JP3831566B2 - 電子内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は電子内視鏡装置に係わり、特に限られた数の操作スイッチにより多くの機能操作を実行することができる電子内視鏡の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡では、その操作部に多数の操作スイッチ、レバー等が組み込まれ、術者はこれらを使い分けつつ先端部を動かすことにより、被観察体内の観察や処置等の各種の操作を行う。例えば、内視鏡操作部には、先端部を上下、左右に曲げ操作するための上下、左右のアングル操作ツマミ、このアングル位置をロックするロックツマミ、先端部から被観察体内の内容物を吸引する吸引スイッチ、観察窓等に送気/送水するための送気/送水スイッチが設けられ、また観察画像の静止画を得るためのフリーズスイッチ、この静止画をVTR(Video Tape Recording)に記録するためのVTRスイッチ、シャッタースピードスイッチ等が配置される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近では電子内視鏡で実行できる機能が多く設けられる傾向にあり、操作部に配置する操作スイッチの数も増加しており、操作性を損なわずに多くの操作スイッチを配置することが困難になっている。例えば、増えた機能として光学拡大機能、電子拡大機能等があり、これらを操作する光学拡大スイッチ、電子拡大スイッチを操作部に配置することになるが、電子内視鏡はその操作部を片手でホールドし必要な操作スイッチを押しながら診断を行うものであるため、操作部をあるサイズよりも大きくすることができない。
【0004】
このため、新たな操作スイッチを接近させて配置したり、操作スイッチ自体を小型化したりすることも可能ではあるが、無理な近接配置や必要以上の小型化をすれば、操作性が大きく損なわれるという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な操作性の下に、より多くのスイッチ機能を備えることができる電子内視鏡装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、固体撮像素子で形成された画像の静止画を得るための画像静止スイッチと、拡大方向の動作接点と縮小方向の動作接点を持つ光学拡大スイッチとを操作部に配置した電子内視鏡を備え、この電子内視鏡で得られる画像情報を記録装置へ供給する電子内視鏡装置において、上記記録装置として複数種類のものを接続・配置し、上記電子内視鏡には、上記画像静止スイッチと同時に又は画像静止動作中に上記光学拡大スイッチの拡大方向の動作接点と縮小方向の動作接点を操作することにより種類の異なる記録装置の静止画記録動作が行われるように制御する制御回路を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記光学拡大スイッチと画像静止スイッチを、上記操作部を把持する手の親指が置かれる位置の面とこの面の反対側に位置する面に配置したことを特徴とする。
【0008】
上記請求項1の構成では、画像静止スイッチと光学拡大スイッチを同時操作し、又は静止画動作中に光学拡大スイッチを操作することで、これらのスイッチの操作が本来もつ機能と異なる機能である記録装置の記録動作を実行できるので、スイッチの数を増やすことなしに、より多くの機能を内視鏡に具備させることができ、スイッチの良好な操作性も維持することが可能となる。
【0009】
また、操作スイッチの数を増やすことなしに、より多くの機能を内視鏡に具備させることができるばかりか、指を僅かにシフトさせるだけで、複数の記録装置に対する目的部位の静止画の記録を簡単に、かつ迅速に行うことができる。
【0010】
上記請求項2の構成では、画像静止スイッチと同時操作の対象となる光学拡大スイッチが、例えば四角柱状の操作部の両側面(アングル操作ツマミが設けられた面を上に向けた場合の側面)に別々に配置されるので、把持する手の親指と他の指とで両操作スイッチを容易に同時押しすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1及び図2には、実施形態例に係る電子内視鏡装置の内視鏡操作部周辺の構成及び回路構成が示されており、図1に示されるように、電子内視鏡(スコープ)10は、操作部11、挿入部(軟性部)12を有している。この挿入部12の先端に、固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)が設けられ、上記操作部11から図の下側側面へ配置されたケーブル13には、光源装置及びプロセッサ装置が接続されることになり、このプロセッサ装置に各種の記録装置が接続される。
【0012】
上記操作部11では、その四角柱状部分の側面(図の上側側面)に送気送水釦21、吸引釦22、フリーズ(画像静止)スイッチ23及び電子拡大スイッチ24が配置され、反対側面には光学拡大スイッチ25が配置され、操作部後端部にシャッタースピードスイッチ26が組み込まれている。また、操作部11の上面には、挿入先端部を曲げ操作するための左右アングルツマミ27A、左右ロックツマミ27B、上下アングルツマミ28A、上下ロックツマミ28B等が設けられる。
【0013】
そして、実施形態例では、従来のように記録装置を作動させるための操作スイッチを特別に具備せず、この機能は、上記フリーズスイッチ23と同時に又はフリーズ動作中に光学拡大スイッチ25を押すことによって行うようになっている。この光学拡大スイッチ25の代わりに、電子内視鏡10の内部の機能・動作(プロセッサ装置等の他の装置の機能等を実行するものではなく、スコープで完結するもの)のために設けられている他の操作スイッチ、例えばシャッタースピードスイッチ26、或いは処置具起立レバー等を用いてもよい。
【0014】
この光学拡大スイッチ25では、図2の操作部拡大図に示されるように、ゴムカバー30を備えたスイッチ体31の内部にFarスイッチ(又は接点)25AとNearスイッチ25Bの二つが設けられ、このFarスイッチ25Aにより焦点距離を遠距離方向(縮小方向)に、もう片方のNearスイッチ25Bにより焦点距離を近距離方向(拡大方向)に操作することができる。
【0015】
図3には、第1例の電気回路の構成が示されており、電子内視鏡10内には、上記フリーズスイッチ23、光学拡大スイッチ25(A,B)等のスイッチからの信号を入力して各種の処理を実行するCPU33が設けられる。このCPU33からの制御信号は、各種の画像処理をするプロセッサ装置34に一旦入力され、このプロセッサ装置34の出力端子35を介して記録装置である例えばビデオプリンタ36に供給される。
【0016】
上記記録装置としては、このビデオプリンタ36の他に、従来からよく用いられるVTRやハードコピー装置、フロッピーディスク等の記録媒体に画像情報を記録するデジタルイメージファイル装置等があり、これらの記録装置を上記出力端子35に接続してもよい。
【0017】
第1例は以上の構成からなり、その作用について図4を参照しながら説明する。電子内視鏡10は被観察体を撮像し、そのビデオ信号をプロセッサ装置34へ供給することになり、このプロセッサ装置34にて各種の信号処理が施され、これによりモニタに被観察体像が表示される。そして、電子内視鏡10のCPU33では、Step101にて上記操作部11のフリーズスイッチ23が押されたか否かを判定しており、YESのときはStep103へ移行するが、NOのときはStep102にてフリーズ動作中であるか否かが判定され、ここでYESのときもStep103へ移行する。即ち、フリーズスイッチ23が押されると静止画形成及び表示の処理が実行されるが、このフリーズ動作中であるか否かも判定される。
【0018】
次のStep103では、光学拡大スイッチ25A,25Bの何れか一方(両方が押されていてもよい)が押されているか否かが判定される。即ち、フリーズスイッチ23と同時又はフリーズ動作中にFarスイッチ25A又はNearスイッチ25Bの何れか一方が操作されたとき、プロセッサ装置34を介してビデオプリンタ36を作動させる制御信号を出力する。これにより、ビデオプリンタ36は静止画をプリント出力することになる。
【0019】
また、図1の電子内視鏡10においては、左手のひらを操作部11の背面(アングルツマミ配置面の反対側)に位置させて操作部11を把持し、各スイッチ21〜26を操作するが、上記静止画像の記録操作では、直方体状操作部11の図の上側側面に配置されたフリーズスイッチ23を人差し指等で押し、同時に操作部11の図の下面に配置された光学拡大スイッチ25を親指で押すので、記録操作が極めて容易となる。即ち、操作部11を把持した手の人差し指と親指が自然に置かれる位置にあるフリーズスイッチ23と光学拡大スイッチ25を記録操作用スイッチとして選択することにより、同時押し操作を行い易くすることができる。
【0020】
図5には、実施形態の第2例の構成が示されており、この第2例は複数の記録装置を操作できるようにしたものである。図5に示されるように、第2例においても、フリーズスイッチ23とFarスイッチ25A、Nearスイッチ25B(図2)からなる光学拡大スイッチ25が用いられ、これらのスイッチ23,25の操作信号はCPU83に供給される。このCPU83からの制御信号は、画像処理をするプロセッサ装置84に入力されるが、このプロセッサ装置84には二つの出力端子35,38が設けられ、例えば一方の出力端子35にビデオプリンタ36が接続され、他方の出力端子38にフロッピーディスク等の記録媒体を用いるデジタルイメージファイル装置39が接続される。
【0021】
図6には、第2例のCPU83での動作が示されており、この第2例でも、Step201にて上記操作部11のフリーズスイッチ23が押されたか否かを判定した後、YESのときはStep203へ移行するが、NOのときはStep202にてフリーズ動作中であるか否かが判定され、ここでYESのときはStep203へ移行する。このStep203では、Farスイッチ25Aがフリーズスイッチ23と同時に又はフリーズ動作中に押されているか否かが判定され、YESのときはStep204にてビデオプリンタ36を作動させる信号を出力する。
【0022】
次のStep205では、Nearスイッチ25Bが同様に押されているか否かの判定が行われ、YESのときはStep206にてプロセッサ装置34を介してデジタルイメージファイル装置を作動させる信号を出力する。従って、この場合はフロッピー等に静止画像データが記録される。なお、上記のFarスイッチ25AとNearスイッチ25Bの両方が押されるときは、ビデオプリンタ36とデジタルイメージファイル装置39の両方に静止画が記録されることになる。
【0023】
この第2例においても、操作部11の両側面にフリーズスイッチ23と光学拡大スイッチ25が分かれて配置されるので、把持した手の人差し指と親指による同時押し操作が容易となる。なお、当該第2例でも、上記ビデオプリンタ36及びデジタルイメージファイル装置39の代わりに、VTR、ハードコピー装置等の他の記録装置を用いることができる。
【0024】
上記実施形態例では、フリーズスイッチ23と光学拡大スイッチ25を同時に操作したときに記録装置を作動させたが、その他のスイッチ、例えばシャッタースピードスイッチ26とフリーズスイッチ23を同時押しすることにより記録装置を作動させることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像静止スイッチと同時に又は画像静止動作中に光学拡大スイッチの拡大方向の動作接点と縮小方向の動作接点を操作することにより、異なる種類の記録装置の静止画記録動作が行われるようにしたので、スイッチ数を増やすことなしに、より多くの機能が実行可能となる電子内視鏡装置を得ることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、フリーズスイッチと光学拡大スイッチが操作部の両側面に分けられて配置されるので、把持した手の親指と他の指で同時押しする操作を良好に行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の第1例に係る電子内視鏡操作部の周辺の構成を示す図である。
【図2】図1の電子内視鏡の光学拡大スイッチの構成を示す拡大図である。
【図3】第1例の電子内視鏡装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第1例の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態の第2例の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】第2例の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 … 電子内視鏡、11 … 操作部、
23 … フリーズスイッチ、
25 … 光学拡大スイッチ、
25A … Farスイッチ、
25B … Nearスイッチ、
33,83…CPU、
36 … ビデオプリンタ、
39 … デジタルイメージファイル装置。
Claims (2)
- 固体撮像素子で形成された画像の静止画を得るための画像静止スイッチと、拡大方向の動作接点と縮小方向の動作接点を持つ光学拡大スイッチとを操作部に配置した電子内視鏡を備え、この電子内視鏡で得られる画像情報を記録装置へ供給する電子内視鏡装置において、
上記記録装置として複数種類のものを接続・配置し、
上記電子内視鏡には、上記画像静止スイッチと同時に又は画像静止動作中に上記光学拡大スイッチの拡大方向の動作接点と縮小方向の動作接点を操作することにより種類の異なる記録装置の静止画記録動作が行われるように制御する制御回路を設けたことを特徴とする電子内視鏡装置。 - 上記光学拡大スイッチと画像静止スイッチを、上記操作部を把持する手の親指が置かれる位置の面とこの面の反対側に位置する面に配置したことを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡装置。
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