内ローラ34により案内されその形状を整えられる。案内ローラ34は、中央の水平向きの中央ローラ35とその両側の傾斜ローラ36とから構成されている。案内ローラ34の上に置かれる無端ベルト31は、左右両側が中央側より立ち上がり断面上で凹状にその形状が整えられる。
【0033】
このような凹状形状を積極的に整えるように2段構えのローラで無端ベルト31を挟むように形成することができる。駆動側プーリ32は、駆動モータ35により駆動される。駆動モータ35としては、速度可変になるようにインバータが用いられることが好ましい。
【0034】
混合手段2
混合手段2は、改良材タンク41と射出手段42とを備えている。改良材タンク41の下方部に射出手段42が設けられている。射出手段42は、噴射部43を有している。土壌改良材は、生石灰である。生石灰は、噴射部43から無端ベルト31の上側往路の他端部分に載せられている移送中の分離土に向かって噴射・供給される。この位置では、土壌改良材と分離土との積極的な混合は、行われない。
【0035】
解砕手段3
解砕手段3は、解砕室ケーシング51を備えている。解砕室ケーシング51の中の解砕空間に、解砕機52が設けられている。解砕機52は、図9に示されているように、解砕用駆動モータ53と回転駆動軸54とから構成されている。回転駆動軸54は、切削刃55を備えている。
【0036】
複数の切削刃55は、回転駆動軸54にそれぞれに同軸に結合されている。各切削刃55の結合端部は、回転駆動軸54に揺動自在に結合されている。抵抗を受けない各55は、回転駆動軸54に対して相対的に回転運動することはない。解砕用駆動モータ53は、速度可変のインバータモータであり、逆転可能である。
【0037】
解砕室ケーシング51の解砕空間には、更に、2体の衝突板が設けられている。衝突板は、上方側衝突板57と下方側衝突板58とから構成されている。上方側衝突板57も下方側衝突板58も、その衝突面は、回転駆動軸54の回転軸心線に直交する放射方向線に対して概ね直交している。各切削刃55に付着しているが大きい遠心力により振り離される粘室土は、概ねその衝突面に直角でないある角度を持って衝突しそこから反射して散乱する。
【0038】
図10に示されているように、切削刃55は、大きい遠心力エネルギーが、1カ所に集中するように、外端部分の質量が大きくなるように分銅形状に形成されている。上方側衝突板57及び下方側衝突板58は、それぞれに、基板59と衝突緩和板61とから形成されている。基板59と衝突緩和板61との間の閉じた空間の中には、それぞれに、衝突を緩和するためのエネルギー吸収材例えば水、空気、シリコンなどが封入されている。
【0039】
切削刃55は、図11に示されているように、多数のセットから構成されている。その多数のセットは、単位切断要素62から構成されている。単位切断要素62は、同軸に軸方向に並んで配置されている。単位切断要素62は、更に、単位板63から形成されている。単位板63の形状は、図10に示されている分銅形状である。1セット中で隣り合う複数の単位板63の間には、隙間が与えられている。
【0040】
図12は、切削刃55の他の実施形態を示している。切断刃55は、縦方向切断刃71と横方向切断刃72を含む。縦方向切断刃71は、解砕空間中に投入される分離土を縦方向に切断する。横方向切断刃72は、その分離土を横方向に切断する。縦方向切断による切断瞬間の切断面が鉛直面であれば、横方向切断による切断瞬間の切断面はその鉛直面に直交し、その直交面は回転駆動軸54の回転軸心線を含む面に一致し、水平面であることも偶然にある。縦方向切断刃71は回転軸心線に平行な軸心線方向に延び、横方向切断刃72はその回転軸心線に直交する方向に延びている。
【0041】
図13に示されているように、回転駆動軸54に等間隔同軸に輪板73が固定されている。輪板73に、縦切断揺動用軸74が軸線方向に取りつけられている。輪板73に、横切断揺動用軸74が軸線方向に取りつけられている。横切断揺動用軸74に第1切断刃77が、揺動自在に結合されている。
【0042】
第1切断刃77は、図10に示す切削刃55と同形状であり、又それと取付方も同じである。各第1切断刃77は、鉛直面に一致する第1切断刃面78を両面として有している。したがって、第1切断刃77により切断される分離土の切断瞬間の切断面は、回転駆動軸54の回転軸心線に直交する直交面である鉛直面に一致する。
【0043】
輪板73に、横切断揺動用軸75が軸線方向に取りつけられている。横切断揺動用軸75に、揺動板76が取りつけられている。揺動板76は、回転軸心線に直交する直交面内で回転する。第2切断刃79が、揺動板76の外側端に結合されている。第2切断刃79は、両面として第2切断刃面81を有している。
【0044】
第2切断刃面81は、回転駆動軸54の回転軸心線に直交する直交面又は回転駆動軸54の回転軸心線を中心軸心線とする円筒面に一致している。したがって、抵抗なく回転する第1切断刃77の第1切断刃面78と第2切断刃79の第2切断刃面81とは、互いに直交していることになる。
【0045】
次に、分離、混合、解砕の一連の工程とその作用を説明する。分離手段1に、自走式バックホーなどで土石が投入される。土石は水分含有率が高く、土石中の微粒子分である砂は、粘質であり粘土状であると仮定する。このように投入され分離用格子8上に載せられた土石のうちの石でありある程度に大きい粒径の石Kは、単位格子の間に嵌まりこむことができない。
【0046】
縦方向格子要素13には激しい振動が、図14中に示される向きdに発生している。基準面22は、図中に示されている。振動方向の基準面に平行な成分をfで示している。以下、振動が方向fに発生しているものと仮定する。振動エネルギーを受けて運動しようとする石Kは、移動面12上で重力により、方向gに転動、摺動又は滑動する。やがて、石Kは、分離用格子8上の圏外に放出される。
【0047】
石Kに付着する小粒径の粘土は、石の表面から篩い落とされて、単位格子の中の目を通って、下方に落下する。石から剥がされた小粒径塊状の粘土体Lは、目を通らず縦方向格子要素13に付着することがある。そのような粘土体Lは、縦方向格子要素13の隣り合う傾斜面18により形成されている凸面の頂線81から、瞬間的に大きい相対加速度又は相対速度で、分離用格子8の振動の1周期の間で突き上げられる。
【0048】
このような突き上げにより、粘土体Lは分断される。分断された粘土体は、傾斜面18から方向fの相対加速度力の分力F(図14参照)を受けて、だるま落とし的に、下方に向かう傾斜面18を滑り落ちる。このように滑り落ちて再び集合して大きい体積に成長した粘土体Mは、複雑な力を受ける。対向する両傾斜面18に挟まれた粘土体Mは、両側で分力Fを受ける。
【0049】
両側から均等な分力Fを受けて空間的に狭くなる単位格子内の下方空間に押し込まれようとする粘土体Mは、トコロテンのよに押し出されない限り、格子目から絞りだされにくくなる。両傾斜面が何らかの意味で対称性を有している場合は、押し出されないことが、理に叶っている。しかし、このような対向する傾斜面18に挟まれた粒状、流動体は、サイロ、米櫃で知られているように、何らかの対称性の破れを引き起こし複雑な運動系を形成する。例えば、絞り出し作用に加えて、基準面22に含まれ移動面12に直交する格子の中心線のまわりの回転運動作用が働く。
【0050】
分力Fとそのような回転力の合成力により、粘土体Mに螺旋状の渦運動がある方向に生じる。更に強力な振動力が働き、傾斜面と粘土体Mの引き剥がし力によりそれらの間の粘着力が極端に弱くなって、螺旋回転運動をともなった絞り出し作用が容易に生じる。このようにして、体積が大きい粘土体Mも細く解体されながら格子目からずり落ちる。
【0051】
このようにずり落ちた粘土体は、無端ベルト31により移送される。無端ベルト31上での移送途中で、改良材タンク41から生石灰の供給を受ける。生石灰の供給は、分離用格子8上で行われてもよいが、分離用格子8上での生石灰の供給は、分離手段1に供給される土石中の土分と生石灰の供給量の比が調整しにくい。無端ベルト31上では、土砂の単位時間当たりの搬送量の調整が行われることが好ましい。その搬送量を検出して、生石灰の供給量を制御する。
【0052】
このように生石灰を添加された土砂は、無端ベルト31の端部から放出されて解砕手段3に投入される。解砕手段3は、土と生石灰の混和を促進する。土分は、解砕機52により解砕される。特に、解砕機52を構成する第1切断刃77と第2切断刃79とにより、縦横に切断されより細かく分断される。
【0053】
水分含有率の高低により、切削刃55の回転方向が切り換えられる。乾燥気味のものと湿潤気味のものとでは、上方側衝突板57又は衝突緩和板61に当たる確率が異なる。このような解砕により、土と生石灰の混和が促進される。混和後の混合体は、適切なコンベアで排出され、空気中に暴露される。
生石灰と粘質土との化学反応は、水と空気と粘土粒子と電子との複合反応としてよく知られているように、水和反応、炭酸化反応、イオン交換反応、ポラゾン反応の4反応であり、この一連の反応により、非常に硬い、砂状体、容易に解砕される塊状体に変わる。
【0054】
既述の諸手段に土の流量を制御するための流量制御手段が付加されることが好ましい。流量制御手段は、開閉度が制御されるゲート91として、図1に示されるように、分離手段1と混合手段2との間に介設されることが好ましい。ゲート91は、図15示されているように、無端ベルト31の基準搬送面92に直交する方向に上下動する開閉扉93を備えている。ゲート91を通過する土の流量は、開閉扉93の凹状面と基準搬送面92とのより囲まれるゲート形状の面積即ちゲート断面積と単位時間との積Sにより定義される。この断面積Sは、開閉扉93に付属する昇降板94の昇降位置により決定される。昇降板94は、パワーシリンダ95により昇降させられる。昇降板94のその凹状面の好ましい形状が、図16及び図17に示されている。図16に示される昇降板94は、搬送方向について後方側に突出する整流用切断刃96を有している。整流用切断刃96がない場合には、図17に示されているように、ゲート通過後に、粘質土の上面は、ギザギザ状面97になる。図18に示されているように、昇降板94の下端面をジグザグ状の凹凸面97にすることにより、粘質土の表面の面積を増大させることができる。ゲートを通過する流量は、無端状ベルトの速度とゲートの開き断面積の積により決定されるので、その速度又は開き度を調整することにより、制御される。ベルトの速度は、駆動モータ35であるインバータモータにより制御される。その流量に対応して即ちその流量に比例させて生石灰の噴射供給量を可変する。
【0055】
図19に示されているように、ゲート91の手前に、耕耘羽根98が配置されている。耕耘羽根98は、湿田の土壌の耕耘のために用いられる農業機械である耕耘機の耕耘羽根に類似した形状に形成されている。即ち、耕耘羽根98は、粘質塊状体を解砕し混合する機能を有している。
【0056】
図20は、コンベアを支持する駆動プーリ32などのプーリ99の形状を示している。プーリ99は、回転軸101とプーリ本体102とを備えている。プーリ本体102の両側に、同軸にリブ103が取りつけられている。上下のベルト31とプーリ本体102との間の空隙に挟まれる粘質土は、リブ103の方に移動して、ベルト31をプーリから持ち上げたり、プーリの緊張力を無用に増大することがない。
【0057】
【発明の効果】
本発明による土石混合粘質土壌の改良機は、目詰まりを起こさない分離用格子よって粘質土石の分離性能がよく、改良土壌の生産効率が高く、全システムの生産効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による土石混合粘質土壌の改良機の実施の形態を示す正面図である。
【図2】図2は、図1の左側面図である。
【図3】図3は、分離用格子の実施の形態を示す平面図である。
【図4】図4は、図3の正面図である。
【図5】図5は、分離用格子の他の実施の形態を示す平面図である。
【図6】図6は、図5の正面図である。
【図7】図7は、分離用格子の更に他の実施の形態を示す平面図である。
【図8】図8は、図7の正面図である。
【図9】図9は、解砕機の実施の形態を示す正面図である。
【図10】図10は、図9の一部を更に詳細に示す正面図である。
【図11】図11は、図9の平面図である。
【図12】図12は、切断刃の他の実施の形態を示す断面図である。
【図13】図13は、図12の側面図である。
【図14】図14は、作用を解説するための正面図である。
【図15】図15は、ゲートを示す断面図である。
【図16】図16は、ゲートの他の形態を示す断面図である。
【図17】図17は、ゲートの普通の形状を示す断面図である。
【図18】図18は、ゲートの他の形態を示す断面図である。
【図19】図19は、耕耘機を示す正面図である。
【図20】図20は、プーリの実施の形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1…分離手段
2…混合手段
3…解砕手段
4…搬送手段
8…分離用格子
12…移動面
13…縦方向格子要素
14…横方向格子要素
18…傾斜面
19…対向面
22…基準面
31…無端ベルト
35…駆動モータ
41…改良材タンク
52…解砕機
53…解砕用駆動モータ
54…回転駆動軸
55…切削刃
57…上方側衝突板
58…下方側衝突板
72…横方向切断刃
77…第1切断刃
78…第1切断刃面
79…第2切断刃
81…第2切断刃面
Claims (5)
- 粘質の土石を石と土に分離するための分離手段(1)と、
前記分離手段(1)により前記石から前記土が分離された分離土に土壌改良剤を混合するための混合手段(2)と、
前記混合の後に前記分離土を解砕するための解砕手段(3)とを含む土石混合粘質土壌の改良機において、
前記分離手段(1)は、
前記土石を前記土と前記石を分離するための分離用格子(8)と、
前記分離用格子(8)を鉛直方向に振動させるための振動手段(9)とを備え、
前記分離格子(8)は、その上側に供給される前記石を移動させるための移動面(12)を有し、
前記分離用格子(8)の1単位は内側に傾斜面(17,18)を有し、
前記分離格子(8)は、交叉する方向に延びる前記縦方向格子要素(13)と横方向格子要素(14)を備え、
前記傾斜面(17,18)は、前記振動の方向に対して傾斜し、
前記傾斜面(17,18)は、互いに対向する1組の複数の傾斜面要素(19)を有し、
前記複数の傾斜面要素(19)は、前記振動方向を含む面(22)に直交する線上で、その鉛直方向の下側の対向間隔がその上側の対向間隔よりも狭くなるように対向面(19)が形成され、
前記縦方向格子要素(13)は、凸状の凸面(15)を有し、
隣り合う2体の前記縦方向格子要素(13)の前記凸面(15)より前記傾斜面(17,18)が形成され、
前記移動面(12)は、前記縦方向格子要素(13)と直行する方向(c)である
ことを特徴とする土石混合粘質土壌の改良機。 - 請求項1において、
前記縦方向格子要素(13)と横方向格子要素(14)の前記2組の傾斜面(17,18)は、四角錐面(24)である
ことを特徴とする土石混合粘質土壌の改良機。 - 請求項1において、
前記解砕手段(3)は、前記分離土を解砕するための切断手段(55)を備え、
前記切断手段(55)は、複数の切断刃(71,72)を持ち、
前記切断刃(71,72)は、共通の回転軸心線(54)を有する
ことを特徴とする土石混合粘質土壌の改良機。 - 請求項3において、
前記切断刃(71,72)は、縦方向切断刃(71)と横方向切断刃(72)を含み、前記縦方向切断刃(71)は、前記分離土を前記回転軸心線に直行する方向である縦方向に切断し、前記横方向切断刃(72)は、前記分離土を前記回転軸心線に平行な方向である横方向に切断する
ことを特徴とする土石混合粘質土壌の改良機。 - 請求項4において、
前記縦方向切断刃(71)と前記横方向切断刃(72)はともに複数であり、
前記複数の縦方向切断刃(71)と前記複数の横方向切断刃(72)はともに前記回転軸心線に対して線対称に配置されている
ことを特徴とする土石混合粘質土壌の改良機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08799098A JP3832963B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 土石混合粘質土壌の改良機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08799098A JP3832963B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 土石混合粘質土壌の改良機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11264152A JPH11264152A (ja) | 1999-09-28 |
JP3832963B2 true JP3832963B2 (ja) | 2006-10-11 |
Family
ID=13930263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP08799098A Expired - Lifetime JP3832963B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 土石混合粘質土壌の改良機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3832963B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6605161B1 (ja) * | 2019-01-29 | 2019-11-13 | 五洋建設株式会社 | 粘性土処理装置、粘性土処理方法およびバケット |
-
1998
- 1998-03-17 JP JP08799098A patent/JP3832963B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH11264152A (ja) | 1999-09-28 |
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