JP3831984B2 - シートオーディオ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音楽等を再生するシートオーディオ装置に関するもので、特に隣接するシート間のクロストーク音を制御したシートオーディオ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電車や航空機等においてシート埋め込み型のスピーカによる音楽等の提供が行われ、音場制御技術の進展に伴い隣接するシート間のクロストーク音を低減した高音質のシートオーディオ装置が要求されている。
【0003】
以下図6、図7により従来のクロストーク音を制御した3座席のシートオーディオ装置について説明する。図6はシートオーディオ装置のシート部の斜視図、図7は同クロストーク音制御部の原理的なブロック図である。図中の1a〜1cはシート、2a〜2fはスピーカ、3a〜3fは音響レンズ、4a〜4dはマイクロホン、5a〜5cは音源、6a〜6dは適応フィルタ、7a〜7fは遅延器、8a〜8dは加算器、9a〜9fは増幅器である。
【0004】
スピーカ2a〜2fはそれぞれシート1a〜1cの受聴点の高さで左右対称に、スピーカ2a〜2fの開口面とシート1a〜1cの背もたれ部の面とがほぼ一致するように受聴点近傍に配置される。音源5aのステレオ信号は適応フィルタ6a,6bと遅延器7a,7bに入力され、同時に音源5bのRチャンネル信号は適応フィルタ6cと遅延器7cに入力され、音源5cのLチャンネル信号は、適応フィルタ6dと遅延器7dに入力される。適応フィルタ6cの出力信号と遅延器7aの出力信号は加算器8aにおいて加算され、同時に適応フィルタ6dの出力信号と遅延器7bの出力信号は加算器8bにおいて加算される。
【0005】
加算器8aの出力は増幅器9aにおいて増幅されスピーカ2aにより再生され、加算器8bの出力は増幅器9bにおいて増幅されスピーカ2bにより再生される。また、適応フィルタ6aと遅延器7cの出力は加算器8cで加算され、同時に適応フィルタ6bと遅延器7dの出力は加算器8dで加算される。加算器8cの出力は増幅器9cで増幅されてスピーカ2cにより再生され、加算器8dの出力は増幅器9eで増幅されてスピーカ2eにより再生される。
【0006】
さらに、音源5bのLチャンネルの出力は遅延器7eを経由し、増幅器9dで増幅されスピーカ2dにより再生され、音源5cのRチャンネルの出力は遅延器7fを経由し、増幅器9fで増幅されスピーカ2fにより再生される。なお、遅延器7c,7dは適応フィルタ6c,6dにおける適応制御に要する時間を遅延させ、遅延器7e,7fはステレオ信号の一方に遅延器7c,7dが挿入されているため、これを補正するものである。
【0007】
ところで、受聴者Aにはスピーカ2c,2eからの再生音は騒音、すなわちクロストーク音となるので、それぞれのクロストーク音をマイクロホン4a,4bで検出し、適応フィルタ6cはマイクロホン4aの検出信号を小さくするように音源5bからの信号を適応制御して、スピーカ2cからマイクロホン4aへのクロストーク音を低減する。同様に適応フィルタ6dはマイクロホン4bの検出信号を小さくするように音源5cからの信号を適応制御して、スピーカ2eからマイクロホン4bへのクロストーク音を低減する。
【0008】
また、スピーカ2a〜2fには音響レンズ3a〜3fを、それぞれのシート1a〜1cの受聴点に高域成分の再生音を放射する向きに配置し、マイクロホン4a〜4dを高域成分が放射されない位置に配置することで、マイクロホン4a〜4dにより検出されるクロストーク音は低域成分のみとなる。すなわち、クロストーク音の低域成分は信号処理によって、高域成分は音響的な指向性を利用して制御される。
【0009】
以上は受聴者Aについて説明したが受聴者B,Cについても同様であり、受聴者B,Cにはそれぞれのスピーカ2a,2bからの再生音がクロストーク音となるので、それぞれのクロストーク音をマイクロホン4c,4dで検出し、適応フィルタ6aはマイクロホン4cの検出信号を小さくするように音源5aからの信号を適応制御して、スピーカ2aからマイクロホン4cへのクロストーク音を低減し、同様に適応フィルタ6bはマイクロホン4dの検出信号を小さくするように音源5aからの信号を適応制御して、スピーカ2bからのマイクロホン4dへのクロストーク音を低減する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のシートオーディオ装置において、クロストーク音を可聴周波数全帯域において信号処理により制御するならば、高域ほど技術的に制御が難しく、適応フィルタ6a〜6dは高い信号処理能力が必要となるためハードウェアが大型となり、コスト面においても高価なものとなる。したがって、適応フィルタ6a〜6dのハードウェアを小型化するために、信号処理によるクロストーク音制御の帯域を低域に限定し、高域は指向性が鋭くなる音響的な特性を利用することで、例えば上述したように音響レンズ3a〜3fによって放射音の範囲を受聴点側に仕向けて高域のクロストーク音を制御している。
【0011】
また、図示したように各シート1a〜1cに2つの限られたスピーカ2a〜2fを有する装置でクロストーク音を低減する場合、制御範囲は受聴点近傍に限定され、受聴点近傍以外の範囲ではそれぞれのシート1a〜1dに設置されたスピーカ2a〜2fからの放射音が騒音となること、さらに、クロストーク音を信号処理によって制御するにはスピーカ2a〜2fから放射音は受聴点において反射音を含まない直接音である方が技術的に容易であり、信号処理部のハードウェアを小型化できることからスピーカ2a〜2fは音量を小さくし、スピーカ2a〜2fから受聴点間に障害物の存在しない位置、すなわちシート1a〜1cにおける左右の耳の近傍に配置される。
【0012】
しかしながら、適応フィルタ6a〜6dによるクロストーク音制御はスピーカ2a〜2fから受聴点間の距離に大きく依存し、しかもスピーカ2a〜2fが受聴点近傍に配置されるため、頭部移動により受聴位置が変化すれば波長の短くなる高域ほどクロストーク音の低減効果が小さくなり、隣接したシート1a〜1cからのクロストーク音によって聞いている音が不自然になってしまう。
【0013】
さらに、高域を指向性を利用して放射音の範囲を限定して受聴点に水平方向へ再生音を放射しても、受聴者から少しでも離れた領域に放射された音が受聴者以外には高域であるため耳障りな騒音となるという課題を有していた。
【0014】
本発明は頭部移動に対しクロストーク音の発生が小さい低騒音のシートオーディオ装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のシートオーディオ装置は上記課題を解決するために、隣接して配置された複数のシートこの複数のシート夫々に設けられた音源の低域成分を再生する低音再生用スピーカおよび前記音源の高域成分を再生するシート上部に配置された高音再生用スピーカで形成されるものであって、少なくとも前記夫々の低音再生用スピーカは前記夫々のシートの受聴点近傍に配置され、前記夫々の高音再生用スピーカは前記夫々のシートの前記受聴点へ垂直方向に再生音を放射するように指向性を制御すると共に、それぞれ隣接した前記シートの低音再生用スピーカ間のクロストーク音を低減する音場補正を施したものであり、高音再生用スピーカの指向性を制御して受聴点へ垂直方向に放射音を再生するため、高音再生用スピーカが放射する高音は水平方向に広がらず、隣接の受聴者には直接届かなくなって高音再生用スピーカのクロストーク音の発生を抑えられるだけでなく、低音用スピーカのクロストーク音も併せて低減する音場補正を施したので、低音用スピーカのクロストーク音の発生も抑えられ、シート外部への騒音が小さくなるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、隣接して配置された複数のシートと、この複数のシート夫々に設けられた音源の低域成分を再生する低音再生用スピーカおよび前記音源の高域成分を再生するシート上部に配置された高音再生用スピーカからなり、少なくとも前記夫々の低音再生用スピーカは前記夫々のシートの受聴点近傍に配置され、前記夫々の高音再生用スピーカは前記夫々のシートの受聴点へ垂直方向に再生音を放射するように指向性を制御するとともに、それぞれ隣接した前記シートの低音再生用スピーカ間のクロストーク音を低減する音場補正を施したものとしたため、高音再生用スピーカが放射する高音は水平方向に広がらず、隣接する受聴者には直接届かなくなって高音用スピーカのクロストーク音の発生が抑えられ、更に低音用スピーカのクロストーク音も併せて低減できて、シートの外部への騒音をも小さくできるものである。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項1記載の高音再生用スピーカにリフレクタホーンを備えてシートの上方に配置し、受聴点上方から再生音を放射するものであり、リフレクタホーンによってクロストーク音の発生を抑制するものである。
【0019】
請求項に記載の発明は、請求項の構成に加えて、高音再生用スピーカをモノラル再生としたものであり、LRチャンネルの信号差による高域の音質変化がないものである。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項または請求項記載のものにあって、高音再生用スピーカであるリフレクタホーンを脚部と接合固定し、高音再生用スピーカの位置をシートの背もたれ部の動きに依存しない脚部に固定された構成としたものであり、シートの背もたれ部をリクライニングとしても高域の再生音のクロストーク音および外部への音漏れが変化せず、また前記移動に伴うリフレクタホーンの空間的余裕の確保および重量バランスの変化による転倒を考慮する必要がないものである。
【0021】
請求項に記載の発明は、請求項1記載のものにおいて高音再生用スピーカを受聴点の下方に配置し、前記受聴点の上方でシートに吸音部を配置したものであり、受聴点を外れた領域に放射された再生音は吸音部で吸音され、シート外への漏れ音を抑制できるものである。
【0022】
以下、本発明のシートオーディオ装置の一実施の形態について図1〜図5により説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明のシートオーディオ装置の一実施の形態の要部であるシート部の外観斜視図であり、図2は要部であるクロストーク音制御部のブロック図である。
【0024】
図中の10a〜10cはシート、11a〜11fは低音再生用スピーカ、12a〜12fは高音再生用スピーカ、13a〜13fは音響レンズ、14a〜14dはマイクロホン、15a〜15cは音源、16a〜16fはローパスフィルタ、17a〜17fはハイパスフィルタ、18a〜18dは適応フィルタ、19a〜19lは遅延器、20a〜20dは加算器、21a〜21lは増幅器である。
【0025】
上記構成において動作を説明する。低音再生用スピーカ11a〜11fはそれぞれシート10a〜10cの受聴点の高さで左右対称に、低音再生用スピーカ11a〜11fの開口面とシート10a〜10cの背もたれ部の面とがほぼ一致するように受聴点近傍に配置され、高音再生用スピーカ12a〜12fは前面に音響レンズ13a〜13fが配置され、受聴点に垂直方向に再生音を放射するようシート10a〜10cの上部に配置される。
【0026】
帯域分割された低域の信号経路は従来例と全く同様である。すなわち、音源15aのステレオ信号はローパスフィルタ16a,16bを経由して適応フィルタ18a,18bと遅延器19a,19bに入力される。同時に音源15bのRチャンネルの出力はローパスフィルタ16cを経由して適応フィルタ18cと遅延器19eに入力され、音源15cのLチャンネルの出力はローパスフィルタ16eに入力され、適応フィルタ18dと遅延器19iに入力される。
【0027】
適応フィルタ18cの出力信号と遅延器19aの出力信号は加算器20aにおいて加算され、同時に適応フィルタ18dの出力信号と遅延器19bの出力信号は加算器20bにおいて加算される。加算器20aの出力は増幅器21aにおいて増幅され低音再生用スピーカ11aにより再生され、同時に加算器20bの出力は増幅器21bにおいて増幅され低音再生用スピーカ11bにより再生される。また、適応フィルタ18aと遅延器19eの出力は加算器20cで加算され、同時に適応フィルタ18bと遅延器19iの出力は加算器20dで加算される。加算器20cの出力は増幅器21eで増幅されて低音再生用スピーカ11cにより再生され、加算器20dの出力は増幅器21iで増幅されて低音再生用スピーカ11eにより再生される。
【0028】
さらに、音源15bのLチャンネルの出力はローパスフィルタ16dと遅延器19fを経由し、増幅器21fで増幅され低音再生用スピーカ11dにより再生され、音源15cのRチャンネルの出力はローパスフィルタ16fと遅延器19jを経由し、増幅器21jで増幅され低音再生用スピーカ11fにより再生される。なお、遅延器19e,19iは適応フィルタ18c,18dにおける適応制御に要する時間を遅延させ、遅延器19f,19jはステレオ信号の一方に遅延器19e,19iが挿入されているため、これを補正するものである。
【0029】
ところで、受聴者Aには低音再生用スピーカ11c,11eからの再生音は騒音、すなわちクロストーク音となる。それぞれのクロストーク音をマイクロホン14a,14bで検出する。適応フィルタ18cはマイクロホン14aの検出信号を小さくするように音源15bからの信号を適応制御して低音再生用スピーカ11cからマイクロホン14aへのクロストーク音を低減する。同様に、適応フィルタ18dはマイクロホン14bの検出信号を小さくするように音源15cからの信号を適応制御して低音再生用スピーカ11eからマイクロホン14bへのクロストーク音を低減する。
【0030】
以上は受聴者Aについて説明したが受聴者B,Cについても同様である。受聴者B,Cにはそれぞれの低音再生用スピーカ11a,11bからの再生音がクロストーク音となる。それぞれのクロストーク音をマイクロホン14c,14dで検出する。適応フィルタ18aはマイクロホン14cの検出信号を小さくするように音源15aからの信号を適応制御して、低音再生用スピーカ11aからマイクロホン14cへのクロストーク音を低減する。同様に適応フィルタ18bはマイクロホン14dの検出信号を小さくするように音源15aからの信号を適応制御して、低音再生用スピーカ11bからマイクロホン14dへのクロストーク音を低減する。
【0031】
一方、帯域分割された高域の信号経路は従来例と異なり、音源15aのステレオ信号はハイパスフィルタ17a,17bにも入力され、ハイパスフィルタ17a,17bの出力は分割された高域の信号の時間補正のため遅延器19c,19dを経由し、増幅器21c,21dにおいて増幅され高音再生用スピーカ12a,12bにより再生される。また、音源15bの出力はハイパスフィルタ17c,17dにも入力され、それぞれ遅延器19g,19hを経由して増幅器21g,21hで増幅され、高音再生用スピーカ12c,12dにより再生される。同様に音源15cの出力はハイパスフィルタ17e,17fにも入力され、それぞれ遅延器19k,19lを経由して増幅器21k,21lで増幅され、高音再生用スピーカ12e,12fにより再生される。
【0032】
なお、遅延器19g,19h,19k,19lは低域側のステレオ信号の一方に挿入された適応フィルタ18c,18dに要する時間補正のために挿入してある。
【0033】
ところで、受聴者Aには高音再生用スピーカ12c,12eからの再生音はクロストーク音となるが、音響レンズ13c,13eによって指向性が制御され、受聴点に垂直方向に高音が放射されるため、高音再生用スピーカ12c,12eからのクロストーク音を低減することができる。受聴者B,Cについても同様である。受聴者B,Cにはそれぞれ高音再生用スピーカ12a,12bからの再生音はクロストーク音となるが、音響レンズ13a,13bに設けた音響レンズにより高音再生用スピーカ12a,12bの再生音は受聴者Aに垂直方向に放射されるため、高音再生用スピーカ12a,12bからのクロストーク音を低減できる。
【0034】
よって、従来例と同様に低域はクロストーク音を信号処理によって低減し、高域は受聴点へ垂直方向に放射音を再生して水平方向への音漏れを少なくすることでクロストーク音を信号処理によらず低減している。したがって、高音再生用スピーカ12a〜12fの放射音を垂直方向とし、受聴点からの距離をおいて高音再生用スピーカ12a〜12fを設置すれば、受聴点における放射領域が拡大し、頭部移動に対して高音再生用スピーカ12a〜12fと受聴点間の距離の変動が小さくなるため音質劣化が小さくなり、しかも、垂直方向に放射音を再生するため水平方向に漏れる耳障りな高音を低減したシートオーディオ装置とすることができる。
【0035】
なお、本実施の形態では高音再生用スピーカ12a〜12fに音響レンズ13a〜13fを配置したが、ホーンを配置してもよく、高音再生用スピーカ12a〜12fの開口面の法線方向に受聴点が存在するなら音響レンズ13a〜13fを配置しなくてもよい。また、信号処理によるクロストーク音制御は実施の形態に限らずとも、低域再生音のみを制御するものであれば他の方式でもよい。
【0036】
(実施の形態2)
図3は他の実施の形態の要部であるシート部の外観斜視図、図4は同要部であるクロストーク音制御部のブロック図である。
【0037】
同図によると、20e〜20gは加算器、22a〜22cはリフレクタホーンであり、実施の形態1と同一部分は同一番号を付している。実施の形態1と大きく異なるのは、音響レンズの代わりに概略半球殻形状をしたリフレクタホーン22a〜22cを高音再生用スピーカ12a〜12fに設け、各シート10a〜10cの上方に1つ配置して高域成分をモノラル再生していることである。
【0038】
本実施の形態2の動作を以下に説明する。帯域分割された低域成分の信号経路および再生音の振る舞いは実施の形態1と全く同様であり、隣接するシート10a〜10c間のクロストーク音を信号処理によって低減するものである。一方、帯域分割された高域成分の信号経路および再生音の振る舞いが実施の形態1と異なる。
【0039】
すなわち、音源15a〜15cからのステレオ信号を加算器20e〜20gによって加算してモノラル信号とし、ハイパスフィルタ17a,17c,17eを通過した後、低域成分のクロストーク音の低減に要する信号処理時間を遅延器19c,19g,19kで遅延させ、増幅器21c,21g,21kを経由してリフレクタホーン22a〜22cを具備した高音再生用スピーカ12a,12c,12eによりモノラル再生している。
【0040】
ここで、リフレクタホーン22a〜22cの指向性制御範囲を実際的な頭部移動の範囲に設定すれば、頭部移動に対し高域のクロストーク音による音質劣化が少なく、モノラル再生であるため頭部移動時のLRチャンネルの信号差による高域の音質変化がない。また、本実施の形態2においても高域成分は上方から受聴点に垂直方向に放射され、リフレクタホーン22a〜22cによって再生音の放射範囲が限定されるため水平方向の音漏れが少なく、隣接するシート10a〜10c間の高域のクロストーク音を低減したシートオーディオ装置とすることができる。
【0041】
なお、本実施の形態2における高域信号成分の再生経路は一例に過ぎず、これに限るものではない。
【0042】
また、上記実施の形態2においてはシート10a〜10cの脚部とリフレクタホーン22a〜22cを接合し、シート10a〜10cのリクライニングに対してリフレクタホーン22a〜22cとシート10a〜10cの脚部との位置関係を一定としている。
【0043】
すなわち、シート10a〜10cの脚部とそれぞれリフレクタホーン22a〜22cを接合したことで、背もたれ部にリクライニング機能をもたせた場合に、リフレクタホーン22a〜22cの位置をそれぞれの脚部との関係が接合によって固定されて一定となり、背もたれ部がリクライニングにより回動(倒)しても、リフレクタホーン22a〜22cの位置が移動しないため、背もたれ部の移動(回動)に伴う高域の再生音のクロストーク音および外部への音漏れが変化しないようにしている。しかも、リフレクタホーン22a〜22cの移動(回動)に伴う空間的余裕の確保および重量バランスの変化による転倒を考慮する必要もない。
【0044】
なお、本実施の形態2においてはリフレクタホーン22a〜22cを脚部と固定したが、例えば座部と固定して背もたれ部のリクライニング時の回動に伴ってリフレクタホーン22a〜22cが移動しない構造としてもよい。また、リフレクタホーン22a〜22cをシート10a〜10cと固定せず、シート10a〜10c上方から吊り下げてもよい。
【0045】
(実施の形態3)
図5は他の実施の形態の外観斜視図であり、同図によると23a〜23cはそれぞれシート10a〜10cの上方に設置された吸音部であり、実施の形態1と同一部分は同一番号を付している。実施の形態1と大きく異なるのは、高音再生用スピーカ12a〜12fが受聴点下部から受聴点へ垂直方向に再生音を放射するよう配置され、受聴点の上方に吸音部23a〜23cが設けられたことである。
【0046】
本実施の形態3の動作を以下に説明する。帯域分割された低域成分の信号経路および再生音の振る舞いは実施の形態1と同様であり、隣接するシート10a〜10c間のクロストーク音を低域成分は信号処理によって低減するものである。一方、高域成分の信号経路も実施の形態1と同じで音響的にクロストーク音を低減するものであるが、放射された再生音の振る舞いが異なる。すなわち、各シート10a〜10cの受聴点下方に配置された高音再生用スピーカ12a〜12fからの再生音は、音響レンズ13a〜13fによる指向性を制御され受聴点へ垂直上方に放射されるため水平方向への放射音が少なく、隣接するシート10a〜10c間のクロストーク音を低減できる。
【0047】
また、受聴点を外れた領域に放射された再生音は吸音部23a〜23cで吸音されるためシート10a〜10c外部への漏れ音が小さくなり、騒音が低減されることになる。本実施の形態3においても実施の形態1と同様に高音再生用スピーカ12a〜12fと受聴点間の距離を設けて受聴点近傍の放射領域を実際的な頭部移動範囲とすることで、頭部移動に対し音質劣化の少ないシートオーディオ装置とすることができる。
【0048】
なお、本実施の形態3においても実施の形態1と同様に音響レンズ13a〜13fを用いて指向性を制御したが、ホーンであってもよく、高音再生用スピーカ12a〜12fの開口面の法線方向に受聴点が存在するなら、音響レンズ13a〜13f等を用いなくてもよい。
【0049】
また、これまでの実施の形態3では隣接する3シート10a〜10c間のクロストーク音の制御について言及してきたが、シート数はこれに限るものでない。さらに、低域成分のクロストーク音を低減する信号処理を行わずにシートを単独で用いてもよく、この場合には高域の漏れ音の小さい低騒音のシートオーディオ装置を実現できるものである。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明は、低音再生用スピーカをシートの受聴点近傍に配置し、高音再生用スピーカを受聴点へ垂直方向に再生音を放射するように配置し、隣接するシート間のクロストーク音を低域は信号処理によって、高域は音響的な指向性を利用することによって低減させるシートオーディオ装置を提供するものであり、高音再生用スピーカを受聴点のシート上部から垂直方向に再生音を放射するように配置したことで、高域の水平方向の受聴点近傍の放射領域を頭部移動範囲に拡大しても、水平方向の音漏れが少ないためシート外部への騒音および頭部移動時の音質劣化を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のシートオーディオ装置の要部であるシート部の外観斜視図
【図2】同要部であるクロストーク音制御部のブロック図
【図3】同他の実施の形態の要部であるシート部の外観斜視図
【図4】同要部であるクロストーク音制御部のブロック図
【図5】同他の実施の形態の要部であるシート部の外観斜視図
【図6】従来のシートオーディオ装置のシート部の外観斜視図
【図7】同要部であるクロストーク音制御部のブロック図
【符号の説明】
10a〜10c シート
11a〜11f 低音再生用スピーカ
12a〜12f 高音再生用スピーカ
13a〜13f 音響レンズ
14a〜14d マイクロホン
15a〜15c 音源
16a〜16f ローパスフィルタ
17a〜17f ハイパスフィルタ
18a〜18d 適応フィルタ
19a〜19l 遅延器
20a〜20d 加算器
21a〜21l 増幅器
22a〜22c リフレクタホーン

Claims (5)

  1. 隣接して配置された複数のシートと、この複数のシート夫々に設けられた音源の低域成分を再生する低音再生用スピーカおよび前記音源の高域成分を再生するシートの上部に配置された高音再生用スピーカからなり、少なくとも前記夫々の低音再生用スピーカは前記夫々のシートの受聴点近傍に配置され、前記夫々の高音再生用スピーカは前記夫々のシートの前記受聴点へ垂直方向に再生音を放射するように指向性を制御されるとともに、それぞれ隣接した前記シートの低音再生用スピーカ間のクロストーク音を低減する音場補正が施されていることを特徴とするシートオーディオ装置。
  2. 高音再生用スピーカはリフレクタホーンを備えてシートの上方に配置され、受聴点上方から再生音を放射する請求項1記載のシートオーディオ装置。
  3. 高音再生用スピーカがモノラル再生である請求項記載のシートオーディオ装置。
  4. シートは脚部と背もたれ部を備え、高音再生用スピーカは脚部と接合固定し、前記背もたれ部のリクライニングの動作により、動くことのない構成とした請求項または記載のシートオーディオ装置。
  5. 高音再生用スピーカは受聴点の下方に配置され、前記受聴点の上方でシートに吸音部を配置した請求項1記載のシートオーディオ装置。
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