JP3832930B2 - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プーリ幅可変タイプのドライブおよびドリブンプーリ間にベルトを巻き掛けてなるベルト式無段変速機構を有したベルト式無段変速機に関し、特に、入力側にトルクコンバータを有してなるベルト式無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなベルト式無段変速機は従来から種々のものが提案されており、入力側にトルクコンバータを有するベルト式無段変速機も種々のものがある。例えば、特開平5−203014号公報には、エンジン出力軸に繋がる第1軸(入力軸)上にトルクコンバータおよびドライブプーリをこの順で配設し、第1軸から離間するとともにこれと平行に延びた第2軸上にドリブンプーリを配設し、第3軸から離間するとともにこれと平行に延びた第3軸上に遊星歯車列からなる前後進切換機構を配設してなるベルト式無段変速機が開示されている。
【0003】
また、特開平5−209665号公報および特開平6−221394号公報等には、エンジン出力軸に繋がる第1軸上にトルクコンバータ、前後進切換機構およびドライブプーリをこの順で配設し、第2軸上にドリブンプーリを配設し、ドリブンプーリの出力を動力伝達ギヤ列を介してデフ機構に伝達するように構成されたベルト式無段変速機が開示されている。さらに、特開平6−201006号公報には、エンジン出力軸に繋がる第1軸上にトルクコンバータ、ドライブプーリおよび前後進切換機構をこの順で配設し、第2軸上にドリブンプーリおよび遊星歯車式副変速機構を配設し、副変速機構の出力を動力伝達ギヤ列を介してデフ機構に伝達するように構成されたベルト式無段変速機が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来から種々の構成のトルクコンバータ付きベルト式無段変速機が知られているが、いずれもエンジン出力軸に繋がる(エンジン出力軸と同軸の)第1軸(入力軸)上に、トルクコンバータおよびドライブプーリ、さらには前後進切換機構が配設される構成であった。ここで、自動車用として無段変速機が用いられる場合、エンジン出力軸は車体の下部に位置するため、これと同軸の第1軸も車体下部に位置し、変速機ハウジングの下部に配設せざるを得ない。このため、ドライブプーリが変速機ハウジング内に入れられているトランスミッション油内に浸った状態となり、運転中においてはドライブプーリおよびベルトがトランスミッション油を撹拌し、撹拌抵抗等による駆動ロスの増加、油温の上昇、エアレーション(油中への空気の混入)の発生(特に低温時)が生じやすいという問題がある。また、油中に浸っているドライブプーリの体積分だけオイルパン容量が小さくなるという問題もある。
【0005】
さらに、第1軸がハウジング下部に位置するため、ドライブプーリの外径はハウジングとの干渉を避けるために制限され、ドライブプーリの外径を大きくしてトルク容量を増加させるのが難しいという問題がある。また、ドライブ及びドリブンプーリにおけるプーリ幅可変調整等のための供給油圧制御を行う油圧制御バルブをハウジングの底部に配設する構成が一般的に採用されるが、第1軸がハウジング下部に位置するとともにこの上にドライブプーリ、前後進切換機構等が配設されているため、これらとの干渉を避ける必要から油圧制御バルブの配設位置が制限されるという問題もある。なお、当然ながら、第1軸にトルクコンバータ、前後進切換機構およびドライブプーリを並んで配設する構成では、軸方向寸法が大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、ベルト伝達機構部分によるトランスミッションオイルの撹拌を防止でき、オイルパン容量を大きくとることができ、ドライブプーリの外径を大きくしてトルク容量を増大させることが可能となり、油圧制御バルブの配設位置の自由度が高く、且つ軸方向寸法を短くしてコンパクトな構成とすることができるようなベルト式無段変速機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、駆動源に繋がる第1軸(変速機入力軸)上にトルクコンバータと前後進切換機構とを直列に配設し、第1軸から離れてこれと平行に延びる第2軸上にプーリ幅可変タイプのドライブプーリを配設するとともに前後進切換機構の出力を第1の動力伝達手段(実施形態における第1動力伝達ギヤ列15)によりドライブプーリに伝達させるようになし、第2軸から離れてこれと平行に延びる第3軸上にプーリ幅可変タイプのドリブンプーリを配設するとともにドライブプーリおよびドリブンプーリ間にベルトを巻き掛け、第3軸から離間して平行に延びるディファレンシャル取付軸(実施形態における第5軸S5)上にディファレンシャル機構を配設するとともにドリブンプーリの回転駆動力を第2の動力伝達手段(実施形態における第2動力伝達ギヤ列30)によりディファレンシャル機構に伝達させるようになしてベルト式無段変速機が構成される。さらに、この変速機においては、ドライブプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段がドライブプーリにおける駆動源側の側面に設けられ、ドリブンプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段がドリブンプーリにおける駆動源側とは反対側の側面に設けられ、第1の動力伝達手段がドライブプーリに対して駆動源とは反対側に配設され、第2の動力伝達手段がドリブンプーリに対して駆動源側に配設されている。
【0008】
このような構成のベルト式無段変速機の場合には、第1軸上にはトルクコンバータと前後進切換機構のみが配設され、第2および第3軸にベルトが巻き掛けられたドライブおよびドリブンプーリが配設されるため、第1軸の軸方向寸法は従来に比べて短く、さらに、第2軸および第3軸上にはそれぞれドライブおよびドリブンプーリが配設されるだけであるので、変速機全体としての軸方向寸法が短くなって、コンパクトな構成になる。
【0009】
また、前後進切換機構の出力をドライブプーリに伝達する第1の動力伝達手段がドライブプーリに対して駆動源とは反対側に配設されているため、すなわち、ドライブプーリが、第1の動力伝達手段に対して駆動源側(エンジン側)に配設されているため、変速機が右方向(車幅方向)に突出する量を小さく抑えて、変速機の軸方向の寸法をできる限り短くし、変速機をコンパクトにすることができる。さらに、後述の実施例に記載されているように、第2および第3軸が第1軸よりも上方に位置するため、第2および第3軸に配設されてベルトが巻き掛けられたドライブおよびドリブンプーリが変速機ハウジングの上部に位置し、プーリおよびベルトによるトランスミッション油の撹拌が生じない。また、第2軸および第3軸に取り付けられたドライブおよびドリブンプーリの下方に比較的大きな空間を設けることができ、大きなオイルパン容量が得られるとともに油圧制御バルブの配設位置の自由度が大きくなる。さらに、第2および第3軸が上方に位置することによって、これらに取り付けられたドライブおよびドリブンプーリの外径の制限が緩くなり、この外径を大きくして伝達トルク容量を大きくするのが簡単である。
【0010】
なお、一般的に、変速機がエンジン横置きのFF車に搭載される場合に、エンジン出力端部(エンジンフライホイール部)は車体幅方向側方に位置するため、このエンジンの出力端部に取り付けられる変速機も車体幅方向側方に位置する。ところが、FF車では変速機の出力側にディファレンシャル機構が設けられて左右車輪に出力が伝達されるようになっており、このときに、変速機が車幅方向側方に位置すると、ディファレンシャル機構から左右の車輪に動力伝達を行う左右のアクスルシャフトの長さが相違する。なお、左右車輪はサスペンション機構を介して車体に取り付けられており、走行中に車体に対して上下動するため、左右アクスルシャフトにはユニバーサルジョイントが設けられてこのような左右車輪の上下動に対応するようになっている。ここで、上記のように左右アクスルシャフトの長さが相違すると、車輪の上下動に対応するユニバーサルジョイントの交差角度が左右で異なり、左右車輪への動力伝達にアンバランスが生じるという問題がある。
【0011】
本発明に係るベルト式無段変速機の場合には、ドライブプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段がドライブプーリにおける駆動源側(すなわち、エンジン側)の側面に設けられ、ドリブンプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段がドリブンプーリにおける駆動源側とは反対側の側面に設けられている。このため、ドリブンプーリからディファレンシャル機構に動力伝達を行うギヤ列を変速機ハウジング内における駆動源側(エンジン側)に位置して配設可能となり、ディファレンシャル機構も変速機ハウジング内において駆動源側に配設可能となる。このように、ディファレンシャル機構を変速機ハウジング内においてできる限りエンジン側、すなわち、車幅方向中央寄りに配設可能であり、これにより左右のアクスルシャフト長の相違をできる限り小さくすることができ、左右車輪の動力伝達のアンバランスを抑えることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して以下に詳しく説明する。まず、図1および図2に本発明に係るベルト式無段変速機構成の一例についての動力伝達経路構成を示しており、両図は組合わさって一つの動力伝達経路構成を示す。また、図3にこの変速機の具体的な構成を示すが、この構成をより明瞭に示すため、この構成を入力側部分(図4)、ベルト式無段変速機構部分(図5)および出力側部分(図6)に分割して示している。さらに、図7には、変速機ハウジング内における各軸の位置関係を示している。なお、図3は、図7における第1〜第5軸S1〜S5およびアイドラ軸Siを通って矢印III−IIIに沿った断面を示す。
【0013】
ベルト式無段変速機のハウジング1は、図1から6における左端にエンジンフライホイールハウジングとの接合面2を有しており、この接合面2がエンジンフライホイールに接合されて変速機がエンジンに取り付けられる。このとき、エンジン出力シャフトEsと同軸上に第1軸(AXIS)S1が位置する。なお、以下の説明においては、変速機の回転シャフト、ギヤ等の各回転中心軸を第1軸S1〜第5軸S5として示すが、これは中心軸線を意味する。
【0014】
このベルト式無段変速機においては、ハウジング1内における第1軸S1上にトルクコンバータ5(インペラ5a、タービン5bおよびステータ5cからなる)および前後進切換機構10を直列に有する。エンジン出力シャフトEsはトルクコンバータ5のインペラ5aに接続され、トルクコンバータ5のタービン5bはタービンシャフト6(これは前後進切換機構10の入力シャフトでもある)と繋がる。なお、トルクコンバータ5は、エンジン出力シャフトEsとタービン5bとを直接接続可能なロックアップクラッチ5dを有する。前後進切換機構10はダブルピニオンタイプのプラネタリギヤを有し、入出力部材(タービンシャフト6と第1シャフト13)を直結可能な前進用クラッチ11と、リングギヤを固定保持可能な後進用ブレーキ12とを備える。これらクラッチ11およびブレーキ12を選択的に作動させて、タービンシャフト6(前後進切換機構の入力シャフト)に対して第1シャフト13(前後進切換機構の出力シャフト)を正転もしくは逆転させることが可能となっている。
【0015】
第1シャフト13には、第1軸S1上で右端に位置して第1ギヤ16が結合配設されており、この第1ギヤ16は、第1軸S1から所定距離だけ離れて平行に延びるアイドラ軸Si上を回転自在に配設されたアイドラギヤ17と噛合する。さらに、アイドラ軸Siから所定距離だけ離れて平行に延びる第2軸S2上に回転自在に配設された第2シャフト23に第2ギヤ18が結合配設されており、第2ギヤ18はアイドラギヤ17と噛合する。このように、第1ギヤ16、アイドラギヤ17および第2ギヤ18により第1動力伝達ギヤ列15が構成されており、第1シャフト13の回転が第1動力伝達ギヤ列15を介して第2シャフト23に伝達される。
【0016】
第2シャフト23には、これと一体に形成された固定プーリ半体21aと、これに対向するとともに第2シャフト23上を軸方向に移動自在に配設された可動プーリ半体21bとからなるドライブプーリ21が、第2ギヤ18の左側(エンジン側)に位置して配設されている。第2軸S2から所定距離だけ離れて平行に延びる第3軸S3上には回転自在に第3シャフト27が配設されており、この第3シャフト27と一体に形成された固定プーリ半体25aと、これに対向するとともに第3シャフト27上を軸方向に移動自在に配設された可動プーリ半体25bとからドリブンプーリ25が構成されている。
【0017】
ドライブプーリ21とドリブンプーリ25とに金属Vベルト24が巻き掛けられてベルト式動力伝達装置20が構成されており、ドライブプーリ21の回転が金属Vベルト24を介してドリブンプーリ25に伝達される。このとき、両プーリ21,25の可動プーリ21b,25bを移動させてプーリ幅を調整することにより、両プーリ21,25におけるベルトの巻き掛け半径を任意に調整することができ、両プーリ21,25間での減速比を無段階に調整することができる。このようなプーリ幅調整のため(すなわち、可動プーリ21b,25bの移動量調整のため)、ドライブ側油圧シリンダ22およびドリブン側油圧シリンダ26が設けられている。
【0018】
ここで、ドライブ側油圧シリンダ22はドライブプーリ21の左側(エンジン側)に配設され、ドリブン側油圧シリンダ26はドリブンプーリ25の右側(エンジンとは反対側)に配設されている。このため、変速機の大部分の構成部品を第1動力伝達ギヤ列15より左側(エンジン側)に配設することができ、変速機が右方向に突出する量を小さく抑えて、変速機の軸方向寸法をできる限り短くし、変速機をコンパクトにすることができる。
【0019】
ドリブンプーリ25の左側(エンジン側)には第3ギヤ31が第3シャフト27に結合して配設されている。第3軸S3から所定距離離れて平行に延びる第4軸S4上には第4シャフト34が回転自在に配設され、第4シャフト34には第4ギヤ32および第5ギヤ33が一体に形成されている。第3ギヤ31は第4ギヤ32と噛合する。また、第4軸S4から所定距離離れて平行に延びる第5軸S5上にはディファレンシャル機構36が配設されており、このディファレンシャル機構36に結合配設された第6ギヤ35が第5ギヤ33と噛合する。このように、第3〜第6ギヤ31,32,33,35により第2動力伝達ギヤ列30が構成されており、ドリブンプーリ25の回転は第2動力伝達ギヤ列30を介してディファレンシャル機構36に伝達される。なお、第3ギヤ31はドリブンプーリ25の左側(エンジン側)に配設されており、第2動力伝達ギヤ列30は変速機ハウジング1内において左側(エンジン側)に位置する。
【0020】
ディファレンシャル機構36には左右のアクスルシャフト37,38が繋がっており、ディファレンシャル機構36に伝達された動力はここで分割されて左右のアクスルシャフト37,38を介して左右の車輪(図示せず)に伝達される。この場合に、上述のように第2動力伝達ギヤ列30は変速機ハウジング1内において左側(エンジン側)に位置するため、ディファレンシャル機構36も左側に位置する。本例では、エンジンを車幅方向に搭載したFF車に適用する場合を示しているが、この場合、エンジンフライホイールは車幅方向一方の側(図における右側)に位置するため、変速機も車幅方向一方の側(図の右側)に位置する。ところで、本例では、ディファレンシャル機構36を、変速機ハウジング1内におけるできる限り左側(エンジン側)に配設してこれができる限り車幅方向中央に近付くようにしている。このため、左右のアクスルシャフト37,38の長さの相違は可能な限り小さくなっており、左右のアクスルシャフト37,38を介した動力伝達効率(ユニバーサルジョイントの交差角の相違により生じる効率)の差が抑制されている。
【0021】
図7には、本変速機における第1〜第5軸S1〜S5およびアイドラ軸Siの位置関係を示している。この図から良く分かるように、第1軸S1および第5軸S5が変速機ハウジング1の下部に位置するとともに、第2軸S2および第3軸S3は上部に位置している。このため、これら第2軸S2から第3軸S3にかけて配設されたベルト式動力伝達装置20は変速機ハウジング1内の上部に位置し、ハウジング1内に入れられたトランスミッション油の油面より上方に位置する。この結果、ドライブおよびドリブンプーリ21,25と金属Vベルト24によるトランスミッション油の撹拌は生じることがなく、従来問題とされたトランスミッション油の撹拌による駆動ロス増加、油温の上昇、エアレーションの発生等の問題は生じない。
【0022】
また、このように変速機ハウジング1の下部には第1軸S1および第5軸S5のみが位置し、ベルト式動力伝達装置20を上方に配設しているので、ベルト式動力伝達装置20の下方に比較的大きな空間を設けることが可能となる。これにより、比較的大きなオイルパン容量を確保するのが容易である。また、油圧制御バルブの配設位置の自由度が大きくなる。例えば、図7において破線V’で示す位置(これは従来と同様の位置)のみならず、実線Vで示す位置にも配設できるなどその自由度は高い。
【0023】
さらに、ベルト式動力伝達装置20はハウジング1の上方に配設されているが、ハウジング1の下面は車の最低地上高等との関係からその位置に制限があるが、上方については比較的制限が少ない。このため、ベルト式動力伝達装置20を構成するドライブおよびドリブンプーリ21,25の外径を大きくしてさらに大きなトルク伝達も可能にすることが比較的容易である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1軸上にはトルクコンバータと前後進切換機構のみが配設され、第2および第3軸にベルトが巻き掛けられたドライブおよびドリブンプーリが配設されるため、第1軸の軸方向寸法は従来に比べて短く、さらに、第2軸および第3軸上にはそれぞれドライブおよびドリブンプーリが配設されるだけであるので、変速機全体としての軸方向寸法を短くして、全体としてコンパクトな構成にすることができる。
【0025】
また、前後進切換機構の出力をドライブプーリに伝達する第1の動力伝達手段がドライブプーリに対して駆動源とは反対側に配設されているため、すなわち、ドライブプーリが、第1の動力伝達手段に対して駆動源側(エンジン側)に配設することができ、変速機が右方向(車幅方向)に突出する量を小さく抑えて、変速機の軸方向の寸法をできる限り短くし、変速機をコンパクトにすることができる。さらに、前述の実施例に記載されているように、第2および第3軸を第1軸よりも上方に配置して、ドライブおよびドリブンプーリを上側に配置することにより、プーリおよびベルトによるトランスミッション油の撹拌が生じず、この撹拌による駆動ロス、油温上昇、エアレーションの発生をなくすことができる。また、第2軸および第3軸に取り付けられたドライブおよびドリブンプーリの下方に比較的大きな空間を設けることができ、大きなオイルパン容量を確保することが可能であるとともに油圧制御バルブの配設位置の自由度を大きくすることができる。さらに、変速機ハウジングにおける上部の寸法制限は緩いことから、上部に配設されたドライブおよびドリブンプーリの外径の制限が緩くなり、この外径を大きくして伝達トルク容量を大きくすることが可能である。
【0026】
さらに本発明では、ドライブプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段がドライブプーリにおける駆動源側(すなわち、エンジン側)の側面に設けられ、ドリブンプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段がドリブンプーリにおける駆動源側とは反対側の側面に設けられているので、ドリブンプーリからディファレンシャル機構に動力伝達を行うギヤ列(第2動力伝達ギヤ列)を変速機ハウジング内における駆動源側(エンジン側)に位置して配設可能となり、ディファレンシャル機構も変速機ハウジング内において駆動源側に配設可能となる。このように、ディファレンシャル機構を変速機ハウジング内においてできる限りエンジン側、すなわち、車幅方向中央寄りに配設可能であり、これにより左右のアクスルシャフト長の相違をできる限り小さくすることができ、左右車輪の動力伝達のアンバランスを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト式無段変速機の構成を示すスケルトン図である。
【図2】本発明に係るベルト式無段変速機の構成を示すスケルトン図である。
【図3】本発明に係るベルト式無段変速機の構成を、図7における第1〜第5軸およびアイドラ軸を通るとともに矢印III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図3に示す変速機の入力側部分の構成を拡大して示す断面図である。
【図5】図3に示す変速機のベルト式無段変速機構部分の構成を拡大して示す断面図である。
【図6】図3に示す変速機の出力側部分の構成を拡大して示す断面図である。
【図7】上記ベルト式無段変速機の軸位置関係を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 変速機ハウジング
5 トルクコンバータ
10 前後進切換機構
15 第1動力伝達ギヤ列
20 ベルト式動力伝達装置
21 ドライブプーリ
24 金属Vベルト
25 ドリブンプーリ
30 第2動力伝達ギヤ列
36 ディファレンシャル機構

Claims (1)

  1. 駆動源に繋がる第1軸上に配設されるとともに前記駆動源からの駆動力を受けて回転駆動されるトルクコンバータと、前記第1軸上に前記トルクコンバータと直列に配設されて前記トルクコンバータの出力回転方向を正逆切換可能な前後進切換機構と、前記第1軸から離間して平行に延びる第2軸上に配設されたプーリ幅可変タイプのドライブプーリと、前記前後進切換機構の出力を前記ドライブプーリに伝達する第1の動力伝達手段と、前記第2軸から離間して平行に延びる第3軸上に配設されたプーリ幅可変タイプのドリブンプーリと、前記ドライブプーリおよび前記ドリブンプーリ間に巻き掛けられたベルトと、前記第3軸から離間して平行に延びるディファレンシャル取付軸上に配設されたディファレンシャル機構と、前記ドリブンプーリの回転駆動力を前記ディファレンシャル機構に伝達する第2の動力伝達手段とを備え、
    前記ドライブプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段が前記ドライブプーリにおける前記駆動源側の側面に設けられており、
    前記ドリブンプーリのプーリ幅を可変調整する油圧シリンダ手段が前記ドリブンプーリにおける前記駆動源側とは反対側の側面に設けられ、
    前記第1の動力伝達手段が前記ドライブプーリに対して前記駆動源とは反対側に配設され、
    前記第2の動力伝達手段が前記ドリブンプーリに対して前記駆動源側に配設されていることを特徴とするベルト式無段変速機。
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