JP3832301B2 - 液晶性フマル酸ジエステルおよびその高分子体 - Google Patents

液晶性フマル酸ジエステルおよびその高分子体 Download PDF

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Description

【本発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は重合しうる特定の液晶性フマル酸ジエステル、この高分子体、この高分子体からなる位相差板、偏光板、液晶配向膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
重合性の液晶性化合物を配向させた状態で光重合させると、均一な配向状態が固定化されるので、光学異方性を示す高分子体が得られる(特開平8−3111号公報)。反応性の高さ、高分子体の透明性などの点からアクリレートの高分子体が一般的に用いられる(特開平7−17910号公報、特開平9−316032号公報)。しかし、この高分子体は機械的な強度と耐熱性が充分でない。そこで、耐熱性を向上するために多官能性のアクリレートを添加して架橋を行う方法が報告された(特開平11−80081)。
【0003】
一方、フマル酸ジエステルを重合して得られる高分子体はアクリレートの高分子体に較べて機械的強度と耐熱性に優れる。ポリメチレン主鎖の炭素総てに置換基が結合しているからである。フマル酸ジエステルの高分子体は透明性に優れているので光学材料に適している。ところが、ケミストリーエクスプレス(Chemistry Express)、Vol. 5、No. 8、pp625 (1990)、ケミストリーレターズ(Chemistry Letters) 、pp1697 (1990) に開示された液晶性フマル酸ジエステルは重合反応性が極めて低いので、光学異方性を示す高分子体を収率よく製造するのが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は重合しうる液晶性フマル酸ジエステル、および機械的強度と耐熱性に優れた、その高分子体を提供することにある。本発明の別の目的は高い重合反応性を有する液晶性フマル酸ジエステルと、高分子量の高分子体を提供することにある
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の目的を達成するために鋭意検討したところ、特定のフマル酸ジエステルが優れた液晶性と高い反応性とをあわせ持つことを見いだし、本発明を完成させた。なお、「液晶性」の用語は、(1)化合物が液晶相を有する、(2)化合物が液晶相を有しないが、他の液晶性化合物と混合したときにその液晶相を阻害しない、の両者を意味する。(2)の化合物は液晶組成物の成分として活用できるからである。
【0005】
本発明の化合物における第1の特徴は、フマル酸に結合した基の少なくとも一方が剛直な基であり、これが液晶性に寄与する点にある。剛直な基はメチレン鎖などのスペーサーを介さずにフマル酸に結合しているので、高分子体では拘束される。これによって本発明の高分子体は良好な液晶性を有し、機械的な強度と耐熱性に優れると解釈される。
【0006】
第2の特徴は、フマル酸に対して少なくとも1つのシクロヘキシレンが直接結合している点である。下記の液晶性のフマル酸ジエステルがモレキュラークリスタルズアンドリキッドクリスタルズ(Mol. Cryst. Liq. Cryst.), 1975, Vol. 30, 201 に報告された。
Figure 0003832301
ところが、この化合物の重合性は極めて低いので高分子体が得られない(比較例1を参照)。したがって、シクロヘキシレンが高い重合性に寄与していると考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の化合物をより具体的に説明する。本発明の化合物は式(1)で表される化合物である。なお、式(1)で表わされる化合物を化合物(1)と表記することがある。
Figure 0003832301
【0008】
式中、Rは炭素数1から20を有する直鎖アルキルであり、またRは1つまたは隣り合わない2つの−CH−が−O−、−S−、−CF−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルであり;A、AおよびAは独立にシクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,4−ジイル、1つから4つの水素がフッ素で置き換えられたシクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−フェニレン、1つから4つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは独立に単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、OCF−、−CHO−、−OCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Rは水素、炭素数1から20のアルキル、1つの−CH−が−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19のアルキル、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−NCO、−NCS、−F、または−Clであり;mおよびnは独立に0、1または2である。但し、mが0であるとき、R は炭素数3から20を有する直鎖アルキル、または1つもしくは隣り合わない2つの−CH −が−O−、−S−、−CF −、−COO−、−OCO−もしくは−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルである。
【0009】
好ましいRは直鎖アルキルまたは1つの−CH−が−O−で置き換えられた直鎖アルキルである。具体的な例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、メトキシメチル、メトキシエチルである。但し、mが0であるときには、メチルおよびエチルは含まれない。
【0010】
好ましいA、AとAの構造を次に例示する。
Figure 0003832301
【0011】
好ましいZおよびZは−COO−、−OCO−,−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、および−C≡C−である。これらの化合物は広い液晶相の温度範囲を有する。さらに好ましいZおよびZは−CFO−または−OCF−である。これらの化合物は比較的低い粘性を有する。
【0012】
好ましいRは水素、アルキル、1つの−CH−が−O−で置き換えられたアルキル、−CN、−CF、−CFH、−OCF、または−Fである。具体的な例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、およびデシルオキシである。
【0013】
好ましい化合物(1)は、ZおよびZが単結合であり、mおよびnが0である化合物、ZおよびZが単結合であり、mが1であり、nが0である化合物、ZおよびZが単結合であり、mとnが1である化合物である。
本発明の高分子体は化合物(1)の少なくとも1つを含有する重合性液晶組成物を重合させることによって得られる。すなわち、式(2)で表される反復単位の少なくとも1つを含有する高分子体である。この高分子体を高分子体(2)と表記することがある。
Figure 0003832301
式中、Rは炭素数1から20を有する直鎖アルキルであり、またRは1つまたは隣り合わない2つの−CH−が−O−、−S−、−CF−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルであり;A、AおよびAは独立にシクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,4−ジイル、1つから4つの水素がフッ素で置き換えられたシクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−フェニレン、1つから4つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは独立に単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、OCF−、−CHO−、−OCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Rは水素、炭素数1から20のアルキル、1つの−CH−が−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19のアルキル、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−NCO、−NCS、−F、または−Clであり;mおよびnは独立に0、1または2であり、Xは正の整数である。但し、mが0であるとき、R は炭素数3から20を有する直鎖アルキル、または1つもしくは隣り合わない2つの−CH −が−O−、−S−、−CF −、−COO−、−OCO−もしくは−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルである。
【0014】
本発明は高分子体(2)の薄膜にも係わる。この薄膜は写真フイルムのように支持体を必要としない薄膜および液晶配向膜のようにガラス板を支持体として必要とする薄膜を含む。本発明は厚さが50μm以下、光の透過率が80%以上、ヘイズ値が1.5%以下である高分子体(2)の光学異方性薄膜、その位相差板に係わり、厚さ100nm以下である高分子体(2)の薄膜、その液晶配向膜に係わる。
【0015】
[化合物の製造方法]
本発明の化合物(1)は、次の方法に従って製造できる。無水マレイン酸を置換シクロヘキサノールでエステル化してマレイン酸モノエステル(a)を得る。化合物(a)をフマル酸モノエステル(b)に異性化する。ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の縮合剤の存在下でフマル酸モノエステル(b)をアルコール誘導体(またはフェノール誘導体)でエステル化して、目的の化合物(1)を製造する。
Figure 0003832301
【0016】
化合物(1)はマレイン酸モノエステル(a)をアルコール誘導体(またはフェノール誘導体)でエステル化した後、モルホリンなどの塩基を用いて異性化する方法によっても製造できる
Figure 0003832301
以上の製造方法により以下に示す化合物[1]〜[135]を製造する。
【0017】
Figure 0003832301
【0018】
Figure 0003832301
【0019】
Figure 0003832301
【0020】
Figure 0003832301
【0021】
Figure 0003832301
【0022】
Figure 0003832301
【0023】
Figure 0003832301
【0024】
Figure 0003832301
【0025】
Figure 0003832301
【0026】
Figure 0003832301
なお、上記の化合物例のうち、[1]、[2]、[6]、[21]、[22]、[26]、[41]、[42]、[46]、[61]、[62]および[66]の化合物は参考例である。
【0027】
[共重合体の製造方法] 化合物(1)は単体で重合することによって高分子体(2)に誘導できる。化合物(1)は、下記の式(3)で示される液晶性を示さないフマル酸ジエステル(以下、化合物(3)という)またはビニル系単量体と共重合することもできる。最初に、共重合に適した化合物(3)を示す。
Figure 0003832301
【0028】
化合物(3)において、RまたはRは1価の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素である。これらの基は水素の代わりにハロゲンを有してもよいし、炭素の代わりに硫黄(S)、窒素(N)、リン(P)およびケイ素(Si)等のヘテロ原子を含有してもよい。これらの炭化水素基は非環式、単環式、縮合多環式、または架橋環式である。脂肪族炭化水素基の好ましい炭素数は1〜14であり、芳香族炭化水素の好ましい炭素数は6〜20である。これらの1価基の具体例を直鎖アルキル、分岐アルキル、シクロアルキル、アリール、ハロゲンまたはヘテロ原子を含有するアルキルの順に示す。
【0029】
直鎖アルキルの具体例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルである。分岐アルキルの具体例は、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、sec−アミル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、sec−ヘキシル、4−メチル−2−ペンチル、sec−ヘプチル、sec−オクチルである。シクロアルキルの具体例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ジメチルアダマンチルである。アリールの具体例は、フェニル、ベンジル、1−フェニル−1−エチル、3−フェニルプロピル、1−フェニル−2−プロピル、1−フェニル−1−プロピルである。
【0030】
ハロゲンを含有するアルキルの具体例はトリフルオロメチル、トリフルオロメチルエチル、ヘキサフルオロイソプロピル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロブチルエチル、パーフルオロオクチルエチル、2−クロロエチル、1−ブトキシ−2−プロピルである。ヘテロ原子を含有するアルキルの具体例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ、メトキシメチル、メトキシエチル等のアルコキシアルキル、シアノメチル、シアノエチル、シアノブチル等のシアノアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシエチル、ヒドロキシエチルチオエチル(HO−CHCH−S−CHCH−)、ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキル、トリメチルシリル、トリメチルシロキシプロピル等の含ケイ素基である。
【0031】
化合物(3)のRとRが対称(R=R)であるフマル酸ジエステルは共重合性がよく、化合物(1)との共重合に適している。好ましい化合物(3)はフマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジシクロヘキシル、フマル酸ジ1−フェニル−2−プロピル、フマル酸ジsec−ブチル、フマル酸ジt−ブチル、フマル酸ジ2−エチルヘキシルである。なかでも、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジsec−ブチルは特に好ましい。
【0032】
とRが非対称の場合(R≠R)、好ましいRはイソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。好ましいRは炭素数1〜12のアルキル、シクロアルキル、アリールである。アリールとしては1−フェニル−2−エチル、1−フェニル−2−プロピルが好ましい。また好ましいRはトリフルオロメチル、トリメチルシリル、シアノ、ヒドロキシを含有するアルキル、シクロアルキル、またはアリールである。
【0033】
非対称なフマル酸ジエステルの具体例を示す。化合物(3)のRとRとを明確に区別するために、=の記号を用いた。具体例はフマル酸イソプロピル=メチル、フマル酸イソプロピル=エチル、フマル酸イソプロピル=プロピル、フマル酸イソプロピル=ブチル、フマル酸イソプロピル=sec−ブチル、フマル酸イソプロピル=t−ブチル、フマル酸イソプロピル=イソアミル、フマル酸イソプロピル=sec−アミル、フマル酸イソプロピル=sec−ヘキシル、フマル酸イソプロピル=4−メチル−2−ペンチル、フマル酸イソプロピル=2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=オクチル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル=ノニル、フマル酸t−ブチル=sec−ブチル、フマル酸t−ブチル=シクロヘキシル、フマル酸t−ブチル=4−メチル−2−ペンチル、フマル酸t−ブチル=2−エチルヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロペンチル等のジアルキルエステルである。
【0034】
具体例はフマル酸イソプロピル=2−フェニル−1−エチル、フマル酸イソプロピル=3−フェニルプロピル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル−2−プロピル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル−1−プロピル等のアリールを含有したエステルであり、フマル酸イソプロピル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸t−ブチル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸シクロヘキシル=(トリメチルシリル)プロピル、フマル酸イソプロピル=(3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル)プロピル、フマル酸イソプロピル=3−(ペンタメチル)ジシロキサニル)プロピル等のケイ素を含有したエステルであり、フマル酸N、N−ジメチルアミノエチル=イソプロピル、フマル酸t−ブチル=1−ブトキシ−2−プロピル、フマル酸2−シアノエチル=イソプロピル、フマル酸2−ヒドロキシエチル=イソプロピル、フマル酸グリシジル=イソプロピル、フマル酸イソプロピル=ジエチルホスフォメチル、フマル酸2−メチルチオエチル=イソプロピル、フマル酸イソプロピル=2−ヒドロキシエチルチオエチル=イソプロピル等のヘテロ原子を含有したエステルであり、フマル酸パーフルオロオクチルエチル=イソプロピル、フマル酸トリフルオロメチル=イソプロピル、フマル酸ペンタフルオロエチル=イソプロピル、フマル酸ヘキサフルオロイソプロピル=イソプロピル等のハロゲンを含有したエステルである。
【0035】
好ましい非対称フマル酸ジエステルはフマル酸イソプロピル=エチル、フマル酸イソプロピル=ブチル、フマル酸イソプロピル=ブチル、フマル酸イソプロピル=アミル、フマル酸イソプロピル=sec−ブチル、フマル酸イソプロピル=t−ブチル、フマル酸イソプロピル=シクロヘキシル、フマル酸イソプロピル=シクロペンチル、フマル酸イソプロピル=1−フェニル−2−プロピル、フマル酸イソプロピル=パーフルオロイソプロピルである。これらのうち、フマル酸イソプロピル=2−ヒドロキシエチル、フマル酸イソプロピル=2−シアノエチルが性能の点から特に好ましい。
【0036】
次に、ビニル系単量体を例示する。このビニル系単量体は化合物(1)と共重合し、生成した共重合体に皮膜形成性と機械的強度を付与することができれば特に限定されない。好ましいビニル系単量体はオレフィン系炭化水素を主体とするビニル系モノマーである。具体例は酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル等のカルボン酸ビニルであり、N−ビニルアセトアミド等のビニルアセトアミドであり、p−tert−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニル系単量体であり、スチレン、o−、m−、p−クロロスチレン、o−、m−、p−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体であり、塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニルである。
【0037】
具体例はエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルモノビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールメチルビニルエーテル等のビニルエーテルであり、α、β−ビニルナフタレン等のナフタレン誘導体であり、メチルビニルケトン、イソブチルビニルケトン等のアルキルビニルケトンであり、ブタジエン、イソプレン等のジエンであり、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルであり、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジイソプロピルイタコネート等のイタコネートである。
【0038】
好ましいビニル系単量体のその他の具体例は液晶性を有するアクリル酸誘導体である。この誘導体は高分子体(2)の液晶相の温度範囲を調節するために用いる。共重合に適したアクリル酸誘導体の代表例を示す。
【0039】
Figure 0003832301
【0040】
非対称の化合物(3)、対称の化合物(3)またはビニル系単量体は、化合物(1)との共重合に用いられる。高分子体(2)の液晶性を損なわないように配慮しながら、これらの化合物の1つを共重合の成分として用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。製造された高分子体(2)は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト重合体等のいずれであってもよい。
【0041】
[高分子体の用途]
化合物(1)は重合性を有する。熱重合の高分子体(2)は各種の保護膜、液晶表示素子の配向膜などへの応用が可能である。光重合の高分子体(2)は熱重合のそれと同様な応用のほかに、偏光を用いることによりラビングレスの配向膜などへの応用が可能である。
高分子体(2)は光学異方性を有するため、単独で位相差板として使用するか、他の位相差板と組み合わせることにより、偏光板、円偏光板、楕円偏光板、色補償板、視覚補償板などへの応用が可能である。
【0042】
[高分子体の製造方法]
高分子体(2)を製造するには、用途に適した重合方法を選択する。例えば、位相差板、偏光板などの光学異方性薄膜を製造するには、液晶状態を保持した温度で敏速に重合させことが必要なため、紫外線または電子線等のエネルギーを照射して重合させる方法が好ましい。その際、化合物(1)の単量体に光ラジカル重合開始剤を加えて重合性液晶組成物を調製する。必要に応じて化合物(3)およびビニル系単量体の一方または両方をさらに添加してもよい。
【0043】
光ラジカル重合開始剤には2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2,4−ジエチルキサントンとp−ジメチルアミノ安息香酸メチルの混合物などがあげられる。
【0044】
光学異方性薄膜を製造するには配向処理したガラス板に前述の重合性液晶組成物を注入し、配向状態とした後、紫外線により重合(紫外線硬化)させる方法、あるいは、ラビング処理したトリアセチルセルロースの薄膜に重合性液晶組成物を塗布して配向させ、紫外線硬化させる方法が好ましい。後者の方法の場合は、塗布時のレベリング性、配向性を調整するために重合性液晶組成物に有機溶剤を加え、塗布した後、溶剤を除去して紫外線硬化することもできる。
【0045】
好ましい有機溶剤はアニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、n−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ、酢酸メチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル等である。
【0046】
均一な膜厚に塗布する方法としては、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコード法、デップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法などが挙げられる。光学異方性薄膜の厚さは所望とする位相差値により異なり、位相差値は光学異方性薄膜の複屈折率により異なるが、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜10μm程度である。光学異方性薄膜のヘイズ値は1.5%以下、透過率で80%以上であることが好ましく、より好ましくはヘイズ値で1.0%、透過率で85%以上である。可視光領域で透過率がこれらを満たすことが好ましい。ヘイズ値がこれ以上の場合には、偏光性能に問題を生じ、透過率が低いと液晶表示素子に用いた場合に明るさの損失の点で許容できない。
【0047】
配向膜などを製造するには熱による重合が好ましい。製造には化合物(1)の単量体および必要に応じてその他の単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下で0〜150℃の反応温度で1〜100時間程度重合させることによって得られる。重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)等が挙げられる。
配向膜の製造には、上述の方法により得られた高分子体を有機溶媒に溶解してスピンコート法もしくはラングミュアー・ブロージェット法、印刷法などにより薄膜を形成する。膜厚は1〜100nmが液晶の配向制御の点で好ましい。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明の詳細を説明する。実施例中に記載した相転移温度においてCは融点、Nはネマチック相、Iは等方性液体を示す。
実施例1.液晶性フマル酸ジエステルの製造
第1段階:無水マレイン酸63g、トランス−n−ブチルシクロヘキサノール100g、酢酸ナトリウム5gをフラスコに仕込み、70℃で3時間加熱攪拌した。室温まで冷やした後、水200mlを加え激しく攪拌するとスラリーが得られた。濾過して得られた結晶を風乾し、シクロヘキサンで再結晶して、110gのマレイン酸モノ−トランス−n−ブチルシクロヘキシルを得た。融点66℃。
【0049】
第2段階:マレイン酸モノ−トランス−n−ブチルシクロヘキシル90g、水50mlを300mlのフラスコに仕込み、80℃まで加熱攪拌した。そこへテトラエチルアンモニウムブロマイド2g、過酸化カリウム2gを加え2時間攪拌をつづけた。加熱を止めて室温までもどし、反応混合物を水400mlに注ぎ込むと結晶が得られた。濾過して得られた結晶を風乾し、シクロヘキサンから再結晶して、80gのフマル酸モノ−トランス−n−ブチルシクロヘキシルを得た。融点68℃。
【0050】
第3段階:フマル酸 モノ−トランス−n−ブチルシクロヘキシル10g、トランス−4−(トランス−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール10gを塩化メチレン150mlに溶かし5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン2g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10gを加え室温で12時間攪拌した。水50mlを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、エタノールと酢酸エチルの混合溶媒から再結晶して6gのフマル酸 トランス−n−ブチルシクロヘキシル トランス−4−(トランス−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル[89]を得た。
【0051】
実施例2.液晶性フマル酸ジエステルの製造
フマル酸 モノ−トランス−n−ブチルシクロヘキシル10g、p−シアノフェノール4.7gを塩化メチレン150mlに溶かし5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン2g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩10gを加え室温で12時間攪拌した。水50mlを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、エタノールから再結晶して5gのフマル酸 トランス−n−ブチルシクロヘキシル 4−シアノフェニル[64]を得た。
【0052】
実施例3.液晶性フマル酸ジエステルの製造
第1段階:無水マレイン酸12g、トランス−4−(トランス−4―n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール30g、酢酸ナトリウム2gをフラスコに仕込み、90℃で3時間加熱攪拌した。室温まで冷やした後、水100mlを加え激しく攪拌するとスラリーが得られた。濾過して得られた結晶を風乾し、アセトンから再結晶して、30gのマレイン酸モノ−トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシルを得た。融点116〜118℃。
【0053】
第2段階:マレイン酸モノ−トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル10g、トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール7.1gを塩化メチレン150mlに溶かし5℃まで冷やし、そこへジメチルアミノピリジン2g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩6.9gを加え室温で12時間攪拌した。水50mlを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して無色結晶を得た。得られた無色結晶をシクロヘキサン50mlに溶解し、そこへモルホリン1mlを加え8時間還流した。室温まで冷やすと結晶が析出したので濾過して分取し、さらにヘプタンとテトラヒドロフランの混合溶媒から再結晶して3gのフマル酸ジ−トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル[121]を得た。
【0054】
実施例1から3と同様の方法で製造した化合物[11]〜[121]の相転移温度を示す。
Figure 0003832301
【0055】
実施例4.重合性液晶組成物の調製
以下の組成を持つ液晶組成物(MIX1)を調製した。
Figure 0003832301
【0056】
液晶組成物(MIX1)は室温でネマチック相を示し、透明点は145℃であった。ネマチック相の温度範囲が広い組成物が得られた。液晶性を示さない化合物[11]、[31]との組成物においても、液晶組成物(MIX1)は液晶相を示した。このことから、化合物[11]、[31]は潜在的に液晶性を持つことが判る。
【0057】
実施例5.光学異方体薄膜の製造
液晶組成物(MIX1)100mgに光重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン4mgを添加して重合性液晶組成物を調製した。セルギャップが4μmとなるようにアンチパラレルの配向処理したガラス基板を張り合わせたセルを作製した。このセルに前記の重合性液晶組成物を150℃で注入した。注入したセルを50℃に冷却し、偏光顕微鏡で液晶が配向していることを確認した。同温度を保持したまま、4W紫外線ランプを用いて5分間紫外線を照射した。照射後セルを室温に戻してガラスを剥離して光学異方性薄膜を得た。得られた薄膜は均一な相構造を保持しており、ムラがなく機械的強度が強かった。ヘイズ値は0.3%、光透過率は90%であり、光散乱が小さく、優れた光学異方特性を有する光学異方性薄膜を得ることができた。
【0058】
実施例6.配向膜の製造
フマル酸 トランス−n−ブチルシクロヘキシル トランス−4−(トランス−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシルを2g、ジイソプロピルフマル酸1g、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル0.1g、ベンゼン2mlをアンプルにとり、一旦、−60℃に冷却して真空ポンプで十分脱気を行い封管した。封管したアンプルを70℃の水浴で24時間反応させた後、メタノール150mlで3回再沈殿を行い1.9gの共重合物を得た(収率95%)。GPCによる重量平均分子量(Mw)は65000、多分散度(Mw/Mn)は1.18であった。融点(Tm)は280℃以上であり耐熱性に優れている。重合物をクロロホルムに溶解して1重量%の溶液を調製した。ITO膜を有するガラス基板にこの溶液をスピンコートした後、十分乾燥させ薄膜を得た(膜厚30nm)。この薄膜の鉛筆硬度は3Hであった。ついてラビングによる配向処理を行いツイステッドネマチック用の液晶表示素子を作製した。偏光板を取り付け液晶配向性、電気応答性を調べた。その結果、液晶が均一に配向しており本発明の高分子体が配向膜として優れていることが判った。また電界に対する光学応答も早く液晶表示素子として優れていることが判った。
【0059】
比較例1
トルエン30mlにp−n−ブチルオキシフェノール3.3g、フマル酸0.6g、硫酸0.2gを加え48時間還流した。生成した水はディーン・スタークによって分離除去した。反応混合物にエーテルと水を加え分液し、有機層を飽和炭酸ナトリウム水で中和した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーと再結晶で精製してジp−n−ブチルオキシフェニルフマル酸2gを得た。このものは液晶相を示し、その相転移温度はC 104.5 N 137 Iであった。次にジp−n−ブチルオキシフェニルフマル酸2g、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル0.08g、ベンゼン1mlをアンプルにとり、一旦、−60℃に冷却して真空ポンプで十分脱気を行い封管した。封管したアンプルを70℃の水浴で24時間反応させた後、メタノールで再沈殿を行った。高分子体は得られず原料が回収された。ジp−n−ブチルオキシフェニルフマル酸は全く重合しないことが判った。
【0060】
【発明の効果】
本発明のフマル酸ジエステル(1)は液晶性を示し、従来の液晶性フマル酸誘導体よりも格段に重合反応性が高く、高分子量の高分子体が高収率で得られる。フマル酸ジエステル(1)を液晶状態で光重合することにより、均一でムラがなく機械的強度と耐熱性に優れた光学異方体薄膜が得られる。単独重合または共重合で得た高分子体は、液晶表示素子の位相差板、配向膜、偏光板の材料として有用である。

Claims (9)

  1. 式(1)で表される液晶性フマル酸ジエステル。
    Figure 0003832301
    式中、Rは炭素数1から20を有する直鎖アルキルであり、またRは1つまたは隣り合わない2つの−CH−が−O−、−S−、−CF−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルであり;A、AおよびAは独立にシクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,4−ジイル、1つから4つの水素がフッ素で置き換えられたシクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−フェニレン、1つから4つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは独立に単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、OCF−、−CHO−、−OCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Rは水素、炭素数1から20のアルキル、1つの−CH−が−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19のアルキル、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−NCO、−NCS、−F、または−Clであり;mおよびnは独立に0、1または2である。但し、mが0であるとき、R は炭素数3から20を有する直鎖アルキル、または1つもしくは隣り合わない2つの−CH −が−O−、−S−、−CF −、−COO−、−OCO−もしくは−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルである。
  2. がシクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,4−ジイル、1つから4つの水素がフッ素で置き換えられたシクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−フェニレン、1つから4つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはジオキサン−2,5−ジイルであり、ZおよびZは単結合であり、mおよびnが0である請求項1記載の液晶性フマル酸ジエステル。
  3. およびAが独立にシクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,4−ジイル、1つから4つの水素がフッ素で置き換えられたシクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−フェニレン、1つから4つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはジオキサン−2,5−ジイルであり、ZおよびZは単結合であり、mは1であり、nは0である請求項1記載の液晶性フマル酸ジエステル。
  4. 、AおよびAは独立にシクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,4−ジイル、1つから4つの水素がフッ素で置き換えられたシクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−フェニレン、1つから4つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはジオキサン−2,5−ジイルであり、ZおよびZは単結合であり、mおよびnは1である請求項1記載の液晶性フマル酸ジエステル。
  5. 請求項1に記載された化合物(1)の少なくとも1つを含有する重合性液晶組成物。
  6. 式(2)で表される反復単位の少なくとも1つを含有する高分子体。
    Figure 0003832301
    式中、Rは炭素数1から20を有する直鎖アルキルであり、またRは1つまたは隣り合わない2つの−CH−が−O−、−S−、−CF−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルであり;A、AおよびAは独立にシクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘキセン−1,4−ジイル、1つから4つの水素がフッ素で置き換えられたシクロヘキサン−1,4−ジイル、1,4−フェニレン、1つから4つの水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはジオキサン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは独立に単結合、−COO−、−OCO−、−CFO−、OCF−、−CHO−、−OCH−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;Rは水素、炭素数1から20のアルキル、1つの−CH−が−O−、−S−、−COO−、−OCO−、または−CO−で置き換えられた炭素数1から19のアルキル、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−NCO、−NCS、−F、または−Clであり;mおよびnは独立に0、1または2であり、Xは正の整数である。但し、mが0であるとき、R は炭素数3から20を有する直鎖アルキル、または1つもしくは隣り合わない2つの−CH −が−O−、−S−、−CF −、−COO−、−OCO−もしくは−CO−で置き換えられた炭素数1から19の直鎖アルキルである。
  7. 請求項6に記載された高分子体からなる液晶性薄膜。
  8. 請求項6に記載された高分子体からなり、厚さが50μm以下、光の透過率が80%以上、ヘイズ値が1.5%以下である光学異方性薄膜。
  9. 請求項8に記載された光学異方性薄膜を位相差板としての使用。
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