JP3831586B2 - シェルモールド用レジンコーテッドサンド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シェルモールド鋳造法で用いる鋳型(中子、主型)の製造に有用なレジンコーテッドサンドに関する。詳しくは、鋳型造型時の煙の発生が抑制され得、かつ、鋳込み温度の低い軽合金鋳物の製造においては、鋳込み後の崩壊性が良好である中子の製造に好適なシェルモールド用レジンコーテッドサンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
シェルモールド用レジンコーテッドサンドは、従前より種々の方法で製造されているが、一般的には生産性及び品質の面からホットマーリング法、すなわち予熱された鋳物砂とノボラック型フェノール樹脂とを溶融混練した後、さらに混合しながら硬化剤水溶液(例えばヘキサメチレンテトラミン水溶液)を添加し、送風冷却し、最後に滑剤(例えばステアリン酸カルシウム)を添加して製造されている。そして、得られたレジンコーテッドサンド(以下「RCS」という)は、加熱成形型で中子又は主型に硬化賦形された後、シェルモールド鋳造法による鋳物の製造用鋳型として使用されている。
【0003】
ところが、シェルモールド鋳造法により鋳込み温度の低いアルミニウム、アルミニウム合金等の軽合金鋳物の製造を行った場合、得られた鋳込み後の鋳物は、一般に廃中子砂の排砂性(以下、これを「中子の崩壊性」という)が悪いため、これを長時間熱処理したり、強力なノックアウト処理を付して内在する廃中子砂を排出させる後処理が施されている。このように中子の崩壊性の劣悪さは、膨大なエネルギーの消費や職場環境の悪化を伴うのみならず、著しい生産性の低下を来すことから、従来から種々の視点に基づく崩壊性の改善方法、例えば硝酸カリウム(特公昭31−7256号公報)やモリブデン酸ソーダ(特公平7−106420号公報)等の中子の崩壊性向上剤を用いる方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、自動車エンジン軽合金鋳物は、最近の高性能化と相侯って薄肉化し、かつ構造が複雑化しているため、前記崩壊性向上剤による中子の崩壊性では不充分であることから、一般にその増量を余儀なくされている。このため、煙の発生が多くなり作業環境上好ましくなく崩壊性のさらなる改善が求められていた。
【0005】
他方、従来より複雑な形状で肉厚変動の大きい中子が一般的に採用されるようになったが従来のフェノールを原料とする熱硬化性のフェノール樹脂を結合剤とするRCSから得られた鋳物は、鋳造時の中子の熱膨張に起因したべーニング(鋳造欠陥)が鋳物内面に生じ易いという問題が発生した。このため、この種のフェノール樹脂は、中子の低熱膨張化の観点から、例えばビスフェノールAやその精製残渣等を原料とする熱硬化性の低膨張性フェノール樹脂の使用を余儀なくされていた。しかし、低膨張性フェノール樹脂は、崩壊性向上剤として例示した硝酸カリウムやモリブデン酸ソーダ等を用いる方法では、フェノール樹脂より鋳込み後の中子の崩壊性が悪いという欠点があり、さらなる改善が必要である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、鋳型の造型時において煙の発生が抑制され得、かつ、鋳込み後においても中子の崩壊性が維持ないし改善されたシェルモールド用レジンコーテッドサンドを提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、低膨張性フェノール樹脂を用いた場合でも、鋳型の造型時において煙の発生が抑制され得、かつ、鋳込み後の中子の崩壊性が良好であるシェルモールド用レジンコーテッドサンドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、本来有する中子の崩壊性を損なうことなく、鋳型造型時の発煙量の低減化について鋭意検討を行なった結果、特定の金属酸化物が発煙量の低減化に極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は(A)鋳物砂、(B)熱硬化性フェノール樹脂、(C)アルカリ金属酸素酸塩、及び(D)鉄、銅、ニッケル、コバルト、亜鉛のいずれかの金属元素を有する酸化物の群から選ばれた少なくとも1種の酸化物、好ましくは、更に(E)酸素含有量が20質量%以上の含酸素有機化合物を含有してなることを特徴とするシェルモールド用レジンコーテッドサンドである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、(A)成分として用いる鋳物砂については、特に限定はなく、一般的に実用されているケイ砂のほか、例えばオリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド等の特殊砂、フェロクロム系スラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ等のスラグ系粒子、ナイガイセラビーズ(商品名)のような多孔質粒子及びこれらの再生砂などが挙げられる。これらの鋳物砂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】
(B)成分として用いる熱硬化性フェノール樹脂は、鋳物砂の結合剤として機能するものであって、酸性触媒及び/又は塩基性触媒の存在下、フェノール類とアルデヒド類とを反応させると得られる縮合生成物を主成分とし、かつ、硬化剤の存在下又は非存在下で加熱硬化を惹起する性質を有する固体状又は液体状(例えば樹脂液、ワニス状又はエマルジョン等)の熱硬化性フェノール樹脂である。なお、かかる熱硬化性フェノール樹脂には、非限定的ではあるが鋳型強度などのRCS特性の改善のため一般的に使用されているγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤やエチレンビスステアロアミド、メチレンビスステアロアミド等の滑剤を内含させておくのがよい。
【0012】
このような熱硬化性フェノール樹脂の具体例としては、例えばフェノールを原料としたノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、含窒素レゾール型フェノール樹脂及びベンジルエーテル型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、又は樹脂に低膨張性を付与できる原料成分、例えばビスフェノールA、ビスフェノールA製造時の精製残渣及び又は残渣中の分離成分(商品名パーマーノール、三井化学社製)又はその誘導体(商品名ミレツクス、三井化学社製)等を単独で又はフェノールとの共存下にアルデヒド類と反応させると得られる低膨張性フェノール樹脂などが挙げられる。中でも、臭気の観点から、ビスフェノールA又はこれとフェノールとを共存させて得られる低膨張性のフェノール樹脂が好ましい。そのほか、これらのフェノール樹脂の製造時ないしは製造後に任意の化合物、例えばエポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、尿素系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物等と混合ないしは反応させると得られる変性フェノール樹脂が挙げられる。これらのフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0013】
(B)成分の配合量は、鋳型の強度及び中子の崩壊性の観点から、鋳物砂100質量部に対し、固形分換算で0.2〜5質量部、好ましくは0.5〜3質量部である。
【0014】
(C)成分として用いるアルカリ金属酸素酸塩は、鋳込み後の中子崩壊性を向上させる役割を果たすものであって、かかるアルカリ金属酸素酸塩の代表的な例としては、例えば硝酸アルカリ金属塩、過マンガン酸アルカリ金属塩、モリブデン酸アルカリ金属塩、タングステン酸アルカリ金属塩などが挙げられる。中でも、鋳型の強度面から、硝酸アルカリ金属塩、モリブデン酸アルカリ金属塩及びタングステン酸アルカリ金属塩が好ましい。さらには入手し易さ、コスト及び鋳型強度への影響を考慮すると、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等に代表される硝酸アルカリ金属塩が特に好ましい。これらのアルカリ金属酸素酸塩は単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0015】
(C)成分の配合量は、熱硬化性フェノール樹脂100質量部に対し、0.1〜50質量部、鋳型強度への影響を考慮すると、好ましくは1〜20質量部である。配合量が0.1質量部未満では鋳込み後の崩壊性の改善効果が認められないし、逆に50質量部を超えると鋳型強度が低下する傾向がある。
【0016】
(D)成分として用いる鉄、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛のいずれかの金属元素を有する酸化物(以下「特定の金属酸化物」という)は、主に鋳型造型時の発煙量の低減化を果たすものであって、このような特定の金属酸化物の好ましい具体例としては、例えば酸化第一鉄、酸化第二鉄、四三酸化鉄、酸化第一コバルト、酸化第二コバルト、酸化第一ニッケル、酸化第二ニッケル、酸化第一銅、酸化第二銅及び酸化亜鉛等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも特に、鋳型強度の観点から、酸化第二銅が好ましい。なお、鉄酸化物の使用はコスト面で有利である。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0017】
(D)成分の配合量は、熱硬化性フェノール樹脂100質量部に対し、1〜50質量部、好ましくは5〜20質量部である。配合量が1質量部未満では発煙の低減効果が認められず、逆に50質量部を超えると鋳型強度が低下する傾向がある。
【0018】
前記(C)アルカリ金属酸素酸塩との併用において顕著な崩壊性向上効果を示し、特に低温での中子の崩壊性向上を果たすために、(E)成分として酸素含有量が20質量%以上の含酸素有機化合物(以下「特定の含酸素有機化合物」という)を含有させることが好ましい。このような特定の含酸素有機化合物の好適な例としては、例えばカルボン酸、カルボン酸エステル、燐酸エステル、多価アルコール、パーオキサイドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、中子の崩壊性向上効果及び安全性の観点から、カルボン酸、多価アルコール及び燐酸エステル、特に燐酸エステルが好ましい。
【0019】
このような特定の含酸素有機化合物としては、例えばマレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、アジピン酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジエチルN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、ブチルホスホン酸ジブチル、プロピレングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコールなどが挙げられるが、これらに限定はされない。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0020】
(E)成分である特定の含酸素有機化合物の配合量は、熱硬化性フェノール樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。配合量が0.5質量部未満では低温での中子の崩壊性向上効果が認められないし、逆に20質量部を超えると鋳型強度やRCSの融着点が低下する傾向がある。
【0021】
本発明のRCSは、当該技術分野で従来実施されてきた被覆方法、例えばホットマーリング法、セミホットマーリング法、コールドマーリング法により製造することができるが、生産性及び品質面に優れたホットマーリング法により製造するのが望ましい。例えば、スピードミキサー、ワールミキサー等の混練機内に予熱された鋳物砂を入れて温度を調整後、熱硬化性フェノール樹脂、アルカリ金属酸素酸塩、特定の金属酸化物、要すれば特定の含酸素有機化合物などを入れて、所定時間溶融混練して塊状物を形成し、撹拌混合下、硬化剤含有冷却水としてのヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加するとともに送風冷却して塊状物を砂粒状に崩壊させた後、ステアリン酸カルシウムを加えることにより、本発明のRCSを製造することができる。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0023】
なお、得られたシェルモールド用レジンコーテッドサンドについては下記項目の試験を実施した。
【0024】
(1)曲げ強度(N/cm2
J1SK−6910に準拠し、250℃で60秒間焼成後冷却して測定した。
【0025】
(2)中子の崩壊性
先ず、図1において、予め常温自硬性砂で作製した上部に溶湯注入口1と下部に中子の幅木固定部2(この部分は鋳物からの廃中子の排出口となる)を有する半割れ中空主型3(幅80mm、長さ125mm、厚さ75mm)内に、RCSで作製した幅木部4’を有する円形無空中子4(試験片:直径47mm、高さ49mm)を幅木固定部2で接着固定した後、さらに相方中空主型を接着固定して鋳造試験用砂型を作製する。次に、この鋳造試験用砂型の溶湯注入口1からアルミニウム合金溶湯(温度710±5℃)を注湯し、室温まで放置冷却した後、主型3を壊して図2に示す円形で廃中子の排出口6(直径16mm)を有する鋳物5を作製する。次に、得られた鋳物5に圧力0.2MPaのエアーハンマーにより衝撃を与え、排出口6から排出される中子砂の質量を時間毎に測定し、廃中子がすべて排出されるまで行う。
【0026】
中子の崩壊性は、時間毎に排出された中子砂質量を排出中子砂の総質量で除した質量%で表示し、排出量100%に達する時間が短いほど中子の崩壊性はよいと判断する。
【0027】
(3)RCSの発煙量
RCSの発煙量は、図3に示す横型管状電気炉Iと煙突を有する煤煙濃度監視計II(商品名クリーンスカイ、石橋科学工業社製)及び指示記録計IIIから構成される発煙量測定装置により測定する。
【0028】
具体的には、まず横型管状電気炉I(設定温度:400℃)にRCSを200g入れた磁性ボートVをセットする。そして、横型管状電気炉Iから発生するセット4分後の煙の濃度を、煙量測定室II1内の光透過率(投光器II2→発煙量測定室II1→受光器II3)として測定し、これをリンゲルマン濃度〔濃度0(光透過率100)〜濃度5(光透過率0)、光透過率が小さいほど発煙量は多い〕として指示記録計IIIに記録させる。
【0029】
次いで、得られた測定値は、比較例2(RCS10)の測定値を100とする相対比(%)に換算表示し、換算値が大きいほど煙の発生が多く、小さいと煙の発生が少ないと評価した。
【0030】
(4)低圧鋳造機による鋳造試験
鋳造試験は、RCSを用いてシリンダーヘッド中子を造型し、これを低圧鋳造機にセットした後にアルミニウム合金溶湯を注湯してそれぞれ20個のアルミニウム合金鋳物のシリンダーヘッドを作製した。次いで、得られたシリンダーヘッドはチッピング処理(圧力:0.2MPa)して中子の崩壊性(%)を測定した。また、すべてのシリンダーヘッドを切断して鋳造時の中子割れに起因するべーニング発生状況を観察した。
【0031】
(実施例1)
スピードミキサー内に約140〜150℃に温度調整したフリーマントル5000g、ノボラック型フェノール樹脂65g、硝酸カリウム6.5g、リン酸トリブチル3.3g及び酸化第二銅6.5gを入れて50秒間混練した後、冷却水75gにヘキサメチレンテトラミン9.8gを溶解させたヘキサ水溶液を全量添加し、塊状物が砂粒状に崩壊するまで送風冷却し、ステアリン酸カルシウム5gを添加して15秒混合してRCS(1)を得た。
【0032】
(実施例2〜8及び比較例1〜3)
実施例1において、各成分を表1に示す配合割合に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜8にかかるRCS(2)〜(8)及び比較例1〜3にかかるRCS(9)〜(11)を得た。
【0033】
次ぎに、上記の実施例1〜8及び比較例1〜3で得られたRCS(1)〜(11)については、前記試験法により曲げ強度、中子の崩壊性及び発煙量を測定した。それらの結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003831586
【0035】
また、実施例1、実施例6及び比較例3の各RCSについては、実際に低圧鋳造機によりアルミニウム合金の鋳造試験(鋳造個数:20)を行なった後、中子の崩壊性と、べーニングの発生度合いを調査した。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003831586
【0037】
表1から明らかにように、本発明のRCSは、(D)成分である鉄、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛等の金属酸化物の使用により、造型時の発煙量が従来の約50%に低減し得、しかも中子の崩壊性が改善されることが確認された(比較例1と実施例8)。
【0038】
また、(E)成分である酸素含有量が20質量%以上の含酸素有機化合物の使用により、中子の崩壊性は著しく向上する(実施例8と実施例1〜7)と共に、(D)成分により、発煙量は実用上支障のない程度に抑制される上、特に低膨張性フェノール樹脂の使用においては、さらなる中子の崩壊性の向上が認められるなど予期し得ない効果を奏する(比較例3と実施例6)。
【0039】
加えて、表2から明らかにように、低圧鋳造機による鋳造試験によっても、従来より崩壊性が悪いため使用し難いとされていた低膨張性フェノール樹脂が十分に実用できることが裏付けされた。さらに、鋳造時の中子割れを抑制できることもわかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような態様で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0041】
(1)(D)成分である鉄、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛から選ばれる金属酸化物を含有させることにより、鋳型の造型時の煙の発生を従来より低減できるので作業環境の改善ができる。
【0042】
(2)また、更に(E)成分の酸素含有量が20質量%以上の含酸素有機化合物を含有させることによる、(C)成分のアルカリ金属酸素酸塩との相乗効果によって、中子の崩壊性が一段と向上するので鋳物の生産性を向上させることができる。
【0043】
(3)さらには、従来から崩壊性が問題視されてきた低膨張性フェノール樹脂を用いることが可能となり、鋳造時の中子割れの問題(鋳物でのべーニング鋳造欠陥)も解消し得、自動車エンジンの高性能化に寄与し、かつ、鋳物の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中子の崩壊性を測定するために用いた鋳造試験用砂型の縦断面図である。
【図2】廃中子を内包したアルミニウム合金鋳物の縦断面図である。
【図3】発煙量を測定するための発煙量測定装置の構成図である。
【符号の説明】
1 溶湯注入口
2 幅木固定部
3 主型
4 中子
4' 幅木
5 アルミニウム合金鋳物
6 廃中子排出口
7 廃中子
I 横型管状電気炉
II 煤煙濃度監視計
II1 煙量測定室
II2 投光器
II3 受光器
III 指示記録計
V 磁性ボート

Claims (5)

  1. (A)鋳物砂、(B)熱硬化性フェノール樹脂、(C)アルカリ金属酸素酸塩及び(D)鉄、銅、ニッケル、コバルト及び亜鉛の群から選ばれる金属元素の酸化物の少なくとも1種を含有してなることを特徴とするシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
  2. (E)酸素含有量が20質量%以上の含酸素有機化合物を含有してなることを特徴とする請求項1に記載のシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
  3. (E)成分がカルボン酸、多価アルコール及び燐酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
  4. (B)成分が低膨張性フェノール樹脂であることを特徴とする請求項2又は3に記載のシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
  5. (C)成分がアルカリ金属硝酸塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシェルモールド用レジンコーテッドサンド。
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