JP3831977B2 - 等価可変抵抗回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信された放送波信号に対する中間周波数選択用フィルタの構成要素等として用いられる等価可変抵抗回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
所謂“ラジオ放送”を行っている放送局から送出された放送波信号等の受信に使用される、スーパーヘテロダイン受信装置の分野においては、バリアブル・コンデンサが用いられるアナログ選局方式の採用に代わり、例えば、フェイズ・ロックド・ループ(PLL)が用いられるディジタル選局方式の採用が一般化してきている。ディジタル選局方式が採用されたもとにあっては、PLLが、例えば、マイクロコンピュータによる制御のもとに作動せしめられて、迅速かつ確実な選局動作が行われ、しかも、選局に際して使用者による微調整等が不要とされて、使い勝手に優れた選局部が形成される。
【0003】
このようなディジタル選局方式が採用されたスーパーヘテロダイン受信装置においても、例えば、アナログ選局方式が採用されたスーパーヘテロダイン受信装置の場合と同様に、選局動作が行われて選択受信された放送波信号が周波数変換されて中間周波数信号とされ、中間周波数選択用フィルタを通じることによる不用信号の除去がなされて、中間中波増幅部に供給される。それゆえ、ディジタル選局方式が採用されたスーパーヘテロダイン受信装置にも、その中間周波処理部に中間周波数選択用フィルタが備えられることになる。
【0004】
ディジタル選局方式が採用されたスーパーヘテロダイン受信装置に備えられる中間周波数選択用フィルタは、従来、ディジタル選局方式により得られる迅速かつ確実な選局動作の利点を充分に生かすべく、周波数安定性に優れたセラミックフィルタ素子によって構成されている。セラミックフィルタ素子が用いられて構成された中間周波数選択用フィルタは、通常の適正な使用状況のもとでは、周波数変動を生じることがほとんど無く、調整操作が必要とされないという利点をもたらす。
【0005】
しかしながら、セラミックフィルタ素子は、一般に、小型化,薄型化を図ることが困難とされ、また、比較的高価である。それゆえ、ディジタル選局方式が採用されたスーパーヘテロダイン受信装置においては、ディジタル選局が行われる選局部,周波数変換部及び中間周波処理部等が集積回路化されて小型・軽量化が図られるのであるが、セラミックフィルタ素子が用いられて構成された中間周波数選択用フィルタが備えられるもとにあっては、中間周波数選択用フィルタが、集積回路化部分に含められず、集積回路化部分に対して外付けされることになり、それによって選局部,周波数変換部及び中間周波処理部等を含む回路部分の全体の効果的な小型化が妨げられてしまう。さらに、セラミックフィルタ素子が用いられて構成された中間周波数選択用フィルタの使用は、コストが嵩むことにつながってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、ディジタル選局方式が採用されたスーパーヘテロダイン受信装置において、中間周波数選択用フィルタを、セラミックフィルタ素子を用いることなく、集積回路化に適した回路構成をもって構成し、しかも、ディジタル選局方式により得られる迅速かつ確実な選局動作の利点を充分に生かすことができるものとなすことが望まれることになるが、従来においては、中間周波数選択用フィルタを集積回路化に適した回路構成をもって構成される場合、その中心周波数のばらつき変動に関する問題が解消されていない。即ち、集積回路化に適した回路構成をもって構成された中間周波数選択用フィルタが伴う中心周波数のばらつき変動は、主として、中間周波数選択用フィルタを構成する各半導体回路素子の特性上の不揃いに起因するが、各半導体回路素子が集積回路化されているがゆえに、それらの特性上の不揃いに応じた特性の補正あるいは補償を的確に行うことができず、その結果、中心周波数のばらつき変動を抑制することが困難とされているのである。
【0007】
斯かる点に鑑み、本発明は、例えば、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの構成要素として利用されるとき、その中間周波数選択用フィルタが伴う中心周波数のばらつき変動を抑制する調整を容易かつ的確に行うことができることになり、従って、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの形成に用いられるに好適であり、しかも比較的安価に得られる等価可変抵抗回路を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る等価可変抵抗回路の第1の態様は、信号入力端から第1の抵抗素子を通じて信号出力端に至る信号路形成部と、信号路形成部における第1の抵抗素子と信号出力端との間の信号出力路部分に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極を有する第1のトランジスタと、直流電圧源に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極、及び、第1のトランジスタの、例えば、エミッタとされる第2の電極に共通接続された、例えば、エミッタとされる第2の電極を有し、第1のトランジスタとで差動対を形成する第2のトランジスタと、共通接続された第1及び第2のトランジスタの第2の電極に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極、及び、第2の抵抗素子を通じて基準電位点に接続された、例えば、エミッタとされる第2の電極を有し、第2の抵抗素子と共に電圧−電流変換部を形成する第3のトランジスタと第1のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極と第2のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極との間に印加される直流電圧を変化させ、等価的に信号路形成部における信号入力端と信号出力端との間の抵抗値を変化させる電圧制御部と、第3のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極が第3の抵抗素子を通じて信号路形成部における信号入力端と第1の抵抗素子との間の信号入力路部分に接続されるとともに、第3のトランジスタの第3の電極に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極、及び、電流源部を通じて基準電位点に接続された、例えば、エミッタとされる第2の電極を有する第4のトランジスタと、直流電圧源に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極、及び、第4のトランジスタの第2の電極に共通接続された、例えば、エミッタとされる第2の電極を有し、第4のトランジスタとで差動対を形成する第5のトランジスタと、第4のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極と第5のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極との間に印加される直流電圧を、第1のトランジスタの第3の電極と第2のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧の変化と連動して変化させる副電圧制御部とが設けられて構成される。
【0009】
また、本発明に係る等価可変抵抗回路の第2の態様は、信号入力端から第1の抵抗素子を通じて信号出力端に至る信号路形成部と、信号路形成部における第1の抵抗素子と信号出力端との間の信号出力路部分に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極を有する第1のトランジスタと、直流電圧源に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極、及び、第1のトランジスタの、例えば、エミッタとされる第2の電極に共通接続された、例えば、エミッタとされる第2の電極を有し、第1のトランジスタとで差動対を形成する第2のトランジスタと、共通接続された第1及び第2のトランジスタの第2の電極に接続された、例えば、コレクタとされる第1の電極、及び、第2の抵抗素子を通じて基準電位点に接続された、例えば、エミッタとされる第2の電極を有し、第2の抵抗素子と共に電圧−電流変換部を形成する第3のトランジスタと、第1のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極に定直流電圧を印加する定直流電圧源と第2のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極に可変直流電圧を印加する可変直流電圧源とを含み、第1のトランジスタの第3の電極と第2のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧を変化させ、等価的に信号路形成部における信号入力端と信号出力端との間の抵抗値を変化させる電圧制御部とを具備し、電圧制御部における可変直流電圧源が、可変抵抗素子と演算増幅部とを含んで形成され、可変抵抗素子の抵抗値変化に応じて変化する可変直流電流を発する電圧−電流変換部と、所定の直流電流を発生する電流源部と、電圧−電流変換部により得られる可変直流電流と電流源部により得られる所定の直流電流との差に応じた差電流が流れ、その差電流に応じた可変直流電圧が得られる電流−電圧変換部とを備えて構成される。
【0010】
このように第1の態様あるいは第2の態様をとるものとして構成される本発明に係る等価可変抵抗回路は、複数個の抵抗素子と複数個のトランジスタと二個のトランジスタの、例えば、ベースとされる第3の電極間に印加される直流電圧を変化させる、例えば、第1のトランジスタの第3の電極に定直流電圧を印加する定直流電圧源と第2のトランジスタの第3の電極に可変直流電圧を印加する可変直流電圧源とを含んだ電圧制御部によって構成される。従って、集積回路化に適した構成を有するとともに、比較的安価に得られることになる。
【0011】
そして、本発明に係る等価可変抵抗回路は、電圧制御部によって二個のトランジスタの第3の電極間に印加される直流電圧が変化せしめられることにより、その直流電圧の変化に応じて、信号路形成部における信号入力端と信号出力端との間の抵抗値を変化させる。それゆえ、例えば、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの構成要素として用いられたもとで、電圧制御部によって二個のトランジスタの第3の電極間に印加される直流電圧が変化せしめられると、中間周波数選択用フィルタにおいて、部分的に信号路の抵抗値が変化せしめられることになる。
【0012】
従って、本発明に係る等価可変抵抗回路が、中間周波数選択用フィルタの中心周波数の設定に関与する抵抗部分を形成するものとして用いられて、電圧制御部によって二個のトランジスタの第3の電極間に印加される直流電圧が変化せしめられると、その直流電圧の変化に応じて、中間周波数選択用フィルタの中心周波数の設定に関与する抵抗部分の抵抗値が変化せしめられることになり、その結果、中間周波数選択用フィルタの中心周波数が直流電圧の変化に応じて変化せしめられる。そして、中間周波数選択用フィルタの斯かる中心周波数の変化は、その中心周波数のばらつき変動の抑制のための調整とすることができるものとされる。
【0013】
即ち、本発明に係る等価可変抵抗回路が、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの中心周波数の設定に関与する抵抗部分を形成するものとして用いられるもとにあっては、本発明に係る等価可変抵抗回路の信号路形成部における信号入力端と信号出力端との間抵抗値を変化させることにより、中間周波数選択用フィルタの中心周波数のばらつき変動の抑制を容易かつ的確に行えることになる。従って、本発明に係る等価可変抵抗回路は、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの構成要素として用いられるに好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、前述の第1の態様あるいは第2の態様をとるものとして構成される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例を示す。この例においては、入力信号Siが供給される信号入力端11から抵抗素子12を経て信号出力端13に至る信号路形成部14が設けられている。この信号路形成部14にあっては、信号入力端11と抵抗素子12との間が信号入力部分14iとされ、また、抵抗素子12と信号出力端13との間が信号出力部分14tとされている。
【0015】
信号路形成部14における信号出力部分14tには、NPN型のトランジスタ15のコレクタが接続されている。トランジスタ15のベースは、定直流電圧を供給する定直流電圧源16に接続されており、また、トランジスタ15のエミッタは、NPN型のトランジスタ17のエミッタに接続されている。トランジスタ17のコレクタは、直流電圧源18に接続されており、また、トランジスタ17のベースは、可変直流電圧を供給する可変直流電圧源19に接続されている。そして、トランジスタ15及びトランジスタ17は、各々のエミッタが共通接続された差動対を形成している。
【0016】
トランジスタ15及びトランジスタ17の共通接続されたエミッタには、NPN型のトランジスタ20のコレクタが接続されている。トランジスタ20のエミッタは、抵抗素子21を介して基準電位点(接地電位点)に接続されており、また、トランジスタ20のベースは、抵抗素子22を介して信号路形成部14における信号入力部分14iに接続されている。トランジスタ20及び抵抗素子21は、電圧−電流変換部を形成している。
【0017】
トランジスタ20のベースには、NPN型のトランジスタ23のコレクタが接続されている。トランジスタ23のベースは、定直流電圧を供給する定直流電圧源24に接続されており、また、トランジスタ23のエミッタは、NPN型のトランジスタ25のエミッタに接続されている。トランジスタ25のコレクタは、直流電圧源18に接続されており、また、トランジスタ25のベースは、可変直流電圧を供給する可変直流電圧源26に接続されている。そして、トランジスタ23及びトランジスタ25は、各々のエミッタが共通接続された差動対を形成しており、トランジスタ23及びトランジスタ25の共通接続されたエミッタには、電流源27が接続されている。
【0018】
斯かる構成のもとで、トランジスタ15のベースに接続されてそれに定直流電圧を印加する定直流電圧源16、及び、トランジスタ17のベースに接続されてそれに可変直流電圧を印加する可変直流電圧源19は、トランジスタ15のベースとトランジスタ17のベースとの間に印加される直流電圧を、必要に応じて変化させる電圧制御部を形成している。同様に、トランジスタ23のベースに接続されてそれに定直流電圧を印加する定直流電圧源24、及び、トランジスタ25のベースに接続されてそれに可変直流電圧を印加する可変直流電圧源26は、トランジスタ23のベースとトランジスタ25のベースとの間に印加される直流電圧を、必要に応じて変化させる電圧制御部を形成している。
【0019】
また、可変直流電圧源19と可変直流電圧源26とは、各々が供給する可変直流電圧の値を連動して変化させるものとされていて、制御電圧供給部28を形成している。
【0020】
このような図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例に関し、その動作についての説明が、信号出力端13に演算増幅部31と容量素子32とが並列接続された状況が想定されたもとで、以下の如くになされる。斯かる説明においては、抵抗素子12,21及び22の抵抗値が夫々R1,R2及びR3とされ、直流電圧源18が供給する直流電圧がV0(例えば、2V)とされ、定直流電圧源16及び24が供給する定直流電圧が夫々V1(例えば、1.65V)及びV2(例えば、1.25V)とされ、さらに、可変直流電圧源19及び26が供給する可変直流電圧が夫々V3及びV4とされる。
【0021】
信号入力端11に供給される入力信号Siは、信号路形成部14を抵抗素子12を通じて流れる、入力信号Siに応じた電流i1を生じさせるとともに、抵抗素子22を通じてトランジスタ20のベースに供給される。それにより、電圧−電流変換部を形成するトランジスタ20及び抵抗素子21は、トランジスタ20のコレクタ−エミッタ通路及び抵抗素子21を通じて流れる、入力信号Siに応じた電流i2を生じさせる。
【0022】
トランジスタ20のコレクタ−エミッタ通路及び抵抗素子21を通じて流れる電流i2は、トランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路とトランジスタ17のコレクタ−エミッタ通路とを分流し、トランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路を電流i3が流れるとともに、トランジスタ17のコレクタ−エミッタ通路を電流i4が流れる(i2=i3+i4)。それにより、信号路形成部14の信号出力路部分14tにおけるトランジスタ15のコレクタの接続点と信号出力端13との間においては、電流i1から電流i3が減じられて得られる電流i5(i5=i1−i3)が流れ、この電流i5が、信号出力端13を通じて容量素子32に流入する。
【0023】
このようなもとで、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印加される可変直流電圧V3が変化せしめられると、トランジスタ17のベースと定直流電圧源16から定直流電圧V1が印加されているトランジスタ15のベースとの間に印加される直流電圧が変化せしめられ、従って、トランジスタ15のベース電位に対するトランジスタ17のベース電位が変化せしめられて、トランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i3に対するトランジスタ17のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i4の比α(α=i4/i3)が変化せしめられることになる。
【0024】
このとき、トランジスタ20のコレクタ−エミッタ通路及び抵抗素子21を通じて流れる電流i2は一定に維持されるので、トランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i3及びトランジスタ17のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i4の夫々が変化せしめられることになり、従って、信号出力端13を通じて容量素子32に流入する電流i5(i5=i1−i3)が変化せしめられる。このようにして、信号出力端13を通じて容量素子32に流入する電流i5が、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印加される可変直流電圧V3の変化に応じて変化せしめられるが、このことは、等価的に、信号路形成部14における信号入力端11と信号出力端13との間の抵抗値が、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印加される可変直流電圧V3の変化に応じて変化せしめられることになり、従って、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例が、その全体で可変抵抗素子として機能することになる。
【0025】
斯かる際において、抵抗素子12を流れる電流i1及び抵抗素子21を流れる電流i2は、入力信号Siの電圧をvi として、
i1=vi /R1
i2=vi /R2
とあらわされる。
【0026】
また、抵抗素子21を流れる電流i2とトランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i3及びトランジスタ17のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i4との間には、
Figure 0003831977
という関係があるので、トランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i3は、
i3=i2/(1+α)
とあらわされ、γ=1/(1+α)とすると、
i3=γ・i2
とあらわされる。
【0027】
従って、信号出力端13を通じて容量素子32に流入する電流i5は、
Figure 0003831977
とあらわされる。
【0028】
それゆえ、信号路形成部14における信号入力端11と信号出力端13との間の等価抵抗値をRxとすると、
Figure 0003831977
とあらわされる。
【0029】
即ち、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例が、その全体で可変抵抗素子として機能する際における等価抵抗値は、
Rx=(R1・R2)/(R2−γ・R1)
とあらわされることになり、γ=1/(1+α)の変化、従って、電流i3に対する電流i4の比α=i4/i3の変化に応じて変化せしめられる。
【0030】
また、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例においては、電流源27を流れる電流をi6,トランジスタ23のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流をi7、及び、トランジスタ25のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流をi8とすると、電流i6はトランジスタ23のコレクタ−エミッタ通路及びトランジスタ25のコレクタ−エミッタ通路を夫々電流i7及び電流i8として分流するので、
i6=i7+i8
という関係が成立する。
【0031】
そして、可変直流電圧源26からトランジスタ25のベースに印加される可変直流電圧V4が、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印加される可変直流電圧V3の変化と連動して変化せしめられ、可変直流電圧V3と定直流電圧源16からトランジスタ15のベースに印加される定直流電圧V1との差、及び、可変直流電圧V4と定直流電圧源24からトランジスタ23のベースに印加される定直流電圧V2との差が、常時互いに等しく、ΔVとなるようにされている(ΔV=V3−V1=V4−V2)。
【0032】
それゆえ、トランジスタ23のコレクタ─エミッタ通路を流れる電流i7に対するトランジスタ25のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i8の比も、トランジスタ15のコレクタ─エミッタ通路を流れる電流i3に対するトランジスタ17のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i4の比と等しいαとされる。従って、電流源27を流れる電流i6とトランジスタ23のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i7との間には、
i7=i6/(1+α)=γ・i6
という関係が成立する。
【0033】
さらに、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例においては、抵抗素子12を電流i3が流れることにより生じる抵抗素子12における電圧降下、即ち、i3・R1=γ・i2・R2と、抵抗素子22を電流i7が流れることにより生じる抵抗素子22における電圧降下、即ち、i7・R3=γ・i6・R3とが、互いに等しくなる(γ・i2・R2=γ・i6・R3)ように、回路定数が設定される。
【0034】
斯かるもとで、上述の如くに、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印加される可変直流電圧V3が変化せしめられるとき、それに伴ってトランジスタ17のベースと定直流電圧源16から定直流電圧V1が印加されているトランジスタ15のベースとの間に印加される直流電圧(ΔV)が変化せしめられ、それにより、トランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i3に対するトランジスタ17のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i4の比αが変化して、トランジスタ15のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i3が変化すると、抵抗素子12を電流i3が流れることにより生じる抵抗素子12における電圧降下が変化して、信号路形成部14における信号入力路部分14iの電位が変化することになる。
【0035】
このとき、可変直流電圧源26からトランジスタ25のベースに印加される可変直流電圧V4も、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印加される可変直流電圧V3の変化と連動して変化せしめられるので、それに伴ってトランジスタ25のベースと定直流電圧源24から定直流電圧V2が印加されているトランジスタ23のベースとの間に印加される直流電圧(ΔV)が変化せしめられ、それにより、トランジスタ23のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i7に対するトランジスタ25のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i8の比αが変化して、トランジスタ23のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流i7が変化すると、抵抗素子22を電流i7が流れることにより生じる抵抗素子22における電圧降下も変化する。
【0036】
このとき、上述の如くの、抵抗素子12を電流i3が流れることにより生じる抵抗素子12における電圧降下と抵抗素子22を電流i7が流れることにより生じる抵抗素子22における電圧降下とが互いに等しくなるようにする回路定数の設定により、抵抗素子12における電圧降下の変化と抵抗素子22における電圧降下の変化とが互いに等しくなる。それゆえ、抵抗素子12における電圧降下が変化して、信号路形成部14における信号入力路部分14iの電位が変化しても、その電位変化は、抵抗素子22における電圧降下の変化によって吸収されることになり、トランジスタ20のベース電位は変化せしめられない。
【0037】
即ち、差動対を形成するトランジスタ23及び25,電流源27,トランジスタ23のベースに定直流電圧V2を印加する定直流電圧源24、さらには、トランジスタ25のベースに可変直流電圧V4を印加し、その可変直流電圧V4を、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印可される可変直流電圧V3の変化に連動して変化させる可変直流電圧源26等が設けられ、所定の回路定数設定がなされることにより、信号路形成部14における信号入力端11と信号出力端13との間の等価抵抗値Rxを変化させるべく、可変直流電圧源19からトランジスタ17のベースに印加される可変直流電圧V3が変化せしめられるとき、トランジスタ20のベース電位が実質的に一定に維持されることになり、信号路形成部14における信号入力端11と信号出力端13との間の等価抵抗値Rxが適正に変化せしめられる。
【0038】
図2は、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例において、可変直流電圧源19及び26を含んで形成される制御電圧供給部28についての具体構成例を示す。
【0039】
図2に示される具体構成例にあっては、定直流電圧V2(例えば、1.25V)を供給する定直流電圧源40を電源とする回路部に、抵抗素子41及び42,調整用可変抵抗素子43,演算増幅部44、及び、NPN型のトランジスタ45,46,47及び48を含んで形成される電圧−電流変換部49が設けられるとともに、抵抗素子50,51,52,53,54及び55,PNP型のトランジスタ56、及び、NPN型のトランジスタ57,58及び59を含んで形成される、温度変化に伴う電流値変動が小とさた電流源部60が設けられている。
【0040】
電圧−電流変換部49においては、抵抗素子41と調整用可変抵抗素子43との間の接続点に得られる電圧Vcが演算増幅部44に入力され、演算増幅部44,トランジスタ45及び抵抗素子42を含む部分の負帰還動作によって、トランジスタ46,47及び48の夫々のコレクタ−エミッタ通路を流れる、演算増幅部44に入力される電圧Vcに応じた電流Icが得られる。電圧Vcは、調整用可変抵抗素子43の抵抗値変化に応じて変化せしめられる。従って、調整用可変抵抗素子43の抵抗値が変化せしめられることにより、それに応じて電圧Vcが変化し、それに伴って、トランジスタ46,47及び48の夫々のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Icが、調整用可変抵抗素子43の抵抗値変化に応じて変化することになり、電流Icは可変直流電流である。
【0041】
抵抗素子41及び42の抵抗値を夫々R11及びR12とし、調整用可変抵抗素子43の抵抗値をR13とすると、電流Icは、
Ic=V2・R11/((R11+R12)・R13)
とあらわされる。
【0042】
電流源部60においては、トランジスタ58及び59の夫々は、そのエミッタ領域面積が、トランジスタ57のエミッタ領域面積の3倍とされており、トランジスタ57においてそのコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Isが得られるのに対して、トランジスタ58及び59の夫々においてはそのコレクタ−エミッタ通路を流れる電流3Is(電流Isの3倍の電流)が得られる。電流Isは電流Icより小とされる直流電流であり、電流3Isは電流Icより大とされる直流電流である。
【0043】
トランジスタ46のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Icは、カレントミラー部を形成するPNP型のトランジスタ61及び62のうちのトランジスタ61のエミッタ−コレクタ通路を流れ、それによりカレントミラー部を形成するトランジスタ61及び62のうちのトランジスタ62のエミッタ−コレクタ通路を電流Icが流れることになり、その電流Icがトランジスタ59のコレクタ−エミッタ通路に流入する。それにより、エミッタが定直流電圧V1(例えば、1.65V)を供給する定直流電圧源63に接続されるとともにコレクタがトランジスタ59のコレクタに接続された、PNP型のトランジスタ64のエミッタ−コレクタ通路を電流3Is−Icが流れることになる。
【0044】
また、トランジスタ57のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Isは、カレントミラー部を形成するPNP型のトランジスタ65及び66のうちのトランジスタ65のエミッタ−コレクタ通路を流れ、それによりカレントミラー部を形成するトランジスタ65及び66のうちのトランジスタ66のエミッタ−コレクタ通路を電流Isが流れることになり、その電流Isがトランジスタ48のコレクタ−エミッタ通路に流入する。それにより、エミッタが、PNP型のトランジスタ67のエミッタ−コレクタ通路を介して、直流電圧V0(例えば、2V)を供給する直流電圧源68に接続されるとともに、コレクタがトランジスタ48のコレクタに接続された、PNP型のトランジスタ69のコレクタ−エミッタ通路を電流Ic−Isが流れることになる。
【0045】
トランジスタ69のエミッタと接地電位点との間には、容量素子70が接続されていて、その容量素子70におけるトランジスタ69のエミッタに接続された一端から電圧出力端子71が導出されており、電圧出力端子71に、電流Icに応じて変化する可変直流電圧が得られ、この可変直流電圧が、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例における可変直流電圧源19が供給する可変直流電圧V3とされる。
【0046】
このようなもとで、トランジスタ64及び69及びトランジスタ69のエミッタに接続された容量素子70は、電圧−電流変換部49により得られる可変直流電流である電流Icと、電流源部60により得られる直流電流である電流3Is及び電流Isとの差に応じた差電流(3Is−Ic及びIc−Is)が流れ、その差電流に応じた可変直流電圧V3が得られる電流−電圧変換部を形成している。
【0047】
また、トランジスタ47のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Icは、カレントミラー部を形成するPNP型のトランジスタ72及び73のうちのトランジスタ72のエミッタ−コレクタ通路を流れ、それによりカレントミラー部を形成するトランジスタ72及び73のうちのトランジスタ73のエミッタ−コレクタ通路を電流Icが流れることになり、その電流Icがトランジスタ58のコレクタ−エミッタ通路に流入する。それにより、エミッタが定直流電圧V2を供給する定直流電圧源40に接続されるとともにコレクタがトランジスタ58のコレクタに接続された、PNP型のトランジスタ74のエミッタ−コレクタ通路を電流3Is−Icが流れることになる。
【0048】
また、このとき、エミッタが、PNP型のトランジスタ76のエミッタ−コレクタ通路を介して、直流電圧V0を供給する直流電圧源68に接続されるとともに、コレクタが基準電位点に接続された、PNP型のトランジスタ75のコレクタ−エミッタ通路を電流Ic−Isが流れることになる。
【0049】
トランジスタ75のエミッタと接地電位点との間には、容量素子77が接続されていて、その容量素子77におけるトランジスタ75のエミッタに接続された一端から電圧出力端子78が導出されており、電圧出力端子78に、電流Icに応じて変化する可変直流電圧が得られ、この可変直流電圧が、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例における可変直流電圧源26が供給する可変直流電圧V4とされる。
【0050】
このようなもとで、トランジスタ74及び75及びトランジスタ75のエミッタに接続された容量素子77は、電圧−電流変換部49により得られる可変直流電流である電流Icと、電流源部60により得られる直流電流である電流3Is及び電流Isとの差に応じた差電流(3Is−Ic及びIc−Is)が流れ、その差電流に応じた可変直流電圧V4が得られる電流−電圧変換部を形成している。
【0051】
上述の如くに、トランジスタ69及び75の夫々のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流は、適正な状態のもとでは電流Ic−Isとされることになるが、例えば、直流電圧源68が供給する直流電圧V0に変動が生じた場合等においては、電流Ic−Isからのずれを生じてしまう虞がある。そこで、図2に示される具体構成例においては、このようなトランジスタ69及び75の夫々のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流の電流Ic−Isからのずれが生じた場合には、そのずれに対する補正が自動的に行われる。
【0052】
即ち、図2に示される具体構成例にあっては、トランジスタ48のコレクタとトランジスタ69のコレクタとの間の接続点に、PNP型のトランジスタ79のベースが接続されており、このトランジスタ79により、トランジスタ69のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流の電流Ic−Isに対するずれの検出が行われる。トランジスタ79により、トランジスタ69のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流の電流Ic−Isに対するずれが検出されると、トランジスタ79から得られる検出出力が、NPN型のトランジスタ80及び81及び抵抗素子82により形成される回路部におけるトランジスタ81のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Ieを変化させる。
【0053】
トランジスタ81のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Ieは、エミッタが定直流電圧源68に接続されるとともに、コレクタがトランジスタ81のコレクタに接続され、ベースがトランジスタ67及び76の夫々のベースと共通接続されたPNP型のトランジスタ83のエミッタ−コレクタ通路を流れる。トランジスタ83は、トランジスタ67及び76の夫々とでカレントミラーを形成している。従って、トランジスタ79から得られる検出出力によってトランジスタ81のコレクタ−エミッタ通路を流れる電流Ieが変化せしめられるときには、トランジスタ83のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流Ieがトランジスタ79から得られる検出出力に応じて変化せしめられ、それに伴って、トランジスタ67及び76の夫々のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流が、トランジスタ79から得られる検出出力に応じて変化せしめられることになる。
【0054】
そして、斯かるトランジスタ67及び76の夫々のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流のトランジスタ79から得られる検出出力に応じた変化は、トランジスタ79から得られる検出出力が零となるように、即ち、トランジスタ67のエミッタ−コレクタ通路及びトランジスタ69のエミッタ−コレクタ通路を通じて流れる電流の電流Ic−Isに対するずれがなくなるように行われる。その結果、トランジスタ69のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流及びトランジスタ75のエミッタ−コレクタ通路を流れる電流の夫々が電流Ic−Isに維持されることになる。
【0055】
このように、図2に示される具体構成例にあっては、電圧出力端子71に可変直流電圧V3が得られるとともに電圧出力端子78に可変直流電圧V4が得られる。そして、調整用可変抵抗素子43の抵抗値(R13)が、例えば、調整用可変抵抗素子43が操作されることにより、変化せしめられると、それに応じて、電圧−電流変換部49により得られる可変直流電流である電流Icが変化せしめられ、その電流Icの変化に応じて、電圧出力端子71に得られる可変直流電圧V3及び電圧出力端子78に得られる可変直流電圧V4が相互に連動して変化せしめられることになる。従って、図2に示される具体構成例により、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例における可変直流電圧源19及び26が形成されていることになる。
【0056】
図3は、図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例が適用されるに好適な、例えば、ディジタル選局方式が採用されたスーパーヘテロダイン受信装置に用いられる、集積回路化に適した回路構成を有した中間周波数選択用フィルタの例を示す。この中間周波数選択用フィルタの例においては、入力端子90に供給される信号Srが、抵抗素子91,92,93及び94,容量素子95、及び、演算増幅部96及び97を含んで形成される周波数選択部を通じて、出力端子98に信号Sr’とされて導出される。また、それとともに、信号Sr’が、抵抗素子99及び100,容量素子101及び演算増幅部102を含んで形成される帰還部を通じて、演算増幅部96の入力端に帰還される。
【0057】
斯かる中間周波数選択用フィルタの例にあっては、通過周波数帯域の中心周波数が、抵抗素子100の抵抗値と容量素子95の容量値とで定まる時定数、及び、抵抗素子99の抵抗値と容量素子101の容量値とで定まる時定数によって設定される。中心周波数をFc,抵抗素子100の抵抗値をR15,容量素子95の容量値をC1,抵抗素子99の抵抗値をR16及び容量素子101の容量値をC2とすると、
Fc=1/(2π・R15・C1)=1/(2π・R16・C2)
となり、抵抗素子100の抵抗値R15及び抵抗素子99の抵抗値をR16を変化させることによって、中心周波数Fcを変化させる調整を行えることになる。
【0058】
図1に示される本発明に係る等価可変抵抗回路の一例は、このような図3に示される中間周波数選択用フィルタの例における抵抗素子100及び抵抗素子99の夫々を等価的に形成するものとして、二個用いられる。そして、二個の各々において、例えば、図2に示される具体構成例における調整用可変抵素子43の抵抗値(R13)が変化せしめられることにより、図1に示される制御電圧供給部28に含まれる可変直流電圧源19及び26が夫々供給する可変直流電圧V3及びV4が変化せしめられ、それにより、図1に示される信号路形成部14における信号入力端11と信号出力端13との間の等価抵抗値Rxが変化せしめられる。斯かるもとでは、信号路形成部14における信号入力端11と信号出力端13との間の等価抵抗値Rxが、図3に示される中間周波数選択用フィルタの例における抵抗素子100及び抵抗素子99の夫々として機能する状態にあり、それが変化せしめられることによって、図3に示される中間周波数選択用フィルタの例における通過周波数帯域の中心周波数を変化させる調整が行われる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本発明に係る等価可変抵抗回路は、複数個の抵抗素子と複数個のトランジスタと二個のトランジスタにおける、例えば、各々のベースとされる電極間に印加される直流電圧を変化させる電圧制御部によって構成され、従って、集積回路化に適した構成を有するとともに、比較的安価に得られることになる。
【0060】
そして、本発明に係る等価可変抵抗回路にあっては、電圧制御部によって二個のトランジスタにおける、例えば、各々のベースとされる電極間に印加される直流電圧が変化せしめられることにより、その直流電圧の変化に応じて、信号路形成部における信号入力端と信号出力端との間の抵抗値が変化せしめられるので、例えば、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの中心周波数の設定に関与する抵抗部分を形成するものとして用いられて、電圧制御部によって二個のトランジスタにおける、例えば、各々のベースとされる電極間に印加される直流電圧が変化せしめられると、その直流電圧の変化に応じて、中間周波数選択用フィルタの中心周波数の設定に関与する抵抗部分の抵抗値が変化せしめられることになり、その結果、中間周波数選択用フィルタの中心周波数が直流電圧の変化に応じて変化せしめられる。そして、斯かる中間周波数選択用フィルタにおける中心周波数の変化は、その中心周波数のばらつき変動の抑制のための調整を行うものとされ得ることになる。
【0061】
即ち、本発明に係る等価可変抵抗回路が、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの中心周波数の設定に関与する抵抗部分を形成するものとして用いられるもとにあっては、本発明に係る等価可変抵抗回路の信号路形成部における信号入力端と信号出力端との間抵抗値を変化させることにより、中間周波数選択用フィルタの中心周波数のばらつき変動の抑制を容易かつ的確に行えることになる。従って、本発明に係る等価可変抵抗回路は、集積回路化に適した回路構成をもって構成される中間周波数選択用フィルタの構成要素として用いられるに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る等価可変抵抗回路の一例を示す回路接続図である。
【図2】図1に示される例における制御電圧供給部の具体構成例を示す回路接続図である。
【図3】図1に示される例が適用されるに好適な中間周波数選択用フィルタの例を示す回路接続図である。
【符号の説明】
11 信号入力端 12,21,22,41,42,99,100 抵抗素子 13 信号出力端 14 信号路形成部 15,17,20,23,25,45,46,47,48,57,58,59,80,81 NPN型のトランジスタ 16,24,40,63 定直流電圧源 18,68 直流電圧源 19,26 可変直流電圧源 27 電流源 28 制御電圧供給部 31,44,96,97,102 演算増幅部 32,70,77,95,101 容量素子 56,61,62,64,65,66,67,69,72,73,74,75,76,79,83 PNP型のトランジスタ 71,78 電圧出力端子

Claims (8)

  1. 信号入力端から第1の抵抗素子を通じて信号出力端に至る信号路形成部と、
    該信号路形成部における上記第1の抵抗素子と上記信号出力端との間の信号出力路部分に接続された第1の電極を有する第1のトランジスタと、
    直流電圧源に接続された第1の電極、及び、上記第1のトランジスタの第2の電極に共通接続された第2の電極を有し、上記第1のトランジスタとで差動対を形成する第2のトランジスタと、
    共通接続された上記第1及び第2のトランジスタの第2の電極に接続された第1の電極、及び、第2の抵抗素子を通じて基準電位点に接続された第2の電極を有し、上記第2の抵抗素子と共に電圧−電流変換部を形成する第3のトランジスタと、
    上記第1のトランジスタの第3の電極と上記第2のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧を変化させ、等価的に上記信号路形成部における上記信号入力端と上記信号出力端との間の抵抗値を変化させる電圧制御部と、
    上記第3のトランジスタの第3の電極が第3の抵抗素子を通じて上記信号路形成部における上記信号入力端と上記第1の抵抗素子との間の信号入力路部分に接続されるとともに、上記第3のトランジスタの第3の電極に接続された第1の電極、及び、電流源部を通じて基準電位点に接続された第2の電極を有する第4のトランジスタと、
    直流電圧源に接続された第1の電極、及び、上記第4のトランジスタの第2の電極に共通接続された第2の電極を有し、上記第4のトランジスタとで差動対を形成する第5のトランジスタと、
    上記第4のトランジスタの第3の電極と上記第5のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧を、上記第1のトランジスタの第3の電極と上記第2のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧の変化と連動して変化させる副電圧制御部と、
    を備えて構成される等価可変抵抗回路。
  2. 上記第1のトランジスタの第3の電極と上記第2のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧を変化させる上記電圧制御部が、上記第1のトランジスタの第3の電極に第1の定直流電圧を印加する第1の定直流電圧源と上記第2のトランジスタの第3の電極に第1の可変直流電圧を印加する第1の可変直流電圧源とを含んで成るとともに、上記第4のトランジスタの第3の電極と上記第5のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧を変化させる上記副電圧制御部が、上記第4のトランジスタの第3の電極に第2の定直流電圧を印加する第2の定直流電圧源と上記第5のトランジスタの第3の電極に第2の可変直流電圧を印加する第2の可変直流電圧源とを含んで成り、上記第1及び第2の可変直流電圧源が相互に連動することを特徴とする請求項1記載の等価可変抵抗回路。
  3. 上記第1の可変直流電圧源及び第2の可変直流電圧源が、可変抵抗素子と演算増幅部とを含んで形成され、上記可変抵抗素子の抵抗値変化に応じて変化する第1及び第2の可変直流電流を発する電圧−電流変換部と、第1及び第2の直流電流を発生する電流源部と、上記電圧−電流変換部により得られる第1の可変直流電流と上記電流源部により得られる第1の直流電流との差に応じた第1の差電流が流れ、該第1の差電流に応じた第1の可変直流電圧が得られる第1の電流−電圧変換部と、上記電圧−電流変換部により得られる第2の可変直流電流と上記電流源部により得られる第2の直流電流との差に応じた第2の差電流が流れ、該第2の差電流に応じた第2の可変直流電圧が得られる第2の電流−電圧変換部と、を備えて構成されることを特徴とする請求項記載の等価可変抵抗回路。
  4. 上記電圧−電流変換部が、上記第1及び第2の可変直流電流に加えて、可変抵抗素子の抵抗値変化に応じて変化する第3の可変直流電流を発生するとともに、上記電流源部が、上記第1及び第2の直流電流に加えて、該第1及び第2の直流電流とは電流値を異にする第3の直流電流を発生し、上記第1の電流−電圧変換部が、上記第1の差電流及び上記電圧−電流変換部により得られる第3の可変直流電流と上記第3の直流電流 との差に応じた第3の差電流が夫々流れる第4のトランジスタ及び第5のトランジスタを含んで形成され、上記第2の電流−電圧変換部が、上記第2の差電流が夫々流れる第6のトランジスタ及び第7のトランジスタを含んで形成されることを特徴とする請求項3記載の等価可変抵抗回路。
  5. 上記第1の電流−電圧変換部を形成する上記第5のトランジスタを流れる第3の差電流の変化に応じて第3の直流電流を制御し、上記第1の差電流に対する上記第3の差電流の比を一定に維持すべく動作する負帰還ループが設けられることを特徴とする請求項記載の等価可変抵抗回路。
  6. 信号入力端から第1の抵抗素子を通じて信号出力端に至る信号路形成部と、
    該信号路形成部における上記第1の抵抗素子と上記信号出力端との間の信号出力路部分に接続された第1の電極を有する第1のトランジスタと、
    直流電圧源に接続された第1の電極、及び、上記第1のトランジスタの第2の電極に共通接続された第2の電極を有し、上記第1のトランジスタとで差動対を形成する第2のトランジスタと、
    共通接続された上記第1及び第2のトランジスタの第2の電極に接続された第1の電極、及び、第2の抵抗素子を通じて基準電位点に接続された第2の電極を有し、上記第2の抵抗素子と共に電圧−電流変換部を形成する第3のトランジスタと、
    上記第1のトランジスタの第3の電極に定直流電圧を印加する定直流電圧源と上記第2のトランジスタの第3の電極に可変直流電圧を印加する可変直流電圧源とを含み、上記第1のトランジスタの第3の電極と上記第2のトランジスタの第3の電極との間に印加される直流電圧を変化させ、等価的に上記信号路形成部における上記信号入力端と上記信号出力端との間の抵抗値を変化させる電圧制御部と
    を具備し、
    上記電圧制御部における上記可変直流電圧源が、可変抵抗素子と演算増幅部とを含んで形成され、上記可変抵抗素子の抵抗値変化に応じて変化する可変直流電流を発する電圧−電流変換部と、所定の直流電流を発生する電流源部と、上記電圧−電流変換部により得られる可変直流電流と上記電流源部により得られる所定の直流電流との差に応じた差電流が流れ、該差電流に応じた可変直流電圧が得られる電流−電圧変換部とを備えて構成されることを特徴とする等価可変抵抗回路。
  7. 上記電流源部が相互に電流値を異にする第1の直流電流と第2の直流電流とを発生し、上記電流−電圧変換部が、上記電圧−電流変換部により得られる可変直流電流と上記第1の直流電流との差に応じた第1の差電流、及び、上記電圧−電流変換部により得られる可変直流電流と上記第2の直流電流との差に応じた第2の差電流が夫々流れる第4のトランジスタ及び第5のトランジスタを含んで形成され、上記第4及び第5のトランジスタのうちの一方を流れる上記第1の差電流もしくは第2の差電流に応じて可変直流電圧を得ることを特徴とする請求項6記載の等価可変抵抗回路。
  8. 上記電流−電圧変換部を形成する上記第4及び第5のトランジスタのうちの一方を流れる上記第1の差電流もしくは第2の差電流の変化に応じて、上記電流源部が発生する上記第1の直流電流及び第2の直流電流を制御し、上記第1の差電流に対する上記第2の差電流の比を一定に維持すべく動作する負帰還ループが設けられることを特徴とする請求項記載の等価可変抵抗回路。
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