JP2020120218A - 音響再生装置、および、これを含む電子楽器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 指向特性を有するスピーカーおよび無指向特性を有するスピーカーを含み、良好な音声再生が可能な音響再生装置、および、これを含む電子楽器を提供する。【解決手段】 音響再生装置は、入力される音声信号から直接音成分を含む第1音声信号を生成して出力する第1音声信号処理回路と、入力される音声信号から直接音成分とは異なる間接音成分を含む第2音声信号を生成して出力する第2音声信号処理回路と、少なくとも略水平方向に振動する振動板を有して、第1音声信号を音波に変換して放射する第1スピーカーと、少なくとも略垂直方向に振動する振動板と、振動板に対向するように配置されて音波を略水平方向に放射するディフューザーと、を有して、第2音声信号を音波に変換して放射する第2スピーカーと、を少なくとも備える。【選択図】 図2
Description
本発明は、指向特性を有するスピーカーおよび無指向特性を有するスピーカーを含む音響再生装置、および、これを含む電子楽器に関する。
振動して音波を放射する振動板を有する動電型のスピーカーにおいては、振動板口径に対して放射する音波の波長が相対的に長い低い周波数帯域では、音圧レベルが外径方向にほぼ一様になる無指向特性になりやすい。その一方で、振動板口径に対して放射する音波の波長が短くなる高い周波数帯域になるほどに、振動板が振動する正面方向に放射する音波の音圧が高くなり、側面方向に放射する音波の音圧が低くなる指向特性を有するようになりやすい。
スピーカーをキャビネットに取り付けた通常のスピーカーシステムは、放射特性が指向特性を有するようになりやすいので、聴取者に対するスピーカーの向きによって再生音質が変化するという問題がある。そこで、スピーカーの振動板に対向するように取り付けるディフューザーを設けて、音波の放射の指向特性を変化させようとするものが従来から在る。例えば、無指向特性に変化させるディフューザーは、振動板から放射される音波を反射させる略円錐状の反射体を備えるものがある(特許文献1)。
無指向特性を実現しようとするディフューザーを備えるスピーカーは、様々なものがある。フルレンジのスピーカーの場合には、振動板に対向するように配置する1つの略円錐形状の反射体を備えるものが代表的である。また、再生周波数帯域を帯域分割して複数のスピーカーで構成するマルチウェイのスピーカーシステムでは、中高音域を再生するフルレンジスピーカー、スコーカー、または、ツィーターにディフューザーを設けて、全帯域で無指向特性の実現を図る場合がある。
例えば、従来には、ウ─ハ─の上限よりも高い周波数を有する音響波の源は同一の表面上に配列されていて、音声信号をこの表面に対して直角な方向に、反射・回折系に同って輻射するようにする音響波の全方向輻射装置がある(特許文献2)。なお、無指向特性に近くなる低音域を再生するウーファーでは、キャビネットに取り付けるのみで、ディフューザーを設けないものもある。振動板の前面側にディフューザーを設ける無指向性のスピーカーは、ディフューザーを設けない指向性を有するスピーカーに比べて、再生音圧レベルが低くなり易いという問題がある。
また、電子楽器では、例えば、スピーカーボックスの中でスピーカーから下方に楽音を発音させ、その発音させた楽音を拡散器で拡散させて電子楽器の側方に発音させるようにしているものがある(特許文献3)。また、電子楽器と、電子楽器と通信可能に接続された楽曲再生制御装置とを備え、楽曲再生制御装置から出力されるオーディオ信号を電子楽器から再生する電子楽器システムが提案されている(特許文献4)。ただし、オーディオ再生機器からのオーディオ信号を電子楽器から再生する電子楽器システムにおいては、無指向特性のスピーカーを備えるものは提案されていない。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、指向特性を有するスピーカーおよび無指向特性を有するスピーカーを含み、良好な音声再生が可能な音響再生装置、および、これを含む電子楽器を提供することにある。
本発明の音響再生装置は、入力される音声信号から直接音成分を含む第1音声信号を生成して出力する第1音声信号処理回路と、入力される音声信号から直接音成分とは異なる間接音成分を含む第2音声信号を生成して出力する第2音声信号処理回路と、少なくとも略水平方向に振動する振動板を有して、第1音声信号を音波に変換して放射する第1スピーカーと、少なくとも略垂直方向に振動する振動板と、振動板に対向するように配置されて音波を略水平方向に放射するディフューザーと、を有して、第2音声信号を音波に変換して放射する第2スピーカーと、を少なくとも備える。
好ましくは、本発明の音響再生装置は、第2音声信号処理回路が、第1音声信号処理回路が第1音声信号に与えて出力する出力ゲインG1よりも高い出力ゲインG2を第2音声信号に与えて出力する。
また、好ましくは、本発明の音響再生装置は、第2スピーカーが、再生周波数帯域を複数に分割して再生する複数のスピーカーを含み、所定の周波数以上の周波数帯域を再生するいずれかのスピーカーが、振動板に対向するように配置されるディフューザーを少なくとも備え、第2音声信号処理回路が、第2スピーカーの複数のスピーカーに対応して帯域分割して複数の第2音声信号を出力し、所定の周波数以上の周波数帯域において相対的に高い出力ゲインを与えて出力する。
また、好ましくは、本発明の音響再生装置は、複数の音声信号が入力されて、そのいずれか1つの音声信号、または、複数の音声信号を音量調整して加算した音声信号を、第1音声信号処理回路および/または第2音声信号処理回路に、それらに入力される音声信号として分配して出力するミキサー回路をさらに備える。
また、本発明の電子楽器は、上記の音響再生装置を含み、少なくとも第1スピーカーまたは第2スピーカーが取り付けられる筐体を備え、ユーザーの演奏に応じて操作される演奏操作回路と、演奏操作回路からの制御信号に応じて音源回路から出力される音声信号をミキサー回路に出力する楽器音出力回路と、を少なくとも備える。
また、好ましくは、本発明の電子楽器は、音響再生装置のミキサー回路に音声信号を出力するオーディオ再生回路をさらに含む。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の音響再生装置は、入力される音声信号から直接音成分を含む第1音声信号を生成して出力する第1音声信号処理回路と、入力される音声信号から直接音成分とは異なる間接音成分を含む第2音声信号を生成して出力する第2音声信号処理回路と、を備える。さらに、音響再生装置は、少なくとも略水平方向に振動する振動板を有して、第1音声信号を音波に変換して放射する第1スピーカーと、少なくとも略垂直方向に振動する振動板と、振動板に対向するように配置されて音波を略水平方向に放射して無指向特性を実現するディフューザーと、を有して、第2音声信号を音波に変換して放射する第2スピーカーと、を備える。
したがって、この音響再生装置では、音声信号の直接音成分が指向特性を有する第1スピーカーから放射され、間接音成分が無指向特性を有する第2スピーカーから放射される。再生音の間接音成分は、本来的に様々な方向から聴取者に到来するものであるので、指向特性を有する第1スピーカーで放射するよりも無指向特性を有する第2スピーカーから放射することにより良好な音声再生が可能になる。
ここで、音響再生装置は、第2音声信号処理回路が、第1音声信号処理回路が第1音声信号に与えて出力する出力ゲインG1よりも高い出力ゲインG2を第2音声信号に与えて出力するようにするのが好ましい。振動板の前面側にディフューザーを設ける無指向性の第2スピーカーの再生音圧レベルが、ディフューザーを設けない第1スピーカーと同程度になり、バランスの取れた良好な音声再生が可能になる。
また、第2スピーカーが、再生周波数帯域を複数に分割して再生する複数のスピーカーを含み、所定の周波数以上の周波数帯域を再生するいずれかのスピーカーが、振動板に対向するように配置されるディフューザーを少なくとも備える場合には、第2音声信号処理回路が、第2スピーカーの複数のスピーカーに対応して帯域分割して複数の第2音声信号を出力し、所定の周波数以上の周波数帯域において相対的に高い出力ゲインを与えて出力するようにすればよい。ディフューザーを設けるスピーカーの再生音圧レベルが低くなるのを防いで、第2スピーカー全体として良好な音声再生を可能にすることができる。
また、音響再生装置は、複数の音声信号が入力されて、そのいずれか1つの音声信号、または、複数の音声信号を音量調整して加算した音声信号を、第1音声信号処理回路および/または第2音声信号処理回路に、それらに入力される音声信号として分配して出力するミキサー回路をさらに備えるようにするのが好ましい。第1音声信号処理回路および/または第2音声信号処理回路に分配する音声信号を制御して、複数の音声信号の何れか一つ、または、複数の音声信号を混合した音声再生が可能になる。
特に、この音響再生装置並びにオーディオ再生回路をさらに含む電子楽器は、例えば、演奏操作回路からの制御信号に応じて音源回路から出力される音声信号を楽器音出力回路からミキサー回路に出力し、さらに、別のオーディオ再生回路から音声信号をミキサー回路に出力するようにすれば、オーディオ信号を電子楽器から再生し、また、オーディオ再生と演奏音と混合させた再生が可能な電子楽器を構成することができる。
本発明の音響再生装置は、指向特性を有するスピーカーおよび無指向特性を有するスピーカーを含み、良好な音声再生が可能な音響再生装置、および、これを含む電子楽器を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態による音響再生装置、および、これを含む電子楽器について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1および図2は、本発明の好ましい実施形態による電子楽器1について説明する図である。具体的には、図1は、音響再生装置を含む電子楽器1としての電子ピアノ1の正面図(一部断面図)である。また、図2は、この電子ピアノ1の構成を説明するブロックダイアグラムである。なお、電子ピアノ1の形態は、本実施例の場合に限定されない。また、本発明の説明に不要な電子ピアノ1の構成については、図示及び説明を省略する。
本実施例の電子ピアノ1は、その筐体2に設けられた操作子である鍵盤5を演奏者が操作した場合に、鍵盤5に対応する演奏音の音声信号を(図示しない)音源を含む楽器音出力回路7から出力し、増幅器で増幅してスピーカーに出力し、演奏音を再生する電子楽器である。
ただし、電子ピアノ1は、オーディオ再生回路6をさらに含んでいて、音響再生装置としてオーディオ再生回路6が出力するオーディオ信号をスピーカーから再生し、また、電子楽器としてオーディオ再生と演奏音と混合させた再生が可能である。この電子ピアノ1では、筐体2の鍵盤5の下面側にオーディオ再生回路6が取り付けられている。制御回路9は、電子ピアノ1の動作を制御する。
楽器音出力回路7から出力される音声信号(演奏音)と、オーディオ再生回路6から出力される音声信号(オーディオ再生音)と、は、ともにミキサー回路8に入力される。なお、本実施例の場合には、これらはそれぞれステレオ左右チャンネル成分を含む。ミキサー回路8は、乗算器と加算器とを含む。ミキサー回路8は、複数の音声信号が入力されて、そのいずれか1つの音声信号、または、複数の音声信号を音量調整して加算した音声信号を、第1音声信号処理回路10および/または第2音声信号処理回路20に分配して出力することができる。
例えば、ミキサー回路8は、楽器音出力回路7からの演奏音のみを第1音声信号処理回路10と第2音声信号処理回路20とに出力する、あるいは、オーディオ再生回路6からのオーディオ再生音のみを第1音声信号処理回路10と第2音声信号処理回路20とに出力する、あるいは、楽器音出力回路7からの演奏音とオーディオ再生回路6からのオーディオ再生音とを適度に混合して第1音声信号処理回路10および第2音声信号処理回路20に出力する、などの操作が可能である。
もちろん、ミキサー回路8は、第1音声信号処理回路10と第2音声信号処理回路20とに同一の音声信号を出力することもできる。また、ミキサー回路8は、第1音声信号処理回路10と第2音声信号処理回路20のいずれか一方のみに音声信号を出力することもできる。
第1音声信号処理回路10は、入力される音声信号から直接音成分を含む第1音声信号を生成して出力する。例えば、第1音声信号は、入力される音声信号そのものを出力するものであってもよく、また、入力される音声信号からノイズ成分または残響音成分などを除く信号処理を経て出力されるものであってもよい。本実施例の第1音声信号処理回路10は、ステレオ信号としての第1音声信号1Lおよび1Rをそれぞれ出力する。
第1音声信号処理回路10は、さらに第1音声信号1Lおよび1Rをそれぞれ、所定のクロスオーバー周波数よりも高い音声帯域を通過させて出力するハイパスフィルタ(HPF)と、所定のクロスオーバー周波数よりも低い音声帯域を通過させて出力するローパスフィルタ(LPF)と、を含む。クロスオーバー周波数は、後述するマルチウェイのスピーカー3Lおよび3Rのクロスオーバー周波数に対応する。
第1音声信号処理回路10は、さらにこれらのHPFおよびLPFからの出力に所定のゲインG1を与える乗算器を含む。第1音声信号処理回路10の乗算器からの出力は、それぞれ増幅回路で電力増幅されて、スピーカー3Lおよび3Rに入力される。所定のゲインG1を与える乗算器は、デジタル信号処理において行うものであってもよいが、アナログ信号に変換した音声信号を増幅するものであってもよい。
第2音声信号処理回路20は、入力される音声信号から直接音成分とは異なる間接音成分を含む第2音声信号を生成して出力する。例えば、第2音声信号は、入力される音声信号をリバーブ信号処理してリバーブ成分のみを出力するものであってもよく、また、入力されるステレオ音声信号から差成分を強調させて遅延させる等のサラウンド処理、等の信号処理を経て出力されるものであってもよい。本実施例の第2音声信号処理回路20は、ステレオ信号としての第2音声信号2Lおよび2Rをそれぞれ出力する。なお、第2音声信号処理回路20は、間接音成分だけでなく直接音成分を含む第2音声信号を生成して出力してもよい。
本実施例の第2音声信号処理回路20は、第2音声信号2Lおよび2Rに所定のゲインG2を与える乗算器を含む。ここで、ゲインG2は、第1音声信号処理回路10の乗算器のゲインG1よりも高い出力ゲイン(G2>G1)となるように設定される。第2音声信号処理回路20の乗算器からの出力は、それぞれ増幅回路で電力増幅されて、スピーカー4Lおよび4Rに入力される。所定のゲインG2を与える乗算器は、デジタル信号処理において行うものであってもよいが、アナログ信号に変換した音声信号を増幅するものであってもよい。
この電子ピアノ1は、音波を放射するスピーカーとして、筐体2の鍵盤5の下面側に取り付けられるスピーカー3Lおよび3Rと、筐体2の鍵盤5の上面側の左右にそれぞれ取り付けられるスピーカー4Lおよび4Rと、を備えている。スピーカー3Lおよび4Lはステレオ信号の左音声チャンネルに対応し、スピーカー3Rおよび4Rはステレオ信号の右音声チャンネルに対応するスピーカーである。
スピーカー3Lおよび3Rは、それぞれ横長のキャビネット30を有し、その高音域の周波数帯域の音声信号に対応するツィーター31と、中低音域の周波数帯域の音声信号に対応するウーファー32と、が取り付けられてマルチウェイスピーカーシステムを構成している。スピーカー3Lおよび3Rでは、ツィーター31およびウーファー32の振動板が振動する方向が筐体2の前後方向になるように配置される。スピーカー3Lおよび3Rは、特にディフューザー等を備えず、相対的に振動板よりも波長の短い周波数を含むので、前面方向に音圧が高くなる指向特性を有する。
したがって、スピーカー3Lおよび3Rは、ステレオ再生の左右の音声信号にそれぞれ対応して、前面方向に指向性を有して再生音を放射する。スピーカー3Lおよび3Rには、第1音声信号処理回路10から直接音成分を含む第1音声信号1Lおよび1Rが入力されるので、スピーカー3Lおよび3Rは、再生音の直接音成分を主に放射することになる。
また、スピーカー4Lおよび4Rは、キャビネット40の上面側に振動板が図示する上下方向に振動するように取り付けられるスピーカー41と、スピーカー41の振動板に対向するように設けられるディフューザー42と、を備える。ディフューザー42は、略円錐形状の錐面を反射面とする反射部材である。このスピーカー41は、全ての周波数帯域を再生するフルレンジ型の動電型スピーカーである。なお、ディフューザー42の形状は、略円錐形状の場合だけでなく、円錐形の頂部を切り落としたかのような略切頭円錐形状であってもよい。
したがって、スピーカー4Lおよび4Rは、スピーカー41から上方向に放射された音波をディフューザー42で反射させ、水平方向に関して無指向特性になるように再生音を放射する。スピーカー4Lおよび4Rには、第2音声信号処理回路20から間接音成分を含む第2音声信号2Lおよび2Rが入力されるので、スピーカー4Lおよび4Rは、再生音の間接音成分を主に放射することになる。
スピーカー3Lおよび3Rは、電子ピアノ1の演奏者の膝元に配置されることになり、電子ピアノ1の演奏音の直接音成分を再生するのに適する。また、スピーカー3Lおよび3Rは、前面方向に音圧が高くなる指向特性を有するので、オーディオ再生回路6から再生するオーディオ信号の再生音を再生するのに適する。一方で、スピーカー4Lおよび4Rは、電子ピアノ1の演奏音の間接音成分を再生するのに適する。また、オーディオ再生回路6から再生するオーディオ信号において、これらから生成する間接音成分を再生するのに適する。
また、スピーカー3Lおよび3Rと、スピーカー4Lおよび4Rと、から再生する演奏音/再生音の音量のバランスは、電子ピアノ1の制御回路9がミキサー回路8を制御することで制御可能である。電子ピアノ1のスピーカーにこのような構成を採用することで、電子ピアノ1の演奏音が、演奏者および聴取者にとって本来のアコースティックのピアノの演奏音に近いものとして知覚できるようになると期待できる。また、オーディオ信号を電子ピアノ1から再生し、また、オーディオ再生と演奏音と混合させた再生も可能になる。
振動板の前面側にディフューザー42を設ける無指向性のスピーカー4Lおよび4Rは、ディフューザーを設けない指向性を有するスピーカー3Lおよび3Rに比べて、再生音圧レベルが低くなり易い。しかし、この電子ピアノ1では、第2音声信号処理回路20が、第1音声信号処理回路10が第1音声信号1Lおよび1Rに与えて出力する出力ゲインG1よりも高い出力ゲインG2を第2音声信号2Lおよび2Rに与えて出力する。
出力ゲインG1およびG2の具体的な値は、スピーカー3Lおよび3Rと、スピーカー4Lおよび4Rと、の再生音圧レベルの能率差に基づいて設定できる。例えば、スピーカー3Lおよび3Rの再生音圧レベルが90dBSPL(W/m)であり、スピーカー4Lおよび4Rの再生音圧レベルが87dBSPL(W/m)である場合には、出力ゲインG2は、出力ゲインG1よりも3dB大きく設定するのが好ましい。したがって、ディフューザーを備える無指向性のスピーカー4Lおよび4Rの再生音圧レベルが、ディフューザーを設けないスピーカー3Lおよび3Rと同程度になり、良好な音声再生が可能になる。
図3は、本発明の他の好ましい実施形態による電子楽器1aの構成を説明するブロックダイアグラムである。本実施例の電子楽器1aは、先の実施例の場合と無指向性のスピーカー4Laおよび4Raの構成が異なり、さらにこれに応じて第2音声信号処理回路20aの構成が異なる点で相違するのみである。したがって、本発明の説明に不要な電子ピアノ1aの構成については、図示及び説明を省略する。
本実施例の無指向性のスピーカー4Laおよび4Raは、キャビネットの上面側に振動板が図示する上下方向に振動するように取り付けられるスピーカー41と、スピーカー41の振動板に対向するように設けられるディフューザー42と、を備え、さらに、振動板が図示する水平方向に振動するように取り付けられるスピーカー43を備える。このスピーカー43の振動板の前面側には、ディフューザーは設けられていない。
スピーカー41は、全ての周波数帯域を再生するフルレンジ型の動電型スピーカーであり、一方でスピーカー43は、低音域の再生能力に優れる大きな口径の振動板を有するウーファーである。波長が長くて無指向特性に近くなる低音域を再生するウーファーであるスピーカー43は、キャビネットに取り付けるのみで、ディフューザーを設ける必要がない。
スピーカー4Laおよび4Raには、先の実施例と同様に第2音声信号処理回路20aから間接音成分を含む第2音声信号2Lおよび2Rが入力されるので、スピーカー4Laおよび4Raは、再生音の間接音成分を主に放射することになる。
第1音声信号処理回路10は、さらに第1音声信号1Lおよび1Rをそれぞれ、所定のクロスオーバー周波数よりも高い音声帯域を通過させて出力するハイパスフィルタ(HPF)と、所定のクロスオーバー周波数よりも低い音声帯域を通過させて出力するローパスフィルタ(LPF)と、を含む。第1音声信号処理回路10は、さらにこれらのHPFおよびLPFからの出力に所定のゲインG1を与える乗算器と、を含む。第1音声信号処理回路10の乗算器からの出力は、それぞれ増幅回路で電力増幅されて、スピーカー3Lおよび3Rに入力される。
本実施例の第2音声信号処理回路20aは、ステレオ信号としての第2音声信号2Lおよび2Rをそれぞれ出力するのは、先の実施例の場合と同様である。第2音声信号処理回路20aは、さらに第2音声信号2Lおよび2Rをそれぞれ、所定のクロスオーバー周波数よりも高い音声帯域を通過させて出力するハイパスフィルタ(HPF)と、所定のクロスオーバー周波数よりも低い音声帯域を通過させて出力するローパスフィルタ(LPF)と、を含む。
本実施例の第2音声信号処理回路20aでは、これらのHPFからの出力に所定のゲインG2を与える乗算器と、これらのLPFからの出力に所定のゲインG3を与える乗算器と、をさらに含む。ここで、ゲインG2は、第1音声信号処理回路10の乗算器のゲインG1よりも高い出力ゲイン(G2>G1)となるように設定される。また、ゲインG3は、ゲインG2よりも低い出力ゲイン(G2>G3)となるように設定される。第2音声信号処理回路20aの乗算器からの出力は、それぞれ増幅回路で電力増幅されて、スピーカー4Laおよび4Raに入力される。
つまり、本実施例の場合には、スピーカー4Laおよび4Raが、再生周波数帯域を複数2つに分割して再生する複数のスピーカー(41および43)を含み、所定の周波数以上の周波数帯域を再生するスピーカー41が、振動板に対向するように配置されるディフューザー42を備えるので、第2音声信号処理回路20aは、HPFおよびLPFで帯域分割して複数の第2音声信号2Lおよび2Rを出力し、所定の周波数以上の周波数帯域において相対的に高い出力ゲイン(G2>G3)を与えて、スピーカー41に出力している。
その結果、ディフューザー42を設けるスピーカー41の再生音圧レベルが低くなるのを防いで、スピーカー4Laおよび4Ra全体として良好な音声再生を可能にすることができる。
本実施例の電子ピアノ1は、鍵盤を備える電子楽器であるが、他の電子楽器であってもよい。
本発明の音響再生装置、および、これを含む電子楽器のスピーカーは、図示するような動電型のスピーカーユニットに限らず、さらに圧電型、静電型または電磁型の駆動部を備えて振動板を有するスピーカーユニットであってもよい。また、音響再生装置に限らず、映像信号を扱う映像音響機器にも適用が可能である。
1 電子ピアノ
2 筐体
3L、3R、4L、4R スピーカー
5 鍵盤
6 オーディオ再生回路
8 ミキサー回路
10 第1音声信号処理回路
20 第2音声信号処理回路
42 ディフューザー
2 筐体
3L、3R、4L、4R スピーカー
5 鍵盤
6 オーディオ再生回路
8 ミキサー回路
10 第1音声信号処理回路
20 第2音声信号処理回路
42 ディフューザー
Claims (6)
- 入力される音声信号から直接音成分を含む第1音声信号を生成して出力する第1音声信号処理回路と、
入力される音声信号から該直接音成分とは異なる間接音成分を含む第2音声信号を生成して出力する第2音声信号処理回路と、
少なくとも略水平方向に振動する振動板を有して、該第1音声信号を音波に変換して放射する第1スピーカーと、
少なくとも略垂直方向に振動する振動板と、該振動板に対向するように配置されて該音波を略水平方向に放射するディフューザーと、を有して、該第2音声信号を音波に変換して放射する第2スピーカーと、
を少なくとも備える、
音響再生装置。 - 前記第2音声信号処理回路が、前記第1音声信号処理回路が前記第1音声信号に与えて出力する出力ゲインG1よりも高い出力ゲインG2を前記第2音声信号に与えて出力する、
請求項1に記載の音響再生装置。 - 前記第2スピーカーが、再生周波数帯域を複数に分割して再生する複数のスピーカーを含み、所定の周波数以上の周波数帯域を再生するいずれかの該スピーカーが、前記振動板に対向するように配置される前記ディフューザーを少なくとも備え、
前記第2音声信号処理回路が、該第2スピーカーの該複数のスピーカーに対応して帯域分割して複数の前記第2音声信号を出力し、前記所定の周波数以上の周波数帯域において相対的に高い出力ゲインを与えて出力する、
請求項1に記載の音響再生装置。 - 複数の前記音声信号が入力されて、そのいずれか1つの音声信号、または、複数の該音声信号を音量調整して加算した音声信号を、前記第1音声信号処理回路および/または前記第2音声信号処理回路に、それらに入力される前記音声信号として分配して出力するミキサー回路をさらに備える、
請求項1から3のいずれかに記載の音響再生装置。 - 請求項4に記載の音響再生装置を含み、
少なくとも前記第1スピーカーまたは前記第2スピーカーが取り付けられる筐体を備え、
ユーザーの演奏に応じて操作される演奏操作回路と、該演奏操作回路からの制御信号に応じて音源回路から出力される音声信号を前記ミキサー回路に出力する楽器音出力回路と、を少なくとも備える、
電子楽器。 - 前記音響再生装置の前記ミキサー回路に前記音声信号を出力するオーディオ再生回路をさらに含む、
請求項5に記載の電子楽器。
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