JP3831564B2 - サーボ制御、およびリソグラフィ投影装置におけるその適用 - Google Patents

サーボ制御、およびリソグラフィ投影装置におけるその適用 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボ制御の方法および装置に関する。特に、本発明は、以下のものを含むリソグラフィ投影装置における上記方法および装置の適用に関する。
‐ 放射プロジェクション・ビームを供給するための放射線システム
‐ マスクを保持するためのマスク・ホルダー付きの、そしてマスク・テーブルの位置決め手段に対して接続されている可動マスク・テーブル
‐ 基板を保持するための基板ホルダーと一緒に供給され、そして基板テーブルの位置決め手段に対して接続されている可動基板テーブル
‐ 基板のターゲット部分の上にマスクの放射された部分を像形成するための投影システム。
【0002】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】
リソグラフィ投影装置は、たとえば、集積回路(IC)の製造において使うことができる。そのような場合、マスク(レチクル)はICの個々の層に対応している回路パターンを含むことができ、そしてこのパターンを、感光材料(レジスト)の層で被覆された基板(シリコン・ウェーハ)上のターゲット領域(ダイ)上に像形成することができる。一般に、単独のウェーハは一度に一つずつマスクを通して次々に照射される隣接したダイの回路網全体を含むことになる。1つの型式のリソグラフィ投影装置においては、各ダイは1つの作業においてダイ上にレチクル・パターン全体を露光することによって照射される。そのような装置は、普通、ウェーハ・ステッパと呼ばれている。代わりの装置(ステップ・アンド・スキャン装置と普通に呼ばれている)においては、各ダイは与えられた基準方向(「走査」方向)においてプロジェクション・ビームを通してレチクル・パターンを漸進的に走査することによって照射され、その間にこの方向に対して平行に、あるいはその逆方向にウェーハ・テーブルを同期的に走査する。一般に、投影システムは拡大係数M(一般に<1)を有しているので、ウェーハ・テーブルが走査される速度vはレチクル・テーブルが走査される速度の係数M倍となる。両方の型式の装置において、各ダイがウェーハ上に像形成された後、ウェーハ・テーブルを新しい位置へ「ステップ」させ、後続のダイのイメージングが可能となるようにすることができる。ここで記述されるリソグラフィ装置に関する詳細は、たとえば、国際特許出願WO 97/33205号およびWO 96/38764号から収集することができる。
【0003】
ごく最近まで、この型式の装置は単独のマスク・テーブルおよび単独の基板テーブルを含んでいた。しかし、少なくとも2つの独立に移動可能な基板テーブルがある装置が、現在利用できるようになっている。たとえば、国際特許出願WO98/28665号およびWO 98/40791号に記述されているマルチステージの装置を参照されたい。そのようなマルチステージの装置の背後にある基本の動作原理は、第1の基板テーブルが投影システムの下にあって、テーブル上に置かれた第1の基板の露光ができるようにしながら、第2の基板テーブルが搭載位置まで移動し、露光された基板を排出し、新しい基板を取り上げ、その新しい基板についてのいくつかの初期アラインメントの測定を実行し、そして次に第1の基板の露光が完了するとすぐに、投影システムの下の露光位置までその新しい基板を搬送するために待機させることができ、サイクルそのものを繰り返す。この方法で装置のスループットを大幅に増加させることができ、それによって装置の所有のコストが改善される。
【0004】
現在のリソグラフィ装置における投影放射線は一般に、波長が365nm、248nmまたは193nmであるUV(紫外)線である。しかし、半導体産業における設計ルールの絶えざる縮小によって新しいタイプの放射線に対する要求が高まっている。近い将来に対する現在の候補としては、超UV光(EUV)以外に、157nmまたは126nmの波長のUV光および、粒子ビーム(たとえば、電子ビームまたはイオンビーム)などがある。
【0005】
リソグラフィ投影装置においては、ウェーハ・テーブルおよびレチクル・テーブルの位置を、複数の露光全体を通して極端に高い精度で制御する必要がある。これらのステージにおける振動は、特に床の振動、間接的なステッピングの力、空気マウントの騒音または音響的な騒音によって生じる可能性がある。そのような振動は露光の像形成品質を下げる。しかし、システムの動作を一時停止させて振動が露光と露光との間で消えてしまうようにすることができる場合、これは一般にスループットが低下して望ましくないことになる。
【0006】
リソグラフィ投影装置の特に重要な1つの特性は、いわゆるオーバレイの精度である。代表的な投影手順においては、基板の各ターゲット部分に各種の露光が、次々の照射セッションにおいて行われることになる。これら露光の結果、通常は、パターン化された層(たとえば、ICの各種の半導体層における回路パターン)となり、それらは互いに正確に重ね合わせられなければならない。重ね合わせの精度が、そのような重ね合わせを再現性よく行うことができる精度を表し、それはナノメートルの程度であることが多い。各種の振動源からの振動が特にマスクおよび基板のテーブルに対して伝えられる可能性があり、その場合、そのような振動が、必要な重ね合わせの精度の達成に、大きく有害な効果を及ぼす可能性がある。
【0007】
上記のような振動の発生を検出することは比較的容易であるが、それらの振動源を識別して消去するためにかなりの仕事が必要となることに留意されたい。
本発明の1つの目的は、この問題に対処して緩和することである。特に、冒頭のパラグラフに定義したような、振動関連の位置決めの誤差が減らされている装置を提供することが本発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
これら、および他の目的は、冒頭のパラグラフに定義したようなリソグラフィ投影装置において本発明によって達成され、それはさらに可撓性のコンジット・キャリヤを含み、このキャリヤは可動テーブルのうちの少なくとも第1のものを該テーブルの外側のフレームに対して連結し、
‐ コンジット・キャリヤによって第1のテーブル上に加えられる力を測定し、この力を表す力信号を発生する力センサと、
‐ 前記力信号に応答して、第1のテーブルに連結されている位置決め手段に、そのテーブルに対して補正の力を加えさせるための制御信号を発生するためのモーション・コントローラとを特徴とする。
【0009】
ここで採用されている「コンジット・キャリヤ」という用語は「臍の緒」を指し、それは一般に可動テーブルの少なくとも1つを外側のフレーム(たとえば、計測用のフレーム)に対して連結し、そして電源コード、信号のキャリヤ、エアー・チューブ(たとえば、テーブルの中の空気ベアリングに対して空気を供給するための)、冷却剤用チューブなどをその中に含んでいる。マスク・テーブルおよび/または基板テーブルをこの方法で(各テーブルに対して個別のコンジット・キャリヤを使って)外側のフレームに対して連結することができる。結果として、ここで採用されている「第1のテーブル」という用語はマスク・テーブルおよび基板テーブルの両方を一般に包含する。
【0010】
本発明につながる実験において、発明者は試験用リソグラフィ装置によって検討を行い、そしてその装置によって達成可能な重ね合わせの精度について集中的に検討した。その結果は半導体産業における現在の標準に照らしてその測定された精度において比較的満足なものであったが、近い将来において導入されることが期待される標準に対応するにはやや不足であった(投影の波長が減少し、フィーチャ・サイズが縮小し続けるので)。結果として、達成可能な重ね合わせを改善するための方法が探求された。多くの実験の後、基板テーブルと外部世界との間のコンジット・キャリヤがテーブルの振動の重要な源であることが、結果として観察された。コンジット・キャリヤの再設計(異なる材料、異なる寸法、異なる形式など)を試行することによってこの問題が最初に取り組まれたが、そのような再設計の結果はむしろ期待外れであった。結果として、この方法ではその現象を緩和することができないことを実感し、発明者は代わりの方法、すなわち、除去する代わりに測定して補正する方法を採用した。この方法が本発明をもたらした。
【0011】
また、本発明はリソグラフィ投影装置における可動テーブルの位置を制御する方法を提供し、その中で、可撓性コンジット・キャリヤが前記テーブルをそのテーブルの外側のフレームに対して連結し、該方法は、
‐ コンジット・キャリヤによってそのテーブル上に加えられる力を測定する段階と、
‐ そのテーブルに対して印加されるべき補正の力を示している制御信号を発生する段階と、
‐ 前記制御信号に応答して、テーブル上のコンジット・キャリヤによって加えられる前記力の影響に対抗するように、補正の力を印加する段階とを含む。
【0012】
本発明によって提供されるフィードフォワード制御は、コンジット・キャリヤの存在およびその運動によって生じる振動の影響に対して実質的に補正することによって、可動テーブル(たとえば、ウェーハ・テーブル)の位置決め精度、そして特に位置決めの再現性を大幅に改善することができる。
【0013】
本発明によるリソグラフィ投影装置を用いる製造プロセスにおいて、エネルギーに感応する材料(レジスト)の層によって少なくとも部分的に覆われている基板上にマスクの中のパターンが像形成される。この像形成の段階に先立って、その基板が、たとえば、プライミング、レジストのコーティングおよびソフト・ベークなどの各種の処理を受けるようにすることができる。露光後、その基板を他の処理、たとえば、露光後のベーク(post‐exposure bake)(PEB)、現像、ハード・ベークおよび像形成されたフィーチャの測定/検査などを受けさせることができる。この処理の配列はデバイス、たとえば、ICの個々の層をパターン化するためのベースとして使われる。次に、そのようなパターン化された層が、エッチング、イオン打込み(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械的研磨など、すべてが個々の層を仕上げることを意図している各種のプロセスを通るようにすることができる。いくつかの層が必要な場合、その手順全体あるいはその変形版が新しい各層に対して繰り返されなければならない。結果として、デバイスのアレイ(列)がその基板(ウェーハ)上に提供される。次に、これらのデバイスがダイシングまたはソーイングなどの技法によって互いに分離され、それによって個々のデバイスをキャリヤ(担持体)上に装架すること、ピンに接続することなどができる。そのようなプロセスに関するさらに詳細の情報は、たとえば、ピータ・ファン・ツァント(Peter vanZant)による“Microchip Fabrication: A Practical Guide to Semiconductor Processing”(マイクロチップの製造:半導体プロセスに対する実用的ガイド)という本の第3版(McGraw Hill Publishing Co.,1997,ISBN 0‐07‐067250‐4)の中で得られる。
【0014】
ICの製造において、本発明による装置の使用について本文中で特定の参照が行われる可能性があるが、そのような装置には他の多くの用途があり得ることは明示的に理解されるだろう。たとえば、それは光集積システム、磁気ドメイン・メモリに対する案内および検出、液晶表示パネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造において採用することができる。この分野の技術に熟達した人であれば、そのような代替の用途の場合において、本文中の用語「レチクル」、「ウェーハ」または「ダイ」の使用は、より一般的な用語「マスク」、「基板」および「ターゲット領域」によってそれぞれ置き換えられるように考慮されるべきであることは明らかである。
本発明は以下に実施形態および添付の図面を参照して説明される。図において、類似の参照符号は類似の部分を示す。
【0015】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>
図1は、本発明によるリソグラフィ投影装置を概略的に示している。その装置は以下のものを含む。
* 放射線(たとえば、UVまたはEUV放射、電子またはイオン)のプロジェクション・ビームPBを供給するための照射システムLA、Ex、IN、CO
* マスク(レチクル)MAを保持するためのマスク・ホルダー付きで提供され、アイテムPLに関してマスクを正確に位置決めするためのマスク・テーブル位置決め手段PMに対して接続されている、可動マスク・テーブル(レチクル・テーブル)MT
* 基板W(たとえば、レジストがコートされたシリコン・ウェーハ)を保持するための基板ホルダー付きで提供され、アイテムPLに関して基板を正確に位置決めするための基板テーブル位置決め手段PWに対して接続されている、可動基板テーブル(ウェーハ・テーブル)WT
* 基板Wのターゲット部分C(ダイ)上にマスクMAの照射された部分を像形成するための投影システムPL(たとえば、屈折または反射光学システム、アレイ・グループまたはフィールド・デフレクションのアレイ)。簡単化のためにアイテムPLは「レンズ」と呼ばれる場合がある。位置決め手段PMおよびPWは、図1の中では明示的には示されていないが、たとえば、図2に示されていて実施形態2の中で説明されているようなタイプのものであってよい。ここで示されているように、リソグラフィ投影装置は、透過的である、すなわち、それは透過的なレチクルおよび純粋屈折のレンズを備えているが、たとえば、その装置は反射的(少なくとも部分的に)であってもよい。
【0016】
照射システムはソースLA(たとえば、水銀ランプまたはエキシマ・レーザ、EUVのソース、たとえば、アクセラレータからの粒子ビームの径路の回りに提供されているアンジュレータ、または電子銃またはイオン銃)を含み、それは放射線のビームを発生する。このビームは各種の光学的コンポーネント、たとえば、ビーム成形光学系Ex、インテグレータINおよびコンデンサCOに沿って通され、その結果のビームPBがその断面において所望の形式および強度分布を備えているようにされる。
【0017】
ビームPBはマスク・テーブルMT上のマスク・ホルダーの中に保持されているマスクMAを遮る。マスクMAを横切って、ビームPBはレンズPLを通過する。レンズPLはビームPBの焦点を基板Wのターゲット領域Cの上に合わせる。干渉計による偏位および測定の手段PWの支援によって、基板テーブルWTを、たとえば、ビームPBの径路の中の異なるターゲット領域Cを位置決めするように、正確に移動することができる。同様に、位置決め手段PBを使って、たとえば、マスク・ライブラリからのマスクMAの機械的な呼出しの後、ビームPBの径路に関してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般に、テーブルMT、WTの移動は、図1には明示的には示されていないロング・ストローク・モジュール(粗い位置決め)およびショート・ストローク・モジュール(微細な位置決め)の支援によって実現される。
【0018】
図に示されている装置を2つの異なるモードで使うことができる。
* ステップ・モードにおいては、マスク・テーブルMTは本質的に静止状態に保たれ、そしてマスク全体の像が1回の動作(単独の「フラッシュ」)でターゲット領域C上に投影される。次に、基板テーブルWTがX方向および/またはY方向に移動され、異なるターゲット領域CをビームPBによって照射することができるようにされる。
* 走査モードにおいても本質的に同じシナリオが適用される。ただし、与えられたターゲット領域Cは単独の「フラッシュ」においては露光されない。代わりに、マスク・テーブルMTが与えられた方向(いわゆる「走査方向」、たとえば、「Y方向」)に速度Vで移動することができ、走査ビームPBがマスク・イメージ上で走査され、基板テーブルWTは同じ方向または反対の方向に速度V=Mvで同時に動かされ、その中でMはレンズPLの拡大率(通常は、M=1/4または1/5)である。この方法で、比較的広いターゲット領域Cを、分解能に対して妥協することなしに露光することができる。
【0019】
各種のソースからの振動が特にテーブルMT、WTへ伝わる可能性があり、その場合、必要な重ね合わせの精度の実現に大きく期待外れの効果を有する可能性がある。本発明はたとえば、実施形態2の中に記述されているように、この問題を緩和するために使うことができる。
【0020】
<実施形態2>
図2は、本発明が適用されるステッパ・タイプのリソグラフィ投影装置(「リソグラフィ装置」)1の関連コンポーネントの概略図である。図2に示されているように、花崗岩のストーン10が可動ウェーハ・テーブル(「チャック」)12に対する支持を提供し、可動ウェーハ・テーブル12はリソグラフィ装置によって露光されるウェーハ11を支持する。チャック12は、動作している時、空気ベアリング上でストーン10の上に浮いていて、H構成に配置されている3つのリニア・モータによってこの装置の投影レンズの下に位置決めすることができる。Xのモータ13がX方向にチャック12の位置を制御し、一方、Y1のモータ14およびY2のモータ15が、Y方向において、そして回転的にRzの両方においてチャック12を位置決めするために、X軸に対して実質的に直角であるY1およびY2の軸に沿って独立に動かすことができる。3つのモータ13,14および15はそれぞれ、たとえば、ローレンツの力に基づいて、そして十分に確立されている原理に従って動作し、そして、
‐ 「ヘリングボーン」パターンの永久磁石区分を設けられている細長いトラック(ステータ)と、
‐ フィールド・コイルのシステムが設けられていて、そのフィールド・コイルを流れる電流に応答して前記トラックに沿って摺動することができる可動「ライダ」とを含む。少なくともX、YおよびRzの方向においてチャック12の微細な位置決めのためのショート・ストロークのアクチュエータが、チャック12とストーン10との間に設けられていて、それは図2の中には明示的には示されていない。
【0021】
コンジット・キャリヤ(ケーブル・スラブ)または「臍の尾」16がチャック12をターミナル・ブロック18に対して連結し、ターミナル・ブロック18は測定用フレーム19の上に搭載されている。ケーブル・スラブ16は特に圧搾空気、冷却剤、電力ケーブルおよび信号ケーブルに対するコンジットを提供する。チャック12がストーン10の回りに移動するにつれて、ケーブル・スラブ16が畳まれたり延びたりしてその移動に従う。
【0022】
本発明者達は周波数範囲4〜18Hzにおける特に厄介な振動が、ケーブル・スラブ16がチャック12の各動きの後で新しい位置へ整定する際に、ケーブル・スラブ16によって発生されることを発見した。したがって、力センサ(「力センシング手段」)、またはロード・セル17が、ケーブル・スラブ16が連結されているチャック12上のマウンティングの中に提供され、そしてその出力がリニア・モータ13,14および15を経由してチャック12に対して印加される補正の力を発生するために使われる。力センサからの出力信号はケーブル・スラブ16の中に含まれている同軸ケーブルによって搬送される。
【0023】
検出される力の大きさは実際の用途によって変わり、そして特にケーブル・スラブ16の大きさおよび形状によって変わる。この実施形態においては、力センサは0.1〜20Nの範囲の力を10mNの精度で、1〜50Hzの周波数範囲にわたって検出することができなければならない。本発明において使える適切な力センサの一例は、スイスのキストラー・インスツルメント社(KistlerInstrumente AG)製の水晶センサ9251Aである。このセンサはZ軸の回りの回転力も測定することができるが、このチャネルはある種の用途においては必ずしも必要ではない。本発明に従って使うための代わりのセンサはATIインダストリアル・オートメンション社(ATI Industrial Automation)から供給されているモデルDelta 330/30センサ、および、たとえば、J&M社から供給されているモデルFGP双方向ミニアチュア力トランスデューサである。
【0024】
図3に示されているように、力センサ17はチャック12と、ケーブル・スラブ16の端をはさむブラケット16aとの間に直接にボルトで止められている。この方法で、力センサ17はケーブル・スラブ16によってチャック12上に加えられる力の直接の指示を提供することができる。このセンサ組立体の機械的な剛性が非常に大きいので、マウンティング・ボルトの上部、およびロード・セル(図3に示されているような意味での)の上部に加えられる力を非常に正確に測定することができる。
【0025】
制御信号を発生するための制御システムがブロック図形式で図4に示されている。
力センサ17によって検出されるXおよびYの方向における力を表す出力信号FxおよびFyが、図2に示されているようにターミナル・ブロック18の中に配置されているロード増幅器18aおよび18bに対して供給されている。この場合のように、力センサが圧電タイプのものであった場合、その出力信号はチャージ信号となり、そしてそれらがロード増幅器18a,18bにおいて電圧信号VxおよびVyに変換される。ロード増幅器18a,18bは、チャック12上に不必要な重量を掛けることを避けながら、センサ・リードによって拾い上げられる電気的ノイズの影響を最小化するために、ターミナル・ブロック18の中に置かれている。制御システムの残りの部分は、ウェーハ・テーブルからもっと離れた場所に置かれていてもよい。
【0026】
XおよびYのモーション・コントローラ21a,21bは、電圧信号VxおよびVyを受け取り、そしてチャック12に対して印加される適切な補正モーションを発生する。ステッパ・コントローラ20はこれらの信号をチャック12の他の必要な運動に関連している他の制御信号と組み合わせ、その組み合わされたウェーハ・テーブルの制御信号WSx,WSy1およびWSy2がリニア・モータ13,14および15に対して出力される。遮断周波数が30Hzである低域通過フィルタがたとえば、コントローラ21a,21bに対する入力の中に提供され、実際の物理的な運動ではなく、電気的ノイズによって発生される可能性のある、より高い周波数の成分を消去するようにしている。
【0027】
本発明を試行した結果、ウェーハを複数回の露光に対して同じ位置まで戻すことができる精度を表す最大「DY」誤差を減らすことができることが示された。本発明を適用しなかった場合、試験装置における3枚のウェーハの基準サンプルが、88ウェーハ/時間の等価なウェーハ・スループットにおいて、19.2〜24.9nmのDY誤差を示した。本発明によると、最大のDY誤差は12.4〜13.5nmまで減らされた。
【0028】
示されたように、力センサはXおよびYにおける力だけを検出するが、Z軸の回りの回転力(Rzの力)を測定するセンサも提供することができる。その場合、追加のロード増幅器およびモーション・コントローラが提供される。必要な場合、X‐Y‐Rzの座標系とX‐Y1‐Y2の座標系との間の変換を、モーション・コントローラ21a、21bの中、あるいはステッパ・コントローラ20の中のいずれかにおいて実行することができる。
【0029】
本発明のこの実施形態は、単独のセンサを使ってXおよびYの方向の両方において力を測定する。代わりに、別々のセンサを設けることもできる。3つの軸上の力は、別々のX、YおよびRzのセンサまたはX、Y1およびY2のセンサを使って同様に測定することができる。
【0030】
図2に示されている配置は、リソグラフィ投影装置におけるウェーハ・ステージ(の一部)として使うのに特に適している。透過的なレチクルで使うためのレチクル・ステージの場合、チャック12およびストーン10は、そのステージを通して(照射システムから投影システムに対して)投影照射を通過させることができるようにするために、適切な開口部を含んでいなければならない。ステッパにおける用途の場合、そのようなレチクル・ステージは一般にはモータ13、14および15を必要としない。というのは、チャック12のショート・ストローク・モーションが一般的に十分であるからである。他方、ステップ・アンド・スキャンの装置においては、モータ14および15がY方向(走査方向)におけるロング・ストロークの作動に対して十分であり、そしてロング・ストローク・モータ13は、一般には不要である(X方向におけるショート・ストロークの作動だけが一般に必要となるので)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリソグラフィ投影装置を示す。
【図2】本発明が適用されるリソグラフィ投影装置の関連コンポーネントの図である。
【図3】力センサの可能な装着を示している部分的に拡大された断面図である。
【図4】本発明による制御システムのブロック図である。
【符号の説明】
1 リソグラム投影装置
LA,Ex,IN,CO 照射システム
MA マスク
MT 可動マスク・テーブル
PB プロジェクション・ビーム
PL 投影システム
PM マスク・テーブル位置決め手段
PW 基板テーブル位置決め手段
W 基板
WT 可動ウェーハ・テーブル
10 ストーン
12 チャック(可動ウェーハ・テーブル)
13,14,15 モータ
16 ケーブル・スラブ(コンジット・キャリヤ)
17 力センサ(ロードセル)
18 ターミナルブロック
18a,18b ロード増幅器
19 測定用フレーム
20 ステッパコントローラ
21a,21b モーション・コントローラ

Claims (11)

  1. リソグラフィ投影装置であって、
    ‐ 放射線の投射ビームを供給するための照射システムと、
    ‐ マスクを保持するためのマスク・ホルダーが備えられていて、マスク・テーブル位置決め手段に対して連結されている可動マスク・テーブルと、
    ‐ 基板テーブルを保持するための基板ホルダーが設けられていて、基板位置決め手段に対して連結されている可動ウェーハ・テーブルと、
    ‐ 基板のターゲット部分上に前記マスクの照射された部分を像形成するための投影システムと、
    ‐ 前記テーブルの外側のフレームに対して前記可動テーブルの少なくとも第1のテーブルを連結する可撓性のコンジット・キャリヤとを含んでいて、
    ‐ 前記コンジット・キャリヤによって前記第1のテーブル上に加えられる力を測定し、そして前記の力を表す力信号を発生するための力センサと、
    ‐ 前記力信号に応答して、制御信号を発生して、前記第1のテーブルに連結されている位置決め手段が前記テーブルに対して補正の力を印加するようにさせるモーション・コントローラとを特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、前記第1のテーブルが少なくとも2つの偏位軸に沿って動くことができ、そして前記力のセンサが少なくとも2つの力の軸において作用する力を検出するようになっている装置。
  3. 請求項2に記載の装置において、前記2つの力の軸が実質的に直交している装置。
  4. 請求項1、請求項2、または請求項3に記載の装置において、前記力センサによって出力される前記力センサを低域通過フィルタするための低域通過フィルタをさらに含む装置。
  5. 請求項4に記載の装置において、前記低域通過フィルタの遮断周波数が20〜40Hzの範囲にある装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項記載の装置において、前記力センサが圧電センサであり、前記力信号として前記力センサから出力されるチャージ信号を、電圧信号に変換するために少なくとも1つのロード増幅器をさらに含む装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項記載の装置において、前記コンジット・キャリヤが、圧搾空気供給チャネル、冷却剤供給チャネル、電源供給チャネル、制御信号チャネル、およびセンサ信号チャネルを含んでいるグループから選択された、少なくとも1つのチャネルを含む装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項記載の装置において、前記第1のテーブルに対して前記コンジット・キャリヤの端を装架するためのブラケットをさらに含み、前記力センサが前記ブラケットと前記第1のテーブルとの間に装架されている装置。
  9. リソグラフィ投影装置の中の可動テーブルの位置を制御する方法であって、可撓性コンジット・キャリヤが前記テーブルを前記テーブルの外側のフレームに対して連結し、該方法は、
    ‐ 前記コンジット・キャリヤによってテーブル上に加えられる力を測定する段階と、
    ‐ 前記テーブルに対して加えられるべき補正の力を示す制御信号を発生する段階と、
    ‐ 前記制御信号に応答して前記テーブルに対して補正の力を印加し、前記テーブル上に前記コンジット・キャリヤによって加えられる前記力の効果に対抗させるようにする段階とを含む方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、前記テーブル上に加えられる前記力が少なくとも2つの実質的に直交している方向において測定されるようになっている方法。
  11. デバイスの製造方法であって、
    ‐ 放射線に敏感な材料の層によって少なくとも部分的に覆われている基板を提供する段階と、
    ‐ パターンを含んでいるマスクを提供する段階と、
    ‐ 放射線の投射ビームを使って前記マスク・パターンの少なくとも一部分の像を、前記放射線に敏感な材料の層のターゲット領域上に投影する段階とを含み、
    前記基板および前記マスクのうちの少なくとも一方が、位置決め手段に対して連結されている可動オブジェクト・テーブル上に保持され、そして可撓性コンジット・キャリヤを経由して前記テーブルの外部のフレームに対しても連結されていて、
    ‐ 前記コンジット・キャリヤによって前記オブジェクト・テーブル上に加えられる力を測定するため、そして前記力を表す力信号を発生するために力センサが使われ、
    ‐ 前記位置決め手段が前記オブジェクト・テーブルに対して補正の力を印加するようにさせるために制御信号を発生するために、前記力信号に応答してモーション・コントローラが使われるようになっていることを特徴とする方法。
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