JP3831701B2 - 心電図モニタリングシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯型心電計を用いた心電図モニタリングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
心臓疾患を有する患者が日常生活を送りながら心電図を測定するために、携帯型心電計が用いられる(例えば、特許文献1および2参照)。この携帯型心電計は、患者の24時間分の心電図を心電図データとしてメモリに保存する機能を有する。患者は、心電図データが保存されたメモリを医師、看護士等の診断者に届け、診断者は届けられたメモリに保存された心電図データに基づいて診断を行う。近年、携帯電話を接続することによりメモリに保存された心電図データを電話回線を通して病院に伝送する機能を有する携帯型心電計も開発されている。
【0003】
一方、病院内で患者が診断者に心電図をモニタしてもらいながら運動を行う運動療法が実施されている。このような運動療法では、患者一人に対して診断者一人が付き添い、診断者が患者の心電図を診断しながら患者の体調が悪くなった場合に即座に運動を中止させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−279385号公報
【特許文献2】
特開平10−165385号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の携帯型心電計を用いて日常生活を送りながら心電図を測定する方法では、メモリに保存された心電図データに基づいて診断者が後日診断を行うため、診断者が患者の心電図をモニタしながら患者の体調が悪くなったときに即座に運動を中止させることができない。
【0006】
また、上記の病院内での運動療法では、診断者が患者一人に専有される。近年、心臓疾患を有する患者が増加しており、診断者一人が患者一人に専有される運動療法は困難になりつつある。
【0007】
本発明の目的は、複数の患者の心電図をリアルタイムにかつ集中的にモニタリングすることが可能な心電図モニタリングシステムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る心電図モニタリングシステムは、心電図を測定して心電図データを得る心電図測定装置、心電図測定装置により得られた心電図データをリアルタイムに無線送信する通信装置および心電図測定装置により得られた心電図データを記憶する記憶装置を内蔵する携帯型心電計と、携帯型心電計から送信された心電図データを受信し、受信した心電図データを表示する表示部を有するコンピュータとを備え、携帯型心電計は、積層回路基板を備えるとともに、心電図測定装置、通信装置および積層回路基板を収納するケーシングを有し、積層回路基板は、複数の回路基板と、複数の回路基板間に設けられた接地導体層とを含み、心電図測定装置は積層回路基板の一面側に配置され、通信装置は積層回路基板の他面側に配置されたものである。
【0009】
本発明に係る心電図モニタリングシステムにおいては、携帯型心電計の心電図測定装置によって得られた患者の心電図データが、携帯型心電計の通信装置によってリアルタイムに無線送信される。携帯型心電計により送信された心電図データはコンピュータにより受信され、受信された心電図データに基づいて心電図が表示部に表示される。それにより、診断者はコンピュータの表示部に表示された心電図をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら、診断を行うことができる。
【0010】
これにより、1または複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。したがって、患者が携帯型心電計を用いて日常生活を送りながら心電図を測定する場合に、診断者が患者の心電図をリアルタイムにモニタしながら患者の体調が悪くなったときに即座に運動を中止させることができる。また、病院内での運動療法において、診断者が複数の患者の心電図をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。
また、心電図測定装置は、複数の回路基板と複数の回路基板間に設けられた接地導体層とを含む積層回路基板の一面側に配置され、通信装置は積層回路基板の他面側に配置されている。これにより、無線送信時において、心電図測定装置と通信装置との間が接地導体層により遮断され、通信装置から発生される電波が複数の回路基板間に設けられた接地導体層により心電図測定装置に到達することが阻止される。したがって、心電図測定装置は通信装置から発生される電波の影響を受けることなく人体に発生する微弱な電圧に基づく心電図を正確に測定することが可能となる。
さらに、心電図測定装置、通信装置、記憶装置および積層回路基板はケーシングに収納される。これにより、ケーシング内部に通信装置と心電図測定装置とが一体的に内蔵されるため、小型化および携帯性の向上が図られる。
【0011】
携帯型心電計は、記憶装置をさらに内蔵してもよい。この場合、携帯型心電計の心電図測定装置により得られた心電図データが記憶装置に記憶される。それにより、心電図測定装置により得られる心電図データが正常に無線送信されない場合であっても、正確な心電図データが携帯型心電計の記憶装置に記憶されているので、患者は心電図測定後に心電図データの記憶された記憶装置を診断者に提出することで正確な診断が行われる。
【0012】
通信装置は、公衆回線網に接続された基地局に心電図データを無線送信する無線通信装置であり、コンピュータは、基地局から公衆回線網を介して送信される心電図データを受信する通信機器を含んでもよい。
【0013】
この場合、携帯型心電計の無線通信装置により心電図データが基地局に無線送信され、基地局から公衆回線網を介してコンピュータの通信機器により受信される。これにより、診断者は1または複数の患者の心電図をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら、診断を行うことができる。
【0014】
通信機器は、基地局から公衆回線網を介して送信される心電図データを回線を介して受信してもよい。この場合、携帯型心電計により送信された心電図データは、基地局から公衆回線網および回線を介して通信機器に送信される。それにより、コンピュータは通信機器を介して携帯型心電計より送信された心電図データをリアルタイムに受信することができる。したがって、診断者は1または複数の患者の心電図をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら、診断を行うことができる。
【0015】
通信機器は、基地局から公衆回線網を介して他の基地局に送信される心電図データを無線通信により受信してもよい。この場合、携帯型心電計により送信された心電図データは、基地局から公衆回線網を介して他の基地局に送信され、他の基地局から無線送信により通信機器に送信される。それにより、コンピュータは通信機器を介して携帯型心電計により送信された心電図データをリアルタイムに受信することができる。したがって、診断者は1または複数の患者の心電図をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら、診断を行うことができる。
【0016】
通信機器は、基地局から公衆回線網を介して送信される心電図データをインターネットを経由して受信してもよい。この場合、通信機器はインターネットを介して公衆回線網に接続されているので、コンピュータは通信機器を介して携帯型心電計により送信された心電図データをリアルタイムに受信することができる。したがって、診断者は1または複数の患者の心電図をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら、診断を行うことができる。
【0017】
通信装置は、構内回線網に接続された基地局に心電図データを無線送信する無線通信装置であり、コンピュータは、基地局から構内回線網を介して送信される心電図データを受信してもよい。
【0018】
この場合、携帯型心電計の無線通信装置により心電図データが基地局に無線送信され、基地局から構内回線網を介してコンピュータにより受信される。これにより、診断者は1または複数の患者の心電図をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら、診断を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態に係る携帯型心電計による心電図モニタリングシステムを説明する。
【0030】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る携帯型心電計を用いた心電図モニタリングシステムの概念を示す模式図である。
【0031】
図1に示すように、各患者Yは運動療法のための運動をする前に、携帯型心電計10を身体に装着する。携帯型心電計10は、後述するように心電図の測定機能、加速度の測定機能、データの保存機能およびデータの通信機能を有する。患者Yが運動を始めると携帯型心電計10により患者Yの心電図および加速度が測定され、測定された心電図および加速度が心電図データおよび加速度データとして携帯型心電計10内のRAM(ランダムアクセスメモリ)に保存されるとともに通信機能により公衆回線網30を介して病院Hoに送信される。
【0032】
病院Hoにおいて受信された複数の患者Yの心電図データおよび加速度データに基づいて、病院Ho内のコンピュータ(以下、院内コンピュータと呼ぶ)の画面上に患者Yの心電図および加速度が表示される。これにより、病院内の医師、看護士等の診断者は患者Yの心電図および加速度をリアルタイムにモニタしながら、診断を行い、患者Yの体調が悪くなったときに携帯型心電計10を通して即座に運動の中止を指示することができる。
【0033】
図2は本発明の第1の実施の形態に係る携帯型心電計を用いた心電図モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、心電図モニタリングシステム100は、携帯型心電計10、複数の無線基地局20、公衆回線網30、TA(ターミナルアダプタ)40、院内コンピュータ50、回線L、デジタル交換機110および構内回線網120を含む。なお、回線Lは例えばISDN(統合デジタル通信網)回線である。病院Ho内には複数の無線基地局20、TA40、院内コンピュータ50、デジタル交換機110および構内回線網120が設けられている。
【0035】
病院Ho外の各患者の携帯型心電計10により得られた心電図データおよび加速度データは、無線基地局20に送信され、無線基地局20から公衆回線網30、回線LおよびTA40を介して院内コンピュータへ50へと送信される。院内コンピュータ50の画面には心電図データおよび加速度データに基づいて複数の患者Yの心電図および加速度がリアルタイムに表示される。
【0036】
また、患者が病院Ho内で運動療法を行う場合には、患者の携帯型心電計10により得られた心電図データおよび加速度データは、病院Ho内の無線基地局20に送信され、無線基地局20からデジタル交換機110および構内回線網120を介して院内コンピュータへ50へと送信される。院内コンピュータ50の画面には心電図データおよび加速度データに基づいて複数の患者の心電図および加速度がリアルタイムに表示される。
【0037】
それにより、診断者は、院内コンピュータ50の画面に表示された複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら診断を行う。いずれかの患者の体調が悪くなった場合には、診断者が院内コンピュータ50を操作することにより警報信号をTA40、回線L、公衆回線網30および無線基地局20を介して病院Ho外の患者の携帯型心電計10に送信し、患者に運動を中止させることができる。あるいは、診断者が院内コンピュータ50を操作することにより警報信号を構内回線網120、デジタル交換機110および無線基地局20を介して病院Ho内の患者の携帯型心電計10に送信し、患者に運動を中止させることができる。
【0038】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る心電図モニタリングシステムに用いる携帯型心電計の外観および人体への取付け方法を示す模式図である。
【0039】
図3に示すように、携帯型心電計10にはケーブル601が接続されており、ケーブル601の先端にはクランプ電極602が接続されている。携帯型心電計10を人体700へ取り付ける際には、まず人体700にディスポ電極603を貼付する。ディスポ電極603には、端子603aが設けてあり、その端子603aをクランプ電極602によって挟み込む。これにより、人体700の心筋の興奮過程における微弱な電位差(電圧)が、携帯型心電計10により心電図として測定される。
【0040】
図4は、本実施の形態に係る携帯型心電計の構成の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明において、心電図信号とは人体に貼付される図3のディスポ電極603から得られる微弱な電圧に基づいて後述の心電図測定装置が作成する心電図のアナログ信号を示し、加速度信号とは後述の加速度測定装置が測定する加速度のアナログ信号を示すものとする。また、心電図データとは心電図信号に基づいて作成されるデジタルデータを示し、加速度データとは加速度信号に基づいて作成されるデジタルデータを示す。
【0041】
図4において、携帯型心電計10は、心電図測定装置11a、加速度測定装置11b、電源回路12、電池13、CPU(中央演算処理装置)16c、ROM(リードオンリメモリ)16b、RAM(ランダムアクセスメモリ)16a、ロジック回路16d、信号入力用インターフェイス17a、信号入力端子18、通信装置14、通信用インターフェイス17b、ブザー19a、ランプ19b、スイッチ19c、グランドプレーンGP1、GP2およびケーシングKを含む。
【0042】
通信装置14および通信用インターフェイス部17bはグランドプレーンGP1により他の構成部と分離され、心電図測定装置11aはグランドプレーンGP2により他の構成部と分離されている。これにより、通信装置14および通信用インターフェイス部17bと心電図測定装置11aとの間には2枚のグランドプレーンGP1,GP2が介在している。
【0043】
通信用インターフェイス部17bは、通信装置14に接続されており、CPU16cと通信装置14とを相互に接続する。通信装置14は無線通信により図2の無線基地局20に接続可能である。本実施の形態において、通信装置14は、PHS(パーソナル・ハンディフォン・システム:Personal Handyphone System)である。
【0044】
ROM16bにはシステムプログラムが記憶される。RAM16aには後述の心電図データおよび加速度データ等が記憶される。CPU16cはROM16bに記憶されたシステムプログラムをRAM16a上で実行する。ロジック回路16dは、アナログ−デジタル変換器およびリングバッファ等を含み、CPU16cにより動作が制御される。
【0045】
電源回路12は、電池13と携帯型心電計10内部の他の構成部とを接続し、電池13の電力を各構成部に供給する。信号入力用インターフェイス部17aは、信号入力端子18とCPU16c、RAM16aおよびロジック回路16dとを相互に接続する。
【0046】
スイッチ19cは、CPU16cに接続されており、使用者の操作に基づいて所定の指令信号をCPU16cへ与える。ランプ19bおよびブザー19aはCPU16cに接続されており、CPU16cにより動作が制御される。
【0047】
心電図測定装置11aは信号入力用インターフェイス17aを介して信号入力端子18に接続されており、人体700より検出される微弱な電圧に基づいて心電図信号を作成し、作成した心電図信号をロジック回路16dおよびRAM16a等に供給する。加速度測定装置11bは、携帯型心電計10本体の加速度を測定し、測定結果を加速度データとしてロジック回路16d等に供給する。なお、加速度測定装置11bは、アナログ−デジタル変換器を内蔵する。
【0048】
ケーシングKは、携帯型心電計10の構成部全体を覆っている。ここで、ケーシングK内部においては、上述のように2枚のグランドプレーンGP1,GP2が存在する。これにより、ケーシングK内部は3つの空間に分けられている。
【0049】
続いて、携帯型心電計10の内部動作について説明する。携帯型心電計10の使用時において、信号入力端子18には図3のディスポ電極603、クランプ電極602およびケーブル601を介して人体700の心筋の興奮過程における微弱な電圧が入力される。そして、信号入力端子18に入力された微弱な電圧は、信号入力用インターフェイス部17aを通じて心電図測定装置11aに入力される。
【0050】
心電図測定装置11aは、入力された微弱な電圧に基づく心電図信号をロジック回路16dに供給する。ロジック回路16dにおいては、内蔵されたアナログ−デジタル変換器により入力された心電図信号のアナログ−デジタル変換が行われ、心電図データが作成される。その後、作成された心電図データはRAM16aに送られる。
【0051】
一方、加速度測定装置11bにおいては、携帯型心電計10本体の加速度が測定されている。加速度測定装置11bは測定した加速度に基づきアナログ形式の加速度信号を作成する。そして、内蔵されたアナログデジタル変換器により入力された加速度信号のアナログ−デジタル変換が行われ、加速度データが作成される。その後、作成された加速度データはRAM16aに送られる。RAM16aにおいては、入力される心電図データおよび加速度データの記憶動作が行われる。RAM16aは、24時間以上の心電図データおよび加速度データが記憶可能であることが望ましい。
【0052】
また、心電図データおよび加速度データは、CPU16cの動作に基づきロジック回路16d内のリングバッファ、通信用インターフェイス部17bおよび通信装置14を介して図3の院内コンピュータ50に送信される。
【0053】
図5は本発明の第1の実施の形態に係る心電図モニタリングシステムに用いる携帯型心電計の一断面を示す模式図である。
【0054】
図5に示すように、ケーシングK内部の空間は、第1の多層回路基板P1および第2の多層回路基板P2により上部空間、中央部空間および下部空間の3つの空間に分離されている。そして、心電図測定装置11aは、ケーシングK内部の下部空間に位置し、通信装置14はケーシングK内部の上部空間に位置している。第1の多層回路基板P1は、複数の回路基板層EPと、2つの回路基板層EP間に設けられたグランドプレーンGP1とからなる。同様に、第2の多層回路基板P2は、複数の回路基板層EPと、2つの回路基板層EP間に設けられたグランドプレーンGP2とからなる。上記の心電図測定装置11a、加速度測定装置11b、通信装置14および他の各構成部の接地端子は、グランドプレーンGP1、GP2に接続されている。
【0055】
ところで、通信装置14として用いられるPHSは1.9GHz帯の電波を出力約10mWで発生する。一方、心電図測定装置11aは、人体700に発生する1〜10mVという微弱な電圧を測定する。したがって、心電図測定装置11aが、心電図測定時にPHSより発生する電波を受けた場合、測定結果に高周波ノイズが発生し、正確な心電図を得ることができない。
【0056】
本実施の形態に係る携帯型心電計10においては、上述のように通信装置14と心電図測定装置11aとの間に介在するグランドプレーンGP1,GP2により通信装置14と心電図測定装置11aとの間が遮蔽され、通信装置14から発生される電波が心電図測定装置11Aに到達することが阻止される。これにより、心電図測定装置11aは通信装置14から発生される電波の影響を受けることなく人体700に発生する微弱な電圧に基づく心電図を正確に測定することが可能となる。さらに、ケーシングK内部に通信装置14と心電図測定装置11aとが一体的に内蔵されているため、小型化および携帯性の向上が図られている。本実施の形態に係る携帯型心電計10の寸法は、例えば、長さ約9cm、幅約6cmおよび厚さ約2.5cmである。なお、携帯型心電計10の寸法はこれに限定されず心電図測定装置11aが通信装置14から発生される電波の影響を受けることなく心電図を正確に測定することが可能な範囲でさらに小型化されることが望ましい。
【0057】
本実施の形態に係る携帯型心電計10によれば、心電図測定装置11aおよび加速度測定装置11bにより、心電図および加速度を正確に測定しつつ通信装置14により心電図データおよび加速度データをリアルタイムに図2の院内コンピュータ50へ送信することが可能である。これにより、診断者は院外の患者の心電図および加速度をリアルタイムにモニタすることができる。
【0058】
本実施の形態において、心電図測定装置11aと通信装置14との間には2枚のグランドプレーンGP1,GP2が介在しているが、通信装置14により発生される電波が心電図測定装置11aに影響を与えることを防止できる構成であればこれに限定されず、1枚であってもよく、あるいは3枚以上であってもよい。例えば、1枚のグランドプレーンを含む1枚の多層回路基板の一面側に心電図測定装置11aを実装し、他面側に通信装置14を実装してもよい。
【0059】
さらに、本実施の形態において、RAM16aには心電図データおよび加速度データが記憶される。これにより、患者は、心電図測定装置11aおよび加速度測定装置11bにより得られる心電図データおよび加速度データが正常に無線送信されない場合であっても、正確な心電図データおよび加速度データがRAM16aに記憶されているので、心電図データおよび加速度データの記憶されたRAM16aを診断者に提出することで、心電図および加速度の測定後に正確な診断を受けることができる。
【0060】
図6は本発明の実施の形態に係る携帯型心電計を用いた心電図モニタリングシステムにおける院内コンピュータの構成を示すブロック図である。
【0061】
図6に示すように、院内コンピュータ50は、CPU(中央演算処理装置)501、RAM(ランダムアクセスメモリ)502、ROM(リードオンリメモリ)503、外部記憶装置504、記憶媒体駆動装置505、インターフェイス部506および表示器507を含む。
【0062】
なお、インターフェイス部506はTA(ターミナルアダプタ)40に接続されており、CPU501とTA40とを相互に接続する。さらに、TA40は、回線Lを通じて公衆回線網30に接続されている。
【0063】
ROM503にはシステムプログラムが記憶される。記録媒体駆動装置505はCD(コンパクトディスク)ドライブ、フロッピィディスクドライブ等からなり、CD、フロッピィディスク等の記録媒体508に対してデータの読み書きを行う。記録媒体508には、心電図モニタリングプログラムが記録されている。外部記憶装置504は、ハードディスク装置などからなり、記録媒体駆動装置505を介して記録媒体508から読み込まれた心電図モニタリングプログラムを記憶する。CPU501は、外部記憶装置504に記憶された心電図モニタリングプログラムをRAM502上で実行する。表示器507は、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイまたは液晶ディスプレイ等からなり、心電図に関する各種情報を表示する。
【0064】
なお、心電図モニタリングプログラムを記録する記録媒体508としては、ROM等の半導体メモリ、ハードディスク等の種々の記録媒体を用いてもよい。また、心電図モニタリングプログラムをTA40および回線L等の通信媒体を介して外部記憶装置504にダウンロードし、RAM502上で実行してもよい。
【0065】
次に、図2の院内コンピュータ50による心電図データおよび加速度データの処理内容について説明する。
【0066】
上述のように、院内コンピュータ50には携帯型心電計10より心電図データおよび加速度データが入力される。院内コンピュータ50は、入力された心電図データに基づいて以下のデータを作成する。
【0067】
図7は、院内コンピュータ50が入力された心電図データに基づいて作成するデータの一例を示す模式図である。
【0068】
図7(a)に示すように、院内コンピュータ50は携帯型心電計10より送られる心電図データに基づいて心電図波形データを作成する。図7(a)において、縦軸は人体700に発生する微弱な電圧を示し、横軸は時間を示す。ここで、心電図波形データには、浮動的な周期で心室筋の興奮過程を示すR波が発生している。
【0069】
院内コンピュータ50は、作成した心電図波形データに基づいて、各R波毎に最大値を抽出する。図7(a)においては、各R波毎の最大電圧が最大値rとして抽出されている。また、院内コンピュータ50は、R波の最大電圧を抽出するとともに隣接するR波の時間間隔αを各R波における最大電圧の測定時間の差から算出する。以下、隣接するR波の時間間隔αをR−R間隔と呼ぶ。なお、R−R間隔により被測定者の心拍数が算出される。
【0070】
続いて、院内コンピュータ50は、R−R間隔と時間との関係を脈動波形データとして作成する。図7(b)にR−R間隔と時間との関係を示す脈動波形データの一例が示されている。
【0071】
脈動波形データによれば、不整脈が発生しているか否か等の被測定者の心臓の動きがリアルタイムにモニタできる。さらに、脈動波形データにおいて、R−R間隔の上限値Maおよび下限値Mbを設定することで被測定者である患者の異常事態等がより容易に管理される。なお、上限値Maおよび下限値Mbは患者に応じて設定可能であることが好ましい。
【0072】
また、院内コンピュータ50は、脈動波形データに基づいて特定の測定時間におけるR−R間隔の平均値および標準偏差を算出してもよい。この場合、院内コンピュータ50は、図7(b)に示すように、診断者により任意に指定された測定時間範囲Z1,Z2に対しR−R間隔の平均値および全測定時間に対する標準偏差のデータを算出する。
【0073】
図7(c)に、図7(b)により指定された測定時間範囲Z1,Z2におけるR−R間隔の平均値および全測定時間に対する標準偏差のデータの一例を示す。図7(c)によれば、測定時間範囲Z1におけるR−R間隔の平均値が棒グラフh1で示され、標準偏差が棒グラフn1で示されている。また、測定時間範囲Z2におけるR−R間隔の平均値が棒グラフh2で示され、標準偏差が棒グラフn2で示されている。
【0074】
さらに、院内コンピュータ50は心電図データの処理動作とともに、入力される加速度データの記憶動作を行う。
【0075】
本実施の形態に係る院内コンピュータ50には、複数の患者毎に、予め、名前、年齢または疾患状況等の患者情報が記録されている。これにより、院内コンピュータ50は、患者情報とともに、心電図波形データ、脈動波形データおよび加速度データを表示器507に表示する。
【0076】
以上に示す院内コンピュータ50の動作は、図2の公衆回線網30を通じて携帯型心電計10より送られる心電図データおよび加速度データに対しリアルタイムに行われている。
【0077】
ここで、本実施の形態に係る院内コンピュータ50が表示する内容について説明する。
【0078】
図8は、院内コンピュータが診断者に提示する患者の心電図測定状況画面の一例を示す模式図である。図8(a)に第1の表示画面Su1を示し、図8(b)に第2の表示画面Su2を示す。
【0079】
図8(a)によれば、第1の表示画面Su1には、現在の被測定者である患者毎にウィンドウWが表示されている。また、ウィンドウWの内部には、心電図波形v1、心拍数v2、患者情報v3、アラームボタンb1および画面切替ボタンb2が表示されている。
【0080】
図8(b)によれば、第2の表示画面Su2には、現在の被測定者である患者毎にウィンドウWが表示されている。また、ウィンドウWの内部には、脈動波形図v4、現在の運動量v5、R−R間隔の平均値v6およびR−R間隔の標準偏差v7、アラームボタンb1および画面切替ボタンb2が表示されている。
【0081】
心電図波形v1、心拍数v2、患者情報v3、脈動波形図v4、現在の運動量v5、R−R間隔の平均値v6およびR−R間隔の標準偏差v7の表示は、上述の心電図波形データ、脈動波形データおよび加速度データに基づいて行われる。
【0082】
画面切替ボタンb2は、診断者が、表示器507に表示される画面を「第1の表示画面Su1から第2の表示画面Su2へ」または「第2の表示画面Su2から第1の表示画面Su1へ」切り替える場合に用いられる。
【0083】
アラームボタンb1は、診断者が第1の表示画面Su1および第2の表示画面Su2より得られる情報から「患者が危険または異常な状態にある」と判断した場合に用いられる。
【0084】
例えば、診断者は「患者が危険または異常な状態にある」と判断した場合にアラームボタンb1をクリックする。これにより、図2の院内コンピュータ50は対象患者の携帯型心電計10に対し「ブザーオン」または「ランプ点灯」を指令する警報信号を送信する。これにより、携帯型心電計10は患者に対しブザー19aまたはランプ19b等により異常事態を認識させることができる。
【0085】
最後に、本実施の形態に係る心電図モニタリングシステムの運用手順、携帯型心電計10の処理動作及び院内コンピュータ50の処理動作について図9〜図12に基づき説明する。
【0086】
図9および図10は、本実施の形態に係る心電図モニタリングシステムの運用手順を示すフローチャートである。
【0087】
初めに、患者は運動療法を開始する場合、病院の診断者に対し電話連絡を行う(ステップS11)。これにより、患者より電話連絡を受けた病院の診断者は、院内コンピュータ50を立ち上げる(ステップS12)。患者は病院の診断者が院内コンピュータ50を立ち上げたことを確認して、自己の所有する携帯型心電計10の電源をオンする(ステップS13)。
【0088】
続いて、患者はディスポ電極603を人体に装着する(ステップS14)。それにより、携帯型心電計10から心電図データおよび加速度データが無線送信される。
【0089】
診断者は、院内コンピュータ50の表示内容を確認することにより携帯型心電計10より無線送信される心電図データおよび加速度データが正常に受信されているか否かを判別する(ステップS15)。
【0090】
診断者は、携帯型心電計10より正常に心電図データおよび加速度データが受信されていないと判別した場合、患者に対しディスポ電極603の装着状態を確認するよう指示する。これにより、患者はディスポ電極603を再度装着する(ステップS14)。
【0091】
ステップS15において、診断者が携帯型心電計10より正常に心電図データおよび加速度データが受信されていると判別した場合、診断者は患者に対し電話を切断する旨の連絡を行い、患者は運動を開始する(ステップS16)。
【0092】
一方、診断者は院内コンピュータ50に表示される患者の心電図および加速度をモニタし(ステップS17)、患者の体調に異常があるか否かを判別する(ステップS18)。
【0093】
ここで、診断者は、患者の体調に異常がないと判別した場合、患者から運動を終了した旨の電話連絡を受けるまで(ステップS19)、ステップS17に戻り心電図および加速度のモニタを続ける。
【0094】
診断者は、患者から運動を終了した旨の電話連絡を受けた場合、患者に携帯型心電計10の電源をオフし、ディスポ電極603を取り外す旨の指示を行う(ステップS20)。これにより、患者の運動療法が終了する。
【0095】
一方、診断者は、ステップS18において患者の体調に異常があると判別した場合、患者の異常がすぐに運動を停止させなければならないものであるか否かを判別する(ステップS21)。
【0096】
診断者は、患者の異常がすぐに運動を停止させなければならないものでないと判別した場合、患者に対し軽い運動を勧める等の助言を電話連絡する(ステップS22)。その後、診断者は再びステップS17の動作を繰り返す。
【0097】
また、診断者は、患者の異常がすぐに運動を停止させなければならないものであると判別した場合、院内コンピュータ50を操作し、患者の携帯型心電計10に対し警報を出力する旨の警報信号を送信する。これにより、患者の携帯型心電計10のブザー19aから警報音が発生されるとともにランプ19bが赤に点滅することにより警報表示が行われる(ステップS23)。患者は自己の携帯型心電計10のブザー19aからの警報音およびランプ19bの点滅を確認し、運動を停止する(ステップS24)。その後、診断者は患者にモニタリングの診断結果および運動方法についての助言等を電話連絡し(ステップS25)、ステップS20の動作を行う。
【0098】
図11は本実施の形態に係る携帯型心電計10の処理動作を示すフローチャートである。ここで、ロジック回路16dは、心電図データを一時的に記憶するための第1のリングバッファおよび加速度データを一時的に記憶するための第2のリングバッファを含む。
【0099】
初めに、携帯型心電計10の電源がオンされる(ステップS41)。続いて、携帯型心電計10の通信装置14が院内コンピュータ50に接続する(ステップS42)。それにより、以下の3つの処理が並行して行われる。
【0100】
第1の処理において、CPU16cは、ロジック回路16d内のアナログ−デジタル変換器に変換動作の開始を指令する(ステップS43)。それにより、ロジック回路16d内のアナログ−デジタル変換器は心電図信号をアナログ−デジタル変換し、心電図データを出力する(ステップS44)。CPU16cは、ロジック回路16d内のアナログ−デジタル変換器から出力された心電図データを第1のリングバッファに書き込む(ステップS45)。CPU16cは、ステップS44およびステップS45の動作が150Hzで繰り返し行われるようにロジック回路16d内のアナログ−デジタル変換器を制御する。
【0101】
第2の処理において、CPU16cは、加速度測定装置11b内のアナログ−デジタル変換器に変換動作の開始を指令する(ステップS51)。それにより、加速度測定装置11b内のアナログ−デジタル変換器は加速度信号をアナログ−デジタル変換し、加速度データを出力する(ステップS52)。CPU16cは、加速度測定装置11b内のアナログ−デジタル変換器から出力された加速度データを第2のリングバッファに書き込む(ステップS53)。CPU16cは、ステップS52およびステップS53の動作が40Hzで繰り返し行われるように加速度測定装置11b内のアナログ−デジタル変換器を制御する。
【0102】
第3の処理においては、CPU16cは通信装置14に心電図データおよび加速度データ送信動作の開始を指令する(ステップS61)。そして、CPU16cは、心電図データおよび加速度データがそれぞれ第1および第2のリングバッファに書き込まれているか否かを判別する(ステップS62)。心電図データおよび加速度データがそれぞれの第1および第2のリングバッファに書き込まれている場合には、CPU16cは、通信装置14により心電図データおよび加速度データを院内コンピュータ50に送信する(ステップS63)。CPU16cは、ステップ62およびステップ63の動作が繰り返し行われるように通信装置14を制御する。
【0103】
心電図データおよび加速度データがそれぞれの第1および第2のリングバッファに書き込まれていない場合、CPU16cは、心電図データおよび加速度データがそれぞれの第1および第2のリングバッファに書き込まれるまで待機する。
【0104】
図12は院内コンピュータ50の心電図モニタリングプログラムに従う処理動作を示すフローチャートである。
【0105】
初めに、院内コンピュータ50のCPU501は携帯型心電計10から送信される心電図データおよび加速度データをTA40およびインターフェイス部506を介して受信する(ステップS71)。
【0106】
CPU501は、受信した心電図データに基づき、図7(a)で説明した心電図波形データを作成する(ステップS72)。続いて、CPU501は、受信した心電図データに基づき、図7(b)で説明した脈動波形データを作成する(ステップS73)。
【0107】
次に、CPU501は、心電図波形データ、脈動波形データおよび加速度データに基づいて院内コンピュータ50の表示器507に図7および図8で示される表示を行う(ステップS74)。
【0108】
続いて、CPU501は、アラームボタンがクリックされたか否かを判別する(ステップS75)。アラームボタンがクリックされた場合、CPU501は、患者の運動を中止させる旨の警報信号をインターフェイス部506およびTA40を介して患者の携帯型心電計10に送信し(ステップS76)、ステップS71に戻り、心電図データおよび加速度データを受信する。
【0109】
ステップS75においてアラームボタンがクリックされていない場合、CPU501は、ステップS71に戻り、心電図データおよび加速度データを受信する。
【0110】
本実施の形態に係る心電図モニタリングシステムにおいては、複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。したがって、患者が携帯型心電計10を用いて日常生活を送りながら心電図を測定する場合に、診断者が患者の心電図および加速度をリアルタイムにモニタしながら患者の体調が悪くなったときに即座に運動を中止させることができる。また、病院内での運動療法において、診断者が複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。
【0111】
図13は本発明の第2の実施の形態に係る携帯型心電計を用いた心電図モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。
【0112】
図13に示すように、心電図モニタリングシステム100は、携帯型心電計10、複数の無線基地局20、公衆回線網30、院内コンピュータ50、無線通信装置60、デジタル交換機110および構内回線網120を含む。無線通信装置60は、例えばPHSである。病院Ho内には複数の無線基地局20、院内コンピュータ50、無線通信装置60、デジタル交換機110および構内回線網120が設けられている。
【0113】
病院Ho外の各患者の携帯型心電計10により得られた心電図データおよび加速度データは、無線基地局20に送信され、無線基地局20から公衆回線網30を介して他の無線基地局20に送信され、さらに無線通信装置60に送信され、無線通信装置60により院内コンピュータ50へと送信される。院内コンピュータ50の画面には心電図データおよび加速度データに基づいて複数の患者の心電図および加速度がリアルタイムに表示される。
【0114】
また、患者が病院Ho内で運動療法を行う場合には、患者の携帯型心電計10により得られた心電図データおよび加速度データは、病院Ho内の無線基地局20に送信され、無線基地局20からデジタル交換機110および構内回線網120を介して院内コンピュータへ50へと送信される。院内コンピュータ50の画面には心電図データおよび加速度データに基づいて複数の患者の心電図および加速度がリアルタイムに表示される。
【0115】
それにより、診断者は、院内コンピュータ50の画面に表示された複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら診断を行う。いずれかの患者の体調が悪くなった場合には、診断者が院内コンピュータ50を操作することにより警報信号を無線通信装置60、無線基地局20、公衆回線網30および他の無線基地局20を介して病院Ho外の患者の携帯型心電計10に送信し、患者に運動を中止させることができる。あるいは、診断者が院内コンピュータ50を操作することにより警報信号を構内回線網120、デジタル交換機110および無線基地局20を介して病院Ho内の患者の携帯型心電計10に送信し、患者に運動を中止させることができる。
【0116】
本実施の形態に係る心電図モニタリングシステムにおいても、複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。したがって、患者が携帯型心電計10を用いて日常生活を送りながら心電図を測定する場合に、診断者が患者の心電図および加速度をリアルタイムにモニタしながら患者の体調が悪くなったときに即座に運動を中止させることができる。また、病院内での運動療法において、診断者が複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。
【0117】
図14は本発明の第3の実施の形態に係る携帯型心電計を用いた心電図モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。
【0118】
図14に示すように、心電図モニタリングシステム100は、携帯型心電計10、複数の無線基地局20、公衆回線網30、院内コンピュータ50、インターネット70、通信端末80、インターネットプロバイダのサーバ90、回線L2、デジタル交換機110および構内回線網120を含む。通信端末80は、例えばモデムである。病院Ho内には複数の無線基地局20、院内コンピュータ50、通信端末80、デジタル交換機110および構内回線網120が設けられている。
【0119】
病院Ho外の各患者の携帯型心電計10により得られた心電図データおよび加速度データは、無線基地局20に送信され、さらに無線基地局20から公衆回線網30、インターネット70を介してサーバ90に送信され、サーバ90内に格納される。院内コンピュータ50は、通信端末80、回線L2およびインターネット70を介してサーバ90にアクセスすることによりサーバ90内に格納された心電図データおよび加速度データを取得する。院内コンピュータ50の画面には心電図データおよび加速度データに基づいて複数の患者の心電図および加速度がリアルタイムに表示される。
【0120】
また、患者が病院Ho内で運動療法を行う場合には、患者の携帯型心電計10により得られた心電図データおよび加速度データは、病院Ho内の無線基地局20に送信され、無線基地局20からデジタル交換機110および構内回線網120を介して院内コンピュータへ50へと送信される。院内コンピュータ50の画面には心電図データおよび加速度データに基づいて複数の患者の心電図および加速度がリアルタイムに表示される。
【0121】
それにより、診断者は、院内コンピュータ50の画面に表示された複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタしながら診断を行う。いずれかの患者の体調が悪くなった場合には、診断者が院内コンピュータ50を操作することにより警報信号を通信端末80、回線L2、インターネット70、サーバ90、公衆回線網30および無線基地局20を介して病院Ho外の患者の携帯型心電計10に送信し、患者に運動を中止させることができる。あるいは、診断者が院内コンピュータ50を操作することにより警報信号を構内回線網120、デジタル交換機110および無線基地局20を介して病院Ho内の患者の携帯型心電計10に送信し、患者に運動を中止させることができる。
【0122】
本実施の形態に係る心電図モニタリングシステムにおいても、複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。したがって、患者が携帯型心電計10を用いて日常生活を送りながら心電図を測定する場合に、診断者が患者の心電図および加速度をリアルタイムにモニタしながら患者の体調が悪くなったときに即座に運動を中止させることができる。また、病院内での運動療法において、診断者が複数の患者の心電図および加速度をリアルタイムかつ集中的にモニタすることができる。
【0123】
本実施の形態においては、RAM16aが記憶装置に相当し、第1の多層回路基板P1および第2の多層回路基板P2が積層回路基板に相当し、グランドプレーンGP1,GP2が接地導体層に相当し、回路基板層EPが回路基板に相当し、通信装置14およびPHSが無線通信装置に相当し、TA40、無線通信装置60および通信端末80が通信機器に相当する。また、ブザー19aおよびランプ19bが警報出力部に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯型心電計を用いた心電図モニタリングシステムの概念を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る携帯型心電計を用いたモニタリングシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る心電図モニタリングシステムに用いる携帯型心電計の外観および人体への取付け方法を示す模式図である。
【図4】本実施の形態に係る携帯型心電計の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る心電図モニタリングシステムに用いる携帯型心電計の一断面を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯型心電計を用いたモニタリングシステムにおける院内コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図7】院内コンピュータが入力された心電図データに基づいて作成するデータの一例を示す模式図である。
【図8】院内コンピュータが診断者に提示する患者の心電図測定状況画面の一例を示す模式図である。
【図9】本実施の形態に係る心電図モニタリングシステムの運用手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る心電図モニタリングシステムの運用手順を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る携帯型心電計10の処理動作を示すフローチャートである。
【図12】院内コンピュータ50の心電図モニタリングプログラムに従う処理動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る携帯型心電計を用いたモニタリングシステムの構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る携帯型心電計を用いたモニタリングシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 携帯型心電計
11a 心電図測定装置
11b 加速度測定装置
14 通信装置
16a RAM
20 無線基地局
30 公衆回線網
40 ターミナルアダプタ
50 コンピュータ
60 無線通信装置
70 インターネット
100 心電図モニタリングシステム
110 デジタル交換機
120 構内回線網
504 外部記憶装置
507 表示器
GP1,GP2 グランドプレーン
EP 回路基板層
K ケーシング
P1 第1の多層回路基板
P2 第2の多層回路基板

Claims (7)

  1. 心電図を測定して心電図データを得る心電図測定装置および前記心電図測定装置により得られた心電図データをリアルタイムに無線送信する通信装置を内蔵する携帯型心電計と、
    前記携帯型心電計から送信された心電図データを受信し、受信した心電図データに基づいて心電図を表示する表示部を有するコンピュータとを備え
    前記携帯型心電計は、積層回路基板を備えるとともに、前記心電図測定装置、前記通信装置、および前記積層回路基板を収納するケーシングを有し、
    前記積層回路基板は、複数の回路基板と、前記複数の回路基板間に設けられた接地導体層とを含み、
    前記心電図測定装置は前記積層回路基板の一面側に配置され、前記通信装置は前記積層回路基板の他面側に配置されたことを特徴とする心電図モニタリングシステム。
  2. 前記携帯型心電計は、前記心電図測定装置により得られた心電図データを記憶する記憶装置をさらに内蔵したことを特徴とする請求項1記載の心電図モニタリングシステム。
  3. 前記通信装置は、公衆回線網に接続された基地局に心電図データを無線送信する無線通信装置であり、
    前記コンピュータは、前記基地局から公衆回線網を介して送信される心電図データを受信する通信機器を含むことを特徴とする請求項1または2記載の心電図モニタリングシステム。
  4. 前記通信機器は、前記基地局から公衆回線網を介して送信される心電図データを回線を介して受信することを特徴とする請求項3記載の心電図モニタリングシステム。
  5. 前記通信機器は、前記基地局から公衆回線網を介して他の基地局に送信される心電図データを無線通信により受信することを特徴とする請求項3記載の心電図モニタリングシステム。
  6. 前記通信機器は、前記基地局から公衆回線網を介して送信される心電図データをインターネットを経由して受信することを特徴とする請求項3記載の心電図モニタリングシステム。
  7. 前記通信装置は、構内回線網に接続された基地局に心電図データを無線送信する無線通信装置であり、
    前記コンピュータは、前記基地局から構内回線網を介して送信される心電図データを受信することを特徴とする請求項1または2記載の心電図モニタリングシステム。
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