JP3829426B2 - 感熱記録体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐光性に優れるとともに、白紙外観性が良く、かつカス付着、スティッキングの防止された感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に無色または淡色の染料前駆体と染料前駆体と熱時反応して発色させる顕色剤とを主成分とする感熱発色層を有する感熱記録体は、特公昭45―14039号公報にて開示され、広く実用化されている。この感熱記録体に記録を行うには、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンター等が用いられるが、このような感熱記録法は、従来実用化された他の記録法に比べて、記録時に騒音がない、現像定着の必要がない、メンテナンスフリーである、機器が比較的安価でありコンパクトである、得られた発色が非常に鮮明であるといった特徴から、情報産業の発展に伴い、ファクシミリやコンピューター分野、各種計測器、ラベル用等に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、この種の感熱記録材料を使用した感熱記録体は、画像部及び地肌部の耐光性に欠点を有している。即ち、太陽光に長時間暴露されると、画像部の濃度低下褪色や地肌部の変色が生じ、イメージを損ねる原因となっていた。
【0004】
そこで、耐光性を向上させる目的で、紫外線遮蔽効果をもつ無機填料である酸化亜鉛を感熱発色層に含有させる方法が特開昭62―18626号公報に記載されてる。しかし、紫外線遮蔽効果を持つ無機填料の場合、紫外線遮断効果は大きいものの、可視光領域の透過性が小さく、発色部が隠蔽され印字濃度が低くなる。そのため、十分な印字濃度を保てる程度に使用量を減少すると、紫外線遮断効果が悪くなり、実用的ではないという問題があった。また、酸化セリウム微粒子を保護層に含有させる方法が特開平6―64324号公報に記載されている。しかし、酸化セリウム自体が着色している場合もあり、感熱記録体の材料として適当とはいいがたい。
【0005】
一方、耐光性を向上させる目的で、特開昭61―193883号公報には、ベンゾトリアゾール系の疎水性紫外線吸収剤を保護層に含有させる方法が開示されている。しかし、疎水性の紫外線吸収剤を保護層の含有させると、印字の際にカス付着やスティッキングを生じるという欠点があった。一方、水溶性の紫外線吸収剤を用いた場合については、特開平7―17131号公報に記載されているように、水可溶性の紫外線吸収剤の可溶化に当たりナトリウム塩等のイオンを形成させているため、サーマルヘッドを電気化学的に摩耗させるという欠点があった。特開昭62−176879号公報では、下塗層及び保護層中にベンゾトリアゾール化合物を含有させ、裏面からの紫外線をも吸収しているが、しかしこの方法によっても保護層中の紫外線吸収剤が印字の際のカス付着、スティッキングの原因となり、十分な品質の感熱記録体は得られなかった。
【0006】
また、特開昭62―184880号公報には、保護層中に蛍光増白剤を含有させる方法が記載されているが、蛍光増白剤単独による効果は白紙外観性が主なものであって、耐光性を改良するまでには至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の問題点を克服し、耐光性に優れるとともに白紙外観性が良く、かつカス付着やスティッキングの発生が防止された感熱記録体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、紫外線吸収剤とともに特定の紫外線遮断剤を含有することにより、上記目的を達成した感熱記録体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、支持体上に下塗層、感熱発色層及び保護層を順次積層した感熱記録体において、下塗層及び/または感熱発色層中に紫外線吸収剤を含有し、感熱発色層及び/または保護層中に酸化セリウム化合物に不定型シリカで被覆した粒子の焼成物からなる紫外線遮断剤を含有し、かつ保護層中に蛍光染料を含有する感熱記録体に関する。
【0010】
本発明の感熱記録体において、下塗層あるいは感熱発色層中に含有される紫外線吸収剤としては、疎水性または水溶性の各種公知のものが使用可能である。
【0011】
疎水性紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−tert−ブチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−4’−(2’’−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコ−ル(分子量約300)との縮合物、5−tert−ブチル−3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシベンゼン−プロピオン酸オクチル、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2’−ヒドロキシ−3’―sec −ブチル−5’−tert−ブチルフェニル)−5−tert−ブチルベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレ−ト、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−tert−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステルなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤等を例示することができる。
【0012】
水溶性紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸カリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホン酸ナトリウム、2,4―ジヒドロキシベンゾフェノン−5’−スルホン酸ナトリウム、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホン酸ナトリウムなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−4’−メトキシ−5’−スルホフェニル)ベンゾトリアゾールナトリウム塩、2−(2’−ヒドロキシ−4’−ブトキシ−5’−スルホフェニル)ベンゾトリアゾールナトリウム塩などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0013】
本発明ではこれらに限定されるものではないが、中でも耐光性に最も効果が高いベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく用いられる。また、必要に応じて二種以上併用することもできる。特に感熱発色層中に含有させる場合は、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が、着色が少なく感熱記録体の耐熱性も良好になり望ましい。
【0014】
紫外線吸収剤の使用量については、下塗層あるいは感熱発色層の乾燥重量に対して0.1重量%〜15重量%程度含有させる。より好ましくは、下塗層の乾燥重量に対して1重量%〜10重量%、感熱発色層の乾燥重量に対して2重量%〜10重量%範囲である。下塗層あるいは感熱発色層中の紫外線吸収剤の使用量が0.1重量%以下であると耐光性に対する効果が低く、15重量%以上であると感熱記録体の発色感度や画像保存性が低下する。
【0015】
本発明の感熱記録体において、感熱発色層あるいは保護層中に含有される紫外線遮断剤は、発色濃度の点から透明性が高く隠蔽性の小さいものが望ましい。本発明では、酸化セリウム化合物に不定型シリカで被覆した二層構造を有する粒子の焼成物からなるものを用いる。
【0016】
紫外線遮断剤の使用量は、保護層中においては、その乾燥重量に対して5重量%〜40重量%含有するのが好ましい。5重量%以下であると耐光性に対する効果が少なく、40重量%以上であると保護層のバリア性(隠蔽性)や発色感度が低下する。感熱発色層中においては、その乾燥重量に対して10重量%〜40重量%含有することが好ましい。10重量%以下であると耐光性に対する効果が少なく、40重量%以上であると発色感度が低下する。また、紫外線遮断剤の粒径は2μm以下であることが好ましい。2μm以上であると発色感度が低下するばかりでなく、サーマルヘッドの磨耗を引き起こす原因となる。
【0017】
さらに、本発明の感熱記録体においては、保護層中に含有される蛍光染料もまた、耐光性の向上に寄与する。蛍光染料としては、各種公知のものが使用でき、スチルベン誘導体、クマリン誘導体、ピラゾリン誘導体、ビススチリルビフェニール誘導体、ナフタルイミド誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体などが挙げられ、これらに限定されるものではないが、特にジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体は耐光性に対する効果が高く好ましく用いられる。
【0018】
蛍光染料の使用量については、保護層の乾燥重量に対して0.01〜3重量%存在させるのが好ましい。より好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。保護層中の蛍光染料の量が0.01重量%以下であると耐光性に対する効果が低下し、3重量%以上であると保護層塗料の着色がはげしくなり、記録体の地色の低下につながる。
【0019】
本発明において用いられる前記紫外線遮断剤は、特徴的な二層構造を有しており十分な白色度を保持できる。また、感熱記録体で一般的に使用されている顔料から構成されているため、感熱発色層に含有された場合でも地肌カブリ、減感等の悪影響がみられない。さらに保護層中に含有された場合、感熱記録体に筆記性を持たせることができる。また、前記紫外線遮断剤は下塗層中に含有させることもできる。
【0020】
しかし、前記紫外線遮断剤だけを感熱記録体に含有させても、本発明が求める耐光性は得られない。おそらく、セリウム化合物が不定形シリカによって被覆されており、セリウム化合物の紫外線遮断効果が遮られるためと考えられる。本発明では、前記紫外線遮断剤とともに紫外線吸収剤を含有し、かつ蛍光染料を含有することを特徴としており、これらの相互作用によって優れた耐光性を有する感熱記録体が得られる。特に、下塗層中に紫外線吸収剤を含有し、かつ、感熱発色層中に紫外線吸収剤と紫外線遮断剤とを含有すると、高い耐光性が得られ効果的である。感熱発色層中に紫外線吸収剤と紫外線遮断剤とを含有する場合には、紫外線吸収剤と紫外線遮断剤とは、1:4〜4:1の割合で配合すると良い。
【0021】
また、本発明においては、下塗層あるいは感熱発色層中に紫外線吸収剤を含有させることにより、感熱記録体裏面からの紫外線を吸収するだけでなく、感熱発色層中あるいは保護層中の紫外線遮断剤、蛍光染料との相乗効果により、紫外線吸収能が増大されると考えられる。紫外線吸収剤を下塗層ではなく保護層に含有させた場合は、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は融点が120〜150℃程度と低く、サーマルヘッドによる加熱時に融解してしまいカスなどの原因となる。従って、本発明の如く下塗層あるいは感熱発色層中に紫外線吸収剤を含有し、かつ感熱発色層あるいは保護層中に紫外線遮断剤を含有することが、耐光性を向上させるとともにカス付着やスティッキングを防止するのに有効な手段である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録体を得るには、例えば、ベンゾトリアゾール化合物からなる紫外線吸収剤をバインダー、填料とともに分散して下塗層塗液を調整し、支持体上に塗布乾燥して下塗層を形成する。次に、染料および顕色剤をそれぞれバインダーとともに分散した分散液を混合し、填料等その他必要な添加剤を加えて感熱発色層塗液を調整し、前記下塗層上に塗布乾燥して感熱発色層を形成する。さらに、不溶性セリウム化合物を不定型シリカで被覆した二層構造を有する特定の粒子の焼成物からなる紫外線遮断剤、蛍光染料、水溶性高分子および填料など必要な添加剤を含有した保護層塗液を調整し、前記感熱発色層上に塗布乾燥して保護層を形成することによって、本発明の感熱記録体を製造することができる。
【0023】
本発明の下塗層中において、バインダーとしては、一般的に使用されている水溶性高分子あるいは疎水性高分子のエマルジョン等が適宜使用可能である。具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、等のセルロース誘導体、デンプンとその誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の疎水性高分子のエマルジョンを用いることができる。
【0024】
下塗層中の填料としては、従来一般的に使用されている公知の填料、具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、焼成カオリン、クレー、タルク等の無機填料のほか、スチレン−メタクリル共重合体樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機フィラーを使用することが可能である。
【0025】
本発明の保護層中においては、填料として各種公知のものが使用できる。かかる填料の具体例としてはカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、水酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料等が挙げられる。
【0026】
保護層中のバインダーとしては、感熱記録の分野で通常用いられる高分子化合物からなるバインダーを使用することができる。かかるバインダーの具体例としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル樹脂、アクリルエマルジョン、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン重合体、イソプレン重合体、ブタジエン重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニリデン重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が例示できる。
【0027】
さらに、保護層中には、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等の各種助剤を適宜添加することもできる。また、耐水性を一層向上させるためにグリオキサール、ホウ酸、ジアルデヒドデンプン、エポキシ系化合物等の硬化剤を併用することもできる。
【0028】
本発明の感熱記録体において、感熱発色層中に含有される無色ないし淡色の染料前駆体としては、各種公知のものが使用でき、具体的には例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミン(p−クロロアニリノ)ラクタム、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−m−トルイジノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−エトキシアニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N―シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニリノ]−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ〕フルオレン−9−スピロ−3’−〔6’−ジメチルアミノ〕フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料などが例示される。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて二種以上を併用することもできるが、この中でも、価格などの経済性や入手性などから、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランが好ましく用いられる。
【0029】
また、本発明の感熱発色層中に含有される染料前駆体を発色させるために使用する顕色剤としては、例えば下記の如き公知の顕色剤が挙げられる。活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕べンゼン、1,3―ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、およびこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複台亜鉛塩等の有機酸性物質等が例示される。中でも、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンやビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用いた場合は、記録画像の一般保存性が優れたものが得られ好ましい。
【0030】
染料前駆体と顕色剤との使用比率は、用いる染料前駆体や顕色剤の種類に応じて適宜選択されるものであり、特に限定するものではないが、一般に染料前駆体1重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜10重量部程度の顕色剤が使用される。
【0031】
また、目的に応じて感熱発色層中に増感剤を添加することができ、増感剤の具体例としては、ステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、べヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアマイド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−べンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。
【0032】
また、感熱発色層中には各種顔料を併用することも可能であり、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、水酸化アルミニウム、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料等が挙げられる。
【0033】
また、感熱発色層中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、着色染料等が適宜添加される。
【0034】
また、感熱発色層中に保存性改良剤を添加することも可能である。かかる保存性改良剤としては例えば次のものが挙げられる。2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−〔α’,α’−ビス(4’’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフエニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノ−ル)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
【0035】
本発明の感熱記録体において、下塗層、感熱発色層および保護層の形成方法については特に限定されず、例えばエアーナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により記録層用塗液を支持体上に塗布・乾燥した後、更に保護層用塗液を記録層上に塗布・乾燥する等の方法で形成される。なお、支持体としては、紙、プラスチックフィルム、合成紙、不織布、金属蒸着物等のうちから適宜選択して使用される。また、下塗層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12g/m2、好ましくは3〜10g/m2程度、記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12g/m2、好ましくは3〜10g/m2程度、保護層用塗液の塗布量は乾燥重量で0.1〜20g/m2、好ましくは0.5〜10g/m2程度の範囲で調節される。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によって説明する。尚、説明において部は重量部を示す。
<紫外線遮断剤の製造>
本発明で用いられる紫外線遮断剤を製造するには、まず水酸化セリウムスラリーを生成させる。その生成方法は炭酸セリウムを塩酸や硝酸などの酸で溶解するか、塩化セリウムや硝酸セリウムなどを水に溶解してセリウム塩溶液を調整する。この時のセリウム塩溶液の濃度は適当でよいが、濃い方が水酸化セリウムの生成に有利である。次にこのセリウム塩溶液と水酸化ナトリウムや水酸化カリウムあるいはアンモニアなどの適当濃度のアルカリ溶液を攪拌しながら液温60℃以下、pHを5以上に保った水に適当なスピードで滴下して水酸化セリウムスラリーを生成させる。この時の液pHは5以上、好ましくは8以上に保つことが必要である。
不定形シリカの生成方法は次の通りである。
3号ケイ酸ソーダ溶液を水で希釈して調整したケイ酸ナトリウム溶液と、塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸を水で希釈して鉱酸溶液を80℃以上に保った前記の水酸化セリウムスラリーに適当なスピードで滴下して不定形シリカを生成させる。この時液pHは9以上に保つようにする。滴下するケイ酸ナトリウムの量はスラリー中のCeO2に対するSiO2として換算を求め、その割合は10〜60重量%が適当である。この不定形シリカ生成反応では前記した温度とpHの条件を守ることが大切であって、これを逸脱すると均一な酸化セリウム不定形シリカ複合粒子の無機粉体が得られない。
不定形シリカの含有量はSiO2として酸化セリウムに対して10〜60重量%であることが好ましい。
【0037】
<感熱記録体の製造>
[実施例1]
上記の組成物をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
上記塗液を50g/m2の支持体の片面に塗布量5.0g/m2になるように塗布乾燥して、下塗層を形成した。
上記の組成物をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
上記の組成物をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
上記各塗液を50g/m2の支持体の片面に塗布量6.0g/m2になるように塗布乾燥して、感熱発色層を形成した。
(3)保護層の形成
下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
上記各塗液を記録層上に塗布量4.0g/m2になるように塗布乾燥した後スーパーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤、保護層中に紫外線遮断剤および蛍光染料を含有する例である。以下の例についても同様に、構成の簡単な説明を付す。)
【0038】
[実施例2]
実施例1の下塗層の形成において、A液に代えてD液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
上記の組成物をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
【0039】
[実施例3]
実施例1の保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液を60部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0040】
[実施例4]
実施例1の保護層の形成において、蛍光染料を1部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0041】
[実施例5]
実施例1の感熱発色層の形成において、下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
また、保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤、感熱発色層中に紫外線遮断剤、保護層中に蛍光染料を含有。)
【0042】
[実施例6]
実施例5の感熱発色層の形成において、さらに
上記の組成物をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。次いでこの分散液を10.5部加え塗液とした以外は、実施例5と同様にして感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤、感熱発色層中に紫外線吸収剤および紫外線遮断剤、保護層中に蛍光染料を含有。)
【0043】
[比較例1]
実施例1の下塗層の形成において、A液(紫外線吸収剤分散液1)を配合せず、保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液および蛍光染料を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0044】
[比較例2]
実施例1の保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液および蛍光染料を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤を含有。)
【0045】
[比較例3]
実施例1の下塗層の形成において、A液(紫外線吸収剤分散液1)を配合せず、感熱発色層の形成において、さらに実施例6のE液(紫外線吸収剤分散液3)を10.5部配合し、保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液および蛍光染料を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(感熱発色層中に紫外線吸収剤を含有。)
【0046】
[比較例4]
実施例5の下塗層の形成において、A液(紫外線吸収剤分散液1)を配合せず、保護層の形成において、蛍光染料を配合しない以外は、実施例5と同様にして感熱記録体を得た。(感熱発色層中に紫外線遮断剤を含有。)
【0047】
[比較例5]
実施例1の下塗層の形成において、A液(紫外線吸収剤分散液1)を配合せず、保護層の形成において、蛍光染料を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(保護層中に紫外線遮断剤を含有。)
【0048】
[比較例6]
実施例1の下塗層の形成において、A液(紫外線吸収剤分散液1)を配合せず、保護層の形成において、紫外線遮断剤を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(保護層中に蛍光染料を含有。)
【0049】
[比較例7]
実施例1の保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液を配合せず、水酸化アルミニウム分散液を48部配合した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤、保護層中に蛍光染料を含有。)
【0050】
[比較例8]
実施例1の保護層の形成において、蛍光染料を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤、保護層中に紫外線遮断剤を含有。)
【0051】
[比較例9]
実施例1の下塗層の形成において、A液(紫外線吸収剤分散液1)を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(保護層中に紫外線遮断剤および蛍光染料を含有。)
【0052】
[比較例10]
実施例1の保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液のかわりにA液(紫外線吸収剤分散液1)を26部配合し、水酸化アルミニウム分散液を48部配合した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤、保護層中に紫外線吸収剤および蛍光染料を含有。)
【0053】
[比較例11]
実施例1の保護層の形成において、紫外線遮断剤分散液のかわりに酸化亜鉛分散液(30%)を配合した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。(下塗層中に紫外線吸収剤、保護層中に酸化亜鉛および蛍光染料を含有。)
【0054】
以上の実施例及び比較例で得られた感熱記録体について品質性能試験を行なった結果を表1に示す。
【0055】
注(1)発色性;東京芝浦電気製−感熱ファクシミリKB−4800を使用し、印加エネルギー18.03V、パルス幅3、2ミリ秒で記録した画像濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用。)で測定した。
【0056】
注(2)耐光性残存率;上記条件で印字した感熱記録体をフェードメーター(東洋精機製BH)にて12H処理後、印字部の濃度をマクベス濃度計にて測定し、残存率を下記式より算出した。
【数1】
残存率=(耐光性試験後の画像濃度/未処理の画像濃度)×100%
【0057】
注(3)耐光性地色;上記条件で印字した感熱記録体をフェードメーター(東洋精機製BH)にて12H処理後、白紙部の濃度をマクベス濃度計(ブルーフィルター)にて測定した。
【0058】
注(4)カス付着;パナソニック製パナファックスUF−60を使用し、コピーモードにてB4縦縞原稿20枚印字後目視評価した。
◎…非常に少ない
○…少ない
×…多い
【0059】
注(5)スティッキング;パナソニック製パナファックスUF−22を使用し、送信モードにて印字後、目視評価した。
◎…音が静かである
○…音が大きい
×…画像にスティックパターンが現れる
【0060】
注(6)白紙外観性;白紙部の見た目の白さを目視評価した。
◎…青みがかった白
○…白
△…黄色がかった白
×…黄色味を帯びている
【0061】
【表1】
表1 品質性能試験結果
【0062】
表1から明らかなように、本発明の要件を満たした実施例1〜6では、高い耐光性とカス付着やスティッキングの防止性を有し、また白紙外観性もよい良好な品質の感熱記録体が得られている。これに対し、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、および蛍光染料のいずれも含有しない、あるいはいずれかを単独で含有する比較例1〜6の耐光性は低い。
【0063】
また、紫外線遮断剤の代わりに水酸化アルミニウムを用いた比較例7では、耐光性が非常に悪かった。さらに、保護層中の蛍光染料を欠いた比較例8では、白紙外観性のほか実施例1と比べ耐光性に劣り、下塗層中の紫外線吸収剤を欠いた比較例9も耐光性が低かった。一方、紫外線遮断剤に代えて紫外線吸収剤を保護層に含有させた比較例10では、カス付着やスティッキングの発生が著しく、白紙外観性も悪かった。また、紫外線遮断剤に代えて酸化亜鉛を配合した比較例11では、耐光性および白紙外観性に劣り、カス付着やスティッキングも発生した。このように、本発明の要件のうちいずれかを欠いても、求める性能の感熱記録体とすることはできない。
【0064】
【発明の効果】
以上述べてきたように、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、さらに蛍光染料を同時に含有することにより、耐光性が向上し光による褪色や地肌黄変が起こらず、長時間保存しても記録濃度が低下したり外観が悪くなることのない優れた感熱記録体が得られる。また、本発明の感熱記録体では、カス付着やスティッキングの発生が抑えられるため、サーマルヘッドによる記録を円滑に行うことができ極めて有用である。
Claims (6)
- 支持体上に下塗層、感熱発色層及び保護層を順次積層した感熱記録体において、該下塗層及び/または該感熱発色層に紫外線吸収剤を含有し、該感熱発色層及び/または該保護層中に酸化セリウムに不定形シリカで被覆した二層構造を有する粒子の焼成物からなる紫外線遮断剤を含有し、かつ乾燥重量が0.5〜10g/m 2 である該保護層中に蛍光染料を保護層乾燥重量に対して0.1〜2重量%含有することを特徴とする感熱記録体。
- 支持体上に下塗層、感熱発色層及び保護層を順次積層した感熱記録体において、該下塗層及び該感熱発色層に紫外線吸収剤を含有し、該感熱発色層中に酸化セリウム化合物に不定型シリカで被覆した二層構造を有する粒子の焼成物からなる紫外線遮断剤を含有し、かつ該保護層中に蛍光染料を保護層乾燥重量に対して0.1〜2重量%含有することを特徴とする感熱記録体。
- 下塗層及び/または感熱発色層中に含有される紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の感熱記録体。
- 下塗層及び/または保護層中に含有される紫外線吸収剤の含有量が、下塗層乾燥重量に対して0.1重量%〜15重量%、感熱発色層乾燥重量に対して0.1重量%〜15重量%である請求項1、2または3記載の感熱記録体。
- 感熱発色層及び/または保護層中に含有される紫外線遮断剤の願湯量が、感熱発色層乾燥重量に対して5重量%〜40重量%、保護層乾燥重量に対して5重量%〜40重量%である請求項1、2、3または4記載の感熱記録体。
- 感熱発色層及び/または保護層中に含有される紫外線遮断剤の粒径が2μm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の感熱記録体。
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